JP2005246806A - インクジェット記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた表面光沢と写像性、および高いインク吸収性を有するインクジェット記録材料を提供する。
【解決手段】木材パルプを主成分とする紙基材上に、少なくとも1層のインク受理層とキャスト処理によって形成される光沢発現層を有するインクジェット記録材料において、該紙基材が填料として少なくとも焼成カオリンを含有し、かつ該光沢発現層がアルミナ水和物を含有することを特徴とするインクジェット記録材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は特に優れた表面光沢と写像性、及び高いインク吸収性を有するインクジェット記録材料に関するものである。
インクジェット記録方式は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙等の記録シートに付着させ、画像、文字等の記録を行うものである。該記録方式は、高速、低騒音、多色化が容易、現像および定着が不要である等の特徴があり、漢字を含め各種図形およびカラー画像等の記録装置として急速に普及している。更に、多色インクジェット方式により形成される画像は、解像度、および色再現範囲の拡大により、フルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。これに伴い、従来のマット調から、高い表面光沢と、更には写像性をも兼ね備えたインクジェット記録材料が強く要望される様になってきている。
ここで写像性とは、塗膜表面に物体が映った時、その像がどの程度鮮明に、また、歪みなく映し出されるかの指標であり、特に、自動車ボディー塗装の美観要素を決定づける重要な特性である。その測定方法は、JIS H 8686で規定されている。
インクジェット記録材料に表面光沢を付与する方法として、スーパーカレンダー、グロスカレンダー等のカレンダー装置を用い、圧力や温度をかけたロール間に通紙することで塗工層表面を平滑化する方法が一般的である。しかしながら、インクジェット記録シートに表面光沢を付与する目的で、高線圧下でカレンダー処理を行うと、表面光沢は向上するが、塗工層中の空隙が減少し、インク吸収性の悪化を招くことになる。故に、カレンダー処理により、表面光沢とインク吸収性を同時に満たすことは、現状では困難である。
カレンダー処理によらない表面光沢付与の方法として、一般にキャストコート紙と呼ばれる印刷用強光沢塗工シートの製造方法(以下キャスト処理法と略す)が知られている。このキャスト処理法としては、湿潤状態にある塗工層を加熱された鏡面ロール(以下キャストドラムと略す)に圧接する直接法、湿潤状態の塗工層を一旦乾燥した後、再湿潤により可塑化してキャストドラムに圧接する再湿潤法、湿潤状態の塗工層を凝固状態にしてキャストドラムに圧接する凝固法が知られており、キャスト処理法によるインクジェット記録シートの製造も既に公知である。
紙基材中の填料に焼成カオリンを使用したキャスト処理法によるインクジェット記録材料(例えば特許文献1参照、特許文献2参照)が、また、光沢発現層にアルミナを用いたキャスト処理法によるインクジェット記録材料(例えば、特許文献3、特許文献4参照)が開示されている。
特開2000−85242号公報 特開2000−238419号公報 特開2003−94801号公報 特開2000−166645号公報
しかし何れの提案においても、インクジェット記録材料として不可欠な高いインク吸収性と、強い表面光沢や写像性の相反する両特性を十分に満たすには至っていない。更に、前記した写像性については、これら従来の方法では、印画紙基材(ポリオレフィン樹脂被覆紙)あるいはフィルム基材を用いて製造された記録材料に匹敵する高い光沢性と均一な写像性を有する記録材料がないのが現状である。
本発明は、上記課題を解決し、高いインク吸収性を保ちつつ、優れた表面光沢と写像性を有するインクジェット記録材料を提供することを目的とした。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、木材パルプを主成分とする紙基材上に、少なくとも1層のインク受理層とキャスト処理によって形成される光沢発現層を有するインクジェット記録材料において、該紙基材が填料として焼成カオリンを含有し、かつ該光沢発現層がアルミナ水和物を含有することを特徴とすることにより優れた品質特性を有するインクジェット材料が得られることを見いだした。
また、該紙基材中における焼成カオリンの含有量が7質量%以上15質量%以下であることが好ましい。
また該光沢発現層におけるアルミナ水和物の含有量が30質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
本発明は、木材パルプを主成分とする紙基材上に、少なくとも1層のインク受理層とキャスト処理によって形成される光沢発現層を有するインクジェット記録材料において、該紙基材が填料として焼成カオリンを含有し、かつ該光沢発現層がアルミナ水和物を含有することにより、特に優れた表面光沢と写像性、及び高い吸収性を有する効果が得られる。
本発明で使用する焼成カオリンとは種々の製造方法により得られるが、一例としては、カオリナイトを約650℃〜700℃の温度で焼成することにより生成した、デヒドロオキシル化すなわち部分焼成カオリンと、約1000℃〜1050℃で焼成される完全焼成カオリンがある。これら方法で得られた焼成カオリンは、粒子の形状は焼成前と変わらない六角板状を維持しているが、構造水を失って非晶質となり、光散乱能力や吸着活性が大きくなっている。本発明で使用される焼成カオリンとしては、TAPPI白色度85〜92、粒度2μm以下60%以上、比重2.4〜2.7、比表面積15〜20m2/g、吸油量80〜120ml/100gである。
本発明での紙基材中の該填料の含有比率とはJIS P8128で測定される灰分で代用でき、適量の試料を900℃±25℃、明らかに炭酸カルシウムを含む場合には575℃±25℃で灰化し、試料の絶乾質量に対する灰分の質量百分率で(%)で表す。本発明の含有比率は7質量%以上15質量%以下がより好ましい。
また、該填料には他の填料、たとえば、タルク、カオリン、クレー、デラミネートカオリン、重質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、硫酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、硫酸カルシウム、シリカ、セリサイト、ベントナイト、スメクタイト等の鉱物填料やポリスチレン樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂、メラニン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の微粒子、および微小中空粒子等の有機合成填料等の1種あるいは2種以上の填料を適宜選択して併用することもでき、さらには、古紙やブローク等に含まれる填料も再生使用することができる。また、併用する填料含有量は全填料含有量に対して50質量%未満が好ましい。
本発明における紙基材中には、帯電防止性、搬送性、カール防止性、筆記性、糊付け性等のために、各種のバックコート層を塗設することができる。バックコート層には、無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、滑剤、界面活性剤等を適宜組み合わせて含有することができる。
本発明に係るインク受理層には、以下の顔料或いは粒子を1種以上用いることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナ水和物、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロサイト、水酸化マグネシウム等の無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。上記の中でもインク受理層に主体成分として含有する顔料としては、多孔性無機顔料が好ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性炭酸マグネシウム、多孔性アルミナ等が挙げられ、特に細孔容積の大きい多孔性合成非晶質シリカが好ましい。
本発明での光沢発現層に含有されるアルミナ水和物の含有比率は該光沢発現層中の全顔料含有量に対して30質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
アルミナ水和物は、下記の一般式により表すことができる。
Al23・nH2
アルミナ水和物は組成や結晶形態の違いにより、ジプサイト、バイアライト、ノルストランダイト、ベーマイト、ベーマイトゲル(擬ベーマイト)、ジアスポア、無定形非晶質等に分類される。中でも、上記の式中、nの値が1である場合はベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1を越え3未満である場合は擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが3以上では非晶質構造のアルミナ水和物を表す。特に、本発明に好ましいアルミナ水和物は、少なくともnが1を越え3未満の擬ベーマイト構造のアルミナ水和物である。
本発明に用いられるアルミナ水和物の形状は、平板状、繊維状、針状、球状、棒状等のいずれでもよく、インク吸収性の観点から好ましい形状は平板状である。平板状のアルミナ水和物は、平均アスペクト比3〜8であり、好ましくは平均アスペクト比が3〜6である。アスペクト比は、粒子の「厚さ」に対する「直径」の比で表される。ここで粒子の直径とは、アルミナ水和物を電子顕微鏡で観察したときの粒子の投影面積に等しい円の直径を表す。
本発明に用いられるアルミナ水和物は、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等公知の方法によって製造することができる。また、アルミナ水和物の粒子径、細孔径、細孔容積、比表面積等の物性は、析出温度、熟成温度、熟成時間、液のpH、液の濃度、共存化合物等の条件によって制御することができる。
本発明のインクジェット記録材料には、市販のアルミナ水和物も好適に用いることができる。以下にその一例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、アルミナ水和物としては、アルミナゾル520(以上、日産化学工業(株)製)、アルミゾル10、アルミゾル20、アルミゾル132、アルミゾル132S、アルミゾルSH5、アルミゾルCSA55、アルミゾルSV102、アルミゾルSB52(以上、川研ファインケミカル(株)製)などを挙げることができる。
また、光沢発現層には、他の以下の顔料或いは粒子を適宜組み合わせて用いることができる。本発明において優れた効果を有するためには、コロイダルシリカ、合成非晶質シリカ、アルミナ水和物等一次粒子径が100nm以下の極めて小さい超微粒の無機顔料を該光沢発現層中の全顔料含有量に対して含有量70質量%未満が好ましい。
本発明に係るインク受理層とキャスト処理によって塗設される光沢発現層に配合されるバインダーには、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール又はその誘導体;ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス;エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス;或いはこれら各種重合体のカルボキシ基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス;或いはこれら各種重合体にカチオン基を用いてカチオン化したもの、カチオン性界面活性剤にて重合体表面をカチオン化したもの、カチオン性ポリビニルアルコール下で重合し重合体表面に該ポリビニルアルコールを分布させたもの、カチオン性コロイド粒子の懸濁分散液中で重合を行い、重合体表面に該粒子が分布しているもの等;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂等の水性バインダー;ポリメチルメタクリレート等のアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体樹脂;ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系バインダー等を挙げることができる。
該インク受理層、及び該光沢発現層中のバインダーの配合量は、顔料100質量部に対して、好ましくは5〜70質量部、さらに好ましくは、10〜50質量部である。該インク受理層及び該光沢発現層の塗工量としては、適用する顔料やバインダーの種類及び量、インクジェット記録装置の種類により異なるが、各々2g/m2以上、好ましくは、4〜20g/m2の範囲である。
また、該インク受理層、及び該光沢発現層には、その他の添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、染料定着剤等を適宜配合することができる。
本発明に係る該インク受理層、及び該光沢発現層は、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、カーテンコーター、ショートドウェルコーター、サイズプレス等の各種装置を用い、オンマシン或いはオフマシンで塗設される。
該インク受理層を塗設、乾燥した後、該光沢発現層を塗設する前に、平坦化をコントロールする目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を使用しても良い。
本発明に用いられるキャスト処理法は、前述したように、直接法、再湿潤法(リウェット法)、及び凝固法があり、本発明においては上記の何れの方法も用いることができるが、好ましくはリウェット法であり、より好ましくは凝固法である。以下にそれぞれの方法について具体的に説明する。
直接法は、光沢発現層を塗工後、該塗工層がほとんど乾燥されていない状態で、90℃から120℃に加熱されたキャストドラム(鏡面ドラム)を圧接し、キャストドラムの熱で塗工層を乾燥する方法である。
再湿潤法(リウェット法)は光沢発現層を塗工し、完全もしくは半ば乾燥した後、再湿潤液で塗工層を湿潤し、湿潤した状態で上記と同様に加熱されたキャストドラムを圧接し、塗工層を乾燥する方法である。
凝固法は光沢発現層を塗工後、該塗工層がほとんど乾燥されていない状態で、凝固液で処理して流動性のないゲル状態にした後、上記と同様に加熱されたキャストドラムを圧接して塗工層を乾燥する方法である。凝固液とは凝固剤の水溶液をいう。該凝固剤として、例えば、蟻酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩酸、硝酸、リン酸、リンゴ酸、アクリル酸等のカルシウム、亜鉛、バリウム、鉛、マグネシウム、カドミウム、アルミニウム等との各種金属塩やアンモニウム塩等から選ばれる少なくとも1種以上が用いられるが、塗層中の結着剤を効果的に凝固させるとの観点から、蟻酸カルシウムが好ましく用いられる。該凝固液の濃度としては、1〜25質量%が好ましい。凝固処理としては、塗工層を凝固液に浸漬する方式、塗工層にシャワー方式で噴霧する方式、ニップローラーと塗工層との間に凝固液を供給する方式等がある。
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」および「%」は、特に明示しない限り質量部および質量%を示す。
<紙基材A1〜A4の作製>
濾水度450mlのLBKP100部からなる木材パルプに、市販のアルキルケテンダイマー0.1部、市販カチオン性ポリアクリルアミド0.03部、市販カチオン化澱粉1.0部、硫酸バンド0.5部と填料として吸油量60ml/100gの焼成カオリン(アンシレックス:エンゲルハード社製)を、該填料の含有量が各々3質量%、5質量%、10質量%、20質量%となるように調製後、長網抄紙機を用いて坪量90g/m2で抄造し、紙基材A1〜A4を得た。
<紙基材Bの作製>
紙基材A3の焼成カオリン(アンシレックス:エンゲルハード社製)に代えて、湿式粉砕重質炭酸カルシウム(エスカロン#800:三共精粉社製)を用いて、含有量が10質量%の紙基材Bを得た。
<紙基材Cの作製>
紙基材A3の焼成カオリン(アンシレックス:エンゲルハード社製)に代えて、軽質炭酸カルシウム(白艶華PZ:白石カルシウム社製)を用いて、含有量が10質量%の紙基材Cを得た。
<紙基材Dの作製>
紙基材A3の焼成カオリンに代えて、タルク(タルクSF:浅田製粉社製)を用いて、含有量が10質量%の紙基材Dを得た。
<紙基材Eの作製>
紙基材A3の焼成カオリンに代えて、カオリン(BRU−30:P.T.ALTERABADI社製)を用いて、含有量が10質量%の紙基材Eを得た。
<紙基材Fの作製>
紙基材A3の焼成カオリンに代えて、焼成カオリンと湿式粉砕重質炭酸カルシウム(エスカロン#800:三共精粉社製)を用いて、含有量が焼成カオリン7質量%、湿式粉砕重質炭酸カルシウム3質量%の紙基材Fを得た。
<紙基材Gの作製>
紙基材A3の焼成カオリンに代えて、焼成カオリンと湿式粉砕重質炭酸カルシウム(エスカロン#800:三共精粉社製)を用いて、含有量が焼成カオリン3質量%、湿式粉砕重質炭酸カルシウム7質量%の紙基材Gを得た。
<インク受理層塗布液の作製>
該紙基材上に多孔質顔料を主成分とする塗被組成物を塗設してインク受理層を得た。塗被組成物は、多孔質顔料として市販の合成非晶質シリカ(ミズカシルP78D:水沢化学社製)を100部、バインダーとして市販のポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)40部、カチオン性染料定着剤として変性ポリアミド系樹脂(スミレーツレジン1001 住友化学工業(株)製)20部、湿潤剤としてアセチレングリコール(日信化学工業(株) サーフィノール465)0.2部を秤量し、水に加えてインク受理層塗布液を固形分濃度15%で調合して得た。
<アルミナゾルの作製>
イオン交換水1200g、イソプロピルアルコール900gを3Lの反応器に仕込み、75℃に加熱した。アルミニウムイソプロポキシド408gを加え、75gで24時間、続き95℃で10時間加水分解を行った。加水分解後、酢酸24g加えて95℃で48時間攪拌した。次に、固形分濃度が15質量%になるように濃縮し、白色の超微粒子状アルミナ水和物の分散液を得た。このゾルを室温で乾燥させ、X線回折を測定したところ、擬ベーマイト構造を示した。また、透過型電子顕微鏡で平均粒径を測定したところ、30nmであった。
紙基材A1上に該インク受理層塗布液をエアーナイフコーターで絶乾重量10g/m2となるように塗工し乾燥してインク受理層を得た。次に上記作製したアルミナゾルを50部、市販のコロイダルシリカ(スノーテックスAK:日産化学社製)50部、バインダーとして、ポリビニルアルコール((株)クラレ PVA117)20部、カチオン性染料定着剤として変性ポリアミド系樹脂(住友化学工業(株) スミレッズレジン1001)20部、オレイン酸系離型剤((株)日新化学研究所 DEF7100)5部を水に加えて光沢発現層塗布液を固形分濃度16%で作製して、該インク受理層上に乾燥後の塗工量が6g/m2となるようにエアーナイフコーターで塗布した。さらに、光沢発現層が湿潤状態にある間に、蟻酸カルシウウム5質量%からなる凝固液を満たした凝固槽に浸けて凝固処理した後、直ちに表面温度110℃に加熱された鏡面ロールにプレス線圧980N/cmで圧接し、乾燥して本発明のインクジェット記録シートを得た。
紙基材A1を紙基材A2に変更した以外は実施例1と同様にして実施例2のインクジェット記録シートを得た。
紙基材A1を紙基材A3に変更した以外は実施例1と同様にして実施例3のインクジェット記録シートを得た。
紙基材A1を紙基材A4に変更した以外は実施例1と同様にして実施例4のインクジェット記録シートを得た。
紙基材A1を紙基材Fに変更した以外は実施例1と同様にして実施例5のインクジェット記録シートを得た。
紙基材A1を紙基材Gに変更した以外は実施例1と同様にして実施例6のインクジェット記録シートを得た。
実施例3にて用いた光沢発現層の配合中のアルミナゾルを20部、コロイダルシリカを80部に変更した以外は実施例3と同様にして実施例7のインクジェット記録シートを得た。
実施例3にて用いた光沢発現層の配合中のアルミナゾルを80部、コロイダルシリカを20部に変更した以外は実施例3と同様にして実施例8のインクジェット記録シートを得た。
実施例3において該インク受理層上に該光沢発現塗布液を乾燥後の塗工量が6g/m2となるようにエアーナイフコーターで塗布、乾燥して光沢発現層を得た後、95℃の温水を再湿潤液に用いて、表面温度110℃に加熱された鏡面ロールにプレス線圧980N/cmで圧接し光沢発現層を得る以外は実施例3と同様にして実施例9のインクジェット記録シートを得た。
実施例3において該インク受理層上に該光沢発現塗布液を乾燥後の塗工量が6g/m2となるようにエアーナイフコーターで塗布し、その直後に表面温度110℃に加熱された鏡面ロールにプレス線圧980N/cmで圧接し光沢発現層を得る以外は実施例3と同様にして実施例10のインクジェット記録シートを得た。
(比較例1)
紙基材A1を紙基材Bに変更した以外は実施例1と同様にして比較例1のインクジェット記録シートを得た。
(比較例2)
紙基材A1を紙基材Cに変更した以外は実施例1と同様にして比較例2のインクジェット記録シートを得た。
(比較例3)
紙基材A1を紙基材Dに変更した以外は実施例1と同様にして比較例3のインクジェット記録シートを得た。
(比較例4)
紙基材A1を紙基材Eに変更した以外は実施例1と同様にして比較例4のインクジェット記録シートを得た。
(比較例5)
実施例3にて用いた光沢発現層中の顔料をコロイダルシリカ(スノーテックスAK:日産化学社製)を100部に変更した以外は実施例3と同様にして比較例5のインクジェット記録シートを得た。
上記のようにして作製した実施例及び比較例のインクジェット記録材料を用い、以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[表面光沢]
表面光沢は、JIS Z 8741に準拠し、村上色彩技術研究所製デジタル光沢計GM−26D型を用いて入反射角度が20度で測定した。
[写像性]
写像性は、JIS H 8686に準拠し、光学的装置の光学くしを通して得られた光量の波形から写像性を像鮮明度として求める方法である。光学くしは暗部明部の比が1:1で、その幅は0.125、0.5、1.0及び2.0mmの各種のものがある。測定は、光学くしを移動させ、記録紙上の最高波形(M)、及び最低波形(m)を読み取り、次式により像鮮明度を求める。
C=(M−m)/(M+m)×100
ここで、C:像鮮明度(%)、M:最高波形、m:最低波形である。
像鮮明度Cは、値が大きければ写像性が良く、小さければ「ボケ」又は「歪み」をもっていることを示す指標である。この画像の「ボケ」または「歪み」が少なければ、光沢計での光沢値が同じ場合であっても、目視による光沢感が向上することが分かっている。光学的装置には、スガ試験機製ICM−1DPを用いて反射角度45度で測定した。
[インク吸収性]
インク吸収性は、キャノン製プリンター「BJS700(設定:光沢紙、標準)」を用いて画像を印刷して行った。評価に用いた画像は黒、シアン、マゼンタ、イエロー、ブルー、レッド、グリーン各色100%ベタ印字部、及びその中に白抜き文字を設けたパターンなどからなる。インク吸収性は、ベタ印字部内の均一性、隣り合ったベタ印字部の境界部や白抜き文字の鮮鋭性などを目視で観察して評価した。◎はインク吸収良好。○はベタ印字部の不均一、白抜き文字のつぶれが観察されるが実用上問題無いレベル。△は、○と×の中間レベル。×は、インク吸収不足による印字障害が観察されるレベルである。
Figure 2005246806
表1より明らかなように、木材パルプを主成分とする紙基材上に、少なくとも1層のインク受理層とキャスト処理によって形成される光沢発現層を有するインクジェット記録材料において、紙基材が填料として少なくとも焼成カオリンを含有し、かつ該光沢発現層がアルミナ水和物を含有する実施例1〜10においては、高いインク吸収性を保ちながら、優れた表面光沢性と写像性をもつことが判る。更にキャスト処理法において凝固法を使用した実施例1〜8はキャスト処理法において再湿潤法を用いた実施例9、直接法を用いた実施例10に比べて効果が高い。しかし、該填料に重質炭酸カルシウムを用いた比較例1、填料に軽質炭酸カルシウムを用いた比較例2、填料にタルクを用いた比較例3、填料にカオリンを用いた比較例4では光沢性及び写像性が不良であり、該光沢発現層中の顔料がコロイダルシリカ100部の比較例5では光沢性や写像性及びインク吸収性が不良であった。

Claims (3)

  1. 木材パルプ及び填料を主成分とする紙基材上に、少なくとも1層のインク受理層とキャスト処理によって形成される光沢発現層を有するインクジェット記録材料において、該紙基材が該填料として焼成カオリンを含有し、かつ該光沢発現層がアルミナ水和物を含有することを特徴とするインクジェット記録材料。
  2. 該紙基材中における焼成カオリンの含有量が7質量%以上15質量%以下である請求項1に記載のインクジェット記録材料。
  3. 該光沢発現層におけるアルミナ水和物の含有量が30質量%以上90質量%以下である請求項1または2に記載のインクジェット記録材料。
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JP2016040080A (ja) * 2014-08-12 2016-03-24 松本油脂製薬株式会社 タイヤ内面用離型剤

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