JP2006264229A - インクジェット記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた表面光沢と写像性、および高いインク吸収性を有するインクジェット記録材料を提供する。
【解決手段】支持体の少なくとも一方の面に、インク吸収層、光沢発現層を順次積層し、かつ該光沢発現層を湿潤状態にある間に加熱させた鏡面ロールに圧接、乾燥してキャスト処理するインクジェット記録材料であって、該インク吸収層にアルカリ可溶性共重合体の中和物の存在下に、単量体を重合して得られる共重合体ラテックスを含有し、該アルカリ可溶性共重合体が、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物の存在下でエチレン性不飽和カルボン酸単量体5〜80質量%およびこれと共重合可能なその他の単量体20〜95質量%からなる単量体混合物を重合して得られるものであることを特徴とするインクジェット記録材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は特に優れた表面光沢と写像性、及び高いインク吸収性を有するインクジェット記録材料に関するものである。
インクジェット記録方式は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙等の記録シートに付着させ、画像、文字等の記録を行うものである。該記録方式は、高速、低騒音、多色化が容易、現像および定着が不要である等の特徴があり、漢字を含め各種図形およびカラー画像等の記録装置として急速に普及している。更に、多色インクジェット方式により形成される画像は、解像度、および色再現範囲の拡大により、フルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。これに伴い、従来のマット調から、高い表面光沢と、更には写像性をも兼ね備えたインクジェット記録材料が強く要望される様になってきている。
ここで写像性とは、塗膜表面に物体が映った時、その像がどの程度鮮明に、また、歪みなく映し出されるかの指標であり、特に、自動車ボディー塗装の美観要素を決定づける重要な特性である。その測定方法は、JIS H 8686で規定されている。
インクジェット記録材料に表面光沢を付与する方法として、スーパーカレンダー、グロスカレンダー等のカレンダー装置を用い、圧力や温度をかけたロール間に通紙することで塗工層表面を平滑化する方法が一般的である。しかしながら、インクジェット記録シートに表面光沢を付与する目的で、高線圧下でカレンダー処理を行うと、表面光沢は向上するが、塗工層中の空隙が減少し、インク吸収性の悪化を招くことになる。故に、カレンダー処理により、表面光沢とインク吸収性を同時に満たすことは、現状では困難である。
カレンダー処理によらない表面光沢付与の方法として、一般にキャストコート紙と呼ばれる印刷用強光沢塗工シートの製造方法(以下キャスト処理法と略す)が知られている。このキャスト処理法としては、湿潤状態にある塗工層を加熱された鏡面ロール(以下キャストドラムと略す)に圧接する直接法、湿潤状態の塗工層を一旦乾燥した後、再湿潤により可塑化してキャストドラムに圧接する再湿潤法、湿潤状態の塗工層を凝固状態にしてキャストドラムに圧接する凝固法が知られており、キャスト処理法によるインクジェット記録材料の製造も既に公知である。
さらに表面光沢性を高めたインクジェット記録材料として、光沢発現層にアルミナを用いたキャスト処理法によるインクジェット記録材料(例えば、特許文献1、2参照)が開示されている。しかし何れの提案においても、インクジェット記録材料として不可欠な高いインク吸収性と、強い表面光沢や写像性の相反する両特性を十分に満たすには至っていない。更に、前記した写像性については、これら従来の方法では、印画紙基材(ポリオレフィン樹脂被覆紙)あるいはフィルム基材を用いて製造された記録材料に匹敵する高い光沢性と均一な写像性を有する記録材料がないのが現状である。
特開2003−94801号公報 特開2000−166645号公報
本発明は、上記課題を解決し、高いインク吸収性を保ちつつ、優れた表面光沢と写像性を有するインクジェット記録材料を提供することを目的とした。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、支持体の少なくとも一方の面に、インク吸収層、光沢発現層を順次積層し、かつ該光沢発現層を湿潤状態にある間に加熱させた鏡面ロールに圧接、乾燥してキャスト処理するインクジェット被記録材料であって、該インク吸収層にアルカリ可溶性共重合体の中和物の存在下に、単量体を重合して得られる共重合体ラテックスを含有し、該アルカリ可溶性共重合体が、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物の存在下でエチレン性不飽和カルボン酸単量体5〜80質量%およびこれと共重合可能なその他の単量体20〜95質量%からなる単量体混合物を重合して得られるものであることを特徴とすることにより優れた品質特性を有するインクジェット材料が得られることを見いだした。
本発明のインクジェット記録材料は、優れた表面光沢と写像性を有しつつ、かつ高いインク吸収性を有する。
以下に、本発明のインクジェット記録材料について詳細に説明する。
本発明で用いられる共重合体ラテックスは、アルカリ可溶性共重合体の中和物の存在下に、単量体を重合して得られたものであって、該アルカリ可溶性共重合体は、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物の存在下で、エチレン性不飽和カルボン酸単量体5〜80質量%およびこれと共重合可能なその他の単量体20〜95質量%からなる単量体混合物を重合して得られるものである。
アルカリ可溶性共重合体の製造に用いるアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物は、水溶性高分子化合物のうち、分子量1000当りにアルコール性水酸基を5〜25個含有しているものをいい、例えば、ポリビニルアルコールおよびその各種変性物などのビニルアルコール系重合体;酢酸ビニルとアクリル酸、メタクリル酸または無水マレイン酸との共重合体のけん化物;アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルヒドロキシアルキルセルロースなどのセルロース誘導体;アルキル澱粉、カルボキシルメチル澱粉、酸化澱粉などの澱粉誘導体;アラビアゴム、トラガントゴム;ポリアルキレングリコールなどを挙げることができる。中でも、工業的に品質が安定したものを入手しやすい点から、ビニルアルコール系重合体が好ましい。
アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物の分子量は、特に限定されないが、通常1,000〜500,000、好ましくは2,000〜300,000である。分子量が1,000より小さいと、分散安定効果が低くなり、逆に500,000より大きいとこれの存在下で重合するときの粘度が高くなり、重合が困難になる。
アルカリ可溶性共重合体の製造に使用するアルコール性水酸基含有水溶性高分子の量は、単量体100質量部に対して、通常、0.05部〜20質量部、好ましくは1〜10質量部である。0.05質量部より少ないと分散安定効果が低くなるので、重合時に凝集物が発生し、逆に20質量部より多くなると、重合するときの粘度が高くなり、重合が困難になる。
アルカリ可溶性共重合体の製造に使用するエチレン性不飽和カルボン酸単量体は、特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸などのエチレン性不飽和モノカルボン酸単量体;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ブテントリカルボン酸などのエチレン性不飽和多価カルボン酸単量体;フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノ2−ヒドロキシプロピルなどのエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル単量体;無水マレイン酸、無水シトラコン酸などの多価カルボン酸無水物;などを挙げることができる。これらのなかでも、(メタ)アクリル酸などのエチレン性不飽和モノカルボン酸が好適である。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体の使用量は、アルカリ可溶性共重合体の製造に使用する単量体混合物の5〜80質量%、好ましくは10〜50質量%である。この量が5質量%より少なくなると、共重合体がアルカリに可溶とならず、逆に80質量%より多くなると、分散安定効果が低下する。
アルカリ可溶性共重合体の製造に使用することのできる、エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能なその他の単量体は、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体;(メタ)アクリルニトリルなどのシアノ基含有エチレン性不飽和単量体;アリルグリシジルエーテルなどのエチレン性不飽和グリシジルエーテル単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、 N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのエチレン性不飽和アミド単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどの共役ジエン単量体;酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステルなどが挙げられる。これらの単量体は単独でまたは2種以上を組合せて用いることができる。
アルカリ可溶性共重合体の製造に用いる単量体混合物のうち、20℃における水100gへの溶解度が0.2gより小さい単量体の使用量は、通常、30質量%以下とする。この量が30質量%より多くなると、共重合体がアルカリに可溶とならなくなる恐れがあり、分散安定化剤として適さなくなる。
アルカリ可溶性共重合体は、上記単量体混合物を水媒体中で、アルコール性水酸基含有水溶性高分子の存在下に重合することによって得る。この際、アルコール性水酸基含有水溶性高分子および単量体混合物は、重合開始前に反応器に一括して添加または重合開始後に分割添加あるいは連続添加してもよい。分割添加あるいは連続添加する場合、添加量は均等にあるいは一定にすることもでき、重合の進行段階に応じて変えることもできる。
アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物と単量体混合物とは、それぞれ別々に添加しても、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物、単量体混合物および水を混合して得られる単量体分散化物の形態で添加しても構わない。アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物と単量体とを別々に添加する場合は、両者の添加をほぼ同時に開始するのが望ましい。単量体混合物のみが先に多量に添加されると凝集物が発生しやすく、逆に、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物のみが先に多量に添加されると重合系が増粘する、または凝集物が発生しやすくなるなどの問題が起きやすい。両者の添加終了は、必ずしも同時である必要はないがほぼ同時であることが望ましい。
アルコール性水酸基含有水溶性高分子と単量体混合物の添加方法のうち、アルコール性水酸基含有水溶性高分子を単量体混合物および水と混合して分散化して、重合開始後に反応器に添加する方法が、アルカリ可溶性共重合体の高分子鎖におけるエチレン性不飽和酸単量体の連鎖分布が均一になるので好ましい。
アルカリ可溶性共重合体の製造に用いることのできる重合開始剤は、特に限定されない。具体例としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水素などの無機過酸化物;ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどの有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソ酪酸メチルなどのアゾ化合物などを挙げることができる。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。その使用量は、その種類によって異なるが、単量体混合物100質量部に対して、通常0.5〜5質量部、好ましくは0.8〜4質量部である。
また、これらの重合開始剤は還元剤との組み合わせで、レドックス系重合開始剤として使用することもできる。レドックス系重合開始剤の還元剤は特に限定されず、その具体例としては、硫酸第一鉄、ナフテン酸第一銅などの還元状態にある金属イオンを含有する化合物;メタンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸化合物;ジメチルアニリンなどのアミン化合物;などが挙げられる。これらの還元剤は単独でまたは2種以上を組合せて用いることができる。還元剤の使用量は、還元剤によって異なるが、重合開始剤1質量部に対して0.03〜10質量部であることが好ましい。
アルカリ可溶性共重合体の製造に際しては、連鎖移動剤を使用することが好ましい。連鎖移動剤に、特に制限はないが、連鎖移動の効率の点でメルカプト基を有する化合物が好ましい。その中でも、炭素数20以下の化合物であるn−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのアルキルメルカプタン、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸などが特に好ましい。連鎖移動剤を使用する場合、その添加量は、単量体混合物100質量部に対して、通常、1〜15質量部、好ましくは5〜12質量部である。連鎖移動剤が、1質量部より少ないと、中和後の粘度が高くなり取扱いが困難になり、また、15質量部より多くなると、得られる重合体の分子量が著しく低下し、分散安定化剤として機能しなくなる。連鎖移動剤の添加方法は、特に限定されず、一括添加しても、断続的にまたは連続的に重合系に添加してもよい。
アルカリ可溶性共重合体を製造する時の重合温度は、通常、0〜100℃、好ましくは30〜90℃である。
本発明でいうアルカリ可溶性共重合体の中和物の中和度に、特に限定はないが、通常、その中和度(エチレン性不飽和カルボン酸単量体のモル当量に対する塩基性物質のモル当量)が70%以上、好ましくは95%以上である。
アルカリ可溶性共重合体を中和するために用いる塩基性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア;トリエチルアミン、トリエタノールアミンなどのアミン類;など、もしくはこれらの混合物が用いられる。これらのうち、アンモニアが好適である。
共重合体ラテックスを製造する際に使用できる単量体は、特に限定されない。その具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体;(メタ)アクリルニトリルなどのシアノ基含有エチレン性不飽和単量体;アリルグリシジルエーテルなどのエチレン性不飽和グリシジルエーテル単量体;(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミドなどのエチレン性不飽和アミド単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどの共役ジエン単量体;酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル;アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、マレイン酸モノエチルなどのエチレン性不飽和カルボン酸単量体;ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの架橋性単量体などが挙げられる。これらの単量体は単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルカリ可溶性共重合体の中和物と単量体との比率は、通常、単量体100質量部に対して、アルカリ可溶性共重合体の中和物(固形分換算)が10〜200質量部、好ましくは30〜150質量部、さらに好ましくは50〜100質量部である。アルカリ可溶性共重合体の中和物が10質量部より少ないと、単量体の分散安定効果が低くなり、凝集物が発生しやすく、逆に、200質量部より多くなると、得られる共重合ラテックスの粘度が高くなり、取扱いが困難になる場合がある。
共重合ラテックスは、水媒体中で、アルカリ可溶性共重合体の中和物の存在下に、単量体を重合することによって得る。この際、アルカリ可溶性共重合体の中和物および単量体は、重合開始前に反応器に一括して添加または重合開始後に分割添加あるいは連続添加してもよい。分割添加あるいは連続添加する場合、添加量は均等にあるいは一定にすることもでき、重合の進行段階に応じて変えることもできる。
また、アルカリ可溶性共重合体の中和物と単量体とは、それぞれ別々に添加しても、アルカリ可溶性共重合体の中和物、単量体および水を混合して得られる単量体分散化物の形態で添加しても構わない。アルカリ可溶性共重合体の中和物と単量体とを別々に添加する場合は、単量体混合物のみが先に多量に添加されると凝集物が発生しやすくなる恐れがあるので、両者の添加をほぼ同時に開始するか、予めアルカリ可溶性共重合体の中和物を先に添加した後に単量体の添加を開始することが望ましい。
重合開始剤および連鎖移動剤は、前述のものから適宜選定して使用できる。ラテックスを製造する際に通常使用される乳化剤は、アルカリ可溶性共重合体の中和物が分散安定化作用を有する為、特に必要としない。共重合ラテックスを製造する時の重合温度は、通常、0〜100℃、好ましくは30〜90℃である。
本発明のインク吸収層はバインダーとして、前述の共重合体ラテックスを該インク吸収層中の顔料100質量部に対して、好ましくは5〜70質量部、更に好ましくは15〜50質量部含有する。該インク吸収層の塗工量としては、好ましくは、4〜20g/m2の範囲である。
また、本発明に係わるインク吸収層には他の以下のバインダーを適宜組み合わせて用いることができる。本発明において優れた効果を有するためには、該インク吸収層中の全バインダー含有量に対して含有量50質量%未満が好ましい。
本発明に係るインク吸収層とキャスト処理によって塗設される光沢発現層に配合されるバインダーには、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール又はその誘導体;ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス;エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス;或いはこれら各種重合体のカルボキシ基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス;或いはこれら各種重合体にカチオン基を用いてカチオン化したもの、カチオン性界面活性剤にて重合体表面をカチオン化したもの、カチオン性ポリビニルアルコール下で重合し重合体表面に該ポリビニルアルコールを分布させたもの、カチオン性コロイド粒子の懸濁分散液中で重合を行い、重合体表面に該粒子が分布しているもの等;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂等の水性バインダー;ポリメチルメタクリレート等のアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体樹脂;ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系バインダー等を挙げることができる。
本発明に係るインク吸収層には、以下の顔料或いは粒子を1種以上用いることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナ水和物、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロサイト、水酸化マグネシウム等の無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。上記の中でもインク吸収層に主体成分として含有する顔料としては、多孔性無機顔料が好ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性炭酸マグネシウム、多孔性アルミナ等が挙げられ、特に細孔容積の大きい多孔性合成非晶質シリカが好ましい。
本発明に係わる光沢発現層には顔料としてコロイド粒子を含有することが好ましい。本発明に係るコロイド粒子とは、水中に懸濁分散してコロイド状をなしているものであり具体的には、コロイダルシリカ、気相法シリカ、ベーマイト、擬ベーマイト等のアルミナゾルやコロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和物、或は特公昭47−26959号公報に開示されているようなコロイド状シリカ粒子表面をアルミナコーティングした粒子等の無機粒子が挙げられ、これらを2種以上併用することも可能である。
光沢発現層中で用いられるコロイド粒子としては、一次粒子径が50nm以下であるものが好ましく用いられる。中でも、コロイダルシリカ、アルミナゾル、及び気相法シリカが特に好ましく用いられる。ここで、気相法シリカとは、気相法による合成シリカ微粒子のことである。一次粒子径が50nmを越えて大きくなると、不透明性が生じ、高い表面光沢と写像性が得られにくくなる。
本発明での光沢発現層に含有されるアルミナ水和物は、下記の一般式により表すことができる。
Al23・nH2
アルミナ水和物は組成や結晶形態の違いにより、ジプサイト、バイアライト、ノルストランダイト、ベーマイト、ベーマイトゲル(擬ベーマイト)、ジアスポア、無定形非晶質等に分類される。中でも、上記の式中、nの値が1である場合はベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1を越え3未満である場合は擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが3以上では非晶質構造のアルミナ水和物を表す。特に、本発明に好ましいアルミナ水和物は、少なくともnが1を越え3未満の擬ベーマイト構造のアルミナ水和物である。
本発明に用いられるアルミナ水和物の形状は、平板状、繊維状、針状、球状、棒状等のいずれでもよく、インク吸収性の観点から好ましい形状は平板状である。平板状のアルミナ水和物は、平均アスペクト比3〜8であり、好ましくは平均アスペクト比が3〜6である。アスペクト比は、粒子の「厚さ」に対する「直径」の比で表される。ここで粒子の直径とは、アルミナ水和物を電子顕微鏡で観察したときの粒子の投影面積に等しい円の直径を表す。
本発明に用いられるアルミナ水和物は、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等公知の方法によって製造することができる。また、アルミナ水和物の粒子径、細孔径、細孔容積、比表面積等の物性は、析出温度、熟成温度、熟成時間、液のpH、液の濃度、共存化合物等の条件によって制御することができる。
本発明のインクジェット記録材料には、市販のアルミナ水和物も好適に用いることができる。以下にその一例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、アルミナ水和物としては、アルミナゾル520(以上、日産化学工業社製)、アルミゾル10、アルミゾル20、アルミゾル132、アルミゾル132S、アルミゾルSH5、アルミゾルCSA55、アルミゾルSV102、アルミゾルSB52(以上、川研ファインケミカル社製)などを挙げることができる。
本発明のインクジェット記録材料で使用される支持体としては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の木材パルプ、及びケナフ、バガス、竹、コットン等の非木材パルプと従来公知の顔料を主成分として、バインダー、及びサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種装置で製造された原紙、更に原紙に、澱粉、ポリビニルアルコール等でのサイズプレスやアンカーコート層を設けた原紙や、それらの上にコート層を設けたアート紙、コート紙、キャストコート紙等の塗工紙も含まれる。この様な原紙、及び塗工紙に、本発明におけるインクジェット記録シートの塗工層を直接設けても良いし、平坦化をコントロールする目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を使用しても良い。又、該支持体の坪量としては、通常40〜300g/m2であるが、特に制限されるものではない。
該光沢発現層中のバインダーの配合量は、顔料100質量部に対して、好ましくは5〜70質量部、さらに好ましくは、10〜50質量部である。該光沢発現層の塗工量としては、適用する顔料やバインダーの種類及び量、インクジェット記録装置の種類により異なるが、好ましくは4〜20g/m2の範囲である。
また、該インク吸収層、及び該光沢発現層には、その他の添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、染料定着剤等を適宜配合することができる。
本発明に係る該インク吸収層、及び該光沢発現層は、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、カーテンコーター、ショートドウェルコーター、サイズプレス等の各種装置を用い、オンマシン或いはオフマシンで塗設される。
該インク吸収層を塗設、乾燥した後、該光沢発現層を塗設する前に、平坦化をコントロールする目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を使用しても良い。
本発明に用いられるキャスト処理法は、前述したように、直接法、再湿潤法(リウェット法)、及び凝固法があり、本発明においては上記の何れの方法も用いることができるが、好ましくは再湿潤法であり、より好ましくは凝固法である。以下にそれぞれの方法について具体的に説明する。
直接法は、光沢発現層を塗工後、該塗工層がほとんど乾燥されていない状態で、90℃から120℃に加熱されたキャストドラム(鏡面ロール)を圧接し、キャストドラムの熱で塗工層を乾燥する方法である。
再湿潤法(リウェット法)は光沢発現層を塗工し、完全もしくは半ば乾燥した後、再湿潤液で塗工層を湿潤し、湿潤した状態で上記と同様に加熱されたキャストドラムを圧接し、塗工層を乾燥する方法である。
凝固法は光沢発現層を塗工後、該塗工層がほとんど乾燥されていない状態で、凝固液で処理して流動性のないゲル状態にした後、上記と同様に加熱されたキャストドラムを圧接して塗工層を乾燥する方法である。凝固液とは凝固剤の水溶液をいう。該凝固剤として、例えば、蟻酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩酸、硝酸、リン酸、リンゴ酸、アクリル酸等のカルシウム、亜鉛、バリウム、鉛、マグネシウム、カドミウム、アルミニウム等との各種金属塩やアンモニウム塩等から選ばれる少なくとも1種以上が用いられるが、塗層中の結着剤を効果的に凝固させるとの観点から、蟻酸カルシウムが好ましく用いられる。該凝固液の濃度としては、1〜25質量%が好ましい。凝固処理としては、塗工層を凝固液に浸漬する方式、塗工層にシャワー方式で噴霧する方式、ニップローラーと塗工層との間に凝固液を供給する方式等がある。
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」および「%」は、特に明示しない限り質量部および質量%を示す。
実施例
<共重合体ラテックスAの調製>
メタクリル酸メチル73部、メタクリル酸27部、チオグリコール酸オクチル7部、重合度550、けん化度88モル%のポリビニルアルコール4部およびイオン交換水50部を混合、攪拌して、単量体混合物の分散物を得た。一方、攪拌機付き反応器の内部を窒素置換した後、イオン交換水230部を仕込み、80℃に加熱、5%過硫酸カリウム水溶液40部を反応器に添加後、80℃に保持された反応器に、前記単量体混合物の分散物を2時間かけて連続添加して重合させた。単量体混合物の分散物添加終了後、さらに30分間80℃に保持して、アルカリ可溶性共重合体の水分散液を得た。得られたアルカリ可溶性共重合体の水分散液に、共重合体を構成するメタクリル酸と当モル量となるように28%のアンモニア水を添加後、固形分濃度を調整して、25%のアルカリ可溶性共重合体の中和物水溶液とした。次に、メタクリル酸メチル30部、アクリル酸ブチル69.2部およびテトラエチレングリコールジメタクリレート0.8部を混合し単量体混合物を得た。一方、攪拌機付き反応器の内部を窒素置換した後、上記で得られたアルカリ可溶性共重合体中和物の水溶液(A)を固形分換算で70部仕込み、80℃に加熱、5%過硫酸カリウム水溶液12.6部を反応器に添加後、80℃に保持された反応器に前記単量体混合物を2時間かけて連続添加して重合させた。単量体混合物添加終了後、さらに3時間重合させてから30℃に冷却し、固形分濃度44%、pH7.0の共重合体ラテックスAを得た。
<共重合体ラテックスBの調製>
メタクリル酸メチル73部、メタクリル酸27部をメタクリル酸メチル30部、アクリル酸エチル20部、スチレン5部、メタクリル酸45部に単量体組成を変更し、乳化剤の重合度550、けん化度88モル%のポリビニルアルコールを8部に変えた他は、製造例1と同様の方法で、固形分濃度25%のアルカリ可溶性共重合体の中和物の水溶液を得た。次に、アクリル酸ブチル39.2部、スチレン50部、アクリル酸2−エチルヘキシル10部およびテトラエチレングリコールジメタクリレート0.8部を混合し単量体混合物を得た。一方、攪拌機付き反応器の内部を窒素置換した後、共重合体ラテックスAで得られたアルカリ可溶性共重合体中和物の水溶液(A)を固形分換算で100部仕込み、80℃に加熱、5%過硫酸カリウム水溶液12.6部を反応器に添加後、80℃に保持された反応器に前記単量体混合物を2時間かけて連続添加して重合させた。単量体混合物添加終了後、さらに3時間重合させてから30℃に冷却し、固形分濃度44%、pH7.0の共重合体ラテックスBを得た。
<インク吸収層塗布液Aの作製>
多孔質顔料として合成非晶質シリカ(ミズカシルP78D:水澤化学工業社製)を100部、バインダーとして前述調製例の共重合ラテックスAを50部、カチオン性染料定着剤として変性ポリアミド系樹脂(スミレーツレジン1001:住友化学工業社製)20部、湿潤剤としてアセチレングリコール(サーフィノール465:日信化学工業社製)0.2部を秤量し、水に加えてインク吸収層塗布液Aを固形分濃度15%で調合して得た。
<インク吸収層塗布液Bの作製>
共重合ラテックスAを10部にした以外は<インク吸収層塗布液A>と同様にして<インク吸収層塗布液B>を得た。
<インク吸収層塗布液Cの作製>
共重合ラテックスAを共重合ラテックスBにした以外は<インク吸収層塗布液A>と同様にして<インク吸収層塗布液C>を得た。
<インク吸収層塗布液Dの作製>
共重合ラテックスBを10部にした以外は<インク吸収層塗布液C>と同様にして<インク吸収層塗布液D>を得た。
<インク吸収層塗布液Eの作製>
多孔質顔料として合成非晶質シリカ(ミズカシルP78D:水澤化学工業社製)を100部、バインダーとして前述調製例の共重合ラテックスAを40部、ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)10部、カチオン性染料定着剤として変性ポリアミド系樹脂(スミレーツレジン1001:住友化学工業社製)20部、湿潤剤としてアセチレングリコール(サーフィノール465:日信化学工業社製)0.2部を秤量し、水に加えてインク吸収層塗布液Eを固形分濃度15%で調合して得た。
<インク吸収層塗布液Fの作製>
多孔質顔料として合成非晶質シリカ(ミズカシルP78D:水澤化学工業社製)を100部、バインダーとして前述調製例の共重合ラテックスAを10部、ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)40部、カチオン性染料定着剤として変性ポリアミド系樹脂(スミレーツレジン1001:住友化学工業社製)20部、湿潤剤としてアセチレングリコール(サーフィノール465:日信化学工業社製)0.2部を秤量し、水に加えてインク吸収層塗布液Fを固形分濃度15%で調合して得た。
<インク吸収層塗布液Gの作製>
多孔質顔料として合成非晶質シリカ(ミズカシルP78D:水澤化学工業社製)を100部、バインダーとして前述調製例の共重合ラテックスAを40部、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン(ポリゾールAM−3000:昭和高分子社製)10部、カチオン性染料定着剤として変性ポリアミド系樹脂(スミレーツレジン1001:住友化学工業社製)20部、湿潤剤としてアセチレングリコール(サーフィノール465:日信化学工業社製)0.2部を秤量し、水に加えてインク吸収層塗布液Gを固形分濃度15%で調合して得た。
<アルミナゾルの作製>
イオン交換水1200g、イソプロピルアルコール900gを3Lの反応器に仕込み、75℃に加熱した。アルミニウムイソプロポキシド408gを加え、75gで24時間、続き95℃で10時間加水分解を行った。加水分解後、酢酸24g加えて95℃で48時間攪拌した。次に、固形分濃度が15質量%になるように濃縮し、白色の超微粒子状アルミナ水和物の分散液を得た。このゾルを室温で乾燥させ、X線回折を測定したところ、擬ベーマイト構造を示した。また、透過型電子顕微鏡で平均粒径を測定したところ、30nmであった。
<支持体の作製>
LBKP(濾水度400mlcsf)80部とNBKP(濾水度450mlcsf)20部からなる木材パルプ100部に対して、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が10/10/10の顔料10部、市販のアルキルケテンダイマー0.10部、市販カチオン系ポリアクリルアミド0.03部、市販のカチオン化澱粉0.80部、硫酸バンド0.40部を水に加えてスラリーを調製後、長網抄紙機を用いて坪量90g/m2で抄造し、支持体とした。
上記作製した支持体上に該インク吸収層塗布液Aをエアーナイフコーターで乾燥後の質量が10g/m2となるように塗工し乾燥してインク吸収層を得た。次に上記作製したアルミナゾルを50部、コロイダルシリカ(スノーテックスAK:日産化学工業社製)50部、バインダーとして、ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)20部、カチオン性染料定着剤として変性ポリアミド系樹脂(スミレッズレジン1001:住友化学工業社製)20部、オレイン酸系離型剤(DEF7100:日新化学研究所社製)5部を水に加えて光沢発現層塗布液を固形分濃度16%で作製して、該インク吸収層上に乾燥後の塗工量が6g/m2となるようにエアーナイフコーターで塗布した。さらに、光沢発現層が湿潤状態にある間に、蟻酸カルシウム5質量%からなる凝固液を満たした凝固槽に浸けて凝固処理した後、直ちに表面温度110℃に加熱されたキャストドラムにプレス線圧980N/cmで圧接し、乾燥して実施例1のインクジェット記録材料を得た。
インク吸収層塗布液Aをインク吸収層塗布液Bに変更した以外は実施例1と同様にして実施例2のインクジェット記録材料を得た。
インク吸収層塗布液の乾燥後の塗工量を3g/m2に変更した以外は実施例1と同様にして実施例3のインクジェット記録材料を得た。
インク吸収層塗布液Aをインク吸収層塗布液Cに変更した以外は実施例1と同様にして実施例4のインクジェット記録材料を得た。
インク吸収層塗布液Aをインク吸収層塗布液Dに変更した以外は実施例1と同様にして実施例5のインクジェット記録材料を得た。
インク吸収層塗布液Aをインク吸収層塗布液Eに変更した以外は実施例1と同様にして実施例6のインクジェット記録材料を得た。
インク吸収層塗布液Aをインク吸収層塗布液Fに変更した以外は実施例1と同様にして実施例7のインクジェット記録材料を得た。
インク吸収層塗布液Aをインク吸収層塗布液Gに変更した以外は実施例1と同様にして実施例8のインクジェット記録材料を得た。
実施例1において該インク吸収層上に該光沢発現塗布液を乾燥後の塗工量が6g/m2となるようにエアーナイフコーターで塗布、乾燥して光沢発現層を得た後、95℃の温水を再湿潤液に用いて塗工層を湿潤し、表面温度110℃に加熱されたキャストドラムにプレス線圧980N/cmで圧接し光沢発現層を得る以外は実施例1と同様にして実施例9のインクジェット記録材料を得た。
実施例1において該インク吸収層上に該光沢発現塗布液を乾燥後の塗工量が6g/m2となるようにエアーナイフコーターで塗布し、その直後に表面温度110℃に加熱されたキャストドラムにプレス線圧980N/cmで圧接し光沢発現層を得る以外は実施例1と同様にして実施例10のインクジェット記録材料を得た。
(比較例1)
インク吸収層塗布液A中のバインダーをスチレン−ブタジエン系ラテックス(E1585:旭ケミカルズ社製)に変更した以外は実施例1と同様にして比較例1のインクジェット記録材料を得た。
(比較例2)
インク吸収層塗布液A中のバインダーをエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン(ポリゾールAM−3000:昭和高分子社製)に変更した以外は実施例1と同様にして比較例2のインクジェット記録材料を得た。
(比較例3)
インク吸収層塗布液A中のバインダーをポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)に変更した以外は実施例1と同様にして比較例3のインクジェット記録シートを得た。
上記のようにして作製した実施例及び比較例のインクジェット記録材料を用い、以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[表面光沢]
表面光沢は、JIS Z 8741に準拠し、村上色彩技術研究所製デジタル光沢計GM−26D型を用いて入反射角度が20度で測定した。
[写像性]
写像性は、JIS H 8686に準拠し、光学的装置の光学くしを通して得られた光量の波形から写像性を像鮮明度として求める方法である。光学くしは暗部明部の比が1:1で、その幅は0.125、0.5、1.0及び2.0mmの各種のものがある。測定は、光学くしを移動させ、記録紙上の最高波形(M)、及び最低波形(m)を読み取り、次式により像鮮明度を求める。
C=(M−m)/(M+m)×100
ここで、C:像鮮明度(%)、M:最高波形、m:最低波形である。
像鮮明度Cは、値が大きければ写像性が良く、小さければ「ボケ」又は「歪み」をもっていることを示す指標である。この画像の「ボケ」または「歪み」が少なければ、光沢計での光沢値が同じ場合であっても、目視による光沢感が向上することが分かっている。光学的装置には、スガ試験機製ICM−1DPを用いて反射角度45度で測定した。
[インク吸収性]
インク吸収性は、キャノン製プリンター「BJS700(設定:光沢紙、標準)」を用いて画像を印刷して行った。評価に用いた画像は黒、シアン、マゼンタ、イエロー、ブルー、レッド、グリーン各色100%ベタ印字部、及びその中に白抜き文字を設けたパターンなどからなる。インク吸収性は、ベタ印字部内の均一性、隣り合ったベタ印字部の境界部や白抜き文字の鮮鋭性などを目視で観察して評価した。◎はインク吸収良好。○はベタ印字部の不均一、白抜き文字のつぶれが観察されるが実用上問題無いレベル。△は、○と×の中間レベル。×は、インク吸収不足によりる印字障害が観察されるレベルである。
Figure 2006264229
評価:
表1より明らかなように、支持体の少なくとも一方の面に、インク吸収層、光沢発現層を順次積層し、かつ該光沢発現層を湿潤状態にある間に加熱させた鏡面ロールに圧接、乾燥してキャスト処理するインクジェット記録材料において、該インク吸収層にアルカリ可溶性共重合体の中和物の存在下に、単量体を重合して得られる共重合体ラテックスを含有し、該アルカリ可溶性共重合体が、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物の存在下でエチレン性不飽和カルボン酸単量体5〜80質量%およびこれと共重合可能なその他の単量体20〜95質量%からなる単量体混合物を重合して得られるものである実施例1〜10においては、高いインク吸収性を保ちながら、優れた表面光沢性と写像性をもつことが判る。更にキャスト処理法において凝固法を使用した実施例1〜8はキャスト処理法において再湿潤法を用いた実施例9、直接法を用いた実施例10に比べて効果が高い。しかし、共重合ラテックスに代えてスチレン−ブタジエン系ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン、ポリビニルアルコールを使用した比較例1〜3は光沢性及び写像性が不良であり、インク吸収性も不良であった。

Claims (1)

  1. 支持体の少なくとも一方の面に、インク吸収層、光沢発現層を順次積層し、かつ該光沢発現層を湿潤状態にある間に加熱させた鏡面ロールに圧接、乾燥してキャスト処理するインクジェット記録材料であって、該インク吸収層にアルカリ可溶性共重合体の中和物の存在下に、単量体を重合して得られる共重合体ラテックスを含有し、該アルカリ可溶性共重合体が、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物の存在下でエチレン性不飽和カルボン酸単量体5〜80質量%およびこれと共重合可能なその他の単量体20〜95質量%からなる単量体混合物を重合して得られるものであることを特徴とするインクジェット記録材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009001918A (ja) * 2007-06-19 2009-01-08 Daio Paper Corp 塗工紙
JP2010260334A (ja) * 2009-04-08 2010-11-18 Hokuetsu Kishu Paper Co Ltd インクジェット記録用光沢紙及びその製造方法
JP2014046586A (ja) * 2012-08-31 2014-03-17 Toppan Printing Co Ltd インクジェット印刷用基材

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