JP2006284750A - 現像装置及びプロセスカートリッジ及び画像形成装置及び固定磁場発生手段 - Google Patents

現像装置及びプロセスカートリッジ及び画像形成装置及び固定磁場発生手段 Download PDF

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Abstract

【課題】磁性接触現像システムにおいて、トナーのチャージアップ、または、固着を原因とするブロッチ画像の発生を防ぎ、また、使用劣化に伴う、かぶりの悪化や、転写性の悪化という画像劣化を防ぐことを目的とする。
【解決手段】磁性接触現像システムにおいては、現像剤担持体3bがマグネットロール3aを内包しており、複数の磁極のピークが必要となる。上記の磁極ピーク形成のために間接的に必要となる対向磁極ピーク位置を、現像部Aである潜像担持体1と現像剤担持体3bとの接触部から離すことで、この部分での磁界を弱め、トナーに及ぼす磁力を抑えると共に、磁力線の方向を傾斜させることでトナーの穂立ちの力を抑え、ブロッチ画像の発生、かぶり、転写性の悪化を防ぐことができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、被現像体を現像する現像装置に関する。より詳しくは、被現像体に接触して現像する接触現像装置に関する。
また、該現像装置を像担持体の現像処理手投として使用した複写機やプリンタ等の電子写真画像形成装置に関する。
また、画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジに関する。
更に、被現像体を現像する現像装置に使用される固定磁場発生手段に関する。
ここで、電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成するものである。そして、電子写真画像形成装置の例としては、例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えばレーザプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。
また、プロセスカートリッジとは、帯電手段、現像手段またはクリーニング手段と電子写真感光体(像担持体)とを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを画像形成装置本体に対して着脱可能とするものである。及び帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも1つと電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化して画像形成装置本体に着脱可能とするものである。更に、少なくとも現像手段と電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化して画像形成装置本体に着脱可能とするものをいう。
従来の一成分現像方式としては、(1)非磁性接触現像方式と(2)磁性非接触現像方式が広く用いられている。
(1)非磁性接触現像方式
誘電体層をもつ現像ローラ上に、非磁性現像剤を担持し感光体表面に接触させて現像を行う方式が提案されている。現像器内の現像剤は機械的攪拌機構や重力により現像ローラに供給する。現像ローラに接触する弾性ローラを設け現像剤の搬送供給を行う。この弾性ローラは、現像ローラ上の現像剤を均一にする目的から、被現像体に移行せずに現像ローラに残った現像剤を一旦除去する機能も担っている。感光体の基材と現像ローラの間にはDCバイアスが印加される。
(2)磁性非接触現像方式
この方式(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)は、磁性一成分現像剤を用い、マグネットを内包した現像スリーブに現像剤を担持し、現像剤担持体の表面から所定の微小間隙をおいて感光体に対向させ、この間隙を飛翔する現像剤により現像する。現像器内の現像剤は、機械的攪拌機構や重力により現像スリーブに搬送されるとともに、現像剤はマグネットによる一定の磁力を受けて現像スリーブに供給される。そして、規制手段により現像スリーブ上に一定の現像剤層を形成し、現像に用いられる。マグネットにより現像剤に働く力は現像剤の搬送のみでなく、現像部においても積極的に使用される。現像部においては現像剤が非画像部に移行しカブリなどの画像不良が発生するのを防止する。つまり、現像時に現像剤は現像スリーブに内包したマグネットからの磁界により、現像スリーブに引きつけられる力を受けているからである。現像剤の飛翔にはDCバイアスにACバイアスを重畳したバイアスが使用される。DCバイアス電圧は、感光体の画像部電位と非画像部電位の間の値に調整される。重畳されたACバイアスは、ある時は画像部電位を超える電圧を印加するとともに、ある時には非画像部電位より低い電圧を印加することにより、画像部及び非画像部に対し現像剤が往復運動することにより現像剤で画像部を現像する。
上記2つの現像方式における、双方のメリットを生かした現像方式が提案されている。
また、上記(1)と(2)の2つの現像方式における、双方のメリットを生かした現像方式として磁性接触現像方式(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
(3)磁性接触現像方式
磁性接触現像方式においては、磁性一成分現像剤を用い、マグネットを内包した現像スリーブに現像剤を担持させるものであるが、現像スリーブ表面には弾性層が設けてあり、これが感光体に接触し、(1)の非磁性接触現像方式と同様にして現像を行う。一方、現像容器内における現像スリーブへの現像剤の供給等は、(2)の磁性非接触現像方式と同様に、現像スリーブ内に内包されたマグネットの磁界により行うものである。
(4)クリーナレス(トナーリサイクル)システム
装置構成の簡略化や廃棄物を無くすという観点から、転写方式の画像形成装置において感光体の転写工程後の表面清掃手段である専用のドラムクリーナーを廃し、トナーを装置内でリサイクルする電子写真プロセスの提案がされている。例えば、前述の非磁性接触現像方式を用いて、現像時に同時に転写残となった現像剤を回収する画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開昭54−43027号公報 特開昭55−18656号公報 特開平07−301948号公報 特許第2598131号公報
しかしながら、従来の磁性接触現像においては、現像スリーブと感光体との接触において、現像剤が双方の圧力を受けて、現像剤表面が摩擦劣化し、その結果、現像剤の電荷不足による「かぶり」画像の悪化や、現像剤の流動性の低下における転写性の悪化等が発生しやすいという問題があった。
接触現像方式に比べ、非接触現像方式では、現像スリーブ及び感光体からの直接の圧力を受けることがないため、現像部における現像剤表面の劣化は遙かに少ない。これに対し、一般に、接触現像方式では、上記の圧力の点を考慮し、現像剤担持体表面を弾性層とすることで、現像剤への圧力を低減している。磁性接触現像方式においても、現像スリーブ表面に弾性層を設けることで、現像剤への圧力を低減しているが、非磁性現像剤を用いた接触現像方式が、十分な肉厚の弾性層を備えた現像剤担持体を用いることに比べると、現像剤担持体内部にマグネットを設けるためにスリーブ形状にしなければならず、また、現像剤担持体表面で十分な磁界を得る必要があることなどから、現像スリーブ表層の弾性層の厚みは、それほど厚くすることが出来ず、非磁性接触現像方式に比べて、現像剤が高い圧力を受けやすい。
この場合、現像スリーブ表層の弾性層の硬度を低くすることで、圧力を低く抑えることも可能であるが、単に硬度を低くしただけでは、一般的な材料特性として、感光体との接触部や、現像コートの規制手段が圧接する部分で、長期放置の際、当接跡としての変形が現像スリーブ弾性層にでき、これが画像上において横スジ状のムラとして現れやすくなる。
また、現像剤への圧力を低く抑えるためには、現像スリーブと感光体との接触圧を下げる方法も効果が大きいが、上記の現像スリーブのような構成では、弾性層が薄いため、現像スリーブと感光体との圧力をわずかに下げようとした場合においても、現像スリーブと感光体とが非接触になってしまう場合も少なくなく、公差を考えると、これらの接触圧を非磁性接触現像方式並みに下げることは難しかった。
このような条件のもとで、磁性接触現像方式では、感光体と接触する現像部において、現像スリーブに内包されたマグネットの垂直磁界が大きい場合では、現像剤が更に大きな圧力を受け、「かぶり」や転写性という上記問題画像が、更に悪化しやすいという問題があった。これは、大きな垂直磁界のもとでは、現像剤による磁気穂が感光体方向に向かって形成されるため、この磁気穂を形成しようとする力の反作用を、現像剤自身が感光体から受けるためである。
また、磁性接触現像方式においては、上記の垂直磁界による磁気穂の形成が原因となり、初期から画像不良を発生させるという問題もあった。これは、一般にブロッチ(シミ)画像と言われるもので、その発生原因は、大きく分けて2つある。
1)第1には、現像剤の持つ電荷が、過度に高くなることに起因するもので、この現象をチャージアップ現象という。
一般に、電子写真方式における現像剤への電荷付与は、摩擦帯電により行われるものであり、この電荷付与の工程は、現像剤のコントロールのため、最も重要なものである。しかしながら、この摩擦帯電の工程が過度に進んでしまい、必要以上の電荷を現像剤がもってしまうことがチャージアップ現象である。この現象は、当然ながら、通常の電子写真システムでは発生しないように設定されているものであるが、例えば、電子写真装置の使用初期と後期では、現像剤の表面状態が変化し、同じ摩擦帯電工程を行っても電荷保持能力が変化したり、また、低湿度環境と高湿度環境では、低湿度環境のほうが電荷保持能力が高かったりなどの理由により、発生する場合があった。
通常の電子写真の現像工程においては、帯電した現像剤は現像電界にしたがって感光体に現像されるが、上記のように、過度に帯電した現像剤は、電界から受ける力より、現像剤の電荷の持つ鏡像力のほうが強くなり、結果として現像せず、現像スリーブ表面に強く付着する。これがチャージアップ現象である。このとき、強く現像スリーブ表面に付着した現像剤は、現像スリーブを覆い、絶縁性のコート層と化してしまう。このため、この現像剤層の上層にある現像剤は、現像スリーブとの間で電荷の授受を行うことができず、摩擦帯電工程を経ても、十分な電荷をもつことができない。このような現象が発生した部分では、電荷をほとんどもたない電荷の層ができ、これがシミ状や波状に存在するため、この部分の現像剤が、本来現像されるべきではない感光体上に飛翔し、ブロッチ画像を発生させてしまう。
ここで、上記のように、現像部において垂直磁界が大きい場合では、現像剤は、磁気穂の形成により、より強い力を受けてしまうため、感光体と現像スリーブの間で摩擦帯電してしまい、現像スリーブへの付着力がより高くなって、上記のチャージアップによるブロッチ画像の発生を促進してしまうものであった。
2)次に、ブロッチ画像における第2の発生原因としては、現像スリーブ上に現像剤の塊が強く付着してしまう、「固着」現象によるものがある。
この現象も、根本的には、現像剤の過度の帯電による現像スリーブへの強い付着を起点として発生する現象であるが、固着現象では、現像スリーブ上で動きにくくなった現像剤を種とし、他の現像剤がこれに雪達磨式に強く付着してゆき、現像スリーブ上に大きな現像剤の塊を形成するものである。この現像剤の固まりの部分は、他の部分よりも高い層となり、また、この塊の上に乗った現像剤は十分な電荷をもつことができないため、この部分でも、シミ状のブロッチ現象が発生してしまう。特にこの現象は、現像剤の塊が発生した部分でその厚みの分だけ、更に、その部分の現像剤が感光体から強い圧力を受けることになり、上記のチャージアップ現象に比べて、連鎖反応的に悪化してゆく傾向が強く、一度発生するとほとんど回復は望めない。
上記の固着現象は、チャージアップ現象に比べて現像剤同士が付着しあうことが特徴的であり、これは、現像スリーブ上における現像剤の動きの自由度がより制限されるときに発生しやすい。したがって、現像剤が同じような電荷を持っている場合であっても、現像剤コートの規制力が比較的低い場合く、コート層厚が高い場合に顕著に発生する。
現像部において、強い磁力により、現像剤が動きにくくなる場合でも同様である。特に、垂直磁場が大きい場合では、前記のとおり、磁気穂形成時の磁力の反作用により、現像剤同士も高い圧力を受けることになり、固着現象は悪化しやすい。
また、磁性接触現像方式において、(4)クリーナレスシステムを実施する場合では、上記のようなブロッチ画像、特に固着現象を原因としたものは、更に発生しやすくなる。これは、非画像形成時に上記のようなブロッチ画像が感光体上で発生した場合、クリーナレスシステムでは、ブロッチ画像の発生した部分では感光体上に現像剤が付着したまま、再び、現像スリーブに接触することになる。このため、ここでは、現像スリーブ上の現像剤だけではなく、感光体上の現像剤をも含めた厚い現像剤の層が高い圧力を受けるため、固着現象は、クリーナがある場合よりも悪化しやすいという問題があった。
本発明においては、以上のような課題を解決し、新たに優れた現像装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。すなわち、磁性接触現像システムにおいて、現像剤のチャージアップ、または、固着を原因とするブロッチ画像の発生を防ぎ、また、使用劣化に伴う、かぶりの悪化や、転写性の悪化という画像劣化を防ぐことを目的とする。
(1)上記目的を達成するための本発明に係る現像装置の代表的な構成は、現像剤担持体と、前記現像剤担持体上の現像剤量を規制する現像剤量規制手段と、を有し、前記現像剤担持体が被現像体を押圧しながら前記被現像体を磁性一成分現像剤で現像する現像装置において、
前記現像剤担持体は、表面に弾性層を持つと共に、その内部に固定磁場発生手段を有し、回転することで、前記固定磁場発生手段により前記現像剤担持体表面に吸着した現像剤を、前記現像剤量規制手段を経て、前記現像剤担持体上で搬送、コートし、前記被現像体に押圧する現像部において、前記被現像体上に形成された静電潜像を現像するものであり、
前記磁場発生手段は、少なくとも3極の磁極を有し、その一つは現像装置内の現像剤を吸着させる吸着極、他の一つは前記吸着極に対して現像剤担持体回転方向の下流側に位置し、前記現像剤量規制手段の近傍に現像剤を搬送する搬送極、また、他の一つは、前記2つの極のいずれか、もしくは双方に対向する対向極であり、
前記固定磁場発生手段により発生される磁束密度は、前記現像剤担持体の表面において、鉛直方向の磁束密度成分を|Bv|、水平方向の磁束密度成分を|Bh|としたとき、前記現像部において、
|Bv|/|Bh|<tan45°
を満たすことを特徴とする。
(2)また、上記目的を達成するための本発明に係る現像装置の他の代表的な構成は、現像剤担持体と、前記現像剤担持体上の現像剤量を規制する現像剤量規制手段と、を有し、前記現像剤担持体が被現像体を押圧しながら前記被現像体を磁性一成分現像剤で現像する現像装置において、
前記現像剤担持体は、表面に弾性層を持つと共に、その内部に固定磁場発生手段を有し、回転することで、前記固定磁場発生手段により前記現像剤担持体表面に吸着した現像剤を、前記現像剤量規制手段を経て、前記現像剤担持体上で搬送、コートし、前記被現像体に押圧する現像部において、前記被現像体上に形成された静電潜像を現像するものであり、
前記固定磁場発生手段は、少なくとも4極の磁極を有し、その一つは現像装置内の現像剤を吸着させる吸着極、他の一つは前記吸着極に対して現像剤担持体回転方向の下流側に位置し、前記現像剤量規制手段の近傍に現像剤を搬送する搬送極、また、他の二つは、前記吸着極及び搬送極のいずれか、もしくは双方に対向する隣接する同極性の対向極であり、
前記隣接する同極性の対向極の二つの磁極は、極間が30°から90°の範囲であり、前記現像部が前記二つの磁極の極間に設けられていることを特徴とする。
上記(1)の現像装置構成によれば、現像部と磁極のピーク位置とが離れているため、現像部における現像剤の磁気穂形成を弱めることが出来る。また、磁力線の向きを被現像体方向から逸らすことが出来るため、同様に磁気穂の形成を弱めることが出来る。従って、現像部における現像剤が受ける力は、現像部に磁極のピーク位置がある場合に比べて小さくなる。これによって、磁極のピーク位置がある場合では発生頻度の高い、固着現象、または、チャージアップ現象を原因とするブロッチ画像の発生を抑制する効果がある。
また、同様に、現像剤へのストレスを低減できるため、通紙耐久を行った後でも、磁極のピーク位置がある場合に比べて、「かぶり」画像の悪化と、転写性の悪化を抑える効果がある。
これらにより、使用開始から終了時まで、長期にわたって使用環境を問わず、安定した良好が画像を得ることが出来る効果がある。
また、現像部の位置とは磁極ピーク位置を一致しない対向極は高い磁力にしても良いため、対向極以外の磁極の磁力も十分に確保でき、現像容器内における現像剤担持体への現像剤の供給、搬送、電荷付与、コーティング等の作業が効果的に実現でき、良好な現像システムによる良好な画像を得ることが出来る効果がある。
また、簡易な構成の現像スリーブ、マグネットロールを使用することが出来るため、安価な磁性接触現像システムが実現できる効果がある。
上記(2)の現像装置構成によれば、現像部における現像剤の磁気穂形成を弱めることが出来るため、現像部における現像剤が受ける力は、現像部に強い磁極のピーク位置がある場合に比べて小さくなる。これによって、強い磁極のピーク位置がある場合では発生頻度の高い、固着現象、または、チャージアップ現象を原因とするブロッチ画像の発生を抑制する効果がある。
また、同様に、現像剤へのストレスを低減できるため、通紙耐久を行った後でも、磁極のピーク位置がある場合に比べて、「かぶり」画像の悪化と、転写性の悪化を抑える効果がある。
これらにより、使用開始から終了時まで、長期にわたって使用環境を問わず、安定した良好が画像を得ることが出来る効果がある。
また、対向極の位置に対する現像部の設定位置範囲が広いため、被現像体と現像装置との構成の自由度が高いため、構成の簡素化、小型化に効果がある。
また、対向極以外の磁極の磁力を十分に確保できるため、現像容器内における現像剤担持体への現像剤の供給、搬送、電荷付与、コーティング等の作業が効果的に実現でき、良好な現像システムによる良好な画像を得ることが出来る効果がある。
また、簡易な構成の現像スリーブ、マグネットロールを使用することが出来るため、安価な磁性接触現像システムが実現できる効果がある。
すなわち、磁性接触現像システムにおいては、現像剤担持体が固定磁場発生手段を内包しており、複数の磁極のピークが必要となる。上記の磁極ピーク形成のために間接的に必要となる対向磁極ピーク位置を、現像部である被現像体と現像剤担持体との接触部から離すことで、この部分での磁界を弱め、現像剤に及ぼす磁力を抑えると共に、磁力線の方向を傾斜させることでトナーの穂立ちの力を抑え、ブロッチ画像の発生、かぶり、転写性の悪化を防ぐことができる。
(1)画像形成装置例
図1は本発明に従う現像装置を用いた画像形成装置の概略構成図である。この画像記録装置は、転写式電子写真プロセス利用のレーザプリンタである。以下に本実施例における画像形成装置の全体的な概略構成について述べる。
1は像担持体(被現像体)であり、本例ではφ24mmの回転ドラム型の負極性OPC感光体(ネガ感光体、以下、感光ドラムと記す)である。この感光ドラム1は矢印の時計方向に周速度85mm/sec(=プロセススピードPS、印字速度)の一定速度をもって回転駆動される。
2は感光ドラム1の帯電装置としての帯電ローラである。この帯電ローラ2は導電性の弾性ローラであり、2aは芯金、2bは導電性弾性層である。この帯電ローラ2を感光ドラム1に所定の押圧力で圧接させて感光ドラム1との間に帯電部nを形成させてある。本例ではこの帯電ローラ2は感光ドラム1の回転に従動して回転する。
S1は帯電ローラ2に帯電バイアスを印加する帯電電源である。本例ではこの帯電電源S1から帯電ローラ2と感光ドラム1との間の接触部に放電開始電圧以上の直流電圧を印加する。具体的には帯電バイアスとして−1300Vの直流電圧を印加して、感光ドラム1面を帯電電位(暗部電位)−700Vに一様に接触帯電させている。
4はレーザダイオード・ポリゴンミラー等を含むレーザビームスキャナ(露光装置、潜像書き込み装置)である。このレーザビームスキャナ4は目的の画像情報の時系列電気ディジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザ光を出力し、該レーザ光で上記回転感光ドラム1の一様帯電面を走査露光Lする。感光ドラム1の一様帯電処理面をレーザ光で全面露光した場合、感光ドラム面の電位が−150Vになるようにレーザパワーは調整されている。この走査露光Lにより回転感光ドラム1の面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
3は現像装置である。現像装置3において、一定の摩擦帯電を帯びた現像剤tは、現像バイアス印加電源S2により現像スリーブ(現像剤担持体)3bと感光ドラム1との間の電位差によって、現像部Aにおいて感光ドラム1上の静電潜像を顕像化する。現像装置3については、次の(2)項で詳述する。
6は転写装置に用いられている接触転写手投としての中抵抗の転写ローラであり、感光ドラム1に所定に圧接させて転写ニップ部bを形成させてある。この転写ニップ部bに給紙部の給紙カセット9内から給紙ローラ10により所定のタイミングで被記録体としての転写材Pが給紙され、かつ転写ローラ6に転写バイアス印加電源S3から所定の転写バイアス電圧が印加されることで、感光ドラム1側のトナー画像が転写ニップ部bに給紙された転写材Pの面に順次に転写されていく。
本例で使用の転写ローラ6は、芯金6aに中抵抗発泡層6bを形成した、ローラ抵抗値5×10Ωのものであり、+2.0kVの電圧を芯金6aに印加して転写を行う。転写ニップ部bに導入された転写材Pはこの転写ニップ部bを挟持搬送されて、その表面側に回転感光ドラム1の表面に形成担持されているトナー画像が順次に静電気力と押圧力にて転写されていく。
7は熱定着方式等の定着装置である。転写ニップ部bに給紙されて感光ドラム1側のトナー画像の転写を受けた転写材Pは回転感光ドラム1の面から分離されてこの定着装置7に導入され、トナー画像の定着を受けて画像形成物(プリントコピー)として装置外へ排出される。
8は感光ドラムクリーニング装置であり、感光ドラム1上に残留した転写残トナーをクリーニングブレード8aで掻き落として廃トナー容器8bに回収する。
そして、感光ドラム1は再度帯電装置2により帯電され、繰り返して画像形成に用いられる。
なお、本実施例においては、感光ドラム1、帯電ローラ2、現像装置3、ドラムクリーナー8を一体に画像形成装置本体から着脱可能としたプロセスカートリッジに構成してある。
(2)現像装置3
本実施例の現像装置3において、3bは現像剤担持体としての現像スリーブである。3aは現像スリーブ3bに内包させた、固定の磁場(磁界)発生手段としてのマグネットロールである。
現像スリーブ3bは、現像剤tを付着、搬送して、現像部Aにおいて、上記現像剤tで感光ドラム1上の静電潜像を現像するものであり、アルミシリンダー上に非磁性の導電弾性層を形成して構成され、感光ドラム1に対し一定の加圧量をもって当接されている。感光ドラム1と現像スリーブ3b間の圧力は、23kPa(キロパスカル)に設定されている。
現像剤tは一成分磁性トナー(磁性一成分現像剤)である。この一成分磁性トナーtは、結着樹脂、磁性体粒子、電荷制御剤を混合し混練、粉砕、分級の各工程を経て作製し、流動化剤などを外添剤として添加されたものである。磁性体粒子は結着樹脂と同重量処方し十分な磁力による搬送を可能な磁性粒子を作製した。なお、本実施例で用いたトナーの重量平均粒径(D4)は7.0μmである。
本実施例における、トナーの個数平均粒径は、コールターマルチサイザー(コールター社製)を用いることで、個数分布、体積分布より求めた。電解液としては、ISOTON R-II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を使用し、1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。この電解水溶液に100〜150ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーによりアパーチャーを用いて、2μm以上のトナー粒子の体積、個数を測定して体積分布を算出し、体積分布から求めた体積基準の重量平均粒径(D4)を求めた。本発明において、現像剤の平均粒径R(μm)はこの重量平均粒径(D4)である。
なお、本実施例における現像容器3e中の初期のトナー量は90gを充填されている。これは、印字率4%の標準テストチャートを用いて通紙テストを行った場合、上記の感光ドラム1の電位に対して、本現像装置3により消費されるトナー消費寿命が3000枚になるように設定されているものである。
現像スリーブ3bは、非磁性の導電性弾性層となる材料を混練し、これを押出し成形して、アルミスリーブ上に層として接着し、上記導電性弾性層を厚さ500μmに研摩したものである。現像スリーブ3bのマイクロ硬度は60度、表面粗さはRzで7.5μm、Raで1.0μmである。
本発明において、マイクロ硬度計によって測定される表面硬度の測定は、マイクロ硬度計(アスカーMD-1 F360A:高分子株式会社製)を用いて行った。表面粗さの測定器には小坂研究所(株)製、サーフコーダSE3400に接触検出ユニットPU−DJ2Sを用い、測定条件は測定長2.5mm、垂直方向倍率2000倍、水平方向倍率100倍、カットオフ0.8mm、フィルタ設定2CR、レベリング設定をフロントデータで行った。
マグネットロール3aは現像スリーブ3b上の各場所における磁力を発生するための磁場発生手段としての固定磁石である。
本発明に関するマグネットロール3aによる磁束密度の測定は、ベル社製のガウスメータのシリーズ9900、プローブA−99−153を用いて行った。上記マグネットロール3aからの現像スリーブ表面で発生している磁束密度の測定方法を以下に述べる。
同ガウスメータはガウスメータ本体に接続された棒状のアキシャルプローブを有する。内部にマグネットロール3aを配置した現像スリーブ3bに対し、その表面にプローブを直角に配置し、現像スリーブ3bの中心とプローブの中心が略同一水平面上に位置するようにして固定し、その状態で磁束密度を測定する。ここで、現像スリーブ表面の全方向に向けて上記マグネットロール3aから発生する磁界を測定するために、測定の便宜上、上記マグネットロール3aを、現像スリーブ内部で回転可能に設置しておき、上記マグネットロール3bを回転しながら、各位置における磁束密度を測定する。これにより、現像スリーブ表面の磁界を測定する。なお、この方法で測定される磁束密度は、マグネットロール3aが持つ磁界のうち、現像スリーブ表面における磁束密度の垂直成分である。
一方、上記プローブを90度回転させ、現像スリーブ表面に対して水平に設置し、上記同様にマグネットロール3aを回転させながら、各位置において測定される磁束密度は、水平成分の磁束密度となる。
上記の方法により測定された磁束密度の垂直成分と水平成分から、現像スリーブ3b上における磁力線の向きを得ることが出来る。
磁束密度の垂直成分の絶対値|Bv|と水平成分|Bh|との比を、
|Bv|/|Bh|=tanθ
として示したとき、このときの磁束密度の大きさは
(|Bv|+|Bh|1/2
であり、その向きは、現像スリーブ表面の接線に対してθである。
なお、特に断りがない限り、本発明における磁界、もしくは磁束密度の大きさの記載は、トナーの鉛直方向への磁気穂形成に関係するものとして、磁界、もしくは磁束密度の垂直成分を示している。
現像工程を行うための現像スリーブ3b上のトナーコートと電荷付与は、以下の工程により行われる。
トナーtは、マグネットロール3aによる磁気力を受けながら現像スリーブ3b上に付着し、現像スリーブ3bの回転により搬送される。この工程において、マグネットロール3aによる磁気力の及ばない現像容器3e内のトナーを、マグネットロール3aの磁力到達範囲内まで搬送し、現像スリーブ3bに付着させるのが攪拌部材3dであり、また、この現像スリーブ3b上のトナーtをコート層として規制し、電荷付与を行うのが、現像剤量規制手段としての規制ブレード3cである。規制ブレード3cは現像スリーブ3b上のトナーtを所定のほぼ一定量に規制する。
本現像装置3は適正なトナー帯電量とコート量を得るため、規制ブレード3cは厚さ100μmのリン青銅を用い、現像スリーブ3bへの当接圧0.8kPa、当接幅1.0mm、当接位置からのブレード自由長端部長さ2.5mmに設定されている。
現像スリーブ3bにコートされたトナーtはスリーブ3bの回転により、感光ドラム1とスリーブ3bの対向部である現像部Aに搬送される。このとき現像スリーブ3bには現像バイアス印加電源S2より現像バイアス電圧(DC電圧−450V)が印加される。
一方、感光ドラム1の電位は、既出の潜像形成工程により、暗部電位−700Vもしくは、明部電位−150Vになっており、上記現像スリーブ3bの電位差により、感光ドラム1の潜像は現像スリーブ3b上の帯電したトナーによって現像される。
ここで、本実施例における、上記マグネットロール3aからの磁界による現像スリーブ表面での磁束密度分布を、現像装置内における、規制ブレード3c、現像部A、現像容器3eとの位置関係で図2に示す。また、これに対して、[背景技術]において述べた、磁性非接触現像方式におけるマグネットロールの一般的な磁束密度分布を、比較例1として図3に示す。
本実施例においては、トナー吸着極であるSβ極、トナー搬送極であるNα極、及び、搬送極であるNβ極は、比較例1の磁束密度分布と同様な配置及び大きさを持っている。これは、本実施例におけるこれらの磁極が、比較例1と同様の役割を果たしていることによる。
Nα極の位置は、規制ブレード3cによるトナーの剥ぎ取りと電荷付与が十分に効果的に働くように、規制ブレード3cの当接位置に対して、現像スリーブ回転方向のやや下流位置、具体的には、当接位置から20度下流位置に設定されている。また、吸着極であるSβ極は、現像容器3e内でトナーを現像スリーブ3bに吸着させると共に、現像スリーブ3bの回転で、トナーを規制ブレード3cの当接位置まで、重力にかかわらず安定して搬送するのに適当な位置、具体的には、Nα極の90度上流に設定されている。また、Sβ極の上流側には、現像容器3c内のトナーが現像容器3c外に漏れることを防ぐ役割を果たすNβ極があり、上記の目的から、この極Nβは、現像容器3eのフレーム近傍に設けられている。
一方、比較例1における、感光ドラム1に対向する現像部Aに位置するSα極は、一般に現像極と言われ、現像に最も重要な極であり、マグネットロール3aが発生できる最大の磁力に設定するのが一般的である。これは、現像部Aにおける現像工程において、静電的な力だけでは制御し難い、低い電荷、もしくは、通常とは逆の帯電電荷を持ったトナーが、本来現像されるべきではない白画像中に飛んでしまう、いわゆる「かぶり」画像を抑制するために、現像スリーブ方向だけに働く磁気力が非常に有効だからである。比較例1においては、本実施例と同様にφ9のマグネットロール3あを用いており、本実施例と同径であるφ12の現像スリーブ3bの表面における磁束密度は80mT(ミリテスラ)である。
次に、比較例2−1として、[背景技術]の項の(3)で述べた磁性接触現像方式におけるマグネットロールの磁極配置を考える。磁性接触現像方式におけるマグネットロールの磁極配置は、前記の特許文献3(特開平07−301948号公報)においては図4のように記載され、比較例1の磁性非接触現像方式で示したものと同様の配置が示されている。上記特許文献3においては、上記の磁極配置に関しては詳細に述べられていないが、これは、通常、上記のSβ極、Nα極、Nβ極を、それぞれ効果的に配する場合、一般的に、Sβ極の対向極が必要であること、また、それぞれの極の磁力を高く設定するには、各極を等配置、すなわち、90度おきに配置することが有効であるため、Sα極は、他の3極の配置、特にはSβ極の対向極として、必然的に現像部付近に配置されるものと考える。
また、比較例2−1の磁性接触現像方式においては、比較例1の磁性非接触現像方式と同様に、Sα極の磁界が「かぶり」の抑制に効果をもつことも期待されるが、従来の特許文献においてこの効果について詳細に述べられたものは無い。
この点について、本実施例の構成をもとにし、Sα極の磁束密度の大きさと、感光ドラム1上に飛翔した「かぶり」トナーの反射濃度を測定した結果を図5に示す。図5の測定データでもある比較例2−2は、本実施例に対してマグネットロール3aのみを変えたものであり、上記マグネットロールの磁極配置は図6に示すように、比較例1と同じく、現像部Aにおいて、80mTの磁極ピークを持つものである。図5に示したように、非接触磁性現像方式における「かぶり」の量が、Sα極の磁束密度と大きな相関があるのに対して、磁性接触現像方式では、「かぶり」の量はSα極の大きさにほとんど依存していないことがわかった。
この理由については、磁性非接触現像方式における現像工程では、トナーは現像スリーブと感光体ドラムとの間のエアギャップを浮遊する状態を経るのに対して、磁性接触現像方式では、トナーはほとんど場合、現像スリーブか感光ドラム表面、または、これに強固に付着した他のトナーに接触している。このため、磁性接触現像方式における現像部Aでは、Sα極の磁界が一般的な大きさである限り、トナーが受ける力としては、磁力に比べて、近距離で大きな力が働く静電気力が支配的であるためと考えられる。
上記比較例2−2に対して、本発明の特徴を示す、感光ドラムに対向する現像部A付近の磁界は、本実施例においては、図2に示すように、マグネットロール3aのSβ極に対向するSα極のピーク位置から大きく外れており、具体的には、現像スリーブ3bが感光ドラム1と当接する現像部Aは、Sα極の磁力のピーク位置から40度上流に位置している。このとき、現像部Aにおける磁界の方向、すなわち、磁束密度の垂直成分と水平成分の比
|Bv|/|Bh|=tanθ
は0.6であり、磁界に沿って形成される磁気穂は、現像スリーブ表面に対して約31度の傾きで形成されている。従って、トナーが、磁気穂の形成において感光ドラムに与える反発力は、比較例2−2で示した、現像部AがSα極のピーク位置にある場合に比べてsin31°、すなわち52%となるになり大幅に軽減された。
また、マグネットロール3aの磁界が磁性トナーに及ぼす影響は、上記のようなものだけでなく、むしろ、磁性トナーに磁気穂を形成させたことによる磁性トナー同士の相互作用に及ぼす影響が大きい。これは、たとえば、1本の磁気穂が磁力線に沿って形成されたとき、その隣に同様に形成された磁気穂とは、お互いの発生する磁場によって反発力が発生する現象で示される。マグネットロールの周方向で磁束密度の垂直成分と水平成分の総和(|Bv|+|Bh|1/2は、ほぼ一定であるにもかかわらず、磁力線が垂直方向を向いているところでは磁気穂が成長するのに対して、磁力線が水平方向に寝てくると、表面近傍以外の磁性トナーは、上記の反発力により磁気穂の形成を妨げられ、マグネットロールとの付着力を失うことになる。
従って、磁力線の傾きが大きくなると、マグネットロールへのトナー付着力は小さくなり、トナーが感光ドラムからの力を受けても、現像スリーブ表面において動きの自由度があるため、感光ドラムから直接受ける力は小さくなる。
従って、本実施例においては、比較例2―2で示したマグネットロールの磁極配置を用いる場合に比べて、感光ドラムと現像スリーブとが接触する現像部において、磁性トナーが受ける力が大幅に緩和され、その結果、画像の初期から発生しやすい、トナーのチャージアップ現象や現像スリーブへの強固な付着を原因としたブロッチ画像の発生や、また、通紙耐久テスト後で発生する、トナー表面の摩耗に伴う、「かぶり」や転写性の悪化という課題が大幅に改善された。
なお、本実施例においては、現像部Aにおける現像スリーブ表面の磁力線は、表面に対して31°傾いていたが、磁束密度の測定より、極位置からの角度における現像スリーブ表面上の磁力線の傾き(|Bv|/|Bh|=tanθのθ)は、図7のようであり、極位置からの角度にほぼ比例している。また、本実施例におけるマグネットロールからの磁束密度の垂直成分と水平成分の総和(|Bv|+|Bh|1/2は、現像スリーブ表面においてほぼ一定であるため、極位置からの角度における現像スリーブ表面上の磁束密度の垂直成分は図8のようであり、23°付近から大きく減少することがわかる。
これらを考えて、本実施例では、磁極位置から実質的に効果のある角度は、磁極から23°以上で、磁気穂の傾きを示す|Bv|/|Bh|がtan45°以下の範囲で有効であると言える。
なお、本発明は、上記のように、マグネットロールの磁力配置に大きく関係するものであるが、現像時における現像スリーブ上のトナーコート層厚にも大きく関係する。規制ブレード3c、および、現像スリーブ3bの表面粗さ等の設定を変えることで、現像スリーブ上のトナーコート量を変化させたところ、通紙耐久テスト後に発生する、かぶりの悪化や転写抜けの悪化、また、初期から発生するブロッチ画像の発生等と関係があることがわかった。詳しくは、実験の結果、トナーコート量が6.0(g/m)以下の時には、現像部Aにおける磁力配置を比較例2−2(図6)から本実施例のように変更しても、上記問題画像に対しては、それほど大きな効果は得られなかった。このトナーコート量から、本実施例において使用しているトナーの平均粒径(7μm)および比重(1.7)の値と、トナーを球形と仮定してトナー一層ごとを細密充填(充填率52%)で並べて積み上げ、全体の充填率を30%と仮定した場合よりトナー層高さを求めると、約3.2層に相当する。この時の状態は、現像スリーブ3bを顕微鏡によって観察することでも確認でき、そのある程度まばらな密集状態や、被写体深度を用いてトナーの重なり具合を調べたところからも、トナー層がほぼ3〜4層であることが確認できた。また、粒径が異なるトナー(5.8μmから9.0μm)についても調べたところ、同様に、トナー層がほぼ3層以下では、問題画像は発生しにくいことがわかった。したがって、本実施例における現像スリーブ上におけるトナーコート量は、下記に規定される範囲で有効と考えられる。
MS/(R×G×0.52×0.3)>3
MS:トナーコート密度(g/m
R:トナー平均粒径(μm)
G:トナーの比重
ここで、トナー比重の測定は、島津製作所製Accupyc1330を用いて、常温、常湿下でトナー嵩密度を求めた。測定方法は取り扱い説明書に準じた。
また、一方で、本発明は接触現像システムにおける発明であることにより、上記トナーコート量は、一般的な非接触現像システムに比べて低く設定されなければならない。現像後のトナーの濃度に対する適正値は、現像スリーブ上のトナーコート量と関係するものの、現像スリーブと感光ドラムとの周速差である程度の幅を調整することが可能である。しかしながら、接触現像システムにおいては、一般的に非接触現像システムで用いられるような、コートされた電荷付与的に良いトナーだけを現像する選択現像ではないため、コートされたトナーのほとんどに、現像するのに十分な電荷付与を行わなければならない。このため、トナーコート層を厚く設定した場合では、トナーコート層の上層から下層まですべてにおいて、十分に均一な電荷付与を行うことが難しく、ある程度以下のトナーコート層でなければ、電荷付与不足による「かぶり」の悪化や現像濃度の不足等の問題が発生する。また、トナーコート層が厚い場合では、低湿環境等で、仮に、トナーに十分な電荷を与えることが出来たとしても、トナー層の中でのトナーが動き難くなり、既に述べたような、トナー同士が強く付着する固着現象による、ブロッチ画像が発生しやすくなってしまう。
上記のように、接触現像システムにおけるトナーコート量は、非接触現像システムに比べて低く設定しなければならないが、特に、本実施例は磁性接触現像システムであり、一般的に、非磁性トナーに用いられる現像ローラに比べて、現像スリーブ表面の弾性層が薄いため、上記の固着現象がより起こりやすい。調査した自社及び他社の非磁性接触現像システムにおけるトナーコート量は、4〜12g/mであったが、非磁性トナーと磁性トナーとの比重を考慮すると、磁性トナートナーでは、6〜18g/mに相当する。一方、本実施例における磁性接触現像システムにおいては、現像スリーブの表面形状、規制ブレードの設定条件等を変えて、上記の問題の発生状況を検討したところ、14g/m以下が望ましいことがわかった。なお、これを、上記にあわせて記述すると、トナー7.5層以下になる。
従って、本実施例におけるマグネットロールの磁極配置の効果を得るには、トナーの平均粒径をR(μm)、トナーの比重をGとすると、現像スリーブ上のトナーコート量MS(g/m2)は、以下の式に定義される範囲であることが望ましい。
7.5>MS/(R×G×0.52×0.3)>3
すなわち
1.17>MS/(R×G)>0.47
なお、本実施例においては、現像スリーブ上のトナーコート量は8.0g/mに設定されており、現像後のべた黒画像を10g/m程度となるように、現像スリーブは感光ドラムに対して1.4倍の周速差で駆動している。
また、本実施例におけるトナーの磁性体量は、結着樹脂100質量部に対して90質量部であり、飽和磁化は30emu/gであった。なお、本発明において、磁性トナーの飽和磁化の測定は振動型磁力計VSM P-1-10(東英工業社製)により1Kエルステッド磁場下で行った。
本発明においては、磁性トナーがマグネットロールから受ける磁力が関係するものであり、ある磁場中でトナーが受ける力は、トナー中の磁性体の磁気特性、及び、磁性体量で変わる。これに対して、本発明においては、トナーの飽和磁化が20〜40emu/gの範囲ならば有効であった。
表1は本実施例1における効果を比較例2−2と対比してまとめたものである。
本実施例においては、本発明であるマグネットロールを用いることにより、比較例2−2のような現像部Aに磁極のピークを持つようなマグネットロールを用いる場合に比べて、ブロッチ画像の発生を抑えることが出来た(表1)。
具体的には、現像部Aにおいて磁極のピークを持つ比較例2−2の場合、低温低湿度環境(15℃、湿度10%)では、上記のトナー固着を原因とするブロッチ画像が初期から10枚以内に発生したものが20%あった。また、上記のブロッチ画像により、適正な画像評価ができなくなった残り80%の画像のうち、20%でチャージアップを原因とするブロッチ画像の発生があった。一方、本実施例を実施した場合では、どちらの原因のブロッチ画像も全く発生しなかった。
また、常温常湿度環境(23℃、湿度50%)では、比較例2−2では、ブロッチ画像は発生しなかったが、通紙耐久テストを行ったところ、トナー寿命3000枚に対して、約2500枚時点からかぶりの悪化と転写性の悪化の兆候が見られ、特に、3000枚近くでは、かぶり、転写性が共に悪化した。これに対して、本実施例の構成では、3000枚近くで、これらの悪化が軽微に見られる程度で、ここでも大幅な改善が見られた。
なお、本実施例は、図2に示したように4極の磁極ピークを持つマグネットロールを用いたものであるが、本実施例中のNβ極が担っている役割である、現像容器3eからのトナー漏れ防止を、磁気を使わずにメカニカルに行えば、図9に示すように、Nα極、Sβ極、Sα極相当の3極だけのマグネットロールでも良い。この場合は、当然ながら、隣接する1組の極は、同極性であり、図9に示した例では、Nα極相当の極をN極、Sβ極とSα極に相当する極をその対向極としてS極にしている。
なお、特開平8−146769号公報では、比較例2で示したような構成において、磁性トナーの穂立ちによる「飛び散り」現象を防止するために、現像スリーブの弾性層中に磁性体を含有した材料を用いることを提案しているが、本発明を実施した場合では、弾性層はゴム特性と導電性のみについて考えれば良く、磁性体材料を用いた場合に予想される、弾性層の硬度アップや、分散性等の製造条件の難しさなどの問題は無く、容易に、且つ安価に入手することが可能である。
以上説明したように、実施例1の現像装置構成によれば、現像部と磁極のピーク位置とが離れているため、現像部における現像剤の磁気穂形成を弱めることが出来る。また、磁力線の向きを被現像体方向から逸らすことが出来るため、同様に磁気穂の形成を弱めることが出来る。従って、現像部における現像剤が受ける力は、現像部に磁極のピーク位置がある場合に比べて小さくなる。これによって、磁極のピーク位置がある場合では発生頻度の高い、固着現象、または、チャージアップ現象を原因とするブロッチ画像の発生を抑制する効果がある。
また、同様に、現像剤へのストレスを低減できるため、通紙耐久を行った後でも、磁極のピーク位置がある場合に比べて、「かぶり」画像の悪化と、転写性の悪化を抑える効果がある。
これらにより、使用開始から終了時まで、長期にわたって使用環境を問わず、安定した良好が画像を得ることが出来る効果がある。
また、現像部の位置とは磁極ピーク位置を一致しない対向極は高い磁力にしても良いため、対向極以外の磁極の磁力も十分に確保でき、現像容器内における現像剤担持体への現像剤の供給、搬送、電荷付与、コーティング等の作業が効果的に実現でき、良好な現像システムによる良好な画像を得ることが出来る効果がある。
また、簡易な構成の現像スリーブ、マグネットロールを使用することが出来るため、安価な磁性接触現像システムが実現できる効果がある。
また、現像部における現像剤担持体上における現像剤のコート量MS(g/m)を、現像剤の平均粒径をR(μm)、比重をGとしたとき、1.17>MS/(R×G)>0.47とすることで、上記の効果をより確実に実現できると共に、コート量過多により発生し易い、現像剤の電荷付与不足を原因する、「かぶり」の悪化や濃度不足、また、固着現象によるブロッチ画像の発生等の問題を抑える効果がある。
図10は本発明に従う現像装置を用いた画像形成装置の概略構成図である。本実施例における構成の特徴は、本発明に関するマグネットロールに有り、その他の構成に関しては、実施例1とまったく同じである。
本実施例における、上記マグネットロール3aからの磁界による現像スリーブ表面での磁束密度分布を、現像装置内における、規制ブレード3c、現像部A、現像容器3eとの位置関係で図11に示す。
本実施例においては、トナー吸着極であるSβ極の対向極としてのSα極を、Sα―1極とSα―2極に分割することで、Sα極側の磁界のピーク値を低く抑え、更に、Sα―1極とSα―2極の間に現像部Aを設けることで、磁極のピーク位置で感光ドラムと現像スリーブが当接することを避け、これらの磁界のピーク値よりも低い磁界の部分で感光ドラムと現像スリーブが当接するようにしている。
これによって、現像部AをSβ極の対向位置(=180度回転位置付近)に設定したい場合であっても、Sβ極に十分な磁力を確保しながら、現像部Aにおけるトナーの磁気穂の形成は弱くでき、また、その領域も広く確保できるため、現像部Aでトナーが感光ドラムから受ける力を、比較例2−2の構成に比べて広い領域に渡って小さくできる。
なお、本実施例におけるSα―1極とSα―2極の磁極のピーク位置は、現像部Aに対して、それぞれ上流側と下流側25度の位置に設けてあり、磁束密度の大きさはともに30mTである。また、このときの現像部Aにおける磁束密度は23mTであった。
本実施例におけるマグネットロールの特徴は、Sα極側でSα―1極とSα―2極の2つの磁極に磁力のピークを分割すると共に、その極間を幅広く設けることで、広い範囲にわたって低磁束密度領域を確保するものである。これにより、Sβ極の磁力を小さくすること無く、その対向側のSα極側での現像部の位置設定の自由度を上げることができる。
特開平11−190940号公報では、本実施例におけるNα極相当の極とNβ極相当の2極のマグネットを図12のように配することを提案しているが、本実施例において、Sβ極が無い場合では、現像スリーブへのトナーの供給が難しいだけでなく、Sβ極からNα極における現像スリーブ上で搬送されるトナーは、その搬送工程の間で、現像容器内の他のトナーとの摩擦帯電によって電荷付与が行われるなどの効果もあることから、トナーへの電荷付与を十分に行いにくくなってしまう。従って、少なくとも、対向位置(180°付近)に無いNα極とSβ極で強い磁界を持つには、本実施例で提案されるようなマグネットロールが必要になる。
マグネットロールの試作検討の結果、Sα―1極とSα―2極の極間の磁力は、極間が広いほど小さくできる。しかしながら、Sα―1極とSα―2極の極間の角度は、Nα極とNβ極の極の位置、磁力等の制限により、その極間は大きくても90°程度であった。
また、現像部AとなるSα―1極とSα―2極の極間は、ある程度広い範囲で低磁力領域を確保する必要があり、このためには、30度以上であることが望ましい。
試作された各マグネットロールを用いた場合の、ブロッチ画像発生、及び、通紙テスト後の「かぶり」や転写性の悪化、及びL/L環境におけるブロッチ画像の発生の結果を表2にまとめる。マグネットロールの磁力はすべて磁束密度の垂直成分を測定したものであり、、Sα−1極とSα−2極の磁力はほぼ同じ値になるように試作されている。また、Sα極以外の極は、何れもほぼ同じになるように試作されたものを用いている。なお、現像部Aにおける磁束密度が50mTのマグネットロールは、実際にはSα-1極及びSα-2となる磁力のピーク位置は存在しておらず、Sα極の上下流各10°における磁束密度の測定値を記載した。
上記の結果より、本実施例においては、現像部における磁束密度が30mT以下の場合、上記の課題に関して良好な結果が得られた。これにより、本発明における磁気穂形成を弱め、画像不良の発生を抑える効果は、現像部Aにおける磁束密度の垂直成分が30mT以下ならば得られると考えられる。
また本発明における、現像スリーブ上のトナーコート量MS(g/m2)は、実施例1同様に、
1.17>MS/(R×G)>0.47
の範囲で効果が確認できた。また、トナーの飽和磁化についても、20〜40emu/gの範囲で効果が確認できた。
なお、本発明による効果をより確実に実現するためには、Sα極以外の磁力を小さくすることなく、現像部A付近の磁力を小さくするために、図13に示すように、マグネットロール形状を、現像部A付近で断面をカットしたような形状にすることが効果的である。このような形状にすることにより、マグネットロール表面から現像スリーブ表面までの距離が遠い部分で現像スリーブ表面での磁束密度を小さくすることができ、また、Sα―1極、Sα―2極の2つの磁極も作りやすくなる。このときのマグネット形状は、φ9を現像部の最大で1mmカットしてあり、このときのこれにより得られたSα―1極とSα―2極の磁束密度の大きさは共に20mT、現像部Aにおける磁束密度は16mTであった。
本発明を実施することにより、第1の実施例同様、ブロッチ画像発生の抑制し、また、「かぶり」や転写性が悪化することを抑制する効果があった。また、Nα極、Nβ極、Sβ極の磁極配置に関わらず、現像部の位置を自由に決めることができるようになった。
以上説明したように実施例2の現像装置構成によれば、現像部における現像剤の磁気穂形成を弱めることが出来るため、現像部における現像剤が受ける力は、現像部に強い磁極のピーク位置がある場合に比べて小さくなる。これによって、強い磁極のピーク位置がある場合では発生頻度の高い、固着現象、または、チャージアップ現象を原因とするブロッチ画像の発生を抑制する効果がある。
また、同様に、現像剤へのストレスを低減できるため、通紙耐久を行った後でも、磁極のピーク位置がある場合に比べて、「かぶり」画像の悪化と、転写性の悪化を抑える効果がある。
これらにより、使用開始から終了時まで、長期にわたって使用環境を問わず、安定した良好が画像を得ることが出来る効果がある。
また、対向極の位置に対する現像部の設定位置範囲が広いため、被現像体と現像装置との構成の自由度が高いため、構成の簡素化、小型化に効果がある。
また、対向極以外の磁極の磁力を十分に確保できるため、現像容器内における現像剤担持体への現像剤の供給、搬送、電荷付与、コーティング等の作業が効果的に実現でき、良好な現像システムによる良好な画像を得ることが出来る効果がある。
また、簡易な構成の現像スリーブ、マグネットロールを使用することが出来るため、安価な磁性接触現像システムが実現できる効果がある。
また、現像部における磁束密度の垂直成分|Bv|を30mT以下とすることで、上記の効果をより確実に実現できる効果がある。
図14は本発明に従う現像装置を用いた画像形成装置の概略構成図である。本実施例は、実施例1で用いた現像装置を、クリーナレスシステムに適用したものである。すなわち、実施例1の画像形成装置においてドラムクリーナー8を無しにしてある。
磁性接触現像システムにおいては、すでに述べたように、クリーナレスシステムは、固着現象によるブロッチ画像が発生しやすいという課題を持っている。これに対し、本実施例においては、感光ドラム1と現像スリーブ3b間の圧力は8kPaと、実施例1の構成より低く設定しており、トナーへの圧力を低減し、上記ブロッチ画像が発生し難いようにしている。また、現像バイアスは、DC電圧−450Vと共に、800Hzの正弦波のAC電圧100Vppを重畳している。これは、感光ドラムと現像スリーブ間の圧力を低く設定した場合に懸念される、感光ドラムと現像スリーブの部分的な当接不良によって現像不良が発生してしまう問題を、ACバイアスによるトナーの飛翔により補うものである。従って、本実施例においては、上記ACバイアスにより現像不良は発生しない。
ここで、比較例2−2で用いた現像装置を、本実施例と同様にクリーナレスシステム適用した場合を比較例3とする。
本実施例3と比較例3における、ブロッチ画像、「かぶり」、転写性についての実験結果を表3に示す。
クリーナレスシステム化における固着現象の悪化は、感光ドラムと現像スリーブ間の圧力を低く設定したことで、比較例3でも発生頻度3%以下に抑えられている。一方、チャージアップ現象は、上記の構成の変更が固着現象に対してほど影響を与えておらず、比較例3では、比較例2−2の時と大きな差はない。これらに対して、本実施例では、固着現象及びチャージアップ現象によるブロッチ画像の発生は無かった。
また、「かぶり」、転写性の悪化現象は、クリーナレスシステムでは、かなりレベルが悪化することが一般に知られている。これは、クリーナがある場合では、表面摩耗等によって劣化したトナーは適度な割合でクリーナ容器に回収されていくのに対して、クリーナレスシステムでは、上記のように劣化したトナーは十分な電荷を持ちにくく、現像され難いため、トナー消費が進んでくると、現像容器中に残ったトナーは、上記の劣化トナーの割合が増加するためである。
この問題に対しては、画像形成装置は、現像器中のトナーをすべて消費する前であっても、上記画像不良を現像器寿命と判断し、ユーザーに現像器寿命を警告するのが一般的である。上記画像不良の発生に対して、現像器寿命と判断すべき使用枚数は、比較例3では、転写性の悪化を理由とする場合が2500枚、「かぶり」の悪化を理由とする場合が2300枚であった。これに対して、本実施例においては、転写性の悪化を理由とする場合が2800枚、「かぶり」の悪化を理由とする場合が2700枚であり、使用可能なトナー量を増やすことが可能になった。
以上説明したように、本発明における現像装置をクリーナレスシステムに適用することで、クリーナレスシステムにおいて、発生の危険度が高くなる、固着現象、チャージアップ現象を原因とするブロッチ画像の発生を抑制する効果がある。また、同様に、現像剤の表面摩耗を原因とする「かぶり」画像の発生、転写性の悪化を抑制できるため、本発明を実施しない場合に比べて、現像剤の消費寿命を延ばす効果がある。
実施例1における実施形態の概略図 実施例1における現像スリーブ近傍の磁界の配置図 比較例1における現像スリーブ近傍の磁界の配置図 比較例2−1における現像スリーブ近傍の磁界の配置図 実施例1と比較例2−1における現像部磁束密度とかぶり反射濃度グラフ 比較例2−2における現像スリーブ近傍の磁界の配置図 実施例1における磁力線傾斜度グラフ 実施例1における垂直磁界グラフ 実施例1における他の現像スリーブ近傍の磁界の配置図 実施例2における実施形態の概略図 実施例2における現像スリーブ近傍の磁界の配置図 特開平11−190940号公報に示されたマグネットロールの例 実施例2における他のマグネットロール例の現像スリーブ近傍の磁界の配置図 実施例3における実施形態の概略図
符号の説明
1‥‥感光ドラム、2‥‥帯電ローラ、3‥‥現像装置、3−a‥‥マグネットロール、3−b‥‥現像スリーブ、3−c‥‥規制ブレード、3−d‥‥撹拌部材、3−e‥‥現像容器、4‥‥レーザビームスキャナ、6‥‥転写ローラ、7‥‥定着装置、8‥‥感光ドラムクリーニング装置、A‥‥現像部、L‥‥走査露光、P‥‥転写材、b‥‥転写ニップ部、n‥‥帯電ニップ部、t‥‥トナー

Claims (8)

  1. 現像剤担持体と、前記現像剤担持体上の現像剤量を規制する現像剤量規制手段と、を有し、前記現像剤担持体が被現像体を押圧しながら前記被現像体を磁性一成分現像剤で現像する現像装置において、
    前記現像剤担持体は、表面に弾性層を持つと共に、その内部に固定磁場発生手段を有し、回転することで、前記固定磁場発生手段により前記現像剤担持体表面に吸着した現像剤を、前記現像剤量規制手段を経て、前記現像剤担持体上で搬送、コートし、前記被現像体に押圧する現像部において、前記被現像体上に形成された静電潜像を現像するものであり、
    前記磁場発生手段は、少なくとも3極の磁極を有し、その一つは現像装置内の現像剤を吸着させる吸着極、他の一つは前記吸着極に対して現像剤担持体回転方向の下流側に位置し、前記現像剤量規制手段の近傍に現像剤を搬送する搬送極、また、他の一つは、前記2つの極のいずれか、もしくは双方に対向する対向極であり、
    前記固定磁場発生手段により発生される磁束密度は、前記現像剤担持体の表面において、鉛直方向の磁束密度成分を|Bv|、水平方向の磁束密度成分を|Bh|としたとき、前記現像部において、
    |Bv|/|Bh|<tan45°
    を満たすことを特徴とする現像装置。
  2. 現像剤担持体と、前記現像剤担持体上の現像剤量を規制する現像剤量規制手段と、を有し、前記現像剤担持体が被現像体を押圧しながら前記被現像体を磁性一成分現像剤で現像する現像装置において、
    前記現像剤担持体は、表面に弾性層を持つと共に、その内部に固定磁場発生手段を有し、回転することで、前記固定磁場発生手段により前記現像剤担持体表面に吸着した現像剤を、前記現像剤量規制手段を経て、前記現像剤担持体上で搬送、コートし、前記被現像体に押圧する現像部において、前記被現像体上に形成された静電潜像を現像するものであり、
    前記固定磁場発生手段は、少なくとも4極の磁極を有し、その一つは現像装置内の現像剤を吸着させる吸着極、他の一つは前記吸着極に対して現像剤担持体回転方向の下流側に位置し、前記現像剤量規制手段の近傍に現像剤を搬送する搬送極、また、他の二つは、前記吸着極及び搬送極のいずれか、もしくは双方に対向する隣接する同極性の対向極であり、
    前記隣接する同極性の対向極の二つの磁極は、極間が30°から90°の範囲であり、前記現像部が前記二つの磁極の極間に設けられていることを特徴とする現像装置。
  3. 前記現像部における前記現像剤担持体上における現像剤のコート量MS(g/m)は、現像剤の平均粒径をR(μm)、比重をGとすると、
    1.17>MS/(R×G)>0.47
    を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
  4. 前記現像部における磁束密度の垂直成分|Bv|は30mT以下であることを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
  5. 画像形成装置に着脱可能であり、少なくとも請求項1乃至4の何れかに記載の現像装置を含むことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  6. 少なくとも、像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電装置と、前記像担持体の帯電面に静電潜像を形成する潜像書き込み装置と、前記静電潜像を現像する現像装置と、前記像担持体の前記現像剤を被記録体に転写する転写手段とを有する電子写真画像形成装置において、
    前記現像装置は請求項1乃至4の何れかに記載の現像装置であるとともに、前記像担持体上に残留した転写残現像剤を前記現像装置にて回収することを特徴とする電子写真画像形成装置。
  7. 表面に弾性層を持つ現像剤担持体と、その内部に固定磁場発生手段を有し、前記現像剤担持体が回転することで、前記磁場発生手段により前記現像剤担持体表面に吸着した磁性一成分現像剤量を規制する現像剤量規制手段を経て、前記現像剤担持体上で搬送、コートし、被現像体に押圧する現像部において、前記被現像体上に形成された静電潜像を現像する現像装置に用いられる固定磁場発生手段において、
    前記磁場発生手段は、少なくとも3極の磁極を有し、その一つは現像装置内の現像剤を吸着させる吸着極、他の一つは前記吸着極に対して現像剤担持体回転方向の下流側に位置し、前記現像剤量規制手段の近傍に現像剤を搬送する搬送極、また、他の一つは、前記2つの極のいずれか、もしくは双方に対向する対向極であり、
    前記固定磁場発生手段により発生される磁束密度は、前記現像剤担持体の表面において、鉛直方向の磁束密度成分を|Bv|、水平方向の磁束密度成分を|Bh|としたとき、前記現像部において、
    |Bv|/|Bh|<tan45°
    を満たすことを特徴とする固定磁場発生手段。
  8. 表面に弾性層を持つ現像剤担持体と、その内部に固定磁場発生手段を有し、前記現像剤担持体が回転することで、前記磁場発生手段により前記現像剤担持体表面に吸着した磁性一成分現像剤量を規制する現像剤量規制手段を経て、前記現像剤担持体上で搬送、コートし、被現像体に押圧する現像部において、前記被現像体上に形成された静電潜像を現像する現像装置に用いられる固定磁場発生手段において、
    前記磁場発生手段は、少なくとも4極の磁極を有し、その一つは現像装置内の現像剤を吸着させる吸着極、他の一つは前記吸着極に対して前記回転方向の下流側に位置し、前記現像剤量規制手段近傍に現像剤を搬送する搬送極、また、他の二つは、前記吸着極及び搬送極のいずれか、もしくは双方に対向する隣接する同極性の対向極であり、
    前記隣接する同極性の対向極の二つの磁極は、極間が30°から90°の範囲であり、前記現像部が前記二つの磁極の極間に設けられていることを特徴とする固定磁場発生手段。
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