JP2006259765A - 電子写真感光体及びそれを用いる画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 粒子を含む下引き層から粒子が脱離することを防止し、繰り返し画像を形成しても画像が良好で、耐刷性に優れた電子写真感光体を提供する。
【解決手段】 導電性基体の上に、有機ケイ素化合物により表面を処理されている粒子を含有する下引き層と感光層とをこの順で積層塗布してなる電子写真感光体において、導電性基体の塗布層下端部を拭き取り、前記下引き層は前記感光層に覆われていることを特徴とする電子写真感光体、及びそれを用いる画像形成装置。
【選択図】 なし
【解決手段】 導電性基体の上に、有機ケイ素化合物により表面を処理されている粒子を含有する下引き層と感光層とをこの順で積層塗布してなる電子写真感光体において、導電性基体の塗布層下端部を拭き取り、前記下引き層は前記感光層に覆われていることを特徴とする電子写真感光体、及びそれを用いる画像形成装置。
【選択図】 なし
Description
本発明は、電子写真感光体に関し、より詳しくは粒子を含む下引き層を有し、特殊な層構成を有する電子写真感光体、およびそれを用いる画像形成装置に関する。
電子写真感光体(感光ドラムなど)は、通常帯電工程−露光工程−現像工程−転写工程−クリーニング工程−除電露光工程からなる電子写真プロセスに従って画像形成装置内で処理される。画像形成装置内では感光ドラムの表面が前述の電子写真プロセスを実施するいくつかの装置と接触する。例えば、転写工程では、現像されたトナー像を紙などの被転写体に転写する際、その被転写体が感光ドラムの表面と接触しながら、送り出される。また、クリーニング工程では、クリーニング手段としてブレードや、ブラシなどが用いられており、ブレードやブラシが感光ドラムの表面に接触し、感光ドラム上のトナーをクリーニングする。さらに、現像ローラの両端部にスペーサーを設けた現像装置を用いた場合では、そのスペーサーが感光ドラムに接触しており、コピー画像を得るたびに感光ドラムがスペーサーによって擦られる。
電子写真感光体には、導電性基体と感光層との電気伝導度を制御し、また、導電性基体と電荷発生層の間との接着力を向上させるために、下引き層が設けられる場合がある。しかし、中間層を設けた場合であっても電荷発生層と電荷輸送層がその端部から膜剥離を生じる。かかる問題を解決するため、例えば特許文献1には感光層の端部が中間層の端部より内側に設けるようにして電子写真感光体を形成する方法が記載されている。
特開昭59−184359号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、酸化チタン等の粒子を含む下引き層を用いた場合、下引き層が露出しているため、画像を形成等する際に下引き層がすられて、下引き層の表面に存在する粒子が脱離し、電子写真感光体表面を汚すという問題点があった。さらに、かかる電子写真感光体では、画像を形成した際に画像に黒点を生ずるという問題があった。
本発明の第一の目的は、粒子を含む下引き層から粒子が脱離することを防止した新規な電子写真感光体を提供することにある。
本発明の別の目的は、繰り返し画像を形成しても画像が良好で、耐刷性に優れた電子写真感光体を提供することにある。
本発明の別の目的は、繰り返し画像を形成しても画像が良好で、耐刷性に優れた電子写真感光体を提供することにある。
かかる目的は、導電性基体の上に粒子を含有する下引き層と感光層とをこの順で積層してなる電子写真感光体であって、前記導電性基体の塗布層下端部を拭き取り、下引き層が感光層によって覆われるよう形成されている電子写真感光体によって達成される。このように、下引き層を感光層が覆うことによって、下引き層から粒子が脱離することを防止し、かつ、下引き層による電気伝導度制御性、接着性を維持することが可能となる。特に粒子として酸化チタンを用い、酸化チタンを有機ケイ素化合物で表面処理したものと、ポリアミドとを具備する下引き層に本発明を用いれば、下引き層の電気伝導性御性や、接着性を維持しつつ粒子(酸化チタン)が脱離することを防止することが可能となる。また、本発明は、画像を形成する際の、電子写真感光体が回転する回転速度が150mm/秒以上5000mm/秒以下と比較的高速である画像形成装置に好適に用いることが可能である。電子写真感光体の回転速度が高速であれば、下引き層がすれる際に、下引き層から粒子がより容易に脱離するからである。また、このように電子写真感光体が高速回転する画像形成装置にもちいられる電子写真感光体の感光層(電荷発生層)には、高感度を得るためY型チタニルオキシフタロシアニンが用いられることが多く、かかる場合に特に本発明は有効に用いられる。
本発明によれば、粒子を含む下引き層から粒子が脱離することを防止し、繰り返し画像を形成しても、高品質の画像を得ることが可能な電子写真感光体を得ることが可能となる。
以下、本発明の電子写真感光体について説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例であり、これらの内容に特定はされない。
電子写真感光体は、導電性基体上に下引き層と感光層とをこの順で積層してなる。感光層は、電荷発生層と電荷輸送層が別に構成されたいわゆる積層型のものと、一つの層からなる単層型のものがあるが、感度等の観点からは積層型の電子写真感光体が好ましい。感光層と、導電性基体の間には、下引き層が設けられている。また、感光層の外面には、表面保護層が設けられていても良い。
電子写真感光体は、導電性基体上に下引き層と感光層とをこの順で積層してなる。感光層は、電荷発生層と電荷輸送層が別に構成されたいわゆる積層型のものと、一つの層からなる単層型のものがあるが、感度等の観点からは積層型の電子写真感光体が好ましい。感光層と、導電性基体の間には、下引き層が設けられている。また、感光層の外面には、表面保護層が設けられていても良い。
電子写真感光体には、円筒状アルミニウム基体の上に感光層等を形成した円筒状電子写真感光体:感光体ドラムや、かとう性のあるプラスチックのシート上にアルミニウムを蒸着し、その上に感光層等を形成したシート状の電子写真感光体が存在する。以下、円筒状アルミニウム基体を用いた円筒状電子写真感光体に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
電荷発生層は、電荷発生剤と結着樹脂とを具備し、電荷発生層用の塗布液は、電荷発生剤と結着剤と分散媒とを具備する。
電荷発生剤としては、セレン及びその合金、ヒ素−セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、その他の無機光導電体、フタロシアニン類、アゾ系、キナクリドン系、多環キノン系、ペリレン系、インジゴ系、スクアリリウム色素系、アズレニウム色素系、チアピリリウム系、ベンズイミダゾール系などの有機顔料を使用することができる。特に銅、塩化インジウム、塩化カリウム、スズ、オキシチタニウム、亜鉛、バナジウムなどの金属、またはその酸化物や塩化物の配位したフタロシアニン類、無金属フタロシアニン類、または、モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ、ポリアゾ類などのアゾ顔料が好ましい。これらのうちアゾ顔料又はフタロシアニン類がより好ましく、オキシチタニウムフタロシアニンがより好ましく、いわゆるY型オキシチタニウムフタロシアニンが高感度を得ることができるため特に好ましい。なお、電荷発生剤は、単独で用いても2種以上を含んで用いても良い。例えば、いわゆるY型オキシチタニウムフタロシアニンと、いわゆるβ型オキシチタニウムフタロシアニンやα型オキシチタニウムフタロシアニンの混合物を電荷発生剤として用いてもよい。
電荷発生剤としては、セレン及びその合金、ヒ素−セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、その他の無機光導電体、フタロシアニン類、アゾ系、キナクリドン系、多環キノン系、ペリレン系、インジゴ系、スクアリリウム色素系、アズレニウム色素系、チアピリリウム系、ベンズイミダゾール系などの有機顔料を使用することができる。特に銅、塩化インジウム、塩化カリウム、スズ、オキシチタニウム、亜鉛、バナジウムなどの金属、またはその酸化物や塩化物の配位したフタロシアニン類、無金属フタロシアニン類、または、モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ、ポリアゾ類などのアゾ顔料が好ましい。これらのうちアゾ顔料又はフタロシアニン類がより好ましく、オキシチタニウムフタロシアニンがより好ましく、いわゆるY型オキシチタニウムフタロシアニンが高感度を得ることができるため特に好ましい。なお、電荷発生剤は、単独で用いても2種以上を含んで用いても良い。例えば、いわゆるY型オキシチタニウムフタロシアニンと、いわゆるβ型オキシチタニウムフタロシアニンやα型オキシチタニウムフタロシアニンの混合物を電荷発生剤として用いてもよい。
いわゆるY型オキシチタニウムフタロシアニンは、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)27.3度、9.2度、14.3度、及び24.0度に回折ピークを示すものである。
分散媒としては、種々の溶媒を用いることが可能である。例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類;アセ
トン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類を単独あるいは2種以上混合して使用することができる。
分散媒としては、種々の溶媒を用いることが可能である。例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類;アセ
トン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類を単独あるいは2種以上混合して使用することができる。
用いる分散媒の量は、分散が充分行え、且つ分散液中に有効量の電荷発生剤が含まれる限りいかなる量でもよく、通常は分散時の分散液中の電荷発生剤の濃度にして3〜20wt%、より好ましくは4〜20wt%が好ましい。
結着樹脂としては、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、フノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、及びその共重合体、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等またこれらの部分的架橋硬化物等を単独あるいは2種以上用いることができる。
結着樹脂としては、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、フノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、及びその共重合体、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹脂等またこれらの部分的架橋硬化物等を単独あるいは2種以上用いることができる。
結着樹脂と電荷発生剤粒子との混合方法としては、例えば、電荷発生剤粒子を分散処理中に結着樹脂を粉末のまま、或いはそのポリマー溶液を加え同時に分散する方法、分散液を結着樹脂のポリマー溶液中に混合する方法、或いは逆に分散液中にポリマー溶液を混合する方法等のいずれの方法を用いてもかまわない。
次に、ここで得られた分散液は、塗布をするのに適した液物性にするために、種々の溶剤を用いて希釈してもかまわない。このような溶剤としては、例えば前記分散媒として例示した溶媒を使用することができる。電荷発生剤と結着樹脂との割合は特に制限はないが一般には樹脂100重量部に対して電荷発生剤が5〜500重量部の範囲より使用される。
次に、ここで得られた分散液は、塗布をするのに適した液物性にするために、種々の溶剤を用いて希釈してもかまわない。このような溶剤としては、例えば前記分散媒として例示した溶媒を使用することができる。電荷発生剤と結着樹脂との割合は特に制限はないが一般には樹脂100重量部に対して電荷発生剤が5〜500重量部の範囲より使用される。
電荷移動層は、電荷発生剤と結着樹脂とを具備し、電荷移動層用塗布液は、電荷発生剤と結着樹脂と分散媒とを具備する。
電荷移動剤としては、例えば、2,4,7−トリニトロフルオレノン、テトラシアノキシジ
メタンなどの電子吸引性物質、セルバゾール、インドール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピラゾリン、チアジアゾールなどの複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、或いはこれらの化合物からなる基を主鎖もしくは側鎖に有する重合体などの電子供与性物質が挙げられる。電荷移動層についても電荷発生層と同様の結着樹脂等を用いることができる。特に、電荷移動層との相溶性の高い結着樹脂を用いることが好ましい。電荷移動剤と結着樹脂との割合は結着樹脂100重量に対して電荷移動物質が5〜500重量部の範囲により電荷移動層用の分散液が調整される。
電荷移動剤としては、例えば、2,4,7−トリニトロフルオレノン、テトラシアノキシジ
メタンなどの電子吸引性物質、セルバゾール、インドール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピラゾリン、チアジアゾールなどの複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、或いはこれらの化合物からなる基を主鎖もしくは側鎖に有する重合体などの電子供与性物質が挙げられる。電荷移動層についても電荷発生層と同様の結着樹脂等を用いることができる。特に、電荷移動層との相溶性の高い結着樹脂を用いることが好ましい。電荷移動剤と結着樹脂との割合は結着樹脂100重量に対して電荷移動物質が5〜500重量部の範囲により電荷移動層用の分散液が調整される。
このようにして調製された分散液を用いて、導電性支持体上に電荷発生層を形成させ、その上に電荷移動層を積層させて感光層を形成する。電荷発生層の膜厚は電荷移動層と積層させて感光層を形成する場合0.1μm〜10μmの範囲が好適であり、電荷移動層の膜厚は10〜40μmが好適である。
本発明において用いられる電子写真感光体の導電性基体としては、特に限定されるものではないがアルミニウムまたはアルミニウム合金が好適に使用される。アルミニウム製導電性基体の材質としては、例えば、JIS1050、JIS1070、JIS1080等の純アルミニウムまたは、AL−Mg系合金、AL−Cu系合金、AL−Si系合金、AL−Mg−Si系合金、AL−Cu−Si系合金等の種々のアルミニウム合金が挙げられ、より好ましくはAL−Mn系合金であるJIS3003、AL−Si系合金であるJIS6063等が挙げられる。なお、本発明において「アルミニウム」という時はアルミニウム合金と分けて表現しない限り、通常、アルミニウム合金も含めた総称を表す。
本発明において用いられる電子写真感光体の導電性基体としては、特に限定されるものではないがアルミニウムまたはアルミニウム合金が好適に使用される。アルミニウム製導電性基体の材質としては、例えば、JIS1050、JIS1070、JIS1080等の純アルミニウムまたは、AL−Mg系合金、AL−Cu系合金、AL−Si系合金、AL−Mg−Si系合金、AL−Cu−Si系合金等の種々のアルミニウム合金が挙げられ、より好ましくはAL−Mn系合金であるJIS3003、AL−Si系合金であるJIS6063等が挙げられる。なお、本発明において「アルミニウム」という時はアルミニウム合金と分けて表現しない限り、通常、アルミニウム合金も含めた総称を表す。
これらのアルミニウム製導電性基体の製造法は特に限定されないが、アルミニウムビレットをポートホール法、マンドレル法等により押し出し管に加工し、続いて所定の肉厚、外径寸法の円筒とするため、引き抜き加工、インパクト加工、しごき加工、あるいは切削による鏡面加工を行うことで作ることができる。導電性基体表面には引き抜き油、切削油、防錆油、空気中の各種塵埃等が付着しているため、通常、光導電層を形成する前に洗浄処理が行われる。
導電性支持基体の直径(後述のφmm)としては、感光体ドラムが用いられる画像形成装置に合わせて製造されるが、5mm〜500mmがよく、10mm〜200mmがよりよく、具体的には、10mm、15mm、17mm、20mm、30mm、60mm、80mm、100mm、150mmがあげられる。
下引き層は、粒子と結着樹脂より構成される。結着樹脂としては、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール、セルロース、ポリアミド、エポキシ、ウレタン、アクリル酸、メタクリル酸等の熱可塑性樹脂、あるいは熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂が挙げられるが、基体との接着性、耐溶剤性、電気的バリア性、塗工性、乾燥性等から、アルコール可溶性樹脂が好ましく、特にアルコール可溶性ポリアミド樹脂が好ましい。その中でも下引き層としての性能、塗布液の安定性及び、下引き層と導電性基体との接着性の面で、ジアミン成分を構成成分として有する共重合ポリアミド樹脂が特に好ましい。
下引き層は、粒子と結着樹脂より構成される。結着樹脂としては、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール、セルロース、ポリアミド、エポキシ、ウレタン、アクリル酸、メタクリル酸等の熱可塑性樹脂、あるいは熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂が挙げられるが、基体との接着性、耐溶剤性、電気的バリア性、塗工性、乾燥性等から、アルコール可溶性樹脂が好ましく、特にアルコール可溶性ポリアミド樹脂が好ましい。その中でも下引き層としての性能、塗布液の安定性及び、下引き層と導電性基体との接着性の面で、ジアミン成分を構成成分として有する共重合ポリアミド樹脂が特に好ましい。
粒子は、下引き層の要求特性を満足させるために加えられる。粒子としては、金属酸化物等の無機粒子があげられる。特に、疎水化のための表面処理を施された金属酸化物が好ましい。
金属酸化物の表面処理は、乾式法及び湿式法のいずれでも行うことが出来る。乾式法による場合は、母体の金属酸化物をヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなどのような高速撹拌機に仕込み、高速撹拌しながらこれに表面処理剤の溶液を滴下ないしは噴霧して均一に付着させたのち、あるいはスプレーにより添加し、均一になるように撹拌した後、乾燥させれば良い。また湿式法による場合は、溶媒中に母体の酸化チタンと表面処理剤とを加え、ボールミル、コボールミル、サンドグラインドミル、パールミル等のビーズミルにより分散処理した後、溶媒を蒸発させればよい。両法とも、処理中又は処理後に100℃から200℃位で焼き付けを行い、金属酸化物と表面処理剤の結合をより強固なものとするのが好ましい。
金属酸化物の表面処理は、乾式法及び湿式法のいずれでも行うことが出来る。乾式法による場合は、母体の金属酸化物をヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなどのような高速撹拌機に仕込み、高速撹拌しながらこれに表面処理剤の溶液を滴下ないしは噴霧して均一に付着させたのち、あるいはスプレーにより添加し、均一になるように撹拌した後、乾燥させれば良い。また湿式法による場合は、溶媒中に母体の酸化チタンと表面処理剤とを加え、ボールミル、コボールミル、サンドグラインドミル、パールミル等のビーズミルにより分散処理した後、溶媒を蒸発させればよい。両法とも、処理中又は処理後に100℃から200℃位で焼き付けを行い、金属酸化物と表面処理剤の結合をより強固なものとするのが好ましい。
表面処理剤としては、有機ケイ素化合物が好ましく、メチル水素ポリシロキサンなどのポリシロキサン類や、メチルジメトキシシランなどのシラン類を好適に用いることが可能となる。これらのうちで、メチル水素ポリシロキサンとメチルジメトキシシランが特に好ましい。
金属酸化物粒子の平均一次粒子径としては、0.1nm以上1000nm以下のものが、特性及び塗布液の分散安定性の面で好ましく、1nm以上100nm以下のものがより好ましく、10nm以上70nm以下であればさらに好ましく、20nm以上50nm以下であれば特に好ましい。
金属酸化物粒子の平均一次粒子径としては、0.1nm以上1000nm以下のものが、特性及び塗布液の分散安定性の面で好ましく、1nm以上100nm以下のものがより好ましく、10nm以上70nm以下であればさらに好ましく、20nm以上50nm以下であれば特に好ましい。
金属酸化物の中でも、酸化チタン粒子が下引き層の特性向上にとって好ましい。酸化チタン粒子は、結晶質又は非晶質のいずれであっても良い。結晶質酸化チタンの結晶型はルチルが最も一般的であるが、アナターゼ、ブルッカイトなどであってもよい。
また、上記の有機金属化合物で表面処理された金属酸化物粒子は、上記処理剤以外に例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア等の無機物で処理されていてもよい。有機金属化合物処理された金属酸化物粒子と、結着樹脂の比は任意に選択できるが、特性及び塗布液の安定性の面から、粒子/結着樹脂の重量比として、0.5/1〜10/1の範囲が好ましく、より好ましくは1/1〜5/1、更に好ましくは1.5/1〜4/1、特に好ましくは1.7/1〜3/1の範囲である。
また、上記の有機金属化合物で表面処理された金属酸化物粒子は、上記処理剤以外に例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア等の無機物で処理されていてもよい。有機金属化合物処理された金属酸化物粒子と、結着樹脂の比は任意に選択できるが、特性及び塗布液の安定性の面から、粒子/結着樹脂の重量比として、0.5/1〜10/1の範囲が好ましく、より好ましくは1/1〜5/1、更に好ましくは1.5/1〜4/1、特に好ましくは1.7/1〜3/1の範囲である。
更に、下引き層塗布液は、塗布性、分散粒子の分散性を改良する目的で、各種の界面活性剤を添加しても良い。その他、レベリング剤や酸化防止剤を含んでいても良い。
上記の下引き層塗布液は、次のようにして作製することができる。有機化合物処理された金属酸化物粒子をボールミル、コボールミル、サンドミル等で分散処理を行った後、適度な濃度に希釈してスラリーを作製する。上記スラリーに、予め溶媒で溶解しておいたバインダー溶解液を加えて混合し、下引き層塗布液を作製する。または、上記スラリーにバインダーペレット及び粉末を直接添加し、混合、撹拌し、上記バインダーを溶解し、下引き層塗布液とする。また逆に、バインダー溶解液に有機化合物処理の金属酸化物粒子を添加し、上記分散処理を行うことでも作製できる。これらの製造過程において、各種添加物は、任意に添加できる。また、必要に応じて、加熱処理、超音波処理等が加えられても良い。
上記の下引き層塗布液は、次のようにして作製することができる。有機化合物処理された金属酸化物粒子をボールミル、コボールミル、サンドミル等で分散処理を行った後、適度な濃度に希釈してスラリーを作製する。上記スラリーに、予め溶媒で溶解しておいたバインダー溶解液を加えて混合し、下引き層塗布液を作製する。または、上記スラリーにバインダーペレット及び粉末を直接添加し、混合、撹拌し、上記バインダーを溶解し、下引き層塗布液とする。また逆に、バインダー溶解液に有機化合物処理の金属酸化物粒子を添加し、上記分散処理を行うことでも作製できる。これらの製造過程において、各種添加物は、任意に添加できる。また、必要に応じて、加熱処理、超音波処理等が加えられても良い。
このようにして作製された下引き層塗布液は、導電性基体上に塗布され、乾燥することにより下引き層が形成される。この時の塗布方法としては、スプレー塗布、ノズル塗布、ブレード塗布、スピンコート、浸漬塗布等いずれの方法を用いても良く、これらのうち、浸漬塗布が特に好ましい。下引き層の上には感光層が形成される。
下引き層の膜厚は0.1μm〜20μm、好ましくは0.3μm〜10μm、より好ましくは、0.5μm〜5μmが更に好ましく、1μm〜2μmであれば特に好ましい。
本発明の電子写真感光体が製造される工程を図1に基づいて説明する。まず、導電性支持基体1を準備する。導電性支持基体の上端部3が上方になるよう把持する。
下引き層の膜厚は0.1μm〜20μm、好ましくは0.3μm〜10μm、より好ましくは、0.5μm〜5μmが更に好ましく、1μm〜2μmであれば特に好ましい。
本発明の電子写真感光体が製造される工程を図1に基づいて説明する。まず、導電性支持基体1を準備する。導電性支持基体の上端部3が上方になるよう把持する。
[下引き層形成]
導電性基体の上端部3から所定の位置9まで、導電性基体を下引き層塗布液に浸漬する(ステップb)。次に、導電性基体を引き上げる。次いで導電性基体の下端部5から所定の位置までの塗膜をエタノールをしみ込ませたウエスで拭き取る(ステップc)。常温にて風乾を施し、下引き層を乾燥する。
導電性基体の上端部3から所定の位置9まで、導電性基体を下引き層塗布液に浸漬する(ステップb)。次に、導電性基体を引き上げる。次いで導電性基体の下端部5から所定の位置までの塗膜をエタノールをしみ込ませたウエスで拭き取る(ステップc)。常温にて風乾を施し、下引き層を乾燥する。
[電荷発生層形成]
次に、導電性基体の上端部から所定の位置19まで導電性基体を電荷発生層用塗布液に浸漬する(ステップd)。次に、導電性基体を引き上げる。次いで導電性基体の下端部から所定の位置23までの塗膜をテトラヒドロフランをしみ込ませたウエスで拭き取る(ステップe)。常温にて風乾を施し、電荷発生層を乾燥する。
次に、導電性基体の上端部から所定の位置19まで導電性基体を電荷発生層用塗布液に浸漬する(ステップd)。次に、導電性基体を引き上げる。次いで導電性基体の下端部から所定の位置23までの塗膜をテトラヒドロフランをしみ込ませたウエスで拭き取る(ステップe)。常温にて風乾を施し、電荷発生層を乾燥する。
[電荷移動層形成]
次に、導電性基体の上端部から所定の位置29まで導電性基体を電荷移動層用塗布液に浸漬する(ステップf)。次に、導電性基体を引き上げる。次いで導電性基体の下端部から所定の位置33までの塗膜をテトラヒドロフランをしみ込ませたウエスで拭き取る(ステップg)。なお、Y=Zの場合は、電荷移動層を形成後、プロパノールをしみ込ませたウエスで電荷発生層(X=Yの場合は、下引き層も)を拭き取ってもよい。乾燥室にて1時間乾燥処理を施し、電荷移動層を乾燥する。このようにして感光体ドラム(電子写真感光体)を形成する。
次に、導電性基体の上端部から所定の位置29まで導電性基体を電荷移動層用塗布液に浸漬する(ステップf)。次に、導電性基体を引き上げる。次いで導電性基体の下端部から所定の位置33までの塗膜をテトラヒドロフランをしみ込ませたウエスで拭き取る(ステップg)。なお、Y=Zの場合は、電荷移動層を形成後、プロパノールをしみ込ませたウエスで電荷発生層(X=Yの場合は、下引き層も)を拭き取ってもよい。乾燥室にて1時間乾燥処理を施し、電荷移動層を乾燥する。このようにして感光体ドラム(電子写真感光体)を形成する。
上記のようにして製造された電子写真感光体のうち、導電性基体の端部3、5から下引き層の端部までの距離11、15をXmm、導電性基体の端部から電荷発生層の端部までの距離21、25をYmm、導電性基体の端部から電荷移動層の端部までの距離31、35をZmmとする。なお、積層型の電子写真感光体の場合に、感光層の端部とは、原則として、電荷移動層又は電荷発生層の端部を意味する。感光層の上に表面保護層が設けられている場合には、かかる表面層の端部を感光層の端部としてもよい。
本発明の電子写真感光体では、下引き層が感光層に覆われていることが必要である。下引き層が感光層に覆われているとは、下引き層の上に感光層が形成されており、下引き層の全ての表面が覆われ、露出している部分が存在しない状態を意味する。下引き層の端部と、感光層の端部が略同位置の場合でも、下引き層が感光層に覆われていればよい。また、感光層がいわゆる積層型の場合には、電荷発生層及び電荷移動層の両方又はいずれか一方により下引き層が覆われていればよい。
Xとしては、感光体ドラムの直径をφmmとした場合に、φ/10〜5φがよく、φ/5〜φ/1.5であればよりよく、φ/4〜φ/2であれば特に好ましい。Yとしては、Xと同一又は、X/10以上X未満とするのがよく、X/2〜X/1.1であればよりよく、X/1.5〜X/1.1であれば特によい。YとXとがあまりに異なると、下引き層と、電荷発生層との接着性が悪くなり、電荷発生層がはがれるといった問題が生じうるからである。Zとしては、Xと同一又は、X/10以上X未満とするのがよく、X/2〜X/1.1であればよりよく、X/1.5〜X/1.1であれば特によい。なお、ZはさらにY以下であることが望ましい。
本発明の電子写真感光体が用いられる画像形成装置としては、プリンター、複写機、ファクシミリ等があげられる。画像を形成する際の、電子写真感光体が回転する回転速度としては、150mm/秒〜5000mm/秒と比較的高速である画像形成装置に本発明は好適に用いられ、200mm/秒〜1000mm/秒であればより好適であり、300mm/秒〜500mm/秒であれば特に好適に用いることが可能となる。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
まず、下引き層用塗布液、電荷発生層用塗布液、電荷移動層用塗布液を調整した。
[下引き層用塗布液]
粒子として、酸化チタン(石原産業(株)製商品名TTO55N:ルチル型、1次粒径30nm〜50nm)を用いた。酸化チタン100重量%に対し、メチル水素ポリシロキサン3重量%を酸化チタンの表面処理用に用い、酸化チタンの表面処理を行った。表面処理を行った酸化チタンをボールミルにより分散した。その酸化チタンのスラリーに、共重合ポリアミド溶解液を混合し、更に超音波分散処理を行い、溶媒の重量組成が、メタノール/n−プロパノール=7/3、酸化チタン/ポリアミド=3/1で、固形分濃度16重量%の分散液を調整した。
実施例1
まず、下引き層用塗布液、電荷発生層用塗布液、電荷移動層用塗布液を調整した。
[下引き層用塗布液]
粒子として、酸化チタン(石原産業(株)製商品名TTO55N:ルチル型、1次粒径30nm〜50nm)を用いた。酸化チタン100重量%に対し、メチル水素ポリシロキサン3重量%を酸化チタンの表面処理用に用い、酸化チタンの表面処理を行った。表面処理を行った酸化チタンをボールミルにより分散した。その酸化チタンのスラリーに、共重合ポリアミド溶解液を混合し、更に超音波分散処理を行い、溶媒の重量組成が、メタノール/n−プロパノール=7/3、酸化チタン/ポリアミド=3/1で、固形分濃度16重量%の分散液を調整した。
[電荷発生層用塗布液]
Y型オキシチタニウムフタロシアニン10部、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名#6000−C)5部に1、2−ジメトキシエタン500部を加え、サンドグラインドミルで粉砕、分散処理を行い電荷発生層用塗布液を調整した。
[電荷移動層用塗布液]次に示すヒドラゾン化合物56重量部と
Y型オキシチタニウムフタロシアニン10部、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名#6000−C)5部に1、2−ジメトキシエタン500部を加え、サンドグラインドミルで粉砕、分散処理を行い電荷発生層用塗布液を調整した。
[電荷移動層用塗布液]次に示すヒドラゾン化合物56重量部と
次に示すヒドラゾン化合物14重量部、
及び下記のシアン化合物1.5重量部
及び、特開平3−221962号公報の実施例中に記載された製造法により製造された、2つの繰り返し構造単位を有する下記ポリカーボネート樹脂(モノマーモル比1:1)100重量部
を1、4ジオキサン、テトラヒドロフランの混合溶媒に溶解して電荷移動層塗布液とした。
[導電性基体]
導電性基体として表面が鏡面仕上げされた外径60mm、長さ350mm、肉厚1.0mmの6063系アルミニウム製シリンダーを用意した。
[導電性基体]
導電性基体として表面が鏡面仕上げされた外径60mm、長さ350mm、肉厚1.0mmの6063系アルミニウム製シリンダーを用意した。
[塗布工程]
導電性基体の上端部から8mmの位置まで、導電性基体を下引き層塗布液に浸漬した。次に、導電性基体を引き上げた。得られた下引き層の膜厚は、1.25μmであった。次いで導電性基体の下端部から8mm位置までの塗膜をエタノールをしみ込ませたウエスで拭き取った。常温にて風乾を施し、下引き層を乾燥した。
導電性基体の上端部から8mmの位置まで、導電性基体を下引き層塗布液に浸漬した。次に、導電性基体を引き上げた。得られた下引き層の膜厚は、1.25μmであった。次いで導電性基体の下端部から8mm位置までの塗膜をエタノールをしみ込ませたウエスで拭き取った。常温にて風乾を施し、下引き層を乾燥した。
[電荷発生層形成]
次に、導電性基体の上端部から6mmの位置まで導電性基体を電荷発生層用塗布液に浸漬した。次に、導電性基体を引き上げた。得られた電荷発生層の膜厚は、1.5μmであった。次いで導電性基体の下端部から6mm位置までの塗膜をテトラヒドロフランをしみ込ませたウエスで拭き取った。常温にて風乾を施し、電荷発生層を乾燥した。この電荷発生層の上下端部は、それぞれ先に形成した下引き層の上下端部より2mm外側に形成されていた。
次に、導電性基体の上端部から6mmの位置まで導電性基体を電荷発生層用塗布液に浸漬した。次に、導電性基体を引き上げた。得られた電荷発生層の膜厚は、1.5μmであった。次いで導電性基体の下端部から6mm位置までの塗膜をテトラヒドロフランをしみ込ませたウエスで拭き取った。常温にて風乾を施し、電荷発生層を乾燥した。この電荷発生層の上下端部は、それぞれ先に形成した下引き層の上下端部より2mm外側に形成されていた。
[電荷移動層形成]
次に、導電性基体の上端部から5.5mmの位置まで導電性基体を電荷移動層用塗布液に浸漬した。次に、導電性基体を引き上げた。得られた電荷発生層の膜厚は、17μmであった。次いで導電性基体の下端部から5.5mm位置までの塗膜をテトラヒドロフランをしみ込ませたウエスで拭き取った。100℃湿度10%の乾燥室にて1時間乾燥処理を施し、電荷移動層を乾燥した。このようにして感光体ドラム(電子写真感光体)を形成した。
次に、導電性基体の上端部から5.5mmの位置まで導電性基体を電荷移動層用塗布液に浸漬した。次に、導電性基体を引き上げた。得られた電荷発生層の膜厚は、17μmであった。次いで導電性基体の下端部から5.5mm位置までの塗膜をテトラヒドロフランをしみ込ませたウエスで拭き取った。100℃湿度10%の乾燥室にて1時間乾燥処理を施し、電荷移動層を乾燥した。このようにして感光体ドラム(電子写真感光体)を形成した。
実施例2
下引き層と電荷発生層を導電性基体の上端部及び下端部からそれぞれ5.5mmの位置にそれぞれの端部が位置するようにした他は、実施例1と同様の方法で感光ドラムを作成した。この結果、電荷輸送層の上下端部は下引き層及び、電荷発生層の上下端部と同じ位置に形成されていた。
下引き層と電荷発生層を導電性基体の上端部及び下端部からそれぞれ5.5mmの位置にそれぞれの端部が位置するようにした他は、実施例1と同様の方法で感光ドラムを作成した。この結果、電荷輸送層の上下端部は下引き層及び、電荷発生層の上下端部と同じ位置に形成されていた。
実施例3
下引き層と電荷発生層を導電性基体の上端部及び下端部からそれぞれ3mmの位置にそれぞれの端部が位置するようにし、電荷移動層を拭き取る際にテトラヒドロフランを用いたウエスを用いて拭き取り、その後、プロパノールを含んだウエスを用い、下端部のみならず上端部も拭き取った他は、実施例1と同様の方法で感光ドラムを作成した。なお、プロパノールを用いて拭き取ることにより、下引き層や電荷発生層が拭き取られる。
下引き層と電荷発生層を導電性基体の上端部及び下端部からそれぞれ3mmの位置にそれぞれの端部が位置するようにし、電荷移動層を拭き取る際にテトラヒドロフランを用いたウエスを用いて拭き取り、その後、プロパノールを含んだウエスを用い、下端部のみならず上端部も拭き取った他は、実施例1と同様の方法で感光ドラムを作成した。なお、プロパノールを用いて拭き取ることにより、下引き層や電荷発生層が拭き取られる。
比較例1
下引き層を基体の上端部及び下端部からそれぞれ2mmの所にその端部を形成した他は、実施例1と同様の方法で感光ドラムを作成した。この結果、電荷移動層の上下端部は下引き層の上下端部より3.5mmだけ内側に形成されていた。
比較例2
下引き層を基体の上端部及び下端部からそれぞれ1mmの所にその端部を形成した他は、実施例1と同様の方法で感光ドラムを作成した。この結果、電荷移動層の上下端部は下引き層の上下端部より4.5mmだけ内側に形成されていた。
下引き層を基体の上端部及び下端部からそれぞれ2mmの所にその端部を形成した他は、実施例1と同様の方法で感光ドラムを作成した。この結果、電荷移動層の上下端部は下引き層の上下端部より3.5mmだけ内側に形成されていた。
比較例2
下引き層を基体の上端部及び下端部からそれぞれ1mmの所にその端部を形成した他は、実施例1と同様の方法で感光ドラムを作成した。この結果、電荷移動層の上下端部は下引き層の上下端部より4.5mmだけ内側に形成されていた。
比較例3
下引き層用塗布液に粒子を加えなかった他は、実施例1と同様の方法で感光ドラムを作成した。
比較例4
下引き層用塗布液の粒子に表面処理を加えなかった他は、実施例1と同様の方法で感光ドラムを作成した。
下引き層用塗布液に粒子を加えなかった他は、実施例1と同様の方法で感光ドラムを作成した。
比較例4
下引き層用塗布液の粒子に表面処理を加えなかった他は、実施例1と同様の方法で感光ドラムを作成した。
このようにして製造した感光ドラムを−5.6KVコロナ帯電工程、画像露光工程、乾式トナーとスペーサーを有する現像ローラを備えた現像工程、普通紙へのトナー転写工程、ウレタンゴムブレード(硬度70゜、圧力10gw/cm、感光体に対する角度20゜)によるクリーニング工程および除電露光工程を有する画像形成装置に取り付けた、感光体ドラムの耐久試験を行った。実施例1〜3の電子写真感光体では、100000枚のコピーを得たときでも下引き層は感光層に覆われたままであった。又、得られたコピー画像は良好な画質を有していた。一方、比較例1、2の電子写真感光体では、下引き層からの酸化チタンが脱離しており、電子写真感光体の表面に付着していた。この感光ドラムを実施例1で用いた方法と同様の方法で印刷試験を行ったところ、約2000枚のコピーを得たときに、酸化チタンに由来すると思われる黒点が発生した。比較例3の電子写真感光体では、好ましい電気特性を得ることができず、良好な画像を得ることができなかった。比較例4の電子写真感光体では、常温では、ほぼ良好な画像を得ることができたが、高温高湿度環境下では、良好な画像を得ることができなかった。
本発明によれば、耐刷性に優れた電子写真感光体を得ることが可能となる。
1 導電性支持基体(感光体ドラム)
3 導電性支持基体の上端部
5 導電性支持基体の下端部
7 下引き層
9 下引き層の上端
11 導電性支持基体の端部から下引き層の端部までの距離
13 下引き層の下端
15 導電性支持基体の端部から下引き層の端部までの距離
17 電荷発生層
19 電荷発生層の上端
21 導電性支持基体の端部から電荷発生層の端部までの距離
23 電荷発生層の下端
25 導電性支持基体の端部から電荷発生層の端部までの距離
27 電荷移動層
29 電荷移動層の上端
31 導電性支持基体の端部から電荷移動層の端部までの距離
33 電荷移動層の下端
35 導電性支持基体の端部から電荷移動層の端部までの距離
3 導電性支持基体の上端部
5 導電性支持基体の下端部
7 下引き層
9 下引き層の上端
11 導電性支持基体の端部から下引き層の端部までの距離
13 下引き層の下端
15 導電性支持基体の端部から下引き層の端部までの距離
17 電荷発生層
19 電荷発生層の上端
21 導電性支持基体の端部から電荷発生層の端部までの距離
23 電荷発生層の下端
25 導電性支持基体の端部から電荷発生層の端部までの距離
27 電荷移動層
29 電荷移動層の上端
31 導電性支持基体の端部から電荷移動層の端部までの距離
33 電荷移動層の下端
35 導電性支持基体の端部から電荷移動層の端部までの距離
Claims (8)
- 導電性基体の上に、有機ケイ素化合物により表面を処理されている粒子を含有する下引き層と感光層とをこの順で積層塗布してなる電子写真感光体において、
前記下引き層は前記感光層に覆われており、前記導電性基体の塗布層下端部を拭き取ることを特徴とする電子写真感光体。 - 前記感光層が電荷発生層とその上に形成した電荷輸送層からなることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
- 前記粒子が酸化チタンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
- 前記下引き層は、ポリアミド樹脂を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記下引き層は、粒子と結着樹脂とを含み、粒子と結着樹脂との重量比が、0.5/1〜10/1であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 導電性基体の端部から下引き層の端部までの距離をX、導電性基体の端部から感光層の端部までの距離をZとした場合に、Zは、下記一般式(I)を満たすことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
X/10 ≦ Z ≦ X …………(I) - 電子写真感光体を帯電する工程、前記電子写真感光体上に画像を露光する工程、前記電子写真感光体上の像をトナーで現像する工程、前記電子写真感光体上のトナー像を被転写体に転写する工程、前記電子写真感光体上のトナーをクリーニングする工程を含む画像形成装置において、前記電子写真感光体として、請求項1から6のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いるとともに、前記クリーニング工程がブレードを前記電子写真感光体に接触させることにより行われることを特徴とする画像形成装置。
- 電子写真感光体を帯電する工程、前記電子写真感光体上に画像を露光する工程、前記電子写真感光体上の像をトナーで現像する工程、前記電子写真感光体上のトナー像を被転写体に転写する工程、前記電子写真感光体上のトナーをクリーニングする工程を含む画像形成装置において、前記電子写真感光体として、請求項1から6のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いるとともに、前記現像工程が感光体と接触するスペーサーを具備する現像ローラにより行われることを特徴とする画像形成装置。
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