JP2006282917A - 耐熱性ポリエステル樹脂成形品とその製造方法 - Google Patents

耐熱性ポリエステル樹脂成形品とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】成形安定性、耐熱性(耐リフロー性)に優れ、しかもウェルド強度が強く形状設計の自由度に優れた耐熱性ポリエステル樹脂成形品とその製造方法を提供すること。
【解決手段】脂環式ジカルボン酸成分及び芳香族ジカルボン酸成分からなる群より選ばれる少なくとも一種のジカルボン酸成分と、脂環式ジオール成分及び脂肪族ジオール成分からなる群より選ばれる少なくとも一種のジオール成分との重縮合に由来する繰り返し単位を有する熱可塑性ポリエステル樹脂または該熱可塑性ポリエステル樹脂を含有する樹脂組成物から形成され、該熱可塑性ポリエステル樹脂が電離放射線の照射により架橋されている耐熱性ポリエステル樹脂成形品、並びにその製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性ポリエステル樹脂成形品とその製造方法に関し、さらに詳しくは、表面実装型基板コネクタなどの高度の耐熱性が要求される電子部品に適用することができる耐熱性ポリエステル樹脂成形品とその製造方法に関する。
エレクトロニクス実装技術分野において、各種合成樹脂が基板、筐体、コネクタ、接合材、フレーム材、封止材などとして広く用いられている。電気・電子機器の小型化、薄肉化、高機能化に伴い、LSIやICなどの半導体素子や、抵抗器、コンデンサ、コネクタなどの電子部品の小型化、薄肉化、低ノイズ化、高信頼化、高密度化、伝送速度向上に対する要求が年々厳しくなっている。
例えば、コネクタに用いられる合成樹脂には、電気絶縁性、強度、剛性に優れることが求められる。また、近年の製品の小型化や薄肉化の要求に伴い、表面実装技術が普及し、半導体パッケージのリードの微細化も急速に進められている。このような動向に呼応して、コネクタにも、薄肉化、微細化、高精度化が要求される。さらに、電子部品を基板にはんだ付けするリフロー工程では、コネクタの温度も上昇する。
近年、プリント配線板のランド上に予めソルダペーストを印刷した後、加熱手段を用いてはんだを溶融させ、はんだ付けするリフローはんだ付けが、表面実装部品のはんだ付けに適用されている。基板実装する際のリフロー条件について、環境問題への対応から、はんだの鉛フリー化が進んでいる。鉛フリーはんだペーストとして多くの組成が実用化の段階にあるが、その代表的な組成であるSn−Ag−Cu(銀3.5重量%、銅0.5重量%、残りが錫)の融点は、219℃である。鉛フリーはんだの低融点化が進められているものの、従来の錫−鉛系はんだに比べて、融点が20℃またはそれ以上も高いのが現状である。
高融点の鉛フリーはんだを用いて、良好な接合界面合金を形成するには、少なくとも10℃程度高温にする必要がある。これに加えて、実装部品の熱容量差を吸収するために、さらなる加熱が必要であり、それに伴って、リフロー炉での最高温度を大幅に上昇させる必要がある。より具体的に、コネクタなどの樹脂部品には、リフロー炉の260℃に設定したゾーンを60秒間通過させる条件下で、変形しないだけの高度の耐熱性(耐リフロー性)が要求されるようになりつつある。
従来、表面実装用コネクタの合成樹脂材料として、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、芳香族ポリアミドなどの耐熱性エンジニアリングプラスチックが用いられるケースが多くなっている。それらの中でも、LCPは、薄肉成形性に優れ、鉛フリーはんだにも対応できるという点から、ボードtoボードコネクタなどのファインピッチ基板用コネクタの成形材料として実用化が進んでいる。
しかし、LCPは、ポリアミドやポリブチレンテレフタレート(PBT)等の汎用のエンジニアリングプラスチックに比べると高価であり、しかもウェルド強度(射出成形時に金型内で溶融樹脂の先端同士が接合するウェルド部の強度)が低いことが難点である。そのため、LCPは、成形品にウェルド部が生じないように設計する必要があるため、製造できる成形品形状に制約がある。さらに、LCPは、成形品の強度に異方性が生じやすいこと、靱性に劣るため薄肉部での強度が劣ることなどの欠点も有している。
一方、PPS及び芳香族ポリアミドは、ウェルド強度に問題はない。しかし、PPSは、薄肉製品に成形すると、鉛フリーはんだ対応が困難になり、しかもバリを発生しやすい。芳香族ポリアミドは、成形温度が高く、成形安定性に劣るという問題がある。
従来、ポリエステル樹脂成形品の表面にめっき層が形成され、かつ該ポリエステル樹脂成形品が電離放射線の照射により架橋されためっきポリエステル樹脂成形品が提案されている(特許文献1)。具体的に、ポリエステル樹脂としては、PBTが用いられている。該めっきポリエステル樹脂は、耐リフロー性に優れている。しかし、めっき層の密着強度を高めかつ耐リフロー性を向上させるには、PBTに多量の無機フィラーを配合する必要があり、しかも成形品表面にめっき層を形成することが必須であるため、その用途としては、三次元射出成形回路部品(Molded Interconnect Device)などに好適に適用することができるものの、コネクタなどの樹脂部品の用途には必ずしも適していない。
国際公開第2004/022815号パンフレット
本発明の課題は、成形安定性、耐熱性(耐リフロー性)に優れ、しかもウェルド強度が強く、形状設計の自由度に優れた耐熱性ポリエステル樹脂成形品とその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、脂環式ジカルボン酸成分及び芳香族ジカルボン酸成分からなる群より選ばれる少なくとも一種のジカルボン酸成分と、脂環式ジオール成分及び脂肪族ジオール成分からなる群より選ばれる少なくとも一種のジオール成分との重縮合に由来する繰り返し単位を有する熱可塑性ポリエステル樹脂または該熱可塑性ポリエステル樹脂を含有する樹脂組成物を用いて、所望の形状に溶融成形し、次いで、該熱可塑性ポリエステル樹脂を電離放射線の照射により架橋することにより、ウェルド強度が強く、260℃×60秒間の耐リフロー性を十分に満足することができる耐熱性ポリエステル樹脂成形品の得られることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
本発明によれば、脂環式ジカルボン酸成分及び芳香族ジカルボン酸成分からなる群より選ばれる少なくとも一種のジカルボン酸成分と、脂環式ジオール成分及び脂肪族ジオール成分からなる群より選ばれる少なくとも一種のジオール成分との重縮合に由来する繰り返し単位を有する熱可塑性ポリエステル樹脂または該熱可塑性ポリエステル樹脂を含有する樹脂組成物から形成され、該熱可塑性ポリエステル樹脂が電離放射線の照射により架橋されている耐熱性ポリエステル樹脂成形品が提供される。
また、本発明によれば、脂環式ジカルボン酸成分及び芳香族ジカルボン酸成分からなる群より選ばれる少なくとも一種のジカルボン酸成分と、脂環式ジオール成分及び脂肪族ジオール成分からなる群より選ばれる少なくとも一種のジオール成分との重縮合に由来する繰り返し単位を有する熱可塑性ポリエステル樹脂または該熱可塑性ポリエステル樹脂を含有する樹脂組成物を所望の形状に溶融成形し、得られた成形品に電離放射線を照射して架橋する耐熱性ポリエステル樹脂成形品の製造方法が提供される。
本発明の耐熱性ポリエステル樹脂成形品は、LCP成形品のようにウェルド強度が不足するという問題がないので、形状設計の自由度が高く、しかも電離放射線の照射により架橋されているため、260℃のリフロー試験における寸法変化率が極めて小さい。本発明の耐熱性ポリエステル樹脂成形品は、実装基板用コネクタなどの電子部品の分野で好適に利用することができる。
本発明で使用する熱可塑性ポリエステル樹脂は、脂環式ジカルボン酸成分及び芳香族ジカルボン酸成分からなる群より選ばれる少なくとも一種のジカルボン酸成分と、脂環式ジオール成分及び脂肪族ジオール成分からなる群より選ばれる少なくとも一種のジオール成分との重縮合に由来する繰り返し単位を有する熱可塑性ポリエステル樹脂である。
脂環式ジカルボン酸成分としては、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、シクロプロパンジカルボン酸、及びこれらの低級アルキルエステルを挙げることができる。低級アルキルエステルとしては、ジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステルなど、炭素数1〜5の低級アルキルとのエステル化物が好ましい。これらの中でも、熱安定性や耐熱性などの点から、シクロヘキサンジカルボン酸またはその低級アルキルエステルが好ましく、シクロヘキサンジカルボン酸がより好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸またはテレフタル酸の低級アルキルエステルなどのパラ置換芳香族ジカルボン酸またはその低級アルキルエステル(例えば、炭素数1〜5の低級アルキルエステル)が好ましい。ジカルボン酸成分としては、後記するフマル酸などの不飽和ジカルボン酸を少量成分として併用することができる。
脂環式ジオール成分としては、例えば、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールSを挙げることができる。脂環式ジオール成分としては、得られる熱可塑性ポリエステル樹脂の結晶性や成形性などの点から、シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
脂肪族ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールを挙げることができる。これらの中でも、得られる熱可塑性ポリエステル樹脂の結晶性や成形性などの点から、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールが好ましく、エチレングリコール及び1,4−ブタンジオールがより好ましい。ジオール成分としては、後記する不飽和ジオール成分を少量成分として併用することができる。
熱可塑性ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分とジオール成分とを常法に従って重縮合することにより合成することができる。本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂は、脂環式ジカルボン酸成分及び芳香族ジカルボン酸成分からなる群より選ばれる少なくとも一種のジカルボン酸成分と、脂環式ジオール成分及び脂肪族ジオール成分からなる群より選ばれる少なくとも一種のジオール成分以外に、その他のジカルボン酸成分及び/またはジオール成分との重縮合に由来する繰り返し単位を主成分とし、少量成分として、その他の繰り返し単位を含有していてもよい。例えば、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂は、脂環式ジカルボン酸成分及び芳香族ジカルボン酸成分からなる群より選ばれる少なくとも一種のジカルボン酸成分と、脂環式ジオール成分及び脂肪族ジオール成分からなる群より選ばれる少なくとも一種のジオール成分以外に、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸成分を第三成分として共重合させることが、耐熱性向上の観点から好ましい。
より具体的に、熱可塑性ポリエステル樹脂としては、脂環式ジカルボン酸成分と脂環式ジオール成分との重縮合に由来する繰り返し単位を全繰り返し単位の50モル%以上の割合で含有するものが好ましい。また、熱可塑性ポリエステル樹脂としては、芳香族ジカルボン酸成分と脂環式ジオール成分との重縮合に由来する繰り返し単位を全繰り返し単位の50モル%以上の割合で含有するものが好ましい。ここで、ジカルボン酸成分とジオール成分との重縮合に由来する繰り返し単位を、熱可塑性ポリエステル樹脂を構成する「1基本モル」として、各繰り返し単位のモル%を算出する。上記各繰り返し単位は、より好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上である。
熱可塑性ポリエステル樹脂は、例えば、以下のような方法により、電離放射線の照射により架橋可能な熱可塑性ポリエステル樹脂(以下、「改質熱可塑性ポリエステル樹脂」ということがある)または熱可塑性ポリエステル樹脂組成物とすることができる。
(1)多官能性モノマーを配合する方法:
前記熱可塑性ポリエステル樹脂に多官能性モノマーを配合することにより、電離放射線の照射により架橋可能な熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を得ることができる。多官能性モノマーとしては、ジエチレングリコールジアクリレートなどのジアクリレート類;エチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレートなどのジメタクリレート類;トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどのトリアクリレート類;トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどのトリメタクリレート類;トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどのシアヌレート類またはイソシアヌレート類;1,3−ジアリル−5−(2−カルボキシメチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンなどのトリアジン誘導体;など同一分子内に炭素−炭素二重結合を複数個有する多官能性モノマーを挙げることができる。
これらの多官能性モノマーの中でも、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、及び1,3−ジアリル−5−(2−カルボキシメチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンが好ましい。特に、多官能性モノマーとして、1,3−ジアリル−5−(2−カルボキシメチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンを用いると、他の多官能性モノマーを用いた場合よりも架橋密度が向上し、260℃でのリフロー試験後の成形品の寸法変化率低減に極めて効果的である。
多官能性モノマーは、熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対して、通常0.1〜25重量部、好ましくは0.3〜20重量部、より好ましくは0.5〜15重量部の割合で使用される。多官能性モノマーの配合割合は、多くの場合1〜10重量部で良好な結果を得ることができる。多官能性モノマーの配合割合が小さすぎると、電離放射線を照射しても熱可塑性ポリエステル樹脂の架橋密度を十分に高めることができず、耐熱性の要求を満足させることが困難になる。多官能性モノマーの配合割合が大きすぎると、熱可塑性ポリエステル樹脂との溶融混合が困難となり、多官能性モノマーがブリードして成形品の外観を低下させることがある。
(2)重合性官能基を導入する方法:
熱可塑性ポリエステル樹脂と多官能性有機化合物とを反応させて、熱可塑性ポリエステル樹脂中に重合性官能基を導入することにより、電離放射線の照射により架橋可能な改質ポリエステル樹脂を得ることができる。多官能性有機化合物としては、同一分子内に、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などの重合性官能基と、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基(グリシジル基)、カルボキシル酸基、酸無水物基などの官能基とを有する有機化合物を使用する。
このような多官能性有機化合物としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、p−グリシジルスチレン、o−,m−またはp−アリルフェノールのグリシジルエーテル、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテン、3,4−エポキシ−1−ペンテン、5,6−エポキシ−1−ヘキセン、1,3−ジアリル−5−グリシジルイソシアヌレート、1−アリル−3,5−ジグリシジルイソシアヌレート、クロトン酸、無水マレイン酸、無水クロトン酸、ウンデシレン酸、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、プロピレングリコールモノアクリレート、プロピレングリコールモノメタクリレート、アリルアルコール、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸tert−ブチルアミノエチルなどを挙げることができる。
これらの多官能性有機化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、グリシジルメタクリレート及びβ−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネートが好ましい。ポリエステル樹脂と多官能性有機化合物とを反応させるには、両者を溶融混合する方法を採用することが好ましい。溶融混合に際し、他の添加剤成分を一緒に混合することもできる。
多官能性有機化合物は、熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対して、通常0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部、より好ましくは1〜10重量部の割合で使用される。多官能性有機化合物の使用量が少なすぎると、電離放射線の照射による架橋密度が不十分になることがある。多官能性有機化合物の使用量が多すぎると、熱可塑性ポリエステル樹脂との溶融混合が困難となり、さらには、成形時のバリが多くなったり、ブリードしたりする。
(3)主鎖に炭素−炭素二重結合を導入する方法:
熱可塑性ポリエステル樹脂の重合段階において、不飽和ジオール成分及び/または不飽和ジカルボン酸成分を共重合して、主鎖に炭素−炭素二重結合を有する熱可塑性ポリエステル樹脂(改質熱可塑性ポリエステル樹脂)を合成することにより、電離放射線の照射により架橋可能な熱可塑性ポリエステル樹脂を得ることができる。
不飽和ジオール成分としては、例えば、2−ブテン−1,4−ジオールを挙げることができる。不飽和ジカルボン酸成分としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸、これらの低級アルキルエステル、及びこれらの酸無水物などを挙げることができる。また、不飽和ジカルボン酸成分として、ジヒドロフタル酸、及びその低級アルキルエステルを挙げることができる。低級アルキルエステルとしては、ジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステルなど、炭素数1〜5の低級アルキルとのエステル化物が好ましい。
これらの不飽和ジオール成分は、全ジオール成分中、通常1〜20モル%、好ましくは1〜10モル%の割合で用いられる。これらの不飽和ジカルボン酸成分は、全ジカルボン酸成分中、通常1〜20モル%、好ましくは1〜10モル%の割合で用いられる。不飽和ジオール及び/または不飽和ジカルボン酸の共重合割合が小さすぎると、電離放射線の照射による架橋密度が不十分となり、十分な耐熱性を得ることが難しくなり、大きすぎると、熱可塑性ポリエステル樹脂の融点が低下して耐熱性が低下することがある。不飽和ジオール成分と不飽和ジカルボン酸成分は、両者を併用してもよい。
不飽和ジオール成分と不飽和ジカルボン酸成分の中でも、不飽和ジカルボン酸成分が好ましい。不飽和ジカルボン酸としては、フマル酸が好ましい。不飽和ジカルボン酸成分を用いて主鎖に炭素−炭素二重結合を導入した改質熱可塑性ポリエステル樹脂は、脂環式ジカルボン酸成分及び芳香族ジカルボン酸成分からなる群より選ばれる少なくとも一種のジカルボン酸成分と、脂環式ジオール成分及び脂肪族ジオール成分からなる群より選ばれる少なくとも一種のジオール成分との重縮合に由来する繰り返し単位に加えて、不飽和ジカルボン酸成分と、脂環式ジオール成分及び脂肪族ジオール成分からなる群より選ばれる少なくとも一種のジオール成分との重縮合に由来する繰り返し単位をも有する熱可塑性ポリエステル樹脂である。
(4)前記方法の組み合わせ法:
前記の方法(1)〜(3)を組み合わせた方法も採用することができる。好ましい方法としては、前記方法(2)または方法(3)と、方法(1)とを組み合わせる方法が挙げられる。例えば、前記方法(2)により重合性官能基を導入した改質熱可塑性ポリエステル樹脂または前記方法(3)により主鎖に炭素−炭素二重結合を導入した改質熱可塑性ポリエステル樹脂に、多官能性モノマーを配合する方法が好ましい方法として挙げられる。多官能性モノマーの配合割合は、前記方法(1)の場合と同じである。
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂または熱可塑性ポリエステル樹脂組成物には、本発明の課題を損なわない範囲内において、必要に応じて、滑剤、可塑剤、着色剤、補強材、充填剤、難燃剤、酸化防止剤などを適宜・適量添加することができる。これら添加剤の混合には、単軸押出機や二軸押出機等の混合装置を適用することができる。
本発明の耐熱性ポリエステル樹脂成形品は、脂環式ジカルボン酸成分及び芳香族ジカルボン酸成分からなる群より選ばれる少なくとも一種のジカルボン酸成分と、脂環式ジオール成分及び脂肪族ジオール成分からなる群より選ばれる少なくとも一種のジオール成分との重縮合に由来する繰り返し単位を有する熱可塑性ポリエステル樹脂または該熱可塑性ポリエステル樹脂を含有する樹脂組成物を所望の形状に溶融成形し、電離放射線を照射して架橋する方法により製造することができる。
本発明で使用する熱可塑性ポリエステル樹脂は、一般に、酸化防止剤などの添加剤を配合して、樹脂組成物として使用することが多い。また、熱可塑性ポリエステル樹脂を含有する樹脂組成物は、熱可塑性ポリエステル樹脂に多官能性モノマーなどの添加剤を配合したものである。そこで、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を例に挙げて、成形品の製造方法について説明する。
熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を調製する方法は、特に限定されないが、通常は、各成分を溶融混合する方法が採用される。溶融混合には、単軸混合機、二軸混合機等の押出機型の混合機;バンバリーミキサー、加圧ニーダー等のインテンシブ型の混合機;等の混合装置が使用される。押出機型の溶融混合装置を用いて、各成分を溶融混合し、ペレット化することが好ましい。押出機型の溶融混合装置を用いる場合には、予め各成分をミキサーなどで予備混合することが好ましい。
熱可塑性ポリエステル樹脂組成物の成形方法としては、射出成形、押出成形、圧縮成形など、任意の溶融成形法を採用することができるが、成形品を基板用コネクタなどの電子部品用途に適用するには、射出成形法を採用することが好ましい。
熱可塑性ポリエステル樹脂成形品は、電離放射線を照射して架橋させる。電離放射線としては、電子線(ベータ線)、ガンマ線、アルファ線を例示することができ、成形品の形状や厚みに応じて適宜選定することができる。これらの中でも、線源利用の簡便さや架橋処理の迅速性などの点から、電子線が好ましく、透過厚みの関係から加速電子線がより好ましい。
照射線量は、好ましくは10〜1000kGy、より好ましくは30〜800kGy、特に好ましくは50〜500kGyの範囲である。照射線量が低すぎると、成形品の耐熱性(耐リフロー性)が不十分となり、高すぎると、成形品を構成する熱可塑性ポリエステル樹脂の分解を招くおそれがある。
本発明の耐熱性ポリエステル樹脂成形品は、耐リフロー性に優れている。具体的には、前記熱可塑性ポリエステル樹脂または該熱可塑性ポリエステル樹脂を含有する樹脂組成物を長さ20mm×幅10mm×厚み0.4mmのプレートに射出成形し、電離放射線の照射により架橋した試料を、リフロー炉の260℃に設定したゾーンを60秒間通過させる条件で測定したとき、寸法変化率が長手方向及び幅方向ともに±1.0%以内となる耐熱性を示す。この寸法変化率は、長手方向及び幅方向ともに±0.6%以内、さらには±0.5%以内とすることも可能である。
このことは、本発明の耐熱性ポリエステル樹脂成形品は、厚みが0.4mmと薄い部分を有するものであっても、リフロー炉の260℃に設定したゾーンを60秒間で通過させる条件下で耐リフロー性を評価すると、寸法変化率が長手方向及び幅方向ともに±1.0%以下となることを意味している。したがって、本発明の耐熱性ポリエステル樹脂成形品は、鉛フリーはんだを用いてリフローはんだ付けを行うことができる。
本発明の耐熱性ポリエステル樹脂成形品の架橋度は、貯蔵弾性率を測定することにより評価することができる。具体的には、前記熱可塑性ポリエステル樹脂または該熱可塑性ポリエステル樹脂を含有する樹脂組成物を長さ30mm×幅5mm×厚み2mmのプレートに射出成形し、電離放射線の照射により架橋した試料について、動的粘弾性測定装置を用いて、260℃で測定したとき、1MPa以上の貯蔵弾性率を示す。この貯蔵弾性率は、好ましくは5MPa以上、より好ましくは8MPa以上、特に好ましくは10MPa以上である。260℃での貯蔵弾性率の上限は、通常30MPa、多くの場合20MPaである。
本発明の耐熱性ポリエステル樹脂成形品は、ウェルド強度に優れている。本発明の耐熱性ポリエステル樹脂成形品は、実施例に記載のウェルド強度測定法により測定したとき、すなわち、熱可塑性ポリエステル樹脂または熱可塑性ポリエステル樹脂を含有する樹脂組成物を長さ50mm×幅20mm×厚み1mmでウェルドのある試料に射出成形し、電離放射線の照射により架橋した試料について、ウェルド強度を測定したとき、好ましくは50MPa以上、より好ましくは70MPa以上、特に好ましくは80MPa以上のウェルド強度を示す。ウェルド強度は、多くの場合、95〜110MPaの範囲内にある。
また、本発明の耐熱性ポリエステル樹脂成形品は、ウェルドのない同形状の試料の強度に対するウェルドのある試料のウェルド強度の割合が通常50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上を示す。
以下に、合成例、実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。物性の測定法は、次の通りである。
(1)融点:
熱可塑性ポリエステル樹脂の融点は、TAインスツルメント社製示差走査熱量計(DSC)を用い、昇温速度及び降温速度をいずれも10℃/分として測定した。セカンドランの値を示す。
(2)溶融粘度:
熱可塑性ポリエステル樹脂の溶融粘度は、島津製作所製高化式フローテスターを用いて、荷重30kg、オリフィス径1.0mm、測定温度を樹脂の種類に合わせて250℃、270℃、及び290℃に変えて測定した。
[合成例1]熱可塑性ポリエステル樹脂Aの合成:
撹拌機、精留塔、窒素導入管、及び減圧装置を備えた反応器に、シクロヘキサンジカルボン酸1.0モル及びシクロヘキサンジメタノール1.03モルを仕込み、加熱昇温を開始した。反応器内の温度が約120℃となった時点で攪拌を開始するとともに、反応触媒としてチタン酸イソプロピルを、仕込み酸成分に対して3×10−4モルの割合で添加した。反応器内の混合物を攪拌下に昇温し、150〜260℃の温度で、エステル化反応に起因する理論量の水を留去して、エステル化反応を完結させた。精留塔を切り離し、反応器内の温度を260〜270℃に保持しながら徐々に減圧して行き、最終的に真空度1hPa以下で3時間重縮合反応を実施した。このようにして得られた熱可塑性ポリエステル樹脂Aは、融点が224℃で、250℃で測定した溶融粘度が150Pa・sであった。
[合成例2]熱可塑性ポリエステル樹脂Bの合成:
撹拌機、精留塔、窒素導入管、及び減圧装置を備えた反応器に、シクロヘキサンジカルボン酸1.0モル、シクロヘキサンジメタノール1.03モル、及びフマル酸0.04モルを仕込み、加熱昇温を開始した。反応器内の温度が約120℃となった時点で攪拌を開始するとともに、反応触媒としてチタン酸イソプロピルを、仕込み酸成分に対して3×10−4モルの割合で添加した。反応器内の混合物を攪拌下に昇温し、150〜260℃の温度で、エステル化反応に起因する理論量の水を留去して、エステル化反応を完結させた。精留塔を切り離し、反応器内の混合物に、tert−ブチルカテコールを、仕込み酸成分に対して1000ppmの重量割合で添加した。反応器内の温度を260〜270℃に保持しながら徐々に減圧して行き、最終的に真空度1hPa以下で3時間重縮合反応を実施した。このようにして得られた熱可塑性ポリエステル樹脂Bは、融点が210℃で、250℃で測定した溶融粘度が120Pa・sであった。
[合成例3]熱可塑性ポリエステル樹脂Cの合成:
撹拌機、精留塔、窒素導入管、及び減圧装置を備えた反応器に、テレフタル酸ジメチルエステル1.0モル、1,4−ブタンジオール0.3モル、及びシクロヘキサンジメタノール0.9モルを仕込み、加熱昇温を開始した。反応器内の温度が約120℃となった時点で攪拌を開始するとともに、反応触媒としてチタン酸イソプロピルを、仕込み酸成分に対して3×10−4モルの割合で添加した。反応器内の混合物を攪拌下に昇温し、150〜260℃の温度で、エステル化反応に起因する理論量の水を留去して、エステル化反応を完結させた。精留塔を切り離し、反応器内の温度を260〜270℃に保持しながら徐々に減圧して行き、最終的に真空度1hPa以下で3時間重縮合反応を実施した。このようにして得られた熱可塑性ポリエステル樹脂Cは、融点が275℃で、290℃で測定した溶融粘度が70Pa・sであった。
[合成例4]熱可塑性ポリエステル樹脂Dの合成:
撹拌機、精留塔、窒素導入管、及び減圧装置を備えた反応器に、テレフタル酸1.0モル、1,4−ブタンジオール0.4モル、シクロヘキサンジメタノール0.8モル、及びフマル酸0.04モルを仕込み、加熱昇温を開始した。反応器内の温度が約120℃となった時点で攪拌を開始するとともに、反応触媒としてチタン酸イソプロピルを、仕込み酸成分に対して3×10−4モルの割合で添加した。反応器内の混合物を攪拌下に昇温し、150〜260℃の温度で、エステル化反応に起因する理論量の水を留去して、エステル化反応を完結させた。精留塔を切り離し、反応器内の温度を260〜270℃に保持しながら徐々に減圧して行き、最終的に真空度1hPa以下で3時間重縮合反応を実施した。このようにして得られた熱可塑性ポリエステル樹脂Dは、融点が237℃で、270℃で測定した溶融粘度が100Pa・sであった。
[調製例1]樹脂組成物No.1の調製:
合成例1で合成した熱可塑性ポリエステル樹脂A 100重量部、酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名「イルガノックス1010)0.5重量部、及びトリアリルイソシアヌレート5重量部を、二軸混合機(45mmφ、L/D=32)を用いて、バレル温度260℃、スクリュー回転数100rpmで溶融混合し、吐出ストランドを水冷カットして、ペレットにした。このようにして、樹脂組成物No.1のペレットを作製した。
[調製例2〜4]樹脂組成物No.2〜4の調製:
表1に示す量比の各成分を用いたこと以外は、調製例1と同様にして、樹脂組成物No.2〜4のペレットを作製した。
[調製例5]樹脂組成物No.5の調製:
合成例3で合成した熱可塑性ポリエステル樹脂C 100重量部、酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名「イルガノックス1010)0.5重量部、及びトリアリルイソシアヌレート10重量部を、二軸混合機(45mmφ、L/D=32)を用いて、バレル温度290℃、スクリュー回転数100rpmで溶融混合し、吐出ストランドを水冷カットして、ペレットにした。このようにして、樹脂組成物No.5のペレットを作製した。
[調製例6]樹脂組成物No.6の調製:
トリアリルイソシアヌレート10重量部に代えて、1,3−ジアリル−5−(2−カルボキシメチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン6重量部を用いたこと以外は、調製例5と同様にして、樹脂組成物No.6を調製した。
[調製例7及び8]樹脂組成物No.7及び8の調製:
表1に示す量比の各成分を用いたこと以外は、調製例1と同様にして、樹脂組成物No.7及び8のペレットを作製した。
[調製例9]樹脂組成物No.9の調製:
ポリブチレンテレフタレート(ポリプラスチックス社製、商品名「ジェラネックス2000U」)100重量部、酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名「イルガノックス1010)0.5重量部、及びトリアリルイソシアヌレート10重量部を用いたこと以外は、調製例1と同様にして、樹脂組成物No.9のペレットを作製した。
Figure 2006282917
(脚注)
(*1)ポリプラスチックス社製、商品名「ジェラネックス2000U」、
(*2)チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名「イルガノックス1010」。
[実施例1]
1.評価用試料の作製
樹脂組成物No.1のペレットを用いて、射出成形機(型締力30トン、スクリュー径25mmφ)により射出成形して、長さ20mm×幅10mm×厚み0.4mmのプレートと、長さ30mm×幅5mm×厚み2mmのプレートを作製し、これらの2種類のプレートの各々に加速電圧3MeVの電子線を300kGy照射して、それぞれ評価用試料とした。
2.ウェルド強度測定用試料の作製
樹脂組成物No.1のペレットを用いて、射出成形機(型締力30トン、スクリュー径25mmφ)により射出成形して、図1に示す長さ50mm×幅20mm×厚み1mmの試料(ウェルドのない試料)を作製した。同様に、樹脂組成物No.1のペレットを用いて、射出成形機(型締力30トン、スクリュー径25mmφ)により射出成形して、図2に示す長さ40mm×幅20mm×厚み1mmの試料(ウェルドのある試料)を作製した。符号4及び5は、射出成形時の金型ゲートに該当する部分である。2つのゲートから金型内に射出された樹脂は、金型内で合流してウェルド部3を形成する。各試料に、それぞれ加速電圧3MeVの電子線を300kGy照射して測定用試料とした。
図3及び4に示すように、先端形状1mmφの金属の台32,33を40mm幅で設置し、その上に各測定用試料31を乗せ、引張試験器 (INSTRON UNIVERSAL TESTING INSTRUMENT MODEL 1122)により該試料の中心部に同じく先端形状が1mmφの金属製のブレード34を10mm/分の速度で押し込み、その時の応力をもとに破壊強度(MPa)を測定し、比較した。ウェルドのある測定用試料の破壊強度をウェルド強度とした。また、ウェルドなしの測定用試料の破壊強度に対するウェルド強度の割合(%)を算出した。結果を表2に示す。
3.耐熱性の評価
上記の「1.評価用試料の作製」で作製した長さ20mm×幅10mm×厚み0.4mmの試料を、260℃設定ゾーンを60秒間で通過する条件にて、リフロー炉内を移動させ、長手方向と幅方向の寸法変化率を測定した。結果を表2に示す。長手方向及び幅方向ともに、寸法変化率が±1.0%以内のものを耐熱性が良好と判断した。
4.架橋度の評価
上記の「1.評価用試料の作製」で作製した長さ30mm×幅5mm×厚み2mmの試料について、動的粘弾性測定装置〔アイティー計測(株)製、商品名「DVA220」〕を用いて、260℃での貯蔵弾性率を測定した。熱可塑性樹脂の架橋体においては、融点を超える温度での貯蔵弾性率が高い方が架橋度が高いので、貯蔵弾性率の測定値を架橋度の指標として用いた。結果を表2に示す。
[実施例2〜4]
樹脂組成物No.2〜4のペレットを用いたこと以外は、実施例1と同様にして各測定用試料を作製し、そして、同じ方法により諸特性を評価した。結果を表2に示す。
[比較例1]
樹脂組成物No.1のペレットを用いて、実施例1と同様にして各試料を作製したが、これらに加速電子線を照射することなく測定用試料としたこと以外は、実施例1と同じ方法により諸特性を評価した。結果を表2に示す。
[比較例2]
ポリブチレンテレフタレート(PBT)を含有する樹脂組成物No.9のペレットを用いたこと以外は、実施例1と同様にして各測定用試料を作製し、同じ方法により諸特性を評価した。結果を表2に示す。
[比較例3]
液晶ポリマー(LCP;ポリプラスチックス社製、商品名「ベクトラC130」)を用いて、実施例1と同様にして、ウェルド強度測定用試料を作製した。ただし、加速電子線による照射架橋は行わなかった。結果を表2に示す。
Figure 2006282917
(脚注)
(*3)ポリプラスチックス社製、商品名「ベクトラC130」。
[実施例5〜8]
樹脂組成物No.5〜8のペレットを用いたこと以外は、実施例1と同様にして各測定用試料を作製し、そして、同じ方法により諸特性を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2006282917
<考察>
表2に示す実施例1〜4は、脂環式ジカルボン酸成分であるシクロヘキサンジカルボン酸と脂環式ジオール成分であるシクロヘキサンジメタノールとの重縮合に由来する繰り返し単位を主たる繰り返し単位として含有する熱可塑性ポリエステル樹脂を使用した実験例である。すなわち、実施例1〜4は、熱可塑性ポリエステル樹脂AまたはBを含有する樹脂組成物No.1〜4から成形品を射出成形し、次いで、加速電子線を照射して架橋した耐熱性ポリエステル樹脂成形品について評価した結果を示すものである。
実施例1〜4の測定用試料は、ウェルド強度が98〜104MPaの範囲(すなわち、約100MPa)であり、材料本来の強度(ウェルドなしの測定用試料について測定した強度)の約80%という高い水準を示している。これらの測定用試料の260℃のリフロー試験後の寸法変化率は、いずれも長さ方向及び幅方向ともに±1.0%以内に入っており、本発明の成形品が耐熱性にも優れることがわかる。また、これらの測定用試料の260℃での貯蔵弾性率は、いずれも12MPa以上であり、架橋度が十分に高いことを確認することができ、リフロー試験での寸法変化率の低さを架橋度の観点からも裏付けることができた。
比較例1は、実施例1の成形品において、加速電子線の照射を行わなかった場合の実験例である。比較例1の試料は、260℃のリフロー試験で溶融変形し、耐熱性が不十分であった。
比較例2は、ポリブチレンテレフタレートに多官能性モノマーを添加した樹脂組成物No.9を用いた成形品に加速電子線の照射を行ったものである。この測定用試料は、260℃のリフロー試験後の寸法変化率が長さ方向で−3.3%であり、±1.0%を大きく超えていることに見られるように、特に長さ方向の収縮が大きく、耐熱性が不十分であった。
比較例3は、LCPを用いた成形品であり、ウェルド強度が26MPaと本来の材料強度(ウェルドなしの試料の強度)の17%の水準であり、ウェルド強度が極めて不十分であった。
表3に示す実施例5〜8は、芳香族ジカルボン酸成分であるテレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルエステルと脂環式ジオール成分であるシクロヘキサンジメタノールと脂肪族ジオール成分である1,4−ブタンジオールとの重縮合に由来する繰り返し単位を主たる繰り返し単位として含有する熱可塑性ポリエステル樹脂を使用した実験例である。すなわち、実施例5〜8は、熱可塑性ポリエステル樹脂CまたはDを含有する樹脂組成物No.5〜8から成形品を射出成形し、次いで、加速電子線を照射して架橋した耐熱性ポリエステル樹脂成形品について評価した結果を示すものである。
実施例5〜8の測定用試料は、ウェルド強度が95〜102MPaの範囲(すなわち、100MPa前後)であり、材料本来の強度(ウェルドなしの測定用試料について測定した強度)の約80%という高い水準を示している。これらの測定用試料の260℃のリフロー試験後の寸法変化率は、いずれも長さ方向及び幅方向ともに±1.0%以内に入っており、本発明の成形品が耐熱性にも優れることがわかる。また、これらの測定用試料の260℃での貯蔵弾性率は、いずれも10MPa以上であり、架橋度が十分に高いことを確認することができ、リフロー試験での寸法変化率の低さを架橋度の観点からも裏付けることができた。
本発明の耐熱性ポリエステル樹脂成形品は、形状設計の自由度が高く、耐リフロー性に優れているため、実装基板用コネクタなどの電子部品の分野で好適に利用することができる。
ウェルドなしの測定用試料の形状を示す正面図と側面図である。 ウェルドありの測定用試料の形状を示す正面図と側面図である。 ウェルド強度の測定法を示す説明図(側面図)である。 ウェルド強度の測定法を示す説明図(斜視図)である。
符号の説明
1:ウェルドなしの測定用試料、
2:ウェルドありの測定用試料、
3:ウェルド部、
4:射出成形時の金型ゲートに該当する部分、
5:射出成形時の金型ゲートに該当する部分、
31:測定用試料、
32:金属の台、
33:金属の台、
34:金属製のブレード。

Claims (17)

  1. 脂環式ジカルボン酸成分及び芳香族ジカルボン酸成分からなる群より選ばれる少なくとも一種のジカルボン酸成分と、脂環式ジオール成分及び脂肪族ジオール成分からなる群より選ばれる少なくとも一種のジオール成分との重縮合に由来する繰り返し単位を有する熱可塑性ポリエステル樹脂または該熱可塑性ポリエステル樹脂を含有する樹脂組成物から形成され、該熱可塑性ポリエステル樹脂が電離放射線の照射により架橋されている耐熱性ポリエステル樹脂成形品。
  2. 熱可塑性ポリエステル樹脂が、脂環式ジカルボン酸成分と脂環式ジオール成分との重縮合に由来する繰り返し単位を全繰り返し単位の50モル%以上の割合で含有するものである請求項1記載の耐熱性ポリエステル樹脂成形品。
  3. 熱可塑性ポリエステル樹脂が、芳香族ジカルボン酸成分と脂環式ジオール成分との重縮合に由来する繰り返し単位を全繰り返し単位の50モル%以上の割合で含有するものである請求項1記載の耐熱性ポリエステル樹脂成形品。
  4. 脂環式ジカルボン酸成分が、シクロヘキサンジカルボン酸またはその低級アルキルエステルである請求項1記載の耐熱性ポリエステル樹脂成形品。
  5. 芳香族ジカルボン酸成分が、テレフタル酸またはその低級アルキルエステルである請求項1記載の耐熱性ポリエステル樹脂成形品。
  6. 脂環式ジオール成分が、シクロヘキサンジメタノールである請求項1記載の耐熱性ポリエステル樹脂成形品。
  7. 脂肪族ジオール成分が、エチレングリコールまたは1,4−ブタンジオールである請求項1記載の耐熱性ポリエステル樹脂成形品。
  8. 熱可塑性ポリエステル樹脂または熱可塑性ポリエステル樹脂を含有する樹脂組成物が、i)熱可塑性ポリエステル樹脂に多官能性モノマーを配合した樹脂組成物、ii)熱可塑性ポリエステル樹脂を多官能性有機化合物と反応させて重合性官能基を導入した熱可塑性ポリエステル樹脂、iii)熱可塑性ポリエステル樹脂の重縮合段階で不飽和ジオール成分または不飽和ジカルボン酸成分を共重合して主鎖に炭素−炭素二重結合を導入した熱可塑性ポリエステル樹脂、及びiv)前記の重合性官能基を導入した熱可塑性ポリエステル樹脂もしくは主鎖に炭素−炭素二重結合を導入した熱可塑性ポリエステル樹脂に多官能性モノマーを配合した樹脂組成物からなる群より選ばれる電離放射線の照射により架橋可能な熱可塑性ポリエステル樹脂または樹脂組成物である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の耐熱性ポリエステル樹脂成形品。
  9. 熱可塑性ポリエステル樹脂に多官能性モノマーを配合した樹脂組成物が、熱可塑性ポリエステル樹脂に、分子内に2個以上の炭素−炭素二重結合を有する多官能性モノマーを配合した樹脂組成物である請求項8記載の耐熱性ポリエステル樹脂成形品。
  10. 多官能性モノマーが、トリアリルイソシアヌレートまたは1,3−ジアリル−5−(2−カルボキシメチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンである請求項9記載の耐熱性ポリエステル樹脂成形品。
  11. 熱可塑性ポリエステル樹脂の重縮合段階で不飽和ジオール成分または不飽和ジカルボン酸成分を共重合して主鎖に炭素−炭素二重結合を導入した熱可塑性ポリエステル樹脂が、脂環式ジカルボン酸成分及び芳香族ジカルボン酸成分からなる群より選ばれる少なくとも一種のジカルボン酸成分と、脂環式ジオール成分及び脂肪族ジオール成分からなる群より選ばれる少なくとも一種のジオール成分との重縮合に由来する繰り返し単位に加えて、不飽和ジカルボン酸成分と、脂環式ジオール成分及び脂肪族ジオール成分からなる群より選ばれる少なくとも一種のジオール成分との重縮合に由来する繰り返し単位をも有する熱可塑性ポリエステル樹脂である請求項8記載の耐熱性ポリエステル樹脂成形品。
  12. 不飽和ジカルボン酸成分が、フマル酸である請求項11記載の耐熱性ポリエステル樹脂成形品。
  13. 熱可塑性ポリエステル樹脂または熱可塑性ポリエステル樹脂を含有する樹脂組成物を長さ20mm×幅10mm×厚み0.4mmのプレートに射出成形し、電離放射線の照射により架橋した試料を、リフロー炉の260℃に設定したゾーンを60秒間通過させる条件で測定したとき、長手方向及び幅方向ともに±1.0%以内の寸法変化率を示す請求項1乃至12のいずれか1項に記載の耐熱性ポリエステル樹脂成形品。
  14. 熱可塑性ポリエステル樹脂または熱可塑性ポリエステル樹脂を含有する樹脂組成物を長さ30mm×幅5mm×厚み2mmのプレートに射出成形し、電離放射線の照射により架橋した試料について、動的粘弾性測定装置を用いて、260℃で測定したとき、1MPa以上の貯蔵弾性率を示す請求項1乃至13のいずれか1項に記載の耐熱性ポリエステル樹脂成形品。
  15. 熱可塑性ポリエステル樹脂または熱可塑性ポリエステル樹脂を含有する樹脂組成物を長さ50mm×幅20mm×厚み1mmでウェルドのある試料に射出成形し、電離放射線の照射により架橋した試料について、ウェルド強度を測定したとき、50Pa以上のウェルド強度を示す請求項1乃至14のいずれか1項に記載の耐熱性ポリエステル樹脂成形品。
  16. ウェルドのない同形状の試料の強度に対するウェルドのある試料のウェルド強度の割合が50%以上を示す請求項15記載の耐熱性ポリエステル樹脂成形品。
  17. 脂環式ジカルボン酸成分及び芳香族ジカルボン酸成分からなる群より選ばれる少なくとも一種のジカルボン酸成分と、脂環式ジオール成分及び脂肪族ジオール成分からなる群より選ばれる少なくとも一種のジオール成分との重縮合に由来する繰り返し単位を有する熱可塑性ポリエステル樹脂または該熱可塑性ポリエステル樹脂を含有する樹脂組成物を所望の形状に溶融成形し、得られた成形品に電離放射線を照射して架橋する耐熱性ポリエステル樹脂成形品の製造方法。
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