JP4089395B2 - 自動変速機の制御装置および制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機の制御装置および制御方法に関し、特に車両の停止時においてニュートラル制御を行なう技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両の停止中に自動変速機のシフトポジションが前進走行レンジ(たとえば、Dレンジ)であるとき、所定の条件が成立するとニュートラル制御が実行される。この制御が実行されると、前進段を形成する摩擦係合要素は係合から解放の状態に切換わり、トルクの伝達を遮断する。これにより、燃料消費効率は向上し、振動は抑制される。その後、運転者がアクセルを踏むとその摩擦係合要素は再び係合し、自動変速機が前進段を形成して車両は発進する。
【0003】
しかし、このニュートラル制御が実行されている場合に車両を発進させようとすると、遅延が生じるという問題がある。この遅延は、摩擦係合要素がニュートラル制御時には解放されており、その摩擦係合要素が再び係合されるまで時間を要するために生じる。
【0004】
特開昭60−220260号公報(特許文献1)は、この問題を解決するために、クラッチをスリップ状態にするニュートラル制御装置を開示する。この公報に開示された制御装置は、エンジンのアイドリング運転を検出するアイドル検出回路と、走行レンジを検出する走行レンジ検出回路と、トルクコンバータの入出力回転数差を検出する回転数差検出回路と、走行レンジでのアイドリング運転中に入出力回転数差がクリープを防止するために必要な所定値となるようにクラッチをスリップ状態にするクラッチ制御回路とを含む。
【0005】
この制御装置によると、走行レンジ検出回路が走行レンジを検出した場合に、アイドル検出回路がエンジンのアイドリング運転を検出すると、回転数差検出回路はトルクコンバータの入出力回転数の差を検出する。この差が目標値として予め算出された回転数差よりも大きい場合、クラッチ制御回路は、入出力回転数差がその目標値となるようにクラッチをスリップ状態にする。これにより、ニュートラル制御が実行されクラッチは解放されるが、クラッチは完全に解放されていないため、ニュートラル制御が運転者のアクセル操作などにより解除されるとクラッチは速やかに係合して車両は発進する。
【0006】
【特許文献1】
特開昭60−220260号公報(第1−2頁、第8図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に開示されたニュートラル制御装置によると、クラッチの係合圧の制御には、以下に述べるように、燃費に関して問題があった。
【0008】
すなわち、ニュートラル制御の実行時にニュートラル状態(Nレンジ)における燃費と同等の燃費を得るためには、クラッチがほとんど接触していない状態を維持する必要がある。前述のニュートラル制御装置は、エンジン回転数(NE)または変速機の入力回転数(NT)の変化に基づいて、その状態を検出していた。すなわち、目標差回転(NE−NT)が一定値となるようにスリップ制御することで、クラッチピストンがクラッチから離れていないことを検出していた。しかし、このようなスリップ状態を検出してピストンとクラッチとの状態を検出する場合、製造ばらつきや引きずりトルクによる温度変化を考慮すると、目標差回転(NE−NT)は、余裕を考慮して大きくする必要があった。その結果、引きずりトルクが大きくなり、アイドリング状態を維持するための燃料噴射量が増加し、燃費が悪くなるという問題があった。
【0009】
また、回転数センサにより検出される回転数のばらつき、あるいはNレンジにおける回転数差のばらつきを考慮すると、Nレンジにおける回転数差を学習してニュートラル制御時の目標回転数を燃料消費が抑制される限界の回転数に設定することができないという問題があった。
【0010】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ニュートラル制御の実行時における燃料消費を抑制することができる自動変速機の制御装置および制御方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る制御装置は、車両の動力源への燃料噴射量および吸入空気量のいずれかを検知するための検知手段と、燃料噴射量および吸入空気量のいずれかに基づいて、発進クラッチの油圧を算出するための油圧算出手段と、算出された油圧を供給するように、油圧装置を制御するための制御手段とを含む。
【0012】
第1の発明によると、制御装置は、ニュートラル制御を実行する自動変速機を制御する。ニュートラル制御とは、自動変速機のシフトポジションが前進走行レンジである場合に所定の条件が成立すると、発進クラッチに所定の係合状態を形成させる制御である。この係合状態とは、たとえば発進クラッチの入力側および出力側がかすかに接触している状態である。この制御装置の検知手段が、車両の動力源(たとえばエンジン)への燃料噴射量および吸入空気量のいずれか(以下、「燃料噴射量等」という。)を検知すると、油圧算出手段は、燃料噴射量等に基づいて発進クラッチの油圧を算出する。たとえば、油圧が減少補正されるように算出される。制御手段が油圧装置を制御すると、算出された油圧が発進クラッチに供給されて、発進クラッチの係合状態は変化する。このとき、動力源に対する負荷が発進クラッチの「引きずり」により変化すると、燃料噴射量等が変化する。検知される燃料噴射量等に変化が見られなくなると、算出される油圧は一定になるため、発進クラッチはそのときの係合状態を維持する。このように、発進クラッチの係合状態の変化は燃料噴射量等に反映されるため、燃料噴射量等に基づいて発進クラッチの油圧を制御することにより、発進クラッチの入出力側がかすかに接触した状態を形成することができる。これにより、動力源は、アイドリング状態を維持するために、燃料を消費して出力を増加する必要がなくなる。その結果、ニュートラル制御の実行時における燃料消費を抑制することができる自動変速機の制御装置を提供することができる。
【0013】
第2の発明に係る制御装置は、第1の発明の構成に加えて、油圧算出手段は、発進クラッチの油圧を減少させたときに燃料噴射量および吸入空気量のいずれかの減少量が予め定められた減少量を上回ると、予め定められた補正量に基づいて油圧を算出するための手段を含む。
【0014】
第2の発明によると、発進クラッチの油圧を低減させたときに燃料噴射量および吸入空気量のいずれかの減少量が予め定められた減少量を上回る場合(すなわちいずれかが予め定められた減少量以上に減少する場合)、発進クラッチの油圧は減少補正され、発進クラッチはさらに解放される。発進クラッチの係合状態の変化(係合から解放への変化)は、燃料消費効率に直接影響する燃料噴射量および吸入空気量のいずれかの減少として反映されるため、そのいずれかの減少に基づいて発進クラッチの油圧を補正することにより、発進クラッチの係合状態をその入出力側がかすかに接触した状態とすることができる。
【0015】
第3の発明に係る制御装置は、第1の発明の構成に加えて、油圧を減少させたときに、燃料噴射量および吸入空気量のいずれかの減少量が予め定められた第1の基準量を下回ると、減少させた油圧および減少させる前の油圧のいずれかの油圧を記憶するための油圧記憶手段をさらに含む。
【0016】
第3の発明によると、発進クラッチの油圧を減少させたときに、燃料噴射量および吸入空気量のいずれかの減少量が予め定められた第1の基準量を下回ると(すなわち、そのいずれかが第1の基準量ほど減少しない場合)、減少させた油圧および減少させる前の油圧のいずれかの油圧が記憶される。たとえば、このいずれかの油圧は、燃料噴射量および吸入空気量のいずれかの減少量に大きさに基づいて記憶される。したがって、この記憶された油圧を次回のニュートラル制御の実行時に読み出して油圧装置に供給させると、発進クラッチを所定の係合状態に切換えるまでの時間を短くすることができる。
【0017】
第4の発明に係る制御装置は、第3の発明の構成に加えて、油圧記憶手段は、燃料噴射量および吸入空気量のいずれかの減少量が第1の基準量を下回り、かつそれらのいずれかの減少量が第2の基準量を上回ると、減少させた油圧を記憶するための手段を含む。
【0018】
第4の発明によると、燃料噴射量および吸入空気量のいずれかの減少量が第2の基準量より大きく第1の基準量より小さいとき、減少補正された時の油圧が記憶される。すなわち、発進クラッチを解放することにより、燃料消費を抑制する効果がなおも得られるとき、発進クラッチを解放した時の油圧が記憶される。
【0019】
第5の発明に係る制御装置は、第3の発明の構成に加えて、油圧記憶手段は、燃料噴射量および吸入空気量のいずれかの減少量が第1の基準量を下回り、かつそれらのいずれかの減少量が第2の基準量を下回ると、減少させる前の油圧を記憶するための手段を含む。
【0020】
第5の発明によると、燃料噴射量および吸入空気量のいずれかの減少量が第2の基準量よりも小さい場合、減少される前の油圧が記憶される。すなわち、油圧を減少させても燃料消費の抑制効果がほとんどない場合、減少される前の油圧が記憶される。これにより、発進クラッチが必要以上に解放されることを防止できる。
【0021】
第6の発明に係る制御装置は、第3〜5のいずれかの発明の構成に加えて、油圧記憶手段が燃料噴射量および吸入空気量のいずれかの油圧を記憶した回数を算出するための回数算出手段をさらに含む。油圧算出手段は、回数が予め定められた回数を下回ると補正量を大きくし、かつ回数が予め定められた回数を上回ると補正量を小さくして補正することにより、油圧を算出するための手段を含む。
【0022】
第6の発明によると、回数算出手段は、燃料噴射量および吸入空気量のいずれかの油圧が記憶された回数を算出する。その記憶された回数が予め定められた回数を越えるまで、油圧は大きく補正される。すなわち、発進クラッチの油圧の記憶(いわゆる「学習」)が予め定められた回数実行されるまで、ニュートラル制御時における油圧は大きく補正される。その記憶が予め定められた回数実行されると、油圧は小さく補正される。このようにすると、ニュートラル制御において油圧の記憶による学習がある程度行われた後は、油圧の微小な補正を実行することができる。
【0023】
第7の発明に係る制御装置は、第1〜6のいずれかの発明の構成に加えて、検知手段は、予め定められた変化量および変化率のいずれかに基づいて油圧を変化させることにより、燃料噴射量および吸入空気量のいずれかを検知するための手段を含む。
【0024】
第7の発明によると、予め定められた変化量および変化率のいずれかに基づいて油圧を変化させることにより、燃料噴射量および吸入空気量のいずれかを検知することができる。
【0025】
第8の発明に係る制御方法は、車両の動力源への燃料噴射量および吸入空気量のいずれかを検知する検知ステップと、燃料噴射量および吸入空気量のいずれかに基づいて、発進クラッチの油圧を算出する油圧算出ステップと、算出された油圧を供給するように、油圧装置を制御する制御ステップとを含む。
【0026】
第8の発明によると、制御方法は、ニュートラル制御を実行する自動変速機を制御する。ニュートラル制御とは、自動変速機のシフトポジションが前進走行レンジである場合に所定の条件が成立すると、発進クラッチに所定の係合状態を形成させる制御である。この係合状態とは、たとえば発進クラッチの入力側および出力側がかすかに接触している状態である。この制御方法の検知ステップが、車両の動力源(たとえばエンジン)への燃料噴射量および吸入空気量のいずれか(以下、「燃料噴射量等」という。)を検知すると、油圧算出ステップは、燃料噴射量等に基づいて発進クラッチの油圧を算出する。たとえば、油圧が減少補正されるように算出される。制御ステップが油圧装置を制御すると、算出された油圧が発進クラッチに供給されて、発進クラッチの係合状態は変化する。このとき、動力源に対する負荷が発進クラッチの「引きずり」により変化すると、燃料噴射量等が変化する。検知される燃料噴射量等に変化が見られなくなると、算出される油圧は一定になるため、発進クラッチはそのときの係合状態を維持する。このように、発進クラッチの係合状態の変化は燃料噴射量等に反映されるため、燃料噴射量等に基づいて発進クラッチの油圧を制御することにより、発進クラッチの入出力側がかすかに接触した状態を形成することができる。これにより、動力源は、アイドリング状態を維持するために、燃料を消費して出力を増加する必要がなくなる。その結果、ニュートラル制御の実行時における燃料消費を抑制することができる自動変速機の制御方法を提供することができる。
【0027】
第9の発明に係る制御方法は、第8の発明の構成に加えて、油圧算出ステップは、発進クラッチの油圧を減少させたときに燃料噴射量および吸入空気量のいずれかの減少量が予め定められた減少量を上回ると、予め定められた補正量に基づいて油圧を算出するステップを含む。
【0028】
第9の発明によると、発進クラッチの油圧を低減させたときに燃料噴射量および吸入空気量のいずれかの減少量が予め定められた減少量を上回る場合(すなわちいずれかが予め定められた減少量以上に減少する場合)、発進クラッチの油圧は減少補正され、発進クラッチはさらに解放される。発進クラッチの係合状態の変化(係合から解放への変化)は、燃料消費効率に直接影響する燃料噴射量および吸入空気量のいずれかの減少として反映されるため、そのいずれかの減少に基づいて発進クラッチの油圧を補正することにより、発進クラッチの係合状態をその入出力側がかすかに接触した状態とすることができる。
【0029】
第10の発明に係る制御方法は、第8の発明の構成に加えて、油圧を減少させたときに、燃料噴射量および吸入空気量のいずれかの減少量が予め定められた第1の基準量を下回ると、減少させた油圧および減少させる前の油圧のいずれかの油圧を記憶する油圧記憶ステップをさらに含む。
【0030】
第10の発明によると、発進クラッチの油圧を減少させたときに、燃料噴射量および吸入空気量のいずれかの減少量が予め定められた第1の基準量を下回ると(すなわち、そのいずれかが第1の基準量ほど減少しない場合)、減少させた油圧および減少させる前の油圧のいずれかの油圧が記憶される。たとえば、このいずれかの油圧は、燃料噴射量および吸入空気量のいずれかの減少量に大きさに基づいて記憶される。したがって、この記憶された油圧を次回のニュートラル制御の実行時に読み出して油圧装置に供給させると、発進クラッチを所定の係合状態に切換えるまでの時間を短くすることができる。
【0031】
第11の発明に係る制御方法は、第10の発明の構成に加えて、油圧記憶ステップは、燃料噴射量および吸入空気量のいずれかの減少量が第1の基準量を下回り、かつそれらのいずれかの減少量が第2の基準量を上回ると、減少させた油圧を記憶するステップを含む。
【0032】
第11の発明によると、燃料噴射量および吸入空気量のいずれかの減少量が第2の基準量より大きく第1の基準量より小さいとき、減少補正された時の油圧が記憶される。すなわち、発進クラッチを解放することにより、燃料消費を抑制する効果がなおも得られるとき、発進クラッチを解放した時の油圧が記憶される。
【0033】
第12の発明に係る制御方法は、第10の発明の構成に加えて、油圧記憶ステップは、燃料噴射量および吸入空気量のいずれかの減少量が第1の基準量を下回り、かつそれらのいずれかの減少量が第2の基準量を下回ると、減少させる前の油圧を記憶するステップを含む。
【0034】
第12の発明によると、燃料噴射量および吸入空気量のいずれかの減少量が第2の基準量よりも小さい場合、減少される前の油圧が記憶される。すなわち、油圧を減少させても燃料消費の抑制効果がほとんどない場合、減少される前の油圧が記憶される。これにより、発進クラッチが必要以上に解放されることを防止できる。
【0035】
第13の発明に係る制御方法は、第10〜12のいずれかの発明の構成に加えて、油圧記憶ステップが燃料噴射量および吸入空気量のいずれかの油圧を記憶した回数を算出する回数算出ステップをさらに含む。油圧算出ステップは、回数が予め定められた回数を下回ると補正量を大きくし、かつ回数が予め定められた回数を上回ると補正量を小さくして補正することにより、油圧を算出するステップを含む。
【0036】
第13の発明によると、回数算出ステップは、燃料噴射量および吸入空気量のいずれかの油圧が記憶された回数を算出する。その記憶された回数が予め定められた回数を越えるまで、油圧は大きく補正される。すなわち、発進クラッチの油圧の記憶(いわゆる「学習」)が予め定められた回数実行されるまで、ニュートラル制御時における油圧は大きく補正される。その記憶が予め定められた回数実行されると、油圧は小さく補正される。このようにすると、ニュートラル制御において油圧の記憶による学習がある程度行われた後は、油圧の微小な補正を実行することができる。
【0037】
第14の発明に係る制御方法は、第8〜13のいずれかの発明の構成に加えて、検知ステップは、予め定められた変化量および変化率のいずれかに基づいて油圧を変化させることにより、燃料噴射量および吸入空気量のいずれかを検知するステップを含む。
【0038】
第14の発明によると、予め定められた変化量および変化率のいずれかに基づいて油圧を変化させることにより、燃料噴射量および吸入空気量のいずれかを検知することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0040】
図1に、本発明の実施の形態に係る制御装置を搭載した車両の制御ブロック図を示す。この車両は、ECT_ECU(Electronically Controlled Automatic Transmission_Electronic Control Unit)100と、自動変速機102と、エンジン106と、トルクコンバータ108とを備える。自動変速機102は、後述するように複数の係合要素を含み、予め定められた条件に基づいて係合状態を切換えることにより所定の変速段を形成する。
【0041】
エンジン106には、水温センサ112、スロットルセンサ114、エンジン回転数センサ116、インジェクタ120およびISC(Idle Speed Control)バルブ122が設けられている。トルクコンバータ108には、タービン回転数センサ124が設けられている。自動変速機102には、シフトポジションセンサ130、油温センサ132およびリニアソレノイド134が設けられている。
【0042】
ECT_ECU100には、エンジン回転数センサ106、車速センサ110、水温センサ112、スロットルセンサ114、タービン回転数センサ124および油温センサ132から各信号が入力される。ECT_ECU100は、インジェクタ120に信号を出力して、燃料(たとえば、ガソリン)の噴射量を制御する。ECT_ECU100は、ISCバルブ122に信号を出力して、エンジン106のアイドル回転数を制御する。ECT_ECU100は、シフトポジションセンサ130からの入力信号に基づいて、自動変速機102のシフトポジションを算出する。メモリ150には、走行履歴、油圧の指令値、補正量あるいは補正回数などが記憶される。
【0043】
図2に、本実施の形態に係る制御装置が制御する自動変速機102の係合要素の作動表を示す。「C0」〜「C2」および「B0」〜「B4」は摩擦係合要素である。なお、「C1」は、図1における摩擦係合要素(C1)160である。
【0044】
「○」は、摩擦係合要素が係合の状態であることを表わす。このとき、自動変速機102に入力されたトルクは、これらの摩擦係合要素を介して伝達される。「●」は、摩擦係合要素がトルクを伝達しない程度に係合の状態(かすかに接触している状態)であることを表わす。このとき油圧が増加し始めると、その摩擦係合要素は係合し始める。「◎」は、エンジンブレーキが作用しているときに、摩擦係合要素が係合の状態であることを表わす。「△」は、摩擦係合要素は係合の状態であるが、トルクを伝達しないことを表わす。
【0045】
図2を参照して、たとえば、自動変速機102の状態が「1st」(1速)である場合、エンジンブレーキが作用していないときは、「C0」、「C1」、「F0」および「F2」が係合している。エンジンブレーキが作用するときは、さらに、「B4」が係合の状態である。ニュートラル制御が自動変速機102において実行されると、摩擦係合要素「C1」はトルクを伝達しない程度に解放される(図2における「N制御」の状態)。
【0046】
なお、ニュートラル制御とは、車両が停止状態であり、シフトポジションが前進走行レンジであり、ブレーキがONであるとき、発進クラッチをトルクの伝達を遮断する程度に解放する制御である。このようにすると、発進クラッチの係合の遅延が防止できるため、発進時の「もたつき」がなくなるとともに、停止時における燃料消費を抑制することができる。
【0047】
図3を参照して、本実施の形態に係る制御装置にて実行されるメインプログラムの制御構造を、フローチャートに基づいて説明する。
【0048】
ステップ(以下「ステップ」をSと表わす。)102にて、ECT_ECU100は、車両の状態(車速、ブレーキスイッチのON/OFFの状態、自動変速機の作動油の温度、シフトポジション、燃料噴射量、吸入空気量、走行履歴など)を検出する。検出された情報は、ニュートラル制御の実行可否の判断(S104)、油圧を補正するタイミングの判断(S108)、油圧の補正処理の実行可否の判断(S114およびS118)などに使用される。
【0049】
S104にて、ECT_ECU100は、ニュートラル制御を実行する条件が成立しているか否かを判断する。この判断は、車速、ブレーキスイッチの状態、自動変速機のシフトポジション、自動変速機の作動油の温度等に基づいて行われる。たとえば、車両が停止しているとき、シフトポジションが走行レンジであり、ブレーキスイッチがONであり、作動油の温度が安定した温度であるとき、ニュートラル制御を実行する条件が成立していると判断される。ニュートラル制御を実行する条件が成立していると(S104にてYES)、処理はS200に移される。そうでないと(S104にてNO)、処理は終了する。
【0050】
S200にて、ECT_ECU100は、後述する油圧補正量算出処理を実行する。この処理が実行されることにより、摩擦係合要素(C1)160に供給される油圧の補正量(たとえば、油圧の減少量)が算出される。
【0051】
S106にて、ECT_ECU100は、摩擦係合要素(C1)160の油圧が一定油圧まで減少するように、指令値をリニアソレノイド134に出力する。ここで、「一定油圧」とは、前回のニュートラル制御の実行時にメモリ150に記憶された油圧に所定の油圧を加えた油圧をいう。このような「一定油圧」を目標値に設定すると、ニュートラル制御の実行に最適な油圧を算出することができる。リニアソレノイド134が油圧を低下させると、摩擦係合要素は係合の状態からその油圧の低下に応じて解放される。
【0052】
S108にて、ECT_ECU100は、摩擦係合要素(C1)160の作動油の油圧が「一定油圧」である時間が、予め定められた時間継続したか否かを判断する。この判断により、たとえば運転の開始直後の場合、車両の状態が安定するまでニュートラル制御の実行を待機させることができる。摩擦係合要素(C1)160の作動油の油圧が「一定油圧」である時間が予め定められた時間継続していると(S108にてYES)、処理はS112に移される。そうでないと(S108にてNO)、処理はS110に移される。
【0053】
S110にて、ECT_ECU100は、予め定められた時間待機する。この時間は予め設定しておいてもよいし、検出された車両の状態(たとえば、作動油の温度など)に基づいて待機時間を算出してもよい。このようにすると、ニュートラル制御の待機時間を柔軟に設定することができる。
【0054】
S112にて、ECT_ECU100は、摩擦係合要素(C1)160の油圧が「一定圧」だけ低下するように、指令値をリニアソレノイド134に出力する。ここで「一定圧」とは、S200にて算出された補正量である。なお、この一定圧は、S102にて検出された車両の状態に基づいて算出してもよい。
【0055】
S114にて、ECT_ECU100は、エンジン106に対する吸入空気量(あるいは燃料噴射量)が減少したか否かを判断する。この判断は、インジェクタ120あるいはISCバルブ122に出力している信号に基づいて行われる。吸入空気量(あるいは燃料噴射量)が減少すると(S114にてYES)、処理はS112に移される。そうでないと(S114にてNO)、処理はS116に移される。
【0056】
S116にて、ECT_ECU100は、摩擦係合要素(C1)160の油圧が一定圧だけ増加するように、指令値をリニアソレノイド134に出力する。摩擦係合要素は、油圧の増加に応じて係合される。
【0057】
S118にて、ECT_ECU100は、ISCバルブ122(あるいはインジェクタ120)への出力信号に基づいて、エンジン106に対する吸入空気量(あるいは燃料噴射量)が増加したか否かを判断する。吸入空気量(あるいは燃料噴射量)が増加すると(S118にてYES)、処理はS300に移される。そうでないと(S118にてNO)、処理はS116に移される。
【0058】
S300にて、ECT_ECU100は、後述する油圧学習処理を実行する。この処理が実行されると、ニュートラル制御が次回実行される場合に使用される油圧が、メモリ150に記憶される。
【0059】
図4を参照して、本実施の形態に係る制御装置にて実行される油圧補正量算出処理プログラム(図3におけるS200の処理)の制御構造を、フローチャートに基づいて説明する。
【0060】
S202にて、ECT_ECU100は、自動変速機102に対する油圧の更新履歴を読出す。この更新履歴は、補正された油圧の指令値をメモリ150にて更新した回数である。
【0061】
S204にて、ECT_ECU100は、更新履歴に基づいて、油圧を更新した回数が予め定められた所定回数以上であるか否かを判断する。この所定回数は、たとえば、自動変速機間の部品精度のばらつきによる油圧特性の差異を吸収できる程度の回数である。油圧を更新した回数が所定回数以上であるとき(S204にてYES)、処理はS206に移される。そうでないと(S204にてNO)、処理はS208に移される。
【0062】
S206にて、ECT_ECU100は、通常補正用の一定の作動油の油圧ΔP(1)を算出する。この「通常補正用の一定の作動油の油圧」とは、ニュートラル制御が既に予め定められた回数実行されている場合に、その制御に使用される油圧の補正値(油圧の減少量)である。すなわち、この油圧は、自動変速機間の部品精度のばらつきによる油圧特性の差異がなくなった後に使用される。このようにすると、安定した油圧特性に基づいて摩擦係合要素の係合状態を切換えることができる。なお、この補正値は予め算出しておいてもよい。その後、処理はメイン処理に戻される。
【0063】
S208にて、ECT_ECU100は、高速補正用の作動油の油圧ΔP(2)を算出する。この「高速補正用の作動油の油圧」とは、ニュートラル制御が予め定められた回数実行されるまで使用される油圧の補正値(油圧の減少量)である。すなわち、この補正値は、自動変速機間の油圧特性の相違がなくなるまで使用される。このようにすると、自動変速機間の個体差の影響を除外した油圧を算出することができる。そして、高速補正が行われた後は、「通常補正用の一定の作動油の油圧」が使用されることになる。なお、この補正値は予め算出しておいてもよい。その後、処理はメイン処理に戻される。
【0064】
図5を参照して、本実施の形態に係る制御装置にて実行される油圧学習処理プログラム(図2におけるS300の処理)の制御構造を、フローチャートに基づいて説明する。
【0065】
S302にて、ECT_ECU100は、吸入空気量(あるいは燃料噴射量)の増加量を読出す。この増加量とは、S118にて使用された吸入空気量(あるいは燃料噴射量)の増加量である。
【0066】
S304にて、ECT_ECU100は、読出した増加量が予め定められた一定値以上であるか否かを判断する。増加量が一定値以上であると(S304にてYES)、処理はS306に移される。そうでないと(S304にてNO)、処理はS308に移される。
【0067】
S306にて、ECT_ECU100は、次回のニュートラル制御を実行するときの目標油圧として、摩擦係合要素(C1)160の油圧を増加する前の油圧をメモリ150に記憶する。その後、処理はメイン処理に戻される。
【0068】
S308にて、ECT_ECU100は、次回のニュートラル制御を実行するときの目標油圧として、摩擦係合要素(C1)160を増加した後の油圧をメモリ150に記憶する。その後、処理はメイン処理に戻される。
【0069】
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る制御装置を実現するECT_ECU100の動作を説明する。
【0070】
車両が停車しているときに、各センサからの入力信号に基づいて、アクセル開度、ブレーキスイッチのON−OFFの状態、燃料噴射量などが検出される(S102)。ニュートラル制御を実行する条件が成立すると(S104にてYES)、油圧補正量算出処理が開始され、これまでの油圧の更新履歴がメモリ150から読出される(S202)。これまでの油圧の更新回数が予め定められた回数以上である場合(S204にてYES)、通常補正用の一定の作動油油圧ΔP(1)が算出される(S206)。
【0071】
摩擦係合要素(C1)160の油圧が一定油圧まで減少して(S106)、その一定油圧の状態が予め定められた時間継続すると(S108にてYES)、ECT_ECU100は、摩擦係合要素(C1)160の油圧を「一定圧」だけ減少させる(S112)。
【0072】
このとき、吸入空気量(あるいは燃料噴射量)が減少すると(S114にてYES)、ECT_ECU100は摩擦係合要素(C1)160の油圧を「一定圧」だけさらに低減させる(S112)。吸入空気量(あるいは燃料噴射量)が減少しなくなると(S114にてNO)、ECT_ECU100は摩擦係合要素(C1)160の油圧を一定油圧だけ増加させる(S116)。このとき吸入空気量(あるいは燃料噴射量)が増加すると(S118にてYES)、その増加量が取得される(S302)。
【0073】
その増加量が予め定められた値を上回ると(S304にてYES)、摩擦係合要素(C1)160の係合油圧が増加する前の油圧が、次回のニュートラル制御における目標油圧としてメモリ150に記憶される(S306)。
【0074】
図6に、本実施の形態に係る制御装置を搭載した車両に関する特性値の推移を示す。摩擦係合要素(C1)160の作動油の油圧は、時刻t(1)から時刻t(2)まで減少され(第1スイープ)、時刻t(2)から時刻t(3)まで緩やかに減少される(第2スイープ)。その油圧は、時刻t(3)からt(4)まで一定に保たれる。
【0075】
時刻t(4)にて油圧が低下すると、吸入空気量が徐々に減少する(図6(B))。同様に、エンジン106に対する燃料噴射量も減少する(図6(C))。
【0076】
時刻t(5)にて、作動油の油圧をさらに低下させても、時刻t(5)から時刻t(6)までの間、吸入空気量はほとんど変化しない(図6(B))。同様に、エンジン106に対する燃料噴射量も変化しない(図6(C))。
【0077】
そこで、時刻t(6)にて作動油の油圧を増加させると、吸入空気量が徐々に増加する(図6(B))。同様にエンジン106に対する燃料噴射量は増加する(図6(C))。このとき摩擦係合要素(C1)160は最適な状態、すなわちトルクを伝達しない程度に解放の状態である。したがって、そのときの油圧がメモリ150に記憶され、次回のニュートラル制御における油圧の目標値として設定される。
【0078】
このようにして、本発明の実施の形態に係る制御装置によると、吸入空気量あるいは燃料噴射量に基づいて、係合状態から解放される摩擦係合要素の油圧を最適な油圧にすることができる。この最適な圧力とは、ニュートラル制御の実行時における燃費を向上させ、車両の発進時に摩擦係合要素の迅速な係合を可能にする油圧である。
【0079】
<実施の形態の変形例>
以下、上述の実施の形態の変形例について説明する。自動変速機102に供給される作動油の油圧の補正は、図6(A)に示すように、一定の補正量が使用されたが(時刻t(4)〜t(5)あるいは時刻t(5)〜t(6))、これに限定されるものではない。たとえば図7に示すように、予め算出された油圧関数に基づいて、油圧が低減するように補正してもよい。
【0080】
図8を参照して、油圧関数に基づいて補正量が算出される場合について、本変形例に係る制御装置にて実行されるプログラムの制御構造を、フローチャートに基づいて説明する。図8と図3との相違点は、油圧補正量算出処理(S200)の実行タイミングが異なる点および油圧の補正量が油圧関数に基づいて算出される点である。なお、図3におけるステップ番号と同一の番号が付された処理は、ここでは繰り返さない。
【0081】
S104にて、ECT_ECU100は、入力された信号に基づいてニュートラル制御を実行する条件が成立しているか否かを判断する。ニュートラル制御を実行する条件が成立していると(S104にてYES)、処理はS106に移される。そうでないと(S104にてNO)、処理は終了する。
【0082】
S108にて、ECT_ECU100は、摩擦係合要素(C1)160の作動油の油圧が「一定油圧」である時間が予め定められた時間継続したか否かを判断する。摩擦係合要素(C1)160の作動油の油圧が「一定油圧」である時間が予め定められた時間継続すると(S108にてYES)、処理はS200に移される。そうでないと(S108にてNO)、処理はS110に移される。
【0083】
S200にて、ECT_ECU100は、油圧補正量算出処理を実行する。この算出は、予め設定された時間変化率に基づいて行われる。時間変化率は、たとえば油圧関数として予め記憶しておいてもよい。
【0084】
S1120にて、ECT_ECU100は、摩擦係合要素(C1)160の油圧をS200にて算出された油圧まで低減させる。これにより、摩擦係合要素(C1)160の油圧は、S200にて使用された時間変化率に応じて低下する。
【0085】
S114にて、ECT_ECU100は、エンジン106に対する吸入空気量(あるいは燃料噴射量)が減少したか否かを判断する。吸入空気量(あるいは燃料噴射量)が減少したと判断すると(S114にてYES)、処理はS200に移される。そうでないと(S114にてNO)、処理はS1160に移される。
【0086】
S1160にて、ECT_ECU100は、リニアソレノイド134に摩擦係合要素(C1)160の油圧を予め定められた時間変化率だけ増加させる。摩擦係合要素(C1)160は、油圧の増加に応じて係合する。
【0087】
S118にて、ECT_ECU100は、ISCバルブ122(あるいはインジェクタ120)への出力信号に基づいて、エンジン106に対する吸入空気量(あるいは燃料噴射量)が増加したか否かを判断する。吸入空気量(あるいは燃料噴射量)が増加したと判断すると(S118にてYES)、処理はS300に移される。そうでないと(S118にてNO)、処理はS200に移される。
【0088】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態の変形例に係る制御装置を実現するECT_ECU100の動作を説明する。なお、前述の実施の形態に係る制御装置の動作と同じ動作の説明は、ここでは繰り返さない。
【0089】
「一定油圧」の状態が所定時間継続すると(S108にてYES)、ECT_ECU100は、予め記憶された油圧関数に基づいて作動油の油圧の補正量を算出し(S200)、摩擦係合要素(C1)160の油圧を低減させる(S1120)。吸入空気量(あるいは燃料噴射量)が減少しなくなると(S114にてNO)、ECT_ECU100は、摩擦係合要素(C1)160の油圧を増加させる(S1160)。吸入空気量(あるいは燃料噴射量)が増加すると(S118にてYES)、その時の油圧を記憶して(S300)、処理を終了する。
【0090】
これにより、本実施の形態の変形例に係る制御装置によると、エンジン106の吸入空気量あるいはエンジン106への燃料噴射量が変化するとき、予め記憶された油圧関数に基づいて摩擦係合要素(C1)160の油圧を算出することができる。
【0091】
以上により、詳述した本発明の実施の形態に係る制御装置によると、車両の停止中に、燃料噴射量および吸入空気量のいずれかに基づいて、ニュートラル制御の実行に最適な油圧を算出することができる。この油圧が発進クラッチに供給されると、その発進クラッチは引き摺りを生じない程度に解放されるため、トルクの伝達が遮断される。その結果、エンジン106に対する負荷が低減され、燃料の噴射を抑制することができる。これにより、ニュートラル制御の実行時における燃料消費を抑制することができる自動変速機の制御装置を提供することができる。
【0092】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る制御装置を含む車両の制御ブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係る制御装置が制御する自動変速機の係合要素の作動表である。
【図3】 本発明の実施の形態に係る制御装置にて実行されるプログラムの制御構造を表わすフローチャート(その1)である。
【図4】 本発明の実施の形態に係る制御装置にて実行されるプログラムの制御構造を表わすフローチャート(その2)である。
【図5】 本発明の実施の形態に係る制御装置にて実行されるプログラムの制御構造を表わすフローチャート(その3)である。
【図6】 本発明の実施の形態に係る制御装置を搭載した車両の特性値の推移を示すタイミングチャート(その1)である。
【図7】 本発明の実施の形態に係る制御装置を搭載した車両の特性値の推移を示すタイミングチャート(その2)である。
【図8】 本発明の実施の形態の変形例に係る制御装置にて実行されるプログラムの制御構造を表わすフローチャートである。
【符号の説明】
100 ECT_ECU、102 自動変速機、106 エンジン、108 トルクコンバータ、110 車速センサ、112 水温センサ、114 スロットルセンサ、116 エンジン回転数センサ、118 ブレーキスイッチ、120 インジェクタ、122 ISCバルブ、124 タービン回転数センサ、130 シフトポジションセンサ、132 油温センサ、134 リニアソレノイド、150 メモリ、160 摩擦係合要素。
Claims (10)
- 車両に搭載された自動変速機を制御する制御装置であって、前記自動変速機のシフトポジションが前進走行レンジである場合に予め定められた条件が成立すると、前記前進走行レンジの選択に伴ない係合状態にあった発進クラッチによるトルク伝達を遮断する程度に油圧装置から前記発進クラッチへ供給される油圧を低減させるニュートラル制御が実行され、
前記車両の動力源への燃料噴射量および吸入空気量のいずれかを検知するための検知手段と、
前記検知手段により検知される前記燃料噴射量および前記吸入空気量のいずれかが前記油圧の低減に応じて減少するか否かに基づいて、前記ニュートラル制御の実行時における前記発進クラッチの油圧を算出するための油圧算出手段と、
前記算出された油圧を供給するように、前記油圧装置を制御するための制御手段とを含む、制御装置。 - 前記油圧算出手段は、前記燃料噴射量および前記吸入空気量のいずれかが前記油圧の低減に応じて減少しなくなったときの前記油圧に基づいて、前記ニュートラル制御の実行時における前記発進クラッチの目標油圧を算出する、請求項1に記載の制御装置。
- 前記ニュートラル制御が次回実行されるときの前記発進クラッチの目標油圧を記憶するための油圧記憶手段をさらに含み、
前記燃料噴射量および前記吸入空気量のいずれかが前記油圧の低減に応じて減少しなくなり、かつ、その後前記油圧を規定量だけ増加させたときに前記燃料噴射量および前記吸入空気量のいずれかが基準値以上増加した場合、前記油圧記憶手段は、前記規定量だけ前記油圧を増加させる前の油圧を前記目標油圧として記憶する、請求項1に記載の制御装置。 - 前記ニュートラル制御が次回実行されるときの前記発進クラッチの目標油圧を記憶するための油圧記憶手段をさらに含み、
前記燃料噴射量および前記吸入空気量のいずれかが前記油圧の低減に応じて減少しなくなり、かつ、その後前記油圧を規定量だけ増加させたときに前記燃料噴射量および前記吸入空気量のいずれかの増加量が基準値よりも少ない場合、前記油圧記憶手段は、前記規定量だけ前記油圧を増加させた後の油圧を前記目標油圧として記憶する、請求項1に記載の制御装置。 - 前記油圧記憶手段が前記目標油圧として前記油圧を記憶した回数を算出するための回数算出手段をさらに含み、
前記油圧算出手段は、前記回数算出手段によって算出された回数が予め定められた回数以上のとき、前記油圧を低減させる際の油圧補正量を第1の補正量とし、かつ前記算出された回数が前記予め定められた回数よりも少ないとき、前記油圧補正量を前記第1の補正量と異なる第2の補正量とすることにより、前記油圧を算出する、請求項3または請求項4に記載の制御装置。 - 車両に搭載された自動変速機を制御する制御方法であって、前記自動変速機のシフトポジションが前進走行レンジである場合に予め定められた条件が成立すると、前記前進走行レンジの選択に伴ない係合状態にあった発進クラッチによるトルク伝達を遮断する程度に油圧装置から前記発進クラッチへ供給される油圧を低減させるニュートラル制御が実行され、
前記車両の動力源への燃料噴射量および吸入空気量のいずれかを検知する検知ステップと、
前記検知ステップにより検知される前記燃料噴射量および前記吸入空気量のいずれかが前記油圧の低減に応じて減少するか否かに基づいて、前記ニュートラル制御の実行時における前記発進クラッチの油圧を算出する油圧算出ステップと、
前記算出された油圧を供給するように、前記油圧装置を制御する制御ステップとを含む、制御方法。 - 前記油圧算出ステップは、前記燃料噴射量および前記吸入空気量のいずれかが前記油圧の低減に応じて減少しなくなったときの前記油圧に基づいて、前記ニュートラル制御の実行時における前記発進クラッチの目標油圧を算出するステップを含む、請求項6に記載の制御方法。
- 前記燃料噴射量および前記吸入空気量のいずれかが前記油圧の低減に応じて減少するか否かを判定する第1の判定ステップと、
その後前記油圧を規定量だけ増加させたときに前記燃料噴射量および前記吸入空気量のいずれかが基準値以上増加するか否かを判定する第2の判定ステップと、
前記ニュートラル制御が次回実行されるときの前記発進クラッチの目標油圧を記憶する油圧記憶ステップとをさらに含み、
前記第1の判定ステップにおいて前記燃料噴射量および前記吸入空気量のいずれかが減少しないと判定され、かつ、前記第2の判定ステップにおいて前記燃料噴射量および前記吸入空気量のいずれかが前記基準値以上増加したと判定されたとき、前記油圧記憶ステップにおいて、前記規定量だけ前記油圧を増加させる前の油圧が前記目標油圧として記憶される、請求項6に記載の制御方法。 - 前記燃料噴射量および前記吸入空気量のいずれかが前記油圧の低減に応じて減少するか否かを判定する第1の判定ステップと、
その後前記油圧を規定量だけ増加させたときに前記燃料噴射量および前記吸入空気量のいずれかが基準値以上増加するか否かを判定する第2の判定ステップと、
前記ニュートラル制御が次回実行されるときの前記発進クラッチの目標油圧を記憶する油圧記憶ステップとをさらに含み、
前記第1の判定ステップにおいて前記燃料噴射量および前記吸入空気量のいずれかが減少しないと判定され、かつ、前記第2の判定ステップにおいて前記燃料噴射量および前記吸入空気量のいずれかの増加量が前記基準値よりも少ないと判定されたとき、前記油圧記憶ステップにおいて、前記規定量だけ前記油圧を増加させた後の油圧が前記目標油圧として記憶される、請求項6に記載の制御方法。 - 前記油圧記憶ステップにおいて前記目標油圧として前記油圧が記憶された回数を算出する回数算出ステップをさらに含み、
前記油圧算出ステップは、
前記回数算出ステップにおいて算出された回数が予め定められた回数以上のとき、前記油圧を低減させる際の油圧補正量を第1の補正量とするステップと、
前記算出された回数が前記予め定められた回数よりも少ないとき、前記油圧補正量を前記第1の補正量と異なる第2の補正量とするステップとを含む、請求項8または請求項9に記載の制御方法。
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