JP2022022187A - フィルム容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルムバルブの挿入通路に注出部材(例えば、ストロー等)を挿入し、吸い上げることによって、フィルム容器の内容物を摂取することができるフィルム容器を提供する。【解決手段】フィルム容器は、第1フィルムを張り合わせてシール部10を形成することによって、一方側フィルムおよび他方側フィルムが表裏一対となるように形成され、シール部に口部32を有する袋状の容器本体2と、第2フィルムを用いて形成され、直線状に延びる一対の注出シール部28によって区画された注出部材5用の挿入通路29を有し、一方側フィルムおよび他方側フィルムが表裏一対となるように形成された扁平な筒状であり、挿入通路の一端が容器本体の口部に固定され、挿入通路の他端が容器本体に対してフリーな状態で容器本体の内部に延びるフィルムバルブ3とを含む。【選択図】図2

Description

本開示は、フィルム容器に関する。
従来、液状物を収容する容器として、例えば、特許文献1~3に記載されたフレキシブル包装袋が知られている。
特許第5470554号公報 特許第5665033号公報 特許第5732700号公報
本開示の一実施形態に係るフィルム容器は、第1フィルムを張り合わせてシール部を形成することによって、一方側フィルムおよび他方側フィルムが表裏一対となるように形成され、前記シール部に口部を有する袋状の容器本体と、第2フィルムを用いて形成され、直線状に延びる一対の注出シール部によって区画された注出部材用の挿入通路を有し、一方側フィルムおよび他方側フィルムが表裏一対となるように形成された扁平な筒状であり、前記挿入通路の一端が前記容器本体の口部に固定され、前記挿入通路の他端が前記容器本体に対してフリーな状態で前記容器本体の内部に延びるフィルムバルブとを含み、前記フィルムバルブの前記挿入通路は、第1幅を有する第1部分と、前記第1幅よりも広い第2幅を有する第2部分とを含む。
図1は、本開示の複数の実施形態の共通コンセプトを説明するための図である。 図2は、本開示の第1実施形態に係るフィルム容器の全体構成を示す図である。 図3は、図2のフィルム容器の容器本体の分解図である。 図4は、図2のフィルム容器のフィルムバルブの分解図である。 図5は、図2の口部の変形例を説明するための図である。 図6Aは、図2のフィルム容器の使い方を説明するための図である。 図6Bは、図6Aの次のステップを示す図である。 図6Cは、図6Bの次のステップを示す図である。 図7Aは、図2のフィルム容器の使い方(変形例)を説明するための図である。 図7Bは、図7Aの次のステップを示す図である。 図7Cは、図7Bの次のステップを示す図である。 図8Aおよび図8Bは、開いた状態の挿入通路の断面図である。 図9は、カールした状態のフィルムバルブを示す図である。 図10は、本開示の第2実施形態に係るフィルム容器の全体構成を示す図である。 図11は、図10のフィルム容器の組み立て方を説明するための図である。 図12Aは、図10のフィルム容器の使い方を説明するための図である。 図12Bは、図12Aの次のステップを示す図である。 図13は、本開示の第3実施形態に係るフィルム容器の全体構成を示す図である。 図14は、図13のフィルム容器の分解図である。 図15Aおよび図15Bは、図14のバルブ構造の断面図である。 図16Aおよび図16Bは、図13のフィルム容器の口部の要部拡大図である。 図17Aは、図13のフィルム容器の使い方を説明するための図である。 図17Bは、図17Aの次のステップを示す図である。 図18は、本開示の第4実施形態に係るフィルム容器の全体構成を示す図である。 図19は、図18のフィルム容器の口部の要部拡大図である。 図20は、図19のXX-XX断面を示す図である。 図21Aおよび図21Bは、図20の口部を開封した状態を示す図である。 図22は、本開示の第5実施形態に係るフィルム容器の全体構成を示す図である。 図23は、図22のコーナエンボス部の要部拡大断面図である。 図24は、本開示の第6実施形態に係るフィルム容器の全体構成を示す図である。 図25は、図24のフィルム容器の口部の要部拡大断面図である。 図26Aおよび図26Bは、図25の口部を開封した状態を示す図である。 図27は、本開示の第7実施形態に係るフィルム容器の全体構成を示す図である。 図28は、本開示の第8実施形態に係るフィルム容器の全体構成を示す図である。 図29は、図28のフィルム容器の正面図である。 図30は、図29のXXX-XXX断面を示す図である。 図31は、図29のXXXI-XXXI断面を示す図である。 図32は、図29のXXXII-XXXII断面を示す図である。 図33は、図29のフィルム容器の使い方を説明するための図である。 図34Aおよび図34Bは、図29のフィルム容器の口部の要部拡大図である。 図35Aおよび図35Bは、図32の口部を開封した状態を示す図である。 図36は、本開示の第9実施形態に係るフィルム容器の全体構成を示す図である。 図37は、図36のフィルム容器の正面図である。 図38は、図37のXXXVIII-XXXVIII断面を示す図である。 図39は、図37のXXXIX-XXXIX断面を示す図である。 図40は、図37のXL-XL断面を示す図である。 図41Aおよび図41Bは、図39の口部を開封した状態を示す図である。 図42は、本開示の第10実施形態に係るフィルム容器の全体構成を示す図である。 図43は、図42のフィルム容器の口部の要部拡大図である。 図44は、本開示の第11実施形態に係るフィルム容器の全体構成を示す図である。 図45は、図44のコーナエンボス部の要部拡大断面図である。 図46は、本開示の第12実施形態に係るフィルム容器の全体構成を示す図である。 図47は、本開示の第13実施形態に係るフィルム容器の全体構成を示す図である。 図48は、本開示の第14実施形態に係るフィルム容器の全体構成を示す図である。 図49は、本開示の第15実施形態に係るフィルム容器の全体構成を示す図である。 図50Aおよび図50Bは、本開示の第16実施形態に係るフィルム容器の全体構成を示す図である。 図51は、プラスチックフィルムの製造工程を説明するための図である。 図52は、プラスチックフィルムの分子配向性を説明するための図である。 図53Aは、本開示の第17実施形態に係るフィルム容器の全体構成を示す図である。 図53Bは、本開示の第17実施形態に係るフィルム容器の全体構成を示す図である。 図54Aおよび図54Bは、それぞれ、図53Aの二点鎖線Aおよび図53Bの二点鎖線Bで囲まれた部分の拡大図である。 図55Aは、本開示の第18実施形態に係るフィルム容器の全体構成を示す図である。 図55Bは、本開示の第18実施形態に係るフィルム容器の全体構成を示す図である。 図56Aおよび図56Bは、それぞれ、図55Aの二点鎖線Aおよび図55Bの二点鎖線Bで囲まれた部分の拡大図である。 図57Aは、本開示の第19実施形態に係るフィルム容器の全体構成を示す図である。 図57Bは、本開示の第19実施形態に係るフィルム容器の全体構成を示す図である。 図58Aおよび図58Bは、それぞれ、図57Aの二点鎖線Aおよび図57Bの二点鎖線Bで囲まれた部分の拡大図である。 図59は、本開示の第20実施形態に係るフィルム容器の全体構成を示す図である。 図60は、図59の二点鎖線Aで囲まれた部分の拡大図である。 図61は、本開示の第21実施形態に係るフィルム容器の全体構成を示す図である。
<本開示の実施形態>
まず、本開示の実施形態を列記して説明する。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器は、第1フィルムを張り合わせてシール部を形成することによって、一方側フィルムおよび他方側フィルムが表裏一対となるように形成され、前記シール部に口部を有する袋状の容器本体と、第2フィルムを用いて形成され、直線状に延びる一対の注出シール部によって区画された注出部材用の挿入通路を有し、一方側フィルムおよび他方側フィルムが表裏一対となるように形成された扁平な筒状であり、前記挿入通路の一端が前記容器本体の口部に固定され、前記挿入通路の他端が前記容器本体に対してフリーな状態で前記容器本体の内部に延びるフィルムバルブとを含み、前記フィルムバルブの前記挿入通路は、第1幅を有する第1部分と、前記第1幅よりも広い第2幅を有する第2部分とを含む。
このフィルム容器では、例えば、フィルムバルブの挿入通路に注出部材(例えば、ストロー等)を挿入し、吸い上げることによって、フィルム容器の内容物を摂取することができる。
この構成によれば、フィルムバルブの第1部分の第1幅が、第2部分の第2幅に比べて狭い。言い換えれば、一方側フィルムと他方側フィルムとが自在に離れたり密着したりできる幅が、第2部分よりも第1部分が狭い。これにより、注出部材を挿入通路に挿入したときの第1部分と第2部分とのフィルムの開き代を比較すると、第2部分の開き代が第1部分の開き代よりも大きくなっている。
そのため、注出部材の挿入時、フィルムバルブは、第1部分でタイトな状態で開く一方、第2部分では、ゆったりとした状態で開く。これにより、第1部分では、注出部材の周囲に形成される挿入通路の隙間を、第2部分の隙間に比べて小さくすることができる。つまり、挿入通路において注出部材の周囲に互いに異なる大きさの隙間が形成されることとなる。
その結果、注出部材で内容物を吸引する際、挿入通路の隙間を通る空気を減らすことができるので、内容物へのエア噛みおよび雑音(例えば、不快音等)の発生を低減することができる。一方、第2部分では、フィルムバルブがゆったりとした状態で開くため塑性変形し難く、フィルム自体に復元性を保持することができる。そのため、静電気や表面張力等によって、一方側フィルムと他方側フィルムとの間が閉じやすくなっている。
このように、このフィルムバルブは、挿入通路の幅に差を設けることによって、フィルム容器の内容物を吸引する際の不快感を緩和しつつ、挿入通路が開通した状態での内容物の漏れ出しを抑制することができる。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器では、前記フィルムバルブの前記挿入通路は、前記挿入通路の流出方向の中央部に前記第1部分を有し、前記第1部分に対して前記挿入通路の下流側および上流側に第2部分を有し、前記第1部分において括れるように形成されていてもよい。
この構成によれば、第1部分が括れているため、第1部分における注出シール部の第1シール幅が、第2部分における注出シール部の第2シール幅よりも広くなっており、流出方向に交差する方向に沿う挿入通路の断面形状が不均一になっている。これにより、第1部分を起点に、挿入通路の上流側の第2部分に向かってフィルムバルブをカールさせることができる。その結果、内容物の漏れ出しを効果的に抑制することができる。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器では、前記容器本体は、前記口部から切り離し自在に形成されたフィルム状の蓋部を含んでいてもよい。
この構成によれば、蓋部が切り離されるまで挿入通路と外部との接触を遮断することができるので、フィルム容器全体を清潔に保持することができる。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器は、前記蓋部が、前記一方側フィルムと前記他方側フィルムとの間に中空の内部空間ができるように形成されている場合、前記口部を介して前記挿入通路に挿入され、かつ前記口部から前記蓋部の前記内部空間に突出する注出部材をさらに含んでいてもよい。
この構成によれば、注出部材が予め蓋部に格納されているため、注出部材を挿入する手間を省略することができる。また、注出部材の一端を外気に晒さずに予め容器本体に挿入した状態で注出部材を使用できるので、清潔性を向上させることもできる。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器は、前記フィルムバルブおよび前記口部に対して一体的に固定され、前記挿入通路に連通する挿入口を有し、前記挿入通路に挿入される注出部材を前記挿入口で保持し得る硬質のベース部材をさらに含んでいてもよい。
この構成によれば、ベース部材の挿入口を介して注出部材を挿入通路に簡単にガイドすることができるので、注出部材の挿入性を向上させることができる。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器では、前記容器本体は、前記挿入口を塞ぐように前記ベース部材を覆い、切り離し自在に形成されたフィルム状の蓋部を含んでいてもよい。
この構成によれば、蓋部が切り離されるまで挿入通路と外部との接触を遮断することができるので、フィルム容器全体を清潔に保持することができる。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器は、第1フィルムを張り合わせてシール部を形成することによって、一方側フィルムおよび他方側フィルムが表裏一対となるように形成され、前記シール部に口部を有する袋状の容器本体と、前記口部から一対の直線状に延びるように前記容器本体をシールすることによって形成され、前記口部を形成する一端および前記容器本体の内部に位置する他端を有し、注出部材用の挿入通路挿入通路を区画する一対の注出シール部と、第2フィルムを用いて形成され、前記一対の注出シール部に固定されることによって前記一方側フィルムと前記他方側フィルムとの間に挟まれるように前記挿入通路に配置され、前記挿入通路の流出方向における下流側に一端を有し、前記挿入通路の上流側に他端を有するフィルム弁体とを含み、前記フィルム弁体の前記一端が、前記一方側フィルムに対してフリーな状態で前記他方側フィルムに選択的に固定されており、前記フィルム弁体の前記他端が、前記一方側フィルムおよび前記他方側フィルムの両方に対してフリーな状態であってもよい。
このフィルム容器では、例えば、フィルムバルブの挿入通路に注出部材(例えば、ストロー等)を挿入し、吸い上げることによって、フィルム容器の内容物を摂取することができる。
この構成によれば、フィルム弁体が挿入通路の流出方向に沿って注出シール部で固定されており、フィルム弁体の一端(流出方向の下流側端)が、容器本体の他方側フィルムに選択的に固定されている。これにより、挿入通路の下流側から上流側に向かって、フィルム弁体と一方側フィルムとによってバルブ構造が形成される。当該バルブ構造は、フィルム弁体の他端において開閉自在である。また、当該バルブ構造は、フィルム同士の接触によって形成されているため、静電気や表面張力等によって、フィルム弁体と他方側フィルムとの間が閉じやすくなっている。これにより、フィルム容器の内容物の漏れ出しを抑制することができる。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器では、前記シール部は、前記容器本体の周縁部の上下方向に延びる一対の周縁シール部を含み、前記フィルム弁体は、前記一対の周縁シール部の間に跨る大きさで形成されており、前記注出シール部と前記周縁シール部との間の前記挿入通路外の領域おいて、前記一端および前記他端の両方が、前記他方側フィルムに対してフリーな状態で前記一方側フィルムに選択的に固定されていてもよい。
この構成によれば、挿入通路外の領域ではフィルム弁体の一端および他端ともに容器本体の他方側フィルムに選択的に固定することによって、フィルム弁体と容器本体を構成するフィルムとの間にポケット状の空間が形成されることを防止することができる。これにより、容器本体の内部に内容物が滞留することを防止できるので、内容物の取り出し作業性を確保することができる。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器では、前記口部は、前記一方側フィルムおよび前記他方側フィルムの一方が他方に対して、前記挿入通路の延長上に延びて形成された突出部を含んでいてもよい。
この構成によれば、例えば、挿入通路に注出部材を挿入する際、突出部を摘まんで挿入通路を広げることができるので、注出部材の挿入性を向上させることができる。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器では、前記口部は、前記一方側フィルムおよび前記他方側フィルムの他方に形成され、前記挿入通路に挿入される注出部材を前記挿入通路にガイドするための切り欠き部を含んでいてもよい。
この構成によれば、切り欠き部を介して注出部材を挿入通路に簡単にガイドすることができるので、注出部材の挿入性を向上させることができる。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器では、前記容器本体の前記口部を形成する前記一方側フィルムおよび前記他方側フィルムの少なくとも一方が、エンボス加工されていてもよい。
この構成によれば、一方側フィルムと他方側フィルムとが密着しにくくなるので、挿入通路を開けやすくすることができる。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器では、前記第2フィルムに対して放電処理がされていてもよい。
この構成によれば、第2フィルムの一方側フィルムおよび他方側フィルムの濡れ特性を向上させることができる。これにより、一方側フィルムおよび他方側フィルムが互いに引き合いやすくなるので、バルブの漏れ防止特性を向上することができる。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器では、前記第1フィルムが延伸フィルムを含み、前記第2フィルムが非延伸フィルムを含んでいてもよい。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器では、前記シール部は、前記容器本体の周縁部の上下方向に延びる周縁シール部を含み、前記周縁シール部は、前記上下方向に延びるベースラインに対して分岐して接続され、前記上下方向に延びる扁平状の複数の周縁シール部を含んでいてもよい。
この構成によれば、複数の分岐した周縁シール部が形成されているため、容器本体を安定して自立させやすくすることができる。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器では、前記シール部は、前記容器本体の周縁部の上下方向に延びる周縁シール部を含み、前記周縁シール部は、前記上下方向に直交する前記容器本体の前後方向の一方側にカールしていてもよい。
この構成によれば、周縁シール部がカールしているため、容器本体を安定して自立させやすくすることができる。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器では、前記シール部は、前記容器本体の周縁部の上下方向に延びる周縁シール部を含み、前記周縁シール部は、その一部が、前記上下方向に直交する前記容器本体の前後方向の一方側に突出するようにエンボス加工されていてもよい。
この構成によれば、エンボス加工によって周縁シール部に凸部が形成されるので、容器本体を安定して自立させやすくすることができる。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器では、前記容器本体には、内容物として液状物が収容されていてもよい。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器では、前記シール部は、前記容器本体の周縁部に形成された周縁シール部を含み、前記容器本体の前記周縁シール部の互いに離れた第1位置と第2位置との間に、前記口部を横切るように形成され、前記容器本体を切り裂いて前記口部を開封する際に裂け目を所定方向にガイドする開封ガイド線を含み、前記開封ガイド線は、前記第1位置から第1方向に延びる第1ガイド線と、前記第1方向に対して交差する第2方向に延びて前記第2位置に至る第2ガイド線とを含み、前記第2ガイド線が前記第1ガイド線に対して屈曲点を介して折れ曲がっており、前記第1ガイド線は、前記屈曲点の近傍に形成された変化部であって、前記周縁シール部の前記第1位置から前記第1方向と平行に直線状に延びる前記開封ガイド線のガイド経路を、前記第1方向および前記第2方向の両方と異なる方向に変化させる変化部を含んでいてもよい。
この構成によれば、第1ガイド線の屈曲点近傍に変化部が設けられているので、裂け目が変化部に差し掛かったときにガイド経路が変化する。これにより、開封速度を減衰させることができる。その結果、屈曲点から第2方向への開封を確実に行うことができるので、フィルム容器の易開封性を向上することができる。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器では、前記第1方向および前記第2方向は、互いに直交する方向であり、前記変化部は、前記屈曲点を起点に弧状に湾曲する湾曲部を含んでいてもよい。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器では、前記第1ガイド線は、前記周縁シール部の前記第1位置から前記屈曲点まで前記第1方向と平行に延びる第1直線部と、前記屈曲点から前記第1直線部の反対側に湾曲して突出する前記湾曲部としての第1終端部とを含んでいてもよい。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器では、前記第2ガイド線は、前記周縁シール部の前記第2位置から前記屈曲点まで前記第2方向と平行に延びる第2直線部と、前記屈曲点から前記第2直線部の反対側に突出し、前記屈曲点を起点に弧状に曲がる第2終端部とを含み、前記屈曲点の外側には、前記第1終端部および前記第2終端部が接続されることによって閉ループが形成されていてもよい。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器では、前記第2ガイド線は、前記周縁シール部の前記第2位置から前記屈曲点まで前記第2方向と平行に延びる第2直線部と、前記屈曲点から前記第2直線部の反対側に突出し、前記屈曲点を起点に弧状に曲がる第2終端部とを含み、前記屈曲点の外側において、前記第1終端部および前記第2終端部が前記屈曲点を起点に枝分かれしていてもよい。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器は、前記第1ガイド線の前記第1終端部に前記第2ガイド線とは別に接続され、前記第2ガイド線に並んで形成され、前記第1方向から前記第2方向への方向転換をガイドする第1補助ガイドをさらに含んでいてもよい。
この構成によれば、屈曲点から第2方向への開封方向の転換をより簡単に行うことができるので、フィルム容器の易開封性を一層向上することができる。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器では、前記第1ガイド線は、前記周縁シール部の前記第1位置から前記屈曲点の近傍位置まで前記第1方向と平行に延びる第1直線部と、前記第1直線部の終点と前記屈曲点とを接続する前記湾曲部としての第1終端部とを含んでいてもよい。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器では、前記第2ガイド線は、前記周縁シール部の前記第2位置から前記屈曲点の近傍位置まで前記第2方向と平行に延びる第2直線部と、前記第2直線部の終点と前記屈曲点とを接続する弧状に湾曲した第2終端部とを含み、前記第1終端部と前記第2終端部との接続点が、前記屈曲点を形成していてもよい。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器は、前記屈曲点の外側に前記開封ガイド線とは別に形成され、前記第1ガイド線を横切る方向に延び、前記第1ガイド線に沿って前記屈曲点に向かって形成された裂け目がオーバーランすることを防止する第1ストッパ線をさらに含んでいてもよい。
この構成によれば、第1ガイド線に沿う開封が変化部で仮に停止できなくても、屈曲点の外側にある第1ストッパ線で確実に開封を停止させることができる。これにより、第1ストッパ線から第2方向へ向かって開封経路の方向を適切に修正することができる。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器は、前記屈曲点の外側に前記開封ガイド線とは別に形成され、前記第2ガイド線を横切る方向に延び、前記第2ガイド線に沿って前記屈曲点に向かって形成された裂け目がオーバーランすることを防止する第2ストッパ線をさらに含み、前記第1ストッパ線および前記第2ストッパ線は、前記屈曲点の周囲を囲うように互いに接続されていてもよい。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器では、前記第1フィルムは、延伸フィルムまたはインフレーションフィルムを含んでいてもよい。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器では、前記シール部は、前記容器本体の周縁部に形成された周縁シール部を含み、前記容器本体において前記口部を横切るように形成され、前記容器本体を切り裂いて前記口部を開封する際に裂け目を所定方向にガイドする開封ガイド線を含み、前記開封ガイド線は、前記容器本体の前記周縁シール部において互いに離れた複数の箇所の間に形成されており、第1方向に延びる第1部分と、前記第1方向とは異なる第2方向に延びる第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを接続するコーナ部分とを含み、前記コーナ部分の外側には、前記コーナ部分に沿って配列された複数の微細な加工線の集合体であるガイド経路補正部が形成されていてもよい。
この構成によれば、第1部分および第2部分に沿って開封をする際、コーナ部分で開封ガイド線から裂け目が外れてオーバーランしても、ガイド経路補正部で開封を停止させることができる。これにより、開封経路の方向を適切に修正することができる。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器では、前記ガイド経路補正部を構成する前記複数の微細な加工線は、前記第1方向において隣り合う前記微細な加工線が部分的に重なり合うように配列されていてもよい。
本開示の一実施形態に係るフィルム容器では、前記第1フィルムは、非延伸フィルムを含んでいてもよい。
<本開示の実施形態の詳細な説明>
次に、本開示の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
[実施形態の共通コンセプト]
まず、後述の複数の実施形態の間で共通するコンセプトは、例えば液状物等が内容物として収容されたプラスチックフィルム製の容器であって、当該内容物をストロー等の注出部材で吸引して経口摂取できるフィルム容器を提供することである。フィルム容器は、フィルムパウチと称してもよい。例えば図1に示すように、清涼飲料101が充填されたフィルムパウチ100のようなものが挙げられ、人102は、フィルムパウチ100に挿入されたストロー103で吸引して、清涼飲料101を飲むことができる。
[第1実施形態]
図2は、本開示の第1実施形態に係るフィルム容器A1の全体構成を示す図である。図3は、図2のフィルム容器A1の容器本体2の分解図である。図4は、図2のフィルム容器A1のフィルムバルブ3の分解図である。図5は、図2の口部32の変形例を説明するための図である。なお、図2では、明瞭化のため、一方側フィルム7および他方側フィルム8の2枚のフィルム同士のヒートシール部分を斜めハッチングで示している。
フィルム容器A1は、例えば、主にプラスチックフィルムで形成されたパウチである。フィルム容器A1に収容される内容物1としては、半固形物、液状物等、フィルム容器A1を外側から加圧すること、または注出部材5で吸引することによって経口摂取できるものであれば特に制限されないが、この実施形態では、液状物が収容されている。液状物としては、例えば、飲料の他、経口補水液、経口栄養剤、流動食等が挙げられる。
フィルム容器A1は、容器本体2と、フィルムバルブ3と、注出部材5とを含む。
容器本体2(バッグ本体)は、図3に示すように、第1フィルム6の張り合わせによって、一方側フィルム7および他方側フィルム8が表裏一対となるように形成された扁平状のバッグである。図3の前側のフィルムが一方側フィルム7(表面フィルム)であり、後側のフィルムが他方側フィルム8(裏面フィルム)であってもよい。
この実施形態では、一対の第1フィルム6の張り合わせによって容器本体2が形成されている。容器本体2は、この実施形態では、長方形状に形成されている。容器本体2の長さLは、例えば、100mm~200mmであり、幅Wは、例えば、50mm~150mmであってもよい。なお、容器本体2は、ここでは図示しないが、一方側フィルム7および他方側フィルム8の下部を連結する底面フィルム9(例えば、図11、図12Aおよび図12B参照)を有していてもよい。容器本体2が底面フィルム9を有していれば、容器本体2に底部にマチが形成されるので、フィルム容器A1をスタンディングバッグ(スタンディングパウチ)として構成することができる。
容器本体2を形成する第1フィルム6は、例えば、柔軟性を有する多層フィルムを含んでいてもよい。多層フィルムは、例えば、外層、中間層および内層からなる3層フィルムであってもよい。第1フィルム6の厚さは、例えば、70μm~120μmであってもよい。
外層および中間層としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4-メチルペンテン)、ポリテトラフルオロエチレン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン-テトラシクロドデセン等のポリ環状オレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル等のビニル系重合体樹脂、ナイロン-6、ナイロン-12、ナイロン-6,6等のポリアミド系樹脂等の汎用樹脂が挙げられる。
上記汎用樹脂フィルムは、例えば二軸延伸フィルム等の延伸フィルムであってもよい。また、上記汎用樹脂フィルムには、第1フィルム6の遮光性やバリア性を向上させるために、アルミ箔、およびアルミニウム(Al)、酸化アルミニウム(Al)、シリカ(SiO)等の蒸着膜が積層されていてもよい。また、上記汎用樹脂は、顔料(アゾ縮合系顔料等の有機顔料や、酸化鉄等の無機顔料)を含有した着色フィルムであってもよいし、上記汎用樹脂フィルムに着色塗装(印刷)を施したフィルム等であってもよい。
内層としては、例えば、一般的にヒートシール層に使用される樹脂が使用され、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4-メチルペンテン)、ポリテトラフルオロエチレン等のポリオレフィン系樹脂を使用できる。内層は、例えば、延伸されずに形成された非延伸フィルムであってもよい。
容器本体2は、容器本体2の周縁部をヒートシールすることによって形成された周縁シール部10を含む。この実施形態では、図2の正面視において、長方形状の容器本体2の4辺に沿って形成された四角環状の周縁シール部10が形成されており、上下方向Yに対向する上部シール部11および下部シール部12と、上下方向Yに直交する左右方向Xに対向する一対の側部シール部13A,13Bとを含んでいてもよい。
例えば、左右方向Xを第1方向と称し、上下方向Yを第2方向と称する場合、上部シール部11および下部シール部12は、それぞれ、第2方向に対向する第1シール部および第2シール部と称してもよい。また、一対の側部シール部13A,13Bは、それぞれ、第1方向に対向する第3シール部(紙面左側)および第4シール部(紙面右側)と称してもよい。周縁シール部10によって、容器本体2の内部に収容室14が区画されている。
容器本体2は、周縁シール部10以外のシール部として、口部シール部15を含んでいてもよい。口部シール部15は、周縁シール部10と同様に、第1フィルム6をヒートシールすることによって形成されている。口部シール部15は、周縁シール部10において互いに離れた複数の箇所の間に架設されている。この実施形態では、上部シール部11と側部シール部13Aとの間に、口部シール部15が架設されている。口部シール部15は、周縁シール部10から上下方向Yの下方に延びる第1部分16と、第1部分16の下側端部から上下方向Yおよび左右方向Xの双方に傾斜する方向に延び、側部シール部13に接続された第2部分17とを含んでいてもよい。
口部シール部15の上側には、口部シール部15と、側部シール部13Aおよび上部シール部11とによって区画された蓋部18が形成されている。蓋部18は、容器本体2の一部を用いて形成されている。この実施形態では、容器本体2の上部角部が蓋部18として形成されている。蓋部18は、一方側フィルム7および他方側フィルム8が表裏一対となるように形成されており、一方側フィルム7と他方側フィルム8との間に中空の内部空間19を有している。当該内部空間19は、図2において蓋部18の白抜き部分である。
容器本体2には、容器本体2の開封を容易にするための易開封加工が施されている。易開封加工としては、容器本体2を切り裂いて開封する際に裂け目を所定方向にガイドする加工であれば特に制限されず、例えば、ハーフカット加工、ミシン目加工等のレーザ加工方法が挙げられる。ハーフカット加工では、例えば、一方側フィルム7および他方側フィルム8の各表面側に線状の凹部をハーフカットにより形成し、これにより線状の開封ガイド線(裂け目線)を形成する。一方側フィルム7および他方側フィルム8に、線状に延びるミシン目を形成し、これにより線状の開封ガイド線(裂け目線)を形成する。これらの加工により、容器本体2を開封ガイド線に沿って容易に裂くことができる。ハーフカット加工およびミシン目加工のいずれも、例えば、一方側フィルム7および他方側フィルム8に対してレーザを照射することによって施すことができる。なお、易開封加工は、ハーフカット加工およびミシン目加工に限らず、その他、公知の易開封加工を適用してもよい。
この実施形態では、ハーフカット加工による開封ガイド線20が形成されている。開封ガイド線20は、互いに平行に延びる複数本の開封ガイド線20を含んでいる。より具体的には、蓋部18の周縁に切込み85が形成されており、当該切込み85から蓋部18の内方に延びる開封ガイド線20が形成されている。開封ガイド線20は、例えば、側部シール部13Aから左右方向Xに口部シール部15の第1部分16まで延びる第1部分21と、第1部分21の複数箇所から分岐し、口部シール部15の第2部分17まで延びる第2部分22とを含んでいてもよい。口部シール部15には、さらに、開封ガイド線20の第1部分21の端部から上部シール部11の端縁まで延びる開封ガイド線20の第3部分23と、当該第1部分21の端部から口部シール部15の第2部分17へ向かって延びるスリット24とが形成されている。スリット24の端部は、口部シール部15の第2部分17の端部に位置している。
開封ガイド線20の第1部分21は、開封ガイド線20の延出方向途中部に段差構造211を有している。より具体的には、開封ガイド線20は、一方側フィルム7および他方側フィルム8のそれぞれに、直線状に延びる直線部212を有している。この直線部212に対して、図2に示すように一方側フィルム7から他方側フィルム8へ透視したときに、直線部212に対して交差する方向に波形に突出する突出部213,214が形成されている。この実施形態では、一方側フィルム7に第1突出部213が形成され、他方側フィルム8に第2突出部214が形成されており、第2突出部214が、直線部212の長手方向において第1突出部213に対してずれた位置に形成されている。これにより、直線部212の互いに異なる位置で第1突出部213および第2突出部214が形成されることによって段差構造211が形成されている。
開封ガイド線20の第2部分22は、図3に示すように一方側フィルム7に形成されており、例えば、第1部分21の直線部212において、段差構造211を挟む一方側の位置および他方側の位置に接続された一対の第2部分22を含む。一対の第2部分22は、注出部材5を挟む線状に形成されている。
使用者は、まず、切込み85から開封ガイド線20の第1部分21および第3部分23に沿って蓋部18の上側部分215(第1部分21と第3部分23とに区画された部分)をカットする。次に、一方側フィルム7の開封ガイド線20の第2部分22に沿ってフィルムをカットし、一対の第2部分22で挟まれた蓋部18の折り返し部分216を容器本体2の前側に折り返す。一方、他方側フィルム8については、口部シール部15の第2部分17を境界にして、蓋部18の全体を容器本体2の後側に折り返す。この際、スリット24が形成されていて、蓋部18が口部シール部15の第1部分16に対してフリーな状態であるため、蓋部18を、第2部分17に沿って一直線の折り目できれいに折り返すことができる。これにより、蓋部18を開封して注出部材5を露出させることができる。このように、蓋部18の開封作業を2段階にすることによって、注出部材5を清潔に保持することができる。例えば、蓋部18の上側部分215がカットされた段階では、注出部材5が一対の折り返し部分216で覆われているので、注出部材5を清潔に保持することができる。
フィルムバルブ3は、図4に示すように、第2フィルム25の張り合わせによって、一方側フィルム26および他方側フィルム27が表裏一対となるように形成された扁平な筒状である。図4の前側のフィルムが一方側フィルム26(表面フィルム)であり、後側のフィルムが他方側フィルム27(裏面フィルム)であってもよい。フィルムバルブ3は、この実施形態では、長方形状に形成されている。
フィルムバルブ3を形成する第2フィルム25は、非延伸フィルムであってもよい。第2フィルム25は、例えば、一般的にヒートシール層に使用される樹脂が使用され、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4-メチルペンテン)、ポリテトラフルオロエチレン等のポリオレフィン系樹脂を使用できる。第2フィルム25の厚さは、第1フィルム6の厚さよりも小さく、例えば、20μm~100μmであってもよい。
フィルムバルブ3は、直線状に延びる一対の注出シール部28によって形成され、長手方向一端および他端が開放された筒状である。フィルムバルブ3の内部には、一対の注出シール部28によって区画され、注出部材5の挿入用の挿入通路29が形成されている。また、フィルムバルブ3は、挿入通路29の一端30が容器本体2の口部シール部15に固定され、挿入通路29の他端31が容器本体2に対してフリーな状態で収容室14に配置されている。これにより、挿入通路29の一端30が、容器本体2の口部32を形成する。この実施形態では、フィルムバルブ3は、口部シール部15から、フィルム容器A1の上下方向Y(側部シール部13A,13Bに沿う方向)に対して傾斜して固定されている。例えば、上下方向Yに対する傾斜角度θは、30°~50°であってもよい。
図2に示すように、フィルムバルブ3の挿入通路29は、第1幅Wを有する第1部分33と、第1幅Wよりも広い第2幅Wを有する第2部分34とを含んでいる。この実施形態では、フィルムバルブ3が長方形状であることから、注出シール部28は、第1部分33において相対的に広い第3幅Wを有し、第2部分34において相対的に狭い第4幅Wを有している。なお、第3幅Wおよび第4幅Wは、それぞれ、注出シール部28の第1シール幅および第2シール幅と称してもよい。
フィルムバルブ3の挿入通路29は、挿入通路29の流出方向(内容物1が取り出される方向)の中央部に第1部分33を有し、第1部分33に対して挿入通路29の下流側および上流側に第2部分34を有しており、第1部分33において括れるように形成されている。他の言い方では、フィルムバルブ3の挿入通路29は、挿入通路29の流出方向の下流側端部および上流側端部に第2部分34を有し、流出方向において第2部分34で挟まれるように第1部分33を有しており、第1部分33に狭窄部を有していてもよい。より具体的には、フィルムバルブ3の挿入通路29の幅は、内容物1の流出方向上流側から中央部に向かってテーパ状に徐々に狭くなり、第1部分33を境に下流側に向かってテーパ状に広がるように、ボトルネック状に形成されていてもよい。
また、フィルムバルブ3を形成する第2フィルム25には、放電処理がされていることが好ましい。これにより、第2フィルム25の一方側フィルム26および他方側フィルム27の濡れ特性を向上させることができる。その結果、一方側フィルム26および他方側フィルム27が互いに引き合いやすくなるので、フィルムバルブ3の漏れ防止特性を向上することができる。
注出部材5は、例えば、伸縮自在なストローを含んでいてもよい。注出部材5は、口部32を介してフィルムバルブ3の挿入通路29に挿入されている。また、注出部材5は、フィルム容器A1の口部32から突出しており、当該突出した部分が、蓋部18の内部空間19に配置されている。つまり、フィルム容器A1の開封前では、注出部材5の突出部は蓋部18に覆われている。これにより、蓋部18が切り離されるまで挿入通路29と外部との接触を遮断することができるので、フィルム容器A1の内容物1を清潔に保持することができる。
なお、図5に示すように、フィルム容器A1は、口部32の変形例として補強部材4をさらに備えていてもよい。補強部材4は、注出部材5のぐらつきを抑制するために口部32を補強するためのものである。補強部材4は、口部シール部15を挟み込むように形成されていてもよい。補強部材4は、例えば、ポリプロピレン等の汎用樹脂の射出成形品によって形成されている。補強部材4は、注出部材5を挿入するための円筒状の挿入口35を区画するように、一対の部材36A,36Bの溶着によって形成されていてもよい。例えば、部材36Aおよび部材36Bの樹脂製ボスを口部シール部15に挿通し、反対側に突出した樹脂製ボスを溶かして傘状に変形させることによって口部シール部15に固定することができる。
そして、フィルム容器A1を製造するには、例えばレーザ加工によって開封ガイド線20が形成された3層フィルムからなる第1フィルム6を準備し、一対の第1フィルム6の内層同士が向かい合うように重ね合わせられた後、これらフィルム同士がヒートシールされることによって袋状にされる。当初のヒートシール部分は、例えば、容器本体2の周縁シール部10のうち、蓋部18を形成する三方のシール部および上部シール部11以外のシール部である。このヒートシールによって収容室14が形成される。上部シール部11は、フィルム容器A1の作製後、内容物1を収容室14内に充填するまでは充填用の開口として開放されており、内容物1の充填後に溶閉される。なお、容器本体2は、例えば、3層フィルムをインフレーション法等の公知の方法によって袋状またはチューブ状に形成し、得られた袋状またはチューブ状のフィルムの周縁部をヒートシールすることによって作製してもよい。一方、第2フィルム25に一対の注出シール部28を形成することによって、筒状のフィルムバルブ3が形成される。
次に、フィルムバルブ3の一端30を、口部シール部15の位置において容器本体2の一方側フィルム7と他方側フィルム8との間に挟み込んだ状態で、口部シール部15が形成される。これにより、口部シール部15とフィルムバルブ3の一端30とが一緒にヒートシールされることによって、フィルムバルブ3が容器本体2に固定され、フィルムバルブ3の一端30が容器本体2の口部32となる。この際、フィルムバルブ3の一端30で挿入通路29がヒートシールされて閉じることを防止するため、例えば金属板、融点が高い長方形状のフィルム等を挿入通路29に挿入した状態で、ヒートシールすることが好ましい。一方、フィルムバルブ3の他端31を含む領域は、容器本体2と共にヒートシールされず、容器本体2に対してフリーな状態で収容室14に配置される。
次に、注出部材5がフィルムバルブ3の挿入通路29に挿入される。
次に、容器本体2の残りの周縁部がヒートシールされることによって、蓋部18が形成され、注出部材5が蓋部18の内部空間19に収容される。以上の工程を経ることによって、フィルム容器A1が作製される。その後、フィルム容器A1の上部から内容物1が収容室14に充填され、上部シール部11が溶閉される。これにより、内容物1が充填されたフィルム容器A1が得られる。
図6A~図6Cは、図2のフィルム容器A1の使い方を説明するための図である。また、図7A~図7Cは、図2のフィルム容器A1の使い方(変形例)を説明するための図である。なお、図6A~図6Cおよび図7A~図7Cでは、明瞭化のため、図2~図5に示した参照符号のうち、フィルム容器A1の使い方の説明に必要な参照符号のみを付し、その他の参照符号は省略している。
前述のフィルム容器A1の内容物1を摂取するには、例えば、図6Aに示すように、フィルム容器A1の蓋部18を開封する。より具体的には、切込み85から開封ガイド線20の第1部分21および第3部分23に沿って蓋部18の上側部分215をカットし、さらに、一方側フィルム7の蓋部18の折り返し部分216を容器本体2の前側に折り返す。次に、図6Bに示すように、他方側フィルム8の蓋部18全体を、口部シール部15の第2部分17を境界にして容器本体2の後側に折り返す。これにより、蓋部18を開封することができる。次に、露出した注出部材5(例えば、伸縮ストロー)を延伸し、図6Cに示すように、挿入通路29の奥側に向かって注出部材5をさらに挿入する。これにより、注出部材5を吸うことによって、フィルム容器A1の内容物1を摂取することができる。
なお、前述の説明では、フィルム容器A1に注出部材5が内蔵されていたが、注出部材5はフィルム容器A1とは別に準備されていてもよい。この場合、図7Aおよび図7Bに示すように蓋部18を開封した後、図7Bに示すように、別途準備した注出部材5を伸ばし、その後、図7Cに示すように、注出部材5を挿入通路29に挿入すればよい。注出部材5をフィルム容器A1と別体的に設ける構成では、注出部材5の形状の自由度が広がるので、例えば、図7Cに示すように、伸縮・蛇腹屈曲ストローを使用することができる。
以上、フィルム容器A1によれば、フィルムバルブ3の第1部分33の第1幅Wが、第2部分34の第2幅Wに比べて狭い。言い換えれば、一方側フィルム26と他方側フィルム27とが自在に離れたり密着したりできる幅が、第2部分34よりも第1部分33が狭い。これにより、注出部材5を挿入通路29に挿入したときの第1部分33と第2部分34とのフィルムの開き代を比較すると、第2部分34の開き代が第1部分33の開き代よりも大きくなっている。
そのため、注出部材5の挿入時、フィルムバルブ3は、図8Aに示すように第1部分33でタイトな状態で開く一方、図8Bに示すように第2部分34では、ゆったりとした状態で開く。これにより、第1部分33では、注出部材5の周囲に形成される挿入通路29の隙間86を、第2部分34の隙間87に比べて小さくすることができる。つまり、挿入通路29において注出部材5の周囲に互いに異なる大きさの隙間86,87が形成されることとなる。
その結果、第1部分33では、注出部材5で内容物1を吸引する際、挿入通路29の隙間86を通る空気を減らすことができるので、内容物1へのエア噛みおよび雑音(例えば、不快音等)の発生を低減することができる。一方、第2部分34では、フィルムバルブ3がゆったりとした状態で開くため塑性変形し難く、フィルム自体に復元性を保持することができる。そのため、静電気や表面張力等によって、一方側フィルム26と他方側フィルム27との間が閉じやすくなっている。
このように、このフィルムバルブ3は、挿入通路29の幅W,Wに差を設けることによって、フィルム容器A1の内容物1を吸引する際の不快感を緩和しつつ、挿入通路29が開通した状態での内容物1の漏れ出しを抑制することができる。
また、フィルムバルブ3の第1部分33が括れているため、第1部分33における注出シール部28の第1シール幅(第3幅W)が、第2部分34における注出シール部28の第2シール幅(第4幅W)よりも広くなっており、流出方向に交差する方向に沿う挿入通路29の断面形状が不均一になっている。これにより、図9に示すように、第1部分33を起点に、挿入通路29の上流側の第2部分34に向かってフィルムバルブ3をカールさせることができる。その結果、内容物1の漏れ出しを効果的に抑制することができる。
なお、フィルムバルブ3は、互いに異なる厚さを有するフィルム同士の溶着によってもカールさせることができる。この実施形態では、第2フィルム25の一方側フィルム26および他方側フィルム27のいずれかをもう一方よりも厚くすることによって、フィルムバルブ3を、さらにカールさせることができる。これにより、内容物1の漏れ防止効果を一層向上させることができる。
また、図6A~図6Cの構成では、注出部材5が予め蓋部18に格納されているため、注出部材5を挿入する手間を省略することができる。また、注出部材5の一端を外気に晒さずに予め容器本体2に挿入した状態で注出部材5を使用できるので、清潔性を向上させることもできる。
[第2実施形態]
図10は、本開示の第2実施形態に係るフィルム容器A2の全体構成を示す図である。図11は、図10のフィルム容器A2の組み立て方を説明するための図である。なお、図10および図11に示された構成のうち、先に説明した図面の構成と共通するものについては、同じ参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
第2実施形態に係るフィルム容器A2は、第1実施形態の蓋部18に代えて、硬質のベース部材37が設けられている。ベース部材37は、例えば、ポリプロピレン等の汎用樹脂の射出成形品によって形成されている。ここで、「硬質」とは、通常状態において、重力や外力の作用によって変形しない程度の硬さを有していることを意味していてもよい。
ベース部材37は、四角柱状に形成されており、ベース部材37の高さ方向に貫通する挿入口38を有している。この実施形態では、図11に示すように、ベース部材37は、平面視において、ひし形状に形成されている。ベース部材37は、容器本体2の上部シール部11に固定される第1部分39と、第1部分39から一体的に延び、フィルムバルブ3の挿入通路29に挿入される第2部分40とを含んでいてもよい。第1部分39の表面には、周縁シール部10との密着力を向上させるための複数のリブ41が形成されている。
また、容器本体2は、ベース部材37の挿入口38を塞ぐ蓋部43を含んでいてもよい。蓋部43は、周縁シール部10(上部シール部11)から選択的に突出しており、ベース部材37の上部において一方側フィルム7および他方側フィルム8が溶着されることによって形成されている。蓋部43と容器本体2との間には、開封ガイド線20が形成されている。開封ガイド線20に沿ってフィルムをカットすることによって、蓋部43を切り離し、ベース部材37の挿入口38(図11参照)を露出させることができる。
そして、フィルム容器A2を製造するには、第1実施形態と同様に、図11に示すように、第1フィルム6のヒートシールによって容器本体2を形成する。この際、上部シール部11の一部については、蓋部43の端部をシールせずに開口42として開けておく。また、上部シール部11の他の一部は、フィルム容器A2の作製後、内容物1を収容室14内に充填するまでは充填用の開口217として開放されている。一方、フィルムバルブ3の挿入通路29にベース部材37の第2部分40を挿入し、当該第2部分40とフィルムバルブ3の一端30とをヒートシールによって互いに密着させる。その後、開口42を介してフィルムバルブ3を容器本体2内に挿入し、ベース部材37の第1部分39と第1フィルム6とをヒートシールによって互いに密着させる。さらに、蓋部43の第1フィルム6をヒートシールすることによって、開口42を閉じる。以上の工程を経ることによって、フィルム容器A2が作製される。その後、フィルム容器A2の上部から内容物1が収容室14に充填され、上部シール部11が溶閉される。これにより、内容物1が充填されたフィルム容器A2が得られる。
図12Aおよび図12Bは、図10のフィルム容器A2の使い方を説明するための図である。なお、図12Aおよび図12Bでは、明瞭化のため、図10および図11に示した参照符号のうち、フィルム容器A2の使い方の説明に必要な参照符号のみを付し、その他の参照符号は省略している。
前述のフィルム容器A2の内容物1を摂取するには、例えば、図12Aに示すように、開封ガイド線20に沿って蓋部43をカットして切り離すことによって、容器本体2を開封する。次に、図12Bに示すように、別途準備した注出部材5を伸ばし、ベース部材37の挿入口38を介して挿入通路29に挿入する。これにより、注出部材5を吸うことによって、フィルム容器A2の内容物1を摂取することができる。
以上、フィルム容器A2によれば、第1実施形態のフィルム容器A1の作用・効果に加えて、ベース部材37の挿入口38を介して注出部材5を挿入通路29に簡単にガイドすることができるので、注出部材5の挿入性を向上させることができる。また、蓋部43が切り離されるまで挿入口38と外部との接触を遮断することができるので、フィルム容器A2全体を清潔に保持することができる。
なお、フィルム容器A2の清潔性を維持する対策として、例えば、ベース部材37の挿入口38を塞ぐように、ベース部材37の上面に、剥離自在なシール部材(シールフィルム)が取り付けられていてもよい。
[第3実施形態]
図13は、本開示の第3実施形態に係るフィルム容器A3の全体構成を示す図である。図14は、図13のフィルム容器A3の分解図である。図15Aおよび図15Bは、図14のバルブ構造75の断面図であり、それぞれ、図13のXVA-XVA断面およびXVB-XVB断面を示している。図16Aおよび図16Bは、図14のフィルム容器A3の口部60の要部拡大図であって、図16Aが注出部材62の挿入前の状態を示し、図16Bが注出部材62の挿入後の状態を示している。なお、図13では、明瞭化のため、一方側フィルム48および他方側フィルム49の2枚のフィルム同士のヒートシール部分を斜めハッチングで示し、一方側フィルム48、他方側フィルム49およびフィルム弁体46の3枚のフィルム同士のヒートシール部をクロスハッチングで示し、他方側フィルム49およびフィルム弁体46の2枚のフィルム同士のヒートシール部を縦線ハッチングで示している。
フィルム容器A3は、例えば、主にプラスチックフィルムで形成されたパウチである。フィルム容器A3に収容される内容物44としては、半固形物、液状物等、フィルム容器A3を外側から加圧すること、または注出部材5で吸引することによって経口摂取できるものであれば特に制限されないが、この実施形態では、液状物が収容されている。液状物としては、例えば、飲料の他、経口補水液、経口栄養剤、流動食等が挙げられる。
フィルム容器A3は、容器本体45と、フィルム弁体46とを含む。
容器本体45(バッグ本体)は、図14に示すように、第1フィルム47の張り合わせによって、一方側フィルム48および他方側フィルム49が表裏一対となるように形成された扁平状のバッグである。図14の前側のフィルムが一方側フィルム48(表面フィルム)であり、後側のフィルムが他方側フィルム49(裏面フィルム)であってもよい。
この実施形態では、一対の第1フィルム47の張り合わせによって容器本体45が形成されている。容器本体45は、この実施形態では、長方形状に形成されている。容器本体45の長さLは、例えば、100mm~200mmであり、幅Wは、例えば、50mm~150mmであってもよい。なお、容器本体45は、図13では図示しないが、一方側フィルム48および他方側フィルム49の下部を連結する底面フィルム50(例えば、図15Aおよび図15B参照)を有していてもよい。容器本体45が底面フィルム50を有していれば、容器本体45に底部にマチが形成されるので、フィルム容器A3をスタンディングバッグ(スタンディングパウチ)として構成することができる。
容器本体45を形成する第1フィルム47は、例えば、柔軟性を有する多層フィルムを含んでいてもよい。多層フィルムは、例えば、外層、中間層および内層からなる3層フィルムであってもよい。第1フィルム47の厚さは、例えば、70μm~120μmであってもよい。
外層および中間層としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4-メチルペンテン)、ポリテトラフルオロエチレン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン-テトラシクロドデセン等のポリ環状オレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル等のビニル系重合体樹脂、ナイロン-6、ナイロン-12、ナイロン-6,6等のポリアミド系樹脂等の汎用樹脂が挙げられる。
上記汎用樹脂フィルムは、例えば二軸延伸フィルム等の延伸フィルムであってもよい。また、上記汎用樹脂フィルムには、第1フィルム47の遮光性やバリア性を向上させるために、アルミ箔、およびアルミニウム(Al)、酸化アルミニウム(Al)、シリカ(SiO)等の蒸着膜が積層されていてもよい。また、上記汎用樹脂は、顔料(アゾ縮合系顔料等の有機顔料や、酸化鉄等の無機顔料)を含有した着色フィルムであってもよいし、上記汎用樹脂フィルムに着色塗装(印刷)を施したフィルム等であってもよい。
内層としては、例えば、一般的にヒートシール層に使用される樹脂が使用され、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4-メチルペンテン)、ポリテトラフルオロエチレン等のポリオレフィン系樹脂を使用できる。内層は、例えば、延伸されずに形成された非延伸フィルムであってもよい。
容器本体45は、容器本体45の周縁部をヒートシールすることによって形成された周縁シール部51を含む。この実施形態では、図14の正面視において、長方形状の容器本体45の4辺に沿って形成された四角環状の周縁シール部51が形成されており、上下方向Yに対向する上部シール部52および下部シール部53と、上下方向Yに直交する左右方向Xに対向する一対の側部シール部54A,54Bとを含んでいてもよい。
例えば、左右方向Xを第1方向と称し、上下方向Yを第2方向と称する場合、上部シール部52および下部シール部53は、それぞれ、第2方向に対向する第1シール部および第2シール部と称してもよい。また、一対の側部シール部54A,54Bは、それぞれ、第1方向に対向する第3シール部(紙面左側)および第4シール部(紙面右側)と称してもよい。周縁シール部51によって、容器本体45の内部に収容室55が区画されている。
容器本体45は、周縁シール部51以外のシール部として、注出シール部56A,56Bを含んでいる。注出シール部56A,56Bは、周縁シール部51と同様に、第1フィルム47をヒートシールすることによって形成されている。
この実施形態では、上部シール部52から上下方向Yに直線状に延びる注出シール部56A,56Bが形成されている。注出シール部56Bと、注出シール部56Bに隣接する周縁シール部51(側部シール部54A)との間に、注出部材62の挿入用の挿入通路57が形成されている。つまり、この実施形態では、挿入通路57を区画する一対の注出シール部56A,56Bの一方を側部シール部54Aが兼ねている。なお、ここでは図示しないが、例えば、上部シール部52の中央付近から一対の直線状の注出シール部56A,56Bを形成することによって、当該注出シール部56A,56Bの間に側部シール部54A,54Bとは独立して挿入通路57が形成されてもよい。挿入通路57の一端58(上側端部)は、容器本体45の口部60を形成し、挿入通路57の他端59(下側端部)は、容器本体45の収容室55に配置されている。
挿入通路57の口部60付近には、挿入通路57の幅方向両側から選択的に突出した突出部61が形成されている。突出部61は、例えば、挿入通路57に挿入される注出部材62の径よりも挿入通路57の幅を狭くする。これにより、図16Bに示すように、注出部材62を保持して、注出部材62の過挿入を防止する。
挿入通路57は、第1幅Wを有する第1部分63と、第1幅Wよりも広い第2幅Wを有する第2部分64とを含んでいる。この実施形態では、注出シール部56A,56Bが直線状であることから、注出シール部56A,56Bは、第1部分63において相対的に広い第3幅Wを有し、第2部分64において相対的に狭い第4幅Wを有している。
挿入通路57は、挿入通路57の流出方向(内容物44が取り出される方向)の中央部に第1部分63を有し、第1部分63に対して挿入通路57の下流側および上流側に第2部分64を有しており、第1部分63において括れるように形成されている。他の言い方では、挿入通路57は、挿入通路57の流出方向の下流側端部および上流側端部に第2部分64を有し、流出方向において第2部分64で挟まれるように第1部分63を有しており、第1部分63に狭窄部を有していてもよい。より具体的には、挿入通路57の幅は、内容物44の流出方向上流側から中央部に向かってテーパ状に徐々に狭くなり、第1部分63を境に下流側に向かってテーパ状に広がるように、ボトルネック状に形成されていてもよい。
容器本体45には、容器本体45の開封を容易にするための易開封加工が施されている。易開封加工としては、容器本体45を切り裂いて開封する際に裂け目を所定方向にガイドする加工であれば特に制限されず、例えば、ハーフカット加工、ミシン目加工等のレーザ加工方法が挙げられる。ハーフカット加工では、例えば、一方側フィルム48および他方側フィルム49の各表面側に線状の凹部をハーフカットにより形成し、これにより線状の開封ガイド線(裂け目線)を形成する。一方側フィルム48および他方側フィルム49に、線状に延びるミシン目を形成し、これにより線状の開封ガイド線(裂け目線)を形成する。これらの加工により、容器本体45を開封ガイド線に沿って容易に裂くことができる。ハーフカット加工およびミシン目加工のいずれも、例えば、一方側フィルム7および他方側フィルム8に対してレーザを照射することによって施すことができる。なお、易開封加工は、ハーフカット加工およびミシン目加工に限らず、その他、公知の易開封加工を適用してもよい。
この実施形態では、ハーフカット加工による開封ガイド線65が形成されている。開封ガイド線65は、互いに平行に延びる複数本の開封ガイド線65を含んでいる。開封ガイド線65は、注出部材62を使って内容物1を経口摂取するときに容器本体45を小さな開口で開封するための第1ガイド線223と、内容物1をコップ等の容器に直接移して経口摂取するときに容器本体45を大きな開口で開封するための第2ガイド線224とを含む。
第1ガイド線223は、容器本体45の周縁(この実施形態では、側部シール部54Aの周縁上部)に形成された切込み218から容器本体45の内方に延びるように形成されている。第1ガイド線223は、周縁シール部51において互いに離れた複数の箇所の間に形成されており、第1方向(図13では左右方向X)に延びる第1部分219と、第1方向とは異なる第2方向(図13では上下方向Y)に延びる第2部分220と、第1部分219と第2部分220とを接続するコーナ部分221とを含んでいてもよい。
この実施形態では、第1ガイド線223は、切込み218から左右方向Xに挿入通路57を横切るように直線状に延びる第1部分219と、左右方向Xに直交する上下方向Yにおいて、周縁シール部51の切込み218とは異なる箇所(例えば、上部シール部52の周縁)まで直線状に延びる第2部分220と、当該第1部分219と第2部分220とを接続するコーナ部分221とを含んでいる。コーナ部分221は、第1部分219と第2部分220とを垂直に接続する直角コーナ部分であってもよいし、第1部分219と第2部分220とを滑らかなカーブで接続する曲線コーナ部分であってもよい。この実施形態では、コーナ部分221は、後者の曲線コーナ部分である。
第1ガイド線223の第1部分219は、他方側フィルム49(裏面フィルム)においては、一方側フィルム48(表面フィルム)に対して、挿入通路57の延長上に延びる突出部66を有している。一方、第1ガイド線223の第1部分219は、一方側フィルム48においては、突出部66のベースライン83(突出し始める高さ位置 図16Aおよび図16B参照)に対して凹む凹部67を有している。これにより、当該開封ガイド線65(第1ガイド線223)に沿って口部60を開封すると、図16Aおよび図16Bに示すように、突出部66の形状に対応する突出部68と、凹部67の形状に対応する切り欠き部69とを有する口部60が形成される。
また、図16Aおよび図16Bにドット状のハッチングで示すように、口部60の周囲には、一方側フィルム48および他方側フィルム49の少なくとも一方がエンボス加工されることによって形成された、粗面化領域88が形成されている。粗面化領域88は、例えば、一方側フィルム48および他方側フィルム49の表面をプラズマ処理することによって形成することができる。
第2ガイド線224は、容器本体45の周縁(この実施形態では、側部シール部54Bの周縁上部)において切込み218の反対側から容器本体45の内方に延びるように形成されている。第2ガイド線224は、周縁シール部51において互いに離れた複数の箇所の間に形成されており、第1方向(図13では左右方向X)に延びる第1部分225と、第1部分225に連続し、第1方向に対して傾斜する第3方向に延びる第2部分226とを含んでいてもよい。この実施形態では、第2ガイド線224は、側部シール部54Bの周縁上部から左右方向Xに挿入通路57までの領域(後述する挿入通路57外の領域71)を直線状に延びる第1部分225と、第1部分225の端部から上部シール部52の周縁に向かって、左右方向Xに対して緩やかに傾斜して延びる第2部分226とを含む。
フィルム弁体46は、第2フィルム70を用いて形成されている。フィルム弁体46を形成する第2フィルム70は、非延伸フィルムであってもよい。第2フィルム70は、例えば、一般的にヒートシール層に使用される樹脂が使用され、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4-メチルペンテン)、ポリテトラフルオロエチレン等のポリオレフィン系樹脂を使用できる。第2フィルム70の厚さは、第1フィルム47の厚さよりも小さく、例えば、20μm~100μmであってもよい。
この実施形態では、フィルム弁体46は、容器本体45の一対の側部シール部54A,54Bに跨る大きさ(例えば、容器本体45の幅Wと同じ幅を有する)の長方形状に形成されている。フィルム弁体46は、容器本体45を形成する一方側フィルム48および他方側フィルム49との間に挟まれている。
フィルム弁体46のシール箇所について、詳細な説明を加える。フィルム弁体46は、その幅方向両端部が、容器本体45の一対の側部シール部54A,54Bと一緒にヒートシールされることによって、一方側フィルム48および他方側フィルム49に挟まれて固定されている。これにより、フィルム弁体46は、容器本体45の挿入通路57および挿入通路57外の領域71の両方に配置されている。挿入通路57においては、口部60付近から挿入通路57の上流側端部付近まで配置されている。
また、フィルム弁体46は、幅方向途中の注出シール部56A,56Bの箇所においても、注出シール部56A,56Bと一緒にヒートシールされることによって、一方側フィルム48および他方側フィルム49に挟まれて固定されている。つまり、フィルム弁体46は、挿入通路57を区画する一対の注出シール部56A,56Bの両方において、一方側フィルム48および他方側フィルム49に挟まれて固定されている。
一方で、フィルム弁体46は、容器本体45の一対の側部シール部54A,54B間に延びる上端72および下端73を有している。フィルム弁体46の上端72は、挿入通路57の口部60付近を通過し、上部シール部52に隣接して延びている。フィルム弁体46の下端73は、挿入通路57の口部60と反対側の端部付近を通過し、上端72に平行に延びている。この実施形態では、フィルム弁体46の下端73は、挿入通路57の他端59よりも下側(口部60の反対側)に位置しており、挿入通路57の他端59がフィルム弁体46の下端73よりも上方に位置している。なお、フィルム弁体46の上端72は、口部60付近に位置している必要はなく、例えば、挿入通路57の流出方向中央付近に位置していてもよい。
そして、挿入通路57においてフィルム弁体46の上端72は、図13および図15Bに示すように、一方側フィルム48に対してフリーな状態で、他方側フィルム49にヒートシールによって選択的に固定されている。図15Bでは、当該固定部を第1上側シール部74として示している。
一方、フィルム弁体46の下端73は、一方側フィルム48および他方側フィルム49の両方に対してヒートシールされておらずフリーな状態である。フリーな状態であるが、一対の注出シール部56A,56Bにフィルム弁体46が固定されているため、フィルム弁体46は、挿入通路57の固定端(他方側フィルム49に対する固定箇所であって、フィルム弁体46の上端72)から上流側に向かって一方側フィルム48に引き寄せられて、自由端(フィルム弁体46の下端73)において一方側フィルム48に対して開閉自在に接触している。これにより、挿入通路57の下流側から上流側に向かって、フィルム弁体46と一方側フィルム48とによってバルブ構造75が形成されている。このバルブ構造75は、フィルム弁体46の下端73が自由端であるため、図15Bに二点鎖線で示すように開く構造となっている。
一方、挿入通路57外の領域71においてフィルム弁体46は、図13および図15Aに示すように、上端72および下端73の両方が一方側フィルム48に対してフリーな状態で、他方側フィルム49にヒートシールによって選択的に固定されている。図15Aでは、当該固定部を、第2上側シール部76および下側シール部77として示している。
このように、フィルム弁体46の上端72は、図13に示すように、一対の側部シール部54A,54B間において、注出シール部56A,56Bを除き、他方側フィルム49との間に直線状の第1および第2上側シール部74,76を有している。一方、フィルム弁体46の下端73は、図13に示すように、一対の側部シール部54A,54B間において、注出シール部56A,56Bおよび挿入通路57内を除き、他方側フィルム49との間に直線状の下側シール部77を有している。第2上側シール部76と下側シール部77とが対向する挿入通路57外の領域71では、フィルム弁体46と他方側フィルム49との間には袋状の空間78が形成されている。この空間78は、第2上側シール部76、下側シール部77、注出シール部56および側部シール部54に区画された閉空間であり、内容物44の流通が阻止されている。つまり、フィルム弁体46と容器本体45を構成するフィルムとの間にポケット状の空間が形成されることを防止することができる。これにより、容器本体45の内部に内容物44が滞留することを防止できるので、内容物44の取り出し作業性を確保することができる。
そして、フィルム容器A3を製造するには、例えば、図14に示すように、例えばレーザ加工によって開封ガイド線65が形成された3層フィルムからなる一対の第1フィルム47を準備し、一方の第1フィルム47(他方側フィルム49)の内層側にフィルム弁体46を重ね合わせ、第1および第2上側シール部74,76および下側シール部77を形成する。次に、一方側フィルム48を他方側フィルム49に重ね合わせ、これらのフィルムの間にフィルム弁体46を挟み込んだ状態で周縁シール部51および注出シール部56A,56Bを形成することによって、袋状にされる。このときのヒートシール部分は、例えば、容器本体45の周縁シール部51および注出シール部56A、56Bのうち上部シール部52以外のシール部である。このヒートシールによって収容室55が形成される。上部シール部52は、内容物44を収容室55内に充填するまでは充填用の開口として開放されている。次に、収容室55に内容物44が充填された後、上部シール部52が溶閉される。以上の工程を経ることによって、内容物44が充填されたフィルム容器A3が作製される。
図17Aおよび図17Bは、図13のフィルム容器A3の使い方を説明するための図である。なお、図17Aおよび図17Bでは、明瞭化のため、図13~図16A,Bに示した参照符号のうち、フィルム容器A3の使い方の説明に必要な参照符号のみを付し、その他の参照符号は省略している。
前述のフィルム容器A3の内容物44を摂取するには、例えば、図16Aおよび図17Aに示すように、開封ガイド線65に沿って周縁シール部51の上部をカットする。これにより、突出部68および切り欠き部69を有する口部60が露出する。
次に、例えば、突出部68を摘まんで挿入通路57を広げ、切り欠き部69を介して注出部材62の先端を挿入通路57にガイドし、図16Bおよび図17Bに示すように、注出部材62を挿入通路57に挿入する。注出部材62の挿入によってフィルム弁体46の下端73が一方側フィルム48から離れ、バルブ構造75が開状態となる。これにより、注出部材62を吸うことによって、フィルム容器A3の内容物44を摂取することができる。
以上、フィルム容器A3によれば、フィルム弁体46が挿入通路57の流出方向に沿って注出シール部56A,56Bで固定されており、フィルム弁体46の上端72が、容器本体45の他方側フィルム49に選択的に固定されている。これにより、挿入通路57の下流側から上流側に向かって、フィルム弁体46と一方側フィルム48とによってバルブ構造75が形成される。当該バルブ構造75は、フィルム弁体46の下端73において開閉自在である。また、当該バルブ構造75は、フィルム同士の接触によって形成されているため、静電気や表面張力等によって、フィルム弁体46と他方側フィルム49との間が閉じやすくなっている。これにより、フィルム容器A3の内容物44の漏れ出しを抑制することができる。
また、挿入通路57に注出部材62を挿入する際、突出部66を摘まんで挿入通路57を広げることができるので、注出部材62の挿入性を向上させることができる。さらに、切り欠き部69を介して注出部材62を挿入通路57に簡単にガイドすることができるので、注出部材62の挿入性を向上させることができる。
また、口部60の周囲に粗面化領域88が形成されていることによって、一方側フィルム48と他方側フィルム49とが密着しにくくなるので、挿入通路57を開けやすくすることができる。
[第4実施形態]
図18は、本開示の第4実施形態に係るフィルム容器A4の全体構成を示す図である。図19は、図18のフィルム容器A4の口部60の要部拡大図である。図20は、図19のXX-XX断面を示す図である。図21Aおよび図21Bは、図20の口部60を開封した状態を示す図であって、図21Aが注出部材62の挿入前の状態を示し、図21Bが注出部材62の挿入後の状態を示している。なお、図18~図21A,Bに示された構成のうち、先に説明した図面の構成と共通するものについては、同じ参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
フィルム容器A4では、フィルム容器A3に、容器本体45の開封性を向上させる構造と、注出部材62の挿入性を向上させる構造とが付加されている。より具体的には、フィルム容器A4は、容器本体45の口部60の開封ガイド線65に形成されたエンボス部227と、開封ガイド線65のコーナ部分221に形成された貫通スリット228とを有している。
エンボス部227は、容器本体45を構成するフィルムをエンボス加工することによって形成されている。この実施形態では、容器本体45の一方側フィルム48および他方側フィルム49のうち、一方側フィルム48が、他方側フィルム49との接触面側から反対側に押し上げられることによってエンボス加工されている。これにより、他方側フィルム49に対して凹むエンボス凹部229と、当該エンボス凹部229に対応して容器本体45の表面側に突出したエンボス凸部230とを含むエンボス部227が一方側フィルム48に形成されている。
エンボス部227は、開封ガイド線65(この実施形態では、第1ガイド線223の第1部分219)の凹部67を上下方向Yに横切るように形成されている。他の言い方では、開封ガイド線65の凹部67が、図19および図20に示すように、エンボス凸部230の表面に形成されていてもよい。これに対し、開封ガイド線65の突出部66は、上下方向Yの上側にエンボス部227を避けるように形成されている。つまり、開封ガイド線65の凹部67が、一方側フィルム48を挟んでエンボス凹部229に対向している一方、開封ガイド線65の突出部66が、他方側フィルム49を挟んでエンボス部227外の領域(一方側フィルム48と他方側フィルム49との接着領域)に対向していてもよい。
貫通スリット228は、一端231および他端232を有し、一方側フィルム48および他方側フィルム49を貫通する線状の切れ込みである。貫通スリット228は、例えば、一方側フィルム48および他方側フィルム49に対して刃物等を挿通することによって形成することができる。
貫通スリット228は、開封ガイド線65のコーナ部分221に沿う線状に形成されている。この実施形態では、貫通スリット228は、第1部分219とコーナ部分221との接続部(第1部分219のカット終端)に位置する一端231と、第2部分220とコーナ部分221との接続部(第2部分220のカット始端)に位置する他端232とを繋ぐように、曲線状のコーナ部分221の曲線形状と同様な曲線形状に形成されている。また、貫通スリット228は、図19に示すように、隣り合う開封ガイド線65の間の領域に形成されていてもよい。
貫通スリット228の一端231および他端232の少なくとも一方(この実施形態では、両方)には、貫通孔233が形成されている。貫通孔233は、一方側フィルム48および他方側フィルム49を貫通し、かつ、開封ガイド線65に沿う方向において一定幅を有する孔である。貫通スリット228と貫通孔233との違いは、貫通スリット228が一方側フィルム48および他方側フィルム49の一部を刃物等で形成された切れ目の跡であるのに対し、貫通孔233は、一方側フィルム48および他方側フィルム49の一定領域を除去することによって形成された開孔であることである。
貫通孔233は、複数本の開封ガイド線65を横切るように形成されている。この実施形態では、貫通孔233は楕円形に形成されており、複数本の開封ガイド線65を横切る長軸を有している。貫通孔233は、開封ガイド線65が形成された領域の幅W(全ての開封ガイド線65のうち両端の開封ガイド線65間の距離)よりも長い長さLを有している。
以上、フィルム容器A4によれば、第3実施形態のフィルム容器A3の作用・効果に加えて、口部60の開封ガイド線65にエンボス部227が形成されている。これにより、図21Aに示すように、口部60を開封した際に、一方側フィルム48と他方側フィルム49との間に、エンボス凹部229に基づく隙間234を形成することができる。そのため、注出部材62の先端を隙間234に挿すことによって、図21Bに示すように、注出部材62を挿入通路57に簡単にガイドすることができる。
また、開封ガイド線65のコーナ部分221に沿って貫通スリット228が形成されている。これにより、開封ガイド線65の第1部分219から第2部分220への開封ガイド線65のカット方向が切り替わる際に、既に形成されている貫通スリット228を利用して、第1部分219のカット終端から第2部分220のカット始端への切り替えを確実に行うことができる。その結果、第1部分219のカットの惰性で開封ガイド線65が形成されていない領域がカットされてしまうことを防止することができる。
また、貫通スリット228の一端231および他端232に貫通孔233が形成されている。これにより、貫通スリット228の一端231および他端232から、それぞれ、開封ガイド線65の第1部分219および第2部分220にフィルムが裂け始めることを防止することができる。
[第5実施形態]
図22は、本開示の第5実施形態に係るフィルム容器A5の全体構成を示す図である。図23は、図22のコーナエンボス部235の要部拡大断面図である。なお、図22および図23に示された構成のうち、先に説明した図面の構成と共通するものについては、同じ参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
フィルム容器A5は、容器本体45の開封性を向上させる構造として、開封ガイド線65のコーナ部分221に形成されたコーナエンボス部235を有している。
コーナエンボス部235は、容器本体45を構成するフィルムをエンボス加工することによって形成されている。この実施形態では、容器本体45の一方側フィルム48および他方側フィルム49の両方が、前後方向一方側(この実施形態では、容器本体45の前側)に一緒に押し上げられることによってエンボス加工されている。これにより、他方側フィルム49の表面に対して凹むエンボス凹部236と、当該エンボス凹部236に対応して容器本体45の表面側に突出したエンボス凸部237とを含むコーナエンボス部235が形成されている。
コーナエンボス部235は、開封ガイド線65(この実施形態では、第1ガイド線223のコーナ部分221)を横切るように形成されている。他の言い方では、開封ガイド線65のコーナ部分221が、図23に示すように、エンボス凹部236の底面およびエンボス凸部237の表面に形成されていてもよい。
以上、フィルム容器A5によれば、第3実施形態のフィルム容器A3および第4実施形態のフィルム容器A4の作用・効果に加えて、開封ガイド線65のコーナ部分221にコーナエンボス部235が形成されている。コーナエンボス部235は、エンボス加工によってエンボス凹部236の深さ分、一方側フィルム48および他方側フィルム49が引き延ばされた部分である。したがって、コーナエンボス部235が形成された容器本体45の部分は、コーナエンボス部235が形成されていない容器本体45の部分に比べてフィルムが薄くなっている。これにより、開封ガイド線65の第1部分219から第2部分220への開封ガイド線65のカット方向が切り替わる際に、コーナエンボス部235上の開封ガイド線65(コーナ部分221)を積極的に裂けさせることができる。そのため、第1部分219のカット終端から第2部分220のカット始端への切り替えを確実に行うことができる。その結果、第1部分219のカットの惰性で開封ガイド線65が形成されていない領域がカットされてしまうことを防止することができる。
[第6実施形態]
図24は、本開示の第6実施形態に係るフィルム容器A6の全体構成を示す図である。図25は、図24のフィルム容器A6の口部の要部拡大断面図である。図26Aおよび図26Bは、図25の口部60を開封した状態を示す図である。なお、図24~図26A,Bに示された構成のうち、先に説明した図面の構成と共通するものについては、同じ参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
フィルム容器A6は、注出部材62の挿入性を向上させる構造として、容器本体45の口部60の開封ガイド線65に形成されたエンボス部238を有している。
エンボス部238は、容器本体45を構成するフィルムをエンボス加工することによって形成されている。この実施形態では、容器本体45の一方側フィルム48および他方側フィルム49のうち、他方側フィルム49が、一方側フィルム48との接触面側から反対側に押し上げられることによってエンボス加工されている。これにより、一方側フィルム48に対して凹むエンボス凹部239と、当該エンボス凹部239に対応して容器本体45の裏面側に突出したエンボス凸部240とを含むエンボス部238が他方側フィルム49に形成されている。
エンボス部238は、開封ガイド線65(この実施形態では、第1ガイド線223の第1部分219)を上下方向Yに横切るように形成されている。図25に示すように、開封ガイド線65の突出部66がエンボス凸部240の表面に形成されていてもよい。つまり、開封ガイド線65が、一方側フィルム48および他方側フィルム49を挟んでエンボス凹部239に対向している。
また、フィルム容器A6では、一方側フィルム48の開封ガイド線65の第1部分219が、凹部67を形成せず、直線状に形成されている。
以上、フィルム容器A6によれば、第3実施形態のフィルム容器A3および第4実施形態のフィルム容器A4の作用・効果に加えて、口部60の開封ガイド線65にエンボス部238が形成されている。これにより、図26Aに示すように、口部60を開封した際に、一方側フィルム48と他方側フィルム49との間に、エンボス凹部239に基づく隙間241を形成することができる。そのため、注出部材62の先端を隙間241に挿すことによって、図26Bに示すように、注出部材62を挿入通路57に簡単にガイドすることができる。
[第7実施形態]
図27は、本開示の第7実施形態に係るフィルム容器A7の全体構成を示す図である。なお、図27に示された構成のうち、先に説明した図面の構成と共通するものについては、同じ参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
フィルム容器A7は、注出部材62の挿入性を向上させる構造として、容器本体45の口部60の開封ガイド線65に形成されたエンボス部238を有し、容器本体45の開封性を向上させる構造として、開封ガイド線65のコーナ部分221に形成されたコーナエンボス部235を有している。つまり、フィルム容器A7は、フィルム容器A5とフィルム容器A6との構造を組み合わせた構造を有している。
したがって、フィルム容器A7によれば、第3実施形態のフィルム容器A3、第5実施形態のフィルム容器A5および第6実施形態のフィルム容器A6の作用・効果を達成することができる。
[第8実施形態]
図28は、本開示の第8実施形態に係るフィルム容器A8の全体構成を示す図である。図29は、図28のフィルム容器A8の正面図である。図30は、図29のXXX-XXX断面を示す図である。図31は、図29のXXXI-XXXI断面を示す図である。図32は、図29のXXXII-XXXII断面を示す図である。図33は、図29のフィルム容器A8の使い方を説明するための図である。図34Aおよび図34Bは、図29のフィルム容器A8の口部60の要部拡大図である。図35Aおよび図35Bは、図32の口部60を開封した状態を示す図であって、図35Aが注出部材62の挿入前の状態を示し、図35Bが注出部材62の挿入後の状態を示している。なお、図25~図35A,Bに示された構成のうち、先に説明した図面の構成と共通するものについては、同じ参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
第8実施形態に係るフィルム容器A8は、第3実施形態のフィルム容器A3からフィルム弁体46が省略されたものである。したがって、フィルム容器A8もフィルム容器A3と同様に、突出部68および切り欠き部69を有する口部60を含んでいる。
また、周縁シール部51は、容器本体45を構成するフィルムをエンボス加工することによって形成されたエンボス型周縁シール部82であってもよい。この実施形態では、容器本体45の一方側フィルム48および他方側フィルム49の両方が、前後方向一方側(この実施形態では、容器本体45の後ろ側)に一緒に押し上げられることによってエンボス加工されている。これにより、一方側フィルム48の表面に対して凹むエンボス凹部242と、当該エンボス凹部242に対応して容器本体45の裏面側に突出したエンボス凸部243とを含むエンボス型周縁シール部82が形成されている。
エンボス型周縁シール部82は、通常の1枚の周縁シール部51を形成した後、例えば治具を用いて周縁シール部51を形成する一方側フィルム48および他方側フィルム49の両方を一緒に凹ませてエンボス凹部242を形成することによって形成することができる。エンボス加工は、周縁シール部51の上下方向Y全体にわたって縦長の直線状に形成されている。
また、フィルム容器A8は、フィルム容器A6およびA7と同様に、注出部材62の挿入性を向上させる構造として、容器本体45の口部60の開封ガイド線65に形成されたエンボス部238を有している。
そして、フィルム容器A8の内容物44を摂取するには、例えば、図32、図33Aおよび図34Aに示すように、開封ガイド線65に沿って周縁シール部51の上部をカットする。これにより、突出部68および切り欠き部69を有する口部60が露出する。
次に、例えば、突出部68を摘まんで挿入通路57を広げ、切り欠き部69を介して注出部材62の先端を挿入通路57にガイドし、図33および図34Bに示すように、注出部材62を挿入通路57に挿入する。これにより、注出部材62を吸うことによって、フィルム容器A4の内容物44を摂取することができる。
以上、フィルム容器A8によれば、挿入通路57に注出部材62を挿入する際、突出部68を摘まんで挿入通路57を広げることができるので、注出部材62の挿入性を向上させることができる。さらに、切り欠き部69を介して注出部材62を挿入通路57に簡単にガイドすることができるので、注出部材62の挿入性を向上させることができる。
また、エンボス加工によって平面的な周縁シール部51が、エンボス型周縁シール部82として立体化し、形状剛性が増すので、容器本体45を安定して自立させやすくすることができる。
さらに、フィルム容器A3~A7と共通する構造について、同じ作用効果を達成することができる。
[第9実施形態]
図36は、本開示の第9実施形態に係るフィルム容器A9の全体構成を示す図である。図37は、図36のフィルム容器A9の正面図である。図38は、図37のXXXVIII-XXXVIII断面を示す図である。図39は、図37のXXXIX-XXXIX断面を示す図である。図40は、図37のXL-XL断面を示す図である。図41Aおよび図41Bは、図39の口部60を開封した状態を示す図である。なお、図36~図41A,Bに示された構成のうち、先に説明した図面の構成と共通するものについては、同じ参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
第9実施形態に係るフィルム容器A9では、エンボス型周縁シール部82が、周縁シール部51の上下方向Yにおいて分割されている。例えば、周縁シール部51の中央よりも上側半分および下側半分に、それぞれ、縦長直線状のエンボス型周縁シール部82が形成されていてもよい。
また、フィルム容器A9は、フィルム容器A4およびA5と同様に、注出部材62の挿入性を向上させる構造として、容器本体45の口部60の開封ガイド線65に形成されたエンボス部227を有している。
以上、フィルム容器A9によれば、フィルム容器A3~A8と共通する構造について、同じ作用効果を達成することができる。
[第10実施形態]
図42は、本開示の第10実施形態に係るフィルム容器A10の全体構成を示す図である。図43は、図42のフィルム容器A10の口部60の要部拡大図である。なお、図42および図43に示された構成のうち、先に説明した図面の構成と共通するものについては、同じ参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
このフィルム容器A10では、フィルム容器A9の構造に、さらに、容器本体45の開封性を向上させる構造として、開封ガイド線65のコーナ部分221に形成された貫通スリット228を有している。貫通スリット228の具体的な構造は、図42および図43に示すように、フィルム容器A4の貫通スリット228と同様である。
以上、フィルム容器A10によれば、フィルム容器A3~A9と共通する構造について、同じ作用効果を達成することができる。
[第11実施形態]
図44は、本開示の第11実施形態に係るフィルム容器A11の全体構成を示す図である。図45は、図44のコーナエンボス部235の要部拡大断面図である。なお、図44および図45に示された構成のうち、先に説明した図面の構成と共通するものについては、同じ参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
このフィルム容器A11では、フィルム容器A9の構造に、さらに、容器本体45の開封性を向上させる構造として、開封ガイド線65のコーナ部分221に形成されたコーナエンボス部235を有している。コーナエンボス部235の具体的な構造は、図44および図45に示すように、フィルム容器A5のコーナエンボス部235と同様である。
以上、フィルム容器A11によれば、フィルム容器A3~A10と共通する構造について、同じ作用効果を達成することができる。
[第12実施形態]
図46は、本開示の第12実施形態に係るフィルム容器A12の全体構成を示す図である。なお、図46に示された構成のうち、先に説明した図面の構成と共通するものについては、同じ参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
このフィルム容器A12では、フィルム容器A8の構造に、さらに、容器本体45の開封性を向上させる構造として、開封ガイド線65のコーナ部分221に形成された貫通スリット228を有している。貫通スリット228の具体的な構造は、図46に示すように、フィルム容器A4の貫通スリット228と同様である。
また、フィルム容器A12では、一方側フィルム48の開封ガイド線65の第1部分219が、凹部67を形成せず、直線状に形成されている。
以上、フィルム容器A12によれば、フィルム容器A3~A11と共通する構造について、同じ作用効果を達成することができる。
[第13実施形態]
図47は、本開示の第13実施形態に係るフィルム容器A13の全体構成を示す図である。なお、図47に示された構成のうち、先に説明した図面の構成と共通するものについては、同じ参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
このフィルム容器A13では、フィルム容器A8の構造に、さらに、容器本体45の開封性を向上させる構造として、開封ガイド線65のコーナ部分221に形成されたコーナエンボス部235を有している。コーナエンボス部235の具体的な構造は、図47に示すように、フィルム容器A5のコーナエンボス部235と同様である。
また、フィルム容器A13では、一方側フィルム48の開封ガイド線65の第1部分219が、凹部67を形成せず、直線状に形成されている。
以上、フィルム容器A13によれば、フィルム容器A3~A12と共通する構造について、同じ作用効果を達成することができる。
[第14実施形態]
図48は、本開示の第14実施形態に係るフィルム容器A14の全体構成を示す図である。なお、図48では、明瞭化のため、フィルム容器A14の自立構造に寄与する周縁シール部10,51を主に示し、その他の構成については省略している。また、図48に示された構成のうち、先に説明した図面の構成と共通するものについては、同じ参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
前述の第1~第13実施形態では、側部シール部13A,13B,54A,54Bの構造は、扁平状の1枚のシール部であった。周縁シール部10,51がこの種の形状である場合、内容物1,44が減ってくると容器本体2,45がしぼんで全体的に平らになるため、側部シール部13A,13B,54A,54Bが折れ曲がることにより、フィルム容器を自立させることは困難である。そこで、前述の第8~第13実施形態では、自立構造の一例として、エンボス型周縁シール部82が周縁シール部51に形成されていた。
一方、エンボス型周縁シール部82に代えて、図48に示す自立構造を採用することによって、フィルム容器A1~A13を自立させることもできる。
例えば、周縁シール部10,51は、図48に示すように、容器本体2,45の上下方向Yに延びるベースライン79に対して分岐して接続され、上下方向Yに延びる扁平状の複数の分岐型周縁シール部80を含んでいてもよい。より具体的には、ベースライン79から3つに分岐した三又の周縁シール部であってもよい。この分岐型周縁シール部80は、通常の1枚の周縁シール部を形成した後、当該周縁シール部の基端部(ベースライン79)に山折りの折り返し部を一対形成し、当該折り返し部をさらにヒートシールすることによって形成することができる。
この構成によれば、周縁シール部51が、分岐型周縁シール部80として立体化し、形状剛性が増すので、容器本体2,45を安定して自立させやすくすることができる。
また、周縁シール部10,51は、図48に示すように、容器本体2,45の前後方向の一方側(図48では前側)にカールしたカール型周縁シール部81であってもよい。カール型周縁シール部81は、周縁シール部10,51の形成時、カールが形成される条件でヒートシールすることによって形成することができる。例えば、第1フィルム6,47の内層の熱収縮差を利用することによってカールを形成してもよい。
この構成によれば、周縁シール部51が、カール型周縁シール部81として立体化し、形状剛性が増すので、容器本体2,45を安定して自立させやすくすることができる。
[第15実施形態]
図49は、本開示の第15実施形態に係るフィルム容器A15の全体構成を示す図である。なお、図49に示された構成のうち、先に説明した図面の構成と共通するものについては、同じ参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
フィルム容器A15では、フィルム容器A8と異なり、挿入通路57の他端59が、挿入通路57の幅方向内側に突出する突出部244を有している。突出部244は、注出シール部56Aおよび注出シール部65Bから、互いに対向する方向に突出した一対の突出部244を含んでいてもよい。これにより挿入通路57の他端59において、挿入通路57の幅が選択的に狭まっている。また、突出部244から流出方向下流側に向かって、挿入通路57の側縁245は、突出部244に連続するカーブ形状を有していてもよい。
以上、フィルム容器A15によれば、挿入通路57の他端59に突出部244が形成されているので、注出部材62を挿入した後、注出部材62の横方向における振れ幅を小さくできるので、注出部材62のぐらつきを抑制することができる。
また、挿入通路57の側縁245がカーブ形状を有しているので、注出部材62を挿入する際に、注出部材62を側縁245に沿って、一対の突出部244の間の領域にガイドすることができる。つまり、注出部材62が突出部244に引っ掛かることを抑制することができる。
[第16実施形態]
図50Aおよび図50Bは、本開示の第16実施形態に係るフィルム容器A16の全体構成を示す図である。なお、図50A,Bに示された構成のうち、先に説明した図面の構成と共通するものについては、同じ参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
前述の第1~第15実施形態に係るフィルム容器A1~A15は、内容物をストロー等の注出部材で吸引して経口摂取できるフィルム容器に関するものであったが、このフィルム容器A16は、例えば、カレー等の流動食品が内容物として収容された容器である。
フィルム容器A16において、開封ガイド線246(前述の開封ガイド線20,65と同様の構造)は、コーナ部分247を有している。この場合、フィルム容器A4~A7,A10~13に示した貫通スリット228およびコーナエンボス部235を形成することによって、フィルム容器A4~A7,A10~13と同様の作用・効果を達成することもできる。
[第17~第21実施形態]
プラスチックフィルム300の製造工程
図51は、プラスチックフィルム300の製造工程を説明するための図である。第17~第21実施形態の説明に先立って、プラスチックフィルム300の製造工程について簡単に説明する。
まず、プラスチックフィルム300は、前述の容器本体2,45および後述する容器本体309の構成フィルムとして使用可能なフィルムである。プラスチックフィルム300を製造するには、例えば、ベース原料、および必要により添加された添加剤(例えば、色料、フィラー等)が押出機(図示せず)に投入され、押出機から押し出し成形される。これにより、フィルム本体301が成形される。押し出し成形工程では、例えば、押出機に備えたTダイ302からベース原料を押し出すことによって、原料をフィルム状にすればよい。また、フィルム本体301を複数層とする場合には、複数の原料を共押出しすることによって複数層を備えるフィルム本体301を形成してもよい。押し出されたフィルム本体301は、冷却ロール303によって固化する。
次に、縦延伸機304を通過することによって、フィルム本体301が縦軸方向(フィルム本体301の進行方向(MD))に引き伸ばされ、その後、横延伸機305を通過することによって、縦軸方向に延ばされたフィルム本体301が、さらに、横軸方向(前記進行方向と直交する方向(TD))に引き伸ばされる。これにより、縦軸方向および横軸方向の二軸において延伸されたフィルム本体301(二軸延伸フィルム)が得られる。その後、このフィルム本体301が巻き取りロール306で巻き取られることによって、プラスチックフィルム300(原反)が得られる。
このように、プラスチックフィルム300が製造途中に延伸されることによって、プラスチックフィルム300の構成分子は、特定の方向に配向性を有することがある。図52に示すように、プラスチックフィルム300のMD方向およびTD方向のそれぞれに別々の分子が配向してもよい。図52では、MD方向の延伸によって第1分子307がMD方向に沿って配向し、TD方向の延伸によって第2分子308がTD方向に沿って配向している様子が示されている。
なお、前述のように、TD方向およびMD方向に沿って意図的に延伸工程を設けなくても、フィルム本体301の巻き取り時のテンション掛け等、製造工程上の流れの中で、プラスチックフィルム300の構成分子がMD方向に配向することがある。また、プラスチックフィルム300は、いわゆるインフレーション成形によって製造することもできる。この場合も図51と同様に、MD方向に沿う延伸工程を設けることによって、プラスチックフィルム300の構成分子をMD方向に配向させることができる。
フィルム容器の開封性とフィルムの分子配向方向との関係
上記のような分子の配向方向は、フィルム容器の開封性に影響を与える。例えば、高配向性フィルムと、低配向性フィルムおよび無配向性フィルムとに分けて検討する。
高配向性フィルムは、例えば図51に示したように、製造途中の意図的な延伸工程によって強制的にフィルム本体301を延伸することによって製造された、Tダイ押出しフィルムや、インフレーションフィルム等を含んでいてもよい。これらのフィルムでは、延伸方向に沿って分子が配向する。一方、低配向性フィルムは、例えば、フィルム本体301の巻き取り時のテンション掛け等によって意図せずに若干配向した分子が含有されたフィルムを含み、無配向フィルムは、構成分子がほとんど配向せずに含有されているフィルムを含んでいてもよい。
高配向性フィルムは、延伸工程によってフィルム本体301が延伸されているので、プラスチックフィルム300の伸び代が小さい。そのため、プラスチックフィルム300で構成されたフィルム容器に裂け目が形成されると、その裂け目を起点に分子の配向方向および配向方向に直交する方向に沿っては、一直線に容易に開封することができる。その反面、開封速度が速くなりやすく、フィルム容器の端から端まで一直線で一気にカットしてしまうことがある。これは、フィルム容器を一直線に開封したくない場合には、障害となる可能性がある。
一方、低配向性フィルムおよび無配向性フィルムは、製造時にフィルム本体301が延伸加工されていないので、プラスチックフィルム300の伸び代が大きい。そのため、プラスチックフィルム300で構成されたフィルム容器に裂け目を形成しても、裂け目を起点とした切れ性(カット性)が良いとは言えない。
そこで、第17~第21実施形態に係るフィルム容器A17~A21では、フィルム容器A17~A21を構成するプラスチックフィルムの分子配向性に応じて、フィルム容器A17~A21の表面に所定パターンの易開封性加工が施されている。易開封加工としては、フィルム容器A17~A21を切り裂いて開封する際に裂け目を所定方向にガイドする加工であれば特に制限されず、例えば、ハーフカット加工等のレーザ加工方法が挙げられる。ハーフカット加工では、例えば、プラスチックフィルムの各表面側に線状の凹部をハーフカットにより形成し、これにより線状の開封ガイド線(裂け目線)を形成する。
第17実施形態:高配向性フィルム仕様
図53Aおよび図53Bは、本開示の第17実施形態に係るフィルム容器A17の全体構成を示す図である。
フィルム容器A17は、例えば、主にプラスチックフィルムで形成されたパウチである。フィルム容器A17に収容される内容物1としては、半固形物、液状物のものであれば特に制限されない。フィルム容器A17は、容器本体309を含む。容器本体309(バッグ本体)は、プラスチックフィルム310の張り合わせによって、一方側フィルムおよび他方側フィルムが表裏一対となるように形成された扁平状のバッグである。図53Aおよび図53Bでは、一対のプラスチックフィルム310の具体的な張り合わせ形態を省略するが、例えば、図3および図14を参考にできる。
容器本体309は、周縁シール部311によって封止されている。この実施形態では、容器本体309は、四角形状に形成されている。容器本体309の4つの周縁部がシールされることによって周縁シール部311が形成されている。周縁シール部311は、フィルム容器A17の左右方向X(第1方向)に対向する一対の第1周縁シール部311Aと、フィルム容器A17の上下方向Y(第2方向)に対向する一対の第2周縁シール部311Bとを含んでいてもよい。
プラスチックフィルム310は、例えば、前述のプラスチックフィルム300のような二軸延伸フィルム等の延伸フィルムであってもよいし、延伸工程を経て形成された一軸延伸のインフレーションフィルムであってもよい。つまり、プラスチックフィルム310は、延伸方向に沿って分子が配向した高配向性フィルムであってもよい。プラスチックフィルム310のパターンは、通常、フィルムの原反(図51参照)からの取れ数を考慮して、原反から引き出したフィルムの長さ方向に沿って等間隔を空けて順に打ち抜かれる。したがって、得られた個々のプラスチックフィルム310は、二軸延伸の場合は左右方向Xおよび上下方向Yの両方向に沿って配向性を有し、一軸延伸の場合は左右方向Xまたは上下方向Yに沿って配向性を有することとなる。
容器本体309には、容器本体309の開封を容易にするための易開封加工が施されている。易開封加工としては、容器本体309を切り裂いて開封する際に裂け目を所定方向にガイドする加工であれば特に制限されず、例えば、ハーフカット加工等のレーザ加工方法が挙げられる。ハーフカット加工では、例えば、重なり合った一対のプラスチックフィルム310の各表面に線状の凹部をハーフカットにより形成し、これにより線状の開封ガイド線312(裂け目線)を形成する。これらの加工により、容器本体309を開封ガイド線312に沿って容易に裂くことができる。ハーフカット加工は、例えば、プラスチックフィルム310の表面に対してレーザを照射することによって施すことができる。この実施形態では、互いに等間隔で並んで延びる複数の開封ガイド線312が形成されている。
開封ガイド線312は、容器本体309の周縁シール部311の互いに離れた第1位置313と第2位置314との間に跨って形成されている。開封ガイド線312の一端部が第1位置313に配置され、開封ガイド線312の他端部が第2位置314に配置されていてもよい。この実施形態では、開封ガイド線312は、一方の第1周縁シール部311Aと上側の第2周縁シール部311Bとの間に跨って形成されている。第1位置313が第1周縁シール部311Aに配置され、第2位置314が第2周縁シール部311Bに配置されている。第1位置313には、開封ガイド線312に沿ってフィルム容器A17を開封する際の起点となる切込み315が形成されている。切込み315から開封ガイド線312に沿って容器本体309の上部を切り裂き、開封ガイド線312で囲まれたカット部323をカットすることによって、フィルム容器A17を開封することができる。
図54Aおよび図54Bは、それぞれ、図53Aの二点鎖線Aおよび図53Bの二点鎖線Bで囲まれた部分の拡大図である。
開封ガイド線312は、第1ガイド線316と、第2ガイド線317とを含む。第1ガイド線316は、第1位置313(図53Aおよび図53B参照)から左右方向Xに延びている。第2ガイド線317は、第1ガイド線316に対して屈曲点318を介して折れ曲がっており、上下方向Yに第2位置314(図53Aおよび図53B参照)延びている。この実施形態では、第1ガイド線316および第2ガイド線317は、互いに直交する方向に延びている。
第1ガイド線316は、第1直線部319と、第1終端部320とを含む。第1直線部319は、第1位置313(図53Aおよび図53B参照)から屈曲点318まで左右方向Xと平行に延びている。第1終端部320は、屈曲点318から第1直線部319の反対側に湾曲して突出している。第1終端部320は、屈曲点318を起点にして、第2ガイド線317が折れ曲がる方向とは反対側に弧状に湾曲している。第1終端部320は、左右方向Xと平行な第1直線部319に沿って形成された開封ガイド線312のガイド経路を、左右方向Xおよび上下方向Yの両方と異なる方向に急に変化させる部分である。したがって、第1終端部320は、第1ガイド線316の「第1変化部」と称してもよい。
第2ガイド線317は、第2直線部321と、第2終端部322とを含む。第2直線部321は、第2位置314(図53Aおよび図53B参照)から屈曲点318まで上下方向Yと平行に延びている。第2終端部322は、屈曲点318から第2直線部321の反対側に湾曲して突出している。第2終端部322は、屈曲点318を起点にして、第1ガイド線316が折れ曲がる方向とは反対側に弧状に湾曲している。第2終端部322は、上下方向Yと平行な第2直線部321に沿って形成された開封ガイド線312のガイド経路を、左右方向Xおよび上下方向Yの両方と異なる方向に急に変化させる部分である。したがって、第2終端部322は、第2ガイド線317の「第2変化部」と称してもよい。
この実施形態では、第1終端部320および第2終端部322が接続されることによって、屈曲点318の外側には閉ループ326が形成されている。ここで、屈曲点318外側は、屈曲点318に対してカット部323の反対側の容器本体309の領域を含んでいてもよい。閉ループ326は、隣り合う開封ガイド線312の間の領域に形成されていてもよい。また、開封ガイド線312は、屈曲点318において互いに直交する第1直線部319および第2直線部321と、屈曲点318を円周の一部として含む閉ループ326とを含んでいてもよい。
次に、図54Aと図54Bとの間で異なる点を説明する。
図54Bを参照して、プラスチックフィルム310の表面には、第1補助ガイド324および第2補助ガイド325がさらに形成されている。第1補助ガイド324および第2補助ガイド325は、開封ガイド線312と同様に、例えば、ハーフカット加工等のレーザ加工方法によって形成された溝であってもよい。
第1補助ガイド324は、第1ガイド線316の第1終端部320に第2ガイド線317とは別に接続されている。この実施形態では、第1補助ガイド324は、閉ループ326における第1終端部320と第2終端部322との接続点327に接続されている。第1補助ガイド324は、隣り合う第2直線部321の間を、第2直線部321に平行に上下方向Yに延びる直線であってもよい。第1補助ガイド324の長さは、接続点327から少し延出する程度であればよい。
第2補助ガイド325は、第2ガイド線317の第2終端部322に第1ガイド線316とは別に接続されている。この実施形態では、第2補助ガイド325は、閉ループ326における第1終端部320と第2終端部322との接続点327に接続されている。第2補助ガイド325は、隣り合う第1直線部319の間を、第1直線部319に平行に左右方向Xに延びる直線であってもよい。第2補助ガイド325の長さは、接続点327から少し延出する程度であればよい。
第1補助ガイド324および第2補助ガイド325は、接続点327を境界にして互いに直交する両方向に延び、全体としてV字状に形成されていてもよい。つまり、屈曲点318から左右方向Xおよび上下方向Yに沿って延びる各第1ガイド線316および各第2ガイド線317によって形成された各開封ガイド線312の角部が、V字状の第1補助ガイド324および第2補助ガイド325の一体構造に覆われている。
プラスチックフィルム310の表面には、第1ストッパ線328および第2ストッパ線329がさらに形成されている。第1ストッパ線328および第2ストッパ線329は、開封ガイド線312と同様に、例えば、ハーフカット加工等のレーザ加工方法によって形成された溝であってもよい。
第1ストッパ線328は、屈曲点318の外側に開封ガイド線312とは別に形成され、第1ガイド線316を横切る方向に弧状に湾曲して延びている。第1ストッパ線328は、左右方向Xにおいて、全ての第1ガイド線316を覆うように形成されている。第2ストッパ線329は、屈曲点318の外側に開封ガイド線312とは別に形成され、第2ガイド線317を横切る方向に弧状に湾曲して延びている。第2ストッパ線329は、上下方向Yにおいて、全ての第2ガイド線317を覆うように形成されている。
第1ストッパ線328および第2ストッパ線329は、接続点330を境界にして互いに交差する両方向に延び、全体として略V字状に形成されていてもよい。この略V字状の第1ストッパ線328および第2ストッパ線329は、屈曲点318の周囲を囲んでいる。つまり、屈曲点318から左右方向Xおよび上下方向Yに沿って延びる複数の第1ガイド線316および複数の第2ガイド線317によって形成された複数の開封ガイド線312の角部が、略V字状の第1ストッパ線328および第2ストッパ線329の一体構造に覆われている。
以上、フィルム容器A17によれば、プラスチックフィルム310が左右方向Xおよび上下方向Yの少なくとも一方に配向性を有している。そのため、容器本体309の周縁から第1ガイド線316および第2ガイド線317に沿って開封すると、開封速度が速くなりやすく、裂け目が屈曲点318を超えてオーバーランしてしまうおそれがある。
しかしながら、フィルム容器A17では、第1ガイド線316の屈曲点318の近傍に弧状に湾曲した第1終端部320が設けられているので、第1ガイド線316に沿って容器本体309を裂くときの裂け目が第1終端部320に差し掛かったときに開封ガイド線312によるガイド経路が変化する。これにより、容器本体309の開封速度を減衰させることができる。そのため、裂け目が屈曲点318を超えて反対側の第1周縁シール部311Aに達してしまうことを防止でき、屈曲点318から上下方向Yへの開封を確実に行うことができる。同様に、第2ガイド線317の屈曲点318の近傍に弧状に湾曲した第2終端部322が設けられているので、第2ガイド線317に沿って容器本体309を裂くときの裂け目が第2終端部322に差し掛かったときに開封ガイド線312によるガイド経路が変化する。これにより、容器本体309の開封速度を減衰させることができる。そのため、裂け目が屈曲点318を超えて反対側の第2周縁シール部311Bに達してしまうことを防止でき、屈曲点318から左右方向Xへの開封を確実に行うことができる。その結果、フィルム容器A17の易開封性を向上することができる。
また、図54Bに示すように、第1補助ガイド324および第2補助ガイド325が設けられていれば、屈曲点318から左右方向Xおよび上下方向Yへの開封方向の転換をより簡単に行うことができる。その結果、フィルム容器A17の易開封性を一層向上することができる。
さらに、この実施形態では、図54Bに示すように、第1ストッパ線328および第2ストッパ線329が形成されている。そのため、第1ガイド線316および第2ガイド線317に沿う開封が第1終端部320および第2終端部322で仮に停止できなくても、屈曲点318の外側にある第1ストッパ線328および第2ストッパ線329で確実に開封を停止させることができる。これにより、第1ストッパ線328から上下方向Yへ向かって、また第2ストッパ線329から左右方向Xへ向かって、開封経路の方向を適切に修正することができる。
なお、第1終端部320および第2終端部322は、屈曲点318の近傍で開封方向の転換を適切に行うことができる位置に形成されていればよい。したがって、屈曲点318に直接的に接続されていてもよいが(図54Aおよび図54B参照)、例えば、第1直線部319および第2直線部321が屈曲点318から若干突出し、その突出した先端から連続するように、第1終端部320および第2終端部322が形成されていてもよい。
第18実施形態:高配向性フィルム仕様
図55Aおよび図55Bは、本開示の第18実施形態に係るフィルム容器A18の全体構成を示す図である。図56Aおよび図56Bは、それぞれ、図55Aの二点鎖線Aおよび図55Bの二点鎖線Bで囲まれた部分の拡大図である。以下では、前述のフィルム容器A17と異なる構成について説明し、フィルム容器A17と同じ構成については同じ参照符号を図に付し、説明を省略する。
図56Aおよび図56Bを参照して、第1ガイド線316は、第1終端部320に代えて、第1終端部331を含む。第1終端部331は、屈曲点318から第1直線部319の反対側に湾曲して突出している。第1終端部331は、屈曲点318を起点にして、第2ガイド線317が折れ曲がる方向と同じ方向に弧状に湾曲している。
また、第2ガイド線317は、第2終端部322に代えて、第2終端部332を含む。第2終端部332は、屈曲点318から第2直線部321の反対側に湾曲して突出している。第2終端部332は、屈曲点318を起点にして、第1ガイド線316が折れ曲がる方向と同じ方向に弧状に湾曲している。
この実施形態では、第1終端部331および第2終端部332が、屈曲点318を起点に枝分かれすることによって、屈曲点318の外側には枝分かれ部333が形成されている。開封ガイド線312は、屈曲点318において互いに直交する第1直線部319および第2直線部321と、屈曲点318を起点に枝分かれした枝分かれ部333とを含んでいてもよい。また、図56Bを参照して、第1補助ガイド324および第2補助ガイド325は、それぞれ、第1終端部331および第2終端部332の各先端に接続されていてもよい。
以上、フィルム容器A19では、第1ガイド線316の屈曲点318の近傍に弧状に湾曲した第1終端部331が設けられている。また、第2ガイド線317の屈曲点318の近傍に弧状に湾曲した第2終端部332が設けられている。これにより、フィルム容器A17と同様に、容器本体309の開封速度を屈曲点318の近傍で減衰させることができる。その結果、フィルム容器A18の易開封性を向上することができる。
第19実施形態:高配向性フィルム仕様
図57Aおよび図57Bは、本開示の第19実施形態に係るフィルム容器A19の全体構成を示す図である。図58Aおよび図58Bは、それぞれ、図57Aの二点鎖線Aおよび図57Bの二点鎖線Bで囲まれた部分の拡大図である。以下では、前述のフィルム容器A17と異なる構成について説明し、フィルム容器A17と同じ構成については同じ参照符号を図に付し、説明を省略する。
図58Aおよび図58Bを参照して、第1ガイド線316は、第1終端部320に代えて、第1終端部334を含む。また、第2ガイド線317は、第2終端部322に代えて、第2終端部335を含む。屈曲点318は、第1終端部334と第2終端部335との接続点によって形成されている。第1ガイド線316および第2ガイド線317のいずれもが、屈曲点318から突出していない。
第1ガイド線316の第1直線部319は、屈曲点318の近傍位置(手前)に第1終点336を有している。第1終端部334は、第1直線部319の第1終点336と屈曲点318とを接続するように弧状に湾曲して形成されている。同様に、第2ガイド線317の第2直線部321は、屈曲点318の近傍位置(手前)に第2終点337を有している。第2終端部335は、第2直線部321の第2終点337と屈曲点318とを接続するように弧状に湾曲して形成されている。図58Aおよび図58Bでは、明瞭化のため、第1終点336および第2終点337を「・」で示している。
以上、フィルム容器A19では、第1ガイド線316の屈曲点318の近傍に弧状に湾曲した第1終端部334が設けられている。また、第2ガイド線317の屈曲点318の近傍に弧状に湾曲した第2終端部335が設けられている。これにより、フィルム容器A17と同様に、容器本体309の開封速度を屈曲点318の近傍で減衰させることができる。その結果、フィルム容器A19の易開封性を向上することができる。
第20実施形態:低配向性フィルムまたは無配向性フィルム仕様
図59は、本開示の第20実施形態に係るフィルム容器A20の全体構成を示す図である。図60は、図59の二点鎖線Aで囲まれた部分の拡大図である。以下では、前述のフィルム容器A17と異なる構成について説明し、フィルム容器A17と同じ構成については同じ参照符号を図に付し、説明を省略する。
フィルム容器A20に使用されるプラスチックフィルム310は、製造時に延伸加工が施されていない非延伸フィルムであってもよい。つまり、プラスチックフィルム310は、低配向性フィルムまたは無配向性フィルムであってもよい。
図60を参照して、開封ガイド線312は、第1部分338と、第2部分339と、コーナ部分340とを含む。
第1部分338は、第1位置313(図59参照)から左右方向Xと平行に延びる直線であってもよい。第2部分339は、第2位置314から上下方向Yと平行に延びる直線であってもよい。コーナ部分340は、第1部分338と第2部分339とを接続する。コーナ部分340は、第1部分338と第2部分339とを垂直に接続する直角コーナ部分であってもよいし、第1部分338と第2部分339とを滑らかなカーブで接続する曲線コーナ部分であってもよい。この実施形態では、コーナ部分340は、後者の曲線コーナ部分である。
フィルム容器A20では、コーナ部分340の外側に、ガイド経路補正部341が形成されている。ガイド経路補正部341は、コーナ部分340に沿って配列された複数の微細な加工線342の集合体である。各微細な加工線342は、開封ガイド線312と同様に、例えば、ハーフカット加工等のレーザ加工方法によって形成された溝であってもよい。複数の微細な加工線342は、互いに間隔を空けて、第1部分338から第2部分339に向かってカーブを描くように配列されている。また、複数の微細な加工線342は、左右方向Xにおいて、隣り合う微細な加工線342が部分的に重なり合うように配列されている。例えば、複数の微細な加工線342は、窓に設置されるルーバーを平面視したときの羽板(薄板)の配列パターンと同様のパターンで配列されていてもよい。
以上、フィルム容器A20によれば、プラスチックフィルム310が低配向性フィルムまたは無配向性フィルムである。そのため、フィルム容器A20に裂け目を形成しても、裂け目を起点とした切れ性(カット性)が良いとは言えない。フィルム容器A20では、容器本体309に開封ガイド線312を形成しているため、開封ガイド線312がない場合に比べての開封性は優れる。しかしながら、開封方向が変化するコーナ部分340では、裂け目が開封ガイド線312から外れて脱線する場合がある。
そこで、フィルム容器A20では、コーナ部分340の外側に、コーナ部分340の全体を覆うようにガイド経路補正部341が形成されている。これにより、第1部分338および第2部分339に沿ってフィルム容器A20を開封する際、コーナ部分340で開封ガイド線312から裂け目が外れてオーバーランしても、ガイド経路補正部341で開封を停止させることができる。これにより、開封経路の方向を適切に修正することができる。その結果、フィルム容器A20の易開封性を向上することができる。
第21実施形態:低配向性フィルムまたは無配向性フィルム仕様
図61は、本開示の第21実施形態に係るフィルム容器A21の全体構成を示す図である。
フィルム容器A21は、前述の図46に示したフィルム容器A12と同じ構造を有している。図46のフィルム容器A12は、易開封性加工として、第1ガイド線223(開封ガイド線65)にエンボス部238および貫通スリット228を有していた。これに対し、フィルム容器A21は、第1ガイド線223のコーナ部分221の外側と、緩やかに傾斜する延びる第2ガイド線224の第2部分226の外側に、フィルム容器A20と同様のガイド経路補正部341が形成されている。
これにより、第1ガイド線223および第2ガイド線224に沿ってフィルム容器A21を開封する際、コーナ部分221や第2部分226で開封ガイド線65から裂け目が外れてオーバーランしても、ガイド経路補正部341で開封を停止させることができる。これにより、開封経路の方向を適切に修正することができる。その結果、フィルム容器A21の易開封性を向上することができる。 以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示は、他の形態で実施することもできる。
例えば、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
また、前述の実施形態から抽出される好ましい態様について、次の通り付記する。
(付記1)
第1フィルムを張り合わせて周縁シール部を形成することによって、一方側フィルムおよび他方側フィルムが表裏一対となるように形成された袋状の容器本体と、
前記周縁シール部から一対の直線状に延びるように前記容器本体をシールすることによって形成され、前記容器本体の口部を形成する一端および前記容器本体の内部に位置する他端を有する注出部材用の挿入通路を区画する一対の注出シール部とを含む、フィルム容器。
(付記2)
前記口部は、前記一方側フィルムおよび前記他方側フィルムの一方が他方に対して、前記挿入通路の延長上に延びて形成された突出部を含む、付記1に記載のフィルム容器。
(付記3)
前記口部は、前記一方側フィルムおよび前記他方側フィルムの他方に形成され、前記挿入通路に挿入される注出部材を前記挿入通路にガイドするための切り欠き部を含む、付記2に記載のフィルム容器。
(付記4)
前記容器本体において前記口部を横切るように形成され、前記容器本体を切り裂いて前記口部を開封する際に裂け目を所定方向にガイドする開封ガイド線をさらに含み、
前記開封ガイド線は、前記容器本体の前記周縁シール部において互いに離れた複数の箇所の間に形成されており、第1方向に延びる第1部分と、前記第1方向とは異なる第2方向に延びる第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを接続するコーナ部分とを含み、
前記開封ガイド線の前記コーナ部分に形成された貫通スリットを含む、付記1~3のいずれか一項に記載のフィルム容器。
(付記5)
前記貫通スリットは、前記開封ガイド線の前記コーナ部分に沿う線状に形成されている、付記4に記載のフィルム容器。
(付記6)
前記開封ガイド線は、複数本並んで延びており、
前記貫通スリットは、隣り合う前記開封ガイド線の間の領域に形成されている、付記4または5に記載のフィルム容器。
(付記7)
前記貫通スリットの一端および他端の少なくとも一方に形成された貫通孔をさらに含む、付記4~6のいずれか一項に記載のフィルム容器。
(付記8)
前記開封ガイド線は、複数本並んで延びており、
前記貫通孔は、複数本の前記開封ガイド線を横切るように形成されている、付記7に記載のフィルム容器。
(付記9)
前記容器本体において前記口部を横切るように形成され、前記容器本体を切り裂いて前記口部を開封する際に裂け目を所定方向にガイドする開封ガイド線をさらに含み、
前記開封ガイド線は、前記容器本体の前記周縁シール部において互いに離れた複数の箇所の間に形成されており、第1方向に延びる第1部分と、前記第1方向とは異なる第2方向に延びる第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを接続するコーナ部分とを含み、
前記開封ガイド線の前記コーナ部分に形成されたコーナエンボス部をさらに含む、付記1~3のいずれか一項に記載のフィルム容器。
(付記10)
前記コーナエンボス部は、前記容器本体の前記一方側フィルムおよび前記他方側フィルムの両方が、前記容器本体の前後方向一方側に一緒に押し上げられることによって形成されている、付記9に記載のフィルム容器。
(付記11)
前記開封ガイド線は、複数本並んで延びており、
前記コーナエンボス部は、前記複数本の開封ガイド線を横切るように形成されている、付記9または10に記載のフィルム容器。
(付記12)
前記容器本体において前記口部を横切るように形成され、前記容器本体を切り裂いて前記口部を開封する際に裂け目を所定方向にガイドする開封ガイド線と、
前記口部において、前記開封ガイド線を横切るように形成されたエンボス部を含む、付記1~3のいずれか一項に記載のフィルム容器。
(付記13)
前記エンボス部は、前記容器本体の前記一方側フィルムおよび前記他方側フィルムのうち、前記一方側フィルムが、前記他方側フィルムとの接触面側から反対側に押し上げられることによって形成されている、付記12に記載のフィルム容器。
(付記14)
前記エンボス部は、前記容器本体の前記一方側フィルムおよび前記他方側フィルムのうち、前記他方側フィルムが、前記一方側フィルムとの接触面側から反対側に押し上げられることによって形成されている、付記12に記載のフィルム容器。
(付記15)
前記周縁シール部は、前記容器本体の周縁部の上下方向に延びるベースラインに対して分岐して接続され、前記上下方向に延びる扁平状の複数の周縁シール部を含む、付記1~14のいずれか一項に記載のフィルム容器。
(付記16)
前記周縁シール部は、前記容器本体の周縁部の上下方向に直交する前記容器本体の前後方向の一方側にカールしている周縁シール部を含む、付記1~14のいずれか一項に記載のフィルム容器。
(付記17)
前記周縁シール部は、前記容器本体の周縁部の上下方向に延びており、その一部が、前記上下方向に直交する前記容器本体の前後方向の一方側に突出するようにエンボス加工されている、付記1~14のいずれか一項に記載のフィルム容器。
(付記18)
前記容器本体には、内容物として液状物が収容されている、付記1~17のいずれか一項に記載のフィルム容器。
(付記19)
第1フィルムを張り合わせて周縁シール部を形成することによって、一方側フィルムおよび他方側フィルムが表裏一対となるように形成された袋状の容器本体と、
前記容器本体に形成され、前記容器本体を切り裂いて開封する際に裂け目を所定方向にガイドする開封ガイド線とを含み、
前記開封ガイド線は、前記容器本体の前記周縁シール部において互いに離れた複数の箇所の間に形成されており、第1方向に延びる第1部分と、前記第1方向とは異なる第2方向に延びる第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを接続するコーナ部分とを含み、
前記開封ガイド線の前記コーナ部分に形成された貫通スリットを含む、フィルム容器。(付記20)
前記貫通スリットは、前記開封ガイド線の前記コーナ部分に沿う線状に形成されている、付記19に記載のフィルム容器。
(付記21)
前記開封ガイド線は、複数本並んで延びており、
前記貫通スリットは、隣り合う前記開封ガイド線の間の領域に形成されている、付記19または20に記載のフィルム容器。
(付記22)
前記貫通スリットの一端および他端の少なくとも一方に形成された貫通孔をさらに含む、付記19~21のいずれか一項に記載のフィルム容器。
(付記23)
前記開封ガイド線は、複数本並んで延びており、
前記貫通孔は、複数本の前記開封ガイド線を横切るように形成されている、付記22に記載のフィルム容器。
(付記24)
第1フィルムを張り合わせて周縁シール部を形成することによって、一方側フィルムおよび他方側フィルムが表裏一対となるように形成された袋状の容器本体と、
前記容器本体に形成され、前記容器本体を切り裂いて開封する際に裂け目を所定方向にガイドする開封ガイド線とを含み、
前記開封ガイド線は、前記容器本体の前記周縁シール部において互いに離れた複数の箇所の間に形成されており、第1方向に延びる第1部分と、前記第1方向とは異なる第2方向に延びる第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを接続するコーナ部分とを含み、
前記開封ガイド線の前記コーナ部分に形成されたコーナエンボス部を含む、フィルム容器。
(付記25)
前記コーナエンボス部は、前記容器本体の前記一方側フィルムおよび前記他方側フィルムの両方が、前記容器本体の前後方向一方側に一緒に押し上げられることによって形成されている、付記24に記載のフィルム容器。
(付記26)
前記開封ガイド線は、複数本並んで延びており、
前記コーナエンボス部は、前記複数本の開封ガイド線を横切るように形成されている、付記24または26に記載のフィルム容器。
(付記27)
第1フィルムを張り合わせて周縁シール部を形成することによって、一方側フィルムおよび他方側フィルムが表裏一対となるように形成された袋状の容器本体と、
前記容器本体の前記周縁シール部の互いに離れた第1位置と第2位置との間に形成され、前記容器本体を切り裂いて開封する際に裂け目を所定方向にガイドする開封ガイド線とを含み、
前記開封ガイド線は、前記第1位置から第1方向に延びる第1ガイド線と、前記第1方向に対して交差する第2方向に延びて前記第2位置に至る第2ガイド線とを含み、前記第2ガイド線が前記第1ガイド線に対して屈曲点を介して折れ曲がっており、
前記第1ガイド線は、前記屈曲点の近傍に形成された変化部であって、前記周縁シール部の前記第1位置から前記第1方向と平行に直線状に延びる前記開封ガイド線のガイド経路を、前記第1方向および前記第2方向の両方と異なる方向に変化させる変化部を含む、フィルム容器。
(付記28)
前記第1方向および前記第2方向は、互いに直交する方向であり、
前記変化部は、前記屈曲点を起点に弧状に湾曲する湾曲部を含む、付記27に記載のフィルム容器。
(付記29)
前記第1ガイド線は、前記周縁シール部の前記第1位置から前記屈曲点まで前記第1方向と平行に延びる第1直線部と、前記屈曲点から前記第1直線部の反対側に湾曲して突出する前記湾曲部としての第1終端部とを含む、付記28に記載のフィルム容器。
(付記30)
前記第2ガイド線は、前記周縁シール部の前記第2位置から前記屈曲点まで前記第2方向と平行に延びる第2直線部と、前記屈曲点から前記第2直線部の反対側に突出し、前記屈曲点を起点に弧状に曲がる第2終端部とを含み、
前記屈曲点の外側には、前記第1終端部および前記第2終端部が接続されることによって閉ループが形成されている、付記29に記載のフィルム容器。
(付記31)
前記第2ガイド線は、前記周縁シール部の前記第2位置から前記屈曲点まで前記第2方向と平行に延びる第2直線部と、前記屈曲点から前記第2直線部の反対側に突出し、前記屈曲点を起点に弧状に曲がる第2終端部とを含み、
前記屈曲点の外側において、前記第1終端部および前記第2終端部が前記屈曲点を起点に枝分かれしている、付記29に記載のフィルム容器。
(付記32)
前記第1ガイド線の前記第1終端部に前記第2ガイド線とは別に接続され、前記第2ガイド線に並んで形成され、前記第1方向から前記第2方向への方向転換をガイドする第1補助ガイドをさらに含む、付記29~31のいずれか一項に記載のフィルム容器。
(付記33)
前記第1ガイド線は、前記周縁シール部の前記第1位置から前記屈曲点の近傍位置まで前記第1方向と平行に延びる第1直線部と、前記第1直線部の終点と前記屈曲点とを接続する前記湾曲部としての第1終端部とを含む、付記28に記載のフィルム容器。
(付記34)
前記第2ガイド線は、前記周縁シール部の前記第2位置から前記屈曲点の近傍位置まで前記第2方向と平行に延びる第2直線部と、前記第2直線部の終点と前記屈曲点とを接続する弧状に湾曲した第2終端部とを含み、
前記第1終端部と前記第2終端部との接続点が、前記屈曲点を形成している、付記33に記載のフィルム容器。
(付記35)
前記屈曲点の外側に前記開封ガイド線とは別に形成され、前記第1ガイド線を横切る方向に延び、前記第1ガイド線に沿って前記屈曲点に向かって形成された裂け目がオーバーランすることを防止する第1ストッパ線をさらに含む、付記27~34のいずれか一項に記載のフィルム容器。
(付記36)
前記屈曲点の外側に前記開封ガイド線とは別に形成され、前記第2ガイド線を横切る方向に延び、前記第2ガイド線に沿って前記屈曲点に向かって形成された裂け目がオーバーランすることを防止する第2ストッパ線をさらに含み、
前記第1ストッパ線および前記第2ストッパ線は、前記屈曲点の周囲を囲うように互いに接続されている、付記35に記載のフィルム容器。
(付記37)
前記第1フィルムは、延伸フィルムまたはインフレーションフィルムを含む、付記27~36のいずれか一項に記載のフィルム容器。
(付記38)
第1フィルムを張り合わせて周縁シール部を形成することによって、一方側フィルムおよび他方側フィルムが表裏一対となるように形成された袋状の容器本体と、
前記容器本体の前記周縁シール部の互いに離れた第1位置と第2位置との間に形成され、前記容器本体を切り裂いて開封する際に裂け目を所定方向にガイドする開封ガイド線とを含み、
前記開封ガイド線は、前記容器本体の前記周縁シール部において互いに離れた複数の箇所の間に形成されており、第1方向に延びる第1部分と、前記第1方向とは異なる第2方向に延びる第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを接続するコーナ部分とを含み、
前記コーナ部分の外側には、前記コーナ部分に沿って配列された複数の微細な加工線の集合体であるガイド経路補正部が形成されている、フィルム容器。
(付記39)
前記ガイド経路補正部を構成する前記複数の微細な加工線は、前記第1方向において隣り合う前記微細な加工線が部分的に重なり合うように配列されている、付記38に記載のフィルム容器。
(付記40)
前記第1フィルムは、非延伸フィルムを含む、付記38または39に記載のフィルム容器。
1 :内容物
2 :容器本体
3 :フィルムバルブ
4 :補強部材
5 :注出部材
6 :第1フィルム
7 :一方側フィルム
8 :他方側フィルム
9 :底面フィルム
10 :周縁シール部
11 :上部シール部
12 :下部シール部
13 :側部シール部
13A :側部シール部
13B :側部シール部
14 :収容室
15 :口部シール部
16 :第1部分
17 :第2部分
18 :蓋部
19 :内部空間
20 :開封ガイド線
21 :第1部分
22 :第2部分
23 :第3部分
24 :スリット
25 :第2フィルム
26 :一方側フィルム
27 :他方側フィルム
28 :注出シール部
29 :挿入通路
30 :一端
31 :他端
32 :口部
33 :第1部分
34 :第2部分
35 :挿入口
36A :部材
36B :部材
37 :ベース部材
38 :挿入口
39 :第1部分
40 :第2部分
41 :リブ
42 :開口
43 :蓋部
44 :内容物
45 :容器本体
46 :フィルム弁体
47 :第1フィルム
48 :一方側フィルム
49 :他方側フィルム
50 :底面フィルム
51 :周縁シール部
52 :上部シール部
53 :下部シール部
54 :側部シール部
54A :側部シール部
54B :側部シール部
55 :収容室
56 :注出シール部
56A :注出シール部
56B :注出シール部
57 :挿入通路
58 :一端
59 :他端
60 :口部
61 :突出部
62 :注出部材
63 :第1部分
64 :第2部分
65 :開封ガイド線
65B :注出シール部
66 :突出部
67 :凹部
68 :突出部
69 :切り欠き部
70 :第2フィルム
71 :領域
72 :上端
73 :下端
74 :第1上側シール部
75 :バルブ構造
76 :第2上側シール部
77 :下側シール部
78 :空間
79 :ベースライン
80 :分岐型周縁シール部
81 :カール型周縁シール部
82 :エンボス型周縁シール部
83 :ベースライン
85 :切込み
86 :隙間
87 :隙間
88 :粗面化領域
100 :フィルムパウチ
101 :清涼飲料
102 :人
103 :ストロー
211 :段差構造
212 :直線部
213 :第1突出部
214 :第2突出部
215 :上側部分
216 :折り返し部分
217 :開口
218 :切込み
219 :第1部分
220 :第2部分
221 :コーナ部分
223 :第1ガイド線
224 :第2ガイド線
225 :第1部分
226 :第2部分
227 :エンボス部
228 :貫通スリット
229 :エンボス凹部
230 :エンボス凸部
231 :一端
232 :他端
233 :貫通孔
234 :隙間
235 :コーナエンボス部
236 :エンボス凹部
237 :エンボス凸部
238 :エンボス部
239 :エンボス凹部
240 :エンボス凸部
241 :隙間
242 :エンボス凹部
243 :エンボス凸部
244 :突出部
245 :側縁
246 :開封ガイド線
247 :コーナ部分
300 :プラスチックフィルム
301 :フィルム本体
302 :Tダイ
303 :冷却ロール
304 :縦延伸機
305 :横延伸機
306 :巻き取りロール
307 :第1分子
308 :第2分子
309 :容器本体
310 :プラスチックフィルム
311 :周縁シール部
311A:第1周縁シール部
311B:第2周縁シール部
312 :開封ガイド線
313 :第1位置
314 :第2位置
315 :切込み
316 :第1ガイド線
317 :第2ガイド線
318 :屈曲点
319 :第1直線部
320 :第1終端部
321 :第2直線部
322 :第2終端部
323 :カット部
324 :第1補助ガイド
325 :第2補助ガイド
326 :閉ループ
327 :接続点
328 :第1ストッパ線
329 :第2ストッパ線
330 :接続点
331 :第1終端部
332 :第2終端部
333 :枝分かれ部
334 :第1終端部
335 :第2終端部
336 :第1終点
337 :第2終点
338 :第1部分
339 :第2部分
340 :コーナ部分
341 :ガイド経路補正部
342 :微細な加工線
A1 :フィルム容器
A2 :フィルム容器
A3 :フィルム容器
A4 :フィルム容器
A5 :フィルム容器
A6 :フィルム容器
A7 :フィルム容器
A8 :フィルム容器
A9 :フィルム容器
A10 :フィルム容器
A11 :フィルム容器
A12 :フィルム容器
A13 :フィルム容器
A14 :フィルム容器
A15 :フィルム容器
A16 :フィルム容器
A16 :フィルム容器
A17 :フィルム容器
A18 :フィルム容器
A19 :フィルム容器
A20 :フィルム容器
A21 :フィルム容器
L :長さ
:長さ
W :幅
:第1幅
:第2幅
:第3幅
:第4幅
:幅
X :左右方向
Y :上下方向
θ :傾斜角度

Claims (31)

  1. 第1フィルムを張り合わせてシール部を形成することによって、一方側フィルムおよび他方側フィルムが表裏一対となるように形成され、前記シール部に口部を有する袋状の容器本体と、
    第2フィルムを用いて形成され、直線状に延びる一対の注出シール部によって区画された注出部材用の挿入通路を有し、一方側フィルムおよび他方側フィルムが表裏一対となるように形成された扁平な筒状であり、前記挿入通路の一端が前記容器本体の口部に固定され、前記挿入通路の他端が前記容器本体に対してフリーな状態で前記容器本体の内部に延びるフィルムバルブとを含み、
    前記フィルムバルブの前記挿入通路は、第1幅を有する第1部分と、前記第1幅よりも広い第2幅を有する第2部分とを含む、フィルム容器。
  2. 前記フィルムバルブの前記挿入通路は、前記挿入通路の流出方向の中央部に前記第1部分を有し、前記第1部分に対して前記挿入通路の下流側および上流側に第2部分を有し、前記第1部分において括れるように形成されている、請求項1に記載のフィルム容器。
  3. 前記容器本体は、前記口部から切り離し自在に形成されたフィルム状の蓋部を含む、請求項1または2にフィルム容器。
  4. 前記蓋部は、前記一方側フィルムと前記他方側フィルムとの間に中空の内部空間ができるように形成されており、
    前記口部を介して前記挿入通路に挿入され、かつ前記口部から前記蓋部の前記内部空間に突出する注出部材をさらに含む、請求項3に記載のフィルム容器。
  5. 前記フィルムバルブおよび前記口部に対して一体的に固定され、前記挿入通路に連通する挿入口を有し、前記挿入通路に挿入される注出部材を前記挿入口で保持し得る硬質のベース部材をさらに含む、1または2に記載のフィルム容器。
  6. 前記容器本体は、前記挿入口を塞ぐように前記ベース部材を覆い、切り離し自在に形成されたフィルム状の蓋部を含む、請求項5に記載のフィルム容器。
  7. 第1フィルムを張り合わせてシール部を形成することによって、一方側フィルムおよび他方側フィルムが表裏一対となるように形成され、前記シール部に口部を有する袋状の容器本体と、
    前記口部から一対の直線状に延びるように前記容器本体をシールすることによって形成され、前記口部を形成する一端および前記容器本体の内部に位置する他端を有し、注出部材用の挿入通路を区画する一対の注出シール部と、
    第2フィルムを用いて形成され、前記一対の注出シール部に固定されることによって前記一方側フィルムと前記他方側フィルムとの間に挟まれるように前記挿入通路に沿って配置され、前記挿入通路の流出方向における下流側に一端を有し、前記挿入通路の上流側に他端を有するフィルム弁体とを含み、
    前記フィルム弁体の前記一端が、前記一方側フィルムに対してフリーな状態で前記他方側フィルムに選択的に固定されており、
    前記フィルム弁体の前記他端が、前記一方側フィルムおよび前記他方側フィルムの両方に対してフリーな状態である、フィルム容器。
  8. 前記シール部は、前記容器本体の周縁部の上下方向に延びる一対の周縁シール部を含み、
    前記フィルム弁体は、前記一対の周縁シール部の間に跨る大きさで形成されており、前記注出シール部と前記周縁シール部との間の前記挿入通路外の領域おいて、前記一端および前記他端の両方が、前記一方側フィルムに対してフリーな状態で前記他方側フィルムに選択的に固定されている、請求項7に記載のフィルム容器。
  9. 前記口部は、前記一方側フィルムおよび前記他方側フィルムの一方が他方に対して、前記挿入通路の延長上に延びて形成された突出部を含む、請求項1~3、7および8のいずれか一項に記載のフィルム容器。
  10. 前記口部は、前記一方側フィルムおよび前記他方側フィルムの他方に形成され、前記挿入通路に挿入される注出部材を前記挿入通路にガイドするための切り欠き部を含む、請求項9に記載のフィルム容器。
  11. 前記容器本体の前記口部を形成する前記一方側フィルムおよび前記他方側フィルムの少なくとも一方が、エンボス加工されている、請求項7または8に記載のフィルム容器。
  12. 前記第2フィルムに対して放電処理がされている、請求項1~11のいずれか一項に記載のフィルム容器。
  13. 前記第1フィルムが延伸フィルムを含み、前記第2フィルムが非延伸フィルムを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のフィルム容器。
  14. 前記シール部は、前記容器本体の周縁部の上下方向に延びる周縁シール部を含み、
    前記周縁シール部は、前記上下方向に延びるベースラインに対して分岐して接続され、前記上下方向に延びる扁平状の複数の周縁シール部を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のフィルム容器。
  15. 前記シール部は、前記容器本体の周縁部の上下方向に延びる周縁シール部を含み、
    前記周縁シール部は、前記上下方向に直交する前記容器本体の前後方向の一方側にカールしている、請求項1~13のいずれか一項に記載のフィルム容器。
  16. 前記シール部は、前記容器本体の周縁部の上下方向に延びる周縁シール部を含み、
    前記周縁シール部は、その一部が、前記上下方向に直交する前記容器本体の前後方向の一方側に突出するようにエンボス加工されている、請求項1~13のいずれか一項に記載のフィルム容器。
  17. 前記容器本体には、内容物として液状物が収容されている、請求項1~16のいずれか一項に記載のフィルム容器。
  18. 前記シール部は、前記容器本体の周縁部に形成された周縁シール部を含み、
    前記容器本体の前記周縁シール部の互いに離れた第1位置と第2位置との間に、前記口部を横切るように形成され、前記容器本体を切り裂いて前記口部を開封する際に裂け目を所定方向にガイドする開封ガイド線を含み、
    前記開封ガイド線は、前記第1位置から第1方向に延びる第1ガイド線と、前記第1方向に対して交差する第2方向に延びて前記第2位置に至る第2ガイド線とを含み、前記第2ガイド線が前記第1ガイド線に対して屈曲点を介して折れ曲がっており、
    前記第1ガイド線は、前記屈曲点の近傍に形成された変化部であって、前記周縁シール部の前記第1位置から前記第1方向と平行に直線状に延びる前記開封ガイド線のガイド経路を、前記第1方向および前記第2方向の両方と異なる方向に変化させる変化部を含む、請求項1または7に記載のフィルム容器。
  19. 前記第1方向および前記第2方向は、互いに直交する方向であり、
    前記変化部は、前記屈曲点を起点に弧状に湾曲する湾曲部を含む、請求項18に記載のフィルム容器。
  20. 前記第1ガイド線は、前記周縁シール部の前記第1位置から前記屈曲点まで前記第1方向と平行に延びる第1直線部と、前記屈曲点から前記第1直線部の反対側に湾曲して突出する前記湾曲部としての第1終端部とを含む、請求項19に記載のフィルム容器。
  21. 前記第2ガイド線は、前記周縁シール部の前記第2位置から前記屈曲点まで前記第2方向と平行に延びる第2直線部と、前記屈曲点から前記第2直線部の反対側に突出し、前記屈曲点を起点に弧状に曲がる第2終端部とを含み、
    前記屈曲点の外側には、前記第1終端部および前記第2終端部が接続されることによって閉ループが形成されている、請求項20に記載のフィルム容器。
  22. 前記第2ガイド線は、前記周縁シール部の前記第2位置から前記屈曲点まで前記第2方向と平行に延びる第2直線部と、前記屈曲点から前記第2直線部の反対側に突出し、前記屈曲点を起点に弧状に曲がる第2終端部とを含み、
    前記屈曲点の外側において、前記第1終端部および前記第2終端部が前記屈曲点を起点に枝分かれしている、請求項20に記載のフィルム容器。
  23. 前記第1ガイド線の前記第1終端部に前記第2ガイド線とは別に接続され、前記第2ガイド線に並んで形成され、前記第1方向から前記第2方向への方向転換をガイドする第1補助ガイドをさらに含む、請求項20~22のいずれか一項に記載のフィルム容器。
  24. 前記第1ガイド線は、前記周縁シール部の前記第1位置から前記屈曲点の近傍位置まで前記第1方向と平行に延びる第1直線部と、前記第1直線部の終点と前記屈曲点とを接続する前記湾曲部としての第1終端部とを含む、請求項19に記載のフィルム容器。
  25. 前記第2ガイド線は、前記周縁シール部の前記第2位置から前記屈曲点の近傍位置まで前記第2方向と平行に延びる第2直線部と、前記第2直線部の終点と前記屈曲点とを接続する弧状に湾曲した第2終端部とを含み、
    前記第1終端部と前記第2終端部との接続点が、前記屈曲点を形成している、請求項24に記載のフィルム容器。
  26. 前記屈曲点の外側に前記開封ガイド線とは別に形成され、前記第1ガイド線を横切る方向に延び、前記第1ガイド線に沿って前記屈曲点に向かって形成された裂け目がオーバーランすることを防止する第1ストッパ線をさらに含む、請求項18~25のいずれか一項に記載のフィルム容器。
  27. 前記屈曲点の外側に前記開封ガイド線とは別に形成され、前記第2ガイド線を横切る方向に延び、前記第2ガイド線に沿って前記屈曲点に向かって形成された裂け目がオーバーランすることを防止する第2ストッパ線をさらに含み、
    前記第1ストッパ線および前記第2ストッパ線は、前記屈曲点の周囲を囲うように互いに接続されている、請求項26に記載のフィルム容器。
  28. 前記第1フィルムは、延伸フィルムまたはインフレーションフィルムを含む、請求項18~27のいずれか一項に記載のフィルム容器。
  29. 前記シール部は、前記容器本体の周縁部に形成された周縁シール部を含み、
    前記容器本体において前記口部を横切るように形成され、前記容器本体を切り裂いて前記口部を開封する際に裂け目を所定方向にガイドする開封ガイド線を含み、
    前記開封ガイド線は、前記容器本体の前記周縁シール部において互いに離れた複数の箇所の間に形成されており、第1方向に延びる第1部分と、前記第1方向とは異なる第2方向に延びる第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを接続するコーナ部分とを含み、
    前記コーナ部分の外側には、前記コーナ部分に沿って配列された複数の微細な加工線の集合体であるガイド経路補正部が形成されている、請求項1または7に記載のフィルム容器。
  30. 前記ガイド経路補正部を構成する前記複数の微細な加工線は、前記第1方向において隣り合う前記微細な加工線が部分的に重なり合うように配列されている、請求項29に記載のフィルム容器。
  31. 前記第1フィルムは、非延伸フィルムを含む、請求項29または30に記載のフィルム容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023159237A1 (en) * 2022-02-21 2023-08-24 Party Paccs, Inc. Beverage container
KR102645935B1 (ko) * 2023-06-05 2024-03-12 정백연 친환경 절취 라벨

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