JP4195037B2 - シート材、並びに、シート材の製造方法 - Google Patents
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Description
このような布帛を基本にしたものは、強度、耐久性、透湿性において十分な性能を有するものであるが、アウトドアスタイルが一般化するなかで、水、海水、雪、泥、砂等を付けた衣服のままで車に乗車することが増えだした。このような場合、布帛を用いたものでは、汚れが付きやすく、また、その汚れを除去することが非常に困難であることが指摘されてきた。家具に関しても同様であり、ライフスタイルの多様化により、メンテナンスフリーな素材の要望が高まっている。
また、ポリ塩化ビニルシートは、使用後、廃棄、焼却時には、有害なガスが発生することがあり、使用中、使用後共に問題点を抱えていた。
なお、本発明における有機溶媒Cは、有機溶媒Aと同じものを用いてもよい。
さらに、多孔質の主層の表面に行う塗布溶液の塗布を、塗布溶液の塗布しない部分を島状となるよう部分的に行い、表層が形成される部分に対して、主層の露出する部分を島状に形成することもできる。
基材層10の具体的な材質としては、従来から用いられているものを使用することができ、例えば、綿、麻、絹などの天然繊維、レーヨン、キュプラ、テンセル等の再生繊維、ポリエステル、ポリアミド繊維等の合成繊維があり、これらの混紡、交織された繊維を用いて形成されたものを使用することができる。
ポリウレタン系ポリマーとしては、ウレタン結合を有する樹脂であり、具体的には、ポリエステル型ポリウレタン、ポリエーテル型ポリウレタン、ポリカーボネート型ポリウレタン、ポリエーテルポリカーボネート型ポリウレタン等の従来公知のものを用いることができる。さらに、シート材1を、家具、車両のような高耐久性を要求される用途に使用する場合には、ポリカーボネート型ポリウレタン、ポリエーテルポリカーボネート型ポリウレタンが好適である。
また、これらポリウレタンをその他骨格の異なるポリマーで変性しているものでもよく、例としてはシリコン変性型、フッ素系ポリマー変性型、ポリアクリレート系ポリマー変性型ポリウレタン等様々なものが挙げられる。
また、主層用溶液に用いられるポリウレタン系ポリマーは、単独で用いても良く、複数の種類のものを混合することもでき、シート材1の用途、要求特性に応じて対応させることができる。
なお、引張応力M100の測定方法は、JIS K 6251により測定されるものである。
そして、有機溶媒Aは、従来公知の湿式凝固法に用いられる有機溶媒を用いることができ、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンといった非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルムといったハロゲン系溶媒、ジメチルケトン、メチルエチルケトンといったケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンといった環状エーテル系溶媒、トルエン、キシレンといった芳香族系等有機溶媒が挙げることができる。
これら範囲より濃度が低い場合は、主層11における体積に対する空孔の割合、つまり多孔度が高い湿式膜が得られ、高い透湿性を付与することができるが、主層用溶液の粘度が著しく低くなり、基材への塗工時に裏抜け等が発生しやすくなる。また、形成される主層11自体の強度も低下してしまい、家具、車両用等高強度を要求される用途には不向きになる。
一方、これら範囲より濃度が高い場合は、主層11自体の強度は上がるが、多孔度が低下し、透湿性が低下してしまう。また、主層用溶液自体の粘度も著しく上がってしまい、塗工が困難になる、或いは脱溶媒が著しく困難になり多孔質膜が得られないといった問題点が発生する。
この工程で用いる有機溶媒Bは、有機溶媒Aと相溶性があり、ポリウレタン系ポリマーを実質的に溶解しないものが用いられる。有機溶媒Bは、一成分系や、二成分以上の多成分系のいずれも採用することができる。一成分系の例としては、水、メタノール、エタノールといったアルコール系溶媒であり、多成分系の例としては、水と非プロトン性極性溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等)の混合溶媒、アルコール系溶媒と非プロトン性極性溶媒の混合溶媒である。この中でも、水と非プロトン性極性溶媒との混合溶液や、水が最も好ましい。
そして、主層11に用いられるポリマーと同じものを塗布溶液のポリマーとして用いることができる。
また、塗布溶液に用いられるポリマーとして、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアクリレート系以外の樹脂も用いることができ、フッ素系やオレフィン系の樹脂なども用いることができる。
なお、塗布溶液の粘度に関しては、塗布溶液のポリマーの濃度によるところが大きいので、ポリマーが低濃度の場合、塗布溶液の粘度が低くなりやすい。そのような場合は、親油性粘土鉱物系増粘剤等を用いて塗布溶液を増粘することができる。
さらに、意匠性の付与や更なる強度向上のため、表層12の表面に、積層させることもできる。具体例としては、撥水加工等の機能を新たに付与するための材料を表面に塗布する場合などである。なお、表層12の表面に、他の材料を積層させる場合には、透湿性を維持しながら行われる。
さらに、塗布溶液の塗布する部分を格子状とするなどして、塗布された部分について全体がつながるようにし、塗布溶液の塗布しない部分を島状となるようにすることができる。そして、このように部分的に塗布して表層12が形成されると、表層12が形成される部分に対して、主層11の露出する部分が島状となる海島状となり、耐摩耗性などの物性をより向上させることができる。
なお、シート材2を製造する場合、塗布溶液の塗布工程以外の工程については、シート材1の場合と同様であり、また、塗布溶液の塗布工程においても、塗布する範囲を変える点以外は同様である。
そして、以下に示される方法によって製作された実施例1〜4、比較例1、2のシート材を(1)透湿度、(2)耐水圧、(3)摩擦試験1、(4)摩擦試験2の4種類の方法で評価した。
(2)耐水圧については、JIS L 1092 B法に準拠して測定した。
(3)磨耗試験1については、テーバー磨耗試験を、荷重1kg、CS−10の磨耗輪で、2000回行い、外観変化を評価した。そして、外観の変化が表皮層の艶変化程度までの場合を「○」、多孔質層まで破壊されている場合を「×」、多孔質層が完全になくなり基材が剥き出しになっている場合を「××」として評価した。
(4)磨耗試験2については、学震型磨耗試験機を用い、磨耗対象物として、10号帆布、荷重を500gで、1000回毎に外観変化を確認し、上限20000回まで試験を行った。評価は外観変化を起こした回数と、その外観変化を、表皮層の艶変化程度までの場合を「○」、多孔質層まで破壊されている場合を「×」、多孔質層が完全になくなり基材が剥き出しになっている場合を「××」として行った。
ポリウレタン系ポリマーとしてポリカーボネート系ポリウレタンを用いて、以下の配合で主層用溶液を調整した。
・レザミンCU8614(大日精化製) 100部
・ジメチルホルムアミド 70部
・セイカセブンBS780S(大日精化製) 15部
・セイカセブンBS012(大日精化製) 2部
・レザミンCUT−30(大日精化製) 3部
・クリスボンNY−328(大日本インキ化学工業製) 100部
・ジメチルホルムアミド 100部
・メチルエチルケトン 100部
そして、上記のように調整した塗布溶液を、幅0.25mm、深さ70μmの格子型グラビアコーターを用いて塗工し、140℃のオーブンで乾燥して実施例1のシート材を得た。
ポリウレタン系ポリマーとしてポリカーボネート系ポリウレタンを用いて、以下の配合で主層用溶液を調整した。
・レザミンCU9443(大日精化製) 100部
・ジメチルホルムアミド 70部
・セイカセブンBS780S(大日精化製) 15部
・セイカセブンBS012(大日精化製) 2部
実施例2のシート材に、以下の条件でエンボス加工を施して、実施例3のシート材を得た。
エンボス加工の条件は、150℃、5MPa、1分間行うものであり、皮紋調のエンボスを施している。
実施例2のシート材に、表面処理剤をグラビアコーティングして意匠性を付与した後、さらに、実施例3と同様の方法でエンボス加工を施して、実施例4のシート材を得た。
実施例4で用いられる表面処理剤の配合は以下の通りである。
・ラックスキンU−1834M(セイコー化成製) 100部
・ラックスキンU−1840G(セイコー化成製) 10部
・メチルエチルケトン 10部
ポリウレタン系ポリマーとしてポリカーボネート系ポリウレタンを用いて、以下の配合で主層用溶液を調整した。
・レザミンCU9443(大日精化製) 100部
・ジメチルホルムアミド 70部
・セイカセブンBS780S(大日精化製) 15部
・セイカセブンBS012(大日精化製) 2部
更に、実施例3、4と同様に、150℃、5MPa、1分間の条件にて、皮紋調のエンボスを施し、比較例1のシート材を得た。
上記のように製作されるので、比較例1のシート材は、塗布溶液が塗布されておらず、表層が形成されていない。
比較例1のシート材に、下記の表面処理剤をコーティングし意匠性を付与した後、150℃、5MPa、1分間の条件にて、皮紋調のエンボスを施して、比較例2のシート材を得た。
比較例2で用いられる表面処理剤の配合は、実施例4と同様であり、以下の通りである。
・ラックスキンU−1834M(セイコー化成製) 100部
・ラックスキンU−1840G(セイコー化成製) 10部
・メチルエチルケトン 10部
上記のように製作されるので、比較例2のシート材は、塗布溶液が塗布されておらず、表層が形成されていない。
10 基材層
11 主層
12 表層
Claims (3)
- ポリウレタン系ポリマーを有機溶媒Aに溶解させた主層用溶液を基材に塗工する工程と、
ポリウレタン系ポリマーを実質的には溶解しないものであって有機溶媒Aとは相溶性のある有機溶媒Bを用い、主層用溶液が塗工された基材を有機溶媒Bに浸漬してその後乾燥させ、多孔質の主層を形成する工程と、
ポリウレタン系ポリマーを溶解する有機溶媒Cに、ポリマーを溶解させた塗布溶液を用い、多孔質の主層の表面に塗布溶液を塗布してその後乾燥させ、多孔質の主層の表面を溶解させつつ表層を形成する工程とを有し、多孔質の主層の表面に行う塗布溶液の塗布を、塗布溶液の塗布しない部分を島状となるよう部分的に行い、表層が形成される部分に対して、主層の露出する部分を島状に形成することを特徴とするシート材の製造方法。 - 塗布溶液のポリマーの濃度は3〜15質量%であることを特徴とする請求項1に記載のシート材の製造方法。
- 請求項1又は2に記載のシート材の製造方法を用いて製造されたことを特徴とするシート材。
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