JP2006269550A - プリント配線基板及びその取り付け構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 他のプリント配線基板との噴流半田による半田付けに際して、導電部間の短絡をより確実に防止し、また両プリント配線基板間の機械的な結合強度をより強固にすることが可能であり、更に噴流半田の噴流方向を考慮する必要がないプリント配線基板を提供する。
【解決手段】 第1基板10の延出部14に形成された複数の導電部15それぞれに切り込み部16が設けられており。延出部14が第2基板20に設けられたスリット21に挿入された状態では切り込み部16の底部が第2基板20上で凹部13になる。従って、噴流半田は切り込み部16を通り抜けるので半田ブリッジによる短絡が生じ難く、また延出部14のいずれの側からも噴流半田を噴流させることができる。更に、凹部13にも半田が流れ込んで固着するので、非常に強固に両基板10、20が固定される。
【選択図】 図2

Description

本発明は他のプリント配線基板上に形成された導電部に、自身に形成されている導電部を半田付けにより固定して接続するようにしたプリント配線基板に関し、またそのようなプリント配線基板を他のプリント配線基板に取り付けるための構造に関する。
比較的大きなプリント配線基板に比較的小さなプリント配線基板を直交する状態で接続して実装する場合がある。このような場合、一方のプリント配線基板にスリットを設け、このスリットに他方のプリント配線基板の端部を挿通して突出させた状態で、両プリント配線基板相互の導電部同士を半田付けすれば、両プリント配線基板間の電気的接続を確保すると共に両プリント配線基板同士の機械的な固定も可能になる。しかし、上述のような場合の半田付けはいわゆる噴流半田(フローディップ半田)の塗着によるが、従来は隣接する導電部間が半田ブリッジによって短絡され易いという問題があった。
このような事情からたとえば特許文献1に開示されている発明が提案されている。図9はこの特許文献1に開示されている発明を説明するための模式図である。一方のプリント配線基板20にはスリット21が直線状に複数設けられている。そして、この複数のスリット21に他方のプリント配線基板10から突出して設けられた複数の基板延出部14が一方のプリント配線基板20の下面から上面へ向けて挿通されており、各基板延出部14の先端はプリント配線基板20を貫通して突出している。他方のプリント配線基板10の各延出部14の一面の両側部には一対の端子部(導電部)15、15が設けられている。これらの端子部15がプリント配線基板20のスリット21に設けられたランド(導電部)22と噴流半田の塗着によって半田付けされることにより、両プリント配線基板20、10間の電気的接続と機械的固定とが半田塊23により同時に達成される。
また、この特許文献1に開示されている発明では、各基板延出部14の両側部に設けられた一対の端子部15、15間の部分に透孔19が各基板延出部14を貫通して設けられている。従って、半田付けに際しては噴流半田がこの透孔19を通り抜けるので、透孔19の両側に位置する一対の端子部15、15間が半田で短絡される可能性は低くなる。また、各基板延出部14は櫛の歯状に分離されて一方のプリント配線基板20から突出しているので、噴流半田はこれらの各基板延出部14間をも通り抜けることになり、隣接する基板延出部14間の端子部15、15間の短絡も生じ難い。
更に特許文献2には、プリント配線基板の配線パターンにミニモールドタイプの電子部品の端子を自動半田付けするために、プリント配線基板の配線パターンの先端部にスルーホールを設けた発明が開示されている。この特許文献2に開示された発明では、プリント配線基板の配線パターンの先端部に設けられたスルーホールに余剰な半田を吸収させることによって半田ブリッジが形成されることが防止されるとしている。
また更に特許文献3には、プリント配線基板が半田リフロー装置から出た直後に半田付けした面を下面にして高温の加圧空気を噴射することにより、余分な半田ボールを吹き飛ばして除去する発明が開示されている。
なお、特許文献4には、上述した各特許文献において使用されるリフロー半田付け装置の一例が開示されている。
特開2001−85813号公報 特開平2−52490号公報 特開平2−305431号公報 特開平5−154649号公報
ところで、上述した特許文献1に記載の発明では、各基板延出部に設けられた透孔が比較的小さいため、噴流半田がこの透孔を確実に通り抜けるという保証はなく、各基板延出部の両側部に設けられた1つの端子部間の短絡が生じる虞があり得る。また特許文献1に開示されている発明では、各基板延出部の端子部が設けられている面の側からのみ噴流半田を流すことができるが、このことは半田付けに際しては噴流半田の噴流の方向と基板突出部の向きとを一致させる必要があり、作業性の低下を招来する。
更に、特許文献1に開示されている発明では、両プリント配線基板間の半田付けは一方の基板の各基板突出部の一面でのみ、しかもいわゆる芋付け状態で行なわれているので、機械的な強度が十分とはいえないのが実情であった。
また、特許文献2及び3に開示されている発明は、プリント配線基板に電子部品を半田付けするための技術であり、特許文献1に開示されているような、プリント配線基板同士を半田付けするための技術ではない。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、他のプリント配線基板との噴流半田による半田付けに際して、導電部間の短絡をより確実に防止し、また両プリント配線基板間の機械的な結合強度をより強固にすることが可能であり、更に噴流半田の噴流方向を考慮する必要がないプリント配線基板の提供を目的とする。また本発明はそのようなプリント配線基板を他のプリント配線基板に取り付けるための構造の提供をも目的とする。
本発明は端的には、一方のプリント配線基板の導電部に切り込み部又は貫通孔を設けることにより、噴流半田を通り抜けさせることができるようにしたものである。
本発明に係るプリント配線基板は、電子回路を含む本体から延出された延出部に形成された複数の導電部が他のプリント配線基板に半田付されて実装されるプリント配線基板において、前記複数の導電部それぞれに対応して前記延出部に切り込み部を設けたことを特徴とする。
このような本発明に係るプリント配線基板では、他のプリント配線基板に噴流半田により半田付けする際に、複数の導電部それぞれに対応して延出部に設けられた切り込み部を噴流半田が通り抜ける。
本発明に係るプリント配線基板は上記の発明において、前記切り込み部は前記複数の導電部それぞれに設けられていることを特徴とする。
このような本発明に係るプリント配線基板では上記の発明において、他のプリント配線基板に噴流半田により半田付けする際に、複数の導電部それぞれに設けられた切り込み部を噴流半田が通り抜ける。
本発明に係るプリント配線基板は上記の発明において、前記切り込み部の内側面が導電性の材料で覆われていることを特徴とする。
このような本発明に係るプリント配線基板では上記の発明において、他のプリント配線基板に噴流半田により半田付けする際に、切り込み部の内側面が導電性の材料で覆われているので、噴流半田がこの部分にも塗着する。
本発明に係るプリント配線基板は、電子回路を含む本体から延出された延出部に形成された複数の導電部が他のプリント配線基板に半田付けされて実装されるプリント配線基板において、前記複数の導電部それぞれに貫通孔を設けたことを特徴とする。
このような本発明に係るプリント配線基板では、他のプリント配線基板に噴流半田により半田付けする際に、複数の導電部それぞれに設けられた貫通孔を噴流半田が通り抜ける。
本発明に係るプリント配線基板は上記の発明において、前記貫通孔の内側面が導電性の材料で覆われていることを特徴とする。
このような本発明に係るプリント配線基板では上記の発明において、他のプリント配線基板に噴流半田により半田付けする際に、貫通孔の内側面にも噴流半田が塗着する。
本発明に係るプリント配線基板は、他のプリント配線基板の電子回路を含む本体から延出された延出部が挿入されるスリットを有し、該スリットの周囲に形成された複数の導電部が前記他のプリント配線基板に半田付けされる前記他のプリント配線基板を実装するプリント配線基板において、前記スリットの周囲に形成された複数の導電部それぞれに切り込み及び/又は貫通孔を設けたことを特徴とする。
このような本発明に係るプリント配線基板では、他のプリント配線基板を噴流半田により半田付けする際に、複数の導電部それぞれに設けられた切り込み部及び/又は貫通孔を噴流半田が通り抜ける。
本発明に係るプリント配線基板は上記の発明において、前記切り込み部及び/又は貫通孔の内側面が導電性の材料で覆われていることを特徴とする。
このような本発明に係るプリント配線基板では上記の発明において、他のプリント配線基板を噴流半田により半田付けする際に、切り込み部及び/又は貫通孔の内側面にも噴流半田が塗着する。
本発明に係るプリント配線基板の取り付け構造は、前述のいずれか一つのプリント配線基板の前記延出部が挿入されるスリットと、該スリットに前記延出部が挿入された場合に前記延出部に形成された複数の導電部とそれぞれ半田付けされる複数の導電部とを前記他のプリント配線基板に設け、前記スリットに前記延出部が挿入された場合に前記切り込み部が前記他のプリント配線基板の表面に凹部を形成するようにしたことを特徴とする。
このような本発明に係るプリント配線基板の取り付け構造では、前記のいずれか一つのプリント配線基板の延出部が他のプリント配線基板に設けられたスリットに挿入された状態では、切り込み部の底部が他のプリント配線基板上で凹部になり、この部分にも噴流半田が流れ込む。
また本発明に係るプリント配線基板の取り付け構造は、前述のいずれかのプリント配線基板の前記延出部が挿入されるスリットと、該スリットに前記延出部が挿入された場合に前記延出部に形成された複数の導電部とそれぞれ半田付けされる複数の導電部とを前記他のプリント配線基板に設け、前記スリットに前記延出部が挿入された場合に前記貫通孔が前記他のプリント配線基板の表面に凹部を形成するようにしたことを特徴とする。
このような本発明に係るプリント配線基板の取り付け構造では、前記のいずれかのプリント配線基板の延出部が他のプリント配線基板に設けられたスリットに挿入された状態では、貫通孔の底部が他のプリント配線基板上で凹部になり、この部分にも噴流半田が流れ込む。
本発明に係るプリント配線基板によれば、他のプリント配線基板に噴流半田により半田付けされる際に、複数の導電部それぞれに対応して延出部に設けられた切り込み部を噴流半田が通り抜けるので、導電部間の短絡が生じる虞が小さくなる。
また本発明に係るプリント配線基板によれば上記の発明において、他のプリント配線基板に噴流半田により半田付けされる際に、複数の導電部それぞれに設けられた切り込み部を噴流半田が通り抜けるので、導電部間の短絡が生じる虞が小さくなると共に、いずれの方向からも噴流半田を噴流させることが可能になる。
また本発明に係るプリント配線基板によれば上記の発明において、他のプリント配線基板に噴流半田により半田付けされる際に、切り込み部の内側面にも噴流半田が塗着するので、単なる芋付け状態ではない機械的強度が非常に大きい半田付け状態が得られる。
更に本発明に係るプリント配線基板によれば、他のプリント配線基板に噴流半田により半田付けされる際に、複数の導電部それぞれに設けられた貫通孔を噴流半田が通り抜けるので、導電部間の短絡が生じる虞が小さくなると共に、いずれの方向からも噴流半田を噴流させることが可能になる。
また本発明に係るプリント配線基板によれば上記の発明において、他のプリント配線基板に噴流半田により半田付けされる際に、貫通孔の内側面にも噴流半田が塗着するので、単なる芋付け状態ではない機械的強度が非常に大きい半田付け状態が得られる。
更に本発明に係るプリント配線基板によれば、他のプリント配線基板を噴流半田により半田付けする際に、複数の導電部それぞれに設けられた切り込み部及び/又は貫通孔を噴流半田が通り抜けるので、導電部間の短絡が生じる虞が小さくなる。
また本発明に係るプリント配線基板によれば上記の発明において、他のプリント配線基板を噴流半田により半田付けする際に、切り込み部及び/又は貫通孔の内側面にも噴流半田が塗着するので、単なる芋付け状態ではない機械的強度が非常に大きい半田付け状態が得られる。
また本発明に係るプリント配線基板の取り付け構造によれば、前記のいずれか一つのプリント配線基板が他のプリント配線基板に噴流半田により半田付けされる際に、延出部が他のプリント配線基板に設けられたスリットに挿入された状態で切り込み部により他のプリント配線基板上に形成される凹部にも噴流半田が流れ込むので、より機械的強度が大きい半田付け状態が得られる。
また本発明に係るプリント配線基板によれば、前記のいずれかのプリント配線基板が他のプリント配線基板に噴流半田により半田付けされる際に、延出部が他のプリント配線基板に設けられたスリットに挿入された状態で貫通孔により他のプリント配線基板上に形成される凹部にも噴流半田が流れ込むので、より機械的強度が大きい半田付け状態が得られる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明に係るプリント配線基板の第1の実施の形態の一構成例を示す模式図である。以下においては、比較的大きなプリント配線基板を第2基板20とし、この第2基板20に固定されて実装される比較的小さなプリント配線基板を第1基板10とする。なお、第2基板20はいわゆるメインボードである。また、第1基板10は第1の実施の形態においては本発明に係るプリント配線基板であり、たとえばTVチューナ等の電子回路が搭載されており、この第1基板10が第2基板20に実装される構成となる。
第1基板10の縁辺の一辺の一部には、第2基板20との電気的接続及び機械的結合のための延出部14が設けられている。この延出部14には所要の数の導電部15が等間隔で形成されている。それぞれの導電部15は等間隔で延出部14に、延出部14の延出方向とは逆方向に矩形状に切り込まれた形状に形成された切り込み部16を中心として形成されている。より具体的には、各切り込み部16の延出部14に切り込まれた内側面と、この内側面に繋がる延出部14の両側面の部分と、延出部14の延出端部(以下、この端部を延出部14の上端部といい、逆側を延出部14の下端部という)の切り込み部16の両側の部分とに公知の技術によって導電性材料で一体的に各導電部15が形成されている。より端的には、各導電部15は延出部14の切り込み部16が切り込まれた部分とその周辺部分とを覆うように形成されている。
なお、参照符号18はストッパ部であり、図1には一つのみ示されているが、第1基板10の延出部14が形成されている一辺の両側部にそれぞれ形成されている。このストッパ部18は第1基板10の延出部14が形成されている一辺の両側部を各切り込み部16の切り込み深さよりも更に若干深く欠き取った形状に形成されている。
一方、第2基板20には第1基板10の延出部14を挿通して貫通させることが可能なスリット21が設けられている。このスリット21は、第1基板10の延出部14の延出方向と直交する方向の断面形状と実質的に同一の形状の開口である。また、この第2基板20の一方の面(第2基板20のスリット21に第1基板10の延出部14が挿入された場合に延出部14の上端部が突出する側の面、以下この面を第2基板20の上面といい、逆側の面を第2基板20の下面という)のスリット21の周囲にも、公知の技術を利用して導電性材料で導電部22が形成されている。
なお、第2基板20側の導電部22は、第1基板10が第2基板20のスリット21に挿入された場合に、図1に破線にて示すように、第1基板10の延出部14に形成されている複数の導電部15とそれぞれ対応する位置に複数が形成されている。
図2は第2基板20のスリット21に第1基板10の延出部14が挿入された状態を模式的に示す斜視図である。また図3は図2の状態を第1基板10の延出部14に沿って第2基板20を切断した状態、即ちA−A線での状態を示す縦断面図である。
第2基板20のスリット21に第1基板10の延出部14が、ストッパ部18が第2基板20の下面に当接するまで挿入された場合、各切り込み部16はその底面(延出部14の最下端部よりの端面)が第2基板20の板厚の範囲内、換言すれば第2基板20の上下面の間の位置になる。なお、図2、図3の左側に示されている参照符号23については後述する。
ストッパ部18が第2基板20の下面に当接するまで第2基板20のスリット21に第1基板10の延出部14が挿入された場合、上述したように各切り込み部16はその底面が第2基板20の板厚の範囲内になるように形成されているので、第2基板20の上面には各切り込み部16の部分に凹部13が形成される状態になる。但し、前述した如く、各切り込み部16の底面は、ストッパ部18が第2基板20の下面に当接するまで第2基板20のスリット21に第1基板10の延出部14が挿入された場合に、第2基板20の板厚の範囲内になるので、第2基板20の上面に各切り込み部16によって形成される凹部13が第2基板20の下面に貫通することはない。
なお、いうまでもないが図2、図3に示す状態では、第2基板20の延出部14に形成された各導電部15の切り込み部16を挟んだ両側の部分が第1基板10のスリット21の周囲の一側部に形成された各導電部22と接触する状態になっている。
そして、図2、図3に示す状態で噴流半田により半田付けを行なうと、第1基板10の切り込み部16に半田が流れ込んで図2及び図3の左側部に参照符号23にて模式的に示すように半田塊が固着するので、第1基板10の各導電部22と第1基板10の各導電部15の切り込み部16を挟んだ両側の部分とが半田付けされることになる。この際、特に注目すべき点は、各切り込み部16の底部によって第1基板10上に形成される凹部13にも噴流半田が流れ込んで、半田塊23が固着することである。これにより、第1基板10と第2基板20とは単なる芋付け状態ではない状態に半田付けされるので、非常に強固な機械的強度で固着されることになる。
また、噴流半田は各切り込み部16を通り抜けるので、第1基板10の延出部14に設けられた隣接する導電部15同士が半田で短絡される虞は非常に少ない。更に、図2に示されている状態の第1基板10の背後側から噴流半田が流されたとしても、噴流半田は各切り込み部16を通り抜けて第1基板10の背後側から手前側へ流れ出すので、図2の左側部に示す状態に半田付けが行なわれることになる。
ところで、上述の実施の形態では第1基板10の延出部14に矩形状の切り込み部16を設け、この切り込み部16を中心として導電部15を形成しているが、このような構成に限る必要はない。たとえば、切り込み部16は各導電部15には設けずに各導電部15間の部分17に設けてもよい。この場合には、噴流半田の噴流の方向は限定される(図2の場合では第1基板10の手前側から背後側へ)が、また導電部15内に凹部13が形成されないことになるので固着の機械的強度は若干低下する。しかし、少なくとも隣接する導電部15同士が半田で短絡される虞は大きく低下する。
また、切り込み部16及び導電部15は等間隔である必要は必ずしもない。更に、切り込み部16の形状は矩形状には限定されない。即ち、切り込み部16は、矩形状に代えてたとえば半円形でもよいし、逆三角形でもよいし、台形でもよい。しかし、製造コスト面からは切り込み部16の形状は半円形が最も有利である。以下に、第1基板10の延出部14に半円形の切り込み部16を形成する手法について説明する。
図4は第1基板10に半円形の切り込み部16を形成する手順を示す模式図である。まず、図4(a)に示すように、第1基板10を凸の字状に形成することによって延出部14の母部14’を形成することにより同時にストッパ部18も形成する。そして、母部14’の延出部14の上端部になるべき位置(図に一点鎖線にて示す)を中心として円形の貫通孔16’を等間隔で形成する。
円形の貫通孔16’が形成された延出部14の母部14’は次に、延出部14の上端部となるべき位置で切断される。これにより、図4(b)に示すように、延出部14が形成されると共に、半円形の切り込み部16が形成される。そして、各切り込み部16の内側面及びその周辺の延出部14の部分に公知の技術により導電性材料で導電部15を形成する。
従って、図4(a)に示す状態において、貫通孔16’をどのような形状にするかによって、延出部14に形成される切り込み部16の形状を任意に選択することが可能になる。この場合、切り込み部16を半円形にすることが導電部15の形成等を考慮すると最も製造コストを低くすることが可能である。
なお、図4(a)に示す状態において、隣接する貫通孔16’間の部分に導電部15を形成することも可能である。この場合には、図4(c)に示すように、各導電部15間に半円形の切り込み部16が形成されることになる。
次に、本発明に係るプリント配線基板の第2の実施の形態について図面を参照して具体的に説明する。図5は本発明に係るプリント配線基板の第2の実施の形態の一構成例を示す模式図である。比較的大きなプリント配線基板である第2基板20の構成に関しては第1の実施の形態と同様である。また、第2基板20に実装される比較的小さなプリント配線基板である第1基板10の縁辺の一辺の一部に、第2基板20との電気的接続及び機械的結合のための延出部14が設けられており、この延出部14に所要の数の導電部15が等間隔で形成されていることも第1の実施の形態と同様である。
この第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、それぞれの導電部15に切り込み部16に代えて円形の貫通孔11が形成されていることである。より具体的には、各貫通孔11の内側面と、この内側面に繋がる延出部14の両側面の部分と、これらの両側面の部分を繋ぐ延出部14の上端面の部分とに公知の技術により導電性材料で各導電部15が一体的に形成されている。
なお、第1基板10にストッパ部18が設けられていることも第1の実施の形態と同様であり、ストッパ部18は図5には一つのみ示されているが、第1基板10の延出部14が形成されている一辺の両側部にそれぞれ形成されていることも第1の実施の形態と同様である。更に、このストッパ部18は第1基板10の延出部14が形成されている一辺の両側部を各貫通孔11の延出部14の最下端部寄りの位置よりも更に若干深く欠き取った形状に形成されている。
一方、第2基板20には第1の実施の形態と同様に第1基板10の延出部14を挿通して貫通させることが可能なスリット21が設けられている。このスリット21は、第1基板10の延出部14の延出方向と直交する方向の断面形状と実質的に同一の形状の開口である。また、この第2基板20の上面のスリット21の周囲にも、公知の技術を利用して導電性材料で導電部22が形成されている。
なお、第2基板20側の導電部22は、第1基板10が第2基板20のスリット21に挿入された場合に、図5に破線にて示すように、第1基板10の延出部14に形成されている複数の導電部15とそれぞれ対応する位置に複数が形成されている。
図6は第2基板20のスリット21に第1基板10の延出部14が挿入された状態を模式的に示す斜視図である。また図7は図6の状態を第1基板10の延出部14に沿って第2基板20を切断した状態、即ちB−B線での状態を示す縦断面図である。
第2基板20のスリット21に第1基板10の延出部14が、ストッパ部18が第2基板20の下面に当接するまで挿入された場合、各貫通孔11はその底面(延出部14の最下端部よりの端部)が第2基板20の板厚の範囲内、換言すれば第2基板20の上下面の間の位置になる。なお、図6、図7の左側に示されている参照符号23については後述する。
ストッパ部18が第2基板20の下面に当接するまで第2基板20のスリット21に第1基板10の延出部14が挿入された場合、上述したように各貫通孔11はその底面が第2基板20の板厚の範囲内になるように形成されているので、第2基板20の上面には各貫通孔11の部分に凹部12が形成される状態になる。但し、前述した如く、各貫通孔11の底面は、ストッパ部18が第2基板20の下面に当接するまで第2基板20のスリット21に第1基板10の延出部14が挿入された場合に、第2基板20の板厚の範囲内になるので、第2基板20の上面に各貫通孔11によって形成される凹部12が第2基板20の下面に貫通することはない。
なお、いうまでもないが図6、図7に示す状態では、第2基板20の延出部14に形成された各導電部15が第1基板10のスリット21の周囲の一側部に形成された各導電部22と接触する状態になっている。
そして、図6、図7に示す状態で噴流半田により半田付けを行なうと、第1基板10の貫通孔11に半田が流れ込んで図6及び図7の左側部に参照符号23にて模式的に示すように半田塊が固着するので、第1基板10の各導電部22と第1基板10の各導電部15とが半田付けされることになる。この際、特に注目すべき点は、各貫通孔11の底部によって第1基板10上に形成される凹部12にも噴流半田が流れ込んで、半田塊23が固着することである。これにより、第1基板10と第2基板20とは単なる芋付け状態ではない状態に半田付けされるので、非常に強固な機械的強度で固着されることになる。
また、噴流半田は各貫通孔11を通り抜けるので、第1基板10の延出部14に設けられた隣接する導電部15同士が半田で短絡される虞は非常に少ない。更に、図6に示されている状態の第1基板10の背後側から噴流半田が流されたとしても、噴流半田は各貫通孔11を通り抜けて第1基板10の背後側から手前側へ流れ出すので、図6、図7の左側部に示す状態に半田付けが行なわれることになる。
なお、上述の実施の形態では第1基板10の延出部14に円形の貫通孔11を設けているが、貫通孔の形状は円形に限られることはなく、矩形、三角形、台形、楕円形等であってもよい。
次に、本発明に係るプリント配線基板の第3の実施の形態について図面を参照して具体的に説明する。図8(a)は本発明に係るプリント配線基板の第3の実施の形態の一構成例を示す模式図である。この第3の実施の形態では、第2基板20が本発明に係るプリント配線基板である。
第2基板20のスリット21の周囲に設けられている導電部22に、第1の実施の形態の切り込み部16に相当する切り込み部26、又は第2の実施の形態の貫通孔11に相当する貫通孔24がそれぞれ形成されている。なお、この第3の実施の形態の第1基板10は、延出部14に導電部15が形成されたのみの構成でよい。
図8(b)は第2基板20のスリット21に第1基板10を挿入した状態を図8(a)のC−C線で見た第2基板20の縦断面図である。第2基板20のスリット21に第1基板10を挿入して両側から噴流半田付けを行なうと、第1基板10の導電部15と第2基板20の導電部22に形成された切り込み部26、貫通孔24との間に半田が塗着し、冷却すると固着する。この場合、半田塊23は第2基板20の導電部22に形成された切り込み部26、貫通孔24との間にも流れ込んで第2基板20の導電部22と第1基板10の導電部15とを一体的に半田付けするので、機械的な強度が非常に高くなる。
従って、この第3の実施の形態においても、第2基板20のスリット21に第1基板10の延出部14を挿通させた状態で、いずれの側から噴流半田を噴流させてもよいことになる。また第1基板10と第2基板20とは相互の導電部15と22とが単に芋付けされた場合に比して非常に強固な機械的強度で結合される。
なお、図8に示した第3の実施の形態では、第2基板20の導電部22に切り込み部26と貫通孔24との双方を形成して両側から噴流半田を噴流させた場合を示したが、これはあくまでも説明のためであり、いずれか一方のみでよいことはいうまでもない。但し、図8に示したように、切り込み部26と貫通孔24との双方を形成してもよいことはいうまでもない。
本発明に係るプリント配線基板の第1の実施の形態の一構成例を示す模式図である。 第2基板のスリットに第1基板の延出部が挿入された状態を模式的に示す斜視図である。 図2の状態のA−A線での状態を示す縦断面図である。 第1基板に半円形の切り込み部を形成する手順を示す模式図である。 本発明に係るプリント配線基板の第2の実施の形態の一構成例を示す模式図である。 第2基板のスリットに第1基板の延出部が挿入された状態を模式的に示す斜視図である。 図6の状態のB−B線での状態を示す縦断面図である。 本発明に係るプリント配線基板の第3の実施の形態の一構成例を示す模式図である。 従来技術を説明するための模式図である。
符号の説明
10 第1基板
11 貫通孔
12 凹部
13 凹部
14 延出部
15 導電部
16 切り込み部
18 ストッパ部
20 第2基板
21 スリット
22 導電部
23 半田塊

Claims (9)

  1. 電子回路を含む本体から延出された延出部に形成された複数の導電部が他のプリント配線基板に半田付されて実装されるプリント配線基板において、
    前記複数の導電部それぞれに対応して前記延出部に切り込み部を設けたことを特徴とするプリント配線基板。
  2. 前記切り込み部は前記複数の導電部それぞれに設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線基板。
  3. 前記切り込み部の内側面が導電性の材料で覆われていることを特徴とする請求項2に記載のプリント配線基板。
  4. 電子回路を含む本体から延出された延出部に形成された複数の導電部が他のプリント配線基板に半田付けされて実装されるプリント配線基板において、
    前記複数の導電部それぞれに貫通孔を設けたことを特徴とするプリント配線基板。
  5. 前記貫通孔の内側面が導電性の材料で覆われていることを特徴とする請求項4に記載のプリント配線基板。
  6. 他のプリント配線基板の電子回路を含む本体から延出された延出部が挿入されるスリットを有し、該スリットの周囲に形成された複数の導電部が前記他のプリント配線基板に半田付けされる前記他のプリント配線基板を実装するプリント配線基板において、
    前記スリットの周囲に形成された複数の導電部それぞれに切り込み及び/又は貫通孔を設けたことを特徴とするプリント配線基板。
  7. 前記切り込み部及び/又は貫通孔の内側面が導電性の材料で覆われていることを特徴とする請求項6に記載のプリント配線基板。
  8. 請求項1乃至3のいずれか一つに記載のプリント配線基板の前記延出部が挿入されるスリットと、該スリットに前記延出部が挿入された場合に前記延出部に形成された複数の導電部とそれぞれ半田付けされる複数の導電部とを前記他のプリント配線基板に設け、前記スリットに前記延出部が挿入された場合に前記切り込み部が前記他のプリント配線基板の表面に凹部を形成するようにしたことを特徴とするプリント配線基板の取り付け構造。
  9. 請求項4又は5に記載のプリント配線基板の前記延出部が挿入されるスリットと、該スリットに前記延出部が挿入された場合に前記延出部に形成された複数の導電部とそれぞれ半田付けされる複数の導電部とを前記他のプリント配線基板に設け、前記スリットに前記延出部が挿入された場合に前記貫通孔が前記他のプリント配線基板の表面に凹部を形成するようにしたことを特徴とするプリント配線基板の取り付け構造。
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