JP2006257286A - シアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂、熱硬化性樹脂組成物及びその用途 - Google Patents

シアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂、熱硬化性樹脂組成物及びその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】 接着性や耐クラック性、耐熱性が向上した電子機器用プリント配線板材料及びプリント配線板を提供すること。
【解決手段】 (1)(a)2官能性フェノール樹脂、(b)アルデヒド化合物、並びに(c)1分子中に1個以上のシアノ基と第一級アミノ基を含有するアミン化合物、(d)1分子中に1個以上の第一級アミノ基を含有する(c)以外のアミン化合物、を反応させて製造されるシアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂、並びに(2)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物、及びその用途である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、特定の出発原料由来の製造法により得られるシアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂であって、特に優れた高可とう性、強靭性、接着性、耐熱性、耐湿性、難燃性、耐クラック性、低誘電特性、低誘電正接性を示し、電子部品等に好適な、シアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂に関する。また、本発明はこのシアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂を用いる熱硬化性樹脂組成物に関する。
熱硬化性樹脂は、その特有の架橋構造が、高い耐熱性や寸法安定性を発現するため、電子部品などの高い信頼性を要求される分野において広く使われている。しかしながら、この特有の架橋構造が、逆に樹脂硬化物の可とう性や強靭性、接着性を低下させるという欠点も有している。そのため、電子部品等向けの用途では、ドリルや打ち抜きにより穴あけなどの加工をする際にクラックが発生する、穴あけなどの加工された部位の形状が悪化する、などの不具合が生じる場合が多い。
熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂に関する事例として、例えば、特許文献1〜19には、各種のジヒドロベンゾオキサジン樹脂の開示に加え、フェノール化合物と、アルデヒドと、アミン化合物とからジヒドロベンゾオキサジン樹脂を製造する方法が開示されている。特許文献1〜15には、ポリ(ジヒドロベンゾオキサジン)が記載されており、ベンゾオキサジン部分がアルキル、フェニルなどのような置換基を有する構造、またさらに2種以上のベンゾオキサジン部分がアルキル、カルボニル、シラノール、酸素、硫黄等で結合した構造が記載されている。また、特許文献16〜18には、ベンゾオキサジン部分と他の芳香環が一緒になった縮合三環式の構造、すなわちイソシアノ、イソシアナト、カルボニル、シラノール、イソオキサゾリル、アルケニル、アルキニルなどのペンダント官能基を含む構造が記載されている。また、特許文献19には、ジオキサジン部分にアルキル又はアルケニルを介してジオキシル、アミノキシルが結合している構造が記載されている。
しかしながら、これらの熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂を用いた硬化物、又はそれを用いた電子部品は、いずれも今日求められる微細な加工処理・配線形成において、可とう性や靭性が不足し、ドリルや打ち抜きにより穴あけなどの加工をする際にクラックが発生する、穴あけなどの加工された部位の形状が悪化する、などの不具合が生じる。また、銅との接着性が不足することにより短絡や断線が生じる場合がある。さらに、電子部品として用いる場合、耐熱性、耐湿性、難燃性、低誘電特性、低誘電正接性が求められる。
特開昭60−155234号 特開昭60−177199号 特開平8−183837号 特開平9−59334号 特開平9−502452号 特開平10−25343号 特開平11−12258号 特開平11−263780号 特開平11−279309号 特開2000−17146号 特開2000−169456号 特開2000−34339号 特開2001−19844号 特開2001−64480号 特開2001−271070号 特表2001−519342号 特開2002−226536号 特開2002−241495号 特開2002−302486号
本発明の目的は、銅箔接着性、耐熱性、耐湿性、難燃性、耐クラック性、低誘電特性、低誘電正接性の全てに優れるシアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂、及びそれを用いた熱硬化性樹脂組成物、及びその使用、例えばプリプレグ及び積層板等を提供するものである。
本発明は、(a)2官能性フェノール樹脂、(b)アルデヒド化合物、(c)1分子中に1個以上のシアノ基と第一級アミノ基を含有するアミン化合物(以下、「シアノ性アミン化合物」という)、並びに(d)1分子中に1個以上の第一級アミノ基を含有する(c)以外の第一級アミン化合物(以下、「第一級アミン化合物」という)、を反応させて製造されるシアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂に関する。
また、上記のシアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂と、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、を含む熱硬化性樹脂組成物及びその用途を提供するものである。
本発明のシアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂は、銅箔接着性、耐熱性、耐湿性、難燃性、耐クラック性、低誘電特性、低誘電正接性の全てに優れ、そしてそれを用いた熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ及び積層板は有用である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のシアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂は、(a)2官能フェノール樹脂、(b)アルデヒド化合物、(c)シアノ性アミン化合物、並びに(d)第一級アミン化合物、を反応させ、末端のフェノール環の全て/又は一部をジヒドロベンゾオキサジン環に変換することにより製造される。具体的には、(a)2官能性フェノール樹脂又はこれを溶剤に均一に溶解させたものに、(b)アルデヒド化合物、(c)シアノ性アミン化合物、並びに(d)第一級アミン化合物を順次少量づつ滴下し、70℃以上で0.5時間から10時間反応させることによって、本発明のシアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂が得られる。
(a)2官能性フェノール樹脂としては、2官能性の非変性のフェノール樹脂(以下、「2官能性のフェノール樹脂」という)及び/又は2官能性の変性フェノール樹脂が含まれ、2官能性の変性フェノール樹脂としては2官能性のエポキシ変性フェノール樹脂であることが好ましい。
2官能性のフェノール樹脂としては、下記式(I):
Figure 2006257286
(式中、Aは存在しないか、又は炭素数1〜9個の炭化水素基、酸素原子、カルボニル基、スルホニル基である)
で示される2官能性のフェノール化合物が好ましい。
炭素数1〜9個の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜9個の、アルキル、アルケニルが挙げられる。炭素数1〜9個のアルキルとしては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルが挙げられる。炭素数1〜9個のアルケニルとしては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレンが挙げられる。
一般式(I)に示す2官能性のフェノール化合物には、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジフェニル等が挙げられ、またヒドロキノンやナフタレンジオールであってもよい。これらの中で、ベンゾオキサジン環の環化反応率が高く、より高可とう化及び高耐熱性化できるビスフェノールA、ビスフェノールF、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシジフェニルが好ましく、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ジヒドロキシジフェニルエーテルがより好ましく、安価である点からビスフェノールA、ビスフェノールFが特に好ましい。
2官能性のエポキシ変性フェノール樹脂としては、下記式(II):
Figure 2006257286
(式中、A及びBは、それぞれ独立して、存在しないか、又は炭素数1〜9個の炭化水素基、酸素原子、カルボニル基、スルホニル基であり;nは0より大きい数である)
で示される2官能性のエポキシ変性フェノール化合物が好ましい。nは、0より大きい数が好ましく、1より大きい数がより好ましい。式(II)における炭素数1〜9個の炭化水素基は、上記式(I)と同様である。
一般式(II)に示す2官能性のエポキシ変性フェノール化合物は、上記の式(I)に示す2官能性のフェノール化合物と、下記の一般式(III):
Figure 2006257286
(式中、Bは存在しないか、又は炭素数1〜9個の炭化水素基、酸素原子、カルボニル基、スルホニル基である)
に示す2官能性のエポキシ化合物を、一般式(I)に示す2官能性のフェノール化合物の当量が多くなるように配合して、ポリヒドロキシプロピルエーテル化反応させることによって得られる。式(III)における炭素数1〜9個の炭化水素基は、上記式(I)と同様である。
式(II)の2官能性のエポキシ変性フェノール化合物は、2官能性のフェノール化合物と2官能性のエポキシ化合物、及び必要により反応触媒、有機溶媒を使用し、70℃以上で0.5時間から10時間反応させることによって得られる。
式(II)の2官能性のエポキシ変性フェノール化合物は、2官能性のフェノール化合物の水酸基当量に対する2官能性のエポキシ化合物のエポキシ当量の配合が、高可とう性及び強靭性の点から、2官能性のフェノール化合物の水酸基当量(x)と2官能性のエポキシ化合物のエポキシ当量(y)の配合比率が(x/y)≧4/3の範囲にあることが好ましく、更にベンゾオキサジン樹脂合成時のジヒドロベンゾオキサジン環の生成率(環化反応率)の点から、(x/y)≧3/2の範囲にあることがより好ましく、更に耐熱性の点から、(x/y)=10/1〜3/2の範囲にあることが特に好ましい。
一般式(III)に示す2官能性のエポキシ化合物には、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等が挙げられ、また2官能性のナフタレン環含有エポキシ樹脂などの他の2官能性のエポキシ化合物であってもよい。これらの中で、より高可とう化及び高耐熱性化できるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂がより好ましい。
式(II)の2官能性エポキシ変性フェノール化合物の製造において、所望により用いる反応触媒の例としては、非限定的に、トリエチルアミン、ピリジン、トリブチルアミンなどのアミン類、メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどのイミダゾール類、トリフェニルホスフィンなどのリン系触媒等が挙げられ、ピリジンが好ましい。これらの1種又は2種以上を混合して使用できる。
また、式(II)の2官能性のエポキシ変性フェノール化合物の製造において、所望により用いる有機溶媒の例としては、非限定的に、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、メチルセロソルブなどのアルコール系溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用できる。
本発明のシアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂の製造に用いる(b)アルデヒド化合物としては、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、ピバリンアルデヒド、ヘプトアルドヒドが挙げられ、ホルムアルデヒドが好ましい。アルデヒドは、水溶液、例えば濃度約35重量%以上の水溶液として用いることが好ましい。また、上記のアルデヒドの溶解性を増加させるために、この水溶液に、メタノールのようなアルコールを、例えば約10〜15%含有させることができる。本発明のシアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂の製造に用いるアルデヒド化合物として、市販されているホルマリンを用いることができる。
本発明のシアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂の製造に用いる(c)1分子中に1個以上のシアノ基と第一級アミノ基を含有するアミン化合物(シアノ性アミン化合物)としては、ベンゾオキサジン環の環化反応率が高いことや高接着性の点から、ジシアノジアミド、p−シアノアニリンが好ましく、高耐熱性及び安価であることからジシアノジアミドが特に好ましい。
本発明のシアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂の製造に用いる(d)1分子中に1個以上の第一級アミノ基を含有する(c)以外の第一級アミン化合物(第一級アミン化合物)としては、炭素数1〜9個の脂肪族第一アミン及び芳香族アミンから選ばれる1種以上のアミン化合物が好ましい。炭素数1〜9個の脂肪族第一アミンとしては、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミンが挙げられ、メチルアミンが好ましい。炭素数1〜9個の芳香族アミンとしては、例えばアニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、エチルアニリン、ジエチルアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、トリベンジルアミン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミンが挙げられ、アニリン及びメチルアニリンが好ましい。第一級アミン化合物としては、高接着性の点から、メチルアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのポリエチレンポリアミン類、アニリン、メチルアニリンがより好ましく、更に高耐熱性の点からヘキサメチレンジアミン、アニリンが特に好ましい。1種又は2種以上を混合して使用することができる。
本願発明のシアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂の製造においては、フェノール樹脂のフェノール性水酸基1当量に対し、アルデヒド化合物1.8〜2.2当量、シアノ性アミン化合物0.01〜0.5当量、第1級アミン化合物0.5〜0.09当量を反応させて製造することが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に使用するエポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であれば、特に限定されず、例えば、ビスフェノールA系、ビスフェノールF系、ビフェニル系、ノボラック系、多官能フェノール系、ナフタレン系、脂環式系及びアルコール系などのグリシジルエーテル、グリシジルアミン系並びにグリシジルエステル系等が挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用することができる。これらの中で、誘電特性、耐熱性、耐湿性及び銅箔接着性の点からジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びポリジメチルシロキサン含有エポキシ樹脂等が好ましく、難燃性や成形加工性の点からビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂がより好ましく、安価であることからフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が特に好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、エポキシ樹脂の硬化剤を併用してもよく、例としては、無水マレイン酸、無水マレイン酸共重合体などの酸無水物、ジシアノジアミドなどのアミン化合物、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどのフェノール化合物等が挙げられる。これらの中で、耐熱性が良好となるフェノールノボラック、クレゾールノボラックなどのフェノール化合物が好ましく、更にベンゾオキサジン樹脂と共重合反応を行い、硬化反応性が良好となるフェノールノボラック及びその誘導体、変性物がより好ましく、難燃性や接着性が向上することからメラミン変性フェノールノボラックが特に好ましい。
エポキシ樹脂の硬化促進剤の例としては、イミダゾール類及びその誘導体、第三級アミン類及び第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、本願発明のシアノ基含有ベンゾオキサジン樹脂(成分(1))を、エポキシ樹脂(成分(2))の100重量部当たり、該成分(1)を10〜300重量部とすることが好ましく、10〜200重量部とすることがより好ましく、50〜150重量部とすることが特に好ましい。成分(1)の配合量は、難燃性、接着性及び可とう性と、耐熱性とのバランスを考慮して決定することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、本発明の目的の範囲内において、熱可塑性樹脂、エラストマー、難燃剤、充填剤、添加剤等を添加することができ、またさらに他の樹脂と組み合わせて樹脂組成物として用いることができる。そして、本発明のシアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂又はそれを含む熱硬化性樹脂組成物は、用いる用途に応じて所望の形状に成形することができ、また基材と合わせて硬化性複合材料(及びその硬化物)を形成し、場合によりさらに積層体を形成して用いることができる。
熱可塑性樹脂の例としては、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂及びシリコーン樹脂等が挙げられる。
エラストマーの例としては、ポリブタジエン、アクリロニトリル、エポキシ変性ポリブタジエン、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、フェノール変性ポリブタジエン及びカルボキシ変性アクリロニトリル等が挙げられる。
難燃剤の例としては、臭素や塩素を含有する含ハロゲン系難燃剤、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、ホスファゼン、赤リンなどのリン系難燃剤、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムなどの無機物難燃剤等が挙げられる。これらの難燃剤の中で、本発明の熱硬化性樹脂組成物は難燃効果が高いという利点も有するため、非ハロゲン系難燃剤であるリン系難燃剤や無機物の難燃剤等が環境上の問題から好ましく、リン系難燃剤と水酸化アルミニウムなどの無機物の難燃剤を併用することが、安価であり、難燃性と耐熱性などの他特性との両立の点から特に好ましい。
充填剤の例としては、繊維状であっても粉末状であってもよく、例えばカーボンブラック、シリカ、アルミナ、チタン酸バリウム、タルク、マイカ、ガラスビーズ、ガラス中空球、ガラス繊維、カーボン繊維、ケイ酸カルシウムなどのケイ塩、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、炭酸カルシウムなどの炭酸塩等の無機物粉末、シリコーンパウダー、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、並びにポリフェニレンエーテルなどの有機物粉末等が挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物においては、場合により有機溶媒を使用することができ、特に限定されない。有機溶媒の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、メチルセロソルブなどのアルコール系溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミドジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用できる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物においては、場合により該樹脂組成物に対して、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤及び密着性向上剤などの添加も可能であり、特に限定されない。これらの例としては、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系やスチレン化フェノールなどの酸化防止剤、ベンゾフェノン類、ベンジルケタール類、チオキサントン系などの光重合開始剤、スチルベン誘導体などの蛍光増白剤、尿素シランなどの尿素化合物やシランカップリング剤などの密着性向上剤等が挙げられる。
本発明のプリプレグは、前記した本発明の熱硬化性樹脂組成物を、基材に含浸又は塗工してなるものである。以下、本発明のプリプレグについて詳述する。
本発明のプリプレグは、本発明の熱硬化性樹脂組成物を、基材に含浸又は塗工し、加熱等により半硬化(Bステージ化)して製造することができる。使用する基材としては、各種の電気絶縁材料用積層板に用いられている周知のものが使用できる。例えば、Eガラス、Dガラス、Sガラス及びQガラスなどの無機物繊維、ポリイミド、ポリエステル及びテトラフルオロエチレンなどの有機繊維、並びにそれらの混合物等が挙げられる。これらの基材は、例えば、織布、不織布、ロービンク、チョップドストランドマット及びサーフェシングマットなどの形状を有するが、材質及び形状は、目的とする成形物の用途や性能により選択され、必要により、単独又は2種類以上の材質及び形状を組み合わせることができる。基材の厚さは、特に制限されず、例えば、約0.03〜0.5mmを使用することができ、シランカップリング剤等で表面処理したもの又は機械的に開繊処理を施したものが、耐熱性や耐湿性、加工性の面から好適である。基材に対する樹脂組成物の付着量が、乾燥後のプリプレグの樹脂含有率で、20〜90重量%となるように、基材に含浸又は塗工した後、通常、100〜200℃の温度で1〜30分加熱乾燥し、半硬化(Bステージ化)させて、本発明のプリプレグを得ることができる。本発明の積層板は、前述の本発明のプリプレグを用いて、積層成形して、形成することができる。本発明のプリプレグを、例えば、1〜20枚重ね、その片面又は両面に銅又はアルミニウムなどの金属箔を配置した構成で積層成形することにより製造することができる。金属箔は、電気絶縁材料用途で用いるものであれば特に制限されない。また、成形条件は、例えば、電気絶縁材料用積層板及び多層板の手法が適用でき、例えば多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形機等を使用し、温度100〜250℃、圧力0.2〜10MPa、加熱時間0.1〜5時間の範囲で成形することができる。また、本発明のプリプレグと内層用配線板とを組合せ、積層成形して、多層板を製造することもできる。
次に、下記の実施例により本発明を更に詳しく説明するが、これらの実施例は本発明をいかなる意味においても制限するものではない。
製造例1:シアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂(1−1)の製造
温度計、撹拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積5リットルの反応容器に、2官能性のフェノール化合物としてのビスフェノールF(水酸基当量:100)1005.29gと、2官能性のエポキシ化合物としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製 エピコート828、エポキシ当量:187)469.97g、及び有機溶媒としてのシクロヘキサノン491.75gを入れ、100℃に昇温して均一に溶解した。溶解後、反応触媒としてのピリジン0.993gを少量づつ添加し、添加後120℃で8時間反応を行った。反応後、有機溶媒としてのメチルエチルケトン880.98gを添加し、約35℃に冷却して、アルデヒド化合物としての36重量%ホルマリン溶液1256.61g、及びシアノ性アミン化合物としてのジシアノジアミド63.33gを順次添加し、更に第一級アミン化合物としてのアニリン631.07gを滴下した。滴下後80℃に昇温して7時間反応を行った。その後、この反応物を取り出し、130℃で4時間減圧乾燥し、粉砕してシアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂(1−1)を得た。
樹脂(1−1)は、2官能性のフェノール化合物の水酸基当量(x)と2官能性のエポキシ化合物のエポキシ当量(y)の配合比率が(x/y)=4.0であり、ジヒドロベンゾオキサジン環の形成は、FT−IR測定を行い900〜1000cm−1の吸収により確認された。
製造例2:シアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂(1−2)の製造
温度計、撹拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積5リットルの反応容器に、2官能性のフェノール樹脂としてのビスフェノールF(水酸基当量:100)1079.10g、及び有機溶媒としてのシクロヘキサノン359.70gを入れ、100℃に昇温して均一に溶解した。溶解後、有機溶媒としてのメチルエチルケトン644.40gを添加し、約35℃に冷却して、アルデヒド化合物としての36重量%ホルマリン溶液1798.49g、及びシアノ性アミン化合物としてのジシアノジアミド69.41gを順次添加し、更に第一級アミン化合物としてのアニリン726.00g及びヘキサメチレンジアミン125.18gを滴下した。滴下後80℃に昇温して7時間反応を行った。その後、この反応物を取り出し、130℃で4時間減圧乾燥し、粉砕してシアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂(1−2)を得た。
樹脂(1−2)のジヒドロベンゾオキサジン環の形成は、FT−IR測定を行い900〜1000cm−1の吸収により確認された。
製造例3:シアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂(1−3)の製造
温度計、撹拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積5リットルの反応容器に、2官能性のフェノール化合物としてのビスフェノールF(水酸基当量:100)1033.04gと、2官能性のエポキシ化合物としてのビスA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製 エピコート828、エポキシ当量:187)241.47g、及び有機溶媒としてのシクロヘキサノン424.84gを入れ、100℃に昇温して均一に溶解した。溶解後、反応触媒としてのピリジン0.510gを少量づつ添加し、添加後120℃で8時間反応を行った。反応後、有機溶媒としてのメチルエチルケトン761.10gを添加し、約35℃に冷却して、アルデヒド化合物としての36重量%ホルマリン溶液1506.52g、及びシアノ性アミン化合物としてのジシアノジアミド75.93gを順次添加し、更に第一級アミン化合物としてのアニリン588.45g及びヘキサメチレンジアミン104.85gを滴下した。滴下後80℃に昇温して7時間反応を行った。その後、この反応物を取り出し、130℃で4時間減圧乾燥し、粉砕してシアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂(1−3)を得た。
樹脂(1−3)は、2官能性のフェノール化合物の水酸基当量(x)と2官能性のエポキシ化合物のエポキシ当量(y)の配合比率が(x/y)=8.0であり、ジヒドロベンゾオキサジン環の形成は、FT−IR測定を行い900〜1000cm−1の吸収により確認された。
製造例4:シアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂(1−4)の製造
温度計、撹拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積5リットルの反応容器に、2官能性のフェノール化合物としてのビスフェノールF(水酸基当量:100)1006.71gと、2官能性のエポキシ化合物としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製 エピコート828、エポキシ当量:187)470.64g、及び有機溶媒としてのシクロヘキサノン492.45gを入れ、100℃に昇温して均一に溶解した。溶解後、反応触媒としてのピリジン0.994gを少量づつ添加し、添加後120℃で8時間反応を行った。反応後、メチルエチルケトン882.23gを添加し、約35℃に冷却して、アルデヒド化合物としての36重量%ホルマリン溶液1258.39g、及びシアノ性アミン化合物としてのp−シアノアニリン178.19gを順次添加し、更に第一級アミン化合物としてのアニリン561.75gを滴下した。滴下後80℃に昇温して7時間反応を行った。その後、この反応物を取り出し、130℃で4時間減圧乾燥し、粉砕してシアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂(1−4)を得た。
樹脂(1−4)は、2官能性のフェノール化合物の水酸基当量(x)と2官能性のエポキシ化合物のエポキシ当量(y)の配合比率が(x/y)=4.0であり、ジヒドロベンゾオキサジン環の形成は、FT−IR測定を行い900〜1000cm−1の吸収により確認された。
比較製造例1:熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂(R−1)の製造
温度計、撹拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積5リットルの反応容器に、2官能性フェノール樹脂としてのビスフェノールF(水酸基当量:100)1046.28g、及び有機溶媒としてのシクロヘキサノン1046.28gを入れ、70℃に昇温して均一に溶解した。溶解後、約35℃に冷却して、アルデヒド化合物としての36重量%ホルマリン溶液1743.81gを添加し、更に第一級アミン化合物としてのアニリン973.04gを滴下した。滴下後80℃に昇温して7時間反応を行った。その後、この反応物を取り出し、130℃で4時間減圧乾燥し、粉砕して熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂(R−1)を得た。
樹脂(R−1)のジヒドロベンゾオキサジン環の形成は、FT−IR測定を行い900〜1000cm−1の吸収により確認された。
比較製造例2:熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂(R−2)の製造
温度計、撹拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積5リットルの反応容器に、2官能性のフェノール化合物としてのビスフェノールF(水酸基当量:100)1005.29g、及び2官能性のエポキシ化合物としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製 エピコート828、エポキシ当量:187)469.97g、及び有機溶媒としてのシクロヘキサノン491.75gを入れ、100℃に昇温して均一に溶解した。溶解後、反応触媒としてのピリジン0.993gを少量づつ添加し、添加後120℃で8時間反応を行った。反応後、メチルエチルケトン880.98gを添加し、約35℃に冷却して、アルデヒド化合物としての36重量%ホルマリン溶液1256.61gを添加し、更に第一級アミン化合物としてのアニリン701.19gを滴下した。滴下後80℃に昇温して7時間反応を行った。その後、この反応物を取り出し、130℃で4時間減圧乾燥し、粉砕して熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂(R−2)を得た。
樹脂(R−2)は、2官能性のフェノール化合物の水酸基当量(x)と2官能性のエポキシ化合物のエポキシ当量(y)の配合比率が(x/y)=4.0であり、ジヒドロベンゾオキサジン環の形成は、FT−IR測定を行い900〜1000cm−1の吸収により確認された。
(実施例1〜6、比較例1〜5)
成分(1)としてシアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂又は熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂、成分(2)としてエポキシ樹脂、また硬化剤としてメラミン変性フェノールノボラック樹脂、難燃剤として水酸化アルミニウム、及びトリフェニルホスフェート、また溶媒にメチルエチルケトンを使用して、表1と表2に示した配合割合(重量部)で混合して樹脂分70容積%の均一なワニスを得た。
次に、上記ワニスを厚さ0.2mmのEガラスクロスに含浸塗工し、160℃で10分加熱乾燥して樹脂含有量55重量%のプリプレグを得た。
次に、このプリプレグを4枚重ね、18μmの電解銅箔を上下に配置し、圧力2.5MPa、温度185℃で90分間プレスを行って、銅張積層板を得た。
このようにして得られた銅張積層板を用いて、銅箔接着性(銅箔ピール強度)、ガラス転移温度、はんだ耐熱性、吸湿性(吸水率)、難燃性、比誘電率(1GHz)、誘電正接(1GHz)について以下の方法で測定・評価し、表3と表4に評価結果を示した。
(1)銅箔接着性(銅箔ピール強度)の評価
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより1cm幅の銅箔を形成して評価基板を作製し、レオメータを用いてピール強度を測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg)の測定
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板を作製し、TMA試験装置を用い、評価基板の熱膨張特性を観察することにより評価した。
(3)はんだ耐熱性の評価
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板を作製し、平山製作所(株)製プレッシャー・クッカー試験装置を用いて、121℃、2atmの条件で2時間までプレッシャー・クッカー処理を行った後、温度288℃のはんだ浴に、評価基板を20秒間浸漬した後、外観を観察することによりはんだ耐熱性を評価した。
(4)吸湿性(吸水率)の評価
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板を作製し、平山製作所(株)製プレッシャー・クッカー試験装置を用いて、121℃、2atmの条件で4時間までプレッシャー・クッカー処理を行った後、評価基板の吸水率を測定した。
(5)難燃性の評価
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板から、長さ127mm、幅12.7mmに切り出した試験片を作製し、UL94の試験法(V法)に準じて評価した。
(6)曲げ試験
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板から、長さ50mm、幅25mmに切り出した試験片を作製し、曲げ試験による曲げ弾性率、曲げ強度、及び曲げ破断歪率を測定した。測定は、支点間20mm、曲げ速度2mm/分の条件で3点曲げ試験により測定した。
(7)比誘電率及び誘電正接の測定
得られた銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板を作製し、Hewllet・Packerd社製比誘電率測定装置(製品名:HP4291B)を用いて、周波数1GHzでの比誘電率及び誘電正接を測定した。
Figure 2006257286
Figure 2006257286
Figure 2006257286
Figure 2006257286
表から明らかなように、本発明の実施例は、銅箔ピール強度(銅箔接着性)、耐熱性、耐湿性、難燃性、耐クラック性、低誘電特性、低誘電正接性の全てに優れている。特に、銅箔ピール強度は1.2kN/m以上、ガラス転移温度Tgは125℃以上、はんだ耐熱性は良好、吸水率は0.56%以下、難燃性はV−0、曲げ弾性率は25GPa以下、曲げ強度は600MPa以上、曲げ破断歪率は3.0以上、比誘電率は4.4以下、誘電正接は0.009以下であるという、電子部品としての要求性能に対して良好な結果を示す。
一方、比較例は、銅箔ピール強度(銅箔接着性)、耐熱性、耐湿性、難燃性、耐クラック性、低誘電特性、低誘電正接性の全てを満たすものは無く、いずれかの特性に劣っている。特に、本願発明の範囲外である、1分子中に1個以上のシアノ基と第一級アミノ基を含有するアミン化合物を用いず製造された熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物を用いた比較例1及び2は、銅箔ピール強度、ガラス転移温度、はんだ耐熱性、難燃性、曲げ強度、曲げ破断歪率が劣る。また、本願発明の範囲外である、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含まない熱硬化性樹脂組成物を用いた比較例3は、銅箔ピール強度、ガラス転移温度、はんだ耐熱性、曲げ強度、曲げ破断歪率、比誘電率、誘電正接が劣る。さらに、熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂を含まない熱硬化性樹脂組成物を用いた比較例4及び5は、銅箔ピール強度、耐熱性、耐湿性、難燃性、耐クラック性、低誘電特性、低誘電正接性の全てに劣る。
本発明のシアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂は、銅箔接着性、耐熱性、耐湿性、難燃性、耐クラック性、低誘電特性、低誘電正接性の全てに優れる。
本願発明のシアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂を用いた熱硬化性樹脂組成物、及びその熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸、又は塗工して得たプリプレグ、及び該プリプレグを積層成形することにより製造した積層板は、銅箔接着性、耐熱性、耐湿性、難燃性、耐クラック性、低誘電特性、低誘電正接性に優れ、電子機器用プリント配線板として有用である。

Claims (5)

  1. (a)2官能性フェノール樹脂、(b)アルデヒド化合物、(c)1分子中に1個以上のシアノ基と第一級アミノ基を含有するアミン化合物、並びに(d)1分子中に1個以上の第一級アミノ基を含有する(c)以外の第一級アミン化合物、を反応させて製造されるシアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂。
  2. (a)2官能性フェノール樹脂が、2官能性のフェノール樹脂及び/又は2官能性の変性フェノール樹脂である、請求項1記載のシアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂。
  3. 請求項1記載のシアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂と、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、を含む熱硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項3記載の熱硬化性樹脂組成物を用いたプリプレグ。
  5. 請求項4記載のプリプレグを用いて積層形成した積層板。
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