JP2006275917A - 多光子励起型観察装置および多光子励起型観察用光源装置 - Google Patents
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【解決手段】 異なる波長の極短パルスレーザ光Lを出射可能なパルスレーザ光源4と、極短パルスレーザ光を試料Aに照射し、試料Aにおいて発せられた蛍光Fを観察する観察装置本体3と、パルスレーザ光源4と観察装置本体3との間に配置され、極短パルスレーザ光Lのオンオフあるいは出力調整を行う音響光学装置6と、音響光学装置6とパルスレーザ光源4との間に配置され、音響光学装置6に入射される極短パルスレーザ光の光軸の位置および角度を変更可能にする入射側アライメント調節装置14と、パルスレーザ光源4から出射される極短パルスレーザ光の波長に基づいて、入射側アライメント調節装置14を制御する制御装置9とを備える多光子励起型観察装置1を提供する。
【選択図】 図1
Description
この特許文献1においては、試料に照射する励起光の強度を調節し、あるいはオンオフするための手段として、音響光学変調器(AOM:Acoust Optical
Modulator)のような音響光学素子を用いることが開示されている。
Function)が悪化し、試料の集光位置における光子密度が低下し、多光子励起効果を効率よく発生させることができないという問題がある。
本発明は、異なる波長の極短パルスレーザ光を出射可能なパルスレーザ光源と、該パルスレーザ光源から発せられた極短パルスレーザ光を試料に照射し、試料において発せられた蛍光を観察する観察装置本体と、前記パルスレーザ光源と観察装置本体との間に配置され、パルスレーザ光源から発せられる極短パルスレーザ光のオンオフあるいは出力調整を行う音響光学装置と、該音響光学装置と前記パルスレーザ光源との間に配置され、音響光学装置に入射される極短パルスレーザ光の光軸の位置および角度を変更可能にする入射側アライメント調節装置と、前記パルスレーザ光源から出射される極短パルスレーザ光の波長に基づいて、前記入射側アライメント調節装置を制御する制御装置とを備える多光子励起型観察装置を提供する。
また、前記入射側アライメント調節装置が、極短パルスレーザ光を偏向する1以上のミラーと、該ミラーの角度および位置を変更するミラー移動機構とを備えることとしてもよい。
音響光学装置においては、2酸化テルル等からなる結晶に入力する音響波の振幅を調節することで、結晶に入射される極短パルスレーザ光の回折強度を調節し、出力される極短パルスレーザ光の強度を変調することができる。この場合に、変調すべき極短パルスレーザ光の波長に応じて結晶に入力する音響波の周波数である駆動周波数を調節することにより、極短パルスレーザ光の波長にかかわらず、略同等の方向に変調された極短パルスレーザ光を出射させることが可能となる。
分散補償装置は、複数のプリズムや複数のグレーティングの距離を調節することで、群速度分散を補償するため、群速度分散の分散補償量を調節すると、出射される極短パルスレーザ光の光軸の位置および角度も変動する。本発明によれば、入射側アライメント調節装置あるいは出射側アライメント調節装置を制御する制御装置により、分散補償装置を調節することによって、分散補償量の調節により生じた極短パルスレーザ光の光軸の位置および角度の変動も入射側および/または出射側アライメント調節装置によって補正することができる。
本実施形態に係る多光子励起型観察装置1は、多光子励起型顕微鏡であって、図1に示されるように、光源装置(多光子励起型観察用光源装置)2と、該光源装置2の後段に配置される蛍光顕微鏡本体(観察装置本体)3とを備えている。
図中、符号13は、パルスレーザ光源4から発せられた極短パルスレーザ光Lを反射して分散補償光学系5に指向させる一方、分散補償光学系5から出力された極短パルスレーザ光Lの光軸から外れた位置に配置されているミラーである。
前記アライメント調節装置14は、図3に示されるように、例えば、2枚のミラー14a,14bとこれらミラー14a,14bをそれぞれ移動させる2つのミラー移動機構16,17とを備えている。第1のミラー14aは、第1の方向Z1から矢印のように入射されてきた極短パルスレーザ光Lを、該第1の方向Z1に略直交する第2の方向Z2に偏向させるようになっている。また、第2のミラー14bは、第2の方向Z2に入射される極短パルスレーザ光Lを、第1の方向Z1および第2の方向Z2に略直交する第3の方向Z3に偏向させて出射するようになっている。
本実施形態においては、ビーム整形光学系15は、例えば、図4に示されるように、両凸レンズ19と平凹レンズ20とを組み合わせたガリレイ型のビームエキスパンダと、両凸レンズ19および平凹レンズ20をそれぞれ光軸方向に移動可能に支持するレンズ移動機構21,22とにより構成されている。また、ビーム整形光学系15は、パルスレーザ光源4と音響光学装置6との間に、その中央よりも音響光学装置6側に配置されていることが好ましい。また、ビーム整形光学系15は、音響光学装置6の100〜1000mmの位置に配置されていることがさらに好ましい。
前記ヒートシンク26は、例えば、アルミニウムあるいはアルミニウム合金のような熱伝導率の高い材質からなり、図5に示されるように、平行間隔をあけて配置される複数の平板状のフィン26aを備えている。
アライメント調節装置30は、例えば、図3に示されるアライメント調節装置14と同一構造を有し、蛍光顕微鏡本体3に入射させる極短パルスレーザ光Lの光軸の位置と偏向を精度よく調節することができるようになっている。
本実施形態に係る多光子励起型観察装置1によれば、パルスレーザ光源4から発せられる極短パルスレーザ光Lの波長が決定されると、その波長情報λがパルスレーザ光源4から、あるいは、外部の入力装置(図示略)から制御装置9に入力される。
制御装置9においては、入力された極短パルスレーザ光Lの波長情報λに基づいて、メモリ装置32内が検索され、その波長情報λに関連づけて記憶されている各調節装置の作動状態Yが取得される。制御装置9は、取得された作動状態Yとなるように各調節装置を制御する。
この場合において、ビーム整形光学系15によって極短パルスレーザ光Lが結晶18の有効範囲X内に漏れなく入射されているので、結晶18に入射されない極短パルスレーザ光Lや結晶18の側面によって乱反射等される極短パルスレーザ光Lが存在しない。したがって、これらの極短パルスレーザ光Lが迷光となって、正常に結晶18を通過する極短パルスレーザ光Lに混入することがない。
特に、AOMの場合には、音響波を発生させるためにトランスデューサ24に入力する駆動電力が高いこと、および、極短パルスレーザ光Lを入射させる有効範囲の面積が小さいことにより、対策を施さない場合には結晶18内は局所的に加熱される。
なお、本実施形態においては、ヒートシンク26の形態として、平板状のフィン26aを備えるものを例示したが、これに代えて、他の任意の形態のヒートシンク26を採用することができる。
さらに、制御装置9は、メモリ装置32に波長λと対応づけて記憶されている各調節装置の作動状態Yによって各調節装置を制御する。したがって、波長λが変更されても、簡易かつ迅速に、試料Aにおいて多光子励起効果を効率的に発生させるように極短パルスレーザ光Lを調節することができる。
また、プリズム10,11およびミラー12の組合せの他、複数のプリズムの組合せ、複数のグレーティングの組合せ、プリズムとグレーティングとの組合せからなる分散補償光学系を採用することにしてもよい。
また、ビーム整形光学系15は、図7に示されるように、一対の凹面鏡41,42を対向配置することにより構成してもよい。このように構成することで反射光学系によって極短パルスレーザ光Lの光束径を縮小させるので、ビーム整形光学系15を通過する際に群速度分散を生じることがなく、パルス幅が広がることを防止できる。
また、視準光学系31,ビーム整形光学系15のレンズ構成は、いずれも図示のような両凸レンズと平凹レンズとの組合せに限られるものではなく、正または負のパワーを持つ任意のレンズの組合せにより構成されるものであってもよい。
F 蛍光
L 極短パルスレーザ光
λ 波長
X 有効範囲
Y 作動状態
1 多光子励起型観察装置
2 多光子励起型観察用光源装置
3 蛍光顕微鏡本体(観察装置本体)
3a 対物レンズ
4 パルスレーザ光源
5 分散補償光学系(分散補償装置)
7 入射補正装置
8 顕微鏡入射調節装置(入射調節装置)
9 制御装置
14 アライメント調節装置(入射側アライメント調節装置)
14a,14b ミラー
16,17 ミラー移動機構
21,22 レンズ移動機構
30 アライメント調節装置(出射側アライメント調節装置)
31 視準光学系(入射調節装置)
32 メモリ装置
Claims (11)
- 異なる波長の極短パルスレーザ光を出射可能なパルスレーザ光源と、
該パルスレーザ光源から発せられた極短パルスレーザ光を試料に照射し、試料において発せられた蛍光を観察する観察装置本体と、
前記パルスレーザ光源と観察装置本体との間に配置され、パルスレーザ光源から発せられる極短パルスレーザ光のオンオフあるいは出力調整を行う音響光学装置と、
該音響光学装置と前記パルスレーザ光源との間に配置され、音響光学装置に入射される極短パルスレーザ光の光軸の位置および角度を変更可能にする入射側アライメント調節装置と、
前記パルスレーザ光源から出射される極短パルスレーザ光の波長に基づいて、前記入射側アライメント調節装置を制御する制御装置とを備える多光子励起型観察装置。 - 前記音響光学装置と前記観察装置本体との間に配置され、前記音響光学装置から出射された極短パルスレーザ光の光軸の位置および角度を変更可能にする出射側アライメント調節装置を備え、
前記制御装置が、前記パルスレーザ光源から出射される極短パルスレーザ光の波長に基づいて、前記出射側アライメント調節装置を制御する請求項1に記載の多光子励起型観察装置。 - 前記出射側アライメント調節装置が、極短パルスレーザ光を偏向する1以上のミラーと、該ミラーの角度および位置を変更するミラー移動機構とを備える請求項2に記載の多光子励起型観察装置。
- 前記入射側アライメント調節装置が、極短パルスレーザ光を偏向する1以上のミラーと、該ミラーの角度および位置を変更するミラー移動機構とを備える請求項1から請求項3のいずれかに記載の多光子励起型観察装置。
- 前記制御装置が、前記極短パルスレーザ光の波長と、ミラー移動機構の作動状態とを対応づけて記憶するメモリ装置を備え、極短パルスレーザ光の波長に応じて、前記メモリ装置に記憶されている作動状態にミラー移動機構を調節する請求項1から請求項4のいずれかに記載の多光子励起型観察装置。
- 前記制御装置が、前記極短パルスレーザ光の波長に応じて、前記音響光学装置の駆動周波数を調節する請求項1から請求項5のいずれかに記載の多光子励起型観察装置。
- 群速度分散を補償する分散補償装置を備え、
前記制御装置が、前記極短パルスレーザ光の波長に応じて、前記分散補償装置による分散補償量を調節する請求項1から請求項6のいずれかに記載の多光子励起型観察装置。 - 前記音響光学装置と前記入射側アライメント調節装置との間に配置され、極短パルスレーザ光の光束径を音響光学装置の有効範囲内に入射可能に縮小させる入射補正装置を備え、
該入射補正装置が、複数のレンズと、該レンズのうち少なくとも1枚のレンズを光軸方向に移動させるレンズ移動機構とを備え、
前記制御装置が、前記極短パルスレーザ光の波長に応じて前記レンズ移動機構を作動させる請求項4から請求項7のいずれかに記載の多光子励起型観察装置。 - 前記出射側アライメント調節装置と観察装置本体との間に配置され、極短パルスレーザ光の光束径とビームダイバージェンスとを調節する入射調節装置を備え、
該入射調節装置が、複数のレンズと、該レンズのうち少なくとも1枚のレンズを光軸方向に移動させるレンズ移動機構とを備え、
前記制御装置が、前記極短パルスレーザ光の波長に応じて前記レンズ移動機構を作動させる請求項1から請求項8のいずれかに記載の多光子励起型観察装置。 - 異なる波長の極短パルスレーザ光を出射可能なパルスレーザ光源と、
前記パルスレーザ光源から発せられる極短パルスレーザ光のオンオフあるいは出力調整を行う音響光学装置と、
該音響光学装置と前記パルスレーザ光源との間に配置され、音響光学装置に入射される極短パルスレーザ光の光軸の位置および角度を調節する入射側アライメント調節装置と、
前記パルスレーザ光源から出射される極短パルスレーザ光の波長に基づいて、前記入射側アライメント調節装置を制御する制御装置とを備える多光子励起型観察用光源装置。 - 前記音響光学装置の後段に配置され、音響光学装置から出射された極短パルスレーザ光の光軸の位置および角度を調節する出射側アライメント調節装置と備え、
前記制御装置が、前記パルスレーザ光源から出射される極短パルスレーザ光の波長に基づいて、前記出射側アライメント調節装置を制御する請求項10に記載の多光子励起型観察用光源装置。
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