JP2016130548A - 動力伝達機構の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラッチに個体差がある場合においても、駆動力の急変に伴う衝撃の発生を抑制しつつクラッチを解放させ、且つ、可及的速やかに適切な係合度でのクラッチの解放状態(ニュートラル状態)を達成することができる動力伝達機構の制御装置を提供する。
【解決手段】トルク・コンバータ120及びクラッチ130を備える動力伝達機構170の走行時ニュートラル制御において、クラッチを解放させるための目標係合指令値を停車時ニュートラル制御のようにスイープ・ダウンするのではなく所定の目標係合指令値にて一定に維持する。そして、クラッチの解放が始まるときのトルク・コンバータの速度比と所定の目標速度比との違い(例えば、両者の差及び比等)に基づいて目標係合指令値を補正(更新)する。このようにして補正された目標係合指令値を次回の走行時ニュートラル制御において使用する。
【選択図】図3

Description

本発明は、動力伝達機構の制御装置に関する。
車輌は、一般に、動力伝達機構を介して内燃機関等の動力源から駆動輪へと動力を伝達することにより駆動される。このような車輌がブレーキ等の制動機構によって停車している場合、動力伝達機構を介して動力源から駆動輪へと動力が伝達されている状態のままでは動力源に負荷が掛かったままとなり、例えば燃費の悪化及びエンジン・ストール等の問題に繋がる虞がある。例えば、無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)等の自動変速機構を有する動力伝達機構を備える車輌の場合、シフト位置がドライブ・レンジ(Dレンジ)にあるときには、たとえ停車中であっても、トルク・コンバータにおけるクリープ現象により動力源に負荷が常に掛かる。このようなクリープ現象に起因する負荷は燃費の悪化要因となる。
そこで、摩擦係合により動力を伝達する断続装置(以降、このような装置は「クラッチ」と総称される場合がある。)を動力伝達機構に介在させ、車輌の停車時にクラッチの係合の程度(以降、「係合度」と称される場合がある。)を低下させて動力の伝達を低減することが知られている。これにより、上記のように停車中にも拘わらず動力源に負荷が掛かることに起因する燃費の悪化を抑制することができる。このような動力伝達機の制御は以降「ニュートラル制御」と称される場合がある。
上記においてクラッチの係合度を一気に低下させてクラッチを一気に解放させると、例えば駆動力の急変に伴う衝撃等の問題が発生する場合がある。そこで、クラッチの係合部材が互いに滑り始める(クラッチの解放が始まる)直前まではクラッチの係合度を一気に低下させ、その後はクラッチの係合度を徐々に低下(スイープ・ダウン)させることにより、上記衝撃の発生を抑制しつつ、可及的速やかにクラッチを解放させることが知られている。尚、ここで言う「クラッチの解放」は、クラッチが完全に解放されて係合度が0(ゼロ)となっている状態のみならず、例えば燃費悪化の抑制等の効果が十分に得られる程度にまでクラッチの係合度が低下している状態をも含む、広い概念である。
しかしながら、クラッチには、例えば製造時の品質のバラツキ及び製造後の経年変化等に起因する個体差がある。具体的には、例えば、クラッチの係合部材(摩擦材)の摩擦係数等において個体差がある。その結果、クラッチの係合度を制御するための油圧及び/又は電力の指令値(以降、「係合指令値」と称される場合がある。)を予め定められた値に設定して上記のようにクラッチの係合度を制御しようとしても、所期の効果を達成することができない可能性がある。
具体的には、クラッチの係合部材の摩擦係数が規定値よりも低い場合、クラッチの解放が始まる直前の状態に該当する値にクラッチへの係合指令値を設定したにも拘わらずクラッチが一気に解放されて上記衝撃が発生する虞がある。逆に、クラッチの係合部材の摩擦係数が規定値よりも高い場合は、本来であればクラッチの解放が始まっている筈の係合指令値においてもクラッチの解放が始まらず、クラッチの解放が完了するまでに要する期間が過度に長くなる(タイム・ラグが生ずる)虞がある。この場合、例えば燃費悪化の抑制等の効果が十分に得られない。
そこで、クラッチの係合度が所期の目標値(クラッチの解放状態に相当する係合度)に到達したときの係合指令値を学習し、この学習された係合指令値を次回以降のニュートラル制御の実行時に利用することが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。具体的には、流体を介して動力を伝達する流体式動力伝達装置(以降、このような装置は「トルク・コンバータ」と総称される場合がある。)を備える動力伝達機構において、上述したように、クラッチの解放が始まる直前まではクラッチの係合度を一気に低下させ、その後はクラッチの係合度をスイープ・ダウンさせる。
上記スイープ・ダウンの期間中にトルク・コンバータのタービン回転速度に基づいてクラッチの解放開始を検出し、その後はタービン回転速度を所定の目標値に一致させるようにクラッチへの係合指令値を調節する。その結果としてタービン回転速度が所定の目標値に一致したときのクラッチへの係合指令値を学習し、この学習された係合指令値を次回以降のニュートラル制御の実行時に係合指令値の目標値(以降、「目標係合指令値」と称される場合がある。)として利用する。これによれば、上述したようにクラッチに個体差がある場合においても、駆動力の急変に伴う衝撃の発生を抑制しつつクラッチを解放させ、且つ、可及的速やかに適切な係合度でのクラッチの解放状態(ニュートラル状態)を達成することができる。
特開2004−053949号公報
ところで、当該技術分野においては、更なる燃費の改善等を目的として、所定の条件が成立する場合には停車時以外(例えば、停車前の走行中等)にもニュートラル制御を実行することが検討されている。具体的には、例えば車輌の速度(車速)が所定値未満であり且つアクセル開度が所定値未満である場合等に、車輌が停車していなくても動力伝達機構が備えるクラッチを解放させて車輌を惰性走行させることにより、燃費を更に改善することが検討されている。このように停車時以外に実行されるニュートラル制御は、以降「走行時ニュートラル制御」と称される場合がある。一方、停車時に実行されるニュートラル制御は、以降「停車時ニュートラル制御」と称される場合がある。
走行時ニュートラル制御においても、停車時ニュートラル制御と同様にクラッチの目標係合指令値を学習することにより、クラッチに個体差がある場合においても、駆動力の急変に伴う衝撃の発生を抑制しつつクラッチを解放させ、且つ、可及的速やかに適切な係合度でのクラッチの解放状態(ニュートラル状態)を達成することが可能であると考えられる。しかしながら、現実には、走行時ニュートラル制御において停車時ニュートラル制御と同様に目標係合指令値を学習することは極めて困難である。クラッチよりも上流側(動力源に近い側)にトルク・コンバータを備える動力伝達機構において停車時ニュートラル制御及び走行時ニュートラル制御を実行する場合について以下に説明する。
停車時ニュートラル制御を実行する場合、駆動輪が回転しておらず、クラッチの出力軸(駆動輪側の動力伝達軸)の回転速度は0(ゼロ)において一定である。従って、クラッチが係合している間はクラッチの入力軸(動力源側の動力伝達軸)の回転速度も0(ゼロ)において一定である。一方、動力源の回転速度はアイドル回転速度にて一定に維持されている。トルク・コンバータのタービン・ランナはクラッチの入力軸と連動しており、トルク・コンバータのポンプ・インペラは動力源の出力軸と連動している。従って、トルク・コンバータの速度比(タービン・ランナの回転速度のポンプ・インペラの回転速度に対する比)もまた0(ゼロ)において一定である。即ち、クラッチへの入力トルクもまた一定である。その後、クラッチへの係合指令値のスイープ・ダウンの進行に伴って、ある時点においてクラッチの解放が始まり、クラッチの入力軸の回転速度(タービン・ランナの回転速度)が上昇し始める。この場合におけるクラッチの解放要因は、クラッチへの係合指令値のスイープ・ダウンによるクラッチのトルク容量の減少である。
上記に対し、走行時ニュートラル制御を実行する場合は、車速に応じて駆動輪が回転しており、クラッチの出力軸の回転速度は車速の変化に応じて変化する。従って、クラッチが係合している間はクラッチの入力軸の回転速度も車速の変化に応じて変化する。しかも、動力源の回転速度もまたアイドル回転速度にて一定に維持されているとは限らず、車速の変化等に応じて変化する。従って、トルク・コンバータの速度比もまた車速の変化等に応じて変化する。例えば、車速の低下に応じてクラッチの入力軸の回転速度(タービン・ランナの回転速度)が低下するとトルク・コンバータの速度比もまた低下する。逆に、車速の上昇に応じてクラッチの入力軸の回転速度(タービン・ランナの回転速度)が上昇するとトルク・コンバータの速度比もまた上昇する。
上記のようにトルク・コンバータの速度比が変動すると、トルク・コンバータにおけるトルク増幅率も変動するので、クラッチへの入力トルクもまた変動する。その後、クラッチへの係合指令値のスイープ・ダウンの進行に伴って、ある時点においてクラッチの解放が始まり、クラッチの入力軸の回転速度(タービン・ランナの回転速度)が上昇し始める。しかしながら、この場合におけるクラッチの解放要因は、クラッチへの係合指令値のスイープ・ダウンによるクラッチのトルク容量の減少のみならず、クラッチへの入力トルクの変動をも含んでいる。
即ち、走行時ニュートラル制御においてクラッチへの係合指令値のスイープ・ダウンにより駆動力の急変に伴う衝撃の発生を抑制しつつクラッチを解放させ、且つ、可及的速やかに適切な係合度でのクラッチの解放状態(ニュートラル状態)を達成しようとしても、クラッチの解放が始まるタイミング及びそのときのトルク・コンバータの速度比はクラッチへの入力トルクの変動による影響を受ける。このように走行時ニュートラル制御におけるクラッチの解放メカニズムは複雑であり、走行時ニュートラル制御において停車時ニュートラル制御と同様にクラッチへの目標係合指令値を学習することは極めて困難である。
本発明は、上記のような課題に対処すべく為されたものである。即ち、本発明は、走行時ニュートラル制御においてもクラッチへの目標係合指令値を学習することにより、クラッチに個体差がある場合においても、駆動力の急変に伴う衝撃の発生を抑制しつつクラッチを解放させ、且つ、可及的速やかに適切な係合度でのクラッチの解放状態(ニュートラル状態)を達成することができる動力伝達機構の制御装置を提供することを1つの目的とする。
本発明者は、鋭意研究の結果、走行時ニュートラル制御においてはクラッチを解放させるための係合指令値を所定の目標係合指令値にて一定に維持し、実際にクラッチの解放が始まったときのトルク・コンバータの速度比と所定の目標速度比との違いに基づいて、この目標係合指令値を補正することにより、上記目的を達成することができることを見出した。
具体的に述べると、トルク・コンバータ及びクラッチを備える動力伝達機構の走行時ニュートラル制御においては、クラッチを解放させるための係合指令値を停車時ニュートラル制御のようにスイープ・ダウンするのではなく所定の目標係合指令値にて一定に維持する。そして、車速の低下に伴って実際にクラッチの解放が始まったときのトルク・コンバータの速度比と所定の目標速度比との違い(例えば、両者の差及び比等)に基づいて目標係合指令値を補正(更新)する。このようにして補正された目標係合指令値を次回の走行時ニュートラル制御において使用する。このようにすれば、走行時ニュートラル制御においても、クラッチを解放させるための目標係合指令値を学習することができることを見出したのである。
上記のような点に鑑み、本発明に係る動力伝達機構の制御装置(以降、「本発明装置」と称される場合がある。)は、動力源、駆動輪、アクセル及びブレーキを有する車輌において前記動力源から前記駆動輪へと動力を伝達する動力伝達機構に適用される。即ち、本発明装置は、例えば自動車等の一般的な車輌が備える動力伝達機構に適用され得る。動力伝達機構を備える車輌の構成等については、後に詳述する。
本発明装置は、ニュートラル制御実行手段と、検出手段と、を備える。ニュートラル制御実行手段は、所定のニュートラル制御実行条件が成立するとき、前記動力伝達機構において前記動力の伝達を断続させるクラッチの係合の程度である係合度を調整するための指令値である係合指令値を調整して、前記クラッチをニュートラル状態とするニュートラル制御を実行する。即ち、本発明装置が適用される動力伝達機構は、動力の伝達を断続させるクラッチを備える。
検出手段は、前記動力源の回転速度である機関回転速度、前記動力伝達機構において前記動力を前記動力源から前記クラッチへと伝達するトルク・コンバータのタービン・ランナの回転速度であるタービン回転速度及び前記車輌の走行速度である車速を検出する。即ち、本発明装置が適用される動力伝達機構は、動力源からクラッチへと動力を伝達するトルク・コンバータを備える。
更に、前記ニュートラル制御実行手段は、解放指令部と、解放速度比算出部と、目標係合指令値更新部と、を備える。解放指令部、解放速度比算出部及び目標係合指令値更新部のそれぞれについては、以下に説明する。
解放指令部は、前記ニュートラル制御を開始するときの前記車速が所定の第1速度よりも大きい場合に前記係合指令値を所定の目標係合指令値において一定に維持して前記クラッチの係合度を低下させる。このように解放指令部がクラッチの係合度を低下させるときのクラッチへの係合指令値は、停止時ニュートラル制御のようにスイープ・ダウンされるのではなく、所定の目標係合指令値において一定に維持される。その結果、クラッチの係合度及びトルク容量は、目標係合指令値に応じた値に維持される。
解放速度比算出部は、前記車速の低下に伴って下降していた前記タービン回転速度が上昇に転じたときの前記タービン回転速度及び前記機関回転速度に基づいて前記クラッチの解放が始まったときの前記トルク・コンバータの速度比である解放速度比を算出する。このように車速の低下に伴って下降していたタービン回転速度が上昇に転ずるのは、クラッチの解放が始まったことに起因する。
この場合におけるクラッチの解放要因は、車速の低下に伴うタービン回転速度の下降に起因するトルク・コンバータの速度比の減少によるトルク・コンバータのトルク増幅率の増大にある。その結果、クラッチへの入力トルクが増大し、クラッチの係合度は変化していないにも拘わらず、クラッチの係合部材が互いに滑り始める(即ち、クラッチの解放が始まる。)。即ち、このとき、係合指令値が目標係合指令値において一定に維持されているので、クラッチの係合度の低下に伴うトルク容量の減少はクラッチの解放要因から排除されている。この場合、上記のように車速の低下に伴ってクラッチへの入力トルクが徐々に増大した結果としてクラッチが徐々に解放されるので、駆動力の急変に伴う衝撃の発生を抑制することができる。
目標係合指令値更新部は、前記解放速度比と所定の目標速度比との違いに基づいて前記目標係合指令値を補正する。具体的には、目標係合指令値更新部は、解放指令部がクラッチへの係合指令値を目標係合指令値にて一定に維持してクラッチの係合度を低下させるときに、解放速度比が目標速度比に近付くように、目標係合指令値を補正する。
次回、解放指令部がクラッチへの係合指令値を目標係合指令値にて一定に維持してクラッチの係合度を低下させるときに、上記のようにして補正された目標係合指令値を解放指令部が使用する。これにより、本発明装置は、走行時ニュートラル制御において適切な係合度にてクラッチを解放させるための目標係合指令値を学習することができる。即ち、本発明装置は、走行時ニュートラル制御においてもクラッチへの目標係合指令値を学習することにより、クラッチに個体差がある場合においても、駆動力の急変に伴う衝撃の発生を抑制しつつクラッチを解放させ、且つ、可及的速やかに適切な係合度でのクラッチの解放状態(ニュートラル状態)を達成することができる。
ところで、ニュートラル制御実行条件は、例えばニュートラル制御を実行しようとする車輌において想定される使用状況及び当該車輌の構成等に応じて、適宜定めることができる。具体的には、前記ニュートラル制御実行手段は、少なくとも前記車速が所定の第2速度未満であり且つ前記アクセルの開度が所定の第1開度未満であり且つ前記ブレーキが作動している状態が所定の第1時間以上に亘って継続する場合に前記ニュートラル制御実行条件が成立するように構成され得る。
ところで、上述した「解放速度比と目標速度比との違い」は、例えば、「解放速度比と目標速度比との差」であってもよく、或いは、「解放速度比の目標速度比に対する比」であってもよい。
前者の場合、前記目標係合指令値更新部は、前記解放速度比から前記目標速度比を差し引いた差が所定の第1上限値よりも大きい場合は前記クラッチの係合の程度がより大きくなるように前記目標係合指令値を補正し、前記解放速度比から前記目標速度比を差し引いた差が所定の第1下限値よりも小さい場合は前記クラッチの係合の程度がより小さくなるように前記目標係合指令値を補正するように構成され得る。
後者の場合、前記目標係合指令値更新部は、前記解放速度比の前記目標速度比に対する比が所定の第2上限値よりも大きい場合は前記クラッチの係合の程度がより大きくなるように前記目標係合指令値を補正し、前記解放速度比の前記目標速度比に対する比が所定の第2下限値よりも小さい場合は前記クラッチの係合の程度がより小さくなるように前記目標係合指令値を補正するように構成され得る。
本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の各実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
本発明の1つの実施態様に係る動力伝達装置の制御装置(本制御装置)が適用される車輌の構成の一例を示す模式図である。 停車時ニュートラル制御における車速、ブレーキの動作、係合指令値及び各種回転速度の推移の一例を示す模式的なタイム・チャートである。 走行時ニュートラル制御における車速、ブレーキの動作、係合指令値及び各種回転速度の推移の一例を示す模式的なタイム・チャートである。 図3に示した走行時ニュートラル制御を示すタイム・チャートの部分拡大図である。
以下、図面を参照しながら本発明の1つの実施形態に係る動力伝達機構の制御装置(以下、「本制御装置」と称される場合がある。)について説明する。
(構成)
本制御装置が適用される動力伝達装置を備える車輌は、前述したように、一般的な車輌と同様の構成を有する。例えば、上記車輌は、図1の(a)に示した車輌100のように、動力伝達機構170、ブレーキ及びアクセルを含む各種操作機構(図示せず)並びに各種センサ群180を備える。動力伝達機構170は、動力源であるエンジン110から駆動輪160(160L及び160R)へと動力を伝達する。動力伝達機構170は、トルク・コンバータ120、クラッチ130、自動変速装置(AT)140及び駆動軸150(ドライブ・シャフト又はプロペラ・シャフト)を含む。
各種センサ群180は、ブレーキ・センサ181、アクセル開度センサ182、車輪速度センサ183、シフト位置センサ184(例えば、インヒビタ・スイッチ)及び(トルク・コンバータ120の出力軸である)タービン・ランナ122の回転速度を検出するタービン回転速度センサ185を含む。即ち、各種センサ群180は、本制御手段が備える検出手段を構成している。
更に、車輌100は、上記操作機構及び各種センサ群180から得られる各種信号に基づいてエンジン110及び動力伝達機構170を制御する電子制御装置(ECU)190を備える。図1に示したECU190は、エンジン制御装置(E−ECU)191、自動変速装置制御装置(T−ECU)192並びに(自動変速装置140及びクラッチ130を制御するための)制御回路193を含む。本制御装置は、T−ECU192として実装されている。即ち、本制御装置が備えるニュートラル制御実行手段が備える解放指令部、解放速度比算出部及び目標指令値更新部等によって実行される各種処理は、T−ECU192が備えるデータ記憶装置(図示せず)に格納されたコンピュータ・プログラムに従って各種演算処理等を実行するCPU(図示せず)によって実現される。
図1の(b)は、動力伝達機構170の概略構成を示す模式図である。図1の(b)に示したように、エンジン110から発する駆動力は、トルク・コンバータ120の入力軸であるポンプ・インペラ121、トルク・コンバータ120の出力軸であるタービン・ランナ122、クラッチ130、自動変速装置140及び駆動軸150を経由して、駆動輪160に伝達される。
本制御装置は、油圧式クラッチ130を備える動力伝達装置に適用される。即ち、本制御装置は、油圧式クラッチ130を係合させるための油圧の増減によりクラッチ130の係合度を制御する。従って、本制御装置において、油圧式クラッチ130の係合度を制御するための係合指令値は上記油圧の指示圧である。
更に、車輌100において、ニュートラル制御実行手段は、シフト位置センサ184によって検出されるシフト位置がDレンジにあっても、所定のニュートラル制御実行条件が成立するときにはクラッチ130を解放させてニュートラル状態とするニュートラル制御を実行する。本制御装置においては、車輪速度センサ183によって検出される車速が所定の第2速度未満であり且つアクセル開度センサ182によって検出されるアクセルの開度が所定の第1開度未満であり且つブレーキ・センサ181によってブレーキが作動していると検出される状態が所定の第1時間以上に亘って継続する場合にニュートラル制御実行条件が成立する。
上記の場合、ニュートラル制御実行手段は、動力伝達機構170において動力の伝達を断続させるクラッチ130の係合の程度である係合度を調整するための指令値である係合指令値を調整して、クラッチ130をニュートラル状態とするニュートラル制御を実行する。一方、ニュートラル制御実行手段は、これらの条件のうち1つでも成立しなくなった場合、ニュートラル制御の実行を停止する。
(基本的動作)
ここで、本制御装置が備えるニュートラル制御実行手段によって実行される走行時ニュートラル制御における基本的な動作につき、停車時ニュートラル制御と対比しながら、より具体的に説明する。
<停車時ニュートラル制御>
先ず、停車時ニュートラル制御について説明する。図2は、停車時ニュートラル制御における車速V、ブレーキの動作、係合指令値及び各種回転速度の推移の一例を示す模式的なタイム・チャートである。各種回転速度には、動力源であるエンジン110の回転速度(機関回転速度Ne)、トルク・コンバータ120の出力軸であるタービン・ランナ122の回転速度(タービン回転速度Nt)及び自動変速装置140の入力軸の回転速度(入力軸回転速度Nin)が含まれる。
先ず、時刻t0において、車輌100の運転者の操作によりブレーキが作動し(ONとなり)、車輌100の走行速度(車速V)が低下し始める。これに伴って、入力軸回転速度Ninもまた低下し始める。このとき、アクセル開度センサ182によって検出されるアクセルの開度は所定の第1開度未満となっている(図示せず)。結果として、機関回転速度Neもまた、時刻t0において低下し始める。
時刻t1において、車速Vが0(ゼロ)となり、車輌100は停車する。このとき、ブレーキは未だ作動しており(ONとなっており)、アクセルの開度は所定の第1開度未満のままである(図示せず)。更に、機関回転速度Neはアイドル回転速度となっており、入力軸回転速度Ninもまた0(ゼロ)となっている。この状態は、時刻t1から所定の第1時間が経過した時刻t2まで継続している。即ち、ニュートラル制御の実行条件が成立している。そこで、時刻t2において、停車時ニュートラル制御の実行が開始される。
これまで係合状態にあった油圧式クラッチ130を解放させるべく、油圧の指示圧である係合指令値が低下される。具体的には、係合指令値は、クラッチ130の解放が始まる直前の係合度に対応する値まで一気に低下された後、徐々に低下(スイープ・ダウン)される。時刻t3において、それまでは入力軸回転速度Ninと一致していたタービン回転速度Ntが入力軸回転速度Ninとは乖離して上昇に転じている。即ち、時刻t3において、クラッチ130の解放が始まっている。このように係合指令値のスイープ・ダウンによりクラッチ130の係合度を徐々に低下させるので、駆動力の急変に伴う衝撃の発生を抑制しつつクラッチ130を解放させることができる。
その後は、タービン回転速度Ntが所定の目標値に一致するように、クラッチ130への係合指令値がフィードバック制御される。尚、タービン回転速度Ntの目標値は、例えば、クラッチ130の係合度が適切であり且つ機関回転速度Neがアイドル回転速度となっているときのタービン回転速度Ntを事前の適合実験等によって求めることによって適宜定めることができる。クラッチ130の適切な係合度とは、例えば、停車時ニュートラル制御の実行条件が成立しなくなりクラッチ130を再び係合させるときの応答が悪化するほどには低過ぎず、且つ、クリープ現象によりエンジン110(動力源)に負荷が掛かり燃費の悪化を招くほどには高過ぎない程度の係合度を指す。
その後、時刻t4において、車輌100の運転者の操作によりブレーキの作動が停止している(OFFとなっている。)。これに伴い、停車時ニュートラル制御の実行条件が成立しなくなったので、停車時ニュートラル制御の実行が停止され、係合指令値の上昇に伴ってクラッチ130が係合され、タービン回転速度Ntが入力軸回転速度Ninに一致するようになる。その後、アクセル開度の増大により(図示せず)、機関回転速度Ne、タービン回転速度Nt、入力軸回転速度Nin及び車速Vが上昇している。
<走行時ニュートラル制御>
次に、本制御装置によって実行される走行時ニュートラル制御について説明する。図3は、走行時ニュートラル制御における車速V、ブレーキの動作、係合指令値及び各種回転速度の推移の一例を示す模式的なタイム・チャートである。図2と同様に、各種回転速度には、動力源であるエンジン110の回転速度(機関回転速度Ne)、トルク・コンバータ120の出力軸であるタービン・ランナ122の回転速度(タービン回転速度Nt)及び自動変速装置140の入力軸の回転速度(入力軸回転速度Nin)が含まれる。
先ず、時刻t0において、車輌100の運転者の操作によりブレーキが作動し(ONとなり)、車輌100の走行速度(車速V)が低下し始める。これに伴って、入力軸回転速度Ninもまた低下し始める。このとき、アクセル開度センサ182によって検出されるアクセルの開度は所定の第1開度未満となっている(図示せず)。結果として、機関回転速度Neもまた、時刻t0において低下し始める。しかしながら、図3に示した例においては、図2と比較して、車速V及び各種回転速度の低下はより緩やかである。
時刻t1において、車速Vは低下し続けており、所定の第2速度(V2)未満となっている。このとき、ブレーキは未だ作動しており(ONとなっており)、アクセルの開度は所定の第1開度未満のままである(図示せず)。その結果、機関回転速度Ne及び入力軸回転速度Ninもまた低下し続けている。この状態は、時刻t1から所定の第1時間が経過した時刻t2まで継続している。即ち、ニュートラル制御の実行条件が成立している。
第2速度V2は、例えば、ニュートラル制御を実行しても車輌100の走行において安全上の問題が生じない程度に十分に低い車速Vに対応する速度として、適宜定めることができる。第1開度は、例えば、車輌100の運転者が当該車輌100を加速させようとしていない場合に想定されるアクセル・ペダルの操作量に対応する開度として、適宜定めることができる。第1時間は、例えば、車速Vが第2速度V2未満であり且つアクセルの開度が第1開度未満であり且つブレーキが作動している状態が一時的に発生したのではなく安定して継続していると判断するに足りる十分に長い時間として、適宜定めることができる。
時刻t2における車速Vは所定の第1速度(V1)よりも大きいので、ニュートラル制御実行手段が備える解放司令部は、走行時ニュートラル制御の実行を開始する。具体的には、これまで係合状態にあった油圧式クラッチ130を解放させるべく、油圧の指示圧である係合指令値が低下される。このときの係合指令値は上述した停車時ニュートラル制御におけるようにスイープ・ダウンされるではなく、予め定められた目標係合指令値まで一気に低下され、この目標係合指令値にて一定に維持される。この工程は、上述した「解放指令部」によって実行される。尚、時刻t2の直後の極短い期間において係合指令値が漸減されているが、これは所謂「オーバーシュート」を回避するための措置であり、停車時ニュートラル制御におけるスイープ・ダウンには該当しない。
上記のように、第1速度V1は、解放指令部が走行時ニュートラル制御を実行するか否かを切り替えるための判断基準としての車速Vの閾値である。典型的には、第1速度V1は0(ゼロ)km/hである。但し、上記検出手段による車速Vの検出精度等を考慮して、第1速度V1を0(ゼロ)km/hよりも僅かに大きい値に設定してもよい。解放指令部は、ニュートラル制御を開始するときの車速Vが第1速度V1以下であるとき、上述したような停車時ニュートラル制御を実行するように構成され得る。
一方、時刻t2以降も、ブレーキは未だ作動しており(ONとなっており)、アクセルの開度は所定の第1開度未満のままである(図示せず)。その結果、機関回転速度Ne及び入力軸回転速度Ninもまた低下し続けている。
ところが、時刻t3において、それまでは入力軸回転速度Ninと共に低下し続けていたタービン回転速度Ntが入力軸回転速度Ninとは乖離して上昇に転じている。即ち、時刻t3において、クラッチ130の解放が始まっている。これは、上述したように、車速Vの低下に伴って(入力軸回転速度Nin及び)タービン回転速度Ntが徐々に低下し、トルク・コンバータ120の速度比が小さくなり、クラッチへの入力トルクが徐々に増大したことに起因する。その結果として、この場合もまた、駆動力の急変に伴う衝撃の発生を抑制しつつ、クラッチ130を徐々に解放させることができる。
その後は、上述した停車時ニュートラル制御と同様に、タービン回転速度Ntが所定の目標値に一致するように、クラッチ130への係合指令値がフィードバック制御される。その後、時刻t4において、車輌100の運転者の操作によりブレーキの作動が停止し(OFFとなり)ている。これに伴い、走行時ニュートラル制御の実行条件が成立しなくなったので、走行時ニュートラル制御の実行が停止され、停車時ニュートラル制御と同様に通常の走行状態に戻る。
(走行時ニュートラル制御における目標係合指令値の学習)
上記走行時ニュートラル制御においては、油圧式クラッチ130への油圧の指示圧である係合指令値が所定の目標係合指令値にて一定に維持された状態において、車速Vの低下に伴ってクラッチへの入力トルクが徐々に増大し、やがてクラッチ130が解放される。
このとき、目標係合指令値(この場合は油圧式クラッチ130への油圧の指示圧)が低過ぎると、クラッチ130の係合度も過度に低くなる。その結果、クラッチ130の解放が始まる時期が早まる一方、解放後にタービン回転速度Ntを所定の目標値に一致させてクラッチ130の係合度を適切なものとするのに要する時間が長くなる。状況によっては、走行時ニュートラル制御の実行条件が成立しなくなりクラッチ130を再び係合させるときの応答が悪化する虞がある。
一方、目標係合指令値が高過ぎると、クラッチ130の係合度も過度に高くなる。その結果、クラッチ130の解放が始まる時期が遅れ、クリープ現象によりエンジン110(動力源)に負荷が掛かる期間が長くなり、車輌100の燃費の悪化を招く虞がある。
そこで、本制御装置は、クラッチ130の解放が始まるときの係合度を適切なものとすることができる目標係合指令値を学習する。具体的には、本制御装置が備えるニュートラル制御実行手段においては、上述したように解放指令部が、ニュートラル制御を開始するときの車速Vが第1速度V1よりも大きい場合、係合指令値を所定の目標係合指令値において一定に維持してクラッチ130の係合度を低下させる。そして、解放速度比算出部が、車速Vの低下に伴って下降していたタービン回転速度Ntが上昇に転じたときのタービン回転速度Nt及び機関回転速度Neに基づいてクラッチの解放が始まったときのトルク・コンバータ120の速度比である解放速度比を算出する。更に、目標係合指令値更新部が、解放速度比と目標速度比との違いに基づいて目標係合指令値を補正する。
解放速度比算出部は、上述したように車速Vの低下に伴って下降していたタービン回転速度Ntが上昇に転じたときのタービン回転速度Nt及び機関回転速度Neに基づいて、クラッチ130の解放が始まったときのトルク・コンバータ120の速度比である解放速度比を算出する。ここで、解放速度比の算出につき、より詳しく説明する。図4は、図3に示した走行時ニュートラル制御を示すタイム・チャートの部分拡大図である。
上述したように、時刻t3においてクラッチ130の解放が始まり、それまでは入力軸回転速度Ninと共に低下し続けていたタービン回転速度Ntが入力軸回転速度Ninとは乖離して上昇に転じている(図4中の白抜きの丸印Aを参照)。このときの機関回転速度Neはアイドル回転速度にて一定である(図4中の黒塗りの丸印Bを参照)。クラッチ130の解放が始まったときのトルク・コンバータ120の速度比である解放速度比eは、時刻t3におけるタービン回転速度Nt(白抜きの丸印A)の機関回転速度Ne(黒塗りの丸印B)に対する比として算出することができる(e=Nt/Ne)。
そして、目標係合指令値更新部は、上記のようにして算出された解放速度比eと所定の目標速度比etとの違いに基づいて目標係合指令値を補正する。具体的には、目標係合指令値更新部は、解放指令部がクラッチへの係合指令値を目標係合指令値にて一定に維持してクラッチの係合度を低下させるときに、解放速度比eが目標速度比etに近付くように、目標係合指令値を補正する。
より具体的には、解放速度比eが目標速度比etに対して過大である場合、目標係合指令値更新部は、クラッチ130の係合の程度がより大きくなるように目標係合指令値を補正する(図4中の黒塗りの矢印によって示されるように、油圧式クラッチ130への油圧の指示圧の目標値を大きくする)。一方、解放速度比eが目標速度比etに対して過小である場合、目標係合指令値更新部は、クラッチ130の係合の程度がより小さくなるように目標係合指令値を補正する(図4中の白抜きの矢印によって示されるように、油圧式クラッチ130への油圧の指示圧の目標値を小さくする)。
目標速度比etは、クラッチ130の解放が始まるときにクラッチ130の係合度が適切である場合におけるトルク・コンバータ120の速度比であり、例えば事前の適合実験等によって適宜定めることができる。クラッチ130の解放が始まるときに適切な係合度とは、例えば、クラッチ130の解放後にタービン回転速度Ntを所定の目標値に一致させてクラッチ130の係合度を適切なものとするのに要する時間が過度に長くなるほどには低過ぎず、且つ、クラッチ130の解放が遅れてクリープ現象によりエンジン110(動力源)に負荷が掛かる期間が過度に長くなるほどには係合度が高過ぎない、クラッチ130の係合度を指す。
本制御装置において、「解放速度比eと目標速度比etとの違い」は「解放速度比eと目標速度比etとの差」である。即ち、ニュートラル制御実行手段は、目標係合指令値更新部は、解放速度比eから目標速度比etを差し引いた差が所定の第1上限値よりも大きい場合はクラッチ130の係合の程度がより大きくなるように目標係合指令値を補正し、解放速度比eから目標速度比etを差し引いた差が所定の第1下限値よりも小さい場合はクラッチ130の係合の程度がより小さくなるように目標係合指令値を補正するように構成されている。
第1上限値は、解放速度比eが目標速度比etよりも有意に大きいか否かを判断することが可能となるように、例えば、本制御装置が備える検出手段によるタービン回転速度Nt及び機関回転速度Neの検出精度等を考慮して、適宜定めることができる。第1下限値は、解放速度比eが目標速度比etよりも有意に小さいか否かを判断することが可能となるように、例えば、同検出手段によるタービン回転速度Nt及び機関回転速度Neの検出精度等を考慮して、適宜定めることができる。尚、第1上限値及び第1下限値は、それぞれ正の値及び負の値であり、それらの絶対値は、同じ値であっても、或いは、異なる値であってもよい。
次回、解放指令部がクラッチへの係合指令値を目標係合指令値にて一定に維持してクラッチの係合度を低下させるときに、上記のようにして補正された目標係合指令値を解放指令部が使用する。これにより、本制御装置は、走行時ニュートラル制御において適切な係合度にてクラッチ130を解放させるための目標係合指令値を学習することができる。即ち、本制御装置は、走行時ニュートラル制御においてもクラッチ130への目標係合指令値を学習することにより、クラッチ130に個体差がある場合においても、駆動力の急変に伴う衝撃の発生を抑制しつつクラッチ130を解放させ、且つ、可及的速やかに適切な係合度でのクラッチ130の解放状態(ニュートラル状態)を達成することができる。
(変形例)
本発明の上記実施形態に係る動力伝達機構の制御装置においては、上記のように「解放速度比eと目標速度比etとの差」を「解放速度比と目標速度比との違い」として目標係合指令値更新工程を実行した。しかしながら、前述したように、「解放速度比eの目標速度比etに対する比」を「解放速度比と目標速度比との違い」としてもよい。
即ち、ニュートラル制御実行手段が備える目標係合指令値更新部は、解放速度比eの目標速度比etに対する比が所定の第2上限値よりも大きい場合はクラッチ130の係合の程度がより大きくなるように目標係合指令値を補正し、解放速度比eの目標速度比etに対する比が所定の第2下限値よりも小さい場合はクラッチ130の係合の程度がより小さくなるように目標係合指令値を補正するように構成され得る。
第2上限値は、解放速度比eが目標速度比etよりも有意に大きいか否かを判断することが可能となるように、例えば、検出手段によるタービン回転速度Nt及び機関回転速度Neの検出精度等を考慮して、適宜定めることができる。第2下限値は、解放速度比eが目標速度比etよりも有意に小さいか否かを判断することが可能となるように、例えば、検出手段によるタービン回転速度Nt及び機関回転速度Neの検出精度等を考慮して、適宜定めることができる。尚、第2上限値及び第2下限値は、それぞれ1より大きい値及び1より小さい値である。
更に、本発明装置が適用される車輌の構成は特に限定されず、動力源、駆動輪、アクセル及びブレーキを有する限り、上記実施形態に限定されない。上記動力源もまた、特定の構成を有するものに限定されず、具体例としては、例えばガソリン・エンジン及びディーゼル・エンジン等の内燃機関並びに電動機(モータ)等の原動機を挙げることができる。上記駆動輪もまた、上記動力源から伝達された動力を路面に伝えることにより上記車輌を走行させることが可能である限り、特に限定されない。上記駆動輪の具体例としては、例えばタイヤ等の車輪を挙げることができる。
以上、本発明を説明することを目的として、特定の構成を有する幾つかの実施形態及び変形例につき、時に添付図面を参照しながら説明してきたが、本発明の範囲は、これらの例示的な実施形態及び変形例に限定されると解釈されるべきではなく、特許請求の範囲及び明細書に記載された事項の範囲内で、適宜修正を加えることが可能であることは言うまでも無い。
100…車輌、110…エンジン、120…トルク・コンバータ、121…ポンプ・インペラ、122…タービン・ランナ、130…クラッチ、140…自動変速装置、150…駆動軸、160、160L及び160R…駆動輪、170…動力伝達機構、180…各種センサ群、181…ブレーキ・センサ、182…アクセル開度センサ、183…車輪速度センサ、184…シフト位置センサ、185…タービン回転速度センサ、190…電子制御装置(ECU)、191…エンジン制御装置(E−ECU)、並びに192…自動変速装置制御装置(T−ECU)。

Claims (1)

  1. 動力源、駆動輪、アクセル及びブレーキを有する車輌において前記動力源から前記駆動輪へと動力を伝達する動力伝達機構に適用され、
    所定のニュートラル制御実行条件が成立するとき、前記動力伝達機構において前記動力の伝達を断続させるクラッチの係合の程度である係合度を調整するための指令値である係合指令値を調整して、前記クラッチをニュートラル状態とするニュートラル制御を実行するニュートラル制御実行手段と、
    前記動力源の回転速度である機関回転速度、前記動力伝達機構において前記動力を前記動力源から前記クラッチへと伝達するトルク・コンバータのタービン・ランナの回転速度であるタービン回転速度及び前記車輌の走行速度である車速を検出する検出手段と、
    を備える、
    動力伝達機構の制御装置であって、
    前記ニュートラル制御実行手段は、前記ニュートラル制御を開始するときの前記車速が所定の第1速度よりも大きい場合に前記係合指令値を所定の目標係合指令値において一定に維持して前記クラッチの係合度を低下させる解放指令部と、
    前記車速の低下に伴って下降していた前記タービン回転速度が上昇に転じたときの前記タービン回転速度及び前記機関回転速度に基づいて前記クラッチの解放が始まったときの前記トルク・コンバータの速度比である解放速度比を算出する解放速度比算出部と、
    前記解放速度比と所定の目標速度比との違いに基づいて前記目標係合指令値を補正する目標係合指令値更新部と、
    を備える、
    動力伝達機構の制御装置。
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