JP4185925B2 - クラッチ制御装置及びクラッチ制御方法 - Google Patents

クラッチ制御装置及びクラッチ制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両のクラッチの伝達トルクを自動制御するクラッチ制御装置及びクラッチ制御方法に関する。
従来より、車両の発進時において、クラッチの断接を自動的に制御することによりエンジンから駆動輪へ伝達されるトルクの大きさを制御する技術が知られている。
例えば特許文献1には、クラッチの速度比(クラッチの駆動側の回転数と被駆動側の回転数との比)に応じて予め設定されたトルク容量係数のデータマップから、現在のクラッチ速度比に対応するトルク容量係数を検索し、この検索されたトルク容量係数と現在のエンジン回転数に対応するパラメータ(補正係数PSTBM)とに基づいてクラッチのトルク容量を算出して、そのトルク容量が得られるようなクラッチの締結圧を確保すべくクラッチピストンの油圧を自動制御するクラッチ制御装置が開示されている。
また、この特許文献1に記載されたクラッチ制御装置では、スロットル弁開度の大きさに応じて選択される3種類のトルク容量係数マップが記憶されており、何れのマップにおいてもクラッチの速度比が1.0である場合にトルク容量係数が最小値を取るように設定されている。つまり、速度比が1.0よりも大きく又は小さくなってクラッチの滑り(スリップ)が大きくなるに連れて、トルク容量係数が増加するような傾向を持つように、トルク容量のマップ特性が設定されている。
このような構成により、例えば車両発進時には、クラッチの駆動側と被駆動側との回転数の差が大きいほどトルク容量が大きく設定されて、クラッチの速度比が1.0へ近づくようにクラッチの締結圧を自動制御することができるようになっている。また、クラッチが締結して定常状態になると、トルク容量係数が小さく設定されるため、算出されるトルク容量が小さくなり、結果としてクラッチの締結圧が比較的小さくなることになる。したがって、クラッチを介した伝達トルクが大きくなり過ぎず、クラッチ締結時の締結ショックを緩和することができるようになっている。このように、クラッチの速度比に応じたトルク容量の設定によって、クラッチ制御に係る良好な車両操作フィーリングを提供することができるようになっている。
特開平9−72353号公報
ところで、上述の特許文献1に記載されたクラッチ制御装置においては、スロットル弁開度の変動範囲全体を3種類の範囲に分割して、各範囲に対応したトルク容量係数マップを用意している。つまり、3段階のスロットル弁開度に対応するトルク容量係数を設定するように構成することによって、アクセルの踏み込み量に応じて段階的に伝達トルクを制御できるようになっている。
しかし、上述の特許文献1に記載の技術では、異なるスロットル弁開度に対応する複数のトルク容量係数マップを予め用意しておく必要があるため、仮にあらゆるスロットル弁開度に応じたきめの細かい制御を実施しようとすると、用意しておくトルク容量係数マップの数や種類をさらに増加させる必要が生じ、制御ロジックや装置の構成が複雑になってしまう。
このような課題に対し、クラッチの伝達トルク(トルク容量)の演算において、アクセル開度(又はスロットル弁開度)の大きさに応じて、演算上のエンジン回転数を実際のエンジン回転数よりも小さく見積もる(減少方向へオフセットさせる)ことによって、エンジン回転数の吹き上がり感を変化させる演算方法が考えられる。これは、クラッチの伝達トルクの大きさがクラッチのトルク容量係数とエンジン回転数の二乗の積として演算される一般的なクラッチモデルにおいて、演算に用いられるエンジン回転数をアクセル開度に応じて減少するように補正することによって、アクセル操作量が大きいほどクラッチの伝達トルクを減少させてエンジンに働く負荷を軽減し、エンジン回転数を上昇させようとする制御である。そして、このような演算方法としては、例えば、以下の式1に示すものが考えられる。
T=C×(Ne−Neoff2 ・・・(式1)
ただし、T:クラッチの伝達トルク(トルク容量)
C:トルク容量係数
e:エンジン回転数
eoff:アクセル開度の大きさに応じたエンジン回転数の補正量
このような伝達トルク演算方法によって、例えば、ドライバによってアクセルペダルが踏み込まれたときに、エンジン回転数の補正量Neoffを大きく設定して伝達トルクTを小さくすることができ、迅速にエンジン回転数を上昇させることができるようになっている。
つまり、上記の演算方法を用いれば、アクセル操作時におけるエンジンの吹け上がりを誘発させることができ、車両の加速性を向上させることができるようになっている。このように、アクセル操作によってエンジンの状態に係るパラメータを直接減算補正することによって、車両の加速性を改善して良好な操作フィーリングを実現することができる。
しかし、上記の式1に示されたような伝達トルクの演算方法において、急速にアクセルペダルを踏み込むような操作が行われた場合、例えば、車両の停止状態からアクセルペダルを完全に踏み込むようなアクセル全開発進時には、実際のエンジン回転数Neが比較的低いアイドリング状態(例えば600rpm程度)であるうえ、このエンジン回転数Neからアクセル開度に応じた補正量Neoffが減算されるため、算出される伝達トルクTが著しく小さくなって、出力トルクの立ち上がりの遅れが過大になるおそれがある。
つまりこの場合、ドライバによるアクセルペダルの踏み込み量が大きいほど伝達トルクTが小さく算出されることになり、エンジン負荷軽減によるエンジン回転数の上昇を見込むことはできるものの、伝達トルクTが微少であるがゆえに伝達される出力トルクが小さく、そのトルク上昇には時間がかかることになる。このため、アクセルペダルの踏み込み動作が急速である場合には、クラッチにおけるトルク伝達の遅れが目立つようになり、ドライバにとって加速感がワンテンポ遅れて急に生じる、ちぐはぐな操作フィーリングとなってしまう。
また逆に、急速にアクセルペダルをオフ(戻し操作)にした場合には、補正量Neoffが急に減少し、算出される伝達トルクTが過大となって、クラッチが急激に締結してしまったり、トルクショックや失速感を生じるおそれがある。つまりこの場合、ドライバによるアクセルペダルの戻し操作が素早いほど伝達トルクTが急増することになり、クラッチにドライバの意図しない締結傾向が与えられてしまうのである。
このように従来のクラッチ制御技術を改良したものを検討したとしても、ドライバのアクセル操作フィーリングが実際のアクセル操作に係るクラッチ制御と食い違うことがあり、より操作性の良好な制御ロジックの開発が待望されている。
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、簡素な構成で、アクセル操作に対する良好な操作性を実現するトルク制御を行うことができるようにした、クラッチ制御装置及びクラッチ制御方法を提供することを目的とする。
上記目標を達成するため、本発明のクラッチ制御装置(請求項1)は、車両のエンジンの駆動力を伝達する動力伝達軸上に介装された摩擦クラッチの伝達トルクを制御するクラッチ制御装置であって、該エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、アクセルペダルの操作量に相当するアクセル操作量相当値を検出するアクセル操作量相当値検出手段と、該クラッチの駆動側及び被駆動側の回転の速度比を検出するクラッチ速度比検出手段と、該クラッチ速度比検出手段で検出された該速度比に基づき、該伝達トルクの演算に係るトルク係数を設定するトルク係数設定手段と、該アクセル操作量相当値検出手段で検出された該アクセル操作量相当値に基づいて、演算上、エンジン回転数を減少方向へオフセットさせるオフセット補正量を設定するオフセット補正量設定手段と、該アクセル操作量相当値検出手段で検出された該アクセル操作量相当値の変化に対して該オフセット補正量設定手段で設定された該オフセット補正量の経時的変化を抑制するように、該オフセット補正量を補正して修正オフセット補正量を設定する修正オフセット補正量設定手段と、該エンジン回転数検出手段で検出された該エンジン回転数と、該トルク係数設定手段で設定された該トルク係数と、該修正オフセット補正量設定手段で設定された該修正オフセット補正量とに基づき、該クラッチが伝達すべき伝達トルクを演算する伝達トルク演算手段と、該伝達トルク補正手段によって演算された該伝達トルクに基づき、該クラッチの係合状態を制御するクラッチ制御手段とを備えたことを特徴としている。
なお、該オフセット補正量とは、該エンジン回転数を小さく見積もるべく減少させるように補正するための減少補正量である。
また、該修正オフセット補正量設定手段は、単位時間あたりの該オフセット補正量の変化量を所定量以下に制限したものを、該修正オフセット補正量として設定することが好ましい(請求項2)。
また、該修正オフセット補正量設定手段は、該オフセット補正量の変動に対する応答遅れ関数として該修正オフセット補正量を設定することが好ましい(請求項3)。
また、該車両における該伝達トルクの演算に係る運転モードを判定する運転モード判定手段を備えるとともに、該修正オフセット補正量設定手段は、該運転モードに応じて異なる修正オフセット補正量を設定することが好ましい(請求項4)。
また、該伝達トルク演算手段は、該伝達トルクをTcとし、該トルク係数をCとし、該エンジン回転数をNeとし、該修正オフセット補正量をNecorとしたときに、下記の式
c=C×(Ne−Necor2
を用いて該伝達トルクを演算することが好ましい(請求項5)。
また、該オフセット補正量設定手段は、該アクセル操作量相当値が小さい場合には該オフセット補正量を小さな値に設定すると共に該アクセル操作量相当値が大きい場合には該オフセット補正量を大きな値に設定し、該アクセル操作量相当値の増加に従い該オフセット補正量を漸増させて設定することが好ましい(請求項6)。
あるいは、該オフセット補正量設定手段は、該アクセル操作量相当値が小さい場合には該オフセット補正量を大きな値に設定すると共に該アクセル操作量相当値が大きい場合には該オフセット補正量を小さな値に設定し、該アクセル操作量相当値の増加に従い該オフセット補正量を漸減させて設定することが好ましい(請求項7)。
また、該車両の走行速度を検出する車両速度検出手段と、該車両速度検出手段で検出された該走行速度に基づき、該車両をクリープ走行させるためのクリープトルクを演算するクリープトルク演算手段とを備えるとともに、該伝達トルク演算手段は、該エンジン回転数と該トルク係数と該修正オフセット補正量とに基づいて演算されるトルクと、該クリープトルク演算部で演算された該クリープトルクとのいずれか大きい方のトルクを該クラッチが伝達すべき該伝達トルクとして演算することが好ましい(請求項8)。
また、本発明のクラッチ制御方法(請求項9)は、車両のエンジンの駆動力を伝達する動力伝達軸上に介装されたクラッチの伝達トルクを制御するクラッチの制御方法であって、該エンジンの回転数,該クラッチの駆動側及び被駆動側の回転の速度比及びアクセルペダルの操作量に相当するアクセル操作量相当値を検出し、該速度比に基づいて該伝達トルクの演算に係るトルク係数を設定し、該アクセル操作量相当値に基づいて、演算上、エンジン回転数を減少方向へオフセットさせるオフセット補正量を設定するとともに、該アクセル操作量相当値の変化に応じた該オフセット補正量の経時的変化を抑制するように、該オフセット補正量を補正して修正オフセット補正量を設定し、該エンジン回転数と該トルク係数と該修正オフセット補正量とに基づいて該クラッチが伝達すべき伝達トルクを演算して、該伝達トルクに基づく該クラッチの断接制御を実施することを特徴としている。
この場合、該伝達トルクをTcとし、該トルク係数をCとし、該エンジン回転数をNeとし、該修正オフセット補正量をNecorとしたときに、下記の式
c=C×(Ne−Necor2
を用いて該伝達トルクを演算することが好ましい(請求項10)。
本発明のクラッチ制御装置及びクラッチ制御方法(請求項1,9)によれば、オフセット補正量の経時的変化を抑制した修正オフセット補正量が設定されるため、アクセル操作量相当値が急速な変化した場合であっても、クラッチにおける伝達トルクの急変を抑制することができる。つまり、エンジン回転数の補正量としてのオフセット補正量の変動を緩慢にすることができる。例えば、アクセル踏み込み時には、出力トルクの立ち上がりの遅れを防止することができ、踏み込み動作に対する加速感の発生がワンテンポ遅れるようなことがない。
また、例えば踏み込まれたアクセルペダルを急速に戻したような場合においても、修正オフセット補正量を緩やかに減少させることができ、ドライバの意図しないクラッチ締結やトルクショックの発生を防止することができる。
また、本発明のクラッチ制御装置(請求項2)によれば、簡素な構成で、オフセット補正量の経時的変化を抑制することができる。これにより、オフセット補正量による補正効果をより簡便且つ穏やかに与えることができ、容易にクラッチの挙動を改善できる。
また、本発明のクラッチ制御装置(請求項3)によれば、オフセット補正量による補正効果の特性を設定しておくことが可能となり、例えば、加速性を重視する特性や応答性を重視する特性といったものを、予め任意に設定しておくことができる。
また、本発明のクラッチ制御装置(請求項4)によれば、車両の運転モードに応じて、オフセット補正量による補正効果の特性を選択することができる。例えば、出力トルクの立ち上がりの素早さを重視する運転モードにおいては、オフセット補正量の経時的な変動を大きく抑制することにより、トルク容量を大きくして、クラッチにおいて伝達される伝達トルクの応答性を向上させることができる。また、加速性を重視する運転モードにおいては、オフセット補正量の経時的変化の抑制量を減少させることにより、トルク容量を小さくしてエンジン回転数を上昇させ、加速度を上昇させることができる。
また、本発明のクラッチ制御装置及びクラッチ制御方法(請求項5,10)によれば、アクセル操作量相当値に応じて、演算上のエンジン回転数を実際のエンジン回転数よりも小さく見積もり、減少方向へオフセット補正するようなクラッチ伝達トルクの演算過程に対して、オフセット補正を修正する演算を容易に実装することができる。例えば、エンジン回転数をアクセル開度に応じて減少補正するクラッチ制御装置の場合、減少補正量を修正する構成を追加するだけで、そのほかの構成を流用して本発明にかかるクラッチ制御装置を実現できる。
また、本発明のクラッチ制御装置(請求項6)によれば、アクセル操作量相当値の増加に従ってオフセット補正量が漸増するように設定されるため、例えば、アクセルペダルを急速に踏み込んだような場合、伝達クラッチの演算において、オフセット補正量による補正効果を穏やかに与えることができ、エンジンの吹け上がりを誘発して、オフセット補正量の変動よりもエンジン回転数の変動に追従するような傾向を与えることができる。
これにより、クラッチが締結側へ制御されることになり、クラッチにおいて伝達される伝達トルク、すなわち、出力トルクの立ち上がりを改善することができる。つまり、ドライバによる車両の加速要求に沿ったクラッチ制御を実施することができ、車両の加速性を重視する場合に有益である。
また、本発明のクラッチ制御装置(請求項7)によれば、アクセル操作量相当値の増加に従ってオフセット補正量が漸減するように設定されるため、エンジン回転数の変動を安定化させることができ、クラッチの発熱量を抑えたい場合に有益である。
また、本発明のクラッチ制御装置(請求項8)によれば、車両発進時に車両をクリープ走行させることが可能なクラッチのトルク伝達量を確保することができる。
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図8は本発明の一実施形態としてのクラッチ制御装置を示すもので、図1は本クラッチ制御装置が適用された車両の駆動系装置の全体構成を示す模式的構成図、図2は本クラッチ制御装置におけるアクセル開度とオフセット補正量との関係を示すグラフ、図3は本クラッチ制御装置における速度比とトルク係数との関係を示すグラフ、図4は本クラッチ制御装置における車速とクリープトルクとの関係を示すグラフ、図5は本クラッチ制御装置のECUにおけるクラッチの制御内容を示すフローチャート、図6は本クラッチ制御装置のECUにおける修正オフセット補正量を設定するためのフローチャート、図7は本クラッチ制御装置におけるクラッチトルクの算出過程を示す制御ブロック図、図8は本クラッチ制御装置による修正オフセット補正量の設定内容を説明するためのグラフであり、(a)はアクセル開放時においてオフセット補正量の変化量が制限された場合の修正オフセット補正量の経時的変化を示し、(b)はアクセル開放時においてオフセット補正量の一次遅れ関数を用いた場合の修正オフセット補正量の経時的変化を示し、(c)はアクセル開放時においてオフセット補正量の二次遅れ関数を用いた場合の修正オフセット補正量の経時的変化を示し、(d)はアクセル閉鎖時においてオフセット補正量の変化量が制限された場合の修正オフセット補正量の経時的変化を示すものである。
[全体構成]
本クラッチ制御装置9は、図1に示す車両の駆動系装置に適用されている。この駆動系装置においては、エンジン1の駆動力が変速機7を介して駆動輪8へ伝達されるようになっている。また、エンジン1と駆動輪8との駆動力伝達経路上には、摩擦クラッチとして湿式多板クラッチ(クラッチ)2が介装されており、本クラッチ制御装置9はこのクラッチ2の係合状態を制御することによって、クラッチ2の伝達トルクを制御する制御装置である。
クラッチ2は、エンジン1の駆動力により回転する駆動側係合要素2aとそれに並設される被駆動側係合要素2bとを備えて構成されており、駆動側及び被駆動側の係合要素2a,2bを係合又は解放(すなわち、直結又は非直結に制御)することによって、エンジン1からの駆動力の伝達を断接し、さらに各係合要素2a,2bの係合状態を制御することにより接続時の伝達駆動力(伝達トルク)を調整しうるようになっている。各係合要素2a,2bの係合,解放は、後述するECU(電子制御装置,コントローラ)4によって制御されるようになっている。
また、駆動力伝達にかかるクラッチ2の上流側及び下流側には、駆動側係合要素2aの回転数(入力回転数NIN)を検出する駆動側回転数センサ3aと、被駆動側係合要素2bの回転数(出力回転数NOUT)を検出する被駆動側回転数センサ3bとが設けられている。つまり、駆動側回転数センサ3aではクラッチ2へ入力される回転数NINが検出され、一方、被駆動側回転数センサ3bではクラッチ2から出力される回転数(クラッチ2の係合により伝達された回転数)NOUTが検出されるようになっている。ここで検出された各回転数NIN,NOUTは、ECU4へ入力されるようになっている。
エンジン1には、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転数センサ(エンジン回転数検出手段)1aが付設されており、ここで検出されたエンジン回転数Neは後述するECU4へ入力されるようになっている。なお、駆動側回転数センサ3aで検出された入力回転数NINをエンジン回転数Neの代わりに用いる構成としてもよい。
また、本クラッチ制御装置9は、車両の走行速度(単に車速ともいう)Vを検出する車速センサ(車両速度検出手段)5と、アクセルペダル6の踏み込み量に相当するパラメータとしてのアクセル開度θを検出するアクセル開度センサ(アクセル操作量相当値検出手段)6aとを備えている。車速センサ5は車速Vを検出し、アクセル開度センサ6aはアクセル開度θを検出するようになっており、ここで検出された車速V,アクセル開度θはECU4へ入力される。
なお、本実施形態ではアクセル開度センサ6aは、ドライバによるアクセル操作量に相当する値としてのアクセル開度θを検出するセンサとして備えられたものであり、例えば、これの代わりにスロットル開度を検出するセンサなどを用いるように構成してもよい。
ECU(コントローラ)4は、クラッチ2の係合状態を制御するための演算や信号出力を行う電子制御装置である。ここでは、駆動側回転数センサ3a,被駆動側回転数センサ3bから入力される各回転数NIN,NOUTやアクセル開度θ,車速V及びエンジン回転数Ne等の情報に基づいて、各係合要素2a,2b間で伝達されるトルク伝達量を演算し、クラッチ2がその演算されたトルク伝達量に見合ったトルク容量を持つように、各係合要素2a,2b間に互いに働く押圧力を付与するための指令油圧信号を出力するようになっている。なお、ECU4から指令油圧信号が出力されると、その信号値の大きさに応じた油圧がクラッチ2へ供給されて、各係合要素2a,2bの係合状態が制御されるようになっている。
また、本実施形態においてECU4は、車両を発進させるときのクラッチ2の制御として、発進制御を実施するようになっている。この発進制御とは、停車状態にある車両を滑らかに始動させて定常走行の状態へ移行させるための制御である。
[ECU]
次に、ECU4の機能について説明する。ECU4は、クラッチ速度比検出部(クラッチ速度比検出手段)4aと、トルク係数設定部(トルク係数設定手段)4bと、オフセット補正量設定部(オフセット補正量設定手段)4cと、クリープトルク演算部(クリープトルク演算手段)4dと、伝達トルク演算部(伝達トルク演算手段)4eと、修正オフセット補正量設定部(修正オフセット補正量設定手段)4fと、クラッチ制御部4gとを備えて構成されている。
クラッチ速度比検出部4aは、駆動側回転数センサ3a及び被駆動側回転数センサ3bから入力された駆動側係合要素2a及び被駆動側係合要素2bの回転数の比を速度比e(すなわち、e=NOUT/NIN)として検出するようになっている。ここで検出される速度比eとは、駆動側係合要素2aと被駆動側係合要素2bとのスリップ状態に対応する値であり、速度比eがe=1.0となったときにクラッチ2がスリップしていない状態となる。
トルク係数設定部4bは、クラッチ速度比検出部4aで検出された速度比eに基づいて、トルク係数(トルク容量係数)Cを設定するようになっている。このトルク係数Cとは、クラッチ2において伝達される伝達トルクの演算に係る係数のひとつであり、図3に示すような特性を持つように予め設定されている。
まず、図3に示すように、速度比eが1.0であるときに、トルク係数Cが最小値をとるようになっている。ここでは、速度比eの大きさが1.0から離れるほど(すなわち、速度比eが1.0よりも大きい場合には大きくなるほど、及び、速度比eが1.0よりも小さい場合には小さくなるほど)設定されるトルク係数Cも大きくなるようになっている。
また、速度比eが1.0から離れるに連れて、トルク係数Cの増加割合が次第に小さくなるように、速度比eとトルク係数Cとの対応関係が定められている。なお、速度比eがe=1.0の状態とは、駆動側係合要素2a及び被駆動側係合要素2bの回転数が同じである状態のことであり、これらの係合要素間のスリップ量が大きくなればなるほど、速度比eが1.0から離れた値として検出されることになる。
このような設定により、以下に説明する通り、トルコンライクなクラッチ動作を実現することができるようになっている。
つまり、車両発進時には、クラッチ2のトルク係数Cが大きく設定されるため、クラッチの速度比eが1.0に近づくようにクラッチの締結圧が滑らかに自動制御されることになる。また、速度比eが1.0に近づくに連れてクラッチ2のトルク係数Cが小さく設定されるため、アクセルペダルの踏み込み操作や戻し操作に対してクラッチ2をスリップさせやすくすることができ、比較的ラフなアクセル操作に対してトルクショックが抑制されることになるのである。
オフセット補正量設定部4cは、アクセル開度センサ6aから入力されたアクセル開度θが大きいほど、エンジン回転数Neの減算補正量としてのオフセット補正量Neoffを大きく設定するようになっている。ここで設定されるオフセット補正量Neoffも、クラッチ2において伝達される伝達トルクの演算に係るパラメータのひとつであり、図2に示すような特性を持つように予め設定されている。
図2に示すように、アクセル開度θが所定開度θ1以下であるときには、そのアクセル開度θの大きさに関わらず、オフセット補正量Neoffが所定オフセット補正量Neoff1に設定されるようになっている。また、アクセル開度θが所定開度θ1を超えているときには、そのアクセル開度θが大きいほど、アクセル開度θの増加量に比例して、オフセット補正量Neoffが大きく設定されるようになっている。
つまりここでは、アクセル開度θが小さい場合にはオフセット補正量Neoffが小さな値に設定され、アクセル開度θが大きい場合にはオフセット補正量Neoffが大きな値に設定される。そして、アクセル開度θが所定開度θ1以上の範囲では、アクセル開度θの増大に従ってオフセット補正量Neoffが漸増するように設定されている。
なお、オフセット補正量Neoffは、伝達トルクの演算上において、実際のエンジン回転数Neを小さく見積もる(減少方向へオフセットさせる)ことによって、エンジン回転数の吹け上がり感を変化させるパラメータである。例えば、アクセルペダル6の踏み込み操作によりアクセル開度θが増加し、これに応じてオフセット補正量Neoffが増加した場合、エンジン回転数Neが実際のエンジン回転数Neよりも小さく見積もられるため、それに応じて伝達トルク(すなわち、トルク容量)が若干小さめに制御されることになる。そのため、エンジンに働く負荷が軽減されることになり、実際のエンジン回転数Neを用いてクラッチ2の伝達トルクを演算した場合と比較して、エンジン1はより吹け上がる(回転数が上昇する)ことになる。つまり、アクセルペダル6の踏み込み操作時における加速性が向上することになるのである。
クリープトルク演算部4dは、車速センサ5で検出された車速Vに基づき、車両をクリープ走行させるためのクリープトルクを演算するようになっている。このクリープトルクとは、例えば、一般的な自動変速機のトルクコンバータにおいてアイドリング時に伝達されるトルクに相当するトルク量であり、トルクコンバータを搭載しない車両においてもトルクコンバータを搭載した車両と同様の操作感(クリープ走行)を実現するために与えられるトルク量である。
なお本実施形態では、このクリープトルクTcrが図4に示すような特性を持つように設定されるようになっており、車速Vが0のときにクリープトルクTcrは最大値をとり、車速Vの増加量に比例してクリープトルクTcrが減少するように設定されるようになっている。
修正オフセット補正量設定部4fは、オフセット補正量設定部4cで設定されたオフセット補正量Neoffを修正して、オフセット補正量Neoffの経時的変化を抑制した修正オフセット補正量Necorを設定するようになっている。また、この修正オフセット補正量設定部5fには、車両における伝達トルクの演算に係る運転モードを判定する運転モード判定部(運転モード判定手段)4hが備えられており、この運転モード判定部4hで判定された運転モードに基づいて、オフセット補正量Neoffの抑制の方法(抑制のパターン)を切り換えるようになっている。なお、経時的変化の抑制の方法とは、例えば、単位時間あたりのオフセット補正量Neoffの変化量を抑制するような方法のこと等を指しており、これについては後述する。
まず、運転モード判定部4hで判定される運転モードとは、ドライバによって任意に選択が可能な、クラッチ2の制御特性のことである。本実施形態では、例えば出力トルクの立ち上がりの素早さ,応答性を重視する高応答モードと、アクセルペダル6の踏み込み時の加速性を重視する高加速モードと、これらのモードの中間的なモードとしての通常モードといった3種の運転モードが設けられている。そして、図示しない運転モード選択スイッチがドライバによって操作されると、これらのモードのうちいずれか一つのモードが選択されるようになっている。なお、このようにして選択された運転モードは、運転モード判定部4hにおいて判定されるようになっているが、この判定にかかる具体的な構成は任意であり、ここでは記載を省略する。
修正オフセット補正量設定部4fは、運転モード判定部4hにおいて判定された運転モードに基づき、修正オフセット補正量Necorの演算方法を変更することによって、オフセット補正量Neoffの抑制の方法(抑制のパターン)を切り換えるようになっている。
まず、判定された運転モードが通常モードである場合、修正オフセット補正量設定部4fは、単位時間あたりのオフセット補正量Neoffの変化量を所定量以下に制限したものを、修正オフセット補正量Necorとして設定するようになっている。つまりこの運転モードでは、オフセット補正量Neoffの変化勾配の上限値又は下限値が制限されて、修正オフセット補正量Necorがオフセット補正量Neoffよりもなだらかに変化するように設定されることになる。なお、図8(a)には、時刻t1において、アクセルペダル6が踏み込まれてアクセル開度θが全閉の状態から全開の状態へ変動した場合における、オフセット補正量Neoff及び修正オフセット補正量Necorの推移が示されている。
このグラフに実線で示すように、通常モードにおいては、修正オフセット補正量Necorがオフセット補正量Neoff(破線で示す)のステップ変化時刻(アクセル開度θが全閉の状態から全開の状態へ変動した時刻)t1より一定の増加勾配を保ったまま増加し、その後オフセット補正量Neoffのステップ変化後の大きさと等しくなるように設定されるようになっている。
なおここでは、アクセル開度θが全閉の状態から全開の状態となった場合を例として挙げたが、逆に、アクセルペダル6が踏み戻されてアクセル開度が全開の状態から全閉の状態となった場合には、修正オフセット補正量Necorが、図8(d)に示すような出力形状とされるようになっている。この場合においても、オフセット補正量Neoffの変化量の大きさが所定量以下に制限されていることがわかる。
また、運転モードが高加速モードである場合、修正オフセット補正量設定部4fは、オフセット補正量Neoffの変動に対する1次応答遅れ関数として修正オフセット補正量Necorを設定するようになっている。この1次応答遅れ関数とは、オフセット補正量Neoffについての1階線形微分方程式で定義される関数であり、例えば図8(b)に示すように、修正オフセット補正量Necorは、時刻t1におけるオフセット補正量Neoffのステップ変化と同時に反応する出力形状となり、その後オフセット補正量Neoffのステップ変化に追従して漸近するように設定されるようになっている。
このような設定により、通常モード時に設定される修正オフセット補正量Necorよりも、オフセット補正量Neoffのステップ変化(入力データの変動)に対して反応性良く、素早く修正オフセット補正量Necorを変動させることができるようになっている。
また、運転モードが高応答モードである場合、修正オフセット補正量設定部4fは、オフセット補正量Neoffの変動に対する2次応答遅れ関数として修正オフセット補正量Necorを設定するようになっている。この2次応答遅れ関数とは、オフセット補正量Neoffについての2階線形微分方程式で定義される関数であり、例えば図8(c)に示すように、時刻t1よりもやや遅れて反応するむだ時間的な応答遅れを含んでオフセット補正量Neoffのステップ変化に追従する出力形状となる。
このような修正オフセット補正量Necorの設定によって、通常モード時に設定される修正オフセット補正量Necorよりも滑らかに修正オフセット補正量Necorを変動させることができるようになっている。
なお、ここでは図示を省略しているが、アクセルペダル6が踏み戻されてアクセル開度が全開の状態から全閉の状態となった場合における高加速モード及び高応答モード時の修正オフセット補正量Necorの変動グラフは、それぞれ、図8(b),(c)に示されたグラフを時間軸について上下反転させたような形状のグラフとなる。
伝達トルク演算部4eは、トルク係数設定部4bで設定されたトルク係数Cと、修正オフセット補正量設定部4fで設定された修正オフセット補正量Necorと、エンジン回転数Neとに基づいて、クラッチ2が伝達すべき伝達トルクTcを演算するようになっている。
具体的には、伝達トルクTcが以下の式2に従って算出される。
c=C×(Ne−Necor2 ・・・(式2)
なお、本実施形態の伝達トルク演算部4eは、クラッチ2が伝達すべきトルクとして、上記の式1で算出された伝達トルクTcと、クリープトルク演算部4dで演算されたクリープトルクTcrとを比較して、いずれか大きい方のトルクをクラッチトルクTclとして出力するようになっている。これにより、例えば車両が停車中のアイドリング状態にあって、クリープトルクTcrが伝達トルクTcよりも大きい場合には、クリープトルクTcrがクラッチトルクTclとして出力される。一方、車両の発進後、クリープトルクTcrが伝達トルクTcよりも小さくなると、伝達トルクTcがクラッチトルクTclとして出力される。
クラッチ制御部4gは、各係合要素2a,2b間に互いに押圧力を付与するための指令油圧信号を出力するようになっており、伝達トルク演算部4eから出力されたクラッチトルクTclがクラッチ2のトルク容量となるように、クラッチ2の指令油圧信号が出力されるようになっている。
[フローチャート]
本発明の一実施形態にかかるクラッチ制御装置は上述のように構成されて、以下に説明する制御フローに従ってクラッチ制御を実施する。まず、図5に示された制御フローは、ECU4の内部において所定周期で適宜繰り返し実行されているメインフローである。
まず、ステップA10において、制御にかかる各パラメータ情報が入力される。ここでは、エンジン回転数Ne,アクセル開度θ,車速V,クラッチ2の駆動側回転数NIN及び被駆動側回転数NOUTが入力される。そして続くステップA20では、車両が発進を開始したか否かが判定される。ここでは、ECU4内部において、車速V及びアクセル開度θに基づいて、車両が停車しているか走行を開始したかが判定される。そして、車両が発進した(又は既に発進している)と判定された場合には、ステップA30以降のフローへ進み、発進制御が実施される。一方、車両が発進したと判定されなかった場合、すなわち車両が停車していると判定された場合には、そのままこのフローを終了する。つまり、車両が発進を開始して初めて以下の制御が実施されるようになっている。
車両が発進した(発進している)場合、ステップA30では、クラッチ速度比検出部4aにおいて、各回転数NIN,NOUTの速度比eが検出される。そして続くステップA40では、トルク係数設定部4bにおいて、速度比eに基づき図3に示す特性に従ってトルク係数Cが設定される。このトルク係数Cの設定により、速度比eの大きさが1.0から離れている場合(例えば、車両の発進直後であってクラッチ2の係合状態が弱く、駆動側回転数NINと比較して被駆動側回転数NOUTが小さいような場合)ほどトルク係数Cが大きく設定されるため、クラッチ2の係合状態を強められることになる。これにより、クラッチ2の状態が開放側から締結側へと制御されることになる。
続くステップA55では、修正オフセット補正量Necorを設定するためのフローが実施される。このフローは、図6に示すようなオフセット補正量Neoff及び修正オフセット補正量Necorを設定するためのフローであり、前述のメインフローに対するサブフローとなっている。なお、このフローでは、修正オフセット補正量Necorが算出されるようになっており、具体的な制御内容については後述する。
ステップA70では、伝達トルク演算部4eにおいて、前述の式2に従って伝達トルクTcが演算される。このステップでは、ステップA40で設定されたトルク係数CとステップA55で設定された修正オフセット補正量Necorとが反映された伝達トルクTcが演算されることになる。
続くステップA80では、クリープトルク演算部4dにおいて、車速Vに基づき図4に示す特性に従ってクリープトルクTcrが設定されて、ステップA90へ進む。
ステップA90では、ステップA70で演算された伝達トルクTcとステップA80で設定されたクリープトルクTcrとの大きさが比較される。ここで、伝達トルクTcがクリープトルクTcrよりも大きい場合(Tc>Tcr)にはステップA100へ進み、伝達トルク演算部4eにおいて、伝達トルクTcがクラッチトルクTclとして出力されて(Tcl=Tc)、ステップA120へ進み、一方、伝達トルクTcがクリープトルクTcrよりも小さい場合(Tc≦Tcr)にはステップA110へ進み、伝達トルク演算部4eにおいて、クリープトルクTcrがクラッチトルクTclとして出力されて(Tcl=Tcr)、ステップA120へ進む。
つまり例えば、車両が停車中のアイドリング状態であって、ステップA70で算出される伝達トルクTcが小さい場合には、クラッチトルクとしてクリープトルクTcrが出力されるため、車両がクリープ走行することになる。このように、車両をクリープ走行させることが可能なクラッチのトルク伝達量が確保されることになる。
そしてステップA120では、クラッチ制御部4gにおいて、クラッチトルクTclがクラッチ2のトルク容量となるように、クラッチ2の指令油圧信号が出力されて、このフローが終了する。
次に、図6を用いて修正オフセット補正量設定フローについて説明する。このフローでは、オフセット補正量Neoff及び修正オフセット補正量Necorが設定されるようになっている。
まず、ステップB10では、運転モード判定部4hにおいて、車両の運転モードが、高加速モード,高応答モード及び通常モードのうちの何れであるかが判定される。続いてステップB20では、オフセット補正量設定部4cにおいて、アクセル開度センサ6aから入力されたアクセル開度θに基づき、図2に示す特性に従って、オフセット補正量Neoffが設定されて、ステップB30へ進む。
ステップB30では、修正オフセット補正量設定部4fにおいて、ステップB20で設定されたオフセット補正量Neoffが変動したか否かが判定される。つまりここでは、オフセット補正量Neoffの変化量(ステップ変化の大きさ)が算出され、その変化量が0より大きいか否かが判定される。ここで、オフセット補正量Neoffが変動したと判定された場合にはステップB50以降の具体的な修正内容を実施するフローへ進み、変動していない場合にはステップB40へ進んで、修正オフセット補正量Necorとしてオフセット補正量Neoffをそのまま代入して、このフローを終了する。つまり、オフセット補正量Neoffの変動した場合にのみ、これを修正する制御フローが実施されるようになっている。
なお、本実施形態では、ステップB30において、オフセット補正量Neoffの変化量が0より大きいか否かを判定しているが、例えば、オフセット補正量Neoffの変化量が所定変化量以上であるか否かを判定するように構成してもよい。このように、オフセット補正量を抑制する条件を付けることによって、よりきめの細かい制御が可能となる。
オフセット補正量Neoffが変動した場合、ステップB50では、運転モード判定部4hで判定された運転モードが高加速モードであるか否かが判定され、高加速モードである場合にはステップB70へ進み、高加速モードでない場合には、ステップB60へ進む。
また、ステップB60では、運転モードが高応答モードであるか否かが判定され、高応答モードである場合にはステップB80へ進み、高応答モードでない場合にはステップB90へ進む。
これらのステップB70〜ステップB90のステップでは、オフセット補正量Neoffの変化を抑制する抑制方法が設定される。
ステップB70では、高加速モードに対応した抑制方法として、図8(b)に示すように、修正オフセット補正量Necorがオフセット補正量Neoffの変動に対する1次応答遅れ関数として設定される。また、ステップB80では、高応答モードに対応した抑制方法として、図8(c)に示すように、修正オフセット補正量Necorがオフセット補正量Neoffの変動に対する2次応答遅れ関数として設定される。一方、ステップB90では、通常モードに対応した抑制方法として、図8(a),(d)に示すように、オフセット補正量Neoffの変化勾配の上限値又は下限値が制限されて、修正オフセット補正量Necorが一定の増加勾配を保ったまま増加又は減少するように設定される。
これらのように抑制方法が設定された後、ステップB100において、修正オフセット補正量Necorが算出されて、このフローを終了する。
[制御ブロック図]
図7は、上述の制御フローにおけるクラッチ制御の処理内容を視覚的に図示したものである。本実施形態の制御処理は、図7に示すように、クラッチトルクを出力する伝達トルク演算部4eの内部において統括的に処理されている。
まず、伝達トルク演算部4eはその内部処理として、クラッチ速度比検出部4a,トルク係数設定部4b,オフセット補正量設定部4c,クリープトルク演算部4d及び修正オフセット補正量設定部4fの各演算処理を内包するような構造となっている。
まず、駆動側回転数センサ3a及び被駆動側回転数センサ3bからクラッチ速度比検出部4aへ、駆動側係合要素2a及び被駆動側係合要素2bの各回転数NIN,NOUTが入力され、これらの回転数の比が速度比e(すなわち、e=NOUT/NIN)として検出される。そしてこの速度比eは、トルク係数設定部4bへと入力される。
トルク係数設定部4bには、速度比eとトルク係数Cとの対応マップ(map1)が例えば図3に示すように記憶されているため、入力された速度比eに応じて、トルク係数Cが乗算器11へ入力されることになる。
一方、オフセット補正量設定部4cには、アクセル開度θとオフセット補正量Neoffとの対応マップ(map2)が例えば図2に示すように記憶されているため、アクセル開度センサ6aから入力されたアクセル開度θに応じて、オフセット補正量Neoffが修正オフセット補正量設定部4fへ入力される。
この修正オフセット補正量設定部4fでは、その内部の運転モード判定部4hにおいて、車両の運転モードは判定され、運転モードに応じた修正オフセット補正量Necorが設定されて、減算器12へ入力される。
また、減算器12において、エンジン回転数センサ1aより入力されるエンジン回転数Neからオフセット補正量Necorが減算された後、乗算器13において、その値が二乗演算される。つまりここでは、式2における(Ne−Necor2が演算されていることになる。
続いて、乗算器11において、乗算器13で演算された値とトルク係数Cとが乗算される。つまりここでは、式2の右辺全体〔C×(Ne−Necor2〕、すなわち、伝達トルクTcが演算されていることになる。ここで演算された伝達トルクTcは、選択器14へ入力される。
これに対して、クリープトルク演算部4dには、車速VとクリープトルクTcrとの対応マップ(map3)が例えば図4に示すように記憶されているため、車速センサ5より入力された車速Vに応じてクリープトルクTcrが選択器14へ入力されることになる。
したがって選択器14では、伝達トルクTcとクリープトルクTcrとのいずれか大きい方のトルクが選択され、クラッチトルクTclとしてクラッチ制御部4gへ出力されることになる。
[作用・効果]
このような制御によって本発明のクラッチ制御装置によれば、以下のような作用・効果を奏する。
まず、ドライバによってアクセルペダル6の踏み込み操作が行われた場合、オフセット補正量設定部4cにおいて、アクセル開度センサ6aから入力されたアクセル開度θが大きいほど、オフセット補正量Neoffが大きく設定される。これにより、式2を用いた伝達トルクTcの演算において、エンジン回転数Neが実際のエンジン回転数Neよりも小さく見積もられる。これにより、算出される伝達トルクTcを減少させることができ、エンジン1のエンジン回転数を上昇させることができる。つまりこれにより、アクセルペダル6の踏み込み操作時における加速性を上昇させることができる。
また、ドライバによるアクセルペダル6の踏み込み動作が急速になされた場合、車両の運転モードが通常モードであるときには、修正オフセット補正量設定部4fにおいて、単位時間あたりのオフセット補正量Neoffの変化量が所定量以下に制限されたものが、修正オフセット補正量Necorとして設定される。このため、オフセット補正量Neoffのステップ変化と比較して、伝達トルク演算部4eにおいて式2に従って算出される伝達トルクTcの変動を緩慢にすることができる。
例えば、図8(a)に示すように、修正オフセット補正量Necorを穏やかに増加させることができ、これにより、式2において伝達トルクTcの急速な減少を緩和することができる。したがって、クラッチ2において出力トルクの立ち上がりの遅れを防止することができ、アクセル6の踏み込み動作に対する加速感の発生がワンテンポ遅れることなく、ドライバにとって良好な操作フィーリングとすることができる。
また、例えば図8(d)に示すように、アクセルペダルの急速な踏み戻し操作がなされたような場合においても、修正オフセット補正量Necorを穏やかに減少させることができる。したがって、急激な伝達トルクTcの増加を緩和することができ、クラッチが急激に締結してしまうことがなく、トルクショックや失速感の発生を防止することができる。
また、ドライバによるアクセルペダル6の踏み込み動作が急速になされた場合であって、車両の運転モードが高加速モードであるときには、修正オフセット補正量設定部4fにおいて、オフセット補正量Neoffの変動に対する1次応答遅れ関数として修正オフセット補正量Necorが設定される。このため、例えば図8(b)に示すように、修正オフセット補正量Necorはオフセット補正量Neoffと比較すると、その大きさの経時的変化が抑制されたような変動を示すことになる。したがって、上述の通常モード時と同様に、クラッチ2において出力トルクの立ち上がりの遅れを防止することができる。
さらに、通常モード時と比較すると、修正オフセット補正量Necorが、オフセット補正量Neoffのステップ変化と同時に反応してオフセット補正量Neoffの変化に漸近するため、アクセルペダルの踏み込み直後における修正オフセット補正量Necorの変動にやや増加傾向(変動促進傾向)を与えることができる。これにより、通常モード時よりもアクセルペダル踏み込み直後の伝達トルクTcにやや減少傾向が与えられることになり、エンジン回転数を上昇させて、加速性を向上させることができる。
また、ドライバによるアクセルペダル6の踏み込み動作が急速になされた場合であって、車両の運転モードが高応答モードの場合には、修正オフセット補正量設定部4fにおいて、オフセット補正量Neoffの変動に対する2次応答遅れ関数として修正オフセット補正量Necorが設定される。このため、例えば、図8(c)に示すように、オフセット補正量Neoffと比較して、修正オフセット補正量Necorの経時的変化を抑制させることができ、上述の各モード同様、出力トルクの立ち上がりの遅れを防止することができる。
さらに、通常モードと比較すると、修正オフセット補正量Necorが、オフセット補正量Neoffのステップ変化に対してやや遅れて反応するむだ時間的な応答遅れを含んでオフセット補正量Neoffの変化に追従するため、アクセルペダルの踏み込み直後における修正オフセット補正量Necorの変動にやや減少傾向(変動抑制傾向)を与えることができる。これにより、通常モード時よりもアクセルペダル踏み込み直後の伝達トルクTcにやや増加傾向が与えられることになり、通常モードと比較してクラッチを解放側へ制御するタイミングを遅らせることができ、応答性を改善することができる。
このように、本実施形態のクラッチ制御装置によれば、簡素な構成で、ドライバの好みや用途に応じて設定される運転モードに適したクラッチ制御を実施することができる。また、いずれの運転モードにおいても、アクセル開度θの急速な変化に対して、伝達トルクTcの急変を抑制することができ、エンジン回転数Neの補正量としての修正オフセット補正量Necorの変動を緩慢にすることができる。したがって、ドライバのアクセル操作フィーリングと実際のアクセル操作に係るクラッチ制御とを調和させることができ、操作性を向上させることができる。
なお、車両の発進直後において、クリープトルク演算部4dでは、車速Vが小さいほど大きなクリープトルクTcrが設定される。このとき、伝達トルク演算部4eで演算される伝達トルクTcよりもクリープトルクTcrが大きい場合には、クリープトルクTcrがクラッチトルクTclとして出力される。したがって、クラッチ2に対して、車両発進時に車両をクリープ走行させることが可能なクラッチのトルク伝達量を確保することができ、例えば、一般的な自動変速機のトルクコンバータにおいてアイドリング時に伝達されるトルクに相当するトルク量を与えることができる。これにより、トルクコンバータを搭載しない車両においても、トルコンライクな操作感を実現することができる。
[その他]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態では、運転モードとして予め通常モード,高加速モード及び高応答モードの3種のモードが設定されているが、運転モードの種類や数はこれに限定されるものではない。また、各運転モードにおける特性〔例えば、図8(a)〜(d)に示されたような修正オフセット補正量の特性等〕の設定についても任意であり、修正オフセット補正量Necorはオフセット補正量Neoffの経時的変化を抑制したものであればどのようなものでもよく、例えばクラッチ制御に係る各種パラメータの関数として与えられてもよい。
また、上述の実施形態では、車両をクリープ走行させるためのクリープトルクを演算するクリープトルク演算部4dを備えた構成となっているが、これについては必須の構成要素ではなく、例えばこのようなクリープトルクを演算する機能部を備えないクラッチ制御装置であってもよい。
また、上述の実施形態では、オフセット補正量設定部4cにおいて、アクセル開度θが大きいほど、エンジン回転数Neの減算補正量としてのオフセット補正量Neoffを大きく設定されるようになっているが、アクセル開度θとオフセット補正量Neoffとの対応付けは任意である。
例えば、アクセル開度θが小さい場合にオフセット補正量Neoffを大きく設定するとともに、アクセル開度θが大きい場合にオフセット補正量Neoffを小さく設定して、アクセル開度θの増加に対してオフセット補正量Neoffが漸減するような構成としてもよい。この場合、上述の実施形態とは逆に、アクセルペダルの踏み込みに対するエンジンの吹け上がりを抑制することができ、エンジン回転数の変動を安定化させて、クラッチ2の発熱量を抑えることができる。
本発明の一実施形態にかかるクラッチ制御装置が適用された車両の駆動系装置の全体構成を示す模式的構成図である。 本発明の一実施形態にかかるクラッチ制御装置におけるアクセル開度とオフセット補正量との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかるクラッチ制御装置における速度比とトルク係数との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかるクラッチ制御装置における車速とクリープトルクとの関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかるクラッチ制御装置のECUにおけるクラッチの制御内容を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態にかかるクラッチ制御装置のECUにおける修正オフセット補正量を設定するためのフローチャートである。 本発明の一実施形態にかかるクラッチ制御装置におけるクラッチトルクの算出過程を示す制御ブロック図である。 本発明の一実施形態にかかるクラッチ制御装置による修正オフセット補正量の設定内容を説明するためのグラフであり、(a)はアクセル開放時においてオフセット補正量の変化量が制限された場合の修正オフセット補正量の経時的変化を示し、(b)はアクセル開放時においてオフセット補正量の一次遅れ関数を用いた場合の修正オフセット補正量の経時的変化を示し、(c)はアクセル開放時においてオフセット補正量の二次遅れ関数を用いた場合の修正オフセット補正量の経時的変化を示し、(d)はアクセル閉鎖時においてオフセット補正量の変化量が制限された場合の修正オフセット補正量の経時的変化を示すものである。
符号の説明
1 エンジン
1a エンジン回転数センサ(エンジン回転数検出手段)
2 湿式多板クラッチ(摩擦クラッチ,クラッチ)
2a 駆動側係合要素
2b 被駆動側係合要素
3a 駆動側回転数センサ
3b 被駆動側回転数センサ
4 ECU(コントローラ)
4a クラッチ速度比検出部(クラッチ速度比検出手段)
4b トルク係数設定部(トルク係数設定手段)
4c オフセット補正量設定部(オフセット補正量設定手段)
4d クリープトルク演算部(クリープトルク演算手段)
4e 伝達トルク演算部(伝達トルク演算手段)
4f 修正オフセット補正量設定部(修正オフセット補正量設定手段)
4g クラッチ制御部(クラッチ制御手段)
4h 運転モード判定部(運転モード判定手段)
5 車速センサ(車両速度検出手段)
6 アクセルペダル
6a アクセル開度センサ(アクセル操作量相当値検出手段)
7 変速機
8 駆動輪
9 クラッチ制御装置

Claims (10)

  1. 車両のエンジンの駆動力を伝達する動力伝達軸上に介装された摩擦クラッチの伝達トルクを制御するクラッチ制御装置であって、
    該エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
    アクセルペダルの操作量に相当するアクセル操作量相当値を検出するアクセル操作量相当値検出手段と、
    該クラッチの駆動側及び被駆動側の回転の速度比を検出するクラッチ速度比検出手段と、
    該クラッチ速度比検出手段で検出された該速度比に基づき、該伝達トルクの演算に係るトルク係数を設定するトルク係数設定手段と、
    該アクセル操作量相当値検出手段で検出された該アクセル操作量相当値に基づいて、演算上、エンジン回転数を減少方向へオフセットさせるオフセット補正量を設定するオフセット補正量設定手段と、
    該アクセル操作量相当値検出手段で検出された該アクセル操作量相当値の変化に対して該オフセット補正量設定手段で設定された該オフセット補正量の経時的変化を抑制するように、該オフセット補正量を補正して修正オフセット補正量を設定する修正オフセット補正量設定手段と、
    該エンジン回転数検出手段で検出された該エンジン回転数と、該トルク係数設定手段で設定された該トルク係数と、該修正オフセット補正量設定手段で設定された該修正オフセット補正量とに基づき、該クラッチが伝達すべき伝達トルクを演算する伝達トルク演算手段と、
    該伝達トルク補正手段によって演算された該伝達トルクに基づき、該クラッチの係合状態を制御するクラッチ制御手段とを備えた
    ことを特徴とする、クラッチ制御装置。
  2. 該修正オフセット補正量設定手段は、単位時間あたりの該オフセット補正量の変化量を所定量以下に制限したものを、該修正オフセット補正量として設定する
    ことを特徴とする、請求項1記載のクラッチ制御装置。
  3. 該修正オフセット補正量設定手段は、該オフセット補正量の変動に対する応答遅れ関数として該修正オフセット補正量を設定する
    ことを特徴とする、請求項1記載のクラッチ制御装置。
  4. 該車両における該伝達トルクの演算に係る運転モードを判定する運転モード判定手段を備えるとともに、
    該修正オフセット補正量設定手段は、該運転モードに応じて異なる修正オフセット補正量を設定する
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のクラッチ制御装置。
  5. 該伝達トルク演算手段は、該伝達トルクをTcとし、該トルク係数をCとし、該エンジン回転数をNeとし、該修正オフセット補正量をNecorとしたときに、下記の式
    c=C×(Ne−Necor2
    を用いて該伝達トルクを演算することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のクラッチ制御装置。
  6. 該オフセット補正量設定手段は、該アクセル操作量相当値が小さい場合には該オフセット補正量を小さな値に設定すると共に該アクセル操作量相当値が大きい場合には該オフセット補正量を大きな値に設定し、該アクセル操作量相当値の増加に従い該オフセット補正量を漸増させて設定する
    ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のクラッチ制御装置。
  7. 該オフセット補正量設定手段は、該アクセル操作量相当値が小さい場合には該オフセット補正量を大きな値に設定すると共に該アクセル操作量相当値が大きい場合には該オフセット補正量を小さな値に設定し、該アクセル操作量相当値の増加に従い該オフセット補正量を漸減させて設定する
    ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のクラッチ制御装置。
  8. 車両の走行速度を検出する車両速度検出手段と、
    該車両速度検出手段で検出された該走行速度に基づき、該車両をクリープ走行させるためのクリープトルクを演算するクリープトルク演算手段とを備えるとともに、
    該伝達トルク演算手段は、該エンジン回転数と該トルク係数と該修正オフセット補正量とに基づいて演算されるトルクと、該クリープトルク演算部で演算された該クリープトルクとのいずれか大きい方のトルクを該クラッチが伝達すべき該伝達トルクとして演算することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のクラッチ制御装置。
  9. 車両のエンジンの駆動力を伝達する動力伝達軸上に介装されたクラッチの伝達トルクを制御するクラッチの制御方法であって、
    該エンジンの回転数,該クラッチの駆動側及び被駆動側の回転の速度比及びアクセルペダルの操作量に相当するアクセル操作量相当値を検出し、
    該速度比に基づいて該伝達トルクの演算に係るトルク係数を設定し、
    該アクセル操作量相当値に基づいて、演算上、エンジン回転数を減少方向へオフセットさせるオフセット補正量を設定するとともに、
    該アクセル操作量相当値の変化に応じた該オフセット補正量の経時的変化を抑制するように、該オフセット補正量を補正して修正オフセット補正量を設定し、
    該エンジン回転数と該トルク係数と該修正オフセット補正量とに基づいて該クラッチが伝達すべき伝達トルクを演算して、該伝達トルクに基づく該クラッチの断接制御を実施する
    ことを特徴とする、クラッチ制御方法。
  10. 該伝達トルクをTcとし、該トルク係数をCとし、該エンジン回転数をNeとし、該修正オフセット補正量をNecorとしたときに、下記の式
    c=C×(Ne−Necor2
    を用いて該伝達トルクを演算することを特徴とする、請求項9記載のクラッチ制御方法。
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