JP2004083918A - モールディング用ポリエステル樹脂、樹脂組成物及びそれを用いた成型品 - Google Patents

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Mitsuo Nishida
西田 光生
Osamu Iritani
入谷 治
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Abstract

【課題】 複雑な形状を有する電気電子部品用のポリエステル樹脂あるいは樹脂組成物のモールディング成型品として、防水性・電気絶縁性・作業環境性・生産性・耐久性等の種々の性能を充分満足する素材を提供すること。
【解決手段】 200℃での溶融粘度が5〜1000dPa・s以下であり、かつ、フィルム状成型品の引張破断強度をa(N/mm2)、引張破断伸度をb(%)とした時の積a×bが500以上であるポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂組成物とそれを用いた成型品に関する。
【選択図】なし

Description

 本発明は、ポリエステル樹脂、樹脂組成物を用いたモールディング成型品に関する。本発明に用いるポリエステル樹脂、樹脂組成物は電気電子部品を固定し、防水する低圧モールディング用途に好適である。
 自動車・電化製品に広汎に使用されている電気電子部品は、その使用目的を達成する為に、外部との電気絶縁性が必須とされる。例えば、電線は電気絶縁性を有する樹脂で被覆されている。昨今、携帯電話等、小さい容量の中に複雑な電気電子部品を詰め込める必要がある用途が激増している中で、その電気絶縁は種々の方法が採用されている。特に電気絶縁体となる樹脂等を、回路基板等複雑な形状を有する部品にモールドする時は、その形状に追随できる方法が求められる。その為には、被覆時の樹脂の粘度を下げる方法が一般的である。予め樹脂を溶剤に溶解して溶液状として、電気電子部品に含浸させ、その後溶媒を蒸発させる方法は、粘度を下げる方法の一つであるが、溶媒の蒸発時に、気泡が残存したり、溶媒として有機溶剤を使用すれば作業環境が劣悪になる等、問題点が多い。
 そこで、これまでは、モールド後の耐久性も加味して、多くの文献に提案されているように、2液のエポキシ樹脂が一般的に使用されてきた(例えば特許文献1、2参照)。これは主剤と硬化剤をモールド直前に、ある一定の割合に混合して、低い粘度でモールドし、加温して数日間保管することで硬化反応を促進させ、完全に固化させるものである。しかしこの方法においては、エポキシ樹脂に環境への悪影響を指摘されつつある、2液の混合比率を精密に調整する必要がある、混合前の使用可能期間が1〜2ヶ月と短く限定される等の問題点が知られている。また、硬化に数日間の養生期間を必要とするので、生産性が低い問題もある。さらに、硬化後の樹脂収縮による応力が、例えば電気電子部品と導線を接合するハンダ部分等の物理的強度の弱いところに集中して、その部分が剥離するという問題もあった。
 そのような問題点を含みながら使用されてきた2液エポキシ樹脂にかわるモールディング用樹脂として、ホットメルトタイプのものが挙げられる。モールド時の粘度を下げる為に樹脂を加温溶融させるだけのホットメルト接着剤は、溶剤含有系やエポキシ樹脂系における作業環境上の問題点が解決される。また、モールド後冷却するだけで固化して、性能を発現するので、生産性も高くなる。加えて、一般に熱可塑の樹脂を使用するので、製品としての寿命を終えた後も、加熱して樹脂を溶融除去することで、部材のリサイクルが容易に可能となる。しかし、モールディング用樹脂としての高い潜在能力を有しながら、これまで2液エポキシ樹脂を充分に代替する材料となり得ていなかったのは、それに適した素材が提案されていなかったことによる。
 例えば、ホットメルトとして比較的安価なエチレンビニルアセテート(EVA)は、耐熱性が不充分で、電気電子部品が使用される環境における耐久性を有しないだけでなく、接着性を発現する為に様々な添加剤が含まれる為に、電気電子部品への汚染による電気的性能の低下が起こる虞があり、不適である。また樹脂単体で種々の素材への高い接着性を発現するポリアミドは、低い溶融粘度と高い樹脂強度により低圧モールディング樹脂材料として優れてはいるが(例えば特許文献3参照)、基本的に吸湿性が高く、外部から徐々に吸湿することで、最も重要な特性である電気絶縁性が経時的に低下することが多い。
 一方、電気絶縁性・耐水性が共に高いポリエステルはこの用途に非常に有用な材料と考えられるが、一般に溶融粘度が高く、複雑な部品へのモールドには数千N/cm2以上の高圧での射出成形が必要となり、モールド時に電気電子部品を破壊してしまう虞がある。
 以上のように従来の技術では、複雑な形状を有する電気電子部品用のモールディング用樹脂として、種々の性能を充分満足する素材は提案されていなかった。
特開平1−75517号公報([特許請求の範囲]他) 特開2000−239349号公報([特許請求の範囲]他) 欧州特許第1052595号明細書(第6〜8頁、[特許請求の範囲]他)
 本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は複雑な形状を有する電気電子部品用のポリエステル樹脂あるいは樹脂組成物のモールディング成型品として、防水性・電気絶縁性・作業環境性・生産性・耐久性等の種々の性能を充分満足する素材を提供することにある。
 上記目的を達成する為、本発明者等は鋭意検討し、以下の発明を提案するに至った。即ち本発明は、以下に示すモールディング用ポリエステル樹脂、樹脂組成物及びそれを用いた成型品である。
(1) 200℃での溶融粘度が5〜1000dPa・s以下であり、かつ、フィルム状成型品の引張破断強度をa(N/mm2)、引張破断伸度をb(%)とした時の積a×bが500以上であることを特徴とするモールディング用飽和ポリエステル樹脂。
(2)ガラス転移温度が−10℃以下であり、かつ融点が70℃〜200℃であることを特徴とするモールディング用飽和ポリエステル樹脂。
(3)ポリエステルのエステル基濃度が1000〜8000当量/106gであることを特徴とするモールディング用飽和ポリエステル樹脂。
(4)ポリエステルのジオール成分の合計量を100モル%としたとき、ポリエステルのジオール成分のうち2モル%以上がポリアルキレングリコールであることを特徴とするモールディング用飽和ポリエステル樹脂。
(5)ポリアルキレングリコールが、数平均分子量400〜10000のポリテトラメチレングリコールであることを特徴とする(4)記載のモールディング用飽和ポリエステル樹脂。
(6)ポリエステルのジオール成分の合計量を100モル%としたとき、ポリエステルのジオール成分のうち2モル%以上が炭素数10以上の脂肪族及び/または脂環族グリコールであることを特徴とするモールディング用飽和ポリエステル樹脂。
(7)ポリエステルのジカルボン酸成分の合計量を100モル%としたとき、ポリエステルのジカルボン酸成分のうち2モル%以上が炭素数10以上の脂肪族及び/または脂環族ジカルボン酸であることを特徴とするモールディング用飽和ポリエステル樹脂。
(8)ポリエステルのジカルボン酸成分、ジオール成分のそれぞれの合計量を100モル%としたとき、ジカルボン酸成分のうち60モル%以上がテレフタル酸及び/またはナフタレンジカルボン酸であり、かつジオール成分のうち40モル%以上が1,4−ブタンジオール及び/またはエチレングリコールであることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のモールディング用飽和ポリエステル樹脂。
(9)(1)〜(8)のいずれかに記載の飽和ポリエステル樹脂を、全体の50重量%以上含むことを特徴とするモールディング用ポリエステル樹脂組成物。
(10)(1)〜(8)までのいずれかに記載の飽和ポリエステル樹脂と酸化防止剤を含有することを特徴とするモールディング用ポリエステル樹脂組成物。
(11)100時間、121℃、0.2MPaにおける熱処理試験終了後の溶融粘度の保持率が、熱処理試験実施前の溶融粘度に対して70%以上であることを特徴とするモールディング用ポリエステル樹脂組成物。
(12)200℃での溶融粘度が5〜1000dPa・sであり、かつ、フィルム状成型品の引張破断強度をa(N/mm2)、引張破断伸度をb(%)とした時の積a×bが500以上であることを特徴とするモールディング用ポリエステル樹脂組成物。
(13)(1)〜(8)のいずれかに記載のモールディング用飽和ポリエステル樹脂を用いた成型品。
(14)(9)〜(12)のいずれかに記載のモールディング用ポリエステル樹脂組成物を用いた成型品。
 本発明の方法により製造したポリエステル樹脂、樹脂組成物の成型品は、複雑な形状を有する電気電子部品のモールディング用として、種々の性能を充分満足する素材を提供することができ、例えば自動車、通信、コンピュータ、家電用途各種のコネクター、ハーネスやあるいは電子部品、プリント基板を有するスイッチ、センサーのモールド成型品として有用である。
 本発明で言うモールディングとは、10〜800N/cm2の低圧で射出される成型である。すなわち、従来一般的にプラスチックの成型に用いられている平均4000N/cm2程度での高圧での射出成型に比べて、非常に低圧で行われる成型方法である。原理としては通常の射出成型と同様、溶融した樹脂を、電気電子部品をセットした金型の中に射出して、部品を包み込むものであり、デリケートな部品を破壊することなくオーバーモールドすることができるものである。
 本発明におけるモールディング用ポリエステル樹脂は200℃での溶融粘度が5〜1000dPa・sであることが望ましい。ここで200℃での溶融粘度は以下のようにして測定した値である。水分率0.1%以下に乾燥したサンプルを用いて、島津製作所株式会社製フローテスター(型番CFT−500C)にて、200℃に加温安定したポリエステル樹脂を、1.0mmの孔径を有する厚み10mmのダイを98N/cm2の圧力で通過させたときの粘度を測定した。1000dPa・s以上の高溶融粘度になると、高い樹脂凝集力や耐久性が得られるが、複雑な形状へのモールドには、高圧の射出成形が必要となるため、部品の破壊を生じることがある。1000dPa・s以下、好ましくは500dPa・s以下の溶融粘度を有するモールディング用ポリエステルを使用することで、数百N/cm2の比較的低い射出圧力で、電気絶縁性に優れたモールド部品が得られると共に、電気電子部品の特性も損ねない。また、200℃での溶融粘度は低いほうが好ましいが、樹脂の接着性や凝集力を考慮すると下限としては5dPa・s以上が望ましく、さらに好ましくは10dPa・s以上、より好ましくは50dPa・s以上、最も好ましくは100dPa・s以上であることが好ましい。
 また、ポリエステルの熱劣化をできるだけ生じさせずにモールドする為には、210〜220℃での速やかな溶融が求められるので、融点の上限は200℃が望ましい。好ましくは190℃、より好ましくは180℃である。下限は、該当する用途で求められる耐熱温度より5〜10℃高くすると良い。常温での取り扱い性と通常の耐熱性を考慮すると70℃以上、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは120℃以上、特に好ましくは140℃以上、最も好ましくは150℃以上である。
 本発明におけるポリエステルにおいて、引張破断強度及び伸度は、熱プレスにてフィルム状に成型したものを23℃、50%RH雰囲気下にて測定する。具体的には2枚のポリフッ化エチレンのシートの間に水分率0.1%以下に乾燥したポリエステル樹脂を挟み、200℃で10秒間ヒートプレスした後、常温まで急冷してポリエステルフィルムを得る。この際、厚み0.2mmに調節するために、必要に応じてスペーサーを用いることが望ましい。本発明で言う引張破断強度及び伸度はこのようなフィルムから長さ50mm、巾15mmのサンプルを切り出し、チャック間距離30mm、23℃、50%RH雰囲気下にて引張り速度50mm/minで測定したものである。この時の引張破断強度をa(N/mm2)、引張破断伸度をb(%)とした時の積a×bが500以上であることが望ましい。より好ましくは、積a×bが1000以上、さらに好ましくは2000以上、最も好ましくは2500以上である。積a×bが1000未満であると、様々な使用条件下で受ける様々な衝撃に対し、充分な耐久性を有することができない場合がある。一方上限は特に限定されないが、内部の電子部品への樹脂歪みを考慮すると20000以下、より好ましくは15000以下、最も好ましくは12000以下である。
 また、引張破断強度が低い場合、電気電子部品を充分な強度で保持できずに、脱落等を生じる可能性があるので、好ましくは、引張破断強度aは2(N/mm2)以上である。また引張破断伸度が低いと、樹脂の脆さが電気電子部品の機械的な負荷に耐えきれず、樹脂クラック等を生じる可能性があるので、好ましくは引張破断伸度bは200(%)以上である。
 以上のような、エンジニアリングプラスチックスで一般的なPETやPBT等のポリエステルにはない低溶融粘度で、かつ2液エポキシ樹脂に匹敵するような耐熱性・耐久性を、ポリエステルにて発現する為に、脂肪族系および/または脂環族系と芳香族系の組成を調整する必要がある。例えば、150℃以上の高い耐熱性を保持する為には、テレフタル酸とエチレングリコール、テレフタル酸と1,4−ブタンジオール、ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコール、ナフタレンジカルボン酸と1,4−ブタンジオールをベースとした共重合ポリエステルが適している。特に、モールド後の速い結晶固化による金型離形性は、生産性の観点から望ましい特性なので、結晶化の速いテレフタル酸と1,4−ブタンジオール、ナフタレンジカルボン酸と1,4−ブタンジオールをベースとすることが好ましい。
 テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸は、いずれか一方あるいはその両方の和が、ジカルボン酸成分中60モル%以上であることが好ましく、更には70モル%以上、特には80モル%以上であることが好ましい。また、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールはいずれか一方あるいはその両方の和が、ジオール成分中酸成分中40モル%以上であることが好ましく、更には45モル%以上、特には50モル%以上が好ましく、最も好ましくは55モル%以上である。
 また、全ジカルボン酸成分と全ジオール成分の総和を200モル%とすると、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールの合計量が120モル%以上であることが好ましく、より好ましくは130モル%以上、さらに好ましくは140モル%以上、最も好ましくは150モル%以上である。120モル%未満であると、結晶化速度が遅くなり、金型からの離型性の低下する傾向がある。ナフタレンジカルボン酸と1,4−ブタンジオールの合計量は120モル%以上であることが好ましく、より好ましくは130モル%以上、さらに好ましくは140モル%以上、特に好ましくは150モル%以上である。120モル%未満であると、結晶化速度が遅くなり、金型からの離型性の低下する傾向がある。上限はどちらの場合も180モル%、好ましくは170モル%である。180モル%を越えると結晶化速度が速すぎるため、収縮時のひずみが発生しやすく電気電子部品への密着性が低下することがある。
 これらの高い耐熱性を与えるベース組成に、接着性等を付与する為の共重合成分としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸等の脂肪族または脂環族ジカルボン酸や、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステル、1,9−ノナンジオール、2−メチルオクタンジオール、1,10−ドデカンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ポリオキシメチレングリコール等の脂肪族または脂環族グリコールが挙げられる。
 また、ダイマー酸、水添ダイマー酸等の炭素数10以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸およびそれらの誘導体、またはダイマージオール、水添ダイマージオール等の炭素数10以上の脂肪族および/または脂環族ジオールを共重合すると、高融点を維持したままガラス転移温度を低下させることができるため、ポリエステル樹脂の耐熱性と電気電子部品への密着性を両立させるという観点から、これらが共重合の際のジカルボン酸成分またはジオール成分として含有されていることが好ましい。なお、脂肪族および/または脂環族ジカルボン酸の誘導体とは、カルボン酸の誘導体であって共重合成分となりうるもの、例えばエステル、酸塩化物等をいう。
 ここでダイマー酸とは、不飽和脂肪酸が重合またはDiels−Alder反応等によって二量化して生じる脂肪族または脂環族ジカルボン酸(大部分の2量体の他、3量体、モノマー等を数モル%含有するものが多い)をいい、水添ダイマー酸とは前記ダイマー酸の不飽和結合部に水素を付加させたものをいう。また、ダイマージオール、水添ダイマージオールとは、該ダイマー酸または該水添ダイマー酸の二つのカルボキシル基を水酸基に還元したものをいう。ダイマー酸またはダイマージオールとしてはコグニス社のエンポール若しくはソバモールまたはユニケマ社のプリポール等が挙げられる。
 また、低い溶融粘度を保持しながらであれば、少量の芳香族系共重合成分も使用できる。例えば、イソフタル酸、オルソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物等の芳香族系グリコールが挙げられる。特に、金型離形性の観点から、モールド後の素早い結晶固化を示す、ダイマー酸や、ダイマージオール、ポリテトラメチレングリコールの様な分子量の比較的高い脂肪族系成分をブロックで導入することが好ましい。
 また、これらのブロック的なポリマーの導入は、ガラス転移温度を低くすることにより冷熱サイクル耐久性が、エステル基濃度低下により耐加水分解性が、それぞれ向上するので、モールド後の耐久性が重要な場合はより好ましい方策である。ここで言う冷熱サイクル耐久性とは、高温と低温の間を何度も昇降温させて、線膨張係数の異なる電子部品等との界面部分の樹脂剥離や、樹脂亀裂が起こらないという性能である。冷却時に樹脂の弾性率が上がると、剥離や亀裂が起こりやすくなる。冷熱サイクルに耐える素材を提供する為に、ガラス転移温度は−10℃以下が好ましい。より好ましくは−20℃以下、さらに好ましくは−40℃以下、最も好ましくは−50℃以下である。下限は特に限定されないが、接着性や耐ブロッキング性を考慮すると−100℃以上が現実的である。
 また、長期耐久性を付与する上で、高温の水蒸気に耐える耐加水分解性を付与する為に、エステル基濃度の上限は8000当量/106gであることが望ましい。好ましい上限は7500当量/106g、より好ましくは7000当量/106gである。また、ポリエステルとしての耐薬品性(ガソリン、エンジンオイル、アルコール、汎用溶剤等)を確保する為に、下限は1000当量/106gであることが望ましい。好ましい下限は1500当量/106g、より好ましくは2000当量/106gである。ここでエステル基濃度の単位は、樹脂1tあたりの当量数で表し、ポリエステル樹脂の組成及びその共重合比から算出される値である。
 ブロック的なポリマー導入をする上で、ダイマー酸、水添ダイマー酸、ダイマージオール、水添ダイマージオール、ポリテトラメチレングリコールは2モル%以上であることが好ましく、さら好ましくは5モル%、より好ましくは10モル%、最も好ましくは20モル%以上である。上限は耐熱性やブロッキング等の取り扱い性を考慮すると70モル%以下、好ましくは60モル%以下、より好ましくは50モル%以下である。また、ポリテトラメチレングリコールの数平均分子量は400以上であることが好ましく、より好ましくは500以上、さらに好ましくは600以上、特に好ましくは700以上であり、上限は好ましくは10000、より好ましくは6000、さらに好ましくは4000、特に好ましくは3000である。ポリテトラメチレングリコールの数平均分子量が400未満であると、冷熱サイクル耐久性や耐加水分解性の低下することがある。一方10000を越えると、ポリエステル部分との相溶性が低下し、ブロック状に共重合することが難しくなる場合がある。
 ポリエステルの数平均分子量は3000以上であることが好ましく、より好ましくは5000以上、さらに好ましくは7000以上である。また、数平均分子量の上限は好ましくは50000以下、より好ましくは40000以下、さらに好ましくは30000以下である。数平均分子量が3000未満であると、積a×bの値が、規定値を満たし難く、50000を超えると、200℃での溶融粘度が高くなることがある。
 本発明におけるモールディング用ポリエステル樹脂は、不飽和基を含有していない飽和ポリエステル樹脂であることが望ましい。不飽和ポリエステルであれば、溶融時に架橋が起こる等の可能性があり、モールディング時の溶融安定性に劣る場合がある。
 また必要に応じて無水トリメリット酸、トリメチロールプロパン等のポリカルボン酸やポリオールを共重合しても差し支えない。
 本発明におけるポリエステル樹脂の組成及び組成比を決定する方法としては例えばポリエステル樹脂を重クロロホルム等の溶媒に溶解して測定する1H−NMRや13C−NMR、ポリエステル樹脂のメタノリシス後に測定するガスクロマトグラフィーによる定量等が挙げられる。これらのうち、1H−NMRが簡便であり好ましい。
 本発明におけるポリエステル樹脂の製造方法としては、公知の方法をとることができるが、例えば、上記のジカルボン酸及びジオール成分を150〜250℃でエステル化反応後、減圧しながら230〜300℃で重縮合することにより、目的のポリエステルを得ることができる。あるいは、上記のジカルボン酸のジメチルエステル等の誘導体とジオール成分を用いて150℃〜250℃でエステル交換反応後、減圧しながら230℃〜300℃で重縮合することにより、目的のポリエステルを得ることができる。
 本発明におけるモールディング用ポリエステル樹脂には、密着性、柔軟性、耐久性等を改良する目的でその他の組成のポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、エポキシ、ポリカーボネート、アクリル、エチレンビニルアセテート、フェノール等の他の樹脂、イソシアネート化合物、メラミン等の硬化剤、タルクや雲母等の充填材、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料、三酸化アンチモン、臭素化ポリスチレン等の難燃剤を配合して、樹脂組成物としてモールディング用途に用いても全く差し支えない。その際のポリエステルは組成物全体に対して50重量%以上含有することが好ましく、より好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量%、特に好ましくは90重量%以上である。ポリエステルの含有量が50重量%未満であるとポリエステル樹脂自身が有する、優れた電気電子部品の固定密着性、種々の耐久性、耐水性を低下する虞がある。
 さらには本発明におけるポリエステル樹脂や樹脂組成物がモールディング用として高温長期間曝される場合は、酸化防止剤を添加することが好ましい。例えば、ヒンダードフェノール系として、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,1,3−トリ(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(3−t−ブチル−6−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンプロパノイック酸、ペンタエリトリチル テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−5−メチル−ベンゼンプロパノイック酸、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ]エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、リン系として、3,9−ビス(p−ノニルフェノキシ) −2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジフォスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(オクタデシロキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジフォスファスピロ[5.5]ウンデカン、トリ(モノノニルフェニル)フォスファイト、トリフェノキシフォスフィン、イソデシルフォスファイト、イソデシルフェニルフォスファイト、ジフェニル2−エチルヘキシルフォスファイト、ジノニルフェニルビス(ノニルフェニル)エステルフォスフォラス酸、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルフォスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ペンタエリスリトールビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニルフォスファイト)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)2−エチルヘキシルフォスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジフォスファイト、チオエーテル系として4,4’−チオビス[2−t−ブチル−5−メチルフェノール]ビス[3−(ドデシルチオ)プロピオネート]、チオビス[2−(1,1−ジメチルエチル)−5−メチル−4,1−フェニレン]ビス[3−(テトラデシルチオ)−プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス(3−n−ドデシルチオプロピオネート)、ビス(トリデシル) チオジプロピオネートが挙げられ、これらを単独に、または複合して使用できる。添加量は0.1%以上5%以下が好ましい。0.1%未満だと熱劣化防止効果に乏しくなることがある。5%を超えると、密着性等に悪影響を与える場合がある。
 本発明におけるポリエステル樹脂組成物は、100時間、121℃、0.2MPaにおける熱処理試験終了後の溶融粘度の保持率が、熱処理試験実施前の溶融粘度に対して70%以上であるものが望ましい。ここで言う熱処理試験とは、モールディング用の樹脂やその組成物を、1cm×1cm×1cmの大きさに切り出し、121℃×0.2MPa×100時間の条件で処理したものとする。このときの溶融粘度保持率は好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上である。上限は限定無く、100%に近いものほど良い。溶融粘度の保持率が70%未満であると高温での使用における耐久性の低下することがある。
 本発明においてモールディング用ポリエステル樹脂あるいは樹脂組成物は、電気電子部品をセットした金型に注入することで成型される。より具体的には、加熱タンク中にて130〜220℃前後で加熱溶融し、射出ノズルを通じて金型へ注入され、その後一定の冷却時間を経た後、成型物を金型から取り外して成型物を得ることが出来る。
 モールディングの設備としては特に限定されないが、例えば米国キャビスト社製Mold−man 8000、独国Nordson社製WS102/MX3006、米国ITW Dynatec社製ダイナメルトシリーズ等が挙げられる。
 本発明をさらに詳細に説明するために以下に実施例を挙げるが、本発明は実施例によってなんら限定されるものではない。尚、実施例に記載された各測定値は次の方法によって測定したものである。
 融点、ガラス転移温度:セイコー電子工業株式会社製の示差走査熱量分析計「DSC220型」にて、測定試料5mgをアルミパンに入れ、蓋を押さえて密封し、一度250℃で5分ホールドして試料を完全に溶融させた後、液体窒素で急冷して、その後−150℃から250℃まで、20℃/minの昇温速度で測定した。得られた曲線の変曲点をガラス転移温度、吸熱ピークを融点とした。
 溶融粘度:島津製作所製、フローテスター(CFT−500C型)にて、200℃に設定した加熱体中央のシリンダー中に水分率0.1%以下に乾燥した樹脂試料を充填し、充填1分経過後、プランジャーを介して試料に荷重(98N)をかけ、シリンダー底部のダイ(孔径:1.0mm、厚み:10mm)より、溶融した試料を押出し、プランジャーの降下距離と降下時間を記録し、溶融粘度を算出した。
 引張破断強度、引張破断伸度:あらかじめポリエステルシート(幅15mm、厚さ0.2mm、長さ50mm)を作成し、23℃、50%RHでの引張破断強度、引張破断伸度を、チャック間距離30mm、引張速度50mm/minの条件で引張試験機を用いて測定した。
 数平均分子量:クロロホルムを溶離液としたウォーターズ社製ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)150cを用いて、カラム温度35℃、流量1cm3/分にてGPC測定を行なった結果から計算して、ポリスチレン換算の測定値を得た。
 熱処理試験前後の溶融粘度保持率:サンプルを1cm×1cm×1cmに切り出し、そのサンプルをタバイエスペック社製プレッシャークッカー試験機、TTC−411型において、処理した。熱処理試験前後の溶融粘度を比較して保持率を求めた。尚、溶融粘度の測定は上述の方法に従った。
ポリエステル樹脂の製造例
 撹拌機、温度計、溜出用冷却器を装備した反応缶内にテレフタル酸166重量部、1,4−ブタンジオール180重量部、テトラブチルチタネート0.25重量部を加え、170〜220℃で2時間エステル化反応を行った。エステル化反応終了後、数平均分子量1000のポリテトラメチレングリコール「PTMG1000」(三菱化学社製)を300重量部とヒンダードフェノール系酸化防止剤「イルガノックス1330」(チバガイギー社製)を0.5重量部投入し、255℃まで昇温する一方、系内をゆっくり減圧にしてゆき、60分かけて255℃で665Paとした。そしてさらに133Pa以下で30分間重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂(A)を得た。このポリエステル樹脂(A)の融点は165℃で、溶融粘度は250dPa・sであった。
 ポリエステル樹脂(B)〜(K)は、ポリエステル樹脂(A)と同様な方法により合成した。それぞれの組成及び物性値を表1に示す。
 ポリエステル樹脂(A)〜(H)は本特許の請求の範囲を満たすが、ポリエステル樹脂(I)は200℃における溶融粘度において、ポリエステル樹脂(J)は引張破断強度と引張破断伸度の積において、ポリエステル樹脂(K)は200℃における溶融粘度および引張破断強度と引張破断伸度の積において本特許の請求の範囲を満たさない。なお、ポリエステル樹脂(K)は、後述するポリエステル樹脂組成物を製造するための原料として用いた。
Figure 2004083918
 表中の略号は以下の通りである。
 TPA:テレフタル酸、NDCA:ナフタレンジカルボン酸、IPA:イソフタル酸、AA:アジピン酸、DIA:水添ダイマー酸、DDA:ドデカンジカルボン酸、BD:1,4−ブタンジオール、EG:エチレングリコール、DID:水添ダイマージオール、PTG1000:ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量1000)、PTG2000:ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量2000)、NPG:ネオペンチルグリコール
 ポリエステル樹脂組成物の製造例
 ポリエステル樹脂組成物(M)は、ポリエステル樹脂(A)76重量部、難燃剤として三酸化アンチモン6重量部およびポリジブロモスチレン18重量部を均一に混合した後、二軸押し出し機を用いてダイ温度170℃において溶融混練することによって得た。
 ポリエステル樹脂組成物(N)〜(S)までは、ポリエステル樹脂組成物(M)と同様な方法によって調整した。それぞれの組成物及び物性値を表2に示す。
 ここでポリエステル樹脂組成物(M)〜(Q)までは本特許請求の範囲を満たすが、ポリエステル樹脂組成物(R)はポリエステル樹脂の種類および引張破断強度と引張破断伸度の積において本特許請求の範囲を満たさず、ポリエステル樹脂組成物(S)はポリエステル樹脂の配合比および引張破断強度と引張破断伸度の積において本特許請求の範囲を満たさない。
Figure 2004083918
 モールディング用樹脂としてポリエステル(A)〜(J)の10種類とダイマー酸系ポリアミドを200℃にて溶融し、低圧(〜300N/cm2)射出成形用ノードソン社製アプリケーター「WS102/MX3006」にて射出成形を行った。被モールディング材料は塩ビのリード線2本をハンダ付けした20mm×15mmの回路基板で、内寸25mm×20mm×5mmのモールド用アルミ製金型を使用してモールドした後、金型から成形品を形状欠損なく離型できるまでの時間(金型離型時間)、回路基板への成形状態を観察した。また、その基板を80℃×95%RHにて100H放置し、回路抵抗の保持率を測定した。保持率が大きいほど電気電子部品の絶縁材料として好適であることを示す。また、各樹脂サンプルをプレッシャークッカーテスト(121℃、0.2MPa、100Hr)にかけて、溶融粘度の保持率を求めた。保持率が小さいほど、ポリエステル樹脂の加水分解性が悪く、長期の耐久性が低下する傾向にある。また、冷熱サイクルテスト(−40℃〜80℃を20回)後の成形品の外観を観察した。その結果を表3にまとめた。
Figure 2004083918
 また、ポリエステル樹脂組成物(M)〜(S)についても、上記と同様にして成型品を作成し、金型離型時間、成型作業性、成型品の外観、回路抵抗の保持率、溶融粘度の保持率、冷熱サイクル後の外観を観察した。その結果を表4にまとめた。
Figure 2004083918
 表1および表3に示すように、特許請求の範囲を満たすポリエステル樹脂(A)〜(H)までを用いたものにおいては成型品の特性はいずれも良好であったが、特許請求の範囲を満たさないポリエステル樹脂(I)および(J)、ポリアミド樹脂を用いたものにおいては成型品の特性が大きく低下した。
 また、表2および表4に示すように、特許請求の範囲を満たすポリエステル樹脂組成物(M)〜(Q)までを用いたものにおいては成型品の特性はいずれも良好であったが、特許請求の範囲を満たさないポリエステル樹脂組成物(R)および(S)を用いたものにおいては成型品の特性が大きく低下した。
 本発明の方法により製造したポリエステル樹脂、樹脂組成物の成型品は、複雑な形状を有する電気電子部品のモールディング用として、種々の性能を充分満足する素材を提供することができ、例えば自動車、通信、コンピュータ、家電用途各種のコネクター、ハーネスやあるいは電子部品、プリント基板を有するスイッチ、センサーのモールド成型品として有用である。

Claims (14)

  1.  200℃での溶融粘度が5〜1000dPa・s以下であり、かつ、フィルム状成型品の引張破断強度をa(N/mm2)、引張破断伸度をb(%)とした時の積a×bが500以上であることを特徴とするモールディング用飽和ポリエステル樹脂。
  2.  ガラス転移温度が−10℃以下であり、かつ融点が70℃〜200℃であることを特徴とするモールディング用飽和ポリエステル樹脂。
  3.  ポリエステルのエステル基濃度が1000〜8000当量/106gであることを特徴とするモールディング用飽和ポリエステル樹脂。
  4.  ポリエステルのジオール成分の合計量を100モル%としたとき、ポリエステルのジオール成分のうち2モル%以上がポリアルキレングリコールであることを特徴とするモールディング用飽和ポリエステル樹脂。
  5.  ポリアルキレングリコールが、数平均分子量400〜10000のポリテトラメチレングリコールであることを特徴とする請求項4記載のモールディング用飽和ポリエステル樹脂。
  6.  ポリエステルのジオール成分の合計量を100モル%としたとき、ポリエステルのジオール成分のうち2モル%以上が炭素数10以上の脂肪族及び/または脂環族グリコールであることを特徴とするモールディング用飽和ポリエステル樹脂。
  7.  ポリエステルのジカルボン酸成分の合計量を100モル%としたとき、ポリエステルのジカルボン酸成分のうち2モル%以上が炭素数10以上の脂肪族及び/または脂環族ジカルボン酸であることを特徴とするモールディング用飽和ポリエステル樹脂。
  8.  ポリエステルのジカルボン酸成分、ジオール成分のそれぞれの合計量を100モル%としたとき、ジカルボン酸成分のうち60モル%以上がテレフタル酸及び/またはナフタレンジカルボン酸であり、かつジオール成分のうち40モル%以上が1,4−ブタンジオール及び/またはエチレングリコールであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のモールディング用飽和ポリエステル樹脂。
  9.  請求項1〜8のいずれかに記載の飽和ポリエステル樹脂を、全体の50重量%以上含むことを特徴とするモールディング用ポリエステル樹脂組成物。
  10.  請求項1〜8までのいずれかに記載の飽和ポリエステル樹脂と酸化防止剤を含有することを特徴とするモールディング用ポリエステル樹脂組成物。
  11.  100時間、121℃、0.2MPaにおける熱処理試験終了後の溶融粘度の保持率が、熱処理試験実施前の溶融粘度に対して70%以上であることを特徴とするモールディング用ポリエステル樹脂組成物。
  12.  200℃での溶融粘度が5〜1000dPa・sであり、かつ、フィルム状成型品の引張破断強度をa(N/mm2)、引張破断伸度をb(%)とした時の積a×bが500以上であることを特徴とするモールディング用ポリエステル樹脂組成物。
  13.  請求項1〜8のいずれかに記載のモールディング用飽和ポリエステル樹脂を用いた成型品。
  14.  請求項9〜12のいずれかに記載のモールディング用ポリエステル樹脂組成物を用いた成型品。
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