JP4185925B2 - クラッチ制御装置及びクラッチ制御方法 - Google Patents
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例えば特許文献1には、クラッチの速度比(クラッチの駆動側の回転数と被駆動側の回転数との比)に応じて予め設定されたトルク容量係数のデータマップから、現在のクラッチ速度比に対応するトルク容量係数を検索し、この検索されたトルク容量係数と現在のエンジン回転数に対応するパラメータ(補正係数PSTBM)とに基づいてクラッチのトルク容量を算出して、そのトルク容量が得られるようなクラッチの締結圧を確保すべくクラッチピストンの油圧を自動制御するクラッチ制御装置が開示されている。
ただし、T:クラッチの伝達トルク(トルク容量)
C:トルク容量係数
Ne:エンジン回転数
Neoff:アクセル開度の大きさに応じたエンジン回転数の補正量
このような伝達トルク演算方法によって、例えば、ドライバによってアクセルペダルが踏み込まれたときに、エンジン回転数の補正量Neoffを大きく設定して伝達トルクTを小さくすることができ、迅速にエンジン回転数を上昇させることができるようになっている。
しかし、上記の式1に示されたような伝達トルクの演算方法において、急速にアクセルペダルを踏み込むような操作が行われた場合、例えば、車両の停止状態からアクセルペダルを完全に踏み込むようなアクセル全開発進時には、実際のエンジン回転数Neが比較的低いアイドリング状態(例えば600rpm程度)であるうえ、このエンジン回転数Neからアクセル開度に応じた補正量Neoffが減算されるため、算出される伝達トルクTが著しく小さくなって、出力トルクの立ち上がりの遅れが過大になるおそれがある。
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、簡素な構成で、アクセル操作に対する良好な操作性を実現するトルク制御を行うことができるようにした、クラッチ制御装置及びクラッチ制御方法を提供することを目的とする。
また、該修正オフセット補正量設定手段は、単位時間あたりの該オフセット補正量の変化量を所定量以下に制限したものを、該修正オフセット補正量として設定することが好ましい(請求項2)。
また、該車両における該伝達トルクの演算に係る運転モードを判定する運転モード判定手段を備えるとともに、該修正オフセット補正量設定手段は、該運転モードに応じて異なる修正オフセット補正量を設定することが好ましい(請求項4)。
Tc=C×(Ne−Necor)2
を用いて該伝達トルクを演算することが好ましい(請求項5)。
また、該オフセット補正量設定手段は、該アクセル操作量相当値が小さい場合には該オフセット補正量を小さな値に設定すると共に該アクセル操作量相当値が大きい場合には該オフセット補正量を大きな値に設定し、該アクセル操作量相当値の増加に従い該オフセット補正量を漸増させて設定することが好ましい(請求項6)。
また、該車両の走行速度を検出する車両速度検出手段と、該車両速度検出手段で検出された該走行速度に基づき、該車両をクリープ走行させるためのクリープトルクを演算するクリープトルク演算手段とを備えるとともに、該伝達トルク演算手段は、該エンジン回転数と該トルク係数と該修正オフセット補正量とに基づいて演算されるトルクと、該クリープトルク演算部で演算された該クリープトルクとのいずれか大きい方のトルクを該クラッチが伝達すべき該伝達トルクとして演算することが好ましい(請求項8)。
Tc=C×(Ne−Necor)2
を用いて該伝達トルクを演算することが好ましい(請求項10)。
また、本発明のクラッチ制御装置(請求項2)によれば、簡素な構成で、オフセット補正量の経時的変化を抑制することができる。これにより、オフセット補正量による補正効果をより簡便且つ穏やかに与えることができ、容易にクラッチの挙動を改善できる。
また、本発明のクラッチ制御装置(請求項4)によれば、車両の運転モードに応じて、オフセット補正量による補正効果の特性を選択することができる。例えば、出力トルクの立ち上がりの素早さを重視する運転モードにおいては、オフセット補正量の経時的な変動を大きく抑制することにより、トルク容量を大きくして、クラッチにおいて伝達される伝達トルクの応答性を向上させることができる。また、加速性を重視する運転モードにおいては、オフセット補正量の経時的変化の抑制量を減少させることにより、トルク容量を小さくしてエンジン回転数を上昇させ、加速度を上昇させることができる。
また、本発明のクラッチ制御装置(請求項7)によれば、アクセル操作量相当値の増加に従ってオフセット補正量が漸減するように設定されるため、エンジン回転数の変動を安定化させることができ、クラッチの発熱量を抑えたい場合に有益である。
図1〜図8は本発明の一実施形態としてのクラッチ制御装置を示すもので、図1は本クラッチ制御装置が適用された車両の駆動系装置の全体構成を示す模式的構成図、図2は本クラッチ制御装置におけるアクセル開度とオフセット補正量との関係を示すグラフ、図3は本クラッチ制御装置における速度比とトルク係数との関係を示すグラフ、図4は本クラッチ制御装置における車速とクリープトルクとの関係を示すグラフ、図5は本クラッチ制御装置のECUにおけるクラッチの制御内容を示すフローチャート、図6は本クラッチ制御装置のECUにおける修正オフセット補正量を設定するためのフローチャート、図7は本クラッチ制御装置におけるクラッチトルクの算出過程を示す制御ブロック図、図8は本クラッチ制御装置による修正オフセット補正量の設定内容を説明するためのグラフであり、(a)はアクセル開放時においてオフセット補正量の変化量が制限された場合の修正オフセット補正量の経時的変化を示し、(b)はアクセル開放時においてオフセット補正量の一次遅れ関数を用いた場合の修正オフセット補正量の経時的変化を示し、(c)はアクセル開放時においてオフセット補正量の二次遅れ関数を用いた場合の修正オフセット補正量の経時的変化を示し、(d)はアクセル閉鎖時においてオフセット補正量の変化量が制限された場合の修正オフセット補正量の経時的変化を示すものである。
本クラッチ制御装置9は、図1に示す車両の駆動系装置に適用されている。この駆動系装置においては、エンジン1の駆動力が変速機7を介して駆動輪8へ伝達されるようになっている。また、エンジン1と駆動輪8との駆動力伝達経路上には、摩擦クラッチとして湿式多板クラッチ(クラッチ)2が介装されており、本クラッチ制御装置9はこのクラッチ2の係合状態を制御することによって、クラッチ2の伝達トルクを制御する制御装置である。
なお、本実施形態ではアクセル開度センサ6aは、ドライバによるアクセル操作量に相当する値としてのアクセル開度θを検出するセンサとして備えられたものであり、例えば、これの代わりにスロットル開度を検出するセンサなどを用いるように構成してもよい。
また、本実施形態においてECU4は、車両を発進させるときのクラッチ2の制御として、発進制御を実施するようになっている。この発進制御とは、停車状態にある車両を滑らかに始動させて定常走行の状態へ移行させるための制御である。
次に、ECU4の機能について説明する。ECU4は、クラッチ速度比検出部(クラッチ速度比検出手段)4aと、トルク係数設定部(トルク係数設定手段)4bと、オフセット補正量設定部(オフセット補正量設定手段)4cと、クリープトルク演算部(クリープトルク演算手段)4dと、伝達トルク演算部(伝達トルク演算手段)4eと、修正オフセット補正量設定部(修正オフセット補正量設定手段)4fと、クラッチ制御部4gとを備えて構成されている。
まず、図3に示すように、速度比eが1.0であるときに、トルク係数Cが最小値をとるようになっている。ここでは、速度比eの大きさが1.0から離れるほど(すなわち、速度比eが1.0よりも大きい場合には大きくなるほど、及び、速度比eが1.0よりも小さい場合には小さくなるほど)設定されるトルク係数Cも大きくなるようになっている。
つまり、車両発進時には、クラッチ2のトルク係数Cが大きく設定されるため、クラッチの速度比eが1.0に近づくようにクラッチの締結圧が滑らかに自動制御されることになる。また、速度比eが1.0に近づくに連れてクラッチ2のトルク係数Cが小さく設定されるため、アクセルペダルの踏み込み操作や戻し操作に対してクラッチ2をスリップさせやすくすることができ、比較的ラフなアクセル操作に対してトルクショックが抑制されることになるのである。
なお、オフセット補正量Neoffは、伝達トルクの演算上において、実際のエンジン回転数Neを小さく見積もる(減少方向へオフセットさせる)ことによって、エンジン回転数の吹け上がり感を変化させるパラメータである。例えば、アクセルペダル6の踏み込み操作によりアクセル開度θが増加し、これに応じてオフセット補正量Neoffが増加した場合、エンジン回転数Neが実際のエンジン回転数Neよりも小さく見積もられるため、それに応じて伝達トルク(すなわち、トルク容量)が若干小さめに制御されることになる。そのため、エンジンに働く負荷が軽減されることになり、実際のエンジン回転数Neを用いてクラッチ2の伝達トルクを演算した場合と比較して、エンジン1はより吹け上がる(回転数が上昇する)ことになる。つまり、アクセルペダル6の踏み込み操作時における加速性が向上することになるのである。
修正オフセット補正量設定部4fは、オフセット補正量設定部4cで設定されたオフセット補正量Neoffを修正して、オフセット補正量Neoffの経時的変化を抑制した修正オフセット補正量Necorを設定するようになっている。また、この修正オフセット補正量設定部5fには、車両における伝達トルクの演算に係る運転モードを判定する運転モード判定部(運転モード判定手段)4hが備えられており、この運転モード判定部4hで判定された運転モードに基づいて、オフセット補正量Neoffの抑制の方法(抑制のパターン)を切り換えるようになっている。なお、経時的変化の抑制の方法とは、例えば、単位時間あたりのオフセット補正量Neoffの変化量を抑制するような方法のこと等を指しており、これについては後述する。
まず、判定された運転モードが通常モードである場合、修正オフセット補正量設定部4fは、単位時間あたりのオフセット補正量Neoffの変化量を所定量以下に制限したものを、修正オフセット補正量Necorとして設定するようになっている。つまりこの運転モードでは、オフセット補正量Neoffの変化勾配の上限値又は下限値が制限されて、修正オフセット補正量Necorがオフセット補正量Neoffよりもなだらかに変化するように設定されることになる。なお、図8(a)には、時刻t1において、アクセルペダル6が踏み込まれてアクセル開度θが全閉の状態から全開の状態へ変動した場合における、オフセット補正量Neoff及び修正オフセット補正量Necorの推移が示されている。
また、運転モードが高応答モードである場合、修正オフセット補正量設定部4fは、オフセット補正量Neoffの変動に対する2次応答遅れ関数として修正オフセット補正量Necorを設定するようになっている。この2次応答遅れ関数とは、オフセット補正量Neoffについての2階線形微分方程式で定義される関数であり、例えば図8(c)に示すように、時刻t1よりもやや遅れて反応するむだ時間的な応答遅れを含んでオフセット補正量Neoffのステップ変化に追従する出力形状となる。
なお、ここでは図示を省略しているが、アクセルペダル6が踏み戻されてアクセル開度が全開の状態から全閉の状態となった場合における高加速モード及び高応答モード時の修正オフセット補正量Necorの変動グラフは、それぞれ、図8(b),(c)に示されたグラフを時間軸について上下反転させたような形状のグラフとなる。
具体的には、伝達トルクTcが以下の式2に従って算出される。
Tc=C×(Ne−Necor)2 ・・・(式2)
クラッチ制御部4gは、各係合要素2a,2b間に互いに押圧力を付与するための指令油圧信号を出力するようになっており、伝達トルク演算部4eから出力されたクラッチトルクTclがクラッチ2のトルク容量となるように、クラッチ2の指令油圧信号が出力されるようになっている。
本発明の一実施形態にかかるクラッチ制御装置は上述のように構成されて、以下に説明する制御フローに従ってクラッチ制御を実施する。まず、図5に示された制御フローは、ECU4の内部において所定周期で適宜繰り返し実行されているメインフローである。
続くステップA80では、クリープトルク演算部4dにおいて、車速Vに基づき図4に示す特性に従ってクリープトルクTcrが設定されて、ステップA90へ進む。
そしてステップA120では、クラッチ制御部4gにおいて、クラッチトルクTclがクラッチ2のトルク容量となるように、クラッチ2の指令油圧信号が出力されて、このフローが終了する。
まず、ステップB10では、運転モード判定部4hにおいて、車両の運転モードが、高加速モード,高応答モード及び通常モードのうちの何れであるかが判定される。続いてステップB20では、オフセット補正量設定部4cにおいて、アクセル開度センサ6aから入力されたアクセル開度θに基づき、図2に示す特性に従って、オフセット補正量Neoffが設定されて、ステップB30へ進む。
オフセット補正量Neoffが変動した場合、ステップB50では、運転モード判定部4hで判定された運転モードが高加速モードであるか否かが判定され、高加速モードである場合にはステップB70へ進み、高加速モードでない場合には、ステップB60へ進む。
これらのステップB70〜ステップB90のステップでは、オフセット補正量Neoffの変化を抑制する抑制方法が設定される。
これらのように抑制方法が設定された後、ステップB100において、修正オフセット補正量Necorが算出されて、このフローを終了する。
図7は、上述の制御フローにおけるクラッチ制御の処理内容を視覚的に図示したものである。本実施形態の制御処理は、図7に示すように、クラッチトルクを出力する伝達トルク演算部4eの内部において統括的に処理されている。
まず、駆動側回転数センサ3a及び被駆動側回転数センサ3bからクラッチ速度比検出部4aへ、駆動側係合要素2a及び被駆動側係合要素2bの各回転数NIN,NOUTが入力され、これらの回転数の比が速度比e(すなわち、e=NOUT/NIN)として検出される。そしてこの速度比eは、トルク係数設定部4bへと入力される。
一方、オフセット補正量設定部4cには、アクセル開度θとオフセット補正量Neoffとの対応マップ(map2)が例えば図2に示すように記憶されているため、アクセル開度センサ6aから入力されたアクセル開度θに応じて、オフセット補正量Neoffが修正オフセット補正量設定部4fへ入力される。
また、減算器12において、エンジン回転数センサ1aより入力されるエンジン回転数Neからオフセット補正量Necorが減算された後、乗算器13において、その値が二乗演算される。つまりここでは、式2における(Ne−Necor)2が演算されていることになる。
これに対して、クリープトルク演算部4dには、車速VとクリープトルクTcrとの対応マップ(map3)が例えば図4に示すように記憶されているため、車速センサ5より入力された車速Vに応じてクリープトルクTcrが選択器14へ入力されることになる。
このような制御によって本発明のクラッチ制御装置によれば、以下のような作用・効果を奏する。
まず、ドライバによってアクセルペダル6の踏み込み操作が行われた場合、オフセット補正量設定部4cにおいて、アクセル開度センサ6aから入力されたアクセル開度θが大きいほど、オフセット補正量Neoffが大きく設定される。これにより、式2を用いた伝達トルクTcの演算において、エンジン回転数Neが実際のエンジン回転数Neよりも小さく見積もられる。これにより、算出される伝達トルクTcを減少させることができ、エンジン1のエンジン回転数を上昇させることができる。つまりこれにより、アクセルペダル6の踏み込み操作時における加速性を上昇させることができる。
また、ドライバによるアクセルペダル6の踏み込み動作が急速になされた場合であって、車両の運転モードが高加速モードであるときには、修正オフセット補正量設定部4fにおいて、オフセット補正量Neoffの変動に対する1次応答遅れ関数として修正オフセット補正量Necorが設定される。このため、例えば図8(b)に示すように、修正オフセット補正量Necorはオフセット補正量Neoffと比較すると、その大きさの経時的変化が抑制されたような変動を示すことになる。したがって、上述の通常モード時と同様に、クラッチ2において出力トルクの立ち上がりの遅れを防止することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態では、運転モードとして予め通常モード,高加速モード及び高応答モードの3種のモードが設定されているが、運転モードの種類や数はこれに限定されるものではない。また、各運転モードにおける特性〔例えば、図8(a)〜(d)に示されたような修正オフセット補正量の特性等〕の設定についても任意であり、修正オフセット補正量Necorはオフセット補正量Neoffの経時的変化を抑制したものであればどのようなものでもよく、例えばクラッチ制御に係る各種パラメータの関数として与えられてもよい。
また、上述の実施形態では、オフセット補正量設定部4cにおいて、アクセル開度θが大きいほど、エンジン回転数Neの減算補正量としてのオフセット補正量Neoffを大きく設定されるようになっているが、アクセル開度θとオフセット補正量Neoffとの対応付けは任意である。
1a エンジン回転数センサ(エンジン回転数検出手段)
2 湿式多板クラッチ(摩擦クラッチ,クラッチ)
2a 駆動側係合要素
2b 被駆動側係合要素
3a 駆動側回転数センサ
3b 被駆動側回転数センサ
4 ECU(コントローラ)
4a クラッチ速度比検出部(クラッチ速度比検出手段)
4b トルク係数設定部(トルク係数設定手段)
4c オフセット補正量設定部(オフセット補正量設定手段)
4d クリープトルク演算部(クリープトルク演算手段)
4e 伝達トルク演算部(伝達トルク演算手段)
4f 修正オフセット補正量設定部(修正オフセット補正量設定手段)
4g クラッチ制御部(クラッチ制御手段)
4h 運転モード判定部(運転モード判定手段)
5 車速センサ(車両速度検出手段)
6 アクセルペダル
6a アクセル開度センサ(アクセル操作量相当値検出手段)
7 変速機
8 駆動輪
9 クラッチ制御装置
Claims (10)
- 車両のエンジンの駆動力を伝達する動力伝達軸上に介装された摩擦クラッチの伝達トルクを制御するクラッチ制御装置であって、
該エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
アクセルペダルの操作量に相当するアクセル操作量相当値を検出するアクセル操作量相当値検出手段と、
該クラッチの駆動側及び被駆動側の回転の速度比を検出するクラッチ速度比検出手段と、
該クラッチ速度比検出手段で検出された該速度比に基づき、該伝達トルクの演算に係るトルク係数を設定するトルク係数設定手段と、
該アクセル操作量相当値検出手段で検出された該アクセル操作量相当値に基づいて、演算上、エンジン回転数を減少方向へオフセットさせるオフセット補正量を設定するオフセット補正量設定手段と、
該アクセル操作量相当値検出手段で検出された該アクセル操作量相当値の変化に対して該オフセット補正量設定手段で設定された該オフセット補正量の経時的変化を抑制するように、該オフセット補正量を補正して修正オフセット補正量を設定する修正オフセット補正量設定手段と、
該エンジン回転数検出手段で検出された該エンジン回転数と、該トルク係数設定手段で設定された該トルク係数と、該修正オフセット補正量設定手段で設定された該修正オフセット補正量とに基づき、該クラッチが伝達すべき伝達トルクを演算する伝達トルク演算手段と、
該伝達トルク補正手段によって演算された該伝達トルクに基づき、該クラッチの係合状態を制御するクラッチ制御手段とを備えた
ことを特徴とする、クラッチ制御装置。 - 該修正オフセット補正量設定手段は、単位時間あたりの該オフセット補正量の変化量を所定量以下に制限したものを、該修正オフセット補正量として設定する
ことを特徴とする、請求項1記載のクラッチ制御装置。 - 該修正オフセット補正量設定手段は、該オフセット補正量の変動に対する応答遅れ関数として該修正オフセット補正量を設定する
ことを特徴とする、請求項1記載のクラッチ制御装置。 - 該車両における該伝達トルクの演算に係る運転モードを判定する運転モード判定手段を備えるとともに、
該修正オフセット補正量設定手段は、該運転モードに応じて異なる修正オフセット補正量を設定する
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のクラッチ制御装置。 - 該伝達トルク演算手段は、該伝達トルクをTcとし、該トルク係数をCとし、該エンジン回転数をNeとし、該修正オフセット補正量をNecorとしたときに、下記の式
Tc=C×(Ne−Necor)2
を用いて該伝達トルクを演算することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のクラッチ制御装置。 - 該オフセット補正量設定手段は、該アクセル操作量相当値が小さい場合には該オフセット補正量を小さな値に設定すると共に該アクセル操作量相当値が大きい場合には該オフセット補正量を大きな値に設定し、該アクセル操作量相当値の増加に従い該オフセット補正量を漸増させて設定する
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のクラッチ制御装置。 - 該オフセット補正量設定手段は、該アクセル操作量相当値が小さい場合には該オフセット補正量を大きな値に設定すると共に該アクセル操作量相当値が大きい場合には該オフセット補正量を小さな値に設定し、該アクセル操作量相当値の増加に従い該オフセット補正量を漸減させて設定する
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のクラッチ制御装置。 - 該車両の走行速度を検出する車両速度検出手段と、
該車両速度検出手段で検出された該走行速度に基づき、該車両をクリープ走行させるためのクリープトルクを演算するクリープトルク演算手段とを備えるとともに、
該伝達トルク演算手段は、該エンジン回転数と該トルク係数と該修正オフセット補正量とに基づいて演算されるトルクと、該クリープトルク演算部で演算された該クリープトルクとのいずれか大きい方のトルクを該クラッチが伝達すべき該伝達トルクとして演算することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のクラッチ制御装置。 - 車両のエンジンの駆動力を伝達する動力伝達軸上に介装されたクラッチの伝達トルクを制御するクラッチの制御方法であって、
該エンジンの回転数,該クラッチの駆動側及び被駆動側の回転の速度比及びアクセルペダルの操作量に相当するアクセル操作量相当値を検出し、
該速度比に基づいて該伝達トルクの演算に係るトルク係数を設定し、
該アクセル操作量相当値に基づいて、演算上、エンジン回転数を減少方向へオフセットさせるオフセット補正量を設定するとともに、
該アクセル操作量相当値の変化に応じた該オフセット補正量の経時的変化を抑制するように、該オフセット補正量を補正して修正オフセット補正量を設定し、
該エンジン回転数と該トルク係数と該修正オフセット補正量とに基づいて該クラッチが伝達すべき伝達トルクを演算して、該伝達トルクに基づく該クラッチの断接制御を実施する
ことを特徴とする、クラッチ制御方法。 - 該伝達トルクをTcとし、該トルク係数をCとし、該エンジン回転数をNeとし、該修正オフセット補正量をNecorとしたときに、下記の式
Tc=C×(Ne−Necor)2
を用いて該伝達トルクを演算することを特徴とする、請求項9記載のクラッチ制御方法。
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