JP2006267247A - 撮像装置及び撮像装置の合焦方法 - Google Patents

撮像装置及び撮像装置の合焦方法 Download PDF

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Abstract

【課題】合焦動作時間を短くすることができる撮像装置及び撮像装置の合焦方法を提供する。
【解決手段】絞り−ゲイン制御部16を設けて、絞りを絞り込むことでフォーカスレンズ2の可動域における輝度信号のフィルタ処理後の検波積分器7の出力特性の検出範囲を広げる。即ち、合焦動作開始前のフォーカスレンズ2の位置での検波積分出力が所定の規定値以上である場合には山登り制御を行って合焦点を探索し、フォーカスレンズ2の位置での検波積分出力が規定値未満である場合には該規定値を超えるまで撮像センサ1に入射する光量を調整する絞りの径を小さくし、該規定値を超えた時点から山登り制御を行って合焦点を探索し、この探索で合焦点を発見できなれければ、合焦点を探索できるまで絞りの径を所定量だけ大きくする毎に繰り返し山登り制御を行う。これにより、早い段階で山登り動作が可能となり合焦動作時間の短縮化が図れる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ビデオカメラ、ディジタルカメラ等の撮像装置及び該撮像装置の合焦方法に関する。
従来、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の撮像センサを用いたカメラの自動焦点調節(オートフォーカス)機能については幾つかの方式が実施されている。その中の1つとしてカメラの撮像センサを用いて、該撮像センサの撮像信号の高周波成分を利用する所謂「山登り方式」がある(例えば、特許文献1参照)。この山登り方式は、合焦時におけるボケのない鮮明な映像信号には高周波成分が多く存在し、ぼけた像になるに従って高周波成分が減少することを利用したものである。即ち、撮像信号を処理した映像信号をバンドパスフィルタに通して高周波成分を抽出する。抽出した高周波成分の信号を検波積分した出力は、例えば図10に示すように焦点の移動に従って山形の特性曲線となる。この特性曲線の最大となるときが合焦点であり、その最大点に向かってフォーカスレンズを移動させる。この山登り方式は撮像センサからの信号を処理することによって実現でき、他の方式のように合焦のためのセンサ類を必要としないために小型で且つ比較的安価にできるという特徴がある。
特開平2−140074号公報(第7−8頁、第1−2図)
しかしながら、上述した従来の山登り方式の撮像装置においては、次のような問題がある。即ち、図10に示すように焦点近傍の位置Hでのデフォーカスの場合は高周波成分は存在するが、位置Pのように焦点位置よりある程度離れた場所では大きくぼけた状態となり高周波成分が殆どない。この状態では山登り動作ができないので、山を探すためにフォーカスレンズを前後方向に大きく移動させて山の裾野を探す必要がある。この動作に多くの時間を費やすことから、合焦時間が長くなってしまう。図10に示す移動経路はその一例である。
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、合焦動作時間を短くすることができる撮像装置及び撮像装置の合焦方法を提供することを目的とする。
上記目的は下記構成及び方法により達成される。
(1) 撮像装置において、フォーカスレンズと、前記フォーカスレンズをその光軸方向に前後に移動させるフォーカスレンズ駆動手段と、前記フォーカスレンズを透過する透過光の光路上に配置される撮像手段と、前記撮像手段に入射する光の量を調整する絞り手段と、前記撮像手段から出力される撮像信号の高周波成分を抽出するフィルタ手段と、前記フィルタ手段で抽出された高周波成分の大きさが前記フォーカスレンズの移動に従って山形の特性曲線をなすことを利用して山登り制御により合焦点の探索処理を行い、該探索処理において、合焦動作開始前の前記フォーカスレンズの位置での前記高周波成分の大きさが所定の規定値以上である場合には、山登り制御を行って合焦点を探索し、前記フォーカスレンズの位置での前記高周波成分の大きさが前記規定値未満である場合には、該規定値を超えるまで前記絞り手段の絞りの径を小さくし、該規定値を超えた時点から山登り制御を行って合焦点を探索し、前記探索で前記合焦点を発見できなければ、前記合焦点を探索できるまで前記絞り手段の絞りの径を所定量だけ大きくする毎に繰り返し山登り制御を行う合焦制御手段と、を備える。
(2) 上記(1)に記載の撮像装置において、前記絞り手段は、複数の羽根型片を有する羽根型絞りと、該羽根型絞りを駆動する絞り駆動手段と、を備える。
(3) 上記(1)に記載の撮像装置において、前記絞り手段は、透過型液晶素子を用いた液晶型絞りと、該液晶型絞りを駆動して透過面積を変化させる絞り駆動手段と、備える。
(4) 撮像センサから出力される撮像信号を映像信号に変換して得られる輝度信号の高周波成分の大きさがフォーカスレンズの移動に従って山形の特性曲線をなすことを利用して山登り制御により合焦点を探索する撮像装置の合焦方法であって、合焦動作開始前の前記フォーカスレンズの位置での前記高周波成分の大きさが所定の規定値以上である場合には、山登り制御を行って合焦点を探索し、前記フォーカスレンズの位置での前記高周波成分の大きさが前記規定値未満である場合には、該規定値を超えるまで前記撮像センサに入射する光量を調整する絞りの径を小さくし、該規定値を超えた時点から山登り制御を行って合焦点を探索し、前記探索で前記合焦点を発見できなければ、前記合焦点を探索できるまで前記絞りの径を所定量だけ大きくする毎に繰り返し山登り制御を行う。
以上のように本発明は、絞り径を小さくして被写界深度を深くすることでフォーカスレンズ可動域における検波積分出力特性の検出範囲を広げることができるので、該出力特性を探索することなく山登り方式の合焦制御が可能となり、合焦動作時間の短縮化が図れるという効果を有する撮像装置及び撮像装置の合焦方法を提供することができるものである。
以下、本発明を実施するための好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。この図において、本実施の形態の撮像装置は、撮像センサ(撮像手段)1と、フォーカスレンズ2と、フォーカスレンズ駆動部(フォーカスレンズ駆動手段)3と、増幅器(増幅手段)4と、カメラプロセス回路(信号処理手段)5と、バンドパスフィルタ(フィルタ手段)6と、検波積分器(検波積分手段)7と、メモリ8と、比較器9と、合焦判定回路10と、山登りサーボ制御回路11と、絞り13と、絞り駆動部14と、絞り−ゲイン制御部16と、ズームレンズ17と、ズームレンズ駆動部18と、ズーム駆動制御部19と、NDフィルタ21とを備えて構成される。なお、バンドパスフィルタ6、検波積分器7、メモリ8、比較器9、合焦判定回路10及び山登りサーボ制御回路11は合焦検出制御部12を構成する。また、合焦検出制御部12と、ズーム駆動制御部19及び絞り−ゲイン制御部16はカメラ合焦制御部(合焦制御手段)20を構成する。また、絞り13と絞り駆動部14は絞り部(絞り手段)15を構成する。
撮像センサ1は、撮像対象物の映像を捉えるものであり、CCDやCMOS等が用いられ、捉えた撮像対象物の映像に応じた撮像信号を出力する。フォーカスレンズ2は、撮像センサ1に焦点を合わすものである。フォーカスレンズ駆動部3は、フォーカスレンズ2を光軸上の合焦位置に移動させるものであり、モータ及びカム等の機構部と駆動回路並びにレンズ位置センサ(いずれも図示略)で構成される。増幅器4は、撮像センサ1から出力される撮像信号を整形し増幅する。カメラプロセス回路5は、増幅器4で増幅された撮像信号をNTSC方式やPAL方式等のテレビ映像信号に変換する。バンドパスフィルタ6は、合焦時のカメラプロセス回路5から出力されるY(輝度)信号のうち、合焦時に鮮明な映像成分として発生する数百KHz〜数MHzの周波数を通過させる。検波積分器7は、バンドパスフィルタ6の信号を検波積分する。
メモリ8は、フィールド間又はフレーム間の検波積分信号を保存する。比較器9は、フィールド間又はフレーム間の検波積分信号を前回のフィールド間又はフレーム間の検波積分信号や基準値等と比較する。合焦判定回路10は、内部にメモリを持ち以前の比較器9の出力を記憶しており、今回の比較器9の出力を検出し合焦か否かを判定する。山登りサーボ制御回路11は、信号処理のタイミングや合焦動作を制御する。合焦検出制御部12は、合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置での検波積分器7の出力が有意な値となるように絞り13を調整し、山登り方式の合焦制御を行うものである。
本実施の形態では、合焦検出制御部12を、バンドパスフィルタ6、検波積分器7、メモリ8、比較器9、合焦判定回路10及び山登りサーボ制御回路11で構成したが、それぞれの機能をプログラム化してマイコン制御するようにしても良い。なお、合焦検出制御部12、ズーム駆動制御部19及び絞り−ゲイン制御部16を備えたカメラ合焦制御部20もマイコン制御構成として良い。
絞り駆動部14は、絞りを調整するモータ等の機構及び回路並びに絞り量センサ(いずれも図示略)で構成されている。絞り−ゲイン制御部16は、合焦動作時以外は定められた増幅率に対し増幅器4の撮像信号出力が適正な値となるように絞り13を調整するオートアイリス動作を行い、合焦動作時に於いては合焦検出制御部12で指定された絞り値に対し増幅器4の撮像信号出力が指定前の絞り値の撮像信号出力と同等となるように増幅率を調整するいわゆる絞り優先のAGC機能を備えている。
ズームレンズ17は、撮像倍率を変化させるためのレンズである。ズームレンズ駆動部18は、ズームレンズ17を光軸上を移動させるものであり、モータ等の機構部と駆動回路並びにレンズ位置センサ(いずれも図示略)で構成されている。ズーム駆動制御部19は、外部からのWIDE、TELEのズーム指定によりズーム方向とズーム量を設定する。ND(減光)フィルタ21は、絞りレンジを拡大させるときに使用される。
以上のように構成された撮像装置について、図2を用いてその動作を説明する。まず、図2は図1における映像のY(輝度)信号のフィルタ後の検波積分器7の出力値を縦軸に、フォーカスレンズ2の移動方向を横軸にしたときの出力特性である。また、横軸左方向は遠(Far)方向、右方向は近(Near)方向の合焦方向を示しており、左右端はレンズ移動限界点であり、更に移動可能範囲:Lを4等分し、それぞれ範囲A,B,C,Dとする。
ここでは合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置をP点、合焦点をF点とした場合について説明する。合焦動作前での絞り−ゲイン制御部16のオートアイリス機能による絞り値をE1、増幅器4への増幅率をG1としたときの出力特性を特性Cha1とする。これは従来例で説明した図10に対応している。図2中の特性Cha2,3,4,5は絞り径を段々小さく(絞り値を増加)した場合の特性である。絞り径を小さくするに従って被写界深度が深くなる。ここで、絞り値と絞り量とは逆になり、絞りを絞り込むと絞り値は大きくなり、開くと絞り値は小さくなる。
絞り値をE2としたときとE1のときとが等しい撮像出力が得られるように、絞り−ゲイン制御部16により増幅器4の増幅率を増加させる。このときの増幅率をG2とする。特性Cha2は、絞り値がE2、増幅率がG2のときの特性である。同様に、特性Cha3は絞り値E3と増幅率G3、特性Cha4は絞り値E4と増幅率G4、特性Cha5は絞り値E5と増幅率G5のときの特性である。このとき、E1<E2<E3<E4<E5、G1<G2<G3<G4<G5の関係がある。また、図中の規定値:Kは、出力がノイズ成分よりも大きい有意な値であり、この値以上の特性値が得られたときに山登り方式による合焦動作を実行させる。また、図中の点Qは特性Cha3において増加が止まり、平坦になった場所の点であり、点Rは特性Cha2において増加が止まり、平坦になった場所の点である。この平坦の部分が被写界深度である。
図3及び図4は本実施の形態の撮像装置の動作を示すフロー図、図5は撮像装置の動作状態の遷移を説明するための図である。
図3において、電源が投入されたときに先ず合焦動作を行い(ステップST10)、次いで電源オフ(POWER OFF)されたかどうかを判定し(ステップST11)、電源オフされた場合は動作を終了し、オフされてない場合はPAN、TILT、WIDE-ZOOM、TELE-ZOOMの各種入力信号を取得する(ステップST12)。これらの信号は、PAN、TILT、WIDE-ZOOM、TELE-ZOOM等を行うユーザ操作部(図示略)より得られる。
次いで、入力信号の何れかがアクティブかどうかを判定し(ステップST13)、いずれか1つでもアクティブ状態であればステップST10に移行して合焦動作を行う。これに対して、いずれもアクティブ状態でない場合は、Y(輝度)信号1周期分を取得し(ステップST14)、映像シーンが変化しているか否かを検出する(ステップST15)。これは例えば図1における映像信号の検波積分器7の1周期分の信号Scを取得し、前回取得した検波積分器7の1周期分の信号をSpとし|Sc−Sp|を演算して、|Sc−Sp|≧V(Vは定数)のときにシーン変化があるとして(ステップS16)、ステップST10に移行して合焦動作を行う。これに対して、|Sc−Sp|がV未満の場合は電源がオフされるまで上記動作を繰り返し行う。
ここで、図5に示すように、電源投入後にアイドル状態からオートフォーカス状態となり、この状態はPAN、TILT、WIDE-ZOOM、TELE-ZOOMの各種入力信号のいずれかがアクティブ状態である場合に継続し、更に全てがアクティブ状態でなくても前回の映像のシーンに変化があった場合にオートフォーカス状態に移行する。
次に、図4のフロー図に従って合焦動作について説明する。図中ステップST50からステップST73はフローの各動作を示す。図2で説明したように合焦動作前の増幅器4の増幅率G1における絞り値をE1とした場合、先ずその絞り値E1を記憶する(ステップST50)。
また、現在の絞り値をEc、絞り値の最大値をEmxとする。なお、上述したように、絞り値と絞り量とは逆になり、絞りを絞り込むと絞り値は大きくなり、開くと絞り値は小さくなる。
次に、Y(輝度)信号の検波積分器7の出力信号を1フィールド又は1フレームである1周期分取得する(ステップST52)。このときの出力信号をScとし、その出力信号Scと規定値:Kとを比較し(ステップST53)K以上であれば、ステップST54に移行し、山登り方式による合焦動作を開始する。もし比較結果がK値未満であれば現在の絞り値をEcがEmxでないことを確認し(ステップST66)Mを正整数として絞り値をM段絞り(ステップST51)、Ec=[E1+M]とした後、1フィールド又は1フレームである1周期分のY(輝度)信号の検波積分器7の出力信号がK以上になるまで絞り値をM段ずつ大きくして行き、検波積分器7の出力信号がK以上になる絞り値になると、そのときから合焦動作を開始する。
山登りによる合焦動作開始のステップST54では、フォーカスレンズ2を先ずNear方向にW(ただしWは正整数)ステップ移動させ、検波積分器7の1周期分の出力信号Scを取得する(ステップST55)。そして、フォーカスレンズ2を移動させる前の1周期分の出力信号をSpとし、今回の出力信号Scが前回の出力信号Sp以上即ちSp≦Scであるかを判定する(ステップST56)。今回の出力信号Scが前回の出力信号Sp以上即ちSp≦Scである場合、ステップST57に移行する。ステップST57で、Ec=E1である場合、即ち合焦動作開始前のフォーカスレンズ2の位置が増幅率G1で絞り値E1による特性内にある場合であって、ステップST51に1度も移行していない場合である。別な言い方をすれば、合焦動作開始前からフォーカスレンズ2が合焦点付近例えば、図2のR点にある場合である。
Ec=E1である場合、山登り動作させるために、フォーカスレンズ移動ステップ数X(Xは正整数)をX=1とする(ステップST57)。そして、フォーカスレンズ2を同じ方向(Near方向であればNear方向、Far方向であればFar方向)にXステップ進める(ステップST58)。一方、ステップST56で、今回の1周期分の出力信号Scが前回の1周期分の出力信号Sp未満即ちSp>Scであれば、フォーカスレンズ2を2Wステップ逆方向に進める(ステップST61)。即ち、ステップST54でWステップ進めているので、その分を含めて2Wステップ逆方向に進める。
フォーカスレンズ2をXステップ進めた後、ステップST59で再度1周期分の信号を取り、これを新たな出力信号Scとし、フォーカスレンズ2をXステップ移動させる前の出力信号ScをSpとし、新たな出力信号Scと以前の出力信号Spの大きさを判定する(ステップST60)。ここで新たな出力信号Scが以前の出力信号Spを超える場合即ちSp<Scの場合、ステップST57に戻り、更に同じ方向にフォーカスレンズ2をXステップ進める(ステップST58)。即ち、山頂に到着していないとして更にフォーカスレンズ2をXステップ進める。この動作をSp≧Scとなるまで繰り返してフォーカスレンズ2をXステップずつ移動させて山登り動作をさせる。
フォーカスレンズ2をXステップずつ移動させて、Sp≧Scになれば、即ち山頂又は山頂を超えると、絞り値Ecを確認し、Ec>E1であるかどうか判定する(ステップST62)。即ち、現在の絞り値Ecが合焦動作開始時の絞り値E1を超える値であるかどうか即ちEc>E1であるかどうかを判定する。Ec>E1の場合は、合焦動作開始時のフォーカスレンズ2の位置が増幅率G1で絞り値E1による特性内になかったことを意味する。上述したように、フォーカスレンズ2が図2のP点にある場合である。
Ec>E1であれば、絞りをT(ただしTは正整数)段開く。ここでもし[Ec−T]<E1となったときはEc=E1とする。更に、Sc=Kとする(ステップST63)。次に、フォーカスレンズ2を前と同じ方向にZ(ただしZは正整数)ステップ移動させる(ステップST64)。フォーカスレンズ2を前と同じ方向にZステップ移動させた後、ステップST57に戻り、山登りによる合焦動作を継続しフォーカスレンズ2を移動させ、Ec=E1になるまで繰り返し絞りをT段ずつ開く。そして、Ec=E1となると、そのときのフォーカスレンズ2の位置を記憶し(ステップST65)、合焦動作を終了する。
一方、ステップST53でScが規定値:K未満の場合は、絞り値が最大値であるか否かを判定した後、最大値でないときは規定値以上になるまで繰り返し絞りをM段毎に絞り込む。このとき[Ec+M]>Emxとなったときは、Ec=Emxとする(ステップST66、ステップST51、ステップST52、ステップST53)。Ec=Emxのとき、つまり絞りを最小に絞り込んでもSc≧Kとならない場合例えば図2において合焦前のフォーカスレンズがNearリミットの直近にある場合は、ステップST67に進み、絞り値Ecを合焦動作前の絞り値E1に戻す。そして、フォーカスレンズ2の移動方向をFar方向に設定し、Nを正整数とするとき、現在の出力信号Scが規定値:K以上になるまで繰り返し、フォーカスレンズ2をNステップ毎移動する(ステップST68、ステップST69、ステップST70、ステップST71、ステップST72)。このときNearまたはFarリミットに当たれば反転させる(ステップST72、ステップST68、ステップST73)。現在の出力信号Scが規定値:K以上になったとき、ステップST54に移り山登りによる合焦動作を行う。
次に、図1、図4に基づき図2における合焦動作を説明する。合焦動作開始時では絞り値がE1であるため点Pでは、検波積分出力Sc<Kであり、Sc≧Kとなるまで絞り径を小さくする。絞り値Ec=E3、つまりY(輝度)信号の検波積分出力特性Cha3のときSc≧Kとなり、ここからフォーカスレンズ2をXステップずつ移動させながら山登り方式による合焦動作を行い、点Qに至る。
点QではSc=Spとなるために、絞り径をT段開き、絞り値Ec=E3−T=E2として合焦方向にZステップ移動させ、その後、出力特性Cha2に従って再び山登り方式による合焦動作を行い、フォーカスレンズ2をXステップずつ移動させながら点Rに至る。
点RではSc=Spとなるために、絞り径を更にT段開き、絞り値Ec=E2−T=E1として合焦方向にZステップ移動させ、その後、ステップST57でEc=E1であることからX=1とし、フォーカスレンズ2を1ステップずつ移動させ、出力特性Cha1に従って再び山登り方式による合焦動作を行い、点Fに至る。ステップST62で絞り値Ec=E1であることを確認し、その点Fを合焦点としステップST65で位置を記憶する。
以上のように、合焦動作前のフォーカスレンズ2の位置では検出できなかった出力特性を、絞り径を変化させて出力特性をサーフィンのように次々に乗り変えることにより合焦動作前の絞り径による出力特性にたどり着き合焦点を求める。
このように本実施の形態の撮像装置によれば、絞り−ゲイン制御部16を設けて、絞りを絞り込むことによって、フォーカスレンズ2の可動域におけるY(輝度)信号のフィルタ処理後の検波積分器7の出力特性の検出範囲を広げることができ、早い段階で山登り動作が可能となり合焦動作時間の短縮化が図れる。また、今までの山登り方式の合焦機能つき撮像装置に対し、少しの回路を付加する以外に付加部品を必要としないため、小型で比較的安価に実現できる。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2に係る撮像装置の羽根型絞りユニット及びその周辺部分を示す図である。図6に示すように本実施の形態の撮像装置の羽根型絞りユニット25は、複数の羽根型片を有する羽根型絞り23と、該羽根型絞り23を駆動する絞り駆動部24とを備える。羽根型絞り23は、図7の平面図に示すように複数の羽根を円状に組み込み一端を大円の周上に固定し、可動部となる長円状の穴に通した棒をもう一方の小円上に固定した構造を採り、大円を固定し小円を回転させることにより、絞り開口径を変化させることができるようにしたものである。絞り駆動部24は、小円を回転させるためのカム、モータ、ソレノイド等の機構部及び、駆動回路、絞り量センサ等(いずれも図示略)で構成されている。本実施の形態の撮像装置の合焦動作については、図1〜図5で示した実施の形態1と同じであるので省略する。羽根型絞りは多くのカメラで使用されているものであり信頼性が高い。この羽根型の絞りを用いることで信頼性が高く、比較的安価な絞り手段を得ることができる。
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3に係る撮像装置の液晶型絞りユニット及びその周辺部分を示す図である。図8に示すように本実施の形態の撮像装置の液晶型絞りユニット35は、透過型液晶素子を用いた液晶型絞り33と、この液晶型絞り33を駆動して透過面積を変化させる絞り駆動部34とを備える。液晶型絞り33は、図9の平面図に示すように、液晶を封入した合わせ硝子板の一方の面に複数の同心円状のITO(透明電極)を他方の面にベタ状ITOを設けるか又は両方の面に複数の同心円状のITOを設け、その上に偏向版を90度方向を違えて張り合わせたものである。透過させたい円状の両面のITOには逆相の電圧を、透過させたくない部分の電極には同相の電圧を印加することにより、絞り開口径を自由に変化させることができる。
本実施の形態の撮像装置の合焦動作については、図1〜図5で示した実施の形態1と同じであるので省略する。本実施の形態の撮像装置によれば、絞り手段として液晶型の絞りを設けることで絞り動作速度が格段に速くなり、更なる高速のオートフォーカスを実現することができる。
なお、上記実施の形態1〜3では、絞り手段(絞り部15、羽根型絞りユニット25、液晶型絞りユニット35)をズームレンズ17とフォーカスレンズ2との間に設けたが、ズームレンズ2の撮像対象物側に設けても同様に実施可能である。
また、上記実施の形態1〜3では、ズームレンズ17とフォーカスレンズ2を分離独立させたものであったが、ズームレンズとフォーカスレンズとを1連のレンズ群としたインナーフォーカスズームレンズが供されており、このようなレンズを使用した場合に於いてもズーム動作、フォーカス動作、絞り動作は全く同じように扱うことができる。
本発明は、絞り径を小さくし被写界深度を深くすることによりフィルタを通した検波積分出力特性の山の部分と裾野がフォーカスレンズ移動方向に広がり、合焦動作前でのレンズ位置と合焦点との距離が長い場合でも即座に山登り方式の合焦制御が可能となるために合焦動作時間を短縮することができるといった効果を有し、合焦機能を必要とする監視用、一般用ビデオカメラ、ディジタルカメラ等へのオートフォーカス撮像装置として有用である。
本発明の実施の形態1に係る撮像装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1に係る撮像装置の検波積分器出力特性を説明するための概略図 本発明の実施の形態1に係る撮像装置の動作説明のためのフロー図 本発明の実施の形態1に係る撮像装置の動作説明のためのフロー図 本発明の実施の形態1に係る撮像装置の動作状態の遷移を説明するための図 本発明の実施の形態2に係る撮像装置の羽根型絞りユニットとその周辺部分を示す図 図6の羽根型絞りユニットの羽根型絞りの構造を示す平面図 本発明の実施の形態3に係る撮像装置の液晶型絞りユニットとその周辺部分を示す図 図8の液晶型絞りユニットの液晶型絞りの構造を示す平面図 従来の撮像装置の検波積分器出力特性と合焦動作を説明するための図
符号の説明
1 撮像センサ
2 フォーカスレンズ
3 フォーカスレンズ駆動部
4 増幅器
5 カメラプロセス回路
6 バンドパスフィルタ
7 検波積分器
8 メモリ
9 比較器
10 合焦判定回路
11 山登りサーボ制御回路
12 合焦検出制御部
13 絞り
14、24、34 絞り駆動部
15 絞り部
16 絞り−ゲイン制御部
17 ズームレンズ
18 ズームレンズ駆動部
19 ズームレンズ駆動制御部
20 カメラ合焦制御部
23 羽根型絞り
25 羽根型絞りユニット
33 液晶型絞り
35 液晶型絞りユニット

Claims (4)

  1. フォーカスレンズと、
    前記フォーカスレンズをその光軸方向に前後に移動させるフォーカスレンズ駆動手段と、
    前記フォーカスレンズを透過する透過光の光路上に配置される撮像手段と、
    前記撮像手段に入射する光の量を調整する絞り手段と、
    前記撮像手段から出力される撮像信号の高周波成分を抽出するフィルタ手段と、
    前記フィルタ手段で抽出された高周波成分の大きさが前記フォーカスレンズの移動に従って山形の特性曲線をなすことを利用して山登り制御により合焦点の探索処理を行い、該探索処理において、合焦動作開始前の前記フォーカスレンズの位置での前記高周波成分の大きさが所定の規定値以上である場合には、山登り制御を行って合焦点を探索し、前記フォーカスレンズの位置での前記高周波成分の大きさが前記規定値未満である場合には、該規定値を超えるまで前記絞り手段の絞りの径を小さくし、該規定値を超えた時点から山登り制御を行って合焦点を探索し、前記探索で前記合焦点を発見できなければ、前記合焦点を探索できるまで前記絞り手段の絞りの径を所定量だけ大きくする毎に繰り返し山登り制御を行う合焦制御手段と、
    を備える撮像装置。
  2. 前記絞り手段は、複数の羽根型片を有する羽根型絞りと、該羽根型絞りを駆動する絞り駆動手段と、を備える請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記絞り手段は、透過型液晶素子を用いた液晶型絞りと、該液晶型絞りを駆動して透過面積を変化させる絞り駆動手段と、備える請求項1に記載の撮像装置。
  4. 撮像センサから出力される撮像信号を映像信号に変換して得られる輝度信号の高周波成分の大きさがフォーカスレンズの移動に従って山形の特性曲線をなすことを利用して山登り制御により合焦点を探索する撮像装置の合焦方法であって、
    合焦動作開始前の前記フォーカスレンズの位置での前記高周波成分の大きさが所定の規定値以上である場合には、山登り制御を行って合焦点を探索し、前記フォーカスレンズの位置での前記高周波成分の大きさが前記規定値未満である場合には、該規定値を超えるまで前記撮像センサに入射する光量を調整する絞りの径を小さくし、該規定値を超えた時点から山登り制御を行って合焦点を探索し、前記探索で前記合焦点を発見できなければ、前記合焦点を探索できるまで前記絞りの径を所定量だけ大きくする毎に繰り返し山登り制御を行う撮像装置の合焦方法。
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