JP2001021025A - 車両用無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用無段変速機の変速制御装置

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JP2001021025A JP11193691A JP19369199A JP2001021025A JP 2001021025 A JP2001021025 A JP 2001021025A JP 11193691 A JP11193691 A JP 11193691A JP 19369199 A JP19369199 A JP 19369199A JP 2001021025 A JP2001021025 A JP 2001021025A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両用無段変速機の変速制御装置に関し、仮
目標回転速度によるキックダウン制御にドライバの加速
意思の程度を反映させるようにする。 【解決手段】 機関負荷及び車速に基づく目標回転速度
PT0 に応じて機関及びプライマリプーリの回転を迅速
に上昇制御し、途中(時点T1 〜T2 )で求めたプライ
マリプーリの実回転速度WPrの上昇率から第3時点T3
におけるプライマリプーリの回転速度WP3を推定し、推
定回転速度WP3を第2時点T2 からの経過時間に応じた
第1補正量WPAと負荷情報に応じた第2補正量Wthとを
加算して得た仮目標回転速度WPT1 により回転制御し、
セカンダリプーリ及び車両の回転速度増加を速やかに開
始して加速応答性を確保する。推定回転速度WP3を第2
補正量Wthにより負荷情報に応じて補正することで、ド
ライバの加速意思を仮目標回転速度によるキックダウン
制御に反映させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用無段変速機
においてキックダウン時の変速制御を行なう変速制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】変速比を連続的に制御することができる
無段変速機は、変速ショックを回避でき、また燃料消費
効率の優れた動力伝達装置として車両に用いられてい
る。このような無段変速機においても、急加速要求があ
ると有段変速機と同様にキックダウン制御を行なう。こ
のキックダウン制御では、まずはエンジン回転速度をで
きるだけ速やかに上昇させてその後に車速を増大させる
ようにする。しかし、エンジンの回転速度を十分に上昇
させた後に車速を上昇させるようにすると、車速増加ま
でに時間がかかり、ドライバに違和感を与えることがあ
る。そこで、本出願人は、無段変速機におけるキックダ
ウンをフィーリングよく行なえるようにした技術を開発
し、特願平4−178622号(特許第2751743
号公報)として出願した。
【0003】この公報に開示された技術によれば、プラ
イマリプーリを目標回転速度に近づけるために、仮目標
回転速度を設定し、これに基づく制御により、プライマ
リプーリ及びエンジンの回転を上昇させるとともに、セ
カンダリプーリの回転及び車速をも上昇させるようにし
て、キックダウン後より速やかに車速上昇を実現できる
ようになり、運転フィーリングを向上させることができ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術では、制御に用いる仮目標回転速度は、予測プ
ライマリプーリ回転速度に予測時点からの経過時間のみ
に応じて決まる補正回転速度を加算したものなので、予
測プライマリプーリ回転数に基づく制御中にスロットル
開度θthが変化したとしても、仮目標回転速度が変更さ
れることはない。このため、ドライバがより加速しよう
と更にアクセル開度を増やしても、上述の仮目標回転速
度にはこのスロットル開度θthの変化が反映されないた
めドライバの加速要求が十分に満たされない。逆に、ド
ライバが加速を弱めようとアクセル開度を減らしても、
同じく、仮目標回転速度にスロットル開度θthの変化が
反映されないためドライバの加速抑制要求も十分に満た
されない。
【0005】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、キックダウン時に、機関の負荷情報に応じた目標
回転速度に基づくプライマリプーリの回転制御の途中で
この目標回転速度よりも低い仮目標回転速度に基づく制
御を行なうようにして、速やかに車速の上昇を行なえる
ようにしたものにおいて、仮目標回転速度にドライバの
加速意思の程度を反映させてドライバが要求する加速感
を得られるようにした、車両用無段変速機の変速制御装
置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の車両
用無段変速機の変速制御装置では、キックダウンを判定
すると、負荷情報及び車速情報に基づいて設定した目標
回転速度に基づいて、該第1回転部材の回転を制御する
が、途中でこの目標回転速度を、実回転速度の上昇率と
この上昇率演算時点からの経過時間と負荷情報とに基づ
いて設定した仮目標回転速度に切り換える。したがっ
て、仮目標回転速度の採用により、第2回転部材の増速
(即ち、車速の増加)が速やかに行なわれ、しかも、仮
目標回転速度が負荷情報に応じて補正されるので、ドラ
イバの加速要求や加速抑制要求に応じた適切な変速制御
が行なわれる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明する。図1,図2は本発明の一実施
形態としての車両用無段変速機の変速制御装置について
示すもので、図1はその構成を示すブロック図、図2は
その無段変速機を説明するための模式図である。なお、
本実施形態では、変速機としてベルト式無段変速機(C
VT)が用いられている。
【0008】まず、本実施形態にかかる無段変速機を備
えた動力伝達機構について説明すると、図2(a),
(b)に示すように、本動力伝達機構では、エンジン
(内燃機関)1から出力された回転は、トルクコンバー
タ(トルコン)2,正転反転切換機構4,ベルト式無段
変速機(CVT)20を介してフロントデフ31へ伝達
され、駆動輪30を駆動するようになっている。
【0009】また、無段変速機構20は、エンジン1の
出力側に連結されたプライマリプーリ(第1回転部材)
21と車両の駆動輪30側に連結されたセカンダリプー
リ(第2回転部材)22と両プーリ間に介装されたベル
ト(介装部材)23とから構成され、正転反転切換機構
4からプライマリシャフト24に入力された回転は、プ
ライマリシャフト24と同軸一体のプライマリプーリ2
1からベルト23を介してセカンダリプーリ22へ入力
されるようになっている。
【0010】プライマリプーリ21,セカンダリプーリ
22はそれぞれ一体に回転する2つのシーブ21a,2
1b,22a,22bから構成されている。それぞれ一
方のシーブ21a,22aは軸方向に固定された固定シ
ーブであり、他方のシーブ21b,22bは油圧アクチ
ュエータ(油圧ピストン)21c,22cによって軸方
向に可動する可動シーブになっている。
【0011】油圧ピストン21c,22cには、オイル
タンク61内の作動油をオイルポンプ62で加圧して得
られる制御油圧が供給され、これに応じて可動シーブ2
1b,22bの固定シーブ21a,22a側への押圧力
が調整されるようになっている。セカンダリプーリ22
の油圧ピストン22cには、調圧弁63により調圧され
たライン圧が加えられ、プライマリプーリ21の油圧ピ
ストン21cには、調圧弁63により調圧された上で流
量制御弁64により流量調整された作動油が供給され、
この作動油が変速比調整用油圧として作用するようにな
っている。
【0012】そして、セカンダリプーリ22の油圧ピス
トン22cに与えられるライン圧P 1 及びプライマリプ
ーリ21の油圧ピストン21cに与えられる変速比調整
用油圧P2 は、コントローラ(電子制御コントロールユ
ニット=ECU)50の指令信号により、それぞれ行な
われるようになっている。ECU50には、エンジン回
転数センサ(クランク角センサ又はカム角センサ)4
1,スロットル開度センサ46,プライマリプーリ21
の回転速度を検出する第1回転速度センサ43,セカン
ダリプーリ22の回転速度を検出する第2回転速度セン
サ44,ライン圧を検出するライン圧センサ45,車速
センサ47等の各検出信号が入力されるようになってお
り、ECU50では、これらの検出信号に基づいて各プ
ーリ21,22への油圧供給系にそなえられた調圧弁6
3や流量制御弁64を制御するようになっている。
【0013】特に、変速比調整用油圧は、ECU50内
の制御機能(変速制御手段)51によって制御される。
この変速制御手段51には、目標回転速度設定手段52
と、エンジン1の負荷情報(ここでは、スロットル開度
情報)からキックダウンの要否を判定するキックダウン
判定手段53と、キックダウン判定手段53によりキッ
クダウンが必要と判定されるとキックダウン制御を実行
するための各機能要素、即ち、プライマリプーリ回転制
御手段(第1回転部材制御手段)54,プライマリプー
リ回転速度推定手段(回転速度推定手段)55,仮目標
回転速度設定手段56とがそなえられる。
【0014】目標回転速度設定手段52は、所定の周期
で、車速センサ47により検出された車速Vとスロット
ル開度センサ46により検出されたスロットル開度(機
関の負荷情報)θthとからプライマリプーリの目標回転
速度(真の目標回転速度という)WPT0 を算出して、通
常は、この真の目標回転速度WPT0 を、プライマリプー
リ21の目標回転速度WPTとする。キックダウン制御時
にも、この車速V,スロットル開度θthに応じた真の目
標回転速度WPT0 を基本的なプライマリプーリ21の目
標回転速度WPTとするが、キックダウン制御の途中で、
後述する仮目標回転速度設定手段56で設定された仮目
標回転速度WPT1 を目標回転速度WPTに使用する。
【0015】キックダウン判定手段53は、所定周期で
得られるスロットル開度θthの値を時間微分したスロッ
トル開度変化率dθth/dtが、所定値Δθth0 以上に
なったら急加速が指令されたものとして、キックダウン
が必要であると判定する。なお、上記のスロットル開度
情報は、エンジン1の負荷情報を表すものであればよ
く、例えばアクセル開度(アクセルペダル踏込量)やア
クセル開度変化率やキックダウン信号に基づき判定して
もよい。
【0016】プライマリプーリ回転制御手段54は、通
常運転時(キックダウン制御時も含む)、プライマリプ
ーリ21の実回転速度WPrが目標回転速度設定手段52
で設定された目標回転速度WPTになるよう、流量制御弁
64を通じてプライマリプーリ21の油圧ピストン21
cをフィードバック制御し、可動シーブ21bを適宜駆
動してプライマリプーリ21の回転速度及びエンジン回
転速度を制御する。
【0017】回転速度推定手段55は、キックダウン制
御時に、制御開始時点T0 で起動するタイマ48のカウ
ント値から時点を判定しながら、プライマリプーリ回転
制御手段54の制御によりプライマリプーリ21の実回
転速度WPrが目標回転速度W PTに向けて増加している際
の第1時点T1 から第2時点T2 までの間に、プライマ
リプーリ21の実回転速度WPrの上昇率mを算出し、こ
の上昇率mに基づいて第3時点T3 におけるプライマリ
プーリ21の回転速度WPrを推定する。つまり、第1回
転速度センサ43の検出結果からプライマリプーリ21
の第1時点T1の実回転速度WP1とプライマリプーリ2
1の第2時点T2 の実回転速度WP2とから、式:m=
(WP2−WP1)/(T2 −T1 )により上昇率mを算出
する。
【0018】なお、キックダウン制御開始直後はエンジ
ンの出力トルク変動によりプライマリプーリ21の実回
転速度WPrが変動するので、この実回転速度WPrの変動
がある程度治まってから上昇率mを算出するように、予
め実験結果等に基づいて第1時点T1 が設定されてい
る。また、第3時点T3 は車速の増加応答性とエンジン
回転速度の増加とがバランスするような時点として固定
値に設定されるが、この第3時点T3 は、例えばキック
ダウン判定時のスロットル開度変化率dθth/dtと反
比例するような可変の値や車速に比例する可変の値とし
てもよい。また、第2時点T2 は、当然ながら第1時点
1 よりも後で第3時点T3 よりも前の時点となるが、
上昇率mの算出精度を考慮すれば第1時点T1 と第2時
点T2 との間の時間を十分にとるようにするのが好まし
い。
【0019】仮目標回転速度設定手段56は、回転速度
推定手段55で推定したプライマリプーリ21の実回転
速度WPrの上昇率mとプライマリプーリ21の実回転速
度W Pr(例えば第2時点T2 で得られる実測値WP2)と
から、第3時点で到達すると予測されるプライマリプー
リ21の回転速度WP3〔=WP2+m・(T3 −T2 )〕
を算出して、この回転速度WP3に、第2時点T2 からの
経過時間に応じて増加する第1補正量WPAと、所定周期
で得られるスロットル開度θthに応じた第2補正量Wth
とを加算することにより仮目標回転速度WPT1 (=WP3
+WPA+Wth)を設定する。なお、第1補正量WPA,第
2補正量Wthの初期値はゼロに設定されているので、仮
目標回転速度WPT1 としては値WP3が出力されることに
なる。
【0020】第1補正量WPAは、真の目標回転速度W
PT0 と仮目標回転速度WPT1 との差W PD(=WPT0 −W
PT1 )が第1所定値αよりも大きい場合(第2時点T2
から第4時点T4 までの間)は、図4に実線で示すよう
に経過時間(第2時点T2 からの経過時間)に応じて線
形に増加する補正量WPAを採用し、差WPDが第1所定値
α以内になったら(第4時点T4 以降)、図4に一点鎖
線で示すように経過時間(第4時点T4 からの経過時
間)に応じて補正量WPAよりも緩やかに線形増加する補
正量WPA′を採用するようにしている。
【0021】第2補正量Wthは、図5(a)に示すよう
に、スロットル開度θthの増大に応じて線形に増加する
ように設定されている。ただし、この第2補正量W
thは、仮目標回転速度WPT1 による加速制御中におい
て、ドライバの加速意思に対応するスロットル開度θth
の変化をこの仮目標回転速度WPT1 対応の制御に反映さ
せようとするものであるが、スロットル開度θthが極端
に操作された場合にこれをそのまま制御に反映させて
は、加速制御が不安定になってしまう。そこで、スロッ
トル開度θthが小さい領域では第2補正量Wthを0に、
大きい領域では第2補正量Wthを最大値WthMAX に固定
している。
【0022】図5(b)に示すような特性でスロットル
開度θthに応じて補正量関連値ΔW thを設定して、式:
PT1 =WP3+ΣΔWth(ただし、ΣΔWthはΔWth
時間積分値)により仮目標回転速度WPT1 を設定しても
上述とほぼ同様な特性で、仮目標回転速度WPT1 を設定
することができる。また、第2補正量Wthを、図5
(c)に示すように、スロットル開速度(スロットル開
度の時間微分値)dθth/dtに応じたものWth′に設
定してもよい。つまり、第2補正量Wth′をスロットル
開速度dθth/dtに比例するように設定する。ただ
し、加速制御の安定性を考慮して、スロットル開速度d
θth/dtが大きい領域では第2補正量Wth′を最大値
thMAX ′に固定する。
【0023】さらに、図5(a)に示すような特性で設
定する第2補正量Wthと、図5(c)に示すような特性
で設定する第2補正量Wth′との両方を加算して、仮目
標回転速度WPT1 (=WP3+WPA+Wth+Wth′)を設
定することも考えられる。ここでは、第2補正量Wth
スロットル開度に基づいて設定しているが、第2補正量
thは、エンジン1の負荷情報(ドライバの加速意思を
表すもの)に基づいて設定すればよく、例えばアクセル
開度(アクセルペダル踏込量)の情報を直接用いてもよ
い。
【0024】図4の第1補正量WPAに関するマップは、
第2補正量Wth,ΔWth,Wth′の加算を考慮して、特
許第2751743号公報に開示されたものよりも第1
補正量WPAの増加率を抑制する(特性線の傾きを小さく
する)のが好ましい。なお、第1所定値αは一定値とし
てもよいが、可変としてもよい。例えば実回転速度WPr
の時間変化率(dWPr/dt)の増加に対応して第1所
定値αを増加させるようにすればよい。
【0025】目標回転速度設定手段52では、キックダ
ウン制御時には、タイマ48のカウント値から時点を判
定しながら、キックダウンの制御開始時点T0 から第3
時点T3 までは、真の目標回転速度WPT0 をプライマリ
プーリ21の目標回転速度W PTに用い、第3時点T3
ら第5時点T5 (差WPDが第1所定値αよりも十分に小
さく0に近くなる時点)までは、仮目標回転速度設定手
段56で設定された仮目標回転速度WPT1 を目標回転速
度WPTに用い、差WPDが微少な閾値又は0まで減少した
ら、第5時点T5 で、真の目標回転速度WPT0 を目標回
転速度WPTに用いる。
【0026】本発明の一実施形態としての車両用無段変
速機の変速制御装置は、上述のように構成されているの
で、図3(a),(b)に示すように、スロットル開度
(機関の負荷情報)θthの変化率dθth/dtが所定値
Δθth0 以上になったら(時点T0 ′)、キックダウン
判定手段53がキックダウンが必要であると判定し、時
点T0 ′の後の開始時点T0 からキックダウン制御が開
始される。
【0027】このキックダウン制御開始時には、目標回
転速度設定手段52で、車速Vとスロットル開度θthと
からプライマリプーリの真の目標回転速度WPT0 を算出
して、プライマリプーリ回転制御手段54が、この目標
回転速度WPT0 を目標回転速度WPTとして、プライマリ
プーリの実回転速度WPrがこの目標回転速度WPT0 にな
るように、つまり、プライマリプーリ21及びエンジン
の回転速度が急増するように、油圧制御量を最大にしな
がら流量制御弁64の開度状態を制御する。
【0028】プライマリプーリ21が回転速度を増加し
ている際の第1時点T1 から第2時点T2 までの間、プ
ライマリプーリ21の実回転速度WPrの上昇率mを算出
し、この上昇率mと第2時点T2 で得られるプライマリ
プーリ21の実回転速度WP2等に基づいてこの後の第3
時点T3 におけるプライマリプーリ21の実回転速度W
Prを推定する。そして、この推定回転速度WP3に第1補
正量WPAと第2補正量Wthとを加算して仮目標回転速度
PT1 を設定する。この仮目標回転速度WPT1は、真の
目標回転速度WPT0 と仮目標回転速度WPT1 との差が第
1所定値α以内になると(第4時点T4 )補正量WPA
増加率の少ない補正量WPA′に変更し仮目標回転速度W
PT1 を減少補正する。
【0029】まず、スロットル開度θthが増大後一定の
大開度θth1 を保持する場合〔図3(b)の実線参照〕
を説明すると、目標回転速度設定手段52では、キック
ダウン制御開始時(初期時点T0 )から第3時点T3
では真の目標回転速度WPT0をプライマリプーリ21の
目標回転速度WPTに用いて制御するため、エンジン1及
びプライマリプーリ21の回転が速やかに上昇し(この
間、車速及びセカンダリプーリ22の回転は変化しな
い)、その後、第3時点T3 から第5時点T5 までは仮
目標回転速度WPT1 を目標回転速度WPTに用いて制御す
るため、エンジン1及びプライマリプーリ21の回転と
車速及びセカンダリプーリ22の回転とが共に上昇する
ようになり、キックダウン時のエンジンの回転数の速や
かな上昇を実現すると共にこれに続く車速の上昇をも間
延びせずに行なうことができる。
【0030】そして、差が第1所定値αよりも十分に小
さく0又は0に近い値になったら(第5時点T5 )、再
び、真の目標回転速度WPT0 を目標回転速度WPTに用い
るようにするが、第4時点から、仮目標回転速度WPT1
を算出する補正量WPAを増加率の少ない補正量WPA′に
変更しているので、第5時点T5 に到達する際には、仮
目標回転速度WPT1 が極めて緩やかに増加するようにな
り、目標回転速度WPTを仮目標回転速度WPT1 から真の
目標回転速度WPT0 に復帰させる際の実回転速度WPr
オーバシュートが防止され、実回転速度WPrが速やかに
真の目標回転速度WPT0 に近づく。したがって、運転フ
ィーリングを向上させることができる。
【0031】一方、スロットル開度θthが大開度θth1
に増大した後、時点T6 で更に大開度θth2 〔図3
(b)の破線の太線参照〕まで増大すると、同時に第2
補正量W thが増大するので、これに応じて真の目標回転
速度WPT0 や仮目標回転速度WPT 1 も図3(a)に破線
の細線WPT0 ′,WPT1 ′で示すように増大する。ま
た、スロットル開度θthが大開度θth1 に増大した後、
時点T7 で開度θth3 〔図3(b)の二点鎖線の太線参
照〕に減少すると、同時に第2補正量Wthが減少するの
で、これに応じて真の目標回転速度WPT0 や仮目標回転
速度WPT1 も図3(a)に二点鎖線の細線WPT0 ″,W
PT1 ″で示すように減少する。
【0032】このように、仮目標回転速度を決める第2
補正量Wthがスロットル開度θth〔ドライバの加速意思
(負荷情報)の程度〕に応じて変更されるので、ドライ
バの加速意思の程度に答えることができ、加速フィーリ
ングを一層向上させることができる。例えばドライバが
加速使令(時点T0 ′)した後により大きな加速を求め
てスロットル開度θthを増大させれば、これに応じてエ
ンジン1,プライマリプーリ21の回転と車速,セカン
ダリプーリ22の回転とが共により速やかに上昇するこ
とになり、車両の加速が促進されドライバの加速要求に
応じることができる。また、ドライバが加速使令(時点
0 ′)した後に加速を弱めようとスロットル開度θth
を減少させれば、これに応じてエンジン1,プライマリ
プーリ21の回転と車速,セカンダリプーリ22の回転
との上昇が緩慢になって車両の加速が抑制され、ドライ
バの加速低減要求に答えることができる。
【0033】なお、本発明は、上記の実施形態に限定さ
れるものではなく、例えば補正量W PA,WPA′,Wth
th′の増加特性は図4,図5に示すように線形なもの
に限らず、種々の特性に設定しうる。また、第1所定値
αについても、真の目標回転速度WPT0 に応じて可変に
するなど他の設定形態も考えられる。また、本実施形態
では、差WPDが0に近い値になったら、目標回転速度W
PTを仮目標回転速度W PT1 から真の目標回転速度WPT0
に復帰させているが、差WPDが0になったら真の目標回
転速度WPT0 に復帰させるようにしてもよい。さらに、
目標回転速度W PTを仮目標回転速度WPT1 から真の目標
回転速度WPT0 に復帰させる際の実回転速度WPrのオー
バシュートが特別問題にならなければ、時点T3 で第1
補正量W PAを補正量WPA′に減少補正する制御を省略し
てもよい。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の車両用無
段変速機の変速制御装置によれば、仮目標回転速度の採
用により、第2回転部材及び車速の増加が速やかに行な
われる上、負荷情報に応じた仮目標回転速度の補正によ
り、ドライバの加速意思を仮目標回転速度に基づく車両
の加速制御に反映させることができ、加速フィーリング
を一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態にかかる車両用無段変速
機の変速制御装置を示すブロック図である。
【図2】 本発明の一実施形態にかかる車両用無段変速
機を説明する図であり、(a)は駆動系の模式的構成
図、(b)は無段変速機の構成図である。
【図3】 本発明の一実施形態にかかる制御例を示す図
であり、(a)はプライマリプーリ回転速度を示す図、
(b)はスロットル開度を示す図である。
【図4】 本発明の一実施形態にかかる補正特性を示す
図である。
【図5】 本発明の一実施形態にかかる補正特性を示す
図であり、(a)は本実施形態の図、(b),(c)は
その変形例を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関) 20 変速機としてのベルト式無段変速機(CVT) 21 第1回転部材(プライマリプーリ) 22 第2回転部材(セカンダリプーリ) 23 ベルト(介装部材) 51 変速制御手段 52 目標回転速度設定手段 53 キックダウン判定手段 54 プライマリプーリ回転制御手段(第1回転部材制
御手段) 55 プライマリプーリ回転速度推定手段(回転速度推
定手段) 56 仮目標回転速度設定手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関の出力側に連結された第1回転部材
    と車両の駆動輪側に連結された第2回転部材と上記の第
    1,第2回転部材間で動力を伝達する介装部材とからな
    る車両用無段変速機と、上記の第1,第2回転部材の回
    転速度比を変更することで該無段変速機の変速比を制御
    する変速制御手段とをそなえ、 該変速制御手段は、該機関の負荷情報及び車速情報に基
    づいて該第1回転部材の目標回転速度を設定する目標回
    転速度設定手段と、 該負荷情報からキックダウンを判定するキックダウン判
    定手段と、 該キックダウン判定後の第1時点から該第1時点よりも
    後の第2時点までの間における第1回転部材の実回転速
    度の上昇率を演算し該上昇率から該第2時点よりも後の
    第3時点における該第1回転部材の回転速度を推定する
    回転速度推定手段と、 該回転速度推定手段により推定された回転速度と該第2
    時点からの経過時間と該負荷情報とに基づいて仮目標回
    転速度を設定する仮目標回転速度設定手段と、 該第2時点で該目標回転速度設定手段により設定された
    該目標回転速度から該仮目標回転速度設定手段により設
    定された該仮目標回転速度に切り換える切換手段とをそ
    なえたことを特徴とする、車両用無段変速機の変速制御
    装置。
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