JP2006207430A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 クラッチの操作に応じて適切に燃料の供給量を制御する。
【解決手段】 エンジンECUは、車両が定常走行中に(S1000にてYES)、アクセルがオフされたときに(S1100にてYES)、クラッチストロークCsが予め定められた値A以下であると(S1200にてYES)、燃料の供給量について変化率(1)を設定するステップと(S1400)、クラッチストロークCsが予め定められた値B以下であると(S1300にてYES)、変化率(2)を設定するステップと(S1500)、クラッチストロークCsが予め定められた値Bより大きいと(S1300にてNO)、変化率(3)を設定するステップ(S1600)、燃料噴射制御を行なうステップ(S1700)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】 図2
【解決手段】 エンジンECUは、車両が定常走行中に(S1000にてYES)、アクセルがオフされたときに(S1100にてYES)、クラッチストロークCsが予め定められた値A以下であると(S1200にてYES)、燃料の供給量について変化率(1)を設定するステップと(S1400)、クラッチストロークCsが予め定められた値B以下であると(S1300にてYES)、変化率(2)を設定するステップと(S1500)、クラッチストロークCsが予め定められた値Bより大きいと(S1300にてNO)、変化率(3)を設定するステップ(S1600)、燃料噴射制御を行なうステップ(S1700)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、車両の制御装置に関し、特に、クラッチの状態に応じて燃料の噴射量を制御する制御装置に関する。
従来、手動変速機が搭載される車両において、運転者のアクセルペダルの操作量に基づいて、内燃機関への燃料の噴射量を制御する技術が開示される。特に、クラッチの係合時には、燃料噴射量が徐減するように制御されて、エンジンの減速トルクによるショックを抑制し、クラッチの解放時には、燃料の噴射をカットして燃費を改善することが望ましい。たとえば、特開2002−188658号公報(特許文献1)は、クラッチの係合或いは解放の信号としてクラッチスイッチからの信号を利用して適正な制御を行なうことができる車両用クラッチの係合状態判定装置を開示する。この係合状態判定装置は、運転者により操作されるクラッチペダルの操作位置を検出するクラッチスイッチを有し、クラッチペダルの回動操作により作動させられる車両用クラッチの係合状態判定装置である。係合状態判定装置は、クラッチスイッチからの信号によりクラッチペダルが操作されたか否かを判定するクラッチペダル操作判定手段と、車両のアクセルペダルが非操作状態であるか否かを判定するアクセルペダル非操作判定手段と、車両のエンジン回転速度が予め設定された低回転判定基準値以下であるか否かを判定するエンジン低回転判定手段と、クラッチペダル操作判定手段によりクラッチペダルが操作されたと判定されたときに、エンジン低回転判定手段によりエンジン回転速度が予め設定された低回転判定基準値以下であると判定され、且つアクセルペダル非操作判定手段によりアクセルペダルが非操作状態であると判定された場合には、車両用クラッチが係合している状態であると判定するクラッチ係合状態判定手段とを含む。
特許文献1に開示された係合状態判定装置によると、所定の制御すなわち燃料噴射量なまし制御に反映すべき車両走行状態でのみクラッチの係合状態と判定されることから、そうでないときには引き続き車両用クラッチが解放していると判定されることにより、クラッチスイッチの出力とクラッチの実際の係合状態とのずれの影響が最小限とされて、適正な制御が行なわれるので、車両のサージ或いはショックなどの不都合が好適に解消される。
特開2002−188658号公報
しかしながら、クラッチが半係合状態であるときにアクセルペダルがオフされると、燃料の噴射量が徐減するように制御されるため、クラッチの状態が解放状態となった後にも、燃料が噴射される期間が発生して、燃費が悪化するという問題がある。一方、クラッチが半係合状態であるときに、燃料の噴射をカットすると、エンジンの減速トルクに基づく駆動系の捩れが発生するため、クラッチの状態が解放状態となったときに、車両に振動が発生するという問題がある。
特許文献1に開示された係合状態判定装置においては、クラッチが係合している状態であるか係合していない状態であるかを判断しているため、上述のような問題が発生する場合がある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、クラッチの操作に応じて適切に燃料の供給量を制御する車両の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る車両の制御装置は、車両に搭載された内燃機関に供給する燃料の供給量を制御する車両の制御装置である。車両は、内燃機関と駆動輪との間の動力伝達経路上に設けられるクラッチを含む。制御装置は、運転者による内燃機関の出力要求状態を検知するための要求検知手段と、係合状態と、解放状態と、これらの間の半係合状態とを含む、クラッチの状態を検知するための状態検知手段と、出力要求状態に応じて、燃料の供給量の目標量を設定するための手段と、目標量に到達するまでの供給量の時間変化率を設定するための設定手段と、クラッチの状態に基づいて、変化率を変更して、供給量を制御するための制御手段とを含む。
第1の発明によると、運転者による内燃機関の出力要求状態(たとえば、アクセルペダルの操作量)に応じて、燃料の供給量の目標量が設定される。設定手段は、設定された目標量に到達するまでの供給量の時間変化率を設定する。制御手段は、クラッチの状態に基づいて、燃料の供給量の時間変化率を変更して、供給量を制御する。これにより、状態検知手段によりクラッチの状態を検知して、検知されたクラッチの状態が半係合状態であると、制御手段は、時間変化率を変更して、供給量を制御する。たとえば、制御手段は、クラッチが解放されていると時間変化率を大きくなるように設定し、クラッチが係合されていると時間変化率を小さくなるように設定し、クラッチが半係合状態であると時間変化率は係合状態と解放状態との間になるように設定する。このように、クラッチが係合状態であるときに、時間変化率が小さくなるように設定すると、エンジンの減速トルクの発生が抑制されるため、減速トルクに基づく振動が車両に発生しないようにできる。クラッチが半係合状態であるときに、係合状態であるときよりも時間変化率を大きく設定すると、エンジンの出力軸における負荷が低減することによるエンジン回転数の吹き上がりを抑制し、係合状態であるときよりも早期に燃料の供給量を目標量に到達させることができる。そのため、不要な燃料の噴射を抑制して燃費の悪化を抑制することができる。また、解放状態であるときよりも時間変化率を小さく設定すると、エンジンの減速トルクの発生が抑制されるため、減速トルクに基づく振動が車両に発生しないようにできる。クラッチが解放状態であるときに、半係合状態であるときよりも時間変化率を大きく設定すると、エンジンの出力軸における負荷が低減することによるエンジン回転数の吹き上がりを抑制し、半係合状態であるときよりも早期に燃料の供給量を目標量に到達させることができる。そのため、不要な燃料の噴射を抑制して燃費の悪化を抑制することができる。したがって、クラッチの操作に応じて適切に燃料の供給量を制御する車両の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る車両の制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、設定手段は、要求検知手段により出力を減少させる状態であることが検知されると、クラッチの状態が係合側の場合には変化率を小さく、クラッチの状態が解放側の場合には変化率を大きく、設定するための手段を含む。
第2の発明によると、設定手段は、出力要求状態が出力を減少させる状態(たとえば、アクセルオフ時)になると、クラッチの状態が係合状態側であると、変化率が小さくなり、クラッチの状態が解放状態側であると、変化率が大きくなるように設定する。クラッチが係合状態であるときに、時間変化率が小さくなるように設定すると、エンジンの減速トルクの発生が抑制されるため、減速トルクに基づく振動が車両に発生しないようにできる。クラッチが半係合状態であるときに、係合状態であるときよりも時間変化率を大きく設定すると、エンジンの出力軸における負荷が低減することによるエンジン回転数の吹き上がりを抑制し、係合状態であるときよりも早期に燃料の供給量を目標量に到達させることができる。そのため、不要な燃料の噴射を抑制して燃費の悪化を抑制することができる。また、解放状態であるときよりも時間変化率を小さく設定すると、エンジンの減速トルクの発生が抑制されるため、減速トルクに基づく振動が車両に発生しないようにできる。クラッチが解放状態であるときに、半係合状態であるときよりも時間変化率を大きく設定すると、エンジンの出力軸における負荷が低減することによるエンジン回転数の吹き上がりを抑制し、半係合状態であるときよりも早期に燃料の供給量を目標量に到達させることができる。そのため、燃費の悪化を抑制することができる。
第3の発明に係る車両の制御装置においては、第1または2の発明の構成に加えて、車両には、クラッチを操作するクラッチペダルが設けられる。状態検知手段は、クラッチペダルの操作量に基づいて、クラッチの状態を検知するための手段を含む。
第3の発明によると、状態検知手段は、クラッチペダルの操作量に基づいて、クラッチの状態を検知する。すなわち、クラッチペダルの操作量に基づいて、クラッチの状態が半係合状態であることを検知すると、燃料の供給量の時間変化率を適切に設定して、クラッチの状態に応じて適切に燃料の供給量を制御することができる。
第4の発明に係る車両の制御装置においては、第3の発明の構成に加えて、制御装置は、半係合状態に加えて、クラッチペダルの操作速度に応じて、変化率を変更するための手段をさらに含む。
第4の発明によると、制御装置は、半係合状態に加えて、クラッチペダルの操作速度に応じて、燃料の供給量の時間変化率を変更する。たとえば、クラッチペダルがすばやく操作された場合においては、燃料の供給量の制御に遅れが発生する場合がある。すなわち、クラッチの状態が早期に解放状態になったにも関わらず、燃料の供給量が大きい状態になる場合がある。そのため、燃費が悪化する可能性がある。したがって、クラッチペダルがすばやく操作されたことが検知されると、たとえば、クラッチペダルの操作量に対応する時間変化率よりも大きくなるように時間変化率を変更する。このようにすると、アクセルペダルがオフされた時のクラッチの操作時においては、速やかに燃料の供給量を目標量に到達させることができる。したがって、クラッチペダルがすばやく操作されても、応答遅れを抑制して燃費の悪化を抑制することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る車両の制御装置について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
図1に示すように、本実施の形態に係る車両の制御装置が搭載される車両には、エンジン100と、クラッチ102と、手動変速機104と、エンジンECU(Electronic Control Unit)200とが搭載される。なお、本実施の形態に係る車両の制御装置は、エンジンECU200で実行されるプログラムにより実現される。
図1に示すように、本実施の形態に係る車両の制御装置が搭載される車両には、エンジン100と、クラッチ102と、手動変速機104と、エンジンECU(Electronic Control Unit)200とが搭載される。なお、本実施の形態に係る車両の制御装置は、エンジンECU200で実行されるプログラムにより実現される。
エンジン100には、燃料噴射装置106が設けられる。燃料噴射装置106は、エンジンECU200からの制御信号に基づいて、エンジン100に対して燃料を供給する。エンジン100は、ポート噴射型のエンジンであってもよいし、直噴エンジンであってもよいし、ディーゼルエンジンであってもよく、特に限定されるものではない。
エンジン100の出力軸には、回転数センサ202が設けられる。回転数センサ202は、検知した出力軸の回転数に対応する検知信号をエンジンECU100に出力する。
また、エンジン100の出力軸は、クラッチ102に連結される。クラッチ102は、手動変速機104に連結される。本実施の形態において、クラッチ102は、たとえば、乾式単板式の摩擦クラッチであるが特にこれに限定されるものではない。クラッチ102は、クラッチ102が解放状態になることによりエンジン100から手動変速機104に伝達する動力を遮断したり、クラッチ102が係合状態になることにより、動力を伝達したりする。
クラッチ102と運転席に設けられるクラッチペダル108とは、クラッチシリンダ等を含む油圧回路を介して接続される。すなわち、クラッチ102は、クラッチペダル108の操作に応じて作動する。クラッチペダル108は運転者がクラッチペダル108を踏み込むように操作すると、クラッチ102は、エンジン100の出力軸に設けられるフライホイール(図示せず)から離れて解放状態となり、エンジン100からの動力が遮断される。また、運転者がクラッチペダル108の踏込みを止めるように操作すると、クラッチ102はフライホイールと当接して係合状態となり、エンジン100からの動力を手動変速機104に伝達する。
クラッチペダル108には、クラッチストロークセンサ204が設けられる。クラッチストロークセンサ204は、クラッチペダルの操作量に対応する検知信号をエンジンECU200に出力する。
また、運転席には、クラッチペダル108のほかにブレーキペダル(図示せず)やアクセルペダル110が設けられる。アクセルペダル110には、アクセルポジションセンサ206が設けられる。アクセルポジションセンサ206は、運転者によるアクセルペダル110の操作量に対応する検知信号をエンジンECU200に出力する。
本実施の形態に係る車両の制御装置であるエンジンECU200は、アクセルペダル110の操作量、クラッチペダル108の操作量および回転数センサに基づいて、燃料噴射装置におけるエンジン100に対する燃料の供給量を制御する。具体的には、エンジンECU200は、運転者による出力の要求状態、すなわち、アクセルペダル110の操作量に基づいて、燃料の供給量の目標量を設定する。そして、エンジンECU200は、設定された目標量に応じて、燃料の供給量の時間変化率を設定する。
特に、手動変速機104におけるシフトアップ時において、運転者は、アクセルペダル110を緩める。このとき、エンジンECU200は、アクセルペダル110がオフされたことにより、燃料の供給量が減少するように制御する。そして、車両は、惰性で走行する。クラッチが係合された状態で、燃料の供給量を速やかに減少、すなわち、燃料の供給をカットすると、エンジン100の減速トルクが駆動系である手動変速機104に付与される。減速トルクとは、惰性走行時の車両を減速させるように、エンジン100から駆動系に伝達されるトルクであって、いわゆるエンジンブレーキである。
減速トルクが手動変速機104に付与されると、減速トルクに基づく駆動系の捩れが発生する。駆動系の捩れとは、駆動系の伝達経路上のギヤのバックラッシュ(ガタ)が減速トルクが発生する側に詰まった状態である。駆動系に捩れが発生した状態であるときに、クラッチ102が解放状態になると、駆動系の捩れが開放する。駆動系の捩れが開放すると、ギヤの歯面同士が衝撃的に当たるガタ打ちが発生して、車両に振動が発生する。
一方、クラッチが係合された状態で、燃料の供給量を緩やかに減少させるようにすると、エンジン100の減速トルクの発生を抑制することができるため、駆動系の捩れの開放により発生する車両の振動を抑制することもできるが、クラッチ102が解放状態において、燃料が噴射されている期間があると、不要に燃料を噴射することとなり、燃費が悪化する。
そこで、本発明は、アクセルペダル110のオフ時にクラッチの状態に応じて、燃料の供給量の時間変化率を設定する点に特徴を有する。
以下、図2を参照して、本実施の形態に係る車両の制御装置であるエンジンECU200で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと記載する。)1000にて、エンジンECU200は、定常走行であるか否かを検知する。「定常走行」であるか否かは、たとえば、燃料の供給量が一定あるいは、予め定められた時間変化量以内であるか否かに基づいて判断されるが、特にこれに限定されるものではない。たとえば、回転数センサ202により検知されるエンジン100の出力軸の回転数の変化量が一定あるいは、予め定められた時間変化量以内であるか否かに基づいて判断するようにしてもよい。定常走行中であると判断されると(S1000にてYES)、処理はS1100に移される。もしそうでないと(S1000にてNO)、処理はS1000に戻される。
S1100にて、エンジンECU200は、アクセルペダル110がオフされたか否かを判断する。アクセルペダル110がオフされたか否かは、アクセルペダル110が緩められたか否か、すなわち、アクセルペダル110の操作量がエンジン100の出力を減少させる側に変化したか否かに基づいて判断される。アクセルペダル110がオフされると判断されると(S1100にてYES)、処理はS1200に移される。もしそうでないと(1100にてNO)、処理はS1000に戻される。
S1200にて、エンジンECU200は、クラッチストロークセンサ204により検知されるクラッチストロークCsが予め定められた操作量A以下であるか否かを判断する。「予め定められた値A」とは、本実施の形態において、たとえば、クラッチ102の係合状態と半係合状態との境界に対応するクラッチストローク量であるが、特にこれに限定されるものではない。すなわち、予め定められた値Aは、上記した境界よりも係合状態側であってもよいし、半係合状態側であってもよいものとする。クラッチストロークCsが予め定められた値A以下であると判断されると(S1200にてYES)、処理はS1400に移される。もしそうでないと(S1200にてNO)、処理はS1300に移される。
S1300にて、エンジンECU200は、クラッチストロークセンサ204により検知されるクラッチストロークCsが予め定められた値B以下であるか否かを判断する。「予め定められた値B」とは、本実施の形態において、たとえば、クラッチ102の半係合状態と解放状態との境界に対応するクラッチストローク量であるが、特にこれに限定されるものではない。すなわち、予め定められた値Bは、上記した境界よりも半係合状態側であってもよいし、解放状態側であってもよいものとする。クラッチストロークCsが予め定められた値B以下であると判断されると(S1300にてYES)、処理はS1500に移される。もしそうでないと(S1300にてNO)、処理はS1600に移される。
S1400にて、エンジンECU200は、燃料の供給量の時間変化率として変化率(1)を設定する。S1500にて、エンジンECU200は、燃料の供給量の時間変化率として変化率(1)よりも大きい変化率(2)を設定する。S1600にて、エンジンECU200は、燃料の供給量の時間変化率として変化率(2)よりも大きい変化率(3)を設定する。
S1700にて、エンジンECU200は、燃料噴射制御を行なう。すなわち、エンジンECU200は、アクセルペダル110に操作量に基づいて設定された燃料の供給量の目標量になるように、設定された変化率に基づいて、燃料の供給量を制御する。燃料噴射制御については、周知の技術を用いればよいため、その詳細は説明しない。
S1800にて、エンジンECU200は、目標量との差がゼロであるか否かを判断する。目標量との差がゼロであると判断されると(S1800にてYES)、処理は終了する。もしそうでないと(S1800にてNO)、処理はS1200に戻される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る車両の制御装置であるエンジンECU200の動作について図3を参照して説明する。
図3(A)に示すように、噴射量がF(1)で一定の状態で車両が定常走行しているときに(S1000にてYES)、クラッチ102が係合状態(継)から解放状態(切)になるようにクラッチペダル108が操作されるとする。クラッチペダル108の操作量がCs(3)であるときに、アクセルペダル110の開度Aが緩められると、すなわち、アクセルペダル110がオフされると(S1100にてYES)、エンジンECU200は、燃料の供給量の目標量をF(2)に設定する。アクセルペダル110がオフされたとき、クラッチストロークCsは、A以下であるため(S1200にてYES)、エンジンECU200は、燃料の供給量の時間変化率として変化率(1)を設定する(S1400)。燃料の供給量は、設定された変化率(1)に対応するように、F(1)から減少するように制御される(S1700)。
燃料の供給量と目標量F(2)との差がゼロではなく(S1800にてNO)、クラッチストロークCsがAより大きくなると(S1200にてNO)、クラッチ102は、半係合状態になるため、エンジン100における出力軸にかかる負荷が低下するため、エンジン回転数は、緩やかに低下するようになる。このとき、クラッチストロークCsがBより小さいため(S1300にてYES)、エンジンECU200は、燃料の供給量の時間変化率として、変化率(2)を設定する(S1500)。燃料の供給量は、設定された時間変化率(2)に対応するように、目標量F(2)に到達するように制御される(S1700)。噴射量が目標量F(2)に到達した後は(S1800にてYES)、供給量は目標量F(2)で一定の状態となるように制御される。
一方、図3(B)に示すように、噴射量がF(1)で一定の状態で車両が定常走行しているとき(S1000にてYES)、クラッチペダル108がクラッチ102が係合状態から解放状態になるように操作されるとする。アクセルペダル110の開度Aが一定の状態で、クラッチ102が係合状態から半係合状態になると、エンジン100の出力軸にかかる負荷が低下するため、エンジンの回転数は、緩やかに上昇する。そして、クラッチペダル108の操作量がCs(4)であるとき、アクセルペダル110の開度Aが緩められると、すなわち、アクセルペダル110がオフされると(S1100にてYES)、エンジンECU200は、燃料の供給量の目標量をF(2)に設定する。アクセルペダル110がオフされたとき、クラッチストロークCsは、Aより大きく(S1200にてNO)、B以下であるため(S1300にてYES)、エンジンECU200は、時間変化率として変化率(2)を設定する(S1500)。燃料の供給量は、設定された変化率(2)に対応するように、F(1)から減少するように制御される(S1700)。このとき、エンジン回転数は、噴射量の減少に応じて緩やかに減少する。
燃料の供給量と目標量F(2)との差がゼロではなく(S1800にてNO)、クラッチストロークCsがBより大きいと(S1300にてNO)、エンジンECU200は、燃料の供給量の時間変化率として変化率(3)を設定する(S1500)。燃料の供給量は、設定された変化率(3)に対応するようにして、目標量F(2)に到達するように制御される(S1700)。噴射量が目標量F(2)に到達した後は(S1800にてYES)、噴射量は目標量F(2)で一定の状態となるように制御される。
以上のようにして、本実施の形態に係る車両の制御装置によると、クラッチが係合状態であるときに、時間変化率を変化率(1)に設定すると、エンジンの減速トルクの発生が抑制されるため、減速トルクに基づく振動が車両に発生しないようにできる。クラッチが半係合状態であるときに、時間変化率を、変化率(1)よりも大きい変化率(2)に設定すると、エンジンの出力軸における負荷が低減することによるエンジン回転数の吹き上がりを抑制し、係合状態であるときよりも早期に燃料の供給量を目標量に到達させることができる。そのため、不要な燃料の噴射を抑制して燃費の悪化を抑制することができる。また、解放状態であるときよりも時間変化率を小さく設定するため、エンジンの減速トルクの発生が抑制される。そのため、減速トルクに基づく振動が車両に発生しないようにできる。クラッチが解放状態であるときに、時間変化率を、変化率(2)よりも大きい変化率(3)に設定すると、エンジンの出力軸における負荷が低減することによるエンジン回転数の吹き上がりを抑制し、半係合状態であるときよりも早期に燃料の供給量を目標量に到達させることができる。そのため、不要な燃料の噴射を抑制して燃費の悪化を抑制することができる。したがって、クラッチの操作に応じて適切に燃料の供給量を制御する車両の制御装置を提供することができる。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係る車両の制御装置について説明する。本実施の形態に係る車両の制御装置は、上述の第1の実施の形態に係る車両の制御装置の構成と比較して、エンジンECU200で実行されるプログラムの制御構造が異なる。それ以外の構成については、上述した第1の実施の形態に係る車両の制御装置と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
以下、本発明の第2の実施の形態に係る車両の制御装置について説明する。本実施の形態に係る車両の制御装置は、上述の第1の実施の形態に係る車両の制御装置の構成と比較して、エンジンECU200で実行されるプログラムの制御構造が異なる。それ以外の構成については、上述した第1の実施の形態に係る車両の制御装置と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
以下、図4を参照して、第2の実施の形態に係る車両の制御装置であるエンジンECU200で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、図4に示したフローチャートの中で、前述の図3に示したフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらについて処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
S2000にて、エンジンECU200は、クラッチストロークスピードCvが予め定められた値Dより大きいか否かを判定する。エンジンECU200は、クラッチストロークスピードCvをクラッチストロークセンサ204より検知される操作量の時間変化量に基づいて算出する。「予め定められた値D」は、たとえば、燃料の供給量の制御に応答遅れが生じないように設定される値であれば、特に限定されるものではない。
S2100にて、エンジンECU200は、燃料の供給量の時間変化率として変化率(4)を設定する。なお、設定される時間変化率は、速やかに燃料の供給量が目標量に到達させることができる変化率であれば、特に限定されるものではない。たとえば、変化率(4)は、変化率(3)と同じ値であってもよい。
以上のようにして、本実施の形態に係る車両の制御装置であるエンジンECU200で実行されるプログラムの動作について説明する。
噴射量がF(1)で一定の状態で車両が定常走行しているときに(S1000にてYES)、クラッチ102が係合状態から解放状態になるようにクラッチペダル108が操作されるとする。アクセルペダル110の開度Aが緩められると、すなわち、アクセルペダル110がオフされると(S1100にてYES)、エンジン200は、燃料の供給量の目標量をF(2)に設定する。このとき、クラッチストロークスピードCvがDより大きいと(S2000にてYES)、エンジンECU200は、燃料の供給量の時間変化率として変化率(4)を設定する。燃料の供給量は、設定された変化率(4)に対応するように、F(1)から減少するように制御される(S1700)。そして、燃料の供給量と目標量F(2)との差がゼロになると(S1800にてYES)、燃料の供給量は、目標量F(2)で一定になるように制御される。
一方、クラッチストロークスピードCvがDより小さく(S2000にてNO)、クラッチストロークCsがA以下であると(S1200にてYES)、エンジンECU200は、時間変化率として変化率(1)を設定する。クラッチストロークCsがAより大きく(S1200にてNO)、B以下であると(S1300にてYES)、エンジンECU200は、時間変化率として変化率(2)を設定する。クラッチストロークCsがBより大きくなると(S1200にてNO、S1300にてNO)、エンジンECU200は、時間変化率として変化率(3)を設定する。設定された時間変化率に対応するように燃料の供給量が制御されて(S1700)、燃料の供給量と目標量F(2)との差がゼロになると(S1800にてYES)、燃料の供給量は、目標量F(2)で一定になるように制御される。
以上のようにして、本実施の形態に係る車両の制御装置によると、上述の第1の実施の形態に係る車両の制御装置の効果に加えて、クラッチペダルのストロークスピードCvがDよりも大きいことが検知されると、クラッチペダルの操作量に対応する時間変化率よりも大きくなるように変化率(4)を設定することにより、アクセルペダルがオフされた時のクラッチの操作時においては、速やかに燃料の供給量を目標量に到達させることができる。したがって、クラッチペダルがすばやく操作されても、応答遅れを抑制して燃費の悪化を抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、クラッチペダルのストロークスピードCvがDよりも大きいことが検知されると、変化率(4)を設定するようにしたが、たとえば、クラッチペダルの操作量に対応する時間変化率にストロークスピードCvに応じた補正分を追加するようにしてもよい。
また、特に、ガソリンエンジンが搭載された車両においては、エンジンのトルク変動は、アクセルペダルの操作量が変化してから(たとえば、アクセルペダルを緩めてから)、空気の流入分遅れる場合がある。空気の流入分の遅れ量は、たとえば、スロットルポジションセンサ(図示せず)からのスロットル開度に対応する検知信号、空気圧センサ(図示せず)からの空気圧に対応する検知信号あるいはエアフロメータ(図示せず)からの空気の流量に対応する検知信号に基づいて算出できる。そのため、エンジンECU200は、算出された遅れ量に基づいて、クラッチペダルの操作量に対応する燃料の供給量の時間変化率を補正するようにしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 エンジン、102 クラッチ、104 手動変速機、106 燃料噴射装置、108 クラッチペダル、110 アクセルペダル、200 エンジンECU、202 回転数センサ、204 クラッチストロークセンサ、206 アクセルポジションセンサ。
Claims (4)
- 車両に搭載された内燃機関に供給する燃料の供給量を制御する車両の制御装置であって、前記車両は、前記内燃機関と駆動輪との間の動力伝達経路上に設けられるクラッチを含み、
運転者による前記内燃機関の出力要求状態を検知するための要求検知手段と、
係合状態と、解放状態と、これらの間の半係合状態とを含む、前記クラッチの状態を検知するための状態検知手段と、
前記出力要求状態に応じて、前記燃料の供給量の目標量を設定するための手段と、
前記目標量に到達するまでの前記供給量の時間変化率を設定するための設定手段と、
前記クラッチの状態に基づいて、前記変化率を変更して、前記供給量を制御するための制御手段とを含む、車両の制御装置。 - 前記設定手段は、前記要求検知手段により前記出力を減少させる状態であることが検知されると、前記クラッチの状態が係合側の場合には前記変化率を小さく、前記クラッチの状態が解放側の場合には前記変化率を大きく、設定するための手段を含む、請求項1に記載の車両の制御装置。
- 前記車両には、前記クラッチを操作するクラッチペダルが設けられ、
前記状態検知手段は、前記クラッチペダルの操作量に基づいて、前記クラッチの状態を検知するための手段を含む、請求項1または2に記載の車両の制御装置。 - 前記制御装置は、前記半係合状態に加えて、前記クラッチペダルの操作速度に応じて、前記変化率を変更するための手段をさらに含む、請求項3に記載の車両の制御装置。
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