JP2006283963A - クラッチ制御装置及びクラッチ制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 クラッチ2の速度比に応じて第1目標伝達トルクを算出する発進時制御量算出手段5aと、エンジントルクを第2目標伝達トルクとして算出する定常時制御量算出手段5bと、クラッチ2の締結の度合を制御するクラッチ締結度制御手段6とを備え、クラッチ締結度制御手段6は、車両の発進時にクラッチ2の該締結の度合を調整する発進制御手段6aと、該クラッチが完全締結する定常時までの間にクラッチ伝達トルクを第1目標伝達トルクから第2目標伝達トルクへ漸近させる移行制御手段6bと、移行制御後に第2目標伝達トルクの大きさに基づき該締結の度合を調整する定常制御手段6cとを備える。
【選択図】 図1
Description
なお、上述のトルク容量制御では、速度比が1.0のときに設定されるクラッチのトルク容量係数が、実際にクラッチの駆動側から被駆動側へ伝達されるトルクよりもある程度大きなトルク容量が得られるような値に設定されるようになっている。つまり、トルク容量制御では、実際に必要な締結圧よりも大きな締結圧で駆動側と被駆動側とを締結させた状態を制御目標としており、クラッチ締結時におけるトルク伝達を確実に行えるようになっているのである。したがって、定常走行時にクラッチを確実に締結させるように制御する従来のクラッチ制御においては、入力トルクよりも大きなトルク容量で速度比1.0の状態を実現する上述のようなトルク容量制御が有効である。
また、該移行制御手段は、少なくともスロットル開度,車速,該駆動側の回転数及び該被駆動側の回転数のいずれかに基づいて、該移行制御を継続する所要時間を算出することが好ましい(請求項3)。
また、該クラッチの駆動側及び被駆動側に所定の差回転数を生じさせるために必要なトルク補正量の大きさを算出するトルク補正量算出手段を備え、該移行制御手段は、該トルク補正量算出手段で算出された該トルク補正量と該内分トルクとに基づいて該締結の度合いを調整することが好ましい(請求項6)。
また、該クラッチ締結度制御手段は、該内分トルク及び該トルク補正量の和に基づいて該締結の度合いを制御することが好ましい(請求項8)。
例えば、該移行制御手段が該トルク補正量と該内分トルクとの和に基づいて該締結の度合いを調整してもよいし、或いは、該定常制御手段が該トルク補正量と該第2目標伝達トルクとの和に基づいて該締結の度合いを調整してもよい。またこの場合、該クラッチ締結度制御手段は、該クラッチの伝達トルクが該内分トルク及び該トルク補正量の和に等しくなるように該締結の度合いを調整してもよい。
また、該摩擦クラッチが、湿式多板クラッチとして構成されるとともに、該クラッチ締結度制御手段は、該クラッチにおける該駆動側及び該被駆動側間の締結圧を制御する指令油圧を該クラッチへ出力することにより、該締結の度合いを制御することが好ましい(請求項10)。
また、本発明のクラッチ制御装置(請求項3)によれば、移行制御を継続する所要時間を的確に算出することができる。また、移行制御の滑らかさ(移行の速度)を設定することができ、制御の移行にかかるトルク変動を抑制することができる。
また、本発明のクラッチ制御装置(請求項5)によれば、内分係数が1になったとき、すなわち、トルク容量制御にかかる伝達トルクが演算上クラッチの締結の度合いに関与しなくなったときに、移行制御を終了させることができる。また、その移行制御終了時に定常制御を継続させて、クラッチの制御性を向上させることができる。
また、本発明のクラッチ制御装置(請求項7)によれば、トルク容量制御から定常制御への移行終了後において、トルク補正量を考慮してクラッチをスリップ側へ制御することができ、定常制御のロバスト性を保証することができる。
また、本発明のクラッチ制御装置(請求項9)によれば、トルク補正量算出手段において、トルク補正量が所定の差回転数(すなわち、目標となる差回転数)と実際の差回転数との差に基づいて算出されるため、所定の差回転数を生じさせるために必要なトルク補正量の大きさを正確且つ容易に算出することができる。
図1〜図5は本発明の一実施形態としてのクラッチ制御装置を示すもので、図1は本クラッチ制御装置が適用された車両の駆動系装置の全体構成を示す模式的構成図、図2は本クラッチ制御装置における制御内容の演算過程を説明するための制御ブロック図、図3は本クラッチ制御装置の移行制御時における内分係数αの変化を示すグラフ、図4は本クラッチ制御装置の発進制御時における速度比eとトルク容量係数との対応関係を示すグラフ、図5は本クラッチ制御装置による制御内容を示すフローチャートである。
本クラッチ制御装置は、図1に示す車両の駆動系装置に適用されている。この駆動系装置においては、エンジン1の駆動力が変速機4を介して駆動輪8へ伝達されるようになっている。また、エンジン1と駆動輪8との駆動力伝達経路上には、摩擦クラッチとして湿式多板クラッチ(クラッチ)2が介装されている。
演算部5は、速度比ベース制御量算出部(発進時制御量算出手段)5a,トルクベース制御量算出部(定常時制御量算出手段)5b,トルク補正量算出部(トルク補正量算出手段)5c及び内分トルク算出部(内分トルク算出手段)5dを備えて構成されている。また、制御部6は、トルク容量制御部(発進制御手段)6a,移行制御部(移行制御手段)6b及び定常制御部(定常制御手段)6cを備えて構成されている。
まず、演算部5について、速度比ベース制御量算出部(発進時制御量算出手段)5aは、発進制御にかかる制御量を算出するための制御部であり、まず、入力された各回転数ωENG,ωCTHからその差回転数ωSLを次の式1に従って算出する。つまりここでは、入力回転数に対してクラッチ2がどの程度スリップしているかが、差回転数ωSLとして算出されることになる。
また、この速度比ベース制御量算出部5a内には、クラッチ2の駆動側係合要素2aと被駆動側係合要素2bとの回転の速度比を算出する速度比算出部5fが備えられている。速度比算出部5fは、入力された各回転数ωENG,ωCTHの比を速度比eとして、次の式2に従って算出するようになっている。
さらに、速度比ベース制御量算出部5aは、速度比算出部5fで算出された速度比eに応じ、予め設定された対応マップに基づいて、クラッチ2が伝達すべき第1目標伝達トルク(制御目標となるクラッチ2のトルク容量)TSTの大きさを算出する。ここでは例えば、従来のトルク容量制御の手法を用いて、図4に示すような対応マップからトルク容量係数を求め、このトルク容量係数とエンジン回転数Neとに基づいてクラッチ2のトルク容量を算出し、これを第1目標伝達トルクTSTとするようになっている。つまりこの制御部では、従来のトルク容量制御と同様の演算がなされている。
つまり、車両発進時には、クラッチ2のトルク容量が大きく設定されるため、クラッチの速度比eが1.0に近づくようにクラッチの締結圧が滑らかに自動制御されることになる。また、速度比eが1.0に近づくに連れてクラッチ2のトルク容量が小さく設定されるため、アクセルペダルの踏み込み操作や戻し操作に対してクラッチ2をスリップさせやすくすることができ、比較的ラフなアクセル操作に対してトルクショックが抑制されることになるのである。
内分トルク算出部(内分トルク算出手段)5dは、移行制御にかかる制御量を設定するための制御部であり、第1目標伝達トルクTSTの大きさと第2目標伝達トルクTINの大きさとを後述する内分係数αにより内分した大きさを有する内分トルクTBSを算出するようになっている。このため、内分トルク算出部5dには、内分係数αを設定する内分係数設定部(内分係数設定手段)5eが設けられている。
TBS=(1−α)TST+αTIN ・・・(式3)
内分係数αとは、上記の式3に示されたように、内分トルクTBSの算出過程における第1目標伝達トルクTSTと第2目標伝達トルクTINとの分担の割合の指標となる係数であり、内分係数αがα=0であるときに、内分トルクTBSは第1目標伝達トルクTSTと等しくなり、α=1であるときに、内分トルクTBSは第2目標伝達トルクTINと等しくなるようになっている。
本実施形態における内分係数αの設定は、図3に示すように、発進制御時においてはα=0に設定され、移行制御時においては0<α<1であって時間経過とともに増加するように設定され、そして定常制御時においてはα=1に固定されるようになっている。つまり、本実施形態では、内分係数αの取りうる数値範囲が0〜1の間(0≦α≦1)となるように設定されている。
つまり、内分トルク算出部5dでは、第2目標伝達トルクTINに対し1以下の正の内分係数αを乗算したものと、第1目標伝達トルクTSTに対し1から内分係数を減算した値(1−α)を乗算したものとの和が、内分トルクTBSとして算出されるようになっている。
続いて、制御部6について、トルク容量制御部(発進制御手段)6aは、車両の発進時に、クラッチ2の伝達トルク(実際にクラッチ2によって伝達されるトルク)が速度比ベース制御量算出部5aで算出された第1目標伝達トルクTSTと等しくなるように、クラッチ2の締結の度合いを調整する発進制御を実施するようになっている。つまり、速度比ベース制御量算出部5aで算出された発進制御の制御量を用いて、ここで実際に発進制御が実施されるようになっている。
ここで実施される移行制御の開始条件は、「クラッチ2の差回転数ωSLが、少なくともスロットル開度θ,車速V,駆動側係合要素2aの回転数ωENG及び被駆動側係合要素2bの回転数ωCTHのいずれかに基づいて算出される所定回転数A(ただしA>0)未満であること」と設定されている。
また、移行制御の継続時間Sが経過すると、移行制御部6bは移行制御を終了するようになっている。なお、本実施形態では継続時間Sの経過時にα=1となるように内分係数αが内分係数設定部5eで設定されるようになっている。
TCTH=TBS+TSL
=(1−α)TST+αTIN+TSL ・・・(式4)
※ただし、発進制御時:α=0,TSL=0(トルク容量制御部6aでの算出内容に対応)
移行制御時:0<α<1(移行制御部6bでの算出内容に対応)
定常制御時:α=1(定常制御部6cでの算出内容に対応)
そして、算出されたこのクラッチトルクTCTHに基づいて、クラッチ2の締結の度合いが調整されるようになっている。
なお、上述のトルク容量制御部6a,移行制御部6b及び定常制御部6cの各制御部は、上述のように算出されたクラッチトルクTCTHに基づいて、クラッチ2を駆動する指令油圧を出力し、クラッチ2の締結の度合いを制御するようになっている。各制御部6a,6b,6cからの指令油圧によって、クラッチ2の駆動側係合要素2a及び被駆動側係合要素2bの締結圧が制御されるようになっている。
本発明の一実施形態にかかるクラッチ制御装置は上述のように構成されて、以下に説明する制御フローに従ってクラッチ制御を実施する。図5に示された制御フローはECU4の内部において所定周期で適宜繰り返し実行されている。
まず、ステップA10において、制御にかかる各パラメータ情報が入力される。ここでは、エンジン回転数Ne,スロットル開度θ,車速V,クラッチ2の駆動側回転数ωENG及び被駆動側回転数ωCTHが入力される。そして続くステップA20では、車両が発進を開始したか否かが判定される。ここでは、制御部6において、車速V及びスロットル開度θに基づいて、車両が停車しているか走行を開始したかが判定される。そして、車両が発進したと判定された場合には、ステップA30以降のフローへ進み、発進制御が実施される。一方、車両が発進したと判定されなかった場合、すなわち車両が停車していると判定された場合には、そのままこのフローを終了する。つまり、車両が発進を開始して初めて発進制御が実施されるようになっている。
このステップA50では、速度比ベース制御量算出部5aにおいて、図4に示すような対応関係に基づき、速度比eに対応して与えられるトルク容量係数が設定されるとともに、そのトルク容量係数とエンジン回転数Neとに基づいてクラッチ2のトルク容量が第1目標伝達トルクTSTとして算出される。そして、トルク容量制御部6aにおいて上述の式4に従い、クラッチ2が伝達すべきトルク(クラッチトルク)TCTHが算出され、クラッチ2の伝達トルクがクラッチトルクTCTHと等しくなるように、クラッチ2の締結の度合いが調整される。なおこのとき、内分係数α=0であるとともに、スリップトルクTSLがTSL=0であるから、クラッチ2の伝達トルクが第1目標伝達トルクTSTと等しくなるように、クラッチ2の締結の度合いが調整されることになる。そして、発進制御にかかる制御信号が指令油圧としてクラッチ2へ出力される。
続くステップA80では、内分係数設定部5eにおいて、内分係数αの微少増加量Δαが、Δα=1/Sに設定されてステップA90へ進む。例えば、ステップA70で算出された制御継続時間SがS=100である場合、Δα=0.01に設定されることになる。
このステップA100では、トルク補正量算出部5cにおいてスリップトルクTSLが算出されるとともに、内分トルク算出部5dにおいて内分トルクTBSが算出される。そして、移行制御部6bにおいて、クラッチ2の伝達トルクがトルク補正量算出部5cで算出されたスリップトルクTSL及び内分トルクTBSの和(すなわち、クラッチトルクTCTH)に等しくなるように、クラッチ2の締結の度合いが調整され、発進制御にかかる制御信号が指令油圧としてクラッチ2へ出力される。
また、本実施形態では、ステップA110の条件判定を便宜上「α≧1であるか否か」としているが、ここではα値の取りうる範囲が0≦α≦1に設定されているので、ステップA90において内分係数αにΔαを加算した結果、αが1を超えてしまった場合には、実質的にα=1となる。したがって、このステップにおける判定条件を「α=1であるか否か」とすることも可能である。
ステップA100において繰り返される移行制御では、クラッチ2の伝達トルクが第1目標伝達トルクTSTから、第2目標伝達トルクTINよりも所定の差回転数分だけスリップさせるためのトルクを加算したトルクに漸近するように、滑らかに変動する。また、ステップA110においてα≧1となった場合には、ステップA120へ進み、定常制御が実施される。なおこのとき、実質的にα=1であるから、内分トルクTBSは第2目標伝達トルクTINと等しい大きさになっている。これにより移行制御と定常制御とがシームレスに繋がり、トルク変動によるショックのない制御を実施することができる。
このように、本発明のクラッチ制御装置によれば、クラッチの速度比ベースの発進制御からトルクベースの定常制御への移行時において、トルクショックを発生させることなく制御移行を行うことができ、これらの制御を両立させることができる。また、車両発進時には発進制御により良好な車両操作感を提供することができ、一方、定常走行時には定常制御によってクラッチ制御性を向上させることができる。
次に、移行制御時においては、内分係数設定部5eによって内分係数αがα=0の状態から徐々に上昇してα=1の状態に制御されるようになっているため、発進制御と移行制御とをシームレスに実施することができる。
そして定常制御においては、クラッチ2の伝達トルクがスリップトルクTSL及び第2目標伝達トルクTINの和に等しくなるように、該締結の度合いが調整されるため、定常走行時にクラッチ2において、入力されるエンジン回転数ωENGに対し、常に所定の差回転が生じるようにスリップした状態を維持することができる。
なお、従来のクラッチ制御は、クラッチ2の速度比ベースの制御であったため、例えばスリップさせたい回転数と実際のクラッチの差回転数とから直接クラッチ2の指令油圧を演算することは困難であったが、本クラッチ制御装置では、クラッチ2におけるトルク量に基づくトルクベースの制御を行っているため、例えばクラッチ2を構成する各係合要素2a,2bのイナーシャ及び回転数から、簡単にクラッチ2の運動方程式を組み立てて、演算をシンプルに構成することができるのである。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態では、トルク補正量算出部5cにおけるスリップトルクTSLの算出に際し、所定の差回転数が0に設定されているが、例えば10rpmといった具体的な数値を設定してもよいし、駆動側回転数ωENGに対する比率として設定(駆動側回転数に対し1%スリップさせる等)してもよい。
2 湿式多板クラッチ(クラッチ)
2a 駆動側係合要素
2b 被駆動側係合要素
3a 駆動側回転数センサ(エンジン回転数センサ)
3b 被駆動側回転数センサ
4 ECU(コントローラ)
5 演算部
5a 速度比ベース制御量算出部(発進時制御量算出手段)
5b トルクベース制御量算出部(定常時制御量算出手段)
5c トルク補正量算出部(トルク補正量算出手段)
5d 内分トルク算出部(内分トルク算出手段)
5e 内分係数設定部(内分係数設定手段)
5f 速度比算出部
6 制御部(クラッチ締結度制御手段)
6a トルク容量制御部(発進制御手段)
6b 移行制御部(移行制御手段)
6c 定常制御部(定常制御手段)
7 変速機
8 駆動輪
Claims (11)
- 車両のエンジンの駆動力を伝達する動力伝達軸上に介装された摩擦クラッチの伝達トルクを制御するクラッチ制御装置であって、
該車両の発進時に、該クラッチの駆動側と被駆動側との回転の速度比に応じて該クラッチが伝達すべき第1目標伝達トルクの大きさを算出する発進時制御量算出手段と、
該車両の定常走行時に、該エンジンから該クラッチへ入力されるエンジントルクを第2目標伝達トルクとして算出する定常時制御量算出手段と、
該クラッチにおける該駆動側と該被駆動側との間の締結の度合いを制御するクラッチ締結度制御手段とを備えるとともに、
該クラッチ締結度制御手段は、
該車両の発進時に、該クラッチの伝達トルクが該発進時制御量算出手段で算出された該第1目標伝達トルクと等しくなるように該締結の度合いを調整する発進制御を実施する発進制御手段と、
該発進制御後、該クラッチが完全締結する定常時までの間に、該クラッチの伝達トルクが該第1目標伝達トルクから該定常時制御量算出手段で算出された該第2目標伝達トルクへ漸近するように該締結の度合いを調整する移行制御を実施する移行制御手段と、
該移行制御後に、該第2目標伝達トルクの大きさに基づいて該締結の度合いを調整する定常制御を実施する定常制御手段と、を備えた
ことを特徴とする、クラッチ制御装置。 - 該移行制御手段は、該クラッチの駆動側と被駆動側との差回転数が、少なくともスロットル開度,車速,該駆動側の回転数及び該被駆動側の回転数のいずれかに基づいて算出される所定回転数未満になったときに、該移行制御を開始する
ことを特徴とする、請求項1記載のクラッチ制御装置。 - 該移行制御手段は、少なくともスロットル開度,車速,該駆動側の回転数及び該被駆動側の回転数のいずれかに基づいて、該移行制御を継続する所要時間を算出する
ことを特徴とする、請求項1又は2記載のクラッチ制御装置。 - 該第2目標伝達トルクに対し1以下の正の内分係数を乗算したものと、該第1目標伝達トルクに対し1から該内分係数を減算した値を乗算したものとの和を内分トルクとして算出する内分トルク算出手段と、
時間経過とともに、該内分係数を0から1へ変動させて設定する内分係数設定手段とを備え、
該移行制御手段は、該内分トルクの大きさに基づいて該締結の度合いを調整する
ことを特徴とする、請求項1〜3記載のクラッチ制御装置。 - 該移行制御手段は、該内分係数が1になったときに該移行制御を終了する
ことを特徴とする、請求項4記載のクラッチ制御装置。 - 該クラッチの駆動側及び被駆動側に所定の差回転数を生じさせるために必要なトルク補正量の大きさを算出するトルク補正量算出手段を備え、
該移行制御手段は、該トルク補正量算出手段で算出された該トルク補正量と該内分トルクとに基づいて該締結の度合いを調整する
ことを特徴とする、請求項4又は5記載のクラッチ制御装置。 - 該定常制御手段は、該トルク補正量算出手段で算出された該トルク補正量と該第2目標伝達トルクとに基づいて該締結の度合いを調整する
ことを特徴とする、請求項6記載のクラッチ制御装置。 - 該クラッチ締結度制御手段は、該内分トルク及び該トルク補正量の和に基づいて該締結の度合いを制御する
ことを特徴とする、請求項6又は7記載のクラッチ制御装置。 - 該トルク補正量算出手段は、該クラッチの駆動側及び被駆動側における該所定の差回転数と実際の差回転数との差に基づいて該トルク補正量を算出する
ことを特徴とする、請求項6〜8のいずれか1項に記載のクラッチ制御装置。 - 該摩擦クラッチが、湿式多板クラッチとして構成されるとともに、
該クラッチ締結度制御手段は、該クラッチにおける該駆動側及び該被駆動側間の締結圧を制御する指令油圧を該クラッチへ出力することにより、該締結の度合いを制御する
ことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のクラッチ制御装置。 - 車両のエンジンの駆動力を伝達する動力伝達軸上に介装されたクラッチの伝達トルクを制御するクラッチ制御方法であって、
該クラッチの駆動側及び被駆動側の回転の速度比に応じて該クラッチが伝達すべき第1目標伝達トルクの大きさを算出するとともに、該エンジンから該クラッチの該被駆動側へ入力されるエンジントルクを第2目標伝達トルクとして算出し、
該車両の発進時に、該クラッチの伝達トルクが該発進時制御量算出手段で算出された該第1目標伝達トルクと等しくなるように該締結の度合いを調整する発進制御を実施し、
該発進制御後且つ該クラッチが完全締結する前に、該クラッチの伝達トルクが該第1目標伝達トルクから該定常時制御量算出手段で算出された該第2目標伝達トルクへ滑らかに移行するように該締結の度合いを調整する移行制御を実施し、
該移行制御の終了後に、該第2目標伝達トルクの大きさに基づいて該締結の度合いを調整する定常制御を実施する
ことを特徴とする、クラッチ制御方法。
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