JP2006256564A - 重荷重用タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】 カーカスコードの破断を抑制しながら、カーカスコードの吹き抜け方向の位置ズレを防止し、ビード耐久性を向上する。
【解決手段】 カーカス6のプライ折返し部6bは、ビードコア5のタイヤ半径方向外面SUの近傍をプライ本体部6aに向かって傾斜してのびる副部11を有するとともに、その半径方向外側に、スチールコード20wをタイヤ周方向に巻き付けた副部押さえ用の補助コード層20を具える。副部11の先端11aの前記外面SUからの距離Laを1.0〜10mm、かつ前記先端11aとビードコア5のタイヤ軸方向外端5eとの間の距離dを5mm以上とした。又ビード部4に、U字状のビード補強層15を設け、その内片15iの半径方向高さHiを、外片15oの半径方向高さHoより大、かつ該高さHoを25mm以上とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、カーカスのプライ折返し部の構造を改善することによってビード部の耐久性を向上しうる重荷重用タイヤに関する。
タイヤの骨格をなすカーカスプライは、通常、ビードコア間を跨るプライ本体部の両側を、ビードコアの周りで折り返すことにより係止している。そして近年、図6(A)に示す如く、カーカスプライaにスチールコードを用いた重荷重用タイヤにおいて、前記プライ本体部a1両側の折返し部a2を、ビードコアbの周りで略一周巻した所謂ビードワインド構造のものが提案されている。
この構造のものは、前記プライ折返し部a2がビードコアbの周囲で途切れるため、その先端a2eにビード変形時の応力がほとんど作用せず、該先端a2eを起点としたコードルース等の損傷を効果的に抑制できるという利点がある。
しかしその反面、この構造は、プライ折返し部a2が小な曲率半径で巻き付けられるため、カーカスコード(スチールコード)が元の形状に戻ろうとする所謂スプリングバックが強く発生し、その形状が安定しない傾向がある。特に、生タイヤ成形過程などにおいて、前記プライ折返し部a2のスプリングバックが生じると、プライ折返し部a2とビードコアbとの間に空隙などが形成され易く、空気残りなどの成形不良を発生させる。
そこで、例えば特許文献1、2などには、図6(B)に示す如く、予めカーカスプライaに、ビードコアbの角部に合う位置でカーカスコードを局部的に折り曲げて型付けした塑性変形の屈曲部kを形成しておくことが提案されている。しかしカーカスコードに型付けした場合には、その局部的な折れ曲がりによってコード強力が低下し、早期のコード破断を招くなどビード耐久性を充分確保することができなくなる。
本発明は、以上のような状況に鑑み案出されたもので、ビードコアの周りで周回するプライ折返し部の外側に補助コード層を設けて、カーカスコードに局部的な屈曲部を有することなくそのスプリングバックを抑制するとともに、ビード部に高さを規制した内片、外片を有するU字状のビード補強層を設けることを基本として、カーカスコードの吹き抜けを防止しながらコード破断を長期に亘って抑制し、ビード耐久性を向上しうる重荷重用タイヤを提供することを目的としている。
なお特許文献3には、前記プライ折返し部の外側に、プライ折返し部を締め付けて吹き抜けを防止する補強層を設けたものが開示されている。
特開2001−246675号公報 特開2001−246676号公報 特許第3441720号公報
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るプライ本体部と、該プライ本体部に連なりかつ前記ビードコアの廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部とを有するカーカスプライを具えた重荷重用タイヤであって、
前記プライ折返し部は、ビードコアのタイヤ軸方向内側の内の側面、タイヤ半径方向内側の内面及びタイヤ軸方向外側の外の側面に沿って湾曲する主部と、
該主部に連なり前記ビードコアのタイヤ半径方向外側の外面の近傍を前記プライ本体部に向かって傾斜してのびる副部とからなり、
しかも前記プライ折返し部は、局部的な屈曲部を有することなくビードコアの廻りで折り返され、
かつ前記副部のタイヤ半径方向外側に、スチールコードをタイヤ周方向に少なくとも1周巻き付けることにより形成された副部押さえ用の補助コード層を具えるとともに、
前記副部は、その先端と前記ビードコアの前記外面との間の距離Laを1.0〜10mmの範囲、かつ前記先端とビードコアのタイヤ軸方向外端との間のビードコアの前記外面と平行な向きの距離dを5mm以上とし、
しかも前記ビード部に、前記プライ折返し部の主部に沿いその半径方向内方を通る曲線状部と、この曲線状部のタイヤ軸方向外側で前記主部と離れて半径方向外方に向かってタイヤ軸方向外側に傾斜する外片と、前記曲線状部のタイヤ軸方向内側で前記プライ本体部のタイヤ軸方向内側面に沿ってのびる内片とからなるビード補強層を設けるとともに、
前記内片のビードベースラインからの半径方向高さHiを、前記外片のビードベースラインからの半径方向高さHoより大、かつ該高さHoを25mm以上としたことを特徴としている。
又請求項2の発明では、前記補助コード層は、スチールコードをタイヤ周方向に2〜6周巻したことを特徴としている。
又請求項3の発明では、前記補助コード層は、そのタイヤ軸方向内端と、副部の前記先端との間の該副部に沿った距離Lcが1〜10mmの範囲であることを特徴としている。 又請求項4の発明では、前記ビードコアは、前記外面と平行な向きのコア巾WCを、前記外面と直角な向きのコア厚さHCの1.7〜2.5倍としたことを特徴としている。
本明細書では、特に断りがない限り、タイヤの各部の寸法等は、タイヤを正規リムにリム組しかつ50kPaの内圧を充填した無負荷の50kPa充填状態において特定される値とする。なお前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"を意味する。
又「ビードベースラインBL」とは、タイヤが基づく規格で定まるリム径位置を通るタイヤ軸方向線を意味する。
本発明は叙上の如く、プライ折返し部の副部のタイヤ半径方向外側に、副部押さえ用の補助コード層を設けているため、カーカスコードに局部的な屈曲部を有することなくそのスプリングバックを抑制することができる。その結果、空気溜まりに起因した成形不良や、コード破断を抑制しながら、カーカスコードの吹き抜けを抑えることが可能となる。しかしこのとき、補助コード層によって前記副部をビードコア外面に密着状に強く押さえ付けた場合には、カーカスコードの曲がりの度合いが大となるため、逆にこの補助コード層によってカーカスコードに局部的な屈曲が発生する傾向となり、コード破断を確実に抑制することが難しくなる。
そのため、前記副部とビードコア外面との間にゴムを介在させて1.0〜10mmの範囲の距離Laを確保することが必要である。しかし前記距離Laの確保は、タイヤ変形時に作用するテンション力によってカーカスコードが吹き抜け方向に位置ズレする傾向を招き、ビードコアとの近接部でカーカスコードルースを招くなど、耐久性低下の新たな起点となる。特に、ビード部がブレーキパッド等の熱(ブレーキ熱)の蓄熱等により過度に温度上昇した場合には、ゴムの軟化によって前記位置ズレが顕著となる。そこで本発明では、U字状のビード補強層を設け、その内片、外片の高さHi、Hoを規制するとともに、前記副部先端のビードコアのタイヤ軸方向外端からの距離dを5mm以上確保し、これによりカーカスコードの吹き抜け方向の位置ズレを抑制して、ビード耐久性の向上を達成している。
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。
図1は本願発明の重荷重用タイヤの50kPa充填状態を示す断面図、図2、3はそのビード部を拡大して示す断面図である。
図1において、重荷重用タイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6の半径方向外側かつトレッド部2の内方に配されるベルト層7とを具備して構成される。
前記ベルト層7は、スチール製のベルトコード(スチールコード)を用いた2枚以上、好ましくは3枚以上のベルトプライから構成される。本例では、前記ベルトコードをタイヤ周方向に対して例えば60±15°の角度で配列した半径方向最内側の第1のベルトプライ7Aと、タイヤ周方向に対して例えば10〜35°の小角度で配列した第2、3のベルトプライ7B、7Cとからなる3枚構造のものを例示している。このベルト層7は、ベルトコードがプライ間で互いに交差する箇所を1箇所以上有することにより、ベルト剛性を高めトレッド部2をタガ効果を有して補強している。
又前記カーカス6は、スチール製のカーカスコード(スチールコード)をタイヤ周方向に対して例えば80〜90°の角度で配列させたカーカスプライ6Aから形成される。このカーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間に跨るプライ本体部6aの両側に、前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bを一連に具える。
前記ビードコア5は、図2に拡大して示されるように、例えばスチール製のビードワイヤを多段多列に巻回してなるリング状体であって、本例では、断面横長の偏平六角形状のものを例示する。なおビードコア5の断面形状としては、必要に応じて、正六角形、矩形状も採用できる。断面が六角形状のビードコア5については、その横断面において、タイヤ半径方向内側の長片を形成する面をビードコア5の内面SLとし、タイヤ半径方向外側の長辺を形成する面をビードコア5の外面SUとする。またビードコア5の前記内面SLと前記外面SUとの間をタイヤ軸方向内側で継ぐ折れ線状の屈曲辺を形成する面をビードコア5の内の側面Siとし、反対側の屈曲辺を形成する面を外の側面Soとする。
前記内面SLは、正規リムJのリムシートJ1のシート面と略平行にのび、これによりリムとの嵌合力を広範囲に亘って高める。又前記正規リムJは、チューブレス用の15°テーパーリムであり、従って、ビードコア5の前記内面SL及び外面SUは、タイヤ軸方向線に対して略15°の角度で傾斜する。なお「略15°」とは、製造時の誤差を許容するものであり、15°±2゜の範囲を意味する。
又本例では、前記ビードコア5として、図3に示すように従来のものより偏平、具体的には前記外面SUと平行な向きのコア巾WCと、前記外面SUと直角な向きのコア厚さHCとの比WC/HCを1.7以上、より好ましくは2.0以上としている。これは、ビードワインド構造では、タイヤ変形時に作用するカーカスコードのテンション力によって、ビードコア5がその断面中心周りで回転方向に変形しやすい傾向となるためである。特に、後述する補助コード層20を用いた場合には、その傾向が強くなる。そこで前記比WC/HCを高めて超偏平化することにより、前記ビードコア5の回転変形に伴って、ビード部4のトウ側がリムシートJ1から浮き上がるのを防止でき、リムJとの気密性を確保することが可能となる。なお比WC/HCが2.8を越えると、偏平化し過ぎて曲げ剛性が減じ、リムJとの嵌合力が不足する恐れを招くため、好ましくない。
また前記ビードコア5の周りには、本例では、ラッピング層12が配されている。該ラッピング層12は、例えば有機繊維を用いた織布、不織布、又は有機繊維糸を配列したプライからなり、ビードコア5の外周面を被覆することにより、カーカスコードとビードワイヤとの直接接触を防ぎ、フレッティングによるカーカスコード損傷を防止する。
次に、本発明のタイヤは、カーカス6のプライ折返し部6bが、前記ビードコア5の周面に巻き付けられたビードワインド構造を具える。
詳しくは、前記プライ折返し部6bは、図3に示すように、ビードコア5の前記内の側面Si、内面SL、及び外の側面Soに沿って湾曲する主部10と、該主部10に連なりビードコアの前記外面SUの近傍を前記プライ本体部6aに向かって傾斜してのびる副部11とから構成される。このとき、前記プライ折返し部6bは、局部的に折り曲げて型付けした塑性変形の屈曲部を有することなく、滑らかな円弧状で湾曲し、これによってカーカスコードの強力低下が防止される。
なお前記副部11は、ビードコア5の前記外面SU(又はその延長線)よりも半径方向外側の部位を意味し、前記外面SUとの距離が先端11aに向かって増加する向きに傾斜している。そして、前記副部11と前記外面SUとの間(本例ではラッピング層12との間)には、断面略三角状の充填ゴム13を配設している。
ここで、前記副部11の前記先端11aの前記外面SUからの距離Laは、1.0〜10mmの範囲であり、かつ前記先端11aとビードコア5のタイヤ軸方向外端5eとの間のビードコアの前記外面と平行な向きの距離dを5mm以上としている。
そして本実施形態では、このような副部11を拘束し、カーカスコードのスプリングバックを防止するため、前記副部11のタイヤ半径方向外側に、副部押さえ用の補助コード層20を形成している。
この補助コード層20は、スチール製の補助コード(スチールコード)20wを、タイヤ周方向に1周以上巻き付けた巻回体からなり、好ましくは2〜6周螺旋状に巻回することにより、副部11へのタガ締め効果を高める。これにより、カーカスコードに型付けを施すことなくスプリングバックを抑制でき、型付けに起因するコード強力の低下を防止しつつ、副部11を意図した形状に安定して保持することができる。
補助コード20wとしては、コード強力が2000〜4000Nのものが好ましく、2000N未満の場合、充分なタガ締め効果を発揮させるために、コード周回数を大とする必要があり生産性を損ねやすい。逆にコード強力が4000Nを超えると、補助コード20wが硬すぎて、巻き付け作業性を損ねる傾向となる。補助コード20wには、予めその周囲をトレッドゴムで被覆したゴム引きコードが使用される。なお補助コード20wに有機繊維コードを用いた場合、例えば加硫中の圧力及び熱によってコードが比較的大きく伸びてしまい、副部11を意図した形状に安定して保持することができなくなる。
しかしながら、このような補助コード層20を用いて、前記副部11をビードコア5の前記外面SUと略平行な位置までタガ締めした場合には、カーカスコードの曲がりの度合いが強くなりすぎる。そのため、逆にこの補助コード層20によって、例えばビードコア5の前記タイヤ軸方向外端5e付近で、カーカスコードに局部的な屈曲が新たに発生する傾向となるど、コード破断を確実に抑制することが難しくなる。
そこで本実施形態では、前記副部11と前記外面SUとの間(本例ではラッピング層12との間)に、断面略三角状の充填ゴム13を配設し、これによって前記副部11を前記外面SUに対して、0°より大、好ましくは10°以上、さらに好ましくは15°以上の角度θで傾斜させている。これにより、カーカスコードの曲がりの度合いを適度に緩和し、コード破断を確実に防止できる。前記角度θが大きすぎると、補助コード層20が滑ってズレる恐れがあり、そのために前記角度θの上限は60°以下、さらには45°以下が好ましい。
なお前記角度θは、図4に示すように、前記プライ折返し部6bがビードコア5の前記外面SU(又はその延長線)に交わる副部11の下端11bと前記先端11aとを結ぶ直線の前記外面SUに対する角度として定義する。又ビードコア5では、ビードワイヤ5wが一直線状に整一せずに上下にバラツキながら配列するなど、その外面SUが非平面をなす場合がある。係る場合には、前記外面SUに現れるビードワイヤ列のうち最もタイヤ軸方向外側に位置するビードワイヤ5woと最もタイヤ軸方向内側に位置するビードワイヤ5wiとに接する接線Kで近似する。
このとき前述の如く、副部11の前記先端11aの前記外面SUからの距離Laを、1.0〜10mmの範囲、かつ前記先端11aとビードコア5のタイヤ軸方向外端5eとの間のビードコア5の前記外面SUと平行な向きの距離dを5mm以上とすることが必要である。
これは、前記距離Laが10mmより大では、副部11の前記先端11aにタイヤ変形時の応力が強く作用する傾向となるため、該先端11aに損傷が生じやすくなるからである。又1.0mm未満では、カーカスコードの曲がりの度合いを充分緩和できない。このような観点から、距離Laの上限は7mm以下が好ましい。又前記距離dが5mm未満では、プライ折返し部6bの係止力が不十分となり、前述の如くブレーキ熱の蓄熱等により温度上昇が大きくなった場合に、吹き抜け方向の位置ズレが大となり、カーカスコードルースを招く傾向となる。なお前記距離dは、前記先端11aがプライ本体部6aに接触しない、即ち先端11aのプライ本体部6aからの距離Lbが0より大、好ましくは1.0mm以上となる値まで許容できる。
なお前記補助コード層20は、そのタイヤ軸方向内端と、前記副部11の先端11aとの間の該副部11に沿った距離Lcを1〜10mmとするのが好ましく、1mm未満では、前記副部11が補助コード層20から外れてしまい、補助コード層20のタガ締め効果が発揮されない。又10mmを越えても、前記先端11a側の拘束力が不十分となって前記距離La、距離dが不安定となり、何れの場合もビード耐久性を向上することができなくなる。
次に、前記充填ゴム13は、衝撃ないし応力緩和効果に優れた低弾性のゴム組成物により構成される。これにより副部11の前記先端11aでの歪みを吸収し、損傷を防ぐのに役立つ。具体的には、複素弾性率E* aが5〜15MPaのゴム組成物が好適である。前記複素弾性率E* aが5MPa未満の場合、該ゴムが過度に柔らかくなって副部11の前記先端11aの歪が大きくなる傾向があり、逆に15MPaを超えると、充填ゴム13の柔軟性に欠け、歪みの緩和吸収能力が低下する。このような観点より、前記複素弾性率E* aの下限値を6MPa以上、さらには7MPa以上とするのが好ましく、又上限値を13MPa以下、されには11MPa以下とするのが好ましい。複素弾性率の値は、粘弾性スペクトロメータを用いて、温度70℃、周波数10Hz、動歪率2%の条件で測定した値とする。
又前記副部11を、ビードコア5の前記外面SUから離間させると、補助コード層20を設けた場合にも、拘束力が減じ、特に前述の如くブレーキ熱の蓄熱等により温度上昇が大きくなった場合に、吹き抜け方向の位置ズレが大となり、カーカスコードルースを招く傾向となる。即ち熱ビード耐久性が低下する傾向となる。
そこで本実施形態では、さらにビード部4に、略U字状のビード補強層15を形成している。このビード補強層15は、スチールコードをタイヤ周方向線に対して例えば10〜40゜の角度で配列したコードプライからなり、図2に示すように、前記プライ折返し部6bの主部10に沿いその半径方向内方を通る曲線状部15Aと、この曲線状部15Aのタイヤ軸方向外側で前記主部10と離れて半径方向外方に向かってタイヤ軸方向外側に傾斜する外片15oと、前記曲線状部15Aのタイヤ軸方向内側で前記プライ本体部6aのタイヤ軸方向内側面に沿ってのびる内片15iとからなる断面U字状をなす。
ここで、ビード部4がブレーキ熱の蓄熱等により過度に温度上昇した場合には、荷重負荷時、熱で軟化したビード内のゴムがリムフランジとの間で押し圧されてビードトウ側に移動する傾向となる。そしてこの移動に引きずられ、プライ折返し部6bの吹き抜け方向への位置ズレが顕著となり、熱ビード耐久性が低下すると推測される。このとき、前記外片15oは、前記ビードトウ側へのゴム移動を遮蔽する効果があり、これによって吹き抜け方向への位置ズレを抑制し、熱ビード耐久性を高めうる。そのためには、前記外片15oの外端のビードベースラインBLからの半径方向高さHoを25mm以上確保することが必要であり、それ未満では前記効果が期待できない。
他方、前記内片15iは、荷重負荷時のビード部4の倒れ込みを抑える効果があり、特にその外端のビードベースラインBLからの半径方向高さHiを、前記外片15oの高さHoより大とすることにより、前記外片15oの外端での応力集中を減じ、前記外片15oの外端での損傷を効果的に抑制しうる。そのために、前記高さの差(Hi−Ho)は、3.0mm以上確保するのが好ましい。なお前記内片15iは、前記プライ本体部6aに隣接して保護されるため、その外端に作用する応力は小であり、Hi>Hoとした場合にも、内片15iの外端での損傷は起こりにくい。
しかし、前記高さHi、Hoが高すぎると、内外片15i、15oの外端がより変形が大きいサイドウォール部3側に近づくため、損傷の発生傾向となり、かつ軽量化に不利となる。従って前記高さHiの上限値は60mm以下、又前記高さHoの上限値は40mm以下であるのが好ましい。
なお前記副部11の半径方向外側には、プライ本体部6aと前記外片15oとの間を通ってタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペックス16が配されている。本例では、ビードエーペックス16は、タイヤ半径方向内側に配される内のエーペックス部16aと、その外側に配される外のエーペックス部16bとから形成される。なお内外のエーペックス部16a、16bは、前記副部11の内端からプライ本体部6aに向かって傾斜する境界線jによって区分される。
本例では、前記内のエーペックス部16aは、その複素弾性率E* bが20MPa以上であり、荷重負荷時のプライ本体部6aの倒れ込みによって生じる歪をビードコア5の外面SUで受け止める。なお複素弾性率E* bが60MPaを超えると、この部分の弾性が過度に高められる結果、前記外片15oの外端付近に歪の集中を招き、損傷を生じさせるおそれがあるため好ましくない。このような観点より、前記複素弾性率E* bの下限値は25MPa以上、さらには30MPa以上がより好ましく、又上限値は50MPa以下、さらには40MPa以下がより好ましい。
また前記外のエーペックス部16bの複素弾性率E* cは、前記内のエーペックス部16aより小であって、特に好ましくは複素弾性率E* cは、3MPa以上、さらには3.5MPa以上とするのが望ましい。又上限値については、7MPa以下、さらには5MPa以下が望ましい。前記複素弾性率E* cが3MPa未満であると、内のエーペックス部16aとの弾性率差が大きくなりすぎ、前記境界線j付近からの損傷が発生し易くなる傾向があり、逆に7MPaを超えると、ビード部4全体の剛性が高くなりすぎ、外のエーペックス部16bの外端付近での損傷が発生し易くなる傾向があり好ましくない。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく種々の態様に変形して実施しうるのは言うまでもない。
図1の基本構造を有するタイヤサイズが11R22.5の重荷重用タイヤを、表1の仕様に基づき試作するとともに、各試供タイヤの、ビード耐久性を測定し互いに比較した。表1以外の仕様は互いに同仕様としている。
なお比較例1は、図5に示す如く、カーカスのプライ折返し部をビードエーペックスゴムの外側面に沿って巻き上げた構造をなし、プライ折返し部のビードベースラインからの高さhを37mmとしている。
(1)ビード耐久性;
〈i〉 一般ビード耐久性:
ドラム試験機を用い、タイヤを、リム(7.50×22.5)、内圧(700kPa)、荷重(26.72kN×3)の条件下にて速度20km/hで走行させ、ビード部に損傷が発生するまでの走行時間を測定した。評価は、比較例1の走行時間を100とした指数で表示した。数値が大きいほど良好である。
〈ii〉 熱ビード耐久性:
前記と同様のビード耐久性テストを、リムを130℃に加熱した状態で実施し、ビード部に損傷が発生するまでの走行時間を、比較例1を100とした指数で表示している。
Figure 2006256564
表の如く、実施例品は、一般ビード耐久性および熱ビード耐久性の双方が向上していることが確認できる。
本発明の重荷重用タイヤの一実施形態を示す断面図である。 そのビード部を拡大して示す断面図である。 そのビード部の主要部をさらに拡大して示す断面図である。 ビードコアの外面を説明する断面図である。 比較例1のビード構造を示す断面図である。 (A)、(B)は従来のビード部を説明する断面図である。
符号の説明
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
5e ビードコアのタイヤ軸方向外端
6A カーカスプライ
6a プライ本体部
6b 折返し部
10 主部
11 副部
11a 副部の先端
15 ビード補強層
16a 曲線状部
15i 内片
15o 外片
20 補助コード層
Si 内の側面
So 外の側面
SL 内面
SU 外面

Claims (4)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るプライ本体部と、該プライ本体部に連なりかつ前記ビードコアの廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返されたプライ折返し部とを有するカーカスプライを具えた重荷重用タイヤであって、
    前記プライ折返し部は、ビードコアのタイヤ軸方向内側の内の側面、タイヤ半径方向内側の内面及びタイヤ軸方向外側の外の側面に沿って湾曲する主部と、
    該主部に連なり前記ビードコアのタイヤ半径方向外側の外面の近傍を前記プライ本体部に向かって傾斜してのびる副部とからなり、
    しかも前記プライ折返し部は、局部的な屈曲部を有することなくビードコアの廻りで折り返され、
    かつ前記副部のタイヤ半径方向外側に、スチールコードをタイヤ周方向に少なくとも1周巻き付けることにより形成された副部押さえ用の補助コード層を具えるとともに、
    前記副部は、その先端と前記ビードコアの前記外面との間の距離Laを1.0〜10mmの範囲、かつ前記先端とビードコアのタイヤ軸方向外端との間のビードコアの前記外面と平行な向きの距離dを5mm以上とし、
    しかも前記ビード部に、前記プライ折返し部の主部に沿いその半径方向内方を通る曲線状部と、この曲線状部のタイヤ軸方向外側で前記主部と離れて半径方向外方に向かってタイヤ軸方向外側に傾斜する外片と、前記曲線状部のタイヤ軸方向内側で前記プライ本体部のタイヤ軸方向内側面に沿ってのびる内片とからなるビード補強層を設けるとともに、
    前記内片のビードベースラインからの半径方向高さHiを、前記外片のビードベースラインからの半径方向高さHoより大、かつ該高さHoを25mm以上としたことを特徴とする重荷重用タイヤ。
  2. 前記補助コード層は、スチールコードをタイヤ周方向に2〜6周巻したことを特徴とする請求項1記載の重荷重用タイヤ。
  3. 前記補助コード層は、そのタイヤ軸方向内端と、副部の前記先端との間の該副部に沿った距離Lcが1〜10mmの範囲であることを特徴とする請求項1又は2記載の重荷重用タイヤ。
  4. 前記ビードコアは、前記外面と平行な向きのコア巾WCを、前記外面と直角な向きのコア厚さHCの1.7〜2.8倍としたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の重荷重用タイヤ。
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