WO2013069112A1

WO2013069112A1 - チャック付袋

Info

Publication number: WO2013069112A1
Application number: PCT/JP2011/075834
Authority: WO
Inventors: 小峰基弘
Original assignee: 有限会社セブンバーズ
Priority date: 2011-11-09
Filing date: 2011-11-09
Publication date: 2013-05-16

Abstract

　この発明は、チャック付袋の開口の際、又は封を切る開封時に、チャック部上の開口両端面を把持して両上端面を外方に引きチャックを開ける動作が、指先に力のない人にとって極めて困難である点を改善し、誰でも容易に開口できるチャック付袋を提供することを目的とする。　袋体１１の開口部７にチャック部４を設けたチャック付袋１において、袋体１１の内側面２５であって、袋体１１の開口端２０の下方にチャック部４を形成すると共に、開口端２０とチャック部４との間に、突出部６０を形成させたことを特徴とするチャック付袋。

Description

チャック付袋

　本発明は、チャック付袋に関するものである。

従来の所謂チャック付袋は、プラスチックフィルムにて形成される袋に於いて、袋の上端開口部にチャック部が設置された構成である。更に、袋の上端を溶着等することにより袋口を密封し、密封された部分の下方にチャック部が設置された構成により密封部付きのチャック付袋も使用されている。

　そして、密封部付きのチャック付袋の使用に際しては、袋口をはさみ等で切断して密封部を開封した後に、チャックを解放し、収納物を取り出すのであるが、チャックを開く際に、チャックと開口端の距離は短く、然もチャックの締着はかなり強固であり、更には袋体は静電気等により開口縁部が密着してしまうこともあるので、両手指先にて開口縁部をつまみ、かなり強い力でチャックを開けなければならない。この作業は指先に力のある人にとっては容易な操作であるが、高齢者、小児、病人等指先に力のない人にとっては困難な作業となる。

　しかし、このチャックの締着力は収納部を密封し、収納物を湿気、病菌、大気の汚染物質、ほこり等のゴミから防護することを目的としているため、その締着力を弱めることは、意図しないチャックの開放が行われてしまう虞があり、チャックの設置目的に適合しなくなる虞れもあるので、採用することが出来ない。

　そこで、強固な締着力を有するチャックの開放を容易ならしめるために、開口縁に平行してチャック部上方にミシン目を設け、そのミシン目に沿って袋の上端部を切断することにより、開口端に対向する突片が形成され、該突片をつまんで開くようにした構成が提案されている（特許文献１）。

　しかし、対向する突片同士が静電気等により密着してしまうこともあるので、両手指先にて夫々の突片を摘むことは容易ではなかった。又、このようにミシン目を入れることは通気性を伴うことにも成り兼ねず、チャック付袋の本来の目的である気密性を損なうおそれがある。

　又、チャック付袋の開口縁部の対峙部分の一方を切欠して、袋の上端部の開口縁部の対向する部分を一片にする構成が提案されている（特許文献２）。

　しかし、この技術は、互い違いに把持部が形成されるので、掴むのは容易で便利であるが、把持部が左右にずれて形成されているので、袋の外側へ引張った場合に、チャック部の同一箇所が引っ張られないので、チャックが開放しにくく、開放させるためには比較的強い力を必要とし、力のない人にとっては困難な作業であることに変わりはなかった。又、袋の上端部の対向する開口縁部が同一形状ではないので、開口縁部を密封する構造とすることは困難であり、前記の技術と同様に気密性の保持に問題があった。

特開２００５‐１３８８９９号公報特開２００５‐１１２３８９号公報

　上記のように、開封時には誰でも容易に開封出来る構造のチャック付袋体が必要とされている。特に、チャック付袋に密封性を求められる場合、密封性を解除するまではその気密性を保持することが求められているので、袋体にミシン目等を形成させることは密封性を阻害することになるため出来るだけ避ける必要がある。

　そこで、本発明は、チャック付袋において、チャック部を開ける作業を容易とすることを目的とする。更に、密封部を有するチャック付袋において、チャック付袋の密封性を阻害することなく、チャック付袋の密封性を充分確保しながら、チャック付袋の上端部に構成される密封部を開封した際にも、チャック部を開ける作業を容易とすることを目的とする。

　上記目的を達成するための手段としての本発明は、袋体の開口部にチャック部を設けたチャック付袋において、前記袋体の内側面であって、前記袋体の開口端の下方にチャック部を形成すると共に、前記開口端と前記チャック部との間に、突出部を形成させたことを特徴とするチャック付袋である。

　以上のような本発明によれば、チャック付袋内に収納した物品の使用に際して、チャック付袋のチャック部より上方の部分の開口上縁部同士が密着せず自然に離間しているので、開口上縁部を摘むことが容易になり、手指の摘み力の弱い人でも誰でもチャック袋の左右への開きが容易に出来、開封が容易となった。

　又、上記チャック付袋において、前記突出部は、前記袋体の対向する内側面に夫々設けた対向する突片で形成したことを特徴とするチャック付袋である。

　又、上記チャック付袋において、前記突出部は、前記袋体の対向する内側面の一方に設けた突片で形成したことを特徴とするチャック付袋である。

　又、上記チャック付袋において、前記突出部は、前記袋体の対向する内側面に夫々設けた対向しない突片で形成したことを特徴とするチャック付袋である。

　又、上記チャック付袋において、前記チャック部及び／又は前記突出部は、前記袋体の内側面に対向設置した台に設置したことを特徴とするチャック付袋である。

　又、上記チャック付袋において、前記チャック部及び前記突出部を設置した前記台は、前記台上の突出部の設置位置よりも上方に張出させる張出部を設けたことを特徴とするチャック付袋である。

　又、上記チャック付袋において、前記突出部は、前記チャック部の高さよりも高い高さを有することを特徴とするチャック付袋である。

　このような構成により、チャック付袋の密封性を阻害することなく、チャック付袋の上端部に構成される密封部を開封した際には、袋体の対向する開口上縁部同士が密着せずに自然に離間して、開口上縁部をつまみ易く、チャック部を容易に開くことが出来るように力を入れることが出来る。

　又、上記チャック付袋において、前記袋体の上端縁部同士を接着させて、上端部の開口を密封する密封部を形成したことを特徴とするチャック付袋である。

　本発明のチャック付袋の効果の１つとしては、チャック付袋内に収納した物品の使用に際して、チャック付袋の開口上縁部が密着せず自然に離間しているので、該開口上縁部を手指で摘むことが容易になり、手指の摘み力の弱い人でも誰でもチャック袋の左右への開きが容易に出来、開封が容易となった。

　又、効果の１つとして、密封部付きのチャック付袋において、密封部が形成されたチャック付袋の上端部に構成される密封部をはさみ等で切断して開封すると、チャック付袋の開口上縁部が密着せず自然に離間して外方に開くので、該開口上縁部を手指で摘むことがより容易になり、手指の摘み力の弱い人でも誰でもチャック付袋の左右への開きが容易に出来、開封が容易となった。

　又、効果の１つとして、はさみ等による開封までは袋体の密封性は完全に維持され、収納物が湿気、病菌、大気の汚染物質、ほこり等のゴミ等から確実に防護されて、商品の安全性、清潔性が確保されることとなった。又、その構成はチャック部の上方に突出部を突出、張出させるだけで簡単であり、製作も容易である等実用効果は極めて大きい。

本発明チャック付袋第１実施例開封状態斜視図本発明チャック付袋第１実施例開封状態一部縦断面図本発明チャック付袋第１実施例封入状態一部縦断面図本発明チャック付袋第１実施例封入状態一部縦断面図本発明チャック付袋第２実施例開封状態斜視図本発明チャック付袋第３実施例開封状態一部縦断面図本発明チャック付袋第３実施例封入状態一部縦断面図本発明チャック付袋第４実施例封入状態一部縦断面図本発明チャック付袋第４実施例一部側面図本発明チャック付袋第５実施例封入状態一部縦断面図本発明チャック付袋第５実施例一部側面図本発明チャック付袋第６実施例開封状態斜視図本発明チャック付袋第６実施例封入状態一部縦断面図本発明チャック付袋第７実施例密封前状態一部縦断面図本発明チャック付袋第７実施例密封状態一部縦断面図本発明チャック付袋第７実施例密封開放状態一部縦断面図本発明チャック付袋第８実施例密封前状態一部縦断面図本発明チャック付袋第８実施例密封状態一部縦断面図本発明チャック付袋第８実施例密封開放状態一部縦断面図本発明チャック付袋第８実施例密封開放状態斜視図本発明チャック付袋第９実施例密封前状態一部縦断面図本発明チャック付袋第９実施例密封状態一部縦断面図本発明チャック付袋第９実施例密封開放状態一部縦断面図本発明チャック付袋第１０実施例密封開放状態斜視図

　以下に本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。チャック付袋１は、上端が開口した袋体１１の内側面２５であって、開口部７、詳しくは開口端２０の下方にチャック部４を形成すると共に、袋体１１の内側面２５であって、開口端２０とチャック部４との間に突出部６０を形成して構成している。

　袋体１１の形成は、特に限定されないが、図１に示すように、一枚のプラスチックフィルム部材１０を二つ折にして形成した両側片２，２の両側端部２２，２２同士を溶着等にて接着して固定することによって、一端部即ち上端部が開口した袋体１１を形成することが出来る。或いは又、図示はしないが、二枚のフィルム部材の三方を溶着等にて固定することによって、上端部が開口した状態の袋体１１を形成することが出来る。勿論、他の方法で、所定枚数のプラスチックフィルム部材を曲折、接着等することにより一端部が開口した状態の袋体１１を形成することとしてもよい。

　そして、後述するように、一端部即ち上端部の開口を密封する密封部３を形成する場合には、図１２及び図１３に示すように、袋体１１の収納部に収納品を収納後、両側片２，２の上端縁部２１，２１同士を溶着等にて接着させて密封部３を形成させて構成することが出来る。

　尚、これらのプラスチックフィルム部材１０の素材は特に限定されず、ポリエチレン、ポリスチレン等の従来から袋に使用されている公知の素材を使用することが出来る。

　チャック部４は、袋体１１の対向する内側面２５，２５であって、開口端２０より下方に所定距離を置いてチャック付袋１内に設けてある。このチャック部４は、公知のチャックで構成することが出来、例えば、突起体４１１を備えた雄チャック４１と、雄チャック４１の突起体４１１が挿入されて保持される溝部４２１を有する雌チャック４２を備えて構成され、チャック付袋１を密封可能なように、チャック付袋１の内面の横巾全巾に亘り突出形成されている。尚、チャック部４の素材は特に限定されず、ポリエチレン、ポリスチレン等の従来からチャックに使用されている公知の素材を使用することが出来る。

　袋体１１の側片２，２のチャック部４の上方から開口端２０までの部分は、チャック部４を開放する時に手指で摘む部分としての開口上縁部２６，２６を構成する。

　突出部６０は、対向する側片２，２のチャック部４より上方の部分、即ち開口上縁部２６，２６同士が密着しないように、離間させるために設置するものである。突出部６０の一実施形態として、図２～図４に示すように、突出部６０を２個の突片６で構成し、チャック付袋１の内側面２５，２５であって、開口端２０とチャック部４との間に突片６，６を対向設置させてある。そして、チャック部４が締着された際には、図３に示すように、突片６，６の先端同士が突き合って接触した状態となる。尚、開口端２０と突出部６０間の距離は手指にて摘める長さとすることが好ましい。

　突出部６０、ここでは突片６，６の高さＨ０は特に限定されないが、開口上縁部２６，２６同士特に上端縁部２１，２１同士の密着を効果的に防止し、手指で把持しやすくするために、チャック部４、即ち雄チャック４１と雌チャック４２を結合させた際の高さＨ２以上の高さに形成させることが好ましい。尚、突出部６０の素材は特に限定されず、ポリエチレン、ポリスチレン等の袋体１１又はチャック部４に使用される公知の素材を使用することが出来る。

　この突片６の形状は特に限定されず、帯状、矩形状、半円球状等の形状が採用できる。尚、対向する突片６，６同士が接触する突片６の先端部は、折曲又は丸めて、更には必要に応じて弾性を付与して形成させることも出来る。

　又、突出部６０は、袋体１１とは別途に形成した部材を袋体に固定して構成することもできるが、袋体１１の突出部６０を設ける部分を他の部分より厚く形成して構成したり、袋体１１の突出部６０を設ける部分を内側に凹ませる等して、袋体１１の突出部６０を設ける部分を内側に突出させて袋体１１と一体に形成させてもよい。

　又、突片６は、図１に示すように、チャック付袋１の全巾以下の長さとして、所望箇処、例えば１箇所～数箇処に設置する構造でもよいが、又、図５に示すように、この突片６は、チャック部４と同様にチャック付袋１の全巾に亘り設置する構造でもよい。尚、突片６をチャック付袋１の全巾に形成する場合、両端部方向に高さを低くする構成とすることも出来る。

　尚、チャック部４と突出部６０（突片６）間の距離は、手指が挿入可能な程度以上とすることが好ましい。このように構成することで、図４に示すように、手指で開口上縁部２６，２６におけるチャック部４と突出部６０（突片６）間を両側から矢印Ｃ方向に押すことにより、矢印Ｄに示すように、上端縁部２１，２１が外側に広がり、上端縁部２１，２１を手指で把持しやすくなる。

　又、図６及び図７に示すように、突出部６０としての突片は、対向する両側片２，２の一方の内側面２５のみに設置することとしてもよい。このような構成の場合には、開口上縁部２６，２６同士特に上端縁部２１，２１同士の密着を効果的に防止し、手指で把持しやすくするために、突片６１の長さ（高さ）Ｈ４は、チャック部４、即ち雄チャック４１と雌チャック４２を結合させた際の高さＨ２以上の高さに形成させることが好ましい。又、このような高さを有する突片６１は、チャック部４と同様に袋体１１の全巾に亘り設置する構造でもよいが、全巾以下の長さとして、所望箇処、例えば１箇所～数箇処に設置する構造でもよい。尚、突片６１をチャック付袋１の全巾に形成する場合、両端部方向に高さを低くする構成とすることも出来る。

　又、このような構成の突片６１を、対向する両側片２，２の対向しない位置に互い違いに設置することとしてもよい。

　雄チャック４１、雌チャック４２及び／又は突出部６０としての突片６又は突片６１は、図１～図７に示すように、チャック付袋１の内側面２５に直接設けても良いが、図８及び図９に示すように、チャック付袋１の内側面２５にフィルム状又は薄板状等の台５を対向して設け、台５に雄チャック４１、雌チャック４２及び／又は突出部６０としての突片６又は突片６１を夫々設置させる構成としてもよい。

　台５の材質は特に限定されないが、ポリエチレン、ポリスチレン等公知の素材を使用することが出来、又、袋体１と同一素材とすることや、チャック部４や突出部６０と同一素材とするとしてもよい。更に、台５は、台５に設ける突片６の形状にもよるが、突片６を設置可能であれば、袋体１１の全巾に亘り設置することも又部分的に設置することも出来る。

　台５は、チャック付袋１の内側面２５に接着や溶着等して固定することが出来る。雄チャック４１、雌チャック４２及び／又は突片６又は突片６１付きの台５は、雄チャック４１、雌チャック４２及び／又は突片６又は突片６１の夫々を台５に接着や溶着等して形成することが出来る他、一体成形することも出来る。このような構成により、側片２に台５を設置することにより、一工程で雄チャック４１、雌チャック４２及び突片６又は突片６１を設置することが出来、チャック付袋１の製造が容易となる。

　又、図１０及び図１１に示すように、側片２の突出部６０、ここでは突片６より上方部分を補強し、自立を補助させるために等のために、台５上の突片６の設置位置よりも上方部分を上方に張出させる張出部５１を設けることとしてもよく、更に、台５の張出部５１その他の部分には、例えば袋体１１の縦方向に延びるリブ５９等の補強部を設けて補強することも可能である。

　上述の実施形態では、袋体１１の上端部が開口したチャック付袋１の形態を説明したが、チャック付袋１は、袋体１１の上端部の開口を密封する密封部３を形成して構成することも出来る。

　図１２は、チャック付袋１の上端縁部２１，２１で形成された密封部３を切離した開封状態を示す斜視図であり、図１３はその断面図である。密封部３を形成する側片２，２の上端縁部２１，２１より下方であって、一点鎖線Ｙ１に沿って切断することにより、密封部３を切離した袋体１１の上端、即ち開口端２０より下方に所定距離を置いて、チャック付袋１内にチャック部４を形成すると共に、袋体１１の内面側２５であって、開口端２０とチャック部４との間に突出部６０としての突片６を形成している。

　尚、図１３の、一点鎖線Ｙに沿って密封部３を切断した残部分は、密封部３を備えないチャック付袋１と同一の構成を備えている。

　又、上述の実施形態では、突出部６０としての突片６，６の高さＨ０及び突片６１の長さ（高さ）Ｈ４をチャック部４の高さＨ２以上が好ましいとし、図１～図１３に示す形態では、突出部６０としての突片６，６の高さＨ０及び突片６１の長さ（高さ）Ｈ４をチャック部４の高さＨ２を同一としているが、図１４～図２３に示すように、この突出部としての突片６，６を突き合わせた際の高さＨ１を、チャック部４の高さ、即ち雄チャック４１と雌チャック４２を結合させた際の高さＨ２よりも高く形成させる構成とすることも出来る。即ちチャック４の結合時のチャック４を介した内側面２２，２２間の距離よりも、突片６，６を突き合わせた際の突片６，６を介した内側面２２，２２間の距離を大きく形成させてもよい。

　このような構成により、チャック部４の締着の後、チャック付袋１の上端縁部２１，２１を接着して密封部３により密封した際に、チャック部４よりも、突片６，６の設置部分がチャック付袋１の両側片２，２を外方により高く脹れ出させる形になる。

　そして、一点鎖線Ｙ２に沿って密封部３を切り離すことにより、チャック部４より突片６，６の設置部の高さが高いため、チャック付袋１の切断端２３，２３は開放され外方に開くことになる。このため、開口上縁部２６，２６、特に突片６，６より上方の開口上縁部２６，２６が静電気により密着してはがし難いことが無くなり、開口上縁部２６，２６を把持し易くなり、開口上縁部２６，２６を外方への引っ張るりを容易に行うことが出来る。

　又、チャック付袋１は、図１７～図２０に示すように、突出部６０の高さＨ１を、チャック部４の高さＨ２よりも高く形成させると共に、上述のような台５を設ける構成としてもよい。

　更に、図２１～図２３に示すように、台５の突片６，６の設置位置よりも上方部分を上方に張出させる張出部５１，５１を設ける構成としてもよい。このような構成とすることにより、袋体１の上端縁２１，２１の接着により、図２２の矢印Ａに示すように、張出部５１，５１が内方に圧迫された構成になり、開封時には、図２３の矢印Ｂに示すように、張出部５１，５１の復元力により、張出部５１が外方に広がる形となり、チャック付袋１の切断端２３，２３は開放され外方に開くことになる。このため、開口上縁部２６，２６、特に突片６，６より上方の開口上縁部２６，２６間が広がり、手指で把持し易くなる。

　尚、張出部５１，５１は、夫々台５の全巾に亘って形成してもよいが、台５の全巾の一部に形成してもよく、一部に形成する場合には、対向させて形成させてもよいが、図２４に示すように、左右にずらして形成してもよい。又、この台５の張出部５１，５１の復元力、反発力は材質により或いは厚さにより異なるので、材質及び厚さを選択することが可能である。

　このように、突出部６０の高さＨ１を、チャック部４の高さＨ２よりも高く形成させる構成により、密封部３を切断する開封時には、チャック付袋１の切断端２３，２３が自然に外方に広げられ、開封時に便利なものである。即ち、チャック付袋１の密封部３をはさみ等により切断すると、チャック部４より突片６，６の突き合せ部が高いため、袋体１の切断端２３，２３は開放され外方に開くことになる。このため、開口上縁部２６，２６が静電気により密着してはがし難いことが無くなり、開口上縁部２６，２６に開き指がかけ易くなり、開口上縁部２６，２６の外方への引きを容易に行うことが出来る。

　台５上に張出片５１，５１を設けるときには更に張出片５１，５１の復元力、反発力により開口上縁部２６，２６間はより拡開され、より指がかけ易くなり開放が容易となる。

　勿論、図示はしないが、密封部３を形成しない構成のチャック付袋１においても、突出部６０の高さＨ１を、チャック部４の高さＨ２よりも高く形成させる形態を採用することが出来る。

　本発明のチャック付袋は、上記の実施の形態に限定されることなく、適宜に変更を加えた構成とすることも出来、又、これらの実施の形態の構成を取捨選択して、適宜組み合わせた構成とすることも出来る。

　図１乃至図４に示される実施例１について説明する。袋体１１の側片２，２の両内側面２５，２５にチャック部４を設置する際に、袋体１１全巾に亘りチャック部４を形成させてある。

　チャック部４は雄チャック４１と雌チャック４２より成る。該雄チャック４１と雌チャック４２は夫々袋体１の内側面２５，２５に直接設けられ、対向して設置されている。側片２，２の上端縁部２１，２１の下方に雄チャック４１と雌チャック４２を設置している。

　又、側片２，２の上端縁部２１，２１とチャック部４間、即ちチャック部４上方に突片６，６を対向設置してある。突片６はチャック付袋１の全巾の一部に帯状に１箇所設置している。

　開口端２０と突片６間の距離は手指にて摘める距離としている。チャック付袋１の封入時、雄チャック４１と雌チャック４２を締着させた際に、チャック部４における内側面２１，２１間の長さＨ２と突片６，６の突き合わせた長さＨ０は同じ長さに形成されている。

　上記の構成により、チャック付袋１内に収納した物品の使用に際して、チャック付袋１の対向する開口上縁部２６，２６が密着せず自然に離間しているので、開口上縁部２６，２６を摘むことが容易になり、手指の摘み力の弱い人でも誰でもチャック袋の左右への開きが容易に出来、開封が容易となった。

　図５に示される実施例２について説明する。この実施例２の構造は、突片６がチャック付袋１の全巾の一部に帯状に１箇所設置している実施例１に対し、突片６，６が、チャック部４と同様にチャック付袋１の全巾に亘り設置する構造である。尚、他の構成は、実施例１と同一である。

　図６及び７に示される実施例３について説明する。この実施例３の構造は、突出部６０が対向する突片６，６で構成され、突片６がチャック付袋１の全巾の一部に帯状に１箇所設置している実施例１に対し、突出部６０が突片６１で構成された構造である。突片６１は対向する両側片２，２の一方の内側面２５のみに設置され、突片６１の長さ（高さ）Ｈ４は、チャック付袋１の封入時、雄チャック４１と雌チャック４２を締着させた際に、チャック部４における内側面２１，２１間の長さＨ２と同じ高さに形成されている構造である。そして、突片６１はチャック付袋１の全巾の一部に帯状に１箇所設置している。尚、他の構成は、実施例１と同一である。

　図８及び９に示される実施例４について説明する。この実施例４の構造は、図５に示す、雄チャック４１と雌チャック４２及び突片６が夫々袋体１の内側面２５，２５に直接設けられている実施例２に対し、チャック付袋１の内側面２５に薄板状の台５を設け、台５に雄チャック４１、雌チャック４２及び突片６を夫々設置させる構成である。台５の上端に突片６が形成され、下端部に雄チャック４１と雌チャック４２が形成され、台５は突片６より上方には延設されてない構成である。このような構成により、側片２に台５を設置することにより、一工程で雄チャック４１、雌チャック４２及び突片６を設置することが出来、チャック付袋１の製造が容易となる。尚、他の構成は、実施例２と同一である。

　図１０及び１１に示される実施例５について説明する。この実施例５の構造は、図８及び９に示す、台５は突片６より上方には延設されてない構成の実施例４に対し、台５は突片６より上方に延設された、張出部５１を設けた構成である。更に、台５の張出部５１その他の部分には、袋体１１の縦方向に延びるリブ５９で構成された補強部を設けて補強している。このような構成により、側片２の突片６より上方部分及び開口上縁部２６を補強し、自立を補助させることが出来る。尚、他の構成は、実施例４と同一である。

　図１２及び１３に示される実施例６について説明する。この実施例６の構造は、図１～図４に示す、袋体１１の上端部が開口した構成の実施例１に対し、袋体１１の上端部の開口を密封する密封部３を形成した構成である。側片２，２の上端縁部２１，２１同士を接着させて密封部３を形成させて構成している。チャック付袋１内の収納物を取り出す際には、一転鎖線Ｙに沿って密封部３を切断した後に、チャック部４を開放して取り出す。密封部３を切断した後の構成は実施例１と同一である。尚、他の構成は、実施例１と同一である。

　図１４～図１６に示される実施例７について説明する。この実施例７の構造は、図１２～図１３に示す、チャック部４における内側面２１，２１間の長さＨ２と突片６，６の突き合わせた長さＨ０は同じ長さに形成されている実施例６に対し、チャック部４の内側面２１，２１間の長さＨ２よりも突片６，６の突き合わせた長さＨ１が長く形成された構成である。

　尚、詳述すれば、側片２，２の上端縁部２１，２１とチャック部４間、即ちチャック部４上方に突片６，６を対向設置してある。突片６はチャック付袋１の全巾の一部に帯状に１箇所設置している。

　側片２，２の上端縁部２１，２１と突片６，６間の距離は、はさみ等により上端縁２１，２１で形成される密封部３を切断した際に、切断端２３，２３と突片６，６との間に手指にて摘める部分を残しておく。

　上記の構成により、袋体１１の側片２，２は、チャック部４よりも突片６，６の部分が外に脹れ出している形となる。上記の構成によりチャック付袋１の開封に際し、チャック付袋１の上端の密封部３を切断すると、袋体１１の側片２の切断端２３，２３は密封部３により締め付けがなくなり、突片６，６間の高さがチャック部４の高さより勝り、切断端２３，２３が外方に解放され、開口上縁部２６，２６が外方に開かれ、手指のかかり易い、摘み易い状態となる。このため誰でも容易にチャック部４の締着を開くことが出来ることになる。尚、他の構成は、実施例６と同一である。

　図１７～図２０に示される実施例８について説明する。この実施例８の構造は、図１４～図１６に示す、雄チャック４１と雌チャック４２及び突片６が夫々袋体１の内側面２５，２５に直接設けられている実施例７に対し、チャック付袋１の内側面２５に薄板状の台５を設け、台５に雄チャック４１、雌チャック４２及び突片６を夫々設置させる構成である。台５の上端に突片６が形成され、下端部に雄チャック４１と雌チャック４２が形成され、台５は突片６より上方には延設されてない構成である。このような構成により、側片２に台５を設置することにより、一工程で雄チャック４１、雌チャック４２及び突片６を設置することが出来、チャック付袋１の製造が容易となる。尚、他の構成は、実施例７と同一である。

　尚、詳述すれば、チャック部４は、側片２，２の両内側面２５，２５にチャック付袋１全巾に亘り形成させてある。

　そして、チャック部４は雄チャック４１と雌チャック４２より成る。雄チャック４１と雌チャック４２は夫々側片２，２の内側面２１，２１に設けられた台５，５上であって、側片２，２の上端縁部２１，２１下部に対向して設置されている。又、台５，５には側片２，２の上端縁部２１，２１とチャック部４間、即ちチャック部４上方に突片６，６を対向設置している。突片６はチャック付袋１の全巾の一部に帯状に１箇所設置している。

　側片２，２の上端縁部２１，２１と突片６，６間の距離は、はさみ等により上端縁部２１，２１で形成された密封部３を切断した際に、切断端２３，２３と突片６，６との間に手指にて摘める部分を残しておく。袋体１１の封入時、雄チャック４１と雌チャック４２を締着させた際に、チャック部４の内側面２５，２５間の長さよりも突片６，６の突き合わせた長さが長く形成させておく。この場合、袋体１１の側片２，２は、チャック部４よりも突片６，６の部分が外に脹れ出している形となる。

　上記の構成により、袋体１１の開封に際し、チャック付袋１の上端の密封部３を切断すると、袋体１１の側片２，２の切断端２３，２３は密封部３による締め付けがなくなり、突片６，６間の高さがチャック部４の高さに勝り、切断端２３，２３が外方に解放され、開口上縁部２６，２６が外方に開かれ、手指のかかり易い、摘み易い状態となる。このため誰でも容易にチャック部４の締着を開くことが出来ることになる。

　図２１～図２３に示す実施例９について説明する。この実施例９の構造は、図１７～図２０に示す、台５は突片６より上方には延設されてない構成の実施例８に対し、台５は突片６より上方に延設された、張出部５１を設けた構成である。尚、他の構成は、実施例８と同一である。

　即ち、実施例９の構造は実施例８に対し、台５の上部を、チャック付袋１の密封部３の近くまで広げた構成を追加するものである。張出片５１，５１は、同一形状で、対向して設けてある。

　この張出片５１，５１は、密封部３によって内方に撓められており、チャック付袋１の密封部３の切断により、開口上縁部２６，２６が開放される際に、張出片５１，５１の復元力、反発力により、より強力に外方に強制的に開くようにした構成である。密封部３の切断時、袋体１の切断端２３，２３は張出片５１，５１と略同一の高さを有している。

　図２４に示す実施例１０について説明する。この実施例１０の構造は、図２１～図２２に示す、張出片５１，５１は、同一形状で、対向して設けてある構成の実施例９に対し、台５，５の張出片５１，５１を左右にずらした構成である。尚、他の構成は、実施例９と同一である。

　尚、本発明の実施例、実施形態及び作用等が本明細書で詳細に開示されたが、上記の開示は本発明の例示的な形態であって、本発明を限定するものと解釈されるべきものではない。従って、当業者であれば、上記の実施形態のさまざまな変更を、開示された本発明の範囲及び精神から逸脱せずに行うことができることは明らかである。そのため、かかる変更はすべて本発明の範囲の中に含められるべきものである。

　本願のチャック付袋は、袋体の密封性は確保され、湿気、病菌等からは収納物が完全に保護されると共に従来のチャック付袋の開封時の困難性を解消したため、高齢者、小児、病人等でも容易に開封できるものである。
　このため、薬品、食料品等巾広い範囲の商品、製品に使用可能であり、製薬業界、食料品業界等の各種製品の収納保管に使用出来、その製造の流通、使用に資することが出来る。

　　１　　チャック付袋
　　１１　袋体
　　２　　側片
　　２０　開口端
　　２１　上端縁部
　　２２　側端部
　　２３　切断端
　　２４　切断端縁
　　２５　内面側
　　２６　開口上縁部
　　３　　密封部
　　４　　チャック部
　　４１　雄チャック
　　４２　雌チャック
　　５　　台
　　５１　張出部
　　６　　突片
　　６０　突出部
　　６１　　突片

Claims

　袋体の開口部にチャック部を設けたチャック付袋において、前記袋体の内側面であって、前記袋体の開口端の下方にチャック部を形成すると共に、前記開口端と前記チャック部との間に、突出部を形成させたことを特徴とするチャック付袋。
　前記突出部は、前記袋体の対向する内側面に夫々設けた対向する突片で形成したことを特徴とする請求項１に記載のチャック付袋。
　前記突出部は、前記袋体の対向する内側面の一方に設けた突片で形成したことを特徴とする請求項１に記載のチャック付袋。
　前記突出部は、前記袋体の対向する内側面に夫々設けた対向しない突片で形成したことを特徴とする請求項１に記載のチャック付袋。
　前記チャック部及び／又は前記突出部は、前記袋体の内側面に対向設置した台に設置したことを特徴とする請求項１から４のうちいずれか１項に記載のチャック付袋。
　前記チャック部及び前記突出部を設置した前記台は、前記台上の突出部の設置位置よりも上方に張出させる張出部を設けたことを特徴とする請求項５に記載のチャック付袋。
　前記突出部は、前記チャック部の高さよりも高い高さを有することを特徴とする請求項１から６のうち何れか１項に記載のチャック付袋。
　前記袋体の上端縁部同士を接着させて、上端部の開口を密封する密封部を形成したことを特徴とする請求項１から７のうち何れか１項に記載のチャック付袋。