JP4152915B2 - インクジェット記録シート - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録シートに関し、さらに詳しくは、特に優れた表面光沢と写像性、および高いインク吸収性を有するインクジェット記録シートに関する。
インクジェット記録方式は、インクの微少液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙等の記録シートに付着させ、画像、文字等の記録を行うものである。該記録方式は、高速、低騒音、多色化が容易、現像および定着が不要である等の特徴があり、漢字を含め各種図形およびカラー画像等の記録装置として急速に普及している。更に、多色インクジェット方式により形成される画像は、解像度、および色再現範囲の拡大により、フルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。これに伴い、従来のマット調から、高い表面光沢と、更には写像性をも兼ね備えたインクジェット記録シートが強く要望される様になってきている。
ここで写像性とは、塗膜表面に物体が映った時、その像がどの程度鮮明に、また、歪みなく映し出されるかの指標であり、特に、自動車ボディー塗装の美観要素を決定づける重要な特性である。その測定方法は、JIS H 8686で規定されている。
インクジェット記録シートに表面光沢を付与する方法として、スーパーカレンダー、グロスカレンダー等のカレンダー装置を用い、圧力や温度をかけたロール間に通紙することで塗工層表面を平滑化する方法が一般的である。しかしながら、インクジェット記録シートに表面光沢を付与する目的で、高線圧下でカレンダー処理を行うと、表面光沢は向上するが、塗工層中の空隙が減少し、インク吸収性の悪化を招くことになる。故に、カレンダー処理により、表面光沢とインク吸収性を同時に満たすことは、現状では困難である。
カレンダー処理によらない表面光沢付与の方法として、一般にキャストコート紙と呼ばれる印刷用強光沢塗工シートの製造方法(以下キャスト処理法と略す)が知られている。このキャスト処理法としては、湿潤状態にある塗工層を加熱された鏡面ロール(以下キャストドラムと略す)に圧接する直接法、湿潤状態の塗工層を一旦乾燥した後、再湿潤により可塑化してキャストドラムに圧接する再湿潤法、湿潤状態の塗工層を凝固状態にしてキャストドラムに圧接する凝固法が知られており、キャスト処理法によるインクジェット記録シートの製造も既に公知である。
これら、キャスト処理法の中でも直接法は、湿潤塗工層がキャストドラムに圧接された際、塗料中の水分が急激に沸騰して塗工層を破壊してしまうため、キャストドラムの温度を高温にすることができず低速操業を余儀なくされる等の問題がある。また、再湿潤法も、一旦乾燥された塗工層を再湿潤するために可塑化の度合が他の方法に比べて低く、故に、再湿潤された塗工層がキャストドラムに均一に密着することができず、塗工面の均質性に劣る等の問題がある。
一方、凝固法は、再湿潤法のように塗工層を一旦乾燥、固化することなく、可塑性のある凝固状態でキャストドラムに圧接、乾燥させるため、塗工層がキャストドラムに均一に密着することができる。また、キャストドラム温度を高温にしても塗工層が破壊されることもない。更に、嵩高く、ポーラスな塗工層を形成することが出来るため、キャスト処理法の中ではインクジェット記録シートの製造法として適している。
凝固法を用いて、表面光沢に優れるインクジェット記録シートを得るために、これまでいくつかの提案がなされている。例えば、塗工層中の樹脂と、それを凝固しうる凝固剤の組み合わせ(例えば、特許文献1、特許文献2参照)、また、凝固液中に光沢発現物質を含有させる(例えば、特許文献3参照)等を挙げることができる。
また、何れの提案においても、インクジェット記録シートとして不可欠なインク吸収性と、表面光沢の相反する両特性を十分に満たすには至っていない。更に、前記した写像性については、これら従来の方法で十分な特性が得られるとは言い難い。
特開2002−266282号公報 特開2002−293004号公報 特開2002−166645号公報
そこで、本発明の目的は、特に優れた表面光沢と写像性、および高いインク吸収性を有するインクジェット記録シートを提供することである。
本発明者は、以上のような問題点を解決するため鋭意研究の結果、以下の発明に至った。
すなわち、本発明の上記目的は、透気性の紙支持体に、インク吸収層及び光沢発現層を順次設けた後、該光沢発現層を凝固液を用いて凝固処理し、湿潤状態にある間に加熱された鏡面ロールに圧接、乾燥して仕上げるインクジェット記録シートにおいて、該光沢発現層中にアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールを含有し、該凝固液中にアセトアセチル基と架橋しうる架橋剤を含有してなり、該架橋剤がヒドラジン化合物、N−メチロール化合物、ジルコニウム化合物及びアミン化合物の中の少なくとも一種であることを特徴とするインクジェット記録シート。によって達成された。
本発明において更に好ましい態様は、該インク吸収層が、BET比表面積100m2/g以上の合成非晶質シリカを含有し、かつ、該光沢発現層が平均1次粒子径が50nm以下のコロイダルシリカ、アルミナ水和物、および気相法シリカから選ばれる少なくとも1種以上のコロイド粒子を含有することを特徴とするインクジェット記録シートである。
本発明によれば、銀塩写真なみの光沢感を有し、優れたインク吸収性の高品位のインクジェット記録シートを得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
光沢発現層中に結着剤としてアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールを含有し、かつ該凝固液中にアセトアセチル基と架橋しうる架橋剤を含有することによって、該架橋剤と該光沢発現層中に含有するアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールが凝固処理中に反応を起こし、その結果、インク受理層に優れた光沢性と写像性を付与し、さらに、該光沢発現層が光沢感を阻害しない範囲で多孔質性を発現するため、水性染料インク、あるいは水性顔料インクに対して高いインク吸収性を示す。
本発明で用いる架橋剤としては、アセトアセチル基と架橋反応を起こすものであれば特に制限されない。具体的には、2価以上の価数を有する金属塩、ヒドラジン化合物、エポキシ化合物、N−メチロール化合物、ジルコニウム化合物およびアミン化合物から選ばれる1種または2種以上が好ましく用いられる。この中でもジルコニウム化合物やアミン化合物が水溶性および反応性の点で特に好ましい。
ヒドラジン化合物としては、カルボヒドラジド、チオカルボヒドラジド、エチレン−1,2−ジヒドラジン、プロピレン−1,3−ジヒドラジン、ブチレン−1,4−ジヒドラジン、シュウ酸ジヒドラジド、プロピオン酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、サリチル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、4,4′−オキシベンゼンスルホニルヒドラジド、ヒドラジド基を有するビニル重合体(例えばアミノポリアクリルアミド)等が挙げられる。
エポキシ化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジレート、o−フタル酸ジグリシジレート、p−フタル酸ジグリシジレート、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ビスフェノールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、トリグリシジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
N−メチロール化合物の具体例としては、N−メチロール尿素、メチロールジメチルヒダントイン、メチロールメラミン等が挙げられる。アジリジン化合物の具体例としてはトリメチロールプロパン−トリ−β−アジルジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N′−ジフェニルメタン−4,4′−ビス(1−アジリジンカルボサミド)、N.N′−ヘキサメチレン−1,6′−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、N,N′−トルエン−2,4′−ビス(1−アジリジンカルボサミド)等が挙げられるオキサゾリン化合物の具体例としては、1,2−ジオキサゾリニルエタン、1,4−ジオキサゾリニルブタン、1,4−ジオキサゾリニルベンゼン、N,N′−ジオキサゾリニルエチレンジアミン、オキサゾリニル基を有するビニル重合体等が挙げられる。
金属塩としては、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、4塩化チタン、乳酸チタン、テトライソプロピルチタネート、クロムミョウバン、カリウムミョウバン、塩基性ポリ水酸化アルミニウム、塩化コバルト、塩化第1鉄、硫酸第1鉄、塩化第2鉄、酢酸クロム、酢酸バリウム等が挙げられる。
本発明に係わるジルコニウム化合物とは、ジルコニウムの水溶性無機塩や有機酸塩だけでなく、光沢発現層の形成時に脱炭酸化等の化学反応を受けて変成したジルコニウム化合物(例えば、水酸化ジルコニウム等)も含まれる。水溶性ジルコニウム塩としては、具体的にZrO(OH)Cl、ZrOCl2・nH2O、Zr23Cl2、ZrCl4、ZrCl3、ZrCl2、ZrBr4、ZrBr3、ZrBr2、ZrI4、ZrI3、ZrI2、ZrF4、ZrF3、ZrF2等のハロゲン化物塩類、Zr(NO3)4・nH2O、ZrO(NO3)2・nH2O、Zr(SO4)2、Zr(SO4)2・nH2O、ZrO(SO4)、Zr(H2PO42、ZrP27、ZrSiO4、ZrO(CO32・nH2O、ZrO(CO32(NH42、ZrO(CO322、ZrO(OH)2・nH2O等のオキソ酸塩類、酢酸ジルコニウム、乳酸ジルコニル、ステアリン酸ジルコニル等の有機酸塩類等が例示され、これらは、一種または、二種以上の混合物として使用できる。
ジルコニウム化合物は、合成して使用しても良いが、市販品を好適に使用することができる。以下に代表的な市販品の例を挙げるが、本発明がこれらに限定されるものではない。例えば、酸塩化ジルコニウム、ジルコゾールZC−2、ジルコゾールZN、ジルコゾールHA、ジルコゾールAC−7、ジルコゾールZK−10、オクチル酸ジルコニール、炭酸ジルコニール、(第一希元素化学工業(株))等を挙げることができる。
アミン化合物としては、1級〜3級のアミノ基を2個以上有する多官能性のアミン化合物が好ましく用いられる。例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジアミン、フェニレンジアミン、メタキシレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、トリアミノプロパン、アミノ基を有する重合体(例えばポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン)等が挙げられる。これらの中でもアルキレンジアミン、アルキレントリアミン、あるいは芳香族ジアミンが好ましく用いられる。
本発明において、凝固液とは凝固剤を含む水溶液をいう。該凝固剤として、上記架橋剤を含み、1種以上が用いられるが、塗層中の接着剤を効果的に凝固させるとの観点からホウ酸または硼砂と上記1種以上の架橋剤を併用して用いることが好ましい。
本発明において、凝固液中の架橋剤の含有率は、0.05〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは、0.1〜5質量%で範囲である。該架橋剤の含有率がこの範囲にあると、印字部の光沢性とインク吸収性のバランスがより良好となる。
本発明においては、凝固液中に硼酸や硼砂を加えることが好ましい。硼酸や硼砂を加えることにより作製されたインクジェット記録シートのインクジェット適性、特に画像濃度が高くなる。本発明において、凝固液中の硼酸あるいは、硼砂の含有率は、1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは、2〜6質量%の範囲である。
本発明に用いられるアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールは、通常の完全鹸化や部分鹸化ポリビニルアルコールに、ジケテンを付加反応させたり、アセト酢酸エステルでエステル交換反応したりして、アセトアセチル基を導入することにより得ることができる。アセトアセチル基の含有量は、0.2〜10モル%程度の範囲が好ましい。また、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールの重合度としては、100〜3000程度が好ましい。さらに、鹸化度としては、70〜100モル%の範囲が好ましい。本発明において、光沢発現層中のアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールの含有率は、該光沢発現層を構成する全固形分に対して1〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは、5〜20質量%の範囲である。
本発明のインクジェット記録シートにおいて、光沢発現層にアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールを含有することが必須であるが、その他にも未変性のポリビニルアルコール、他の変性ポリビニルアルコール等、従来公知のものを用いることができる。そのけん化度も特に制限されない。また、該ポリビニルアルコールには重合段階で他のモノマーを共重合させた変性ポリビニルアルコールでもよい。例えば、変性ポリビニルアルコールとしては、エチレン共重合体変性ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール等を挙げることができる。
該光沢発現層には、コロイド粒子を含有することが好ましく、かかるコロイド粒子としては、その平均1次粒子径が数nmから数100nmの、いわゆるコロイド次元にあるものであれば、特に制限はなく、従来公知のものを用いることができる。例えば、特開平1−97678号公報、同2−275510号公報、同3−281383号公報、同3−285814号公報、同3−285815号公報、同4−92183号公報、同4−267180号公報、同4−275917号公報などに開示されているアルミナ水和物である擬ベーマイトゾル、特開昭60−219083号公報、同61−19389号公報、同61−188183号公報、同63−178074号公報、特開平5−51470号公報などに記載されているようなコロイダルシリカ、特公平4−19037号公報、特開昭62−286787号公報に記載されているようなシリカ/アルミナハイブリッドゾル、特開平10−119423号公報、特開平10−217601号公報に記載されているような、気相法シリカ、その他にもヘクタイト、モンモリロナイトなどのスメクタイト粘土(特開平7−81210号公報)、ジルコニアゾル、クロミアゾル、イットリアゾル、セリアゾル、酸化鉄ゾル、ジルコンゾル、酸化アンチモンゾルなどを代表的なものとして挙げることができる。光沢発現層におけるアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールとコロイド粒子の比率は、1:3〜1:20の範囲が好ましく、特に1:5〜1:16の範囲がより好ましい。
本発明の光沢発現層には、該コロイド粒子と併用して公知の白色顔料を1種類以上用いることができる。該白色顔料は一般に粒子径が大きく、不透明性が生じるため、該白色顔料の粒子径にも依るが、該コロイド粒子100質量部に対し10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。
本発明の光沢発現層には、添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤等を適宜配合することもできる。
本発明の光沢発現層の塗布装置としては、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、カーテンコーター、ショートドウェルコーター、サイズプレス等を挙げることができる。光沢発現層の塗工量としては、平滑性やサイズ性、要求される表面光沢により異なるが、2g/m2以上あれば良く、好ましくは、5〜30g/m2の範囲である。又、光沢発現層塗布後に、加湿空気、加湿蒸気を支持体を挟んだ光沢発現層の裏面に吹き付けてカール矯正をすることも可能である。
本発明のインクジェット記録シートのインク吸収層は、少なくとも顔料と結着剤を含有する。結着剤としては、特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。すなわち、例えば、例えば、天然高分子物質として、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、およびコーンスターチ等の澱粉類、ラミナラン、海藻マンナン、ふのり、アイリッシュモス、寒天、およびアルギン酸塩等の藻類から得られるもの、とろろあおい、やまいも、マンナン、クインスシード、ペクチン、トラガントガム、カラヤガム、キサンチンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、アラビアガム、キャロブガム、およびベンゾインガム等の植物性粘質物、デキストラン、グルカン、キサンタンガム、およびレバン等のホモ多糖類、並びにサクシノグルカン、プルラン、カードラン、およびザンタンガム等のヘテロ糖類等の微生物粘質物等が挙げられる。
また、半天然物(半合成品)としては、例えば、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ビスコース、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等の繊維素誘導体、カルボキシメチルグアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、およびヒドロキシエチルグアーガム等の変性ガム、並びに前記天然高分子物質の加工或いは誘導体が挙げられる。
半合成品である加工澱粉としては、例えば、白色デキストリン、黄色デキストリン、およびブリディシュガム等の培焼澱粉、酵素デキストリンおよびシャーディンガーデキストリン等の酵素変性デキストリン、可溶化澱粉等の酸分解澱粉、ジアルデヒドスターチ等の酸化澱粉、変性および無変性アルファー化澱粉等のアルファー化澱粉、リン酸澱粉、脂肪酸澱粉、硫酸澱粉、硝酸澱粉、キサントゲン酸澱粉、およびカルバミン酸澱粉等のエステル化澱粉、ヒドロキシアルキル澱粉、カルボキシアルキル澱粉、スルホアルキル澱粉、シアノエチル澱粉、アリル澱粉、ベンジル澱粉、カルバミルエチル澱粉、およびジアルキルアミノ澱粉等のエーテル化澱粉、メチロール架橋澱粉、ヒドロキシアルキル架橋澱粉、リン酸架橋澱粉、およびジカルボン酸架橋澱粉等の架橋澱粉、澱粉ポリアクリルアミド共重合体、澱粉ポリアクリロニトリル共重合体、カチオン性澱粉ポリアクリル酸エステル共重合体、カチオン性澱粉ビニルポリマー共重合体、澱粉スチレンマレイン酸共重合体、および澱粉ポリエチレンオキサイド共重合体等の澱粉グラフト共重合体等が挙げられる。
合成品としては、例えば、ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、部分アセタール化ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、アリル変性ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、およびポリビニルイソブチルエーテル等で変性した変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸エステル部分けん化物、ポリメタクリル酸塩、およびポリアクリルアマイド等のポリアクリル酸誘導体およびポリメタクリル酸誘導体、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン酢酸ビニル共重合物、スチレンブタジエン共重合体(SBR)、ニトリルブタジエン共重合体(NBR)、スチレンアクリル酸エステル共重合体、スチレンマレイン酸共重合体、スチレンクロトン酸共重合体、および塩化ビニル含有共重合体等が挙げられる。以上の結着剤は単独または二種以上を組合わせて用いても良い。
該インク吸収層中に含有する顔料も、特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、チサンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、気相法シリカ、α,β,γ,δ−等のアルミニウム酸化物、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリスチレン、尿素樹脂、メラミン樹脂の有機顔料等の白色顔料を一種類以上用いることができる。中でも、多孔性無機顔料が好ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性炭酸マグネシウム、多孔性アルミナ等が挙げられ、特に細孔容量の大きい多孔性合成非晶質シリカが好ましい。これら顔料の平均粒子径は0.1〜20μmの範囲が好ましく、特に1〜10μmの範囲が好ましい。本発明において非晶質シリカを用いると、高い画像の保存性が得られる。
本発明に係わるインク吸収層に含有される結着剤の配合量は、該インク吸収層のインク吸収性を阻害しない範囲であれば、特に制限されない。好ましくは、顔料100質量部に対して2〜100質量部であり、より好ましくは、10〜70質量部である。
インク吸収層には、添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤等を適宜配合することができる。
インク吸収層の塗工量としては、要求される表面光沢、写像性、インク吸収性、および支持体の種類等により異なるが、1g/m2以上が好ましく、5〜30g/m2がより好ましい。又、インク吸収層はある一定の塗工量を二度に分けて塗布することも可能であり、一度に該塗工量を塗布するよりも、インク受理層の表面光沢と写像性を向上させることができる。
本発明のインクジェット記録シートにおいて、インク吸収層を塗布する手段は、特に制限されず、従来公知の手段を用いることができる。例えば、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、カーテンコーター、ショートドウェルコーター、サイズプレス等を挙げることができ、オンマシン、あるいはオフマシンで塗布することができる。
インク吸収層塗布後に、該インク吸収層表面を平坦にするべく、各種カレンダー装置による平坦化処理をしても良い。カレンダー装置としては、マシンカレンダー、TGカレンダー、スーパカレンダー、ソフトカレンダー等が挙げられる。この中でもインク吸収性の低下が少ないソフトカレンダー処理がより望ましい。
本発明のインクジェット記録シートにおいて、該インク吸収層に含有する顔料をBET比表面積100m2/g以上の合成非晶質シリカとし、かつ該光沢発現層が平均1次粒子径が50nm以下のコロイダルシリカ、アルミナ水和物、および気相法シリカから選ばれる少なくとも1種以上のコロイド粒子を含有することにより、水性顔料インクに対する適性、具体的には、インク吸収性とインク定着性が向上する。
ここでBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、BET表面積が得られる。
一般にシリカ微粒子は、乾量基準でSiO293%以上、Al23約5%以下、Na2O約5%以下から構成される微粒子であり、いわゆるホワイトカーボン、シリカゲルや微粉末シリカなどの非晶質シリカがある。非晶質シリカ微粒子の製造方法としては、液相法、粉砕固相法、晶析固相法および気相法がある。その中で、気相法とは、揮発性金属化合物の蒸気の熱分解や、原材料の加熱、蒸発、生成した気相種の冷却、凝縮による微粒子製造方法であり、該気相法で製造された非晶質シリカを気相法シリカという。
気相法シリカは、一般には火炎加水分解法によって作られる。具体的には、四塩化珪素を水素および酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化珪素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化珪素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは、例えば、日本アエロジル(株)からアエロジルとして市販されており入手することができる。
コロイダルシリカは湿式法で合成された平均1次粒子径が数nm〜100nm程度の合成シリカであり、その形状は、一般的に球状または球状に近い形状をしている。各シリカ粒子の表面近傍には、いわゆる電気二重層が形成され、シリカ粒子同士は接近すると反発し合い安定なコロイド状態が保たれる。
本発明で用いることができるコロイダルシリカとしては以下のようなものが市販されており入手することができる。例えば、スノーテックス20、スノーテックス30、スノーテックス40、スノーテックスS、スノーテックスO、スノーテックスC、スノーテックスN、スノーテックス20L、スノーテックスOL、スノーテックスAK、スノーテックスXS、MA−ST、IPA−ST、EG−ST、DMAC−ST(以上、日産化学工業(株)製)、カタロイドS−20L、カタロイドS−20H、カタロイドS−30L、カタロイドS−30H、カタロイドSI−30、カタロイドSI−40、カタロイドSI−50、カタロイドSI−350、カタロイドSN、カタロイドSA、USB−1、USB−2、USB−3、OSCAL1132、OSCAL1232、OSCAL1332、OSCAL1432、OSCAL1532、OSCAL1622、OSCAL1722(以上、触媒化成工業(株)製)などを挙げることができる。
アルミナ水和物は、下記の一般式により表すことができる。
Al23・nH2
アルミナ水和物は組成や結晶形態の違いにより、ジプサイト、バイアライト、ノルストランダイト、ベーマイト、ベーマイトゲル(擬ベーマイト)、ジアスポア、無定形非晶質等に分類される。中でも、上記の式中、nの値が1である場合はベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1を越え3未満である場合は擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが3以上では非晶質構造のアルミナ水和物を表す。特に、本発明に好ましいアルミナ水和物は、少なくともnが1を越え3未満の擬ベーマイト構造のアルミナ水和物である。
本発明に用いられるアルミナ水和物の形状は、平板状、繊維状、針状、球状、棒状等のいずれでもよく、インク吸収性の観点から好ましい形状は平板状である。平板状のアルミナ水和物は、平均アスペクト比3〜8であり、好ましくは平均アスペクト比が3〜6である。アスペクト比は、粒子の「厚さ」に対する「直径」の比で表される。ここで粒子の直径とは、アルミナ水和物を電子顕微鏡で観察したときの粒子の投影面積に等しい円の直径を表す。
本発明に用いられるアルミナ水和物は、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等公知の方法によって製造することができる。また、アルミナ水和物の粒子径、細孔径、細孔容積、比表面積等の物性は、析出温度、熟成温度、熟成時間、液のpH、液の濃度、共存化合物等の条件によって制御することができる。
本発明のインクジェト記録シートには、市販のアルミナ水和物も好適に用いることができる。以下にその一例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、アルミナ水和物としては、アルミナゾル520(以上、日産化学工業(株)製)、アルミゾル10、アルミゾル20、アルミゾル132、アルミゾル132S、アルミゾルSH5、アルミゾルCSA55、アルミゾルSV102、アルミゾルSB52(以上、川研ファインケミカル(株)製)などを挙げることができる。
本発明のインクジェット記録シートで使用される透気性の紙支持体としては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の木材パルプ、およびケナフ、バガス、竹、コットン等の非木材パルプと従来公知の顔料を主成分として、結着剤、およびサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種装置で製造された原紙、更に原紙に、澱粉、ポリビニルアルコール等でのサイズプレスやアンカーコート層を設けた原紙や、それらの上にコート層を設けたアート紙、コート紙、キャストコート紙等の塗工紙も含まれる。この様な原紙、および塗工紙に、本発明におけるインクジェット記録シートの塗工層を直接設けても良いし、平坦化をコントロールする目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を使用しても良い。又、該支持体の坪量としては、通常40〜300g/m2であるが、特に制限されるものではない。
以下に、本発明の実施例をあげて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例、および比較例において「部」および「%」は、特に明示しない限り質量部および質量%を示す。なお、配合において示す部数は実質成分の数量である。
(実施例1)
〈支持体の作製〉
LBKP(濾水度400mlcsf)80部とNBKP(濾水度450mlcsf)20部からなる木材パルプ100部に対して、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が10/10/10の顔料10部、市販のアルキルケテンダイマー0.10部、市販カチオン系ポリアクリルアミド0.03部、市販のカチオン化澱粉0.80部、硫酸バンド0.40部を水に加えてスラリーを調製後、長網抄紙機を用いて坪量90g/m2で抄造し、支持体とした。
顔料として合成非晶質シリカ((株)トクヤマ ファインシールCM−F BET比表面積;80m2/g)100部、結着剤としてポリビニルアルコール((株)クラレ PVA117)20部、カチオン性染料定着剤として変性ポリアミド系樹脂(住友化学工業(株) スミレッズレジン1001)20部、湿潤剤としてアセチレングリコール(日信化学工業(株) サーフィノール465)0.2部を秤量し、水に加えてインク吸収層塗布液を固形分濃度15%で作製した。次に、作製した支持体の一方の面に、作製したインク吸収層塗布液を乾燥後の塗工量が8g/m2となるようにエアーナイフコーターで塗布し、乾燥して、インク吸収層を該支持体に塗設した。
次に、コロイド粒子としてコロイダルシリカ(日産化学工業(株) スノーテックスYL 平均1次粒子径;65nm)100部、結着剤として、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株) Z−410)15部、オレイン酸系離型剤((株)日新化学研究所 DEF7100)5部を水に加えて光沢発現層塗布液を固形分濃度16%で作製した。次いで、上記で作製したインク吸収層上に、該光沢発現層塗布液を乾燥後の塗工量が6g/m2となるようにエアーナイフコーターで塗布した。さらに、光沢発現層が湿潤状態にある間に、下記配合からなる凝固液を満たした凝固槽に浸けて凝固処理した後、直ちに表面温度110℃に加熱された鏡面ロールにプレス線圧980N/cmで圧接し、乾燥して本発明のインクジェット記録シートを得た。
(凝固液配合)
水 95.99部
硼砂 4部
炭酸ジルコニウムアンモニウム
(第一希元素化学工業(株) ジルコゾールAC−7) 0.01部
(実施例2)
凝固液配合を下記のように変更した以外は実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録シートを得た。
(凝固液配合)
水 81部
硼砂 4部
炭酸ジルコニウムアンモニウム
(第一希元素化学工業(株) ジルコゾールAC−7) 15部
(実施例3)
凝固液配合を下記のように変更した以外は実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録シートを得た。
(凝固液配合)
水 95.95部
硼砂 4部
炭酸ジルコニウムアンモニウム
(第一希元素化学工業(株) ジルコゾールAC−7) 0.05部
(実施例4)
凝固液配合を下記のように変更した以外は実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録シートを得た。
(凝固液配合)
水 95.9部
硼砂 4部
炭酸ジルコニウムアンモニウム
(第一希元素化学工業(株) ジルコゾールAC−7) 0.1部
(実施例5)
凝固液配合を下記のように変更した以外は実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録シートを得た。
(凝固液配合)
水 95.5部
硼砂 4部
炭酸ジルコニウムアンモニウム
(第一希元素化学工業(株) ジルコゾールAC−7) 0.5部
(実施例6)
凝固液配合を下記のように変更した以外は実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録シートを得た。
(凝固液配合)
水 95部
硼砂 4部
炭酸ジルコニウムアンモニウム
(第一希元素化学工業(株) ジルコゾールAC−7) 1部
(実施例7)
凝固液配合を下記のように変更した以外は実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録シートを得た。
(凝固液配合)
水 94.5部
硼砂 4部
炭酸ジルコニウムアンモニウム
(第一希元素化学工業(株) ジルコゾールAC−7) 1.5部
(実施例8)
凝固液配合を下記のように変更した以外は実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録シートを得た。
(凝固液配合)
水 91部
硼砂 4部
炭酸ジルコニウムアンモニウム
(第一希元素化学工業(株) ジルコゾールAC−7) 5部
(実施例9)
凝固液配合を下記のように変更した以外は実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録シートを得た。
(凝固液配合)
水 86部
硼砂 4部
炭酸ジルコニウムアンモニウム
(第一希元素化学工業(株) ジルコゾールAC−7) 10部
(実施例10)
インク吸収層に含有する顔料をBET比表面積が100m2/gである合成非晶質シリカ(水澤化学工業(株) ミズカシルP605)に変更した以外は実施例6と同様にして本発明のインクジェット記録シートを得た。
(実施例11)
コロイド粒子を平均1次粒子径が50nmのコロイダルシリカ(日産化学工業(株) スノーテックスXL)に変更した以外は実施例10と同様にして本発明のインクジェット記録シートを得た。
(実施例12)
インク吸収層に含有する顔料をBET比表面積が100m2/gである合成非晶質シリカ(日本シリカ工業(株) NIPGEL BY−001)に変更し、かつ光沢発現層に含有するコロイド粒子を平均1次粒子径が15nmのコロイダルシリカ(日産化学工業(株) スノーテックスO)に変更した以外は実施例6と同様にして本発明のインクジェット記録シートを得た。
(実施例13)
光沢発現層に含有するコロイド粒子を平均1次粒子径が7nmの気相法シリカ(日本アエロジル(株) アエロジル380)に変更した以外は実施例10と同様にして本発明のインクジェット記録シートを得た。
(実施例14)
光沢発現層に含有するコロイド粒子を平均1次粒子径が12nmのアルミナゾル(日産化学工業(株) エクセマイト46T)に変更した以外は実施例10と同様にして本発明のインクジェット記録シートを得た。
(実施例15)
凝固液配合を下記のように変更した以外は実施例14と同様にして本発明のインクジェット記録シートを得た。
(凝固液配合)
水 95部
硼砂 4部
メタキシレンジアミン(三菱瓦斯化学(株)) 1部
(実施例16)
凝固液配合を下記のように変更した以外は実施例14と同様にして本発明のインクジェット記録シートを得た。
(凝固液配合)
水 95部
硼砂 4部
アジピン酸ジヒドラジド(日本化成(株)) 1部
(実施例17)
凝固液配合を下記のように変更した以外は実施例14と同様にして本発明のインクジェット記録シートを得た。
(凝固液配合)
水 95部
硼砂 4部
メチル化メチロールメラミン(住友化学工業(株)スミマールM−30W) 1部
(比較例1)
光沢発現層の配合を下記のように変更し、かつ凝固液配合も下記のように変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(光沢発現層配合)
コロイダルシリカ(日産化学工業(株)
スノーテックスYL 平均1次粒子径;65nm) 100部
ポリビニルアルコール((株)クラレ PVA117) 15部
オレイン酸系離型剤((株)日新化学研究所 DEF7100) 5部
(凝固液配合)
水 96部
硼砂 4部
(比較例2)
光沢発現層の配合を下記のように変更し、かつ凝固液配合も下記のように変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(光沢発現層配合)
コロイダルシリカ(日産化学工業(株)
スノーテックスYL 平均1次粒子径;65nm) 100部
ポリビニルアルコール((株)クラレ PVA117) 15部
オレイン酸系離型剤((株)日新化学研究所 DEF7100) 5部
(凝固液配合)
水 95部
硼砂 4部
炭酸ジルコニウムアンモニウム
(第一希元素化学工業(株) ジルコゾールAC−7) 1部
(比較例3)
光沢発現層の配合を下記のように変更し、かつ凝固液配合も下記のように変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(光沢発現層配合)
コロイダルシリカ(日産化学工業(株)
スノーテックスYL 平均1次粒子径;65nm) 100部
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール
(日本合成化学工業(株) Z−410) 15部
オレイン酸系離型剤((株)日新化学研究所 DEF7100) 5部
(凝固液配合)
水 96部
硼砂 4部
〈試験方法〉
1)表面光沢
表面光沢は、JIS Z 8741に準拠し、村上色彩技術研究所製デジタル光沢計GM−26D型を用いて入反射角度が20度で測定した。
2)写像性
写像性は、JIS H 8686に準拠し、光学的装置の光学くしを通して得られた光量の波形から写像性を像鮮明度として求める方法である。光学くしは暗部明部の比が1:1で、その幅は0.125、0.5、1.0および2.0mmの各種のものがある。測定は、光学くしを移動させ、記録紙上の最高波形(M)、および最低波形(m)を読み取り、次式により像鮮明度を求める。
C=(M−m)/(M+m)×100
ここで、C:像鮮明度(%)、M:最高波形、m:最低波形である。
像鮮明度Cは、値が大きければ写像性が良く、小さければ「ボケ」又は「歪み」をもっていることを示す指標である。この画像の「ボケ」または「歪み」が少なければ、光沢計での光沢値が同じ場合であっても、目視による光沢感が向上することが分かっている。光学的装置には、スガ試験機製ICM−1DPを用いて反射角度45度で測定した。
3)水性染料インク吸収性
水性染料インク吸収性の評価は、インクジェットプリンタ(セイコーエプソン(株) PM950C 水性染料インク使用)を使い、実施例および比較例で作製したインクジェット記録シートにシアンインク、マゼンタインク、イエローインクで重色の矩形パターンを印字した。重ねるインク量が各色全て100%の時を300%とし、全て90%の時を270%とし、以下同様に240%、210%、180%、150%の矩形パターンを作成して印字した。この印字パターンを印字直後、印字部にPPC用紙を貼り付け、PPC用紙へのインクの転写を評価した。
◎:300%の印字部において転写されない。
○:270%未満の印字部では転写されない。
△:210%未満の印字部では転写されない。
×:180%未満の印字部では転写されない。
良好なインク吸収性を示すのは、◎であり、実用上問題ないレベルは○である。
4)水性顔料インク吸収性
水性顔料インク吸収性の評価は、インクジェットプリンタ(セイコーエプソン(株) PM−4000PX 水性顔料インク使用)を使い、実施例および比較例で作製したインクジェット記録シートにシアンインク、マゼンタインク、イエローインクで重色の矩形パターンを印字した。重ねるインク量が各色全て100%の時を300%とし、全て90%の時を270%とし、以下同様に240%、210%、180%、150%の矩形パターンを作成して印字した。この印字パターンを印字直後、印字部にPPC用紙を貼り付け、PPC用紙へのインクの転写を評価した。
◎:300%の印字部において転写されない。
○:270%未満の印字部では転写されない。
△:210%未満の印字部では転写されない。
×:180%未満の印字部では転写されない。
良好なインク吸収性を示すのは、◎であり、実用上問題ないレベルは○である。
5)印字部光沢
実施例および比較例で作製したインクジェット記録シートにインクジェットプリンタ(セイコーエプソン(株) PM−4000PX 水性顔料インク使用)でブラックの矩形パターンを印字した。この印字パターンを目視観察した。際だって光沢性のあるものを印字部光沢性が優とし、十分な光沢性のものを印字部光沢性が並とし、光沢感が劣るものを印字部光沢性が劣とした。
6)水性顔料インク定着性
実施例および比較例で作製したインクジェット記録シートにインクジェットプリンタ(セイコーエプソン(株) PM−4000PX 水性顔料インク使用)でブラック100%のベタ印字を行った。印字終了後30秒してから、該ベタ印字部分の表面を白紙で片方向に1回擦り、未定着のインクが周囲の白紙(未印字)部分に拡がらなかったもの(インク定着性良好)を優と判定し、実用上問題はないがわずかに未定着のインクが拡がったものを並と判定し、未定着のインクが表面から脱落したもの(インク定着性不良)を劣と判定した。
Figure 0004152915
評価:
表1より明らかなように、本発明のインクジェット記録シートは、優れた表面光沢性と写像性をもち、さらに水性染料インクに対するインク吸収性が良好で、かつ凝固液中のジルコニウム化合物の濃度を0.05〜10質量%とすることにより、水性顔料インクに対するインク吸収性も向上し、さらに、インク吸収層中の顔料をBET比表面積100m2/g以上の合成非晶質シリカにし、かつ光沢発現層中のコロイド粒子を平均1次粒子径が50nm以下のコロイダルシリカ、アルミナ水和物、および気相法シリカから選ばれる少なくとも1種以上のコロイド粒子とすることで、水性顔料インクの定着性が向上する。

Claims (2)

  1. 透気性の紙支持体に、インク吸収層及び光沢発現層を順次設けた後、該光沢発現層を凝固液を用いて凝固処理し、湿潤状態にある間に、加熱された鏡面ロールに圧接、乾燥して仕上げるインクジェット記録シートにおいて、該光沢発現層中に結着剤として少なくともアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールを含有し、該凝固液中にアセトアセチル基と架橋しうる架橋剤を含有してなり、該架橋剤がヒドラジン化合物、N−メチロール化合物、ジルコニウム化合物及びアミン化合物の中の少なくとも一種であることを特徴とするインクジェット記録シート。
  2. 該インク吸収層が、BET比表面積100m2/g以上の合成非晶質シリカを含有し、かつ、該光沢発現層が平均1次粒子径が50nm以下のコロイダルシリカ、アルミナ水和物、および気相法シリカから選ばれる少なくとも1種のコロイド粒子を含有することを特徴とする請求項に記載のインクジェット記録シート。
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