JP2007196184A - シート材、並びに、シート材の製造方法 - Google Patents

シート材、並びに、シート材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】透湿性と耐摩耗性の向上とを両立させることができるシートを提供する。
【解決手段】本発明のシート材1は、主層用溶液を基材に塗工する工程と、主層用溶液が塗工された基材を有機溶媒Bに浸漬してその後乾燥させ、多孔質の主層11を形成する工程と、多孔質の主層11の表面に塗布溶液を塗布してその後乾燥させ、多孔質の主層の表面に表層12を形成する工程によって製造されるものである。そして、シート材1には、基材層10、主層11、表層12が有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、物品の表面に貼って物品の被覆などに使用されるシート材や、その製造方法に関するものである。
家具、車の椅子の表面などを、シートで覆うことが広く行われている。そして、このようなシート材には、織物、編物に意匠性を付与した布帛が広く用いられている。
このような布帛を基本にしたものは、強度、耐久性、透湿性において十分な性能を有するものであるが、アウトドアスタイルが一般化するなかで、水、海水、雪、泥、砂等を付けた衣服のままで車に乗車することが増えだした。このような場合、布帛を用いたものでは、汚れが付きやすく、また、その汚れを除去することが非常に困難であることが指摘されてきた。家具に関しても同様であり、ライフスタイルの多様化により、メンテナンスフリーな素材の要望が高まっている。
そこで、樹脂製のシート材を上記のような用途に用いることが行われている。このようなシート材は、例えば、特許文献1などに記載されている。
特開2006−7543号公報
特許文献1などに記載されているポリ塩化ビニル製のシート材は、高強度、高耐久性、低価格の面において優れているので、家具、車両に用いられてきている。しかし、ポリ塩化ビニル素材の場合、汚れ等のメンテナンスは容易であるが、透湿性を付与することが困難であるので、使用中に汗による蒸れが発生し、ユーザーの不快感を招き易い。また、ポリ塩化ビニル製のシートを製造する際に発泡させて、発泡シートとすることができるが、孔自体は独立気泡となってしまい、透湿性は無発泡シートと何ら変わりなく、使用時の不快感は避けることができなかった。
また、ポリ塩化ビニルシートは、使用後、廃棄、焼却時には、有害なガスが発生することがあり、使用中、使用後共に問題点を抱えていた。
また、ポリ塩化ビニル素材の代わりにポリウレタン系ポリマーの押出し加工等によるシート材も提案、実用化が検討されているが、ポリ塩化ビニル製シート材と同じ製法であるため、透湿性を付与することは困難であり、汗による蒸れを回避する透湿度を向上させることは難しいものであった。
さらに、ポリウレタン系ポリマーに係る湿式凝固法によるシート材も提案されている。このような湿式凝固法によるシート材の場合、透湿性は優れているが、その反面、上記したシート材に比較して耐摩耗性が劣る。そこで、このようなシート材を用いる場合、表面に耐摩耗性の膜を接着剤などによって貼り合わせる必要があり、この結果、透湿性が低下し、また、工程も煩雑になってコスト的に高くなってしまう。
そこで、本発明は、透湿性と耐摩耗性を兼ね備えるシート材、並びに、シート材の製造方法を提供するものである。
そして、上記した目的を達成するため、本発明は、ポリウレタン系ポリマーを有機溶媒Aに溶解させた主層用溶液を基材に塗工する工程と、ポリウレタン系ポリマーを実質的には溶解しないものであって有機溶媒Aとは相溶性のある有機溶媒Bを用い、主層用溶液が塗工された基材を有機溶媒Bに浸漬してその後乾燥させ、多孔質の主層を形成する工程と、ポリウレタン系ポリマーを溶解する有機溶媒Cに、ポリマーを溶解させた塗布溶液を用い、多孔質の主層の表面に塗布溶液を塗布してその後乾燥させ、多孔質の主層の表面に表層を形成する工程とによって、シート材を製造するものである。
本発明によれば、多孔質の主層を形成した後に、ポリマーを溶解させた塗布溶液を用いて多孔質の主層の表面を溶解させつつ表層を形成することができるので、多孔質の主層と、その表面に形成された表層とによって、透湿性を確保しながら耐摩耗性を向上させる表層を形成することができ、透湿性と耐摩耗性の向上とを両立させることができる。
なお、本発明における有機溶媒Cは、有機溶媒Aと同じものを用いてもよい。
また、塗布溶液のポリマーの濃度を3〜15質量%とすることができる。
さらに、多孔質の主層の表面に行う塗布溶液の塗布を、部分的に行うこともできる。
本発明によれば、透湿性と耐摩耗性を兼ね備えるシート材を提供することができる。
本発明のシート材1は、図1に示されるような層構成であり、基材層10、主層11、表層12とを有している。
基材層10となる基材は、繊維を用いて形成された織物、編物、不織布やこれらの起毛品などが用いられるものである。そして、基材層10は、通気性を有しつつ、後述するように主層11となる主層用溶液を塗工することができるものである。
基材層10の具体的な材質としては、従来から用いられているものを使用することができ、例えば、綿、麻、絹などの天然繊維、レーヨン、キュプラ、テンセル等の再生繊維、ポリエステル、ポリアミド繊維等の合成繊維があり、これらの混紡、交織された繊維を用いて形成されたものを使用することができる。
そして、基材層10に、主層用溶液を塗工し、主層11を形成する。なお、基材層10に、予め樹脂、合成ゴム、撥水剤、難燃剤等を含浸、塗布するなどして、表面処理を行ったものを用いることができる。
主層11を形成するために用いられる主層用溶液は、ポリウレタン系ポリマーを有機溶媒Aに溶解させたものである。
ポリウレタン系ポリマーとしては、ウレタン結合を有する樹脂であり、具体的には、ポリエステル型ポリウレタン、ポリエーテル型ポリウレタン、ポリカーボネート型ポリウレタン、ポリエーテルポリカーボネート型ポリウレタン等の従来公知のものを用いることができる。さらに、シート材1を、家具、車両のような高耐久性を要求される用途に使用する場合には、ポリカーボネート型ポリウレタン、ポリエーテルポリカーボネート型ポリウレタンが好適である。
また、これらポリウレタンをその他骨格の異なるポリマーで変性しているものでもよく、例としてはシリコン変性型、フッ素系ポリマー変性型、ポリアクリレート系ポリマー変性型ポリウレタン等様々なものが挙げられる。
主層用溶液に用いられるポリウレタン系ポリマーの硬さは、任意に選択することができる。この硬さは、シート材1の耐久性、強度、風合い等に影響するので、このことを考慮すると、100%伸び時における引張応力M100が2.94MPa〜29.4MPaとなる範囲が好適であり、特に好適なのは、M100が3.92MPa〜9.81MPaのものである。
また、主層用溶液に用いられるポリウレタン系ポリマーは、単独で用いても良く、複数の種類のものを混合することもでき、シート材1の用途、要求特性に応じて対応させることができる。
なお、引張応力M100の測定方法は、JIS K 6251により測定されるものである。
主層用溶液は、ポリウレタン系ポリマーを有機溶媒Aに溶解させて作られるので、有機溶媒Aはポリウレタン系ポリマーを溶解させることができるものが用いられる。
そして、有機溶媒Aは、従来公知の湿式凝固法に用いられる有機溶媒を用いることができ、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンといった非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルムといったハロゲン系溶媒、ジメチルケトン、メチルエチルケトンといったケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンといった環状エーテル系溶媒、トルエン、キシレンといった芳香族系等有機溶媒が挙げることができる。
特に有機溶媒Aに用いる上記溶媒のうち、環境への影響、湿式凝固法における加工性、簡便性等を考慮した場合、非プロトン性の極性溶媒が好ましい。また、必要に応じてこれら溶媒を2種以上混合して用いてもよい。更に、有機溶媒Aにポリウレタン系ポリマーを溶解させる折の濃度は、溶媒に応じて任意の濃度を選択できるが、好ましくは5〜30質量%であり、特に好ましくは、10〜25質量%である。
これら範囲より濃度が低い場合は、主層11における体積に対する空孔の割合、つまり多孔度が高い湿式膜が得られ、高い透湿性を付与することができるが、主層用溶液の粘度が著しく低くなり、基材への塗工時に裏抜け等が発生しやすくなる。また、形成される主層11自体の強度も低下してしまい、家具、車両用等高強度を要求される用途には不向きになる。
一方、これら範囲より濃度が高い場合は、主層11自体の強度は上がるが、多孔度が低下し、透湿性が低下してしまう。また、主層用溶液自体の粘度も著しく上がってしまい、塗工が困難になる、或いは脱溶媒が著しく困難になり多孔質膜が得られないといった問題点が発生する。
なお、主層用溶液は、ポリウレタン系ポリマー及び有機溶媒Aが必須成分であるが、シート材1の耐久性や透湿性などの物性の向上や、シート材1の難燃性の付与のため、必要に応じて、添加剤、孔調整剤、充填剤、難燃剤等の他の成分を添加することができる。
例えば、シート材1の物性の向上を目的として、アクリルビーズ、セラミックビーズや、これらのものをポリウレタンに分散したもの、耐熱性等の付与のためにイソシアネート系架橋剤等を主層用溶液に添加することができる。
また、主層11の孔の形状などを調整する孔調整剤としては、ノニオン、カチオン、アニオン性の界面活性剤、アルコール系溶媒、ポリエチレンオキサイド等の親水性高分子添加剤、パラフィン系オイル、芳香族系溶媒等の疎水性のものを主層用溶液に添加することができる。これら孔調整剤の添加量としては、通常用いられる程度でよく、ポリウレタン系ポリマー100重量部に対して0.1〜10重量部程度が好ましく、また、上記調整剤を2種類以上併用してもよい。
また、充填剤としては、無機、有機充填剤があり、改質の目的に合わせて添加するのが好ましい。難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、リン窒素系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤、ハロゲン系難燃剤等が挙げられ、力学的特性の低下と難燃性付与のバランスを取りながら添加するのが好ましい。その他添加剤としては、意匠性付与のための、着色剤が挙げられる。着色剤も従来公知の湿式凝固法に合ったものを選択するのが好ましく、特に好ましいのはビヒクルの耐久性が高いものが挙げられる。
基材層10となる繊維製の基材に主層用溶液を塗工する工程では、通常用いられる方法を採用することができ、例えば、コンマコーティング法、ドクターナイフコーティング法、リバースロールコーティング法、グラビアコーティング法、バーコーティング法等様々なものが挙げられる。
そして、基材に主層用溶液を塗工したものを、有機溶媒Bに浸漬させて、その後乾燥させて、主層11を形成する。
この工程で用いる有機溶媒Bは、有機溶媒Aと相溶性があり、ポリウレタン系ポリマーを実質的に溶解しないものが用いられる。有機溶媒Bは、一成分系や、二成分以上の多成分系のいずれも採用することができる。一成分系の例としては、水、メタノール、エタノールといったアルコール系溶媒であり、多成分系の例としては、水と非プロトン性極性溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等)の混合溶媒、アルコール系溶媒と非プロトン性極性溶媒の混合溶媒である。この中でも、水と非プロトン性極性溶媒との混合溶液や、水が最も好ましい。
有機溶媒B中に浸漬させると、有機溶媒Bに有機溶媒Aが溶出するので、主層用溶液に含まれるポリウレタン系ポリマーによって主層11が形成される。そして、この主層11は、図1に示されるように、孔部15を有する多孔質状となり、基材層10上に形成される。
さらに、主層11の表面、すなわち、基材層10とは反対側に表層12を形成する。表層12の形成は、有機溶媒Cに所定のポリマーを溶解させた塗布溶液を使用して行われるものである。
そして、この塗布溶液に用いられる有機溶媒Cは、主層11のポリウレタン系ポリマーとの間で相溶性があり、塗布溶液を塗布することによって主層11の表面を溶解させることができるものである。したがって、主層11の表面に形成される表層12は、主層との密着性がよく、使用時に表層12が剥がれたりしにくく、耐摩耗性を向上させることが可能である。
有機溶媒Cとしては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンといった非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルムといったハロゲン系溶媒が好ましく、また、上記した有機溶媒Aと同じものを用いても良い。
また、塗布溶液は所定のポリマーを溶解させたものであり、適度な粘度を付与することができ、塗布の際に、適した粘度のものが得られ、また、塗布後に乾燥させることにより、当該ポリマーの層である表層12を形成させることができる。
塗布溶液に用いられるポリマーは、主層11との密着性を確保することができればどのような樹脂を用いても良いが、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアクリレートなどを採用することができる。好ましくはポリウレタン系ポリマーがよく、高耐久性を要求される用途であることから、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリエーテルポリカーボネート系ポリウレタンが特に好ましい。
そして、主層11に用いられるポリマーと同じものを塗布溶液のポリマーとして用いることができる。
また、塗布溶液に用いられるポリマーとして、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアクリレート系以外の樹脂も用いることができ、フッ素系やオレフィン系の樹脂なども用いることができる。
本塗布溶液に添加されるポリマーの濃度としては、用いるポリマーの種類にもよるが、概ね3〜15質量%程度が好ましい。3%未満の濃度では、塗布溶液の粘度が低くなりすぎ、塗布作業の作業性が低下しやすい。15%を超える濃度では、塗布溶液の粘度が高くなって薄く塗布することが難しく、また、同じ量の塗布溶液でも多くのポリマーを含有するので、表層12が厚く形成されるため、透湿性の低下が大きくなりやすい。
なお、塗布溶液の粘度に関しては、塗布溶液のポリマーの濃度によるところが大きいので、ポリマーが低濃度の場合、塗布溶液の粘度が低くなりやすい。そのような場合は、親油性粘土鉱物系増粘剤等を用いて塗布溶液を増粘することができる。
塗布溶液を主層11の表面に塗布する工程では、通常用いられる方法を採用することができ、例えば、コンマコーティング法、ドクターナイフコーティング法、リバースロールコーティング法、グラビアコーティング法、バーコーティング法等の方法があり、特に、塗布溶液を塗工するに適した方法であるグラビアコーティング法やスクリーンコーティング法が好ましい。
このようにして、主層11の表面に塗布溶液を塗布して、これを再び乾燥させて表層12を形成し、シート材1が製作される。そして、この表層12は薄い層であり、透湿性をほとんど低下させない。
さらに、意匠性の付与や更なる強度向上のため、表層12の表面に、積層させることもできる。具体例としては、撥水加工等の機能を新たに付与するための材料を表面に塗布する場合などである。なお、表層12の表面に、他の材料を積層させる場合には、透湿性を維持しながら行われる。
また、更なる意匠性の付与のために、エンボス加工を施すことも可能である。本発明のシート材1では、主層11が多孔質であるので、エンボスの型入りもよく、如何なるエンボスパターンでも対応することができる。
また、塗布溶液の塗布は、全体に施すこともできるが、図2に示されるシート材2のように部分的に行い、部分的に表層12を形成することもできる。そして、シート材2では、表層12が形成された部分について耐摩耗性などの物性が向上し、表層12が形成されない部分について透湿性を確保することができ、シート材2の全体の性能を向上させることができる。
さらに、塗布溶液の塗布する部分を格子状とするなどして、塗布された部分について全体がつながるようにし、塗布溶液の塗布しない部分を島状となるようにすることができる。そして、このように部分的に塗布して表層12が形成されると、表層12が形成される部分に対して、主層11の露出する部分が島状となる海島状となり、耐摩耗性などの物性をより向上させることができる。
なお、シート材2を製造する場合、塗布溶液の塗布工程以外の工程については、シート材1の場合と同様であり、また、塗布溶液の塗布工程においても、塗布する範囲を変える点以外は同様である。
以下、本発明を実施例に基いて、更に詳細に説明する。しかし、本発明はその主旨を超えない限り、以下の記載例に限定されるものではない。
そして、以下に示される方法によって製作された実施例1〜4、比較例1、2のシート材を(1)透湿度、(2)耐水圧、(3)摩擦試験1、(4)摩擦試験2の4種類の方法で評価した。
(1)透湿度については、JIS L 1099−1985 A−1法に準拠して測定した。
(2)耐水圧については、JIS L 1092 B法に準拠して測定した。
(3)磨耗試験1については、テーバー磨耗試験を、荷重1kg、CS−10の磨耗輪で、2000回行い、外観変化を評価した。そして、外観の変化が表皮層の艶変化程度までの場合を「○」、多孔質層まで破壊されている場合を「×」、多孔質層が完全になくなり基材が剥き出しになっている場合を「××」として評価した。
(4)磨耗試験2については、学震型磨耗試験機を用い、磨耗対象物として、10号帆布、荷重を500gで、1000回毎に外観変化を確認し、上限20000回まで試験を行った。評価は外観変化を起こした回数と、その外観変化を、表皮層の艶変化程度までの場合を「○」、多孔質層まで破壊されている場合を「×」、多孔質層が完全になくなり基材が剥き出しになっている場合を「××」として行った。
(実施例1)
ポリウレタン系ポリマーとしてポリカーボネート系ポリウレタンを用いて、以下の配合で主層用溶液を調整した。
・レザミンCU8614(大日精化製) 100部
・ジメチルホルムアミド 70部
・セイカセブンBS780S(大日精化製) 15部
・セイカセブンBS012(大日精化製) 2部
・レザミンCUT−30(大日精化製) 3部
そして、実施例1で用いる繊維製の基材は、ポリエステル35%、レーヨン65%の混紡糸を用いた、経52本/インチ、緯40本/インチの平織物の起毛したものを用いた。そして、本基材を水に浸漬し、圧力0.4MPaのマングルで絞った後、基材起毛面に上記主層用溶液を、バーコーターで塗工量800g/m2塗工し、次いで温度25℃の水に4分間浸漬し、更に40℃の温水中に15分間浸漬した後、140℃のオーブンで乾燥して湿式多孔質構成体を得た。
次に、塗布溶液を以下の配合で調整した。なお、この塗布溶液には、ポリマーとして、ポリウレタンが用いられている。
・クリスボンNY−328(大日本インキ化学工業製) 100部
・ジメチルホルムアミド 100部
・メチルエチルケトン 100部
そして、上記のように調整した塗布溶液を、幅0.25mm、深さ70μmの格子型グラビアコーターを用いて塗工し、140℃のオーブンで乾燥して実施例1のシート材を得た。
(実施例2)
ポリウレタン系ポリマーとしてポリカーボネート系ポリウレタンを用いて、以下の配合で主層用溶液を調整した。
・レザミンCU9443(大日精化製) 100部
・ジメチルホルムアミド 70部
・セイカセブンBS780S(大日精化製) 15部
・セイカセブンBS012(大日精化製) 2部
そして、実施例2で用いる繊維製の基材は、経編機(28ゲージ)のフロント筬に75デニール/72フィラメントのポリエステルマルチフィラメント糸を、バック筬に50デニール/24フィラメントのポリエステルマルチフィラメント糸をそれぞれ供給してハーフ組織に編成し、次いでその片面を起毛したトリコットを用いた。そして、本基材を水に浸漬し、圧力0.4MPaのマングルで絞った後、基材起毛面に主層用溶液をバーコーターにて、塗工量800g/m2塗工し、次いで温度25℃の水に4分間浸漬し、更に40℃の温水中に15分間浸漬した後、140℃のオーブンで乾燥して実施例2のシート材を得た。上記以外は実施例1と同様の処方を用いた。
(実施例3)
実施例2のシート材に、以下の条件でエンボス加工を施して、実施例3のシート材を得た。
エンボス加工の条件は、150℃、5MPa、1分間行うものであり、皮紋調のエンボスを施している。
(実施例4)
実施例2のシート材に、表面処理剤をグラビアコーティングして意匠性を付与した後、さらに、実施例3と同様の方法でエンボス加工を施して、実施例4のシート材を得た。
実施例4で用いられる表面処理剤の配合は以下の通りである。
・ラックスキンU−1834M(セイコー化成製) 100部
・ラックスキンU−1840G(セイコー化成製) 10部
・メチルエチルケトン 10部
(比較例1)
ポリウレタン系ポリマーとしてポリカーボネート系ポリウレタンを用いて、以下の配合で主層用溶液を調整した。
・レザミンCU9443(大日精化製) 100部
・ジメチルホルムアミド 70部
・セイカセブンBS780S(大日精化製) 15部
・セイカセブンBS012(大日精化製) 2部
繊維製の基材は、ポリエステル35%、レーヨン65%の混紡糸を用いた、経52本/インチ、緯40本/インチの平織物の起毛したものを用いた。そして、本基材を水に浸漬し、圧力0.4MPaのマングルで絞った後、基材起毛面に上記主層用溶液を、バーコーターで塗工量800g/m2塗工し、次いで温度25℃の水に4分間浸漬し、更に40℃の温水中に15分間浸漬した後、140℃のオーブンで乾燥した。
更に、実施例3、4と同様に、150℃、5MPa、1分間の条件にて、皮紋調のエンボスを施し、比較例1のシート材を得た。
上記のように製作されるので、比較例1のシート材は、塗布溶液が塗布されておらず、表層が形成されていない。
(比較例2)
比較例1のシート材に、下記の表面処理剤をコーティングし意匠性を付与した後、150℃、5MPa、1分間の条件にて、皮紋調のエンボスを施して、比較例2のシート材を得た。
比較例2で用いられる表面処理剤の配合は、実施例4と同様であり、以下の通りである。
・ラックスキンU−1834M(セイコー化成製) 100部
・ラックスキンU−1840G(セイコー化成製) 10部
・メチルエチルケトン 10部
上記のように製作されるので、比較例2のシート材は、塗布溶液が塗布されておらず、表層が形成されていない。
実施例1〜4及び比較例1、2のシート材の各種評価結果を表1に示す。
Figure 2007196184
表1に示されるように、実施例1〜4のシート材は、透湿性を維持しつつ、比較例1、2のシート材と比べて、耐水性や摩耗性に優れている。
本発明の積層シートの発泡層構造を示した断面図である。 本発明の積層シートの発泡層構造を示した断面図である。
符号の説明
1、2 シート材
10 基材層
11 主層
12 表層

Claims (4)

  1. ポリウレタン系ポリマーを有機溶媒Aに溶解させた主層用溶液を基材に塗工する工程と、
    ポリウレタン系ポリマーを実質的には溶解しないものであって有機溶媒Aとは相溶性のある有機溶媒Bを用い、主層用溶液が塗工された基材を有機溶媒Bに浸漬してその後乾燥させ、多孔質の主層を形成する工程と、
    ポリウレタン系ポリマーを溶解する有機溶媒Cに、ポリマーを溶解させた塗布溶液を用い、多孔質の主層の表面に塗布溶液を塗布してその後乾燥させ、多孔質の主層の表面に表層を形成する工程とを有することを特徴とするシート材の製造方法。
  2. 塗布溶液のポリマーの濃度は3〜15質量%であることを特徴とする請求項1に記載のシート材の製造方法。
  3. 多孔質の主層の表面に行う塗布溶液の塗布を、部分的に行うものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート材の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のシート材の製造方法を用いて製造されたことを特徴とするシート材。
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