JP2010106150A - 熱硬化性樹脂組成物、及びこれを用いたプリプレグ,積層板及びプリント配線板 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、及びこれを用いたプリプレグ,積層板及びプリント配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】低熱膨張性、かつ耐熱性、誘電特性に優れる熱硬化性樹脂組成物、並びにこれを用いたプリプレグ、積層板、及びプリント配線板を提供する。
【解決手段】(1)(a)1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物と、(b)一般式(I)に示す酸性置換基を有するアミン化合物とを反応させて製造される、分子構造中に酸性置換基とN−置換マレイミド基を有する化合物、(2)ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、(3)熱分解温度が300℃以上である金属水和物を成分として含有する、熱硬化性樹脂組成物。
Figure 2010106150

(式中、Rは酸性置換基である水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基を示し、Rは水素原子、又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基を示し、x及びyは1〜4の整数である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性絶縁樹脂組成物、並びにこれを用いたプリプレグ、積層板、及びプリント配線板に関する。
熱硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂に特有な架橋構造が高い耐熱性や寸法安定性を発現するため、電子部品等の分野において広く使われ、特に銅張積層板や層間絶縁材料においては、近年の高密度化や高信頼性への要求から、高い銅箔接着性や耐熱性が必要とされる。また、近年の環境問題から、鉛フリーはんだによる電子部品の搭載やハロゲンフリーによる難燃化が要求され、そのため従来のものよりも高い耐熱性及び難燃性が必要とされる。さらに、製品の安全性や作業環境の向上化のため、毒性の低い成分のみで構成された熱硬化性樹脂組成物が望まれている。
熱硬化性樹脂であるビスマレイミド化合物は、誘電特性、難燃性、耐熱性に優れる樹脂であるが、エポキシ樹脂との硬化反応性を有さない公知のビスマレイミド化合物は、エポキシ硬化系の熱硬化性樹脂にそのまま使用した場合、耐熱性や強靭性が不足する問題があった。特許文献1、特許文献2等にビスマレイミド化合物とアミノフェノールの付加物を製造し使用する熱硬化性樹脂に関する事例が開示されているが、これらを銅張積層板や層間絶縁材料として使用した場合も、依然として硬化反応性や強靭性が不足であり、耐熱性や信頼性、加工性等が不足である。
また、特許文献3、特許文献4等にシアネート樹脂とアラルキル変性エポキシ樹脂を必須成分として含有する熱硬化性樹脂に関する事例が開示されているが、必須成分であるシアネート樹脂が靭性や硬化反応性に劣る樹脂であるため、この熱硬化性樹脂の硬化反応性や強靭性の改良が依然不足であり、これらを銅張積層板や層間絶縁材料として使用した場合も、耐熱性や信頼性、加工性等が不足である。
また、特許文献5に有機溶媒を使用せずに製造されるビスマレイミド化合物とアミノ安息香酸の付加物、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物等を使用する熱硬化性樹脂に関する事例が開示されているが、熱分解温度が低く、近年要求される鉛フリーはんだへの耐熱性や銅付き耐熱性に不足する。
特公昭63−34899号公報 特開平6−32969号公報 特開2002−309085号公報 特開2002−348469号公報 特公平6−8342号公報
本発明は、低熱膨張性であって、かつ耐熱性、誘電特性に優れる熱硬化性絶縁樹脂組成物、並びにこれを用いたプリプレグ、積層板、及びプリント配線板を提供することを目的とする。
本発明は、以下に関する。
1. (1)(a)1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物と、(b)一般式(I)に示す酸性置換基を有するアミン化合物とを反応させて製造される、分子構造中に酸性置換基とN−置換マレイミド基を有する化合物、(2)ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、(3)熱分解温度が300℃以上である金属水和物を成分として含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
Figure 2010106150
(式中、Rは酸性置換基である水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基を示し、Rは水素原子、又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基を示し、x及びyは1〜4の整数である。)
2. (1)化合物が、一般式(II)又は一般式(III)に示す硬化剤である前記の熱硬化性樹脂組成物。
Figure 2010106150
(式中、Rは酸性置換基である水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基を示し、Rは水素原子、又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基を示し、Rは水素原子、又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子を示し、x、y及びzは1〜4の整数である。)
Figure 2010106150
(式中、Rは酸性置換基である水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基を示し、Rは水素原子、又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基を示し、R及びRは各々独立に水素原子、又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子を示し、x、y及びp、qは各々独立に1〜4の整数であり、Aはアルキレン基、アルキリデン基、エーテル基、スルフォニル基、又は式(IV)に示す残基である)
Figure 2010106150
3. 前記の熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸又は塗工してなるプリプレグ。
4. 前記のプリプレグを積層成形してなる積層板。
5. 前記の積層板を用いて製造されてなる、プリント配線板。
本発明により、低熱膨張性であって、かつ耐熱性、誘電特性に優れる熱硬化性絶縁樹脂組成物、並びにこれを用いたプリプレグ、積層板、及びプリント配線板を提供することが可能となった。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、下記化合物(1)〜(3)を成分として含有する熱硬化性樹脂組成物である。
(1)(a)1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物と、(b)下記一般式(I)に示す酸性置換基を有するアミン化合物とを反応させて製造される、分子構造中に酸性置換基とN−置換マレイミド基を有する化合物。
(2)ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂。
(3)熱分解温度が300℃以上である金属水和物。
Figure 2010106150
(式中、Rは酸性置換基である水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基を示し、Rは水素原子、又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基を示し、x及びyは1〜4の整数である。)
本発明の成分(1)の分子構造中に酸性置換基とN−置換マレイミド基を有する化合物は、(a)の1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物と、(b)の一般式(I)に示す酸性置換基を有するアミン化合物を有機溶媒中で、必要により加熱・保温しながら0.1時間から10時間攪拌し反応させて製造される。(a)の1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物は、例えば、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、ポリフェニルメタンマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)エーテル、ビス(4−マレイミドフェニル)スルホン、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン等が挙げられ、これらの中で、反応率が高く、より高耐熱性化できるビス(4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(4−マレイミドフェニル)スルホン、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパンが好ましく、溶剤への溶解性の点から、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)メタンがより好ましく、安価である点からビス(4−マレイミドフェニル)メタンが特に好ましい。
(b)の一般式(I)に示す酸性置換基を有するアミン化合物は、例えば、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸、o−アミノ安息香酸、o−アミノベンゼンスルホン酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、p−アミノベンゼンスルホン酸、3,5−ジヒドロキシアニリン、3,5−ジカルボキシアニリン等が挙げられ、これらの中で、溶解性や合成の収率の点からm−アミノフェノール、p−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸、3,5−ジヒドロキシアニリンが好ましく、耐熱性の点からo−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノールがより好ましく、誘電特性や低熱膨張性、安価である点からp−アミノフェノールが特に好ましい。
ここで、(a)のマレイミド化合物と(b)の酸性置換基を有するアミン化合物の使用量は、その当量比が、(a)のマレイミド化合物のマレイミド基当量に対し、−NH基換算の酸性置換基を有するアミン化合物の当量が次式:2.0≦(マレイミド基当量)/(−NH基換算の当量)≦10.0に示す範囲であることが望ましい。10.0を超えると溶剤への溶解性が不足したり熱硬化性樹脂の耐熱性が低下する場合があり、2.0未満であるとゲル化を起こしたり、熱硬化性樹脂の耐熱性が低下する場合がある。また、有機溶媒の使用量は、(a)成分と(b)成分の総和100質量部当たり、10〜1000質量部とすることが好ましく、100〜500質量部とすることがより好ましく、200〜500質量部とすることが特に好ましい。有機溶剤の配合量が少ないと溶解性が不足し、また1000質量部を超えると合成に長時間を要する。
この反応で使用される有機溶媒は特に制限されないが、例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のN原子含有溶剤、ジメチルスルホキシド等のS原子含有溶剤等が挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用できる。これらの中で、溶解性の点からシクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルセロソルブが好ましく、低毒性である点からシクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルがより好ましく、揮発性が高くプリプレグの製造時に残溶剤として残りにくいプロピレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。
また、この反応には、必要により任意に反応触媒を使用することができ、特に限定されない。反応触媒の例としては、トリエチルアミン、ピリジン、トリブチルアミン等のアミン類、メチルイミダゾール、フェニルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン等のリン系触媒等が挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用できる。
この反応により、例えば、一般式(II)又は式(III)に示す分子構造中に酸性置換基とN−置換マレイミド基を有する化合物が合成され、銅箔接着性、耐熱性、耐湿性、難燃性、誘電特性に優れる熱硬化性樹脂組成物が得られる。
Figure 2010106150
(式中、Rは酸性置換基である水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基を示し、Rは水素原子、又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基を示し、Rは水素原子、又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子を示し、x、y及びzは1〜4の整数である。)
Figure 2010106150
(式中、Rは酸性置換基である水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基を示し、Rは水素原子、又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基を示し、R及びRは各々独立に水素原子、又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子を示し、x、y及びp、qは各々独立に1〜4の整数であり、Aはアルキレン基、アルキリデン基、エーテル基、スルフォニル基、又は式(IV)に示す残基である)
Figure 2010106150
(2)成分であるナフタレン骨格含有エポキシ樹脂は、下記一般式(V)〜(XI)で表されるものである。
Figure 2010106150
(式中、RおよびRは水素原子または1価のハロゲン非含有有機基を表し、nは1〜10の整数を表す。)
Figure 2010106150
(式中、nは1〜10の整数を表す。)
Figure 2010106150
(式中、nは1〜10の整数を表す。)
Figure 2010106150
(式中、nは1〜10の整数を表す。)
Figure 2010106150
Figure 2010106150
(式中、Rは単結合または2価のハロゲン非含有有機基を表す。)
Figure 2010106150
(式中、Rは単結合または2価のハロゲン非含有有機基を表し、R10は水素原子または1価のハロゲン非含有有機基を表す。)
一般式(V)および(XI)中のR、R、R10の1価のハロゲン非含有有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などのアルキル基、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基などのアリール基、ピリジル基などが挙げられる。また、一般式(X)および(XI)中のR、Rの2価のハロゲン非含有有機基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基などのアルキレン基、フェニレン基、ナフチレン基などのアリーレン基、ピリジレン基などが挙げられる。これらの中で作業性、流動性の点から一般式(IX)、(X)のようなモノマー型多官能エポキシ樹脂が好ましく、低熱膨張性、耐熱性の点から式(X)のような4官能型エポキシ樹脂が特に好ましい。
また、これらのナフタレン骨格含有エポキシ樹脂は、本発明の効果を阻害しない範囲で、1種類または2種類以上の他のエポキシ樹脂と組み合わせて用いることができる。他のエポキシ樹脂としては、前記一般式(V)〜(XI)で示されるエポキシ樹脂以外の1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリアジン骨格含有エポキシ樹脂、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、トリフェノールフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
(3)成分である熱分解温度が300℃以上である金属水和物は、ベーマイト型水酸化アルミニウム(AlOOH)、あるいはギブサイト型水酸化アルミニウム(Al(OH))を熱処理によりその熱分解温度を300℃以上に調整した化合物、水酸化マグネシウム等が挙げられる。これらの中で、優れた耐熱性を有するベーマイト型水酸化アルミニウム(AlOOH)や水酸化マグネシウムがより好ましく、さらに、難燃性に優れる本研究の熱硬化性樹脂と併用する場合、難燃効果はやや劣るが、安価であり、350℃以上の特に高い熱分解温度を有するベーマイト型水酸化アルミニウム(AlOOH)であれば、特に高い耐熱性と難燃性が両立し、特に好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、耐熱性や難燃性、銅箔接着性等の向上化のため硬化促進剤を用いることが望ましく、硬化促進剤の例としては、イミダゾール類及びその誘導体、第三級アミン類及び第四級アンモニウム塩等が挙げられる。その中でもイミダゾール類及びその誘導体が耐熱性や難燃性、銅箔接着性等の点から好ましく、更に下記一般式(XII)で表されるイミダゾール基がエポキシ樹脂によって置換された化合物や、下記一般式(XIII)で表されるイソシアネート樹脂によって置換された化合物が200℃以下での比較的低温での硬化成形性とワニスやプリプレグの経日安定性に優れるためより好ましく、下記一般式(XIV)又は(XV)で表される化合物が少量の配合使用でよく、また商業的にも安価であることから特に好ましい。
Figure 2010106150
(式中、R11、R12、R13、R14は各々独立に水素原子、又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、フェニル基を示し、Bは存在しないか、又はアルキレン基、アルキリデン基、エーテル基、スルフォニル基のいずれかである。)
Figure 2010106150
(式中、R11、R12、R13、R14は各々独立に水素原子、又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、フェニル基を示し、Dはアルキレン基、芳香族炭化水素基等のイソシアネート樹脂の残基である。)
Figure 2010106150
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、該成分(1)の使用量が、固形分換算の該成分(2)との総和100質量部当たり、1〜99質量部とすることが好ましく、20〜90質量部とすることがより好ましく、50〜80質量部とすることが特に好ましい。成分(1)の配合量が少ないと難燃性が不足し、また99質量部を超えると耐熱性、接着性が低下する。該成分(3)の使用量は、固形分換算の該成分(1)と(2)の総和100質量部当たり、10〜200質量部とすることが好ましく、10〜150質量部とすることがより好ましく、50〜150質量部とすることが特に好ましい。10質量部未満であると難燃性が不足したり、200質量部を超えると耐めっき液性等の耐薬品性が低下する場合がある。硬化促進剤の使用量は、固形分換算の該成分(1)と(2)の総和100質量部当たり、0.1〜20質量部とすることが好ましく、0.1〜10質量部とすることがより好ましい。硬化促進剤の使用量が少ないと耐熱性や難燃性、銅箔接着性等が不足し、また20質量部を超える場合も耐熱性や経日安定性が低下する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、任意に他の難燃剤の併用ができるが、臭素や塩素を含有する含ハロゲン系難燃剤や熱分解温度が300℃未満である金属水酸化物等は本発明の目的にそぐわない。他の難燃剤の併用の例としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、リン酸エステル系化合物、ホスファゼン、赤リン等のリン系難燃剤、三酸化アンチモン、モリブデン酸亜鉛等の無機難燃助剤等が挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、任意に無機充填剤の併用ができる。無機充填剤の例としては、シリカ、マイカ、タルク、ガラス短繊維又は微粉末及び中空ガラス、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、石英粉末等が挙げられ、これらの中で誘電特性、耐熱性、難燃性の点からシリカが特に好ましい。これら無機充填剤の使用量は、固形分換算の該成分(1)と(2)の総和100質量部に対し、0〜200質量部とすることが好ましく、20〜200質量部とすることがより好ましく、20〜150質量部とすることが特に好ましい。無機充填剤の配合量が300質量部を超えると耐めっき液性等の耐薬品性や成形性が低下する。
本発明によれば、任意に公知の熱可塑性樹脂、エラストマー、難燃剤、有機充填剤等の併用ができる。熱可塑性樹脂の例としては、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂及びシリコーン樹脂等が挙げられる。エラストマーの例としては、ポリブタジエン、アクリロニトリル、エポキシ変性ポリブタジエン、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、フェノール変性ポリブタジエン及びカルボキシ変性アクリロニトリル等が挙げられる。
有機充填剤の例としては、シリコーンパウダー、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、並びにポリフェニレンエーテル等の有機物粉末等が挙げられる。
本発明において、任意に該樹脂組成物に対して、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤及び密着性向上剤等の添加も可能であり、特に限定されない。これらの例としては、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系やスチレン化フェノール等の酸化防止剤、ベンゾフェノン類、ベンジルケタール類、チオキサントン系等の光重合開始剤、スチルベン誘導体等の蛍光増白剤、尿素シラン等の尿素化合物やシランカップリング剤等の密着性向上剤等が挙げられる。
本発明のプリプレグは、前記した本発明の熱硬化性樹脂組成物を、基材に含浸又は塗工してなるものである。以下、本発明のプリプレグについて詳述する。
本発明のプリプレグは、本発明の熱硬化性樹脂組成物を、基材に含浸又は塗工し、加熱等により半硬化(Bステージ化)して本発明のプリプレグを製造することができる。本発明の基材として、各種の電気絶縁材料用積層板に用いられている周知のものが使用できる。その材質の例としては、Eガラス、Dガラス、Sガラス及びQガラス等の無機物繊維、ポリイミド、ポリエステル及びテトラフルオロエチレン等の有機繊維、並びにそれらの混合物等が挙げられる。これらの基材は、例えば、織布、不織布、ロービンク、チョップドストランドマット及びサーフェシングマット等の形状を有するが、材質及び形状は、目的とする成形物の用途や性能により選択され、必要により、単独又は2種類以上の材質及び形状を組み合わせることができる。基材の厚さは、特に制限されず、例えば、約0.03〜0.5mmを使用することができ、シランカップリング剤等で表面処理したもの又は機械的に開繊処理を施したものが、耐熱性や耐湿性、加工性の面から好適である。該基材に対する樹脂組成物の付着量が、乾燥後のプリプレグの樹脂含有率で、20〜90質量%となるように、基材に含浸又は塗工した後、通常、100〜200℃の温度で1〜30分加熱乾燥し、半硬化(Bステージ化)させて、本発明のプリプレグを得ることができる。
本発明の積層板は、前述の本発明のプリプレグを用いて、積層成形して、形成することができる。本発明のプリプレグを、例えば、1〜20枚重ね、その片面又は両面に銅及びアルミニウム等の金属箔を配置した構成で積層成形することにより製造することができる。金属箔は、電気絶縁材料用途で用いるものであれば特に制限されない。また、成形条件は、例えば、電気絶縁材料用積層板及び多層板の手法が適用でき、例えば多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形機等を使用し、温度100〜250℃、圧力2〜100kg/cm、加熱時間0.1〜5時間の範囲で成形することができる。また、本発明のプリプレグと内層用配線板とを組合せ、積層成形して、多層板を製造することもできる。
本発明に係るプリント配線板は、前記積層板の表面に回路を形成して製造される。すなわち、本発明に係る積層板の導体層を通常のエッチング法によって配線加工し、前述のプリプレグを介して配線加工した積層板を複数積層し、加熱プレス加工することによって一括して多層化する。その後、ドリル加工又はレーザー加工によるスルーホール又はブラインドビアホールの形成と、メッキ又は導電性ペーストによる層間配線の形成を経て多層プリント配線板を製造することができる。
次に、下記の実施例により本発明を更に詳しく説明するが、これらの実施例は本発明をいかなる意味においても制限するものではない。
製造例1:酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する硬化剤(1−1)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン:358.0gとp−アミノフェノール:54.5g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル:412.50gを(マレイミド基当量)/(−NH基換算の当量)=4.0となる比率で配合し、還流させながら5時間反応させて酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する硬化剤(1−1)の溶液を得た。また、この溶液をGPC(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)により分析した結果、図1に示すように溶出時間が約19分付近に出現するp−アミノフェノールのピークが消失しており、付加反応物に由来するピーク(B)及び(C)が確認された。ここでピーク(A)は合成原料のビス(4−マレイミドフェニル)メタンであり、ピーク(B)は化学式(11)に示す反応生成物であり、ピーク(C)は化学式(12)に示す副反応生成物である。
Figure 2010106150
製造例2:酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する硬化剤(1−2)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン:358.0gとm−アミノフェノール:54.50g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル:412.5gを(マレイミド基当量)/(−NH基換算の当量)=4.0となる比率で配合し、還流させながら5時間反応させて酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する硬化剤(1−2)の溶液を得た。
製造例3:酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する硬化剤(1−3)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン:358.0gとp−アミノ安息香酸:27.40g、及びN,N−ジメチルアセトアミド:385.4gを(マレイミド基当量)/(−NH基換算の当量)=10.0となる比率で配合し、160℃で5時間反応させて酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する硬化剤(1−3)の溶液を得た。
製造例4:酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する硬化剤(1−4)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積1リットルの反応容器に、m−フェニレンビスマレイミド:268.0gとm−アミノフェノール:109.0g、及びN,N−ジメチルアセトアミド:377.0gを(マレイミド基当量)/(−NH基換算の当量)=2.0となる比率で配合し、140℃で5時間反応させて酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する硬化剤(1−4)の溶液を得た。
製造例5:酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する硬化剤(1−5)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド:442.0gとp−アミノフェノール:54.5g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル:496.5gを(マレイミド基当量)/(−NH基換算の当量)=4.0となる比率で配合し、還流させながら5時間反応させて酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する硬化剤(1−5)の溶液を得た。
製造例6:酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する硬化剤(1−6)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド:442.0gとo−アミノフェノール:54.5g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル:496.5gを(マレイミド基当量)/(−NH基換算の当量)=4.0となる比率で配合し、還流させながら5時間反応させて酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する硬化剤(1−6)の溶液を得た。
製造例7:酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する硬化剤(1−7)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、ビス(4−マレイミドフェニル)スルフォン:408.0gとp−アミノフェノール:54.5g、及びN,N−ジメチルアセトアミド:462.5gを(マレイミド基当量)/(−NH基換算の当量)=4.0となる比率で配合し、100℃で2時間反応させて酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する硬化剤(1−7)の溶液を得た。
製造例8:酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する硬化剤(1−8)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、ビス(4−マレイミドフェニル)エーテル:360.0gとp−アミノフェノール:54.5g、及びN,N−ジメチルアセトアミド:414.5gを(マレイミド基当量)/(−NH基換算の当量)=4.0となる比率で配合し、100℃で2時間反応させて酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する硬化剤(1−8)の溶液を得た。
製造例9:酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する硬化剤(1−9)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン:570.0gとp−アミノフェノール:54.5g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル:624.5gを(マレイミド基当量)/(−NH基換算の当量)=4.0となる比率で配合し、120℃で2時間反応させて酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する硬化剤(1−9)の溶液を得た。
製造例10:酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する硬化剤(1−10)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド:282.0gとp−アミノフェノール:54.5g、及びN,N−ジメチルアセトアミド:336.5gを(マレイミド基当量)/(−NH基換算の当量)=4.0となる比率で配合し、120℃で2時間反応させて酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する硬化剤(1−10)の溶液を得た。
(実施例1〜24、比較例1〜6)
成分(1)である製造例1〜10で得られた成分、成分(2)であるナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、また、硬化促進剤、難燃剤、無機充填剤、及び希釈溶剤にメチルエチルケトンを使用して表1から表5に示した配合割合(質量部)で混合して樹脂分65質量%の均一なワニスを得た。次に、上記ワニスを厚さ0.2mmのEガラスクロスに含浸塗工し、160℃で10分加熱乾燥して樹脂含有量55質量%のプリプレグを得た。次に、このプリプレグを4枚重ね、18μmの電解銅箔を上下に配置し、圧力25kg/cm、温度185℃で90分間プレスを行って、銅張積層板を得た。このようにして得られた銅張積層板を用いて、ガラス転移温度、熱膨張率、銅箔接着性(銅箔ピール強度)、はんだ耐熱性、吸湿性(吸水率)、難燃性、比誘電率(1GHz)、誘電正接(1GHz)について以下の方法で測定・評価し、表6から表10に評価結果を示した。
(1)ガラス転移温度(Tg)の測定
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた5mm角の評価基板を作製し、TMA試験装置(デュポン社製、TMA2940)を用い、評価基板のZ方向の熱膨張特性を観察することにより評価した。
(2)熱膨張率の測定
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた5mm角の評価基板を作製し、TMA試験装置(デュポン社製、TMA2940)を用い、評価基板のZ方向のTg未満の熱膨張特性を観察することにより評価した。
(3)銅箔接着性(銅箔ピール強度)の評価
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより1cm幅の銅箔を形成して評価基板を作製し、引張り試験機を用いて銅箔の接着性(ピール強度)を測定した。
(4)はんだ耐熱性の評価
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた5cm角の評価基板を作製し、平山製作所(株)製プレッシャー・クッカー試験装置を用いて、121℃、2atmの条件で4時間までプレッシャー・クッカー処理を行った後、温度288℃のはんだ浴に、評価基板を20秒間浸漬した後、外観を観察することによりはんだ耐熱性を評価した。
(5)銅付き耐熱性(T−300)の評価
銅張積層板から5mm角の評価基板を作製し、TMA試験装置(デュポン社製、TMA2940)を用い、300℃で評価基板の膨れが発生するまでの時間を測定することにより評価した。
(6)吸湿性(吸水率)の評価
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板を作製し、平山製作所(株)製プレッシャー・クッカー試験装置を用いて、121℃、2atmの条件で5時間までプレッシャー・クッカー処理を行った後、評価基板の吸水率を測定した。
(7)難燃性の評価
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板から、長さ125mm、幅13.0mmに切り出した試験片を作製し、UL94の試験法(V法)に準じて評価した。
(8)比誘電率及び誘電正接の測定
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板を作製し、Hewllet・Packerd社製比誘電率測定装置(製品名:HP4291B)を用いて、周波数1GHzでの比誘電率及び誘電正接を測定した。
Figure 2010106150




Figure 2010106150
Figure 2010106150
Figure 2010106150

Figure 2010106150

表中の数字は、固形分の質量部により示されている。注書きは、それぞれ
*1:β−ナフトール骨格含有多官能型エポキシ樹脂(新日鐵化学社製;商品名ESN−175SV)
*2:ナフタレンジオール骨格含有多官能型エポキシ樹脂(新日鐵化学社製;商品名ESN−375)
*3:ナフタレン骨格含有4官能エポキシ樹脂(大日本インキ社製;商品名EXA−4700)
*4:ナフタレン骨格含有2官能エポキシ樹脂(大日本インキ社製;商品名EXA−4032D)
*5:α−ナフトール骨格含有多官能型エポキシ樹脂(日本化薬社製;商品名NC−7000L)
*6:β−ナフトール骨格含有多官能型エポキシ樹脂(日本化薬社製;商品名NC−7300L)
*7:下記に示す構造のヘキサメチレンジイソシアネート樹脂と2−エチル−4−メチルイミダゾールの付加反応物
Figure 2010106150

*8:下記に示す構造のビスフェノールA型エポキシ樹脂と2−フェニルイミダゾールの付加反応物
Figure 2010106150
*9:溶融シリカ(アドマテック社製;商品名SC2050−KC)
*10:ベーマイト型水酸化アルミニウム
*11:水酸化マグネシウム
*12ビス(4−マレイミドフェニル)メタン
*13:2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン
*14:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製;商品名エピコート828)
*15:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製;商品名エピコート807)
*16:2−フェニルイミダゾール
*17:ギブサイト型水酸化アルミニウムを意味する。
Figure 2010106150
Figure 2010106150

Figure 2010106150
Figure 2010106150
Figure 2010106150

表から明らかなように、本発明に係る実施例の熱硬化性絶縁樹脂組成物は、比較例の熱硬化性絶縁樹脂組成物と比べて、特に低熱膨張性であって、かつ耐熱性、誘電特性に優れていることがわかる。
本発明は、低熱膨張性であって、かつ耐熱性、誘電特性に優れる熱硬化性絶縁樹脂組成物、並びにこれを用いたプリプレグ、積層板、及びプリント配線板を提供することができる。
GPCの測定結果を示すグラフである。
符号の説明
(A):ビス(4−マレイミドフェニル)メタンに関するピーク
(B):化学式(11)に示す反応生成物に関するピーク
(C):化学式(12)に示す反応生成物に関するピーク

Claims (5)

  1. (1)(a)1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物と、(b)一般式(I)に示す酸性置換基を有するアミン化合物とを反応させて製造される、分子構造中に酸性置換基とN−置換マレイミド基を有する化合物、(2)ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、(3)熱分解温度が300℃以上である金属水和物を成分として含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2010106150
    (式中、Rは酸性置換基である水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基を示し、Rは水素原子、又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基を示し、x及びyは1〜4の整数である。)
  2. (1)化合物が、一般式(II)又は一般式(III)に示す硬化剤である請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2010106150
    (式中、Rは酸性置換基である水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基を示し、Rは水素原子、又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基を示し、Rは水素原子、又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子を示し、x、y及びzは1〜4の整数である。)
    Figure 2010106150
    (式中、Rは酸性置換基である水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基を示し、Rは水素原子、又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基を示し、R及びRは各々独立に水素原子、又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子を示し、x、y及びp、qは各々独立に1〜4の整数であり、Aはアルキレン基、アルキリデン基、エーテル基、スルフォニル基、又は式(IV)に示す残基である)
    Figure 2010106150
  3. 請求項1又は2記載の熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸又は塗工してなるプリプレグ。
  4. 請求項3記載のプリプレグを積層成形してなる積層板。
  5. 請求項4記載の積層板を用いて製造されてなる、プリント配線板。
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