JP2006283221A - 合成皮革 - Google Patents
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Abstract
【目的】
天然皮革に近い柔らかで弾力のある触感、摩擦耐久性を併せ持ち、かつ折れシワや座屈皺の生じにくい合成皮革の提供を目的とする。
【解決手段】
立体構造経編地と銀面層からなる合成皮革であって、銀面層が多孔質樹脂層、接着層、無孔質樹脂層が順に設けられた構成であり、合成皮革の圧縮仕事量が5〜20g・cm/cm2であり、且つ逆R値が80mm以下である合成皮革。
天然皮革に近い柔らかで弾力のある触感、摩擦耐久性を併せ持ち、かつ折れシワや座屈皺の生じにくい合成皮革の提供を目的とする。
【解決手段】
立体構造経編地と銀面層からなる合成皮革であって、銀面層が多孔質樹脂層、接着層、無孔質樹脂層が順に設けられた構成であり、合成皮革の圧縮仕事量が5〜20g・cm/cm2であり、且つ逆R値が80mm以下である合成皮革。
Description
繊維質基体と合成樹脂からなる銀面層を有する合成皮革に関するもので、詳しくは、天然皮革に近い柔らかで弾力のある触感を有し、折れシワや座屈皺が生じにくく、かつ産業資材用途に充分な摩擦耐久性を有する合成皮革に関する。
合成皮革として一般に市場に出ているものは、不織布やトリコット編地に合成樹脂表皮層を積層したものが多いが、これらは天然皮革のタッチ感や風合いに比べ大変硬いという問題があった。そこで、このような問題を解消すべく、より天然皮革に近い柔らかい触感や風合いを有する合成皮革の開発が進められている。例えば、特許文献1,2,3のように、繊維質基体と表皮層の間に樹脂層を設け、該樹脂層に熱膨張性粒子を含有させることにより発泡樹脂層を形成して触感を向上させる方法が考案されている。しかし、上記の文献記載の合成皮革は図1に示すような不織布やトリコット編地に発泡樹脂層を設けた場合、発泡セルの強度不足により摩擦耐久性が劣るといった問題があった。
このような問題を解消するために、特許文献4では表皮層に紫外線硬化樹脂を用いることによって摩耗性を向上させているが、表皮層に硬い樹脂を用いているため触感が悪くなるという問題があった。
また、特許文献5では、裏布としてダブルラッセル布を用いており、ダブルラッセル布のセル層によりボリューム感や柔らかい触感を得る合成皮革が開示されている。しかしダブルラッセル布に直接無孔質樹脂からなる表皮層を張り合わせた構成であるために、合成皮革表面に大きなシワが発生しやすく天然皮革調の外観を損なうといった問題点がある。
このような問題を解消するために、特許文献4では表皮層に紫外線硬化樹脂を用いることによって摩耗性を向上させているが、表皮層に硬い樹脂を用いているため触感が悪くなるという問題があった。
また、特許文献5では、裏布としてダブルラッセル布を用いており、ダブルラッセル布のセル層によりボリューム感や柔らかい触感を得る合成皮革が開示されている。しかしダブルラッセル布に直接無孔質樹脂からなる表皮層を張り合わせた構成であるために、合成皮革表面に大きなシワが発生しやすく天然皮革調の外観を損なうといった問題点がある。
本発明では、上記のような問題点を解消し、天然皮革に近い柔らかで弾力のある触感、摩擦耐久性を併せ持ち、かつ折れシワや座屈皺の生じにくい合成皮革の提供を目的とする。
本発明は、(1)立体構造経編地と銀面層からなる合成皮革であって、銀面層が多孔質樹脂層、接着層、無孔質樹脂層が順に設けられた構成であり、合成皮革の圧縮仕事量が5〜20g・cm/cm2以上であり、且つ逆R値が80mm以下である合成皮革である。
また本発明は、(2)立体構造経編地の少なくとも一方の地組織がメッシュ状開口部を有し、且つその開口率が20〜70%であることを特徴とする(1)記載の合成皮革である。
また本発明は、(3)立体構造経編地の連結糸の総繊度が100000〜2178000dtex/吋2であることを特徴とする(1)記載の合成皮革である。
また本発明は、(4)立体構造経編地の連結糸が、単糸繊度が3〜6dtexの糸で構成された繊度が33〜110dtexのマルチフィラメント糸であることを特徴とする(1)記載の合成皮革である。
また本発明は、(5)立体構造経編地の厚みが1.5〜7mmであることを特徴とする(1)記載の合成皮革である。
また本発明は、(6)多孔質樹脂層の厚みが100〜1000μmであることを特徴とする(1)記載の合成皮革である。
また本発明は、(7)接着層の厚みが20〜300μmであることを特徴とする(1)記載の合成皮革である。
また本発明は、(8)無孔質樹脂層の厚みが20〜200μmであることを特徴とする(1)記載の合成皮革である。
また本発明は、(2)立体構造経編地の少なくとも一方の地組織がメッシュ状開口部を有し、且つその開口率が20〜70%であることを特徴とする(1)記載の合成皮革である。
また本発明は、(3)立体構造経編地の連結糸の総繊度が100000〜2178000dtex/吋2であることを特徴とする(1)記載の合成皮革である。
また本発明は、(4)立体構造経編地の連結糸が、単糸繊度が3〜6dtexの糸で構成された繊度が33〜110dtexのマルチフィラメント糸であることを特徴とする(1)記載の合成皮革である。
また本発明は、(5)立体構造経編地の厚みが1.5〜7mmであることを特徴とする(1)記載の合成皮革である。
また本発明は、(6)多孔質樹脂層の厚みが100〜1000μmであることを特徴とする(1)記載の合成皮革である。
また本発明は、(7)接着層の厚みが20〜300μmであることを特徴とする(1)記載の合成皮革である。
また本発明は、(8)無孔質樹脂層の厚みが20〜200μmであることを特徴とする(1)記載の合成皮革である。
裏地組織にメッシュ状開口部を有する立体構造経編地上に多孔質樹脂層、接着層、無孔質樹脂層からなる銀面層を積層し、圧縮仕事量(WC)が5〜20g・cm/cm2であり、かつ逆R値が80mm以下となる合成皮革にすることにより、本皮調の柔らかくて弾力のある触感が得られ、折れシワや座屈皺が生じにくく、かつ、産業資材用途特に車両用シートの表皮材に適した摩擦耐久性を有する合成皮革が得られる。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明は、図2に示す立体構造経編地上に多孔質樹脂層、接着層、無孔質樹脂層を順に積層した銀面層を積層してなる合成皮革で、特定の圧縮仕事量と、逆R値を有することにより、本革調の柔らかで弾力のある触感と、摩擦耐久性を共存させ、かつ合成皮革で問題とされている折れシワや座屈皺の生じにくい合成皮革となることを見出したものである。
本発明は、図2に示す立体構造経編地上に多孔質樹脂層、接着層、無孔質樹脂層を順に積層した銀面層を積層してなる合成皮革で、特定の圧縮仕事量と、逆R値を有することにより、本革調の柔らかで弾力のある触感と、摩擦耐久性を共存させ、かつ合成皮革で問題とされている折れシワや座屈皺の生じにくい合成皮革となることを見出したものである。
本発明の合成皮革は、KES−FB試験システムを用いて測定される圧縮仕事量(WC)が5〜20g・cm/cm2であることを必須とするものである。圧縮仕事量(WC)が5〜20g・cm/cm2であることにより天然皮革調の柔らかで弾力のあるタッチ感が得られる。また弾力があることから摩擦時に合成皮革にかかる圧力が軽減され摩擦耐久性が向上する。圧縮仕事量が5g・cm/cm2未満であると、表面の触感が固くなったり、摩擦耐久性が悪くなる虞がある。また、20g・cm/cm2より大きいと耐久性が悪くなる虞がある。
また、本発明の合成皮革は下記の試験方法にて導き出される逆R値が80mm以下であることを必須とするものである。
逆R値試験法とは、本発明の合成皮革の試験片を幅100mm、長さ350mmの大きさでタテ、ヨコ各方向からそれぞれ3枚ずつ採取し、立体経編地側に幅100mm、長さ350mm、厚み10mmの大きさのウレタンフォ−ムを貼りあわせる。厚み5mm、半径10mm〜150mm(10mm刻み)の円盤を準備し、図3のように銀面層を内側にして、円盤と表皮層が垂直になるように沿わせる。半径の大きい円盤から順に試験片を沿わせていき、試験片に折れシワが生じる直前の円盤の半径を読み取る。タテ、ヨコ各方向3枚を測定し、各々の最大径を逆R値とする。
このように測定された逆R値が80mm以下であることにより、折れシワや座屈皺の生じにくい合成皮革が得られる。逆R値が80mmより大きい場合は、折れシワや座屈皺が生じやすく、また縫製がしづらくなる虞がある。
逆R値試験法とは、本発明の合成皮革の試験片を幅100mm、長さ350mmの大きさでタテ、ヨコ各方向からそれぞれ3枚ずつ採取し、立体経編地側に幅100mm、長さ350mm、厚み10mmの大きさのウレタンフォ−ムを貼りあわせる。厚み5mm、半径10mm〜150mm(10mm刻み)の円盤を準備し、図3のように銀面層を内側にして、円盤と表皮層が垂直になるように沿わせる。半径の大きい円盤から順に試験片を沿わせていき、試験片に折れシワが生じる直前の円盤の半径を読み取る。タテ、ヨコ各方向3枚を測定し、各々の最大径を逆R値とする。
このように測定された逆R値が80mm以下であることにより、折れシワや座屈皺の生じにくい合成皮革が得られる。逆R値が80mmより大きい場合は、折れシワや座屈皺が生じやすく、また縫製がしづらくなる虞がある。
本発明に用いられる立体構造経編地は、例えば図4に示すような6枚筬のダブルラッセル機による経編機を使用して編成することができる。例えば、筬L1及び筬L2に通糸した編糸は表裏の一面の地組織を、筬L5、筬L6に通糸した編糸は表裏の他面の地組織を形成する。これら表裏の地組織を筬L3及び筬L4に通糸した編糸が表裏の地組織を連結して図5のような立体構造経編地を形成する。このように形成された立体構造経編地は、表裏地組織間に適度な空隙があることと、また、表裏地組織を連結する連結糸が厚み方向にほぼ垂直もしくはクロス状態で配置されることによりクッション性と衝撃吸収性を有するため、合成皮革を形成した際に柔らかでかつ弾力ある触感と良好な摩擦耐久性を与える。
また、連結糸部分は、地組織に比べて糸の長さに対して係止部分が少ないため動きの自由度が高く、合成皮革とウレタンフォームを貼り合せたような複合表皮材となったときに、伸縮性の小さい銀面層(多孔質樹脂層、接着層、無孔質樹脂層)と伸縮性の大きいウレタンフォームとの動きの差を連結糸の動きの自由度の高さによって吸収することができるため、折れシワや座屈皺を生じにくくすることができる。
また、連結糸部分は、地組織に比べて糸の長さに対して係止部分が少ないため動きの自由度が高く、合成皮革とウレタンフォームを貼り合せたような複合表皮材となったときに、伸縮性の小さい銀面層(多孔質樹脂層、接着層、無孔質樹脂層)と伸縮性の大きいウレタンフォームとの動きの差を連結糸の動きの自由度の高さによって吸収することができるため、折れシワや座屈皺を生じにくくすることができる。
本発明に用いられる立体構造経編地を構成する連結糸は天然繊維、半合成繊維、合成繊維、再生繊維など特に限定されないが、強度の観点から合成繊維、特にポリエステル繊維が好ましい。また連結糸には単糸繊度が3〜6dtexの糸で構成された繊度が33〜110dtexのマルチフィラメント糸を用いることが好ましい。マルチフィラメント糸を使用することにより同繊度のモノフィラメント糸を使用した場合に比べて、合成皮革を形成したときに柔らかな触感を得ることができる。単糸繊度が3dtex未満であると繊維の強度及び弾性力が弱いためヘタリ易く表裏地組織間の空隙が保持しにくくなり、合成皮革としての触感や摩擦耐久性が悪くなる虞がある。一方6dtexより大きい場合は、風合が硬い合成皮革になる虞がある。また、連結糸の繊度が33dtex未満であると繊維の弾性が弱いため、合成皮革としての触感や摩擦耐久性が悪くなる虞があり、110dtexより大きくなると編地が硬くなり、合成皮革としての触感が悪くなる虞がある。
このとき立体構造経編地の単位面積当たりに占める連結糸の総繊度は100000〜2178000dtex/吋2の範囲であることが好ましい。100000dtex/吋2未満であるとヘタリ易くなり表裏地組織間の空隙が保持しにくくなるため、合成皮革としての弾力ある触感や摩擦耐久性が悪くなる虞がある。また2178000dtex/吋2より大きい場合は、表裏地組織間の空隙が小さくなり合成皮革としての触感が硬く、折れシワや座屈皺が生じやすい合成皮革になる虞がある。本発明における立体構造経編地の連結糸の総繊度は下記の式1で求められる。
連結糸の総繊度=1ループに連結される連結本数×仕上がり時のコース密度×仕上がり時のウエル密度×連結糸の繊度 〔1〕
連結糸の総繊度=1ループに連結される連結本数×仕上がり時のコース密度×仕上がり時のウエル密度×連結糸の繊度 〔1〕
更に、本発明に用いられる立体構造経編地の連結糸は、地組織1ループ毎の連結本数が前記フィラメント糸2〜5本が好ましく、更には2〜4本が好ましい。連結糸が1本であると十分なクッション性が得られず、合成皮革として本革調の柔らかで弾力のある触感が得られず、また摩擦耐久性が悪くなる虞がある。6本以上になると編地が硬くなり触感が悪く、折れシワや座屈皺の生じやすい合成皮革となる虞がある。
立体構造経編地の裏地組織(銀面層と反対側)は、メッシュ状開口部を有していることが好ましい。メッシュ状開口部にすることにより、裏地組織の動きの自由度が増すため触感が柔らかく、また前述した複合表皮材としたときに表皮層とウレタンフォームの動きの差を吸収することができるため、折れシワや座屈皺の生じにくい合成皮革を得ることができる。また、裏地組織の開口率は、20〜70%が好ましく、さらには40〜60%であることが好ましい。開口率が20%未満であると、裏地組織の動きの自由度が十分に得られず触感が硬くなったり、折れシワや座屈皺が生じたりする虞がある。一方70%より大きい場合は、裏地組織の見掛け密度が低くなるために、圧縮後の反発性や形状回復性が悪くなり、産業資材用途に十分な合成皮革の強度が得られない虞がある。
裏地組織を構成する地糸は天然繊維、半合成繊維、合成繊維、再生繊維など特に限定されないが、立体構造経編地の動きの自由度の観点から、天然繊維や紡績糸などの短い繊維からなる糸を用いることが好ましい。裏地組織を構成する地糸の繊度は、22〜110dtexが好ましい。22dtex未満の場合、地組織の強度が悪くなる虞があり、110dtexを超えた場合は、立体構造経編地が硬くなり合成皮革を形成した際の風合が悪くなる虞がある。
また、合成皮革の銀面層(多孔質樹脂層、接着層、無孔質樹脂層)に連通孔を付与する場合、針で物理的に連通孔を形成したり、樹脂に溶剤を塗布して化学的に連通孔を付与して通気性や吸放湿性の機能性を与える等従来公知の方法で行う場合は、裏地組織に吸水性のある糸、例えば、綿やレーヨンなどを用いることにより、より高い吸放湿性を得ることが可能である。
本発明の立体構造経編地の表地組織(銀面層側)は無地組織であることが好ましく、特に表地組織のループ数は800〜1980個/吋2であることが好ましい。本発明におけるループ数とは、立体構造経編地の地組織の仕上がり時のコース密度×ウエル密度より求められる。ループ数が800個/吋2より少ない場合は、表地組織の表面が粗くなり、合成皮革の銀面層に立体構造経編地の凹凸が影響するため表面品位が悪くなる虞がある。また、多孔質樹脂層を形成する樹脂が立体構造経編地に浸透しやすくなるため、立体構造経編地特有のクッション性、曲げ、伸縮性が損なわれ、合成皮革を形成した場合に弾力と柔らかさを併せ持つ本革調の触感が得られない虞がある。1980個/吋2よりループ数が多い場合は、表地組織のループ間の隙間が少なくなり編地が硬くなるため、合成皮革を形成した場合に触感が硬くなる虞がある。
表地組織を構成する地糸は天然繊維、半合成繊維、合成繊維、再生繊維など特に限定されないが、強度の観点から合成繊維、特にポリエステル繊維が好ましい。また地糸の繊度は、22〜110dtexの範囲が好ましい。22dtex未満の場合は、地組織の強度が産業資材用途としては不十分となる虞がある。110dtexより大きい場合は、地組織のループが大きくなり合成皮革の銀面層に影響し外観や風合が悪くなる虞がある。
また、立体構造経編地の厚みは目的に応じて適宜設定することが可能であるが、天然皮革調の柔らかで弾力のある触感を得るためには1.5〜7mmの範囲であることが好ましい。1.5mmより薄い場合は合成皮革を形成した場合に本革調の柔らかで弾力ある触感が得られない虞がある。一方7mmより厚い場合は目付が高くコストアップになる虞があり、また、合成皮革表面を触ったときの沈み込みが大きくなり、天然皮革とは異なった触感となる虞がある。
また本発明に用いられる立体構造経編地において、JIS L1096 B法による布帛伸度は、タテ25%以下、ヨコ40%以下であることが好ましい。タテ25%、ヨコ40%より大きい場合は、合成皮革としての摩擦耐久性が悪くなる虞があり、また樹脂層を形成する場合の加工性が悪くなる虞がある。
本発明の銀面層(多孔質樹脂層、接着層、無孔質樹脂層)に用いる合成樹脂としては、従来公知の高分子化合物が使用できる。例えば、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリビニル、ポリアクリル、ポリハロオレフィン、ポリジエン、ポリエーテル、ポリスルフィド、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリイミド、ポリ酸無水物、ポリカーボナート、ポリイミン、ポリシロキサン、ポリホスファゼン、ポリケトン、ポリスルホン、ポリフェニレン等の規則性及び不規則性のホモポリマー及びコポリマーが挙げられ、ポリアミノ酸樹脂、ポリ乳酸樹脂といった生分解性樹脂、及び上述記載の樹脂の共重合体や混合物などのポリマーアロイも含まれる。また、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂といった熱的に挙動の異なる樹脂でも共に使用することができる。
使用される合成樹脂としては各々の目的に応じたものを使用することができるが、引張り特性、せん断特性、曲げ特性、圧縮特性、クリープ特性、熱特性、耐衝撃性、硬度、耐熱性、燃焼特性といった応用物理物性、及び耐光性、耐薬品性、耐摩耗性といった耐候物性の観点からポリウレタン樹脂やその共重合体、またポリウレタン樹脂を主成分とした混合樹脂であることが好ましい。また、樹脂の形態としては水系、溶剤系、無溶剤系、ホットメルト系を問わず多孔質樹脂層、接着層、無孔質樹脂層に使用ができる。
使用される合成樹脂としては各々の目的に応じたものを使用することができるが、引張り特性、せん断特性、曲げ特性、圧縮特性、クリープ特性、熱特性、耐衝撃性、硬度、耐熱性、燃焼特性といった応用物理物性、及び耐光性、耐薬品性、耐摩耗性といった耐候物性の観点からポリウレタン樹脂やその共重合体、またポリウレタン樹脂を主成分とした混合樹脂であることが好ましい。また、樹脂の形態としては水系、溶剤系、無溶剤系、ホットメルト系を問わず多孔質樹脂層、接着層、無孔質樹脂層に使用ができる。
本発明においては、立体構造経編地の片面に多孔質樹脂層、好ましくはポリウレタン多孔質樹脂層を形成させる。ポリウレタンとしては、従来公知の湿式コート用エステル系、エーテル系、カーボネート系を問わず従来公知のものは全て適用することができる。このように立体構造経編地上に多孔質樹脂層を設けることにより、本発明の合成皮革は、より天然皮革調の柔らかで弾力のある触感と天然皮革調の細かなシワが得られる。
多孔質樹脂層の形成方法は、従来公知の湿式凝固、乾式発泡、機械発泡のいずれかの方法により形成することができる。
それぞれの手法については、湿式凝固法に関しては、多孔質樹脂層を形成する樹脂溶液をジメチルホルムアミド(DMF)水溶液又は水のみからなる凝固槽に浸漬し凝固させる方法、乾式発泡に関しては、樹脂に例えば熱膨張粒子を加える方法、機械発泡は樹脂を機械攪拌することによって多孔質樹脂層を得ることができる。
合成樹脂溶液の濃度、凝固液中のDMF濃度および凝固液温度といった凝固条件や、合成樹脂溶液に添加する熱膨張粒子の量、合成樹脂溶液の攪拌条件等によって発泡倍率や発泡状態が調節可能である。
それぞれの手法については、湿式凝固法に関しては、多孔質樹脂層を形成する樹脂溶液をジメチルホルムアミド(DMF)水溶液又は水のみからなる凝固槽に浸漬し凝固させる方法、乾式発泡に関しては、樹脂に例えば熱膨張粒子を加える方法、機械発泡は樹脂を機械攪拌することによって多孔質樹脂層を得ることができる。
合成樹脂溶液の濃度、凝固液中のDMF濃度および凝固液温度といった凝固条件や、合成樹脂溶液に添加する熱膨張粒子の量、合成樹脂溶液の攪拌条件等によって発泡倍率や発泡状態が調節可能である。
本発明の多孔質樹脂層のセル孔径の最大値は250μm以下であることが好ましい。セル孔径が250μmより大きい場合、摩擦耐久性が得られないといった不具合を生じる虞がある。本発明でいうセルは合成皮革を厚み方向の断面を電子顕微鏡写真で撮ることにより見ることができ、セル孔径とは、写真に写っているセルの高さまたは幅方向に最も大きくなっている部分の長さを測定したものである。
また多孔質樹脂層の厚みは適宜設定可能であるが、100〜1000μmの範囲であることが好ましく、更には200〜500μmの範囲であることが好ましい。100μm未満では合成皮革に触ったときに本革調の細かなシワは得られない虞がある。1000μmより厚い場合は、触感がゴムライクになる虞がある。
また、立体構造経編地へ多孔質樹脂層を設ける場合、立体構造経編地の少なくとも多孔質樹脂層をコーティングする面へのフッ素系撥水剤等の撥水撥油性を有する薬剤を付与することが好ましい。これにより、多孔質樹脂層の立体構造経編地への浸透が押さえられ、合成皮革を形成した場合の触感が硬くなるのを防ぐ効果が有り好ましい。
また、立体構造経編地へ多孔質樹脂層を設ける場合、立体構造経編地の少なくとも多孔質樹脂層をコーティングする面へのフッ素系撥水剤等の撥水撥油性を有する薬剤を付与することが好ましい。これにより、多孔質樹脂層の立体構造経編地への浸透が押さえられ、合成皮革を形成した場合の触感が硬くなるのを防ぐ効果が有り好ましい。
本発明の無孔質樹脂層に用いる合成樹脂は、前述したように従来公知の高分子化合物を用いることができるが、弾性、強靭性、柔軟性、耐摩耗性、耐候性、耐油性、耐溶剤性の観点からポリウレタン樹脂やその共重合体、またはポリウレタン樹脂を主成分とした混合樹脂が好ましく、なかでも摩擦耐久性の観点から樹脂被膜の動摩擦係数が1.0以下であるポリカーボネート系ウレタン樹脂にシリコーン系化合物を混合したものやポリカーボネート系ウレタン樹脂をシリコーン変性させたものなどが好ましい。動摩擦係数1.0以上の樹脂を用いた場合、産業資材として必要な摩擦耐久性を得ることができない虞がある。
本発明の無孔質樹脂層の形成方法は、従来公知の例えば離型紙等のセパレーターにスプレー塗布やグラビア塗布、ナイフコーティング、ロールコーティング等による乾式コーティング、また熱可塑性樹脂によるダイレクトコーティングによって表皮層を形成させ、その後乾式ラミネート、湿式ラミネート、及びサーマルラミネート等で立体構造経編地に接着する方法や、立体構造経編地に上記コーティング手法によって直接塗布させる方法によって得ることができる。
無孔質樹脂層の形態としては、摩擦耐久性の観点から樹脂相中に空隙が少ない状態が好ましく、且つ厚みとして20〜200μm範囲であることが好ましく、風合の点から、30〜70μmの範囲であることがより好ましい。20μmより薄い場合、十分な摩擦耐久性、耐光性、耐候性を得ることができない虞があり、200μmより厚い場合、触感が固くなったり、折れシワや座屈皺が生じやすくなる虞がある。
本発明の接着層に用いる合成樹脂は、前述したように従来公知の高分子化合物を用いることができるが、触感を損なわず、且つ無孔質樹脂層や立体経編地との接着性や物理的負荷による摩擦耐久性を有する樹脂という観点から、ポリウレタン樹脂やその共重合体、またポリウレタン樹脂を主成分とした混合樹脂を選択することが好ましく、なかでもポリカーボネート系ポリウレタン樹脂であって、イソシアネート系化合物によって架橋された二液タイプの湿式硬化型ホットメルト樹脂が好ましい。
接着層の形成方法は、従来公知の例えばスプレー塗布やグラビア塗布、ナイフコーティング、ロールコーティング等による乾式コーティング、また熱可塑性樹脂によるダイレクトコーティングなどの手法で立体構造編地上に塗布、または、離型紙上に形成した無孔質樹脂層に塗布することによって形成可能である。
接着層の形態としては、摩擦耐久性の観点から空隙が少ない状態が好ましく、且つ厚みとして20μm〜300μmであることが好ましく、風合の点から50〜150μmであることがより好ましい。20μmより薄い場合は、合成皮革として十分な摩擦耐久性を得られない虞があり、300μmより厚い場合は、天然皮革に近い柔らかで弾力のある触感が得られない虞がある。
上述のような立体構造経編地、銀面層(多孔質樹脂層、接着層、無孔質樹脂層)の構成で、かつ特定の圧縮仕事量、逆R値を有する合成皮革とすることにより、天然皮革調の風合で、摩擦耐久性に優れ、かつ折れシワや座屈皺の生じにくい合成皮革を得ることができる。
次に実施例によって本発明を例証する。実施例で用いた評価法は下記の通りである。
<圧縮仕事量(WC)>
カトーテック(株)製 KES−FB3計測システムにて測定。
カトーテック(株)製 KES−FB3計測システムにて測定。
<逆R値>
本発明の合成皮革の試験片を幅100mm、長さ350mmの大きさでタテ、ヨコ各方向からそれぞれ3枚採取し、立体経編地側に幅100mm、長さ350mm、厚み10mmの大きさのウレタンフォ−ムを貼りあわせる。厚み5mm、半径10mm〜150mm(10mm刻み)の円盤を準備し、図2のように銀面層を内側にして、円盤と表皮層が垂直になるように沿わせる。半径の大きい円盤から順に試験片を沿わせていき、試験片に折れシワが生じる直前の円盤の半径を読み取る。タテ、ヨコ各方向3枚を測定し、各々の最大径を逆R値とする。
本発明の合成皮革の試験片を幅100mm、長さ350mmの大きさでタテ、ヨコ各方向からそれぞれ3枚採取し、立体経編地側に幅100mm、長さ350mm、厚み10mmの大きさのウレタンフォ−ムを貼りあわせる。厚み5mm、半径10mm〜150mm(10mm刻み)の円盤を準備し、図2のように銀面層を内側にして、円盤と表皮層が垂直になるように沿わせる。半径の大きい円盤から順に試験片を沿わせていき、試験片に折れシワが生じる直前の円盤の半径を読み取る。タテ、ヨコ各方向3枚を測定し、各々の最大径を逆R値とする。
<開口率>
被試験布を5cm×5cmの大きさにカットし、メッシュ状開口部を有する面をスキャナーでパソコン内に読み込み、開口部を白く塗りつぶした後、開口部と非開口部の色を白と黒に2値化して白ドット部分を積分により集計して行った。開口率は下記の式を用いて求めた。
開口率(%)=開口部面積/被試験布の面積×100
被試験布を5cm×5cmの大きさにカットし、メッシュ状開口部を有する面をスキャナーでパソコン内に読み込み、開口部を白く塗りつぶした後、開口部と非開口部の色を白と黒に2値化して白ドット部分を積分により集計して行った。開口率は下記の式を用いて求めた。
開口率(%)=開口部面積/被試験布の面積×100
<耐摩耗性>
幅70mm、長さ300mmの大きさでタテ、ヨコ各方向から試験片をそれぞれ1枚採取し、裏面に幅70mm、長さ300mm、厚み10mmの大きさのウレタンフォ−ムを添える。ウレタンフォ−ムの下面中央に直径4.5mmのワイヤ−を設置し、ワイヤ−上をワイヤ−と平行に綿布をかぶせた摩擦子に荷重9.8Nを掛けて摩耗する。試験は、図6の平面摩耗試験機を用いて行う。図7の摩擦子は試験片の表面上140mmの間を60往復/分の速さで25,000回往復摩耗 する。評価は、下記のように行った。
○・・・無孔質樹脂層に亀裂、破れ等が無い
△・・・無孔質樹脂層に亀裂が発生した
×・・・無孔質樹脂層に破れ等が発生した
幅70mm、長さ300mmの大きさでタテ、ヨコ各方向から試験片をそれぞれ1枚採取し、裏面に幅70mm、長さ300mm、厚み10mmの大きさのウレタンフォ−ムを添える。ウレタンフォ−ムの下面中央に直径4.5mmのワイヤ−を設置し、ワイヤ−上をワイヤ−と平行に綿布をかぶせた摩擦子に荷重9.8Nを掛けて摩耗する。試験は、図6の平面摩耗試験機を用いて行う。図7の摩擦子は試験片の表面上140mmの間を60往復/分の速さで25,000回往復摩耗 する。評価は、下記のように行った。
○・・・無孔質樹脂層に亀裂、破れ等が無い
△・・・無孔質樹脂層に亀裂が発生した
×・・・無孔質樹脂層に破れ等が発生した
<シワ残留性>
20cm四方の試験片を1枚採取し、直径140mm、厚み50mmの大きさのウレタンフォームに重ねる。ウレタンフォームの上部から20mmの位置で、試験片を針を用いて試験片固定台へ図8のように固定する。試験片の中央に直径5mmの押込み棒を、試験片表面から30mm押込まれるように図9のように固定する。10分間後、押込み棒を試験片から離し、2時間後の試験片の放射線状のシワの状態を確認する。
○・・・放射線状のシワがない。
△・・・放射線状のシワがわずかに見られる。
×・・・放射線状のシワがはっきりと見られる。
20cm四方の試験片を1枚採取し、直径140mm、厚み50mmの大きさのウレタンフォームに重ねる。ウレタンフォームの上部から20mmの位置で、試験片を針を用いて試験片固定台へ図8のように固定する。試験片の中央に直径5mmの押込み棒を、試験片表面から30mm押込まれるように図9のように固定する。10分間後、押込み棒を試験片から離し、2時間後の試験片の放射線状のシワの状態を確認する。
○・・・放射線状のシワがない。
△・・・放射線状のシワがわずかに見られる。
×・・・放射線状のシワがはっきりと見られる。
<表面触感(官能評価)>
5人のパネラーが官能評価を行い下記のように評価した。
○・・・柔らかく、かつ適度な弾力感がある。
△・・・柔らかいが弾力感はない。または弾力感はあるが硬い。
×・・・固い
[実施例1]
5人のパネラーが官能評価を行い下記のように評価した。
○・・・柔らかく、かつ適度な弾力感がある。
△・・・柔らかいが弾力感はない。または弾力感はあるが硬い。
×・・・固い
[実施例1]
ダブルラッセル編機RD6DPLM−77E−28E(マイヤー株式会社製)を使用して、図10に示す構成で編成し、筬L1、L2に33dtex/12fのポリエステル糸を使用して表地組織を編成し、L5、L6に56dtex/24fのポリエステル糸を使用して裏地組織を編成し、連結糸に33dtex/6fのポリエステル糸を筬L3、L4に使用して表裏地組織に連結し立体構造経編地を作成した。該立体構造経編地を190℃で1分間プレセットした後、130℃にて染色、乾燥し、グラビア処理にて表地組織面側にフッ素系撥水剤 5%水溶液を付与し、150℃で3分間仕上げセットをした。得られた立体構造経編地は、厚さ2.0mm、表地組織の密度は42コース/吋、32ウエル/吋、裏地組織の開口率は50%、連結糸の総繊度は177408dtex/吋2であった。
多孔質樹脂層、接着層、無孔質樹脂層の樹脂をそれぞれ下記レサイプにて作成した。
<多孔質樹脂層>
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂 100部
(大日本インキ工業(株)製 クリスボンMP-120)
成膜助剤 2部
(大日本インキ工業(株)製 クリスボン アシスターNo.10 )
DMFを加えて粘度を12000cpsに調整した。
<接着層>
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂 100部
(大日本インキ工業(株)製 クリスボン TA-205)
ヘキサメチレンジイソシアネート 10部
(大日本インキ工業(株)製 架橋剤 バーノック DN-950)
架橋促進剤 1部
(大日本インキ工業(株)製 アクセル T-81)
DMFを加えて粘度を5000cpsに調整した。
<無孔質樹脂層>
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂 100部
(大日本インキ工業(株)製 クリスボン NY-328)
ヘキサメチレンジイソシアネート 2部
(大日本インキ工業(株)製 架橋剤 バーノック DN-950)
顔料 10部
DMFを加えて粘度を3000cpsに調整した。
立体構造経編地の表地組織面側に上記多孔質樹脂層用樹脂をナイフコーティングで均一に塗布後、水中にて凝固、DMFを溶解除去し、120℃で2分間乾燥を行い、厚さ400μmで最大セル孔径100μmの多孔質樹脂層を有する立体構造経編地を得た。
シボ柄離型紙上に上記無孔質樹脂層用樹脂をコンマコーターにて均一に塗布し、80℃で5分間乾燥し、厚さ50μmの無孔質樹脂層を得た。そしてその上に上記接着層用樹脂をコンマコーターにて均一に塗布し、100℃で5分間乾燥し、厚さ100μmの接着層を得た。
立体構造経編地の多孔質樹脂層を有する面と、離型紙に積層された接着層の面を合わせて、100℃で5分間熱圧着後、1週間エージングを行った後離型紙を剥離して合成皮革を得た。
得られた合成皮革の評価は表1に示す。
[実施例2]
多孔質樹脂層、接着層、無孔質樹脂層の樹脂をそれぞれ下記レサイプにて作成した。
<多孔質樹脂層>
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂 100部
(大日本インキ工業(株)製 クリスボンMP-120)
成膜助剤 2部
(大日本インキ工業(株)製 クリスボン アシスターNo.10 )
DMFを加えて粘度を12000cpsに調整した。
<接着層>
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂 100部
(大日本インキ工業(株)製 クリスボン TA-205)
ヘキサメチレンジイソシアネート 10部
(大日本インキ工業(株)製 架橋剤 バーノック DN-950)
架橋促進剤 1部
(大日本インキ工業(株)製 アクセル T-81)
DMFを加えて粘度を5000cpsに調整した。
<無孔質樹脂層>
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂 100部
(大日本インキ工業(株)製 クリスボン NY-328)
ヘキサメチレンジイソシアネート 2部
(大日本インキ工業(株)製 架橋剤 バーノック DN-950)
顔料 10部
DMFを加えて粘度を3000cpsに調整した。
立体構造経編地の表地組織面側に上記多孔質樹脂層用樹脂をナイフコーティングで均一に塗布後、水中にて凝固、DMFを溶解除去し、120℃で2分間乾燥を行い、厚さ400μmで最大セル孔径100μmの多孔質樹脂層を有する立体構造経編地を得た。
シボ柄離型紙上に上記無孔質樹脂層用樹脂をコンマコーターにて均一に塗布し、80℃で5分間乾燥し、厚さ50μmの無孔質樹脂層を得た。そしてその上に上記接着層用樹脂をコンマコーターにて均一に塗布し、100℃で5分間乾燥し、厚さ100μmの接着層を得た。
立体構造経編地の多孔質樹脂層を有する面と、離型紙に積層された接着層の面を合わせて、100℃で5分間熱圧着後、1週間エージングを行った後離型紙を剥離して合成皮革を得た。
得られた合成皮革の評価は表1に示す。
[実施例2]
ダブルラッセル編機RD6DPLM−77E−28E(マイヤー株式会社製)を使用して、図11に示す構成で編成し、筬L1、L2に33dtex/12fのポリエステル糸を使用して表地組織を編成し、L5、L6に56dtex/24fのポリエステル糸を使用して裏地組織を編成し、連結糸に33dtex/6fのポリエステル糸を筬L3、L4に使用して表裏地組織に連結し立体構造経編地を作成した。該立体構造経編地を190℃で1分間プレセットした後、130℃にて染色、乾燥し、グラビア処理にて表地組織面側にフッ素系撥水剤 5%水溶液を付与し、150℃で3分間仕上げセットをした。得られた立体構造経編地は、厚さ1.5mm、表地組織の密度は35コース/吋、30ウエル/吋、裏地組織の開口率は50%、連結糸の総繊度は138600dtex/吋2であった。
多孔質樹脂層の樹脂は下記レサイプにて作成した。
<多孔質樹脂層>
発泡剤含有アクリル樹脂 100部
(林化学(株)製 ハイコート FMU60)
ポリアクリル酸ナトリウム (固形分濃度20%) 2部
アルキルスルホサクシネート水溶液 (固形分濃度30%) 4部
ステアリン酸アンモニウム分散液 (固形分濃度30%) 1部
DMFを加えて粘度を15000cpsに調整した。
立体構造経編地の表地組織面側に上記多孔質樹脂層用樹脂を発泡装置で発泡倍率2.0倍まで発泡し、ナイフコーティングで均一に塗布後、120℃で2分間乾燥を行い、厚さ約300μmで最大セル孔径160μmの多孔質層を有する立体構造経編地を得た。
接着層、無孔質樹脂層の樹脂層は実施例1と同様に作成して合成皮革を得た。
得られた合成皮革の評価は表1に示す。
[実施例3]
多孔質樹脂層の樹脂は下記レサイプにて作成した。
<多孔質樹脂層>
発泡剤含有アクリル樹脂 100部
(林化学(株)製 ハイコート FMU60)
ポリアクリル酸ナトリウム (固形分濃度20%) 2部
アルキルスルホサクシネート水溶液 (固形分濃度30%) 4部
ステアリン酸アンモニウム分散液 (固形分濃度30%) 1部
DMFを加えて粘度を15000cpsに調整した。
立体構造経編地の表地組織面側に上記多孔質樹脂層用樹脂を発泡装置で発泡倍率2.0倍まで発泡し、ナイフコーティングで均一に塗布後、120℃で2分間乾燥を行い、厚さ約300μmで最大セル孔径160μmの多孔質層を有する立体構造経編地を得た。
接着層、無孔質樹脂層の樹脂層は実施例1と同様に作成して合成皮革を得た。
得られた合成皮革の評価は表1に示す。
[実施例3]
ダブルラッセル編機RD6DPLM−77E−28E(マイヤー株式会社製)を使用して、図12に示す構成で編成し、筬L1、L2に56dtex/24fのポリエステル糸を使用して表地組織を編成し、L5、L6に56dtex/24fのポリエステル糸を使用して裏地組織を編成し、連結糸に33dtex/6fのポリエステル糸を筬L3、L4に使用して表裏地組織に連結し立体構造経編地を作成した。該立体構造経編地を190℃で1分間プレセットした後、130℃にて染色、乾燥し、グラビア処理にて表地組織面側にフッ素系撥水剤 5%水溶液を付与し、150℃で3分間仕上げセットをした。得られた立体構造経編地は、厚さ5.0mm、表地組織の密度は48コース/吋、34ウエル/吋、裏地組織の開口率は60%、連結糸の総繊度は215425dtex/吋2であった。
多孔質樹脂層の樹脂は下記レサイプにて作成した。
<多孔質樹脂層>
A成分 : エーテル系ポリウレタン樹脂
(大日本インキ化学工業(株)製 タイフォースNH−200)
B成分 : イ/ロ/ハ = 50/20/30で配合
イ ポリエーテルジオール(三井化学(株)製 三井ポリオールED−200)
ロ 二環式アミジン化合物(サンアプロ(株)製 硬化触媒 U−CAT、SA506)
ハ 整泡剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製 SF−2944F)
A成分のエーテル系ウレタンポリマーを120℃で加熱溶融して、保温タンクで120℃に保ち、そのなかにB成分B成分の混合液をA成分とB成分が100:5になるように注入し、5000rpmで5秒間高速攪拌混合したものを、フラットな離型紙上に300μmの厚みになるように均一にアプリケーターで塗布して、室温で3分間放置した後に立体構造経編地の表地組織面を貼り合せ室温で1日放置した後、離型紙を剥離して、厚さ300μmで最大セル孔径100μmの多孔質樹脂層を有する立体構造経編地を得た。
接着層、無孔質樹脂層の樹脂層は実施例1と同様に作成して合成皮革を得た。
得られた合成皮革の評価は表1に示す。
[比較例1]
多孔質樹脂層の樹脂は下記レサイプにて作成した。
<多孔質樹脂層>
A成分 : エーテル系ポリウレタン樹脂
(大日本インキ化学工業(株)製 タイフォースNH−200)
B成分 : イ/ロ/ハ = 50/20/30で配合
イ ポリエーテルジオール(三井化学(株)製 三井ポリオールED−200)
ロ 二環式アミジン化合物(サンアプロ(株)製 硬化触媒 U−CAT、SA506)
ハ 整泡剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製 SF−2944F)
A成分のエーテル系ウレタンポリマーを120℃で加熱溶融して、保温タンクで120℃に保ち、そのなかにB成分B成分の混合液をA成分とB成分が100:5になるように注入し、5000rpmで5秒間高速攪拌混合したものを、フラットな離型紙上に300μmの厚みになるように均一にアプリケーターで塗布して、室温で3分間放置した後に立体構造経編地の表地組織面を貼り合せ室温で1日放置した後、離型紙を剥離して、厚さ300μmで最大セル孔径100μmの多孔質樹脂層を有する立体構造経編地を得た。
接着層、無孔質樹脂層の樹脂層は実施例1と同様に作成して合成皮革を得た。
得られた合成皮革の評価は表1に示す。
[比較例1]
繊度2.2dtexおよび繊維長51mmを有するポリエステル捲縮糸80部と、繊度2.2dtexおよび繊維長51mmを有するポリエステル非捲縮糸20部から繊維ウェブを製造、かつ該繊維ウェブにニードルパンチ処理をして不織布を作成した。該不職布を190℃で1分間プレセットした後、グラビア処理にてフッ素系撥水剤 5%水溶液を付与し、150℃で3分間仕上げセットをした。得られた不織布は、目付140g/m2、厚み1.5mmであった。
多孔質樹脂層、接着層、無孔質樹脂層の樹脂層は実施例1と同様に作成して合成皮革を得た。
得られた合成皮革の評価は表1に示す。
[比較例2]
多孔質樹脂層、接着層、無孔質樹脂層の樹脂層は実施例1と同様に作成して合成皮革を得た。
得られた合成皮革の評価は表1に示す。
[比較例2]
ダブルラッセル編機RD6DPLM−77E−28E(マイヤー株式会社製)を使用して、図13に示す構成で編成し、筬L1、L2に56dtex/24fのポリエステル糸を使用して表地組織を編成し、L5、L6に56dtex/24fのポリエステル糸を使用して裏地組織を編成し、連結糸に33dtex/1fのポリエステル糸を筬L3に使用して表裏地組織に連結し立体構造経編地を作成した。該立体構造経編地を190℃で1分間プレセットした後、130℃にて染色、乾燥し、グラビア処理にて表地組織面側にフッ素系撥水剤 5%水溶液を付与し、150℃で3分間仕上げセットをした。得られた立体構造経編地は、厚さ3.0mm、表地組織の密度は40コース/吋、32ウエル/吋、裏地組織の開口率は60%、連結糸の総繊度は84480dtex/吋2であった。
多孔質樹脂層、接着層、無孔質樹脂層の樹脂層は実施例1と同様に作成して合成皮革を得た。
得られた合成皮革の評価は表1に示す。
[比較例3]
多孔質樹脂層、接着層、無孔質樹脂層の樹脂層は実施例1と同様に作成して合成皮革を得た。
得られた合成皮革の評価は表1に示す。
[比較例3]
ダブルラッセル編機RD6DPLM−77E−28E(マイヤー株式会社製)を使用して、図14に示す構成で編成し、筬L1、L2に56dtex/24fのポリエステル糸を使用して表地組織を編成し、L5、L6に56dtex/24fのポリエステル糸を使用して裏地組織を編成し、連結糸に56dtex/24fのポリエステル糸を筬L3、L4に使用して表裏地組織に連結し立体構造経編地を作成した。該立体構造経編地を190℃で1分間プレセットした後、130℃にて染色、乾燥し、グラビア処理にて表地組織面側にフッ素系撥水剤 5%水溶液を付与し、150℃で3分間仕上げセットをした。得られた立体構造経編地は、厚さ3.0mm、表地組織の密度は38コース/吋、32ウエル/吋、裏地組織の開口率は0%、連結糸の総繊度は272384dtex/吋2であった。
多孔質樹脂層、接着層、無孔質樹脂層の樹脂層は実施例1と同様に作成して合成皮革を得た。
得られた合成皮革の評価は表1に示す。
[比較例4]
多孔質樹脂層、接着層、無孔質樹脂層の樹脂層は実施例1と同様に作成して合成皮革を得た。
得られた合成皮革の評価は表1に示す。
[比較例4]
多孔質樹脂層の厚みが50μmで、セル最大孔径が30mmであり、無孔質樹脂層の厚みが300μmであること以外は全て実施例1と同様にして合成皮革を作成した。
得られた合成皮革の評価は表1に示す。
得られた合成皮革の評価は表1に示す。
1 ・・・ 無孔質樹脂層
2 ・・・ 接着層
3 ・・・ 多孔質樹脂層
4 ・・・ 立体構造経編地
5 ・・・ 不織布またはトリコット編地
6 ・・・ 合成皮革
7 ・・・ ウレタンフォーム
8 ・・・ 円盤
9 ・・・ 表地組織
10 ・・・ 裏地組織
11 ・・・ 連結糸
12 ・・・ 開口部
13 ・・・ 試験片
14 ・・・ 錘
15 ・・・ 摩擦子
16 ・・・ 押さえ具
17 ・・・ 試験片固定台
18 ・・・ 押込み棒
B1〜B6 ・・・ ビーム
A1〜A6 ・・・ 編糸
L1〜L2 ・・・ 筬
G1〜G6 ・・・ ガイド
2 ・・・ 接着層
3 ・・・ 多孔質樹脂層
4 ・・・ 立体構造経編地
5 ・・・ 不織布またはトリコット編地
6 ・・・ 合成皮革
7 ・・・ ウレタンフォーム
8 ・・・ 円盤
9 ・・・ 表地組織
10 ・・・ 裏地組織
11 ・・・ 連結糸
12 ・・・ 開口部
13 ・・・ 試験片
14 ・・・ 錘
15 ・・・ 摩擦子
16 ・・・ 押さえ具
17 ・・・ 試験片固定台
18 ・・・ 押込み棒
B1〜B6 ・・・ ビーム
A1〜A6 ・・・ 編糸
L1〜L2 ・・・ 筬
G1〜G6 ・・・ ガイド
Claims (8)
- 立体構造経編地と銀面層からなる合成皮革であって、銀面層が多孔質樹脂層、接着層、無孔質樹脂層が順に設けられた構成であり、合成皮革の圧縮仕事量が5〜20g・cm/cm2であり、且つ逆R値が80mm以下である合成皮革。
- 立体構造経編地の少なくとも一方の地組織がメッシュ状開口部を有し、且つその開口率が20〜70%であることを特徴とする請求項1記載の合成皮革。
- 立体構造経編地の連結糸の総繊度が100000〜2178000dtex/吋2の範囲であることを特徴とする請求項1記載の合成皮革。
- 立体構造経編地の連結糸が、単糸繊度が3〜6dtexの糸で構成された繊度が33〜110dtexのマルチフィラメント糸であることを特徴とする請求項1記載の合成皮革。
- 立体構造経編地の厚みが1.5〜7mmであることを特徴とする請求項1記載の合成皮革。
- 多孔質樹脂層の厚みが100〜1000μmであることを特徴とする請求項1記載の合成皮革。
- 接着層の厚みが20〜300μmであることを特徴とする請求項1記載の合成皮革。
- 無孔質樹脂層の厚みが20〜200μmであることを特徴とする請求項1記載の合成皮革。
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