JP2002122776A - オートフォーカス制御装置、それを備えたデジタルスチルカメラとデジタルビデオカメラおよびオートフォーカス制御方法、並びにオートフォーカス制御プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

オートフォーカス制御装置、それを備えたデジタルスチルカメラとデジタルビデオカメラおよびオートフォーカス制御方法、並びにオートフォーカス制御プログラムを記録した記録媒体

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JP2002122776A
JP2002122776A JP2000317233A JP2000317233A JP2002122776A JP 2002122776 A JP2002122776 A JP 2002122776A JP 2000317233 A JP2000317233 A JP 2000317233A JP 2000317233 A JP2000317233 A JP 2000317233A JP 2002122776 A JP2002122776 A JP 2002122776A
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focus lens
focus
lens
focusing
determining
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JP2000317233A
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Akira Yamanishi
明 山西
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 デジタルカメラの動作中にレンズの状態によ
って最適なAFサーチ範囲とフォーカスレンズのサンプ
リング位置を決定し、合焦時間の短縮と合焦精度とを両
立させ、レンズの状態に応じた膨大なAFサーチ範囲や
フォーカスレンズのサンプリング位置等のデータの設定
作業を不要とする。 【解決手段】 コントラスト検出方式のAF制御装置に
おいて、デジタルカメラの動作中に、過焦点距離にある
被写体に対して合焦するフォーカスレンズ位置と、合焦
可能な最至近距離にある被写体に対して合焦するフォー
カスレンズ位置とを算出して、AFを行う際のフォーカ
スレンズの移動範囲を決定する手段と、決定された範囲
を網羅し、かつ、他のサンプリング位置と被写界深度が
重ならないように、フォーカスレンズのサンプリング位
置を決定する手段とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタルカメラに
利用され、オートフォーカス(AF)を制御するAF制
御装置およびAF制御方法に関する。また、本発明はこ
のようなAF制御装置を備えたデジタルスチルカメラと
デジタルビデオカメラに関する。さらに、本発明はこの
ようなAF制御方法を実現するためのプログラムを記録
した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光学撮像系を用いて被写体像をC
CD素子等の固体撮像素子に結像させ、この固体撮像素
子から得られた映像信号をデジタル技術により記録媒体
に記録する方式のデジタルカメラが実用化されている。
【0003】これらのデジタルカメラには、AF制御装
置を備えたものが多く、中でも、画像の高周波成分を利
用して合焦動作を行うコントラスト検出方式は、他にセ
ンサーを必要としないため、広く実用化されている。
【0004】以下に、コントラスト検出方式によりAF
を制御する方法について説明する。コントラスト検出方
式のAF制御方法においては、ピントの合った画像には
エッジが多く含まれているために画像信号の高周波成分
が多く、ピントがずれた画像にはエッジが少ないために
画像信号の高周波成分が少ないということを利用してA
F動作を行う。
【0005】この方式では、フォーカスレンズを無限遠
から合焦可能な最至近距離までの範囲で1ステップ毎に
移動させ、各位置で画像信号の高周波成分を取り出し
て、AF制御のための評価値とする。そして、フォーカ
スレンズを無限遠から合焦可能な最至近距離まで1ステ
ップ毎に移動させた全位置について評価値を求め、評価
値が最大であった位置を合焦位置として、その位置にフ
ォーカスレンズを移動させることにより、被写体に合焦
させる。
【0006】しかし、この方法では、AF開始時のフォ
ーカスレンズ位置と、フォーカスレンズの合焦位置が近
い場合でも、無限遠から合焦可能な最至近距離まで、全
位置についてフォーカスレンズを移動させる必要がある
ため、合焦までのフォーカスレンズの移動回数が多くな
り、時間がかかる。このため、まず、予め設定しておい
た複数のサンプリング位置のみにフォーカスレンズを移
動させて評価値を求め(粗サーチ)、次に、上記フォー
カスレンズのサンプリング位置のうち、評価値が最大と
なった位置付近のみで1ステップ毎にフォーカスレンズ
を移動させて(詳細サーチ)合焦させる方法も提案され
ている(特開2000−98217号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報の手法を用いても、予め設定しておいたフォーカスレ
ンズのサンプリング位置が多い場合には粗サーチにかか
る時間が長くなり、少ない場合には詳細サーチを行う範
囲が広くなる。このため、フォーカスレンズのサンプリ
ング位置が適正に決められていなければ、AF動作にか
かる時間の短縮効果を得ることができない。
【0008】また、ズーム動作等によりデジタルカメラ
の動作中に焦点距離が変わった場合には、AFサーチ範
囲が変わるため、予め設定しておいたフォーカスレンズ
のサンプリング位置では不足するか、または多すぎて、
AF動作にかかる時間の短縮効果を充分に発揮すること
ができない。
【0009】さらに、予め各ズームレンズ位置毎にフォ
ーカスレンズのサンプリング位置を設定しておくとして
も、そのデータ量は膨大となり、また、レンズ仕様が変
わった場合に再度設定し直すときの作業工程も膨大なも
のになる。
【0010】本発明は、このような従来技術の課題を解
決するためになされたものであり、デジタルカメラの動
作中にレンズの状態によって最適なAFサーチ範囲とフ
ォーカスレンズのサンプリング位置を決定することによ
り、合焦時間の短縮と合焦精度とを両立させることがで
き、さらに、上記作業を自動化することにより、ズーム
レンズの状態に応じた膨大なAFサーチ範囲やフォーカ
スレンズのサンプリング位置等のデータの設定作業を不
要とすることができるオートフォーカス制御装置、それ
を備えたデジタルスチルカメラとデジタルビデオカメラ
およびオートフォーカス制御方法、並びにオートフォー
カス制御プログラムを記録した記録媒体を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のAF制御装置
は、フォーカスレンズを移動させて、撮像デバイスから
入力される画像信号の高周波成分が最大となる位置を合
焦位置として合焦動作を行う、コントラスト検出方式の
AF制御装置において、デジタルカメラの動作中に、過
焦点距離にある被写体に対して合焦するフォーカスレン
ズ位置と、合焦可能な最至近距離にある被写体に対して
合焦するフォーカスレンズ位置とを算出して、AFを行
う際のフォーカスレンズの移動範囲を決定する手段と、
決定された範囲を網羅し、かつ、他のサンプリング位置
と被写界深度が重ならないように、フォーカスレンズの
サンプリング位置を決定する手段とを備え、そのことに
より上記目的が達成される。
【0012】上記構成によれば、現在のレンズの状態を
判断して、それに応じたフォーカスレンズの移動範囲
(AFサーチ範囲)を自動的に設定することができる。
また、合焦可能な最至近距離から無限遠までの全ての被
写体距離にある被写体に対してピントを合わせるために
必要最小限なフォーカスレンズのサンプリング位置を自
動的に決定することができる。これにより、ズームレン
ズの状態に応じた膨大なデータを保持していなくても、
最適なフォーカスレンズのサンプリング位置をAF制御
に利用することができる。
【0013】本発明のAF制御装置は、デジタルカメラ
の動作中に、絞り値を検出する手段と、検出された絞り
値から被写界深度グラフを決定する手段とを備えた構成
とすることができる。
【0014】フォーカスレンズを被写体にピントの合う
位置にセットしたときに、被写体がぼけずに鮮明である
と判断できる範囲が被写体の前後に存在する。レンズ側
から見て、被写体の手前側を前方深度、後ろ側を後方深
度といい、前方深度と後方深度を合わせた範囲を被写界
深度という(図11参照)。被写界深度は絞り値(F
値)が大きくなるほど深くなり、焦点距離が長くなるほ
ど浅くなり、被写体が近いほど浅くなる。上記構成によ
れば、カメラ動作中にF値の変化を検出し、そのF値か
ら現在のレンズの状態にあった被写界深度グラフを決定
することができる。
【0015】本発明のAF制御装置は、デジタルカメラ
の動作中に、絞り値を検出する手段と、ズームレンズ位
置を検出する手段と、検出されたズームレンズ位置から
焦点距離を決定する手段と、検出された絞り値と決定さ
れた焦点距離とから被写界深度グラフを決定する手段と
を備えた構成とすることができる。
【0016】上記構成によれば、カメラ動作中にレンズ
の状態を判断し、その状態に応じて焦点距離を決定する
ことができる。さらに、カメラ動作中にF値の変化を検
出し、そのF値と焦点距離とから現在のレンズの状態に
あった被写界深度グラフを決定することができる。
【0017】本発明のAF制御方法は、フォーカスレン
ズを移動させて、撮像デバイスから入力される画像信号
の高周波成分が最大となる位置を合焦位置として合焦動
作を行う、コントラスト検出方式のAF制御方法におい
て、デジタルカメラの動作中に、過焦点距離にある被写
体に対して合焦するフォーカスレンズ位置と、合焦可能
な最至近距離にある被写体に対して合焦するフォーカス
レンズ位置とを算出して、AFを行う際のフォーカスレ
ンズの移動範囲を決定するステップと、決定された範囲
を網羅し、かつ、他のサンプリング位置と被写界深度が
重ならないように、フォーカスレンズのサンプリング位
置を決定するステップとを含み、そのことにより上記目
的が達成される。
【0018】本発明のAF制御方法は、デジタルカメラ
の動作中に、絞り値を検出するステップと、検出された
絞り値から被写界深度グラフを決定するステップとを含
んでいてもよい。
【0019】本発明のAF制御方法は、デジタルカメラ
の動作中に、絞り値を検出するステップと、ズームレン
ズ位置を検出するステップと、検出されたズームレンズ
位置から焦点距離を決定するステップと、検出された絞
り値と決定された焦点距離とから被写界深度グラフを決
定するステップとを含んでいてもよい。
【0020】本発明の記録媒体は、本発明のAF制御方
法を実現するプログラムを記録しており、そのことによ
り上記目的が達成される。
【0021】本発明のデジタルスチルカメラは、本発明
のAF制御装置を備えており、そのことにより上記目的
が達成される。
【0022】本発明のデジタルビデオカメラは、本発明
のAF制御装置を備えており、そのことにより上記目的
が達成される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0024】本発明は、画像信号の高周波成分を利用し
たコントラスト検出方式を用いて、粗サーチおよび詳細
サーチの2段階でAFを行うようなAF制御装置におい
て、粗サーチを行うためのフォーカスレンズのサンプリ
ング位置をレンズ仕様とレンズ状態から自動的に求める
ものである。
【0025】レンズ仕様とレンズ状態から得られる、
(1)レンズの主点の位置、(2)焦点距離、(3)近
接撮影限界距離、(4)F値および(5)散乱円直径に
より、最適なフォーカスレンズのサンプリング位置を決
定する。粗サーチを行うためのサンプリング位置は、
(1)最少限のサーチ位置で、(2)レンズの合焦可能
な全範囲をカバーすることができ、(3)合焦位置が存
在する範囲を特定することができるという位置を表わし
ている。他のサーチ位置における前方被写界深度および
後方被写界深度の範囲と重ならないように、各サンプリ
ング位置を決定することにより、上記条件を満たすこと
が可能となる。
【0026】本発明によれば、粗サーチ位置の設定をカ
メラ動作中に実行することができるため、ズーム動作に
よって焦点距離が変わったときや、マクロ撮影モード
時、F値が異なるとき等、様々な撮影状況に応じて適切
な位置を決定することができる。また、各パラメータ
は、主点を基点として決定されるので、レンズ構成が異
なっても適用可能である。
【0027】図1は本発明に係るAF制御装置を備えた
デジタルスチルカメラのハードウェア構成を示す図であ
る。
【0028】このデジタルスチルカメラにおいて、キー
入力部19には、電源のON/OFF時に操作される電
源キー、ズーム動作を行わせる際に操作されるズームキ
ー、画像を画像保存用記録媒体に記録させる際に操作さ
れる画像取り込みキー(シャッター)、録画モードから
再生モードへの切り換えと再生モードから録画モードへ
の切り換えを行う際に操作されるモード切り換えキー、
および画像保存用記録媒体に記録されている画像データ
に基づく画像を再生する際に操作される再生キー等、各
種のキーが設けられている。
【0029】撮像レンズ1、ズームレンズ2、フォーカ
スレンズ3および絞り4等を備えた光学撮像系を介して
得られた被写体の光画像は、撮像デバイスとしての固体
撮像素子、例えばCCD5上に結像される。上記ズーム
レンズ2、フォーカスレンズ3および絞り4は、ズーム
レンズ位置検出部6、フォーカスレンズ位置検出部7お
よび絞り検出部8により各々現在の状態が検出され、ズ
ームレンズ制御部9、フォーカスレンズ制御部10およ
び絞り制御部11により各々制御される。
【0030】上記CCD5は、結像された画像を光電変
換して電荷量に変換し、CCD制御部12からの転送パ
ルスによってアナログ電気画像信号として出力する。C
CD5から出力されたアナログ電気画像信号は、A/D
変換部13によりデジタル画像信号に変換され、CCD
信号処理部14に出力される。CCD信号処理部14で
は、デジタル電気画像信号を輝度信号と色差信号等の画
像信号に変換し、キー入力部19の映像取り込みキーが
押された場合には、圧縮回路15によりデータ圧縮を行
って、画像保存用記録媒体16に記録する。
【0031】さらに、CCD信号処理部14から出力さ
れる画像信号は、高周波成分検出部17にも出力され
る。高周波成分検出部17では、この画像信号の高周波
成分を抽出して、画像の特定領域での積算値をAF評価
値として算出し、このAF評価値をCPU18に出力す
る。プログラム格納用記録媒体20には、AF制御を含
むカメラ制御プログラムが格納されており、CPU18
により読み込まれる。CPU18は、上記制御プログラ
ムおよび上記AF評価値に基づいて、フォーカスレンズ
3をフォーカスレンズ制御部10を介して制御すること
により、オートフォーカス動作を行わせる。
【0032】ここで、合焦動作について説明する。カメ
ラに利用されるレンズは、複数のレンズで構成されてい
る場合が多く、レンズの位置を特定するのは困難であ
る。しかし、全体で1つのレンズとして機能するので、
仮想のレンズ位置を考えると便利である。このときの仮
想レンズの位置を主点という。図2に示すようなカメラ
では、結像面(CCD)の位置が不変であるため、例え
ば近距離の被写体にピントを合わせるときには、主点か
らCCDまでの距離bがfからb’になるように、主点
の位置を変えることにより合焦動作を行う。ところで、
主点の位置と実際のフォーカスレンズの位置の関係はレ
ンズの仕様で与えられるものであり、これらは1対1で
対応している。そのため、フォーカスレンズを移動させ
ることは、CCD位置を基準とした主点位置を変えるこ
とになる。従って、以下の説明では、「主点位置」と
「フォーカスレンズ位置」とを同義として扱うことにす
る。なお、主点には2種類があり、CCD側から平行光
線を入射させて、結像した点から焦点距離fだけ戻った
位置を第一主点、被写体側から平行光線を入射させて結
像した点から焦点距離fだけ戻った位置を第二主点とい
う(図3参照)。
【0033】しかし、本発明のAF制御方法では、被写
体と第一主点の間隔および第二主点とCCDの間隔のみ
が制御に必要な情報であるため、以後の説明は第一主点
と第二主点とを同一とする仮想レンズに基づいて行い、
第一主点および第二主点を共に「主点」と呼ぶことにす
る。
【0034】次に、上記AF評価値に基づくAF動作に
ついて、図4のフローチャートに従って説明する。
【0035】まず、キー入力部19の画像取り込みキー
が半押しされると、ステップS1において、ズームレン
ズ位置検出部6とフォーカスレンズ位置検出部7と絞り
検出部8により、各々ズームレンズ位置とフォーカスレ
ンズ位置とF値とが検出される。各検出部での位置の検
出は、完全に実装方法に依存する。例えば、駆動モータ
のパルスで検出したり、可変抵抗板を使用して電流値で
検出したりすることができる。
【0036】次に、ステップS2において、ズームレン
ズ位置が変わったと判断された場合には、ステップS3
においてズームレンズ位置から焦点距離を決定する。図
5は、このステップ3における焦点距離決定処理につい
ての詳細フローチャートである。本実施の形態では、レ
ンズの仕様として図6に示すようなズームレンズの位置
と焦点距離の対応表が与えられており、ステップS14
では、この表を用いて図4のステップS1で検出された
ズームレンズ位置から焦点距離を決定する。なお、ズー
ムレンズ位置が中間値の場合には、図6の表から例えば
比例計算等の補間処理により焦点距離を算出する。
【0037】次のステップS4からステップS9までは
フォーカスレンズのサンプリング位置を決定するための
処理である。
【0038】まず、ステップS4では、過焦点距離にあ
る被写体に対して合焦するフォーカスレンズ位置を決定
する。ここで、過焦点距離とは、ある距離(H)にピン
トを合わせると、後方の被写界深度(sb)が無限遠ま
でカバーするときの主点からH点までの距離のことであ
る(図7参照)。従って、H点より遠くはサンプリング
する必要がない。図8は、このステップS4における過
焦点距離に対して合焦するフォーカスレンズ位置決定処
理についての詳細フローチャートである。ステップS1
5では、過焦点距離Hを図4のステップS1で検出され
た絞り値Fと図4のステップS3で決定された焦点距離
fとから、下記式(1) H=f2/δF ・・・(1) H:過焦点距離(mm) f:焦点距離(mm) δ:許容錯乱円直径(mm) F:F値 によって算出する。ここで、許容錯乱円直径δとは、あ
る一点をCCDに結像させたときにCCD上で合焦とみ
なされる円の直径のことであり、デジタルスチルカメラ
の場合には、一般に、画素ピッチ×1.7程度とされて
いる。
【0039】ステップS16では、ステップS15で求
めた過焦点距離Hに対して合焦するときのフォーカスレ
ンズ位置bを、以下の結像式(2) 1/a+1/b=1/f ・・・(2) a:主点から被写体までの距離(mm) b:フォーカスレンズ位置(フォーカスレンズからCC
Dまでの距離)(mm) f:焦点距離(mm) において、a=Hとして算出する。
【0040】次に、ステップS5では、合焦可能な最至
近距離にある被写体に対して合焦するフォーカスレンズ
位置を算出し、この位置からステップS4で求めた過焦
点距離に対して合焦する位置までをAFサーチ範囲とす
る。図9は、このステップS5におけるAFサーチ範囲
決定処理についての詳細フローチャートである。ステッ
プS17では図4のステップS4で求めたフォーカスレ
ンズ位置をAFサーチ範囲の始点とする。次に、ステッ
プS18でレンズの仕様によって予め決まっている最至
近距離Lに対して合焦するときのフォーカスレンズ位置
を上記結像式(2)において、a=Lとして算出し、ス
テップS19ではステップS18で算出した位置をAF
サーチ範囲の終点とする。
【0041】次に、ステップS6では、ステップS1で
検出されたF値とステップS3で決定された焦点距離か
ら、被写界深度グラフを決定する。図10は、図4のス
テップS6における被写界深度グラフ決定処理について
の詳細フローチャートである。ステップS20では、以
下の式(3) sf=δFa2/(f2+δFa) ・・・(3) sf:前方深度(mm) δ:許容錯乱円直径(mm) F:F値 a:主点から被写体までの距離(mm) f:焦点距離(mm) 但し、上記結像式(2)より、 a=bf/(b−f) ・・・(4) a:主点から被写体までの距離(mm) b:フォーカスレンズ位置(フォーカスレンズからCC
Dまでの距離)(mm) f:焦点距離(mm) と、図4のステップS1で検出されたF値Fと、図4の
ステップS3で決定された焦点距離fから、フォーカス
レンズ位置bと前方深度sf(図11参照)との関係式
を決定する。
【0042】ステップS21では、上記と同様に、以下
の式(5) sb=δFa2/(f2−δFa) ・・・(5) sb:後方深度(mm) δ:許容錯乱円直径(mm) F:F値 a:主点から被写体までの距離(mm) f:焦点距離(mm) から、フォーカスレンズ位置bと後方深度sb(図11
参照)との関係式を決定する。このようにして求めた本
実施の形態の被写界深度グラフを図7に示す。
【0043】次に、ステップS7では、ステップS4で
求めた位置(過焦点距離に対する合焦位置)を第一サン
プリング位置とする。ステップS8では、前回決定され
たサンプリング位置の前方深度が後方深度位置となるよ
うなフォーカスレンズ位置を算出し、次のサンプリング
位置とする。そして、ステップS9において、ステップ
S8で決定されたサンプリング位置がステップS5で決
定されたAFサーチ範囲内(過焦点距離に対する合焦位
置から合焦可能な最至近距離に対する合焦位置)である
か否かを判断し、範囲内であれば再びステップS8にお
いて次にサンプリング位置を決定して、ステップS8と
ステップS9を繰り返し行うことにより順次サンプリン
グ位置を決定していく(図12参照)。また、ステップ
S9において、サンプリング位置がAF範囲から外れた
と判断された場合には、フォーカスレンズのサンプリン
グ位置決定手段を終了し、ステップS10以後のAF動
作に移る。
【0044】ステップS10からステップS12まで
は、AF制御方法の一例であって、粗サーチと詳細サー
チの2段階に分けて行う方法について示している。
【0045】ステップS10の粗サーチでは、ステップ
S8で決定されたサンプリング位置に順次フォーカスレ
ンズを移動させて、各々の位置におけるAF評価値を比
較し、評価値が最大となった位置にフォーカスレンズを
移動させる。この粗サーチによって画像の高周波成分が
最大となるサンプリング位置に移動したフォーカスレン
ズ位置の前後被写界深度内に合焦位置が存在する。
【0046】ステップS11では、ステップS10の粗
サーチで移動したフォーカスレンズ位置の後方深度を合
焦位置とするフォーカスレンズ位置を詳細サーチの始点
とし、前方深度を合焦位置とするフォーカスレンズ位置
を詳細サーチの終点として、詳細サーチを行う範囲を決
定する。
【0047】ステップS12の詳細サーチでは、ステッ
プS11で求めた詳細サーチの範囲を、例えば1ステッ
プずつフォーカスレンズを移動させ、AFを終了する。
このときのステップは、完全に実装方法に依存し、最少
ステップはレンズの精度およびサーチ時の焦点距離等に
より決定される。例えば、あるフォーカスレンズの仕様
では、10μm/ステップとされている。
【0048】実際のフォーカスレンズの動きについて、
図13を用いて説明する。
【0049】まず、フォーカスレンズをA→B→Cの順
に移動させて、粗サーチを行う。Bの被写界深度内に被
写体が存在しているため、ステップS10の粗サーチで
フォーカスレンズはBに移動される。
【0050】次に、Bの後方深度距離に対して合焦する
フォーカスレンズ位置Dと、前方深度距離に対して合焦
するフォーカスレンズ位置Eを算出し、DからEまでを
1ステップずつ詳細サーチを行い、AF評価値が最大と
なるFにフォーカスレンズを移動させる。
【0051】さらに、図4のステップS2においてズー
ムレンズ位置が変わっていないと判断された場合には、
ステップS13でさらにF値が変わったか否かを判断す
る。F値が変わると被写界深度も変わるため、ステップ
S4からのAFサーチ範囲の決定およびフォーカスレン
ズのサンプリング位置の決定を行う必要がある。ステッ
プS13でF値が変わっていないと判断された場合に
は、そのままステップS10からのAF処理に移る。
【0052】なお、本実施の形態では、AFを粗サーチ
と詳細サーチの2段階に分けて行ったが、粗サーチのみ
でも合焦位置の被写界深度内にピントを合わせることが
できるため、精度よりもスピードが要求されるような状
況では、詳細サーチを行わなくてもよい。また、本実施
の形態では、粗サーチおよび詳細サーチ共に、各々の範
囲を全てサーチしてから最もAF評価値の高い位置にフ
ォーカスレンズを移動させているが、処理の高速化を図
るために、山登りサーチを行うことも可能である。これ
は、サーチを行う過程で、AF評価値が減少し始めた場
合にAF評価値のピークが過ぎたと判断し、サーチを中
止して最高値を示した位置にフォーカスレンズを移動さ
せる方法である。
【0053】さらに、単焦点レンズでは、ズーム動作に
よる焦点距離の変化が無いため、図4のステップS2は
常にNOとなる。よって、ステップS13においてF値
が変わったと判断されたときのみ、ステップS4からの
処理を行えばよい。また、本実施の形態では、デジタル
スチルカメラを例に挙げたが、デジタルビデオカメラで
も同様の方法でAFを行うことができる。
【0054】以上、本発明の実施の形態について説明を
行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、そ
の要旨を逸脱しない範囲で種々に変形実施することが可
能である。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
カメラ動作中、自動的に設定されるフォーカスレンズの
サンプリング位置を、被写界深度を利用して決定してい
るため、フォーカスレンズがこれらの位置のみを移動す
る粗サーチだけでもピントを合わせることができる。さ
らに、精度を高めるためにフォーカスレンズを1ステッ
プずつ移動させる詳細サーチを行う場合でも、粗サーチ
によって合焦位置が存在する範囲が限定されているた
め、AF動作にかかる時間の短縮を図ることができる。
【0056】さらに、ズーム動作等によりレンズの状況
が変わっても、それを自動的に判断して、常に最適なA
Fサーチ範囲とフォーカスレンズのサンプリング位置と
を決定して利用することができる。また、上記作業を自
動化することにより、レンズの状態に応じた膨大なAF
サーチ範囲やフォーカスレンズのサンプリング位置等の
データの設定作業が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるデジタルスチルカメ
ラの構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態であるデジタルスチルカメ
ラにおけるフォーカス動作について説明するための図で
ある。
【図3】本発明の一実施形態であるデジタルスチルカメ
ラにおけるレンズ主点について説明するための図であ
る。
【図4】本発明の一実施形態であるデジタルスチルカメ
ラにおけるAFに関する処理のフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態であるデジタルスチルカメ
ラにおける焦点距離決定処理のフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態であるデジタルスチルカメ
ラにおいて、レンズ仕様として得られるズームレンズ位
置と焦点距離との対応表である。
【図7】本発明の一実施形態であるデジタルスチルカメ
ラにおける被写界深度グラフと過焦点距離について説明
するための図である。
【図8】本発明の一実施形態であるデジタルスチルカメ
ラにおける過焦点距離に対して合焦するフォーカスレン
ズ位置決定処理のフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態であるデジタルスチルカメ
ラにおけるAFサーチ範囲決定処理のフローチャートで
ある。
【図10】本発明の一実施形態であるデジタルスチルカ
メラにおける被写界深度グラフ決定処理のフローチャー
トである。
【図11】本発明の一実施形態であるデジタルスチルカ
メラにおける被写界深度について説明するための図であ
る。
【図12】本発明の一実施形態であるデジタルスチルカ
メラにおけるフォーカスレンズのサンプリング位置決定
処理について説明するための図である。
【図13】本発明の一実施形態であるデジタルスチルカ
メラにおけるフォーカス動作について説明するための図
である。
【符号の説明】
1 撮像レンズ 2 ズームレンズ 3 フォーカスレンズ 4 絞り 5 CCD 6 ズームレンズ位置検出部 7 フォーカスレンズ位置検出部 8 絞り検出部 9 ズームレンズ制御部 10 フォーカスレンズ制御部 11 絞り制御部 12 CCD制御部 13 A/D変換部 14 CCD信号処理部 15 圧縮回路 16 画像保存用記録媒体 17 高周波成分検出部 18 CPU 19 キー入力部 20 プログラム格納用記録媒体

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォーカスレンズを移動させて、撮像デ
    バイスから入力される画像信号の高周波成分が最大とな
    る位置を合焦位置として合焦動作を行う、コントラスト
    検出方式のオートフォーカス制御装置において、 デジタルカメラの動作中に、過焦点距離にある被写体に
    対して合焦するフォーカスレンズ位置と、合焦可能な最
    至近距離にある被写体に対して合焦するフォーカスレン
    ズ位置とを算出して、オートフォーカスを行う際のフォ
    ーカスレンズの移動範囲を決定する手段と、 決定された範囲を網羅し、かつ、他のサンプリング位置
    と被写界深度が重ならないように、フォーカスレンズの
    サンプリング位置を決定する手段とを備えたオートフォ
    ーカス制御装置。
  2. 【請求項2】 デジタルカメラの動作中に、絞り値を検
    出する手段と、 検出された絞り値から被写界深度グラフを決定する手段
    とを備えた請求項1に記載のオートフォーカス制御装
    置。
  3. 【請求項3】 デジタルカメラの動作中に、絞り値を検
    出する手段と、 ズームレンズ位置を検出する手段と、 検出されたズームレンズ位置から焦点距離を決定する手
    段と、 検出された絞り値と決定された焦点距離とから被写界深
    度グラフを決定する手段とを備えた請求項1に記載のオ
    ートフォーカス制御装置。
  4. 【請求項4】 フォーカスレンズを移動させて、撮像デ
    バイスから入力される画像信号の高周波成分が最大とな
    る位置を合焦位置として合焦動作を行う、コントラスト
    検出方式のオートフォーカス制御方法において、 デジタルカメラの動作中に、過焦点距離にある被写体に
    対して合焦するフォーカスレンズ位置と、合焦可能な最
    至近距離にある被写体に対して合焦するフォーカスレン
    ズ位置とを算出して、オートフォーカスを行う際のフォ
    ーカスレンズの移動範囲を決定するステップと、 決定された範囲を網羅し、かつ、他のサンプリング位置
    と被写界深度が重ならないように、フォーカスレンズの
    サンプリング位置を決定するステップとを含むオートフ
    ォーカス制御方法。
  5. 【請求項5】 デジタルカメラの動作中に、絞り値を検
    出するステップと、 検出された絞り値から被写界深度グラフを決定するステ
    ップとを含む請求項1に記載のオートフォーカス制御方
    法。
  6. 【請求項6】 デジタルカメラの動作中に、絞り値を検
    出するステップと、 ズームレンズ位置を検出するステップと、 検出されたズームレンズ位置から焦点距離を決定するス
    テップと、 検出された絞り値と決定された焦点距離とから被写界深
    度グラフを決定するステップとを含む請求項1に記載の
    オートフォーカス制御方法。
  7. 【請求項7】 請求項4乃至請求項6のいずれかに記載
    のオートフォーカス制御方法を実現するプログラムを記
    録した記録媒体。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    のオートフォーカス制御装置を備えたデジタルスチルカ
    メラ。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    のオートフォーカス制御装置を備えたデジタルビデオカ
    メラ。
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