JP2000310317A - 入力トルク推定装置 - Google Patents

入力トルク推定装置

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JP2000310317A
JP2000310317A JP12013199A JP12013199A JP2000310317A JP 2000310317 A JP2000310317 A JP 2000310317A JP 12013199 A JP12013199 A JP 12013199A JP 12013199 A JP12013199 A JP 12013199A JP 2000310317 A JP2000310317 A JP 2000310317A
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弘樹 浅山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力トルク推定装置に関し、コスト抑制しな
がら、変速機のトルク入力部に入力されるトルクを精度
よく推定しつつ、トルク推定のための演算遅れがベルト
式無段変速機におけるベルト張力制御等に悪影響しない
ようにする。 【解決手段】 機関1の出力トルクを推定する出力トル
ク推定手段51と、推定された出力トルクから変速機へ
の入力トルクを算出する第1算出手段52と、推定され
た出力トルクに、機関の回転速度の時間微分値に応じた
補正を施して得られる値から変速機への入力トルクを算
出する第2算出手段53と、第1算出手段52で算出さ
れた入力トルクの絶対値と第2算出手段53で算出され
た入力トルクの絶対値とのうちの大きい方の値を変速機
への入力トルクと推定する推定手段54とから構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベルト式無段変速
機の入力側プーリへ入力されるトルクを推定するのに用
いて好適の、入力トルク推定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】無段変速機を連続的に制御することがで
き、変速ショックを回避でき、また燃料消費効率の優れ
た動力伝達装置として車両に用いられている。ベルト式
無段変速機の場合、機関(エンジン)で発生した動力が
ベルトを介して入力側プーリ(プライマリプーリ)から
出力側プーリ(セカンダリプーリ)へ伝達される。変速
比は、上述のように出力側プーリと入力側プーリとの回
転速度比であり、入力側プーリ及び出力側プーリの各可
動シーブを駆動して入力側プーリ及び出力側プーリの各
有効半径比を調整することにより制御される。
【0003】具体的には、通常出力側プーリの油圧ピス
トンには伝達トルクなどの基本特性に合わせて設定され
た油圧(ライン圧)を作用させてベルトへのクランプ力
を与えておき、入力側プーリの油圧ピストンに作用させ
る油圧を調整することで変速を行なう。ところで、上記
のライン圧は、ベルトの滑りを回避して動力伝達性を確
保できる範囲で可能な限り低い圧力にすることが、オイ
ルポンプによるエネルギ損失の低減や変速機自体の耐久
性を高める上で重要である。ベルトの滑りは、ベルトと
各プーリとの間の伝達トルクと、このトルク伝達にかか
るベルト,プーリ間の接触面積(これはベルトの掛かり
半径に対応する)とに応じて生じる。
【0004】ここで、変速機への入力トルクをTinと変
速機の速度比eとすると、例えばベルトと出力側プーリ
との間の伝達トルクはTin/eであり、ベルトの掛かり
半径は1/(1+e)に比例する。そこで、特開昭56
−134658号公報に開示されているように、これら
の伝達トルクTin/e,ベルトの掛かり半径1/(1+
e)に基づいてベルト張力制御圧(ライン圧に対応する
圧力)Pout を設定し、このベルト張力制御圧Pout に
基づいて、調圧弁を制御してオイルポンプの吐出圧を調
圧することにより、ライン圧制御を行なうことができ
る。
【0005】しかしながら、例えばエンジン駆動式オイ
ルポンプの場合、エンジン回転速度に対応して吐出圧が
変化するなど、オイルポンプの吐出圧は常に一定ではな
いため、調圧弁が一定開度でもライン圧は変化すること
がある。また、油圧ピストンに作用する油圧も出力側プ
ーリとともに回転して遠心油圧が発生するため、油圧ピ
ストンには、供給した油圧がそのまま作用するとは限ら
ない。
【0006】そこで、例えば特公平6−6976号の技
術では、このような点を考慮して次式(1)によりベル
ト張力制御圧(ライン圧に対応する圧力)Pout を算出
して、調圧弁を制御するようにしている。 Pout =K2・Tin・(1+e)/e +K3・Nout2+K4・Ne+K5・Δx+ΔP ・・・(1) ただし、K2,K3,K4,K5:定数 Tin:入力側プーリへの入力トルク e:ベルト式CVTの速度比 Nout :出力側プーリの油圧シリンダの回転速度 Δx:出力側プーリの目標位置x′と実際位置xとの差
(x′−x) ΔP:ライン圧に余裕をもたせるための上昇圧力量 とする。
【0007】また、入力側プーリへの入力トルクTinは
次式(2)により算出する。 Tin=Te+ΔTe+K6・dNe/dt+K7・dNin/dt ・・・(2) ただし、Te:スロットル開度θに応じたエンジントル
ク ΔTe:混合気の空燃比減少に対応するエンジントルク
の増大分 K6,K7:定数 dNe/dt:エンジン回転数Neの時間微分値 dNin/dt:入力側プーリの回転速度Ninの時間微分値 とする。
【0008】式(1)の第1項は、ベルトと出力側プー
リとの間の伝達トルクTin/eをベルトの掛かり半径1
/(1+e)で除した、基本ベルト張力制御圧であり、
式(1)の第2項以降がその補正項である。つまり、第
2項のK3・Nout2は油圧ピストンに作用する圧油に生
じる遠心油圧に対応した補正項であり、第3項のK4・
Neはエンジン駆動式オイルポンプの吐出圧に対応した
補正項であり、第4項のK5・Δxは変速を速やかに行
なうための補正であり、第5項のΔPはベルトの滑りを
確実に回避して動力伝達性を確保するための余裕圧であ
る。
【0009】また、式(2)は、入力側プーリがエンジ
ンと直結状態の場合には入力側プーリへの入力トルクT
inがエンジンからの出力トルク(エンジントルク)と等
しくなるという点に基づいている。エンジントルクは直
接求められないが、エンジンの暖機中や加速時等を除い
た通常運転時には、エンジントルクはスロットル開度θ
に対応するため、式(2)の第1項のように、このスロ
ットル開度θに応じたエンジントルクTeを入力トルク
Tinの基本値としているのである。
【0010】しかし、エンジンの暖機中や加速時等は、
通常時よりもエンジンへの燃料供給量を増大するためそ
の分エンジントルクも増大するので、式(2)の第2項
のように、燃料供給量の増大に伴うエンジントルク増大
分を加算している。また、エンジン回転速度Neの変動
時にはその時間変化dNe/dtに応じて入力側プーリの
トルクTinも変化するため、式(2)の第3項のK6・
dNe/dtによる補正が施されている。つまり、エンジ
ン回転速度Neの増加時には、図3(a)に示すよう
に、エンジン発生トルクの一部は、エンジンの回転部分
の回転速度増加に使われてしまうので、エンジン出力ト
ルクはその分だけ減少することになる。また、エンジン
回転速度Neの減少時には、図3(b)に示すように、
エンジン発生トルクに、エンジンの回転部分の慣性トル
クが付加されるため、エンジン出力トルクはその分だけ
増加することになる。
【0011】ただし、この第3項は、「エンジン回転速
度Neの時間変化dNe/dt=入力側プーリの回転速度
Ninの時間変化dNin/dt」を前提としたもので、機関
の出力軸と入力側プーリとの間にクラッチが介在すれ
ば、クラッチの滑りのために、dNe/dt=dNin/dt
にはならず、dNin/dtに伴う入力側プーリのトルクT
inの変化が生じる。そこで、式(2)の第4項のK7・
dNin/dtによる補正が施されているのである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、式(2)に
より入力トルクTinを求めようとする場合、第3項や第
4項の時間微分項によりトルク推定の精度を向上させる
ことが可能になるが、演算負担が増大するため、演算遅
れが生じたり演算精度の悪化が生じたりする。もちろ
ん、CPUを十分に高性能のものにすれば解決しうる
が、大きなコスト増を招いてしまう。
【0013】特に、エンジン出力トルクが正の時(エン
ジンからトルクが出力されている時)において、時間微
分項によりトルクを負側に補正する場合には、演算遅れ
により推定トルクが過少となるため、このような推定ト
ルクによりライン圧制御(ベルト張力制御)を行なう
と、ベルト保持力が不足してベルトスリップを招き、ト
ランスミッションの耐久性を悪化させる原因となる。
【0014】また、エンジン出力トルクが負の時(エン
ジンが負荷となる。エンジンブレーキ状態の時)におい
て、時間微分項によりトルクを正側に補正する場合に、
演算遅れにより推定トルクの絶対値が過少となるため、
このような推定トルクによりライン圧制御(ベルト張力
制御)を行なうと、上述同様に、ベルト保持力不足によ
るベルトスリップを招き、トランスミッションの耐久性
悪化の原因となる。
【0015】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、大きなコスト増を招くことなく、変速機のトルク
入力部に入力されるトルクを精度よく推定しつつ、トル
ク推定のための演算遅れが例えばベルト式無段変速機に
おけるベルト張力制御等に悪影響しないようにした、入
力トルク推定装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の入力
トルク推定装置は、推定された機関出力トルクに基づい
て変速機への入力トルクを算出する第1算出手段と、推
定された出力トルクを機関の回転速度の時間微分値で補
正した値から変速機への入力トルクを算出する第2算出
手段とをそなえる。そして、入力トルク推定手段が、第
1算出手段で算出された入力トルクの絶対値と第2算出
手段で算出された入力トルクの絶対値とのうちの大きい
方の値を変速機に入力されるトルクであると推定する。
【0017】第2算出手段では、時間微分値に応じた補
正により推定精度は高まる一方で、補正に時間がかかり
推定遅れが生じることがあり、特に、トルクが過少に推
定されるとこの推定トルクに基づく制御に悪影響を与え
やすいが、第1算出手段では、時間微分値に応じた補正
をしない分だけ精度は低いものの制御遅れが少ないた
め、トルク値が過剰に小さく推定されることがなく、第
2算出手段でトルクが過少に推定された場合には、この
第1算出手段によるトルク値が採用され、演算遅れの悪
影響を回避しうるようになる。
【0018】好ましくは、変速機は、入出力プーリとベ
ルトとからなるベルト式無段変速機とする。この場合、
入力トルク推定手段が、機関からベルト式無段変速機の
トルク入力部である入力側プーリに入力されるトルクを
適切に推定するため、入力側プーリ及び出力側プーリに
おける有効径の調整時に、入力側プーリから出力側プー
リへ機関の動力を伝達するベルトの張力を適正に制御す
ることが可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明する。図1,図2は本発明の一実施
形態について示すもので、図1は本入力トルク推定装置
の構成を示すブロック図、図2は本入力トルク推定装置
を有する車両の動力伝達系を説明するための模式図であ
る。なお、本実施形態では、変速機としてベルト式無段
変速機(CVT)が用いられている。
【0020】まず、本実施形態の入力トルク推定装置に
かかる動力伝達機構について説明すると、図2(a),
(b)に示すように、本動力伝達機構では、エンジン
(内燃機関)1から出力された回転は、トルクコンバー
タ(トルコン)2を介してベルト式無段変速機(CV
T)20に伝達され、さらにカウンタシャフト27から
フロントデフ31へ伝達されるようになっている。
【0021】そして、トルコン2の出力軸7とベルト式
無段変速機20の入力軸24との間には、正転反転切換
機構4が配設されており、エンジン1からトルコン2を
介して入力される回転は、この正転反転切換機構4を介
して無段変速機構20に入力されるようになっている。
次に、無段変速機構20を説明すると、無段変速機構2
0は、プライマリプーリ(入力側プーリ)21とセカン
ダリプーリ(出力側プーリ)22とベルト23とから構
成されており、正転反転切換機構4からプライマリシャ
フト24に入力された回転は、プライマリシャフト24
と同軸一体のプライマリプーリ21からベルト23を介
してセカンダリプーリ22へ入力されるようになってい
る。
【0022】プライマリプーリ21,セカンダリプーリ
22はそれぞれ一体に回転する2つのシーブ21a,2
1b,22a,22bから構成されている。それぞれ一
方のシーブ21a,22aは軸方向に固定された固定シ
ーブであり、他方のシーブ21b,22bは油圧アクチ
ュエータ(油圧ピストン)21c,22cによって軸方
向に可動する可動シーブになっている。
【0023】油圧ピストン21c,22cには、オイル
タンク61内の作動油をオイルポンプ62で加圧して得
られる制御油圧が供給され、これに応じて可動シーブ2
1b,22bの固定シーブ21a,22a側への押圧力
が調整されるようになっている。セカンダリプーリ22
の油圧ピストン22cには、調圧弁63により調圧され
たでライン圧が加えられ、プライマリプーリ21の油圧
ピストン21cには、調圧弁63により調圧された上で
流量制御弁64により流量調整された作動油が供給さ
れ、この作動油が変速比調整用油圧として作用するよう
になっている。
【0024】なお、ライン圧は、ベルト23の滑りを回
避して動力伝達性を確保できる範囲で可能な限り低い圧
力にすることが、オイルポンプ62によるエネルギ損失
の低減や変速機自体の耐久性を高める上で重要であり、
伝達トルクTin/e,セカンダリプーリ22のベルトの
掛かり半径と対応する値1/(1+e)に基づいてベル
ト張力制御圧(ライン圧に対応する圧力)Pout を設定
し、このベルト張力制御圧Pout に基づいて、調圧弁6
3を制御してオイルポンプ62の吐出圧を調圧すること
により、ライン圧制御を行なうようになっている。
【0025】また、セカンダリプーリ22の油圧ピスト
ン22cに与えられるライン圧P1及びプライマリプー
リ21の油圧ピストン21cに与えられる変速比調整用
油圧P2 は、コントローラ(電子制御コントロールユニ
ット=ECU)50の指令信号により、それぞれ行なわ
れるようになっている。つまり、ECU50には、エン
ジン回転数センサ(クランク角センサ又はカム角セン
サ)41,スロットル開度センサ46,プライマリプー
リ21の回転速度を検出する第1回転速度センサ43,
セカンダリプーリ22の回転速度を検出する第2回転速
度センサ44,ライン圧を検出するライン圧センサ4
5,A/Fセンサ(リニアO2 センサ)47等の各検出
信号が入力されるようになっており、ECU50では、
これらの検出信号に基づいて各プーリ21,22への油
圧供給系にそなえられた調圧弁63や流量制御弁64を
制御するようになっている。
【0026】ところで、上記のライン圧は、ベルトの滑
りを回避して動力伝達性を確保できる範囲で可能な限り
低い圧力にすることが、オイルポンプによるエネルギ損
失の低減や変速機自体の耐久性を高める上で重要であ
る。そこで、前述のように、ベルトの滑りは、ベルトと
各プーリとの間の伝達トルクと、このトルク伝達にかか
るベルト,プーリ間の接触面積(これはベルトの掛かり
半径に対応する)とに応じて生じるため、ライン圧は、
変速機への入力トルク(即ち、プライマリプーリ21へ
の入力トルク)Tinと、ベルトの掛かり半径に対応する
変速比eとに基づいて、前記の式(1)により、設定す
るようになっている。
【0027】このライン圧設定時に必要なプライマリプ
ーリ21への入力トルクTinを推定するために、本入力
トルク推定装置は図1に示すように構成されている。つ
まり、図1に示すように、ECU50内には、エンジン
の出力トルクTeを推定する機能(出力トルク推定手
段)51と、出力トルク推定手段51により推定された
出力トルクTeから変速機への入力トルク(プライマリ
プーリ21への入力トルク)Tin1 ,Tin2 を算出する
2つの算出機能(第1算出手段52,第2算出手段5
3)と、これらの第1,第2算出手段52,53で算出
された各入力トルクTin1 ,Tin2 の絶対値のうちの大
きい方の値を変速機への入力トルクであると推定する機
能(入力トルク推定手段)54とがそなえられ、これら
の手段51〜54等により本入力トルク推定装置が構成
される。
【0028】出力トルク推定手段51では、エンジン通
常運転時の出力トルクTeを推定する機能(通常運転時
出力トルク推定手段)51Aと、エンジンの暖機中や加
速時等のように、通常時よりもエンジンへの燃料供給量
を増大した際にその分増大するエンジントルク(増大分
出力トルク)ΔTeを推定する機能(増大出力トルク推
定手段)51Bとをそなえている。
【0029】通常運転時出力トルク推定手段51Aで
は、エンジン回転数センサ41で検出されたエンジン回
転速度Neと、スロットル開度センサ46で検出された
スロットル開度θとから、エンジンの定常回転時の出力
トルクTeを推定するが、ここでは、エンジン回転速度
Ne,スロットル開度θに対して出力トルクTeを対応
させたマップを用いて出力トルクTeを求めるようにな
っている。なお、出力トルクTeは、このほか、エンジ
ン回転速度Neと吸気充填効率A/Neとから求めても
よく、エンジン回転数Neと平均有効圧(トルク/排気
量;目標Pe)とから求めてもよく、エンジン回転数N
Eとブースト圧とから求めてもよい。
【0030】増大出力トルク推定手段51Bでは、燃料
供給量の増大は混合気の空燃比減少に対応するので、こ
こでは、排気通路にそなえたA/Fセンサ47の空燃比
検出情報に基づいて、エンジントルク増大分ΔTeを求
めるようになっている。なお、A/Fセンサ47をそな
えない場合には、エンジン空燃比制御にかかる目標空燃
比の情報に基づいて、エンジントルク増大分ΔTeを求
めてもよい。
【0031】第1算出手段52では、次式(3)により
変速機への入力トルクTin1 を算出する。 Tin1 =(Te+ΔTe)×t ・・・(3) なお、tはトルコン2のトルク比であり、エンジン出力
トルク(Te+ΔTe)は、このトルク比tに応じて無
段変速機構20のプライマリプーリ21に入力するため
に、このトルク比tを乗算している。このトルク比t
は、トルコン2の入出力速度比〔トルコン2の出力回転
速度(=無段変速機構20のプライマリプーリ21の回
転速度Ninをトルコン2の入力回転速度(=エンジン1
の回転速度Ne)で除算した値(Nin/Ne)〕に基づ
いて算出することができる。
【0032】第2算出手段53では、次式(4)により
変速機への入力トルクTin2 を算出する。 Tin2 =(Te+ΔTe−K6′・dNe/dt)×t −K7′・dNin/dt ・・・(4) ただし、K6′,K7′:定数 dNe/dt:エンジン回転数Neの時間微分値 dNin/dt:入力側プーリの回転速度Ninの時間微分値 式(4)の第3項のK6′・dNe/dtは微分項演算部
52Aにより算出され、この微分項K6′・dNe/dt
による補正は、エンジン回転速度Neの変動時にその時
間変化dNe/dtに応じて入力側プーリのトルクTinも
変化する点に鑑みたものである。つまり、エンジン回転
速度Neの増加時には、図3(a)に示すように、エン
ジン発生トルクの一部は、エンジンの回転部分の回転速
度増加に使われてしまうため、その分だけ出力トルクは
減少することになり、また、エンジン回転速度Neの減
少時には、図3(b)に示すように、エンジン発生トル
クにエンジンの回転部分の慣性トルクが付加されるた
め、その分だけ出力トルクは増加することになり、これ
らを考慮したものである。
【0033】また、式(4)の第4項のK7′・dNin
/dtは微分項演算部52Bにより算出され、この微分項
K7′・dNin/dtによる補正は、機関の出力軸と入力
側プーリとの間に介在するトルコン2の滑りのために、
dNin/dtに伴う入力側プーリのトルクTinの変化が生
じる点を考慮したものである。入力トルク推定手段54
には、第1算出手段52で算出された入力トルクTin 1
の絶対値|Tin1 |を算出する機能(絶対値算出手段)
54Aと、第2算出手段53で算出された入力トルクT
in2 の絶対値|Tin2 |を算出する機能(絶対値算出手
段)54Bと、これらの絶対値|Tin1 |,|Tin2
のうちの大きい方の値を選択する機能(選択手段)54
Cとがそなえられ、入力トルク推定手段54では、第1
算出手段52で算出された入力トルクの絶対値|Tin1
|と第2算出手段53で算出された入力トルクの絶対値
|Tin2 |とを比較してこれらのうちの大きい方の値を
選択して変速機への入力トルクTinとする。
【0034】なお、各入力トルクTin1 ,Tin2 の絶対
値を求めているのは、入力トルクTin1 ,Tin2 の無段
変速機への影響は、入力トルクの方向に関係なく入力ト
ルクの大きさに依存するためである。つまり、入力トル
クはエンジンによる駆動時の方向が正でエンジンによる
制動時の方向が負となっているが、例えばライン圧の設
定にかかるような無段変速機に作用するトルク(入力ト
ルク)は、駆動時であれ制動時でなれ、その作用方向は
関係なく、その大きさ(つまり、絶対値処理したもの)
のみが効いてくるためである。
【0035】本発明の一実施形態としての入力トルク推
定装置は、上述のように構成されているので、出力トル
ク推定手段51で、エンジン回転速度Neとスロットル
開度θとからエンジンの出力トルクTe及び増大分出力
トルクΔTeを推定すると、第1算出手段52では、上
式(3)により、変速機への入力トルクTin1 を算出
し、第2算出手段53では、上式(4)により、変速機
への入力トルクTin2 を算出する。そして、入力トルク
推定手段54で、第1算出手段52による入力トルクの
絶対値|Tin1 |と第2算出手段53による入力トルク
の絶対値|Tin2|とのうちの大きい方の値を選択して
変速機への入力トルクTinとする。
【0036】第2算出手段53で算出される入力トルク
Tin2 は、その第3項や第4項の時間微分項によりトル
ク推定の精度を向上させているが、演算遅れが生じた場
合には、本来は図3(a),(b)において、実線で示
すように変化する入力トルクが、破線で示すようになっ
てしまう。このため、正のトルクの増加時(車両の駆動
時における駆動トルクの増加時)に図3(a)に示すよ
うに演算遅れが生じた場合や、負のトルクの減少時(車
両の制動時における制動トルクの減少時)に図3(b)
に示すように演算遅れが生じた場合には、実際の出力ト
ルク(実線)よりも推定した出力トルク(破線)の方が
大きさ(絶対値)が過小になってしまい、この推定出力
トルクに基づいてライン圧を設定すると、ライン圧を過
小に設定することになる。
【0037】しかし、第1算出手段52で算出される入
力トルクTin1 は、時間微分項による補正が施されない
ため、トルク推定の精度は低いが、図3(a),(b)
に一点鎖線で示すように、第2算出手段53による推定
出力トルクが過小になった場合には、その大きさ(絶対
値)が実際の出力トルク(実線)の大きさよりも大きく
なるため、この第1算出手段52で算出された入力トル
クTin1 の方が、変速機への入力トルクTinとして採用
される。したがって、推定した出力トルクの大きさ(絶
対値)が、実際の出力トルクの大きさ(絶対値)よりも
小さくなってしまうような事態が回避される。
【0038】これにより、本入力トルク推定装置により
推定した変速機への入力トルクTinを用いてライン圧を
設定すれば、演算遅れが生じたとしても、ライン圧が過
小になるようなことはなく、したがって、ベルト保持力
が不足することはなく、変速機の耐久性を向上させるこ
とができるようになる。もちろん、演算遅れによって第
2算出手段53による推定入力トルクの絶対値が過小と
ならない状況では、入力トルクTinを精度よく推定で
き、この入力トルクTinを用いたライン圧制御を適切に
行なうことができる。
【0039】なお、本実施形態では、推定した入力トル
クをライン圧制御に用いる場合を説明したが、本入力ト
ルク推定装置で推定した入力トルクは、これに限定され
るものではなく他の制御に用いてもよい。また、本実施
形態では、本入力トルク推定装置をベルト式無段変速機
に適用した例を説明したが、他の無段変速機(例えばト
ロイダル式無段変速機)や有段変速機への適用も考えら
れる。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の入力トル
ク推定装置によれば、大きなコスト増を招くことなく、
変速機のトルク入力部に入力されるトルクを精度よく、
特に、過小とならないように推定することができるよう
になる。したがって、特に、ベルト式無段変速機に適用
した場合、ベルト張力制御をベルトの滑りが生じないよ
うに適切に行なうことができるようになり、変速機の耐
久性の向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての入力トルク推定装
置を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる入力トルク推定装
置を有する車両の動力伝達系を説明するための模式図で
あり、(a)はその無段変速機を含んだ駆動系の模式的
構成図、(b)はその無段変速機の構成図である。
【図3】入力トルクの推定にかかる課題及び本発明の一
実施形態としての入力トルク推定装置の作用を説明する
図であり、(a)は車両の駆動時、(b)は車両の制動
時を示す。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関) 2 トルクコンバータ(トルコン) 20 変速機としてのベルト式無段変速機(CVT) 21 入力側プーリ(プライマリプーリ) 22 出力側プーリ(セカンダリプーリ) 23 ベルト 51 出力トルク推定手段 52 第1算出手段 53 第2算出手段 54 入力トルク推定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 徹 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 Fターム(参考) 3J052 AA01 CA21 FB31 GC23 GC44 GC51 HA11 LA01

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関から変速機のトルク入力部に入力さ
    れるトルクを推定する入力トルク推定装置において、 該機関の出力トルクを推定する出力トルク推定手段と、 該出力トルク推定手段により推定された該出力トルクか
    ら該変速機への入力トルクを算出する第1算出手段と、 該出力トルク検出手段により推定された該出力トルク
    に、該機関の回転速度の時間微分値に応じた補正を施し
    て得られる値から該変速機への入力トルクを算出する第
    2算出手段と、 該第1算出手段で算出された該入力トルクの絶対値と該
    第2算出手段で算出された該入力トルクの絶対値とのう
    ちの大きい方の値を該変速機に入力されるトルクである
    と推定する入力トルク推定手段とから構成されているこ
    とを特徴とする、入力トルク推定装置。
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