JP3890051B2 - 重荷重用タイヤ - Google Patents
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Description
本発明は、カーカスのプライ折返し部の構造を改善することにより、軽量化を図りつつビード耐久性を向上した重荷重用タイヤに関する。
近年、図9示す如く、カーカスのプライ折返し部aを、ビードコアbの周りで略一周巻きし、該ビードコアbの半径方向上面bsに沿わせたプライ折返し部aの端部分a1を、該ビードコアbとビードエーペックスゴムcとの間で狭持したビード構造(以下ビードワインド構造という場合がある)のタイヤが提案されている(例えば特許文献1、2参照)。
この構造のものは、プライ折返し部aがビードコアbの周囲で途切れるため、その端部分a1にタイヤ変形時の応力が作用せず、従って、該端部分a1を起点としたコードルース等の損傷を効果的に抑制できる。しかもプライ折返し部aの長さが小であるため、タイヤを軽量化しうるという利点もある。
しかしこの構造は、他方では、荷重負荷時におけるカーカスプライの倒れ込みが、非ビードワインド構造(図8)のものに比して大きいため、ビードコアbのタイヤ軸方向内方端位置Aにおいて歪みが大きくなり、カーカスプライのコード切れを起こす傾向がある。そこで、前記カーカスプライの倒れ込みを抑制し、前記内方端位置Aでの損傷を抑えるために、ビード部に、プライ折返し部を覆う略U字状のスチールコードのビード補強層を設けることが要求されるが、前記軽量化の利点を維持するためには、より少ないスチール量でより高い補強効果を発揮しうるビードワインド構造に適合した新規なコード配列で前記ビード補強層を形成することが必要となる。
そこで本発明は、ビード補強層を、その一端から他端に至り補強コードのコード角度或いはコード配列密度が変化する特定のコード配列とすることを基本として、ビードワインド構造に適合してより高い補強効果を発揮でき、該構造が有する軽量化の利点を活かしつつビードコアのタイヤ軸方向内方端位置での損傷を抑制しうる重荷重用タイヤを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るプライ本体部に、前記ビードコアの廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部を一連に設けたカーカスプライを具え、かつ前記プライ折返し部が、前記ビードコアのタイヤ軸方向内側面、半径方向下面及びタイヤ軸方向外側面に沿って折れ曲がる主部と、該主部に連なり前記ビードコアの半径方向上面に接して又はこの半径方向上面から90°より小な角度で離間して前記プライ本体部に向かってのびる巻上げ部とからなる重荷重用タイヤであって、
前記ビード部は、前記プライ折返し部の主部に沿いその半径方向内方を通る曲線状部と、この曲線状部のタイヤ軸方向外側で前記主部と離れて半径方向外方に向かってタイヤ軸方向外側に傾斜する外片と、前記曲線状部のタイヤ軸方向内側で前記プライ本体部のタイヤ軸方向内側面に沿ってのびる内片とを具え、かつ補強コードを配列してなるビード補強層を具えるとともに、
前記ビード補強層の前記外片の先端Qoから前記内片の先端Qiへの向きのビード補強層に沿った長さをX、該長さXの位置における前記補強コードのタイヤ周方向に対するコード角度をYとしたときのコード角度曲線Y=f(X)において、
前記コード角度曲線f(X)は、前記コード角度Yが最小値Ymin となる第2の変曲点P2と、その両側の第1、第3の変曲点P1、P3との少なくとも3つの変曲点Pを有し、かつ前記先端Qoから第1の変曲点P1までの間では、コード角度曲線f(X)の微分係数f’(X)を正、前記第1,第2の変曲点P1,P2間では微分係数f’(X)を負、前記第2,第3の変曲点P2,P3間では微分係数f’(X)を正とするとともに、
前記第2の変曲点P2を、前記ビードコアの重心点Gを通り前記半径方向下面に直交する線がビード補強層と交わるコア底点と、前記ビードコアのタイヤ軸方向内方端を通り前記半径方向下面と平行な線がビード補強層と交わるコア内方端対抗点との間に位置したことを特徴としている。
前記ビード部は、前記プライ折返し部の主部に沿いその半径方向内方を通る曲線状部と、この曲線状部のタイヤ軸方向外側で前記主部と離れて半径方向外方に向かってタイヤ軸方向外側に傾斜する外片と、前記曲線状部のタイヤ軸方向内側で前記プライ本体部のタイヤ軸方向内側面に沿ってのびる内片とを具え、かつ補強コードを配列してなるビード補強層を具えるとともに、
前記ビード補強層の前記外片の先端Qoから前記内片の先端Qiへの向きのビード補強層に沿った長さをX、該長さXの位置における前記補強コードのタイヤ周方向に対するコード角度をYとしたときのコード角度曲線Y=f(X)において、
前記コード角度曲線f(X)は、前記コード角度Yが最小値Ymin となる第2の変曲点P2と、その両側の第1、第3の変曲点P1、P3との少なくとも3つの変曲点Pを有し、かつ前記先端Qoから第1の変曲点P1までの間では、コード角度曲線f(X)の微分係数f’(X)を正、前記第1,第2の変曲点P1,P2間では微分係数f’(X)を負、前記第2,第3の変曲点P2,P3間では微分係数f’(X)を正とするとともに、
前記第2の変曲点P2を、前記ビードコアの重心点Gを通り前記半径方向下面に直交する線がビード補強層と交わるコア底点と、前記ビードコアのタイヤ軸方向内方端を通り前記半径方向下面と平行な線がビード補強層と交わるコア内方端対抗点との間に位置したことを特徴としている。
又請求項6の発明は、前記請求項1の発明がコード角度曲線Y=f(X)を特定しているのに対して、前記ビード補強層の前記外片の先端Qoから内片の先端Qiへの向きのビード補強層に沿った長さをX、該長さXの位置における前記補強コードのコード配列密度をDとしたときのコード配列密度曲線D=g(X)において、
前記コード配列密度曲線g(X)は、前記コード配列密度Dが最大値Dmax となる第2の変曲点R2と、その両側の第1、第3の変曲点R1、R3との少なくとも3つの変曲点Rを有し、かつ前記先端Qoから第1の変曲点R1までの間では、コード配列密度曲線g(X)の微分係数g’(X)を負、前記第1,第2の変曲点R1,R2間では微分係数g’(X)を正、前記第2,第3の変曲点R2,R3間では微分係数g’(X)を負とするとともに、
前記第2の変曲点P2を、前記ビードコアの重心点Gを通り前記半径方向下面に直交する線がビード補強層と交わるコア底点と、前記ビードコアのタイヤ軸方向内方端を通り前記半径方向下面と平行な線がビード補強層と交わるコア内方端対抗点との間に位置したことを特徴としている。
前記コード配列密度曲線g(X)は、前記コード配列密度Dが最大値Dmax となる第2の変曲点R2と、その両側の第1、第3の変曲点R1、R3との少なくとも3つの変曲点Rを有し、かつ前記先端Qoから第1の変曲点R1までの間では、コード配列密度曲線g(X)の微分係数g’(X)を負、前記第1,第2の変曲点R1,R2間では微分係数g’(X)を正、前記第2,第3の変曲点R2,R3間では微分係数g’(X)を負とするとともに、
前記第2の変曲点P2を、前記ビードコアの重心点Gを通り前記半径方向下面に直交する線がビード補強層と交わるコア底点と、前記ビードコアのタイヤ軸方向内方端を通り前記半径方向下面と平行な線がビード補強層と交わるコア内方端対抗点との間に位置したことを特徴としている。
本明細書では、特に断りがない限り、タイヤの各部の寸法等は、タイヤを正規リムにリム組みしかつ50kPaの内圧を充填した50kPa充填状態において特定される値とする。なお前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"を意味する。
本発明は叙上の如く構成しているため、ビードワインド構造に適合してより高い補強効果を発揮でき、該構造が有する軽量化の利点を活かしつつビードコアのタイヤ軸方向内方端の位置での損傷を抑制し、ビード耐久性を向上することができる。
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。
図1は本願発明の重荷重用タイヤの50kPa充填状態を示す断面図、図2、3はそのビード部を拡大して示す断面図である。
図1は本願発明の重荷重用タイヤの50kPa充填状態を示す断面図、図2、3はそのビード部を拡大して示す断面図である。
図1において、重荷重用タイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6の半径方向外側かつトレッド部2の内方に配されるベルト層7とを具備して構成される。
前記ベルト層7は、スチール製のベルトコードを用いた2枚以上(重荷重用ラジアルタイヤの場合は通常3枚以上)のベルトプライからなり、本例では、前記ベルトコードをタイヤ周方向に対して例えば60±15°の角度で配列した半径方向最内側の第1のベルトプライ7Aと、タイヤ周方向に対して例えば10〜35°の小角度で配列した第2〜4のベルトプライ7B〜7Dとの4枚構造をなすものを例示している。このベルトプライ7A〜7Dは、ベルトコードがプライ間で互いに交差する箇所を1箇所以上設けて重置されることにより、ベルト剛性を高めトレッド部2をタガ効果を有して補強している。
又前記カーカス6は、スチール製のカーカスコードをタイヤ周方向に対して少なくともトレッド部2、サイドウォール部3において85〜90°の角度で配列させた一枚のカーカスプライ6Aから形成される。このカーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間に跨るプライ本体部6aの両側に、前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bを一連に具える。
なお前記ビードコア5は、図2に示すように、例えばスチール製のビードワイヤを多段多列に巻回してなるリング状体であって、本例では、断面横長の偏平六角形状のものを例示する。このビードコア5は、半径方向下面SLが正規リムJのリムシートJ1と略平行となることによって、リムとの嵌合力を広範囲に亘って高めている。本例では、前記正規リムJがチューブレス用の15°テーパーリムである場合を例示しており、従って、ビードコア5の前記半径方向下面SL及び上面SUは、タイヤ軸方向線に対して略15°の角度で傾斜してる。ビードコア5の断面形状としては、必要に応じて、正六角形、矩形状も採用できる。
次に、本願のタイヤでは、カーカス6のプライ折返し部6bは、前記ビードコア5の周面に巻き付けられるとともに、その端部分がビードエーペックスゴム8との間で挟まれて係止される所謂ビードワインド構造で構成される。
詳しくは、前記プライ折返し部6bは、前記ビードコア5のタイヤ軸方向内側面Si、半径方向下面SL、及びタイヤ軸方向外側面Soに沿って折れ曲がる主部10と、該主部10に連なり前記ビードコア5の半径方向上面SUに接して、或いは離間してのびる小長さの巻上げ部11とから形成される。
本例では、前記巻上げ部11が離間する場合を例示しており、このとき巻上げ部11は、前記半径方向上面SUに対して90°より小、好ましくは75°以下の角度θを有して前記プライ本体部6aに向かって傾斜する。この巻上げ部11は、前記半径方向上面SUの延長線よりも半径方向外側の部位を意味し、本例では、略く字状に折れ曲がる屈曲線状のものを例示しているが、直線状、及び円弧状等の湾曲線状に形成することもできる。
なおビードコア5では、図4に誇張して示すように、ビードワイヤ40が一直線状に整一せずに上下にバラツキながら配列するなど、その半径方向上面SUが非平面をなす場合がある。係る場合には、前記半径方向上面SUは、該上面SUをなすビードワイヤ列(上段列)のうちで半径方向最外側に位置するビードワイヤ40oと半径方向最内側に位置するビードワイヤ40iとに接する接線Kとして定義する。又前記巻上げ部11が屈曲線状及び湾曲線状等の曲線の場合には、前記角度θは、前記巻上げ部11が前記半径方向上面SUの延長線(半径方向上面SUが非平面の場合は前記接線K)に交わる巻上げ部11の下端Mbと、巻上げ部11の先端Maとを結ぶ直線の前記半径方向上面SU(半径方向上面SUが非平面の場合は前記接線K)に対する角度として定義する。
そして前記巻上げ部11では、その先端Maの前記半径方向上面SU(半径方向上面SUが非平面の場合は前記接線K)からの距離Laを5〜12mmとするとともに、前記ビードコア5とプライ折返し部6bとの間に軟質の充填ゴム12を配設している。
又前記充填ゴム12は、本例では、ビードコア5の前記半径方向上面SUと前記巻上げ部11と前記プライ本体部6aとの間に配される断面略三角形状の基部12A、及びビードコア5の前記タイヤ軸方向内側面Si,半径方向下面SL,タイヤ軸方向外側面Soと、プライ折返し部6bの前記主部10との間に配される比較的薄い膜状の副部12Bとから形成される好ましい場合を例示している。なお充填ゴム12を前記基部12Aのみで形成することもできる。
このように、断面略三角形状の基部12Aを有する充填ゴム12を設け、前記距離Laを5mm以上に確保しているため、前記巻上げ部11の曲がりの度合いを減じることができ、例えば生タイヤ成形過程などにおいて生じる強い曲げ戻り(所謂スプリングバック)を抑え、これに起因する空気残りなどの成形不良の発生を抑制しうる。前記距離Laが5mm未満では、前記スプリングバックを充分に抑制できず、しかも接地の際に前記先端Maに受ける衝撃が大きくなるため、該先端Maに損傷が発生しやすくなる。逆に、距離Laが12mmを超えても、前記先端Maにタイヤ変形時の応力が強く作用する傾向となるため、該先端Maに損傷が生じやすくなる。
なお本例では、前記先端Maに作用する応力及び衝撃をより緩和するため、前記充填ゴム12を、複素弾性率Ea* を2〜25Mpaとした衝撃緩和効果に優れる低弾性のゴムで形成している。前記複素弾性率の値は、粘弾性スペクトロメータを用いて、温度70℃、周波数10Hz、動歪率2%の条件で測定した値であり、25Mpaを越えると柔軟性に劣り応力及び衝撃の緩和効果を不十分とする。
又前記先端Maでは、前記プライ本体部6aとの距離Lbを1〜5mm確保するのが好ましく、1mm未満では、タイヤ形成時のバラツキ、或いは走行時のタイヤ変形等によって、カーカスコードの先端とプライ本体部6aのカーカスコードとが接触して擦れ合うなど、フレッティング等のコード損傷を招きやすくなる。なお前記距離Lbが5mmを越えると、巻上げ部11への係止力が減じるなど吹き抜けに不利となる。
そしてこのようなビードワインド構造のタイヤでは、ビードコア5のタイヤ軸方向内方端位置Aにおいて、歪みが大きくなってカーカスコード切れ等の損傷を起こす傾向があり、そのために本発明では、前記ビード部4に略U字状のビード補強層15を設けている。
このビード補強層15は、スチールコードの補強コードを配列してなるコードプライからなり、図3に示すように、前記プライ折返し部6bの主部10に沿いその半径方向内方を通る曲線状部15Aと、この曲線状部15Aのタイヤ軸方向外側で前記主部10と離れて半径方向外方に向かってタイヤ軸方向外側に傾斜する外片15oと、前記曲線状部15Aのタイヤ軸方向内側で前記プライ本体部6aのタイヤ軸方向内側面に沿ってのびる内片15iとを具えて構成される。
ここで、ビードワインド構造が有する軽量化の利点を活かしながら、前記内方端位置Aでの損傷を効果的に抑えるためには、前記内方端位置A自体を補強すること、並びにカーカスプライ6Aの倒れ込みを抑制することが重要である。そして、前記内方端位置A自体の補強のためには、この内方端位置Aにおいて補強コードのタイヤ周方向に対するコード角度Yを低く設定することが必要であり、又前記カーカスプライ6Aの倒れ込みの抑制のためには、前記外片15o及び内片15iにおいて、コード角度Yを低く設定することが必要となる。
しかし、前記コード角度Yをビード補強層15の全域に亘って低く設定した場合には、ビードコア廻りでのU字の折り返しが難しくなり、作業性を低下させる或いは作業を困難にさせるという問題がある。
そこで本願第1発明では、図5、6に示すように、ビード補強層15の前記外片15oの先端Qoから内片15iの先端Qiに至り、前記コード角度Yを少なくとも3つの変曲点Pを有して増減を繰り返して変化させたコード配列としている。
なお図5は、補強コード30の配列状態を前記ビード補強層15を平面に展開して示す展開図であり、図6は、前記外片15oの先端Qoから内片15iの先端Qi側への向きのビード補強層15に沿ったラジアル方向の長さをX、該長さXの位置における前記補強コード30のコード角度をYとしたときのコード角度曲線Y=f(X)を示す。
そしてビード補強層15は、具体的には図6に示すように、このコード角度曲線f(X)において、
<1> 前記コード角度Yが最小値Ymin となる第2の変曲点P2と、その両側の第1、第3の変曲点P1、P3との少なくとも3つの変曲点Pを有し;
<2> 前記先端Qoから第1の変曲点P1までの間では、コード角度曲線f(X)の微分係数f’(X)が正;
<3> 前記第1,第2の変曲点P1,P2間では、微分係数f’(X)が負;
<4> 前記第2,第3の変曲点P2,P3間では、微分係数f’(X)が正;
<5> 前記第2の変曲点P2が、コア底点Q2とコア内方端対抗点Q3との間に位置すること;
を特徴としている。
<1> 前記コード角度Yが最小値Ymin となる第2の変曲点P2と、その両側の第1、第3の変曲点P1、P3との少なくとも3つの変曲点Pを有し;
<2> 前記先端Qoから第1の変曲点P1までの間では、コード角度曲線f(X)の微分係数f’(X)が正;
<3> 前記第1,第2の変曲点P1,P2間では、微分係数f’(X)が負;
<4> 前記第2,第3の変曲点P2,P3間では、微分係数f’(X)が正;
<5> 前記第2の変曲点P2が、コア底点Q2とコア内方端対抗点Q3との間に位置すること;
を特徴としている。
ここで、前記コード角度曲線f(X)の変曲点Pとは、周知の如く、コード角度曲線f(X)の微分係数f’(X)が0となる点であって、この変曲点Pでコード角度Yの増/減が変化する。又前記「コア底点Q2」とは、図3の如く、ビードコア5の重心点Gを通り前記半径方向下面SLに直交する線がビード補強層15と交わる点を意味する。又前記「コア内方端対抗点Q3」とは、ビードコア5のタイヤ軸方向内方端を通り前記半径方向下面SLと平行な線がビード補強層15と交わる点を意味する。なお前記ビードコア5のタイヤ軸方向外方端を通り前記半径方向下面SLと平行な線がビード補強層15と交わる点を、コア外方端対抗点Q1と呼ぶ。
そして前記コード角度曲線f(X)は、前記<1>〜<4>の特徴により、略M字状の曲線を描くこととなる。即ち、コード角度Yは、前記先端Qoと第1の変曲点P1との間では該先端Qoに向かって減少し、又第3の変曲点P3と先端Qiとの間では該先端Qiに向かって減少する。これは、前記外片15o及び内片15iにおいてコード角度Yが低く設定されるなど高い補強効果を確保しうることを意味し、前記カーカスプライ6Aの倒れ込みの抑制効果を高く発揮できる。
しかも、コード角度曲線f(X)では、コード角度Yが最小値Ymin となる第2の変曲点P2を、コア底点Q2とコア内方端対抗点Q3との間、好ましくはコア内方端対抗点Q3側に偏位して位置させているため、前記内方端位置Aを直接に強固に補強でき、前記カーカスプライ6Aの倒れ込みの抑制と相俟って、前記内方端位置Aでの損傷を効果的に抑えることが可能となる。
他方、コード角度曲線f(X)では、第1、第3の変曲点P1,P3においてコード角度Yが大となるため、ビード補強層15のビードコア廻りでの折り返しが容易となり、作業性や生産性を維持することができる。このように本実施形態のビード補強層15は、ビードワインド構造に適合し、折り返しの作業性等を維持しながら、より少ないスチール量で、ビードワインド構造に特有の前記内方端位置Aでの損傷を効果的に抑えることが可能となる。
このとき、前記第1の変曲点P1は、前記コア外方端対抗点Q1よりもタイヤ半径方向内方に位置することが好ましく、又前記第3の変曲点P3は、前記コア内方端対抗点Q3よりもタイヤ半径方向外方に位置することが好ましい。これは、第1の変曲点P1がコア外方端対抗点Q1よりもタイヤ半径方向外方に位置する場合には、前記外片15oにおけるコード角度Yが充分に低減されず、カーカスプライ6Aの倒れ込み抑制効果が減じる傾向となるからである。又前記第3の変曲点P3が、前記コア内方端対抗点Q3よりもタイヤ半径方向内方に位置する場合には、コア内方端対抗点Q3でのコード角度Yが大となり、前記内方端位置Aへの直接の補強が減じるからである。
このような観点から、前記第1の変曲点P1は、前記コア底点Q2の近傍に位置することが好ましく、又第3の変曲点P3の前記コア内方端対抗点Q3からの距離Xaは、ビードコア5のコア巾W(図1に示す)の10〜50%とするのがより好ましい。なお前記「コア底点Q2の近傍」とはコア底点Q2からの距離が10mm以下の範囲を意味し、好ましくは7mm以下、さらに好ましくは4mm以下の範囲を意味する。
又ビード補強層15では、前述の作用効果をより高く発揮させるために、
<6> 前記先端Qoにおけるコード角度Yoを25〜35°とし、かつ前記第1の変曲点P1におけるコード角度Y1との差Y1−Yoを10°以上とすること;
<7> 前記先端Qiにおけるコード角度Yiを20〜35°とし、かつ前記第3の変曲点P3におけるコード角度Y3との差Y3−Yiを10°以上とすること;
<8> 前記コード角度Yの最小値Ymin を20〜30°とすること;
が好ましい。
<6> 前記先端Qoにおけるコード角度Yoを25〜35°とし、かつ前記第1の変曲点P1におけるコード角度Y1との差Y1−Yoを10°以上とすること;
<7> 前記先端Qiにおけるコード角度Yiを20〜35°とし、かつ前記第3の変曲点P3におけるコード角度Y3との差Y3−Yiを10°以上とすること;
<8> 前記コード角度Yの最小値Ymin を20〜30°とすること;
が好ましい。
これは、前記コード角度Yo、Yi、Ymin がそれぞれ25°未満、20°未満、20°未満になると、前記折り返しの作業性を損ねるからであり、逆にコード角度Yo、Yi、Ymin がそれぞれ35°より大、35より大、30°より大になると、内方端位置Aでの損傷抑制効果が不十分なものとなる。又前記コード角度の差Y1−Yo、及び差Y3−Yiがそれぞれ10°未満では、折り返しの作業性の維持と内方端位置Aでの損傷抑制との両立が困難となる。なお、前記差Y1−Yo、及び差Y3−Yiの上限は、50°以下が好ましく、これを超えると、補強コード30の型付けが過大となってコード自体の強度が低下する。なお補強コード30としては、引張強さが800〜1500Nの範囲のものが好適に使用できる。
なおビード補強層15では、本例の如く、第3の変曲点P3と先端Qiとの間に前記コード角度Y4が小となる第4の変曲点P4を有することができるが、前記折り返しの作業性確保のために、コード角度Y4は、前記コード角度Yiと同様に20〜35°の範囲とするのが好ましい。
次に、前記ビード補強層15では、前記カーカスプライ6Aの倒れ込みの抑制のために、前記内片15iのビードベースラインBLからの半径方向高さHiを15〜50mm、かつ前記外片15oのビードベースラインBLからの半径方向高さHoを15〜40mmとするのが好ましい。これは、前記高さHi、Hoが、それぞれ15mm未満では倒れ込み抑制効果が発揮されず、逆にそれぞれ50mmより大及び40mmより大では、荷重負荷時に各先端Qi、Qoに応力が集中して損傷が生じやすくなるからである。
又前記内方端位置Aでの損傷は、前記充填ゴム12が柔らか過ぎても、カーカスプライ6Aが吹き抜け方向にずれやすくなるため発生しやすくなり、従って、充填ゴム12の複素弾性率Ea* を2Mpaより大、さらには3Mpaより大、さらには8Mpaより大、さらには13Mpaより大に設定するのが好ましい。
又前記内方端位置Aでの損傷は、ビード部4が例えばブレーキパッド等の車両側の熱を拾って過度に温度上昇しゴムが熱軟化を起こした場合に顕著となる。そのために、充填ゴム12として、加硫剤としての硫黄の配合量を4.0phr以上とした高硫黄配合ゴムを使用するのが好ましい。これは、硫黄を4.0phr以上配合することで前記範囲の複素弾性率Eaを得る場合、ゴムが熱軟化し難い特性となるからである。なお前記硫黄の配合量が12phrを越えると、加硫が早くなり過ぎてゴム焼けが起こリやすくなるため、隣接する部材との接着性を低下させる恐れを招く。従って、硫黄の配合量は、4.0〜12phrの範囲が好ましく、その下限値は7.0phr以上、又上限値は10phr以下がより好ましい。なお通常のタイヤ用のゴム組成物では、硫黄は1.0〜3.5phrで配合されている。
又前記ビードエーペックスゴム8としては、本例では、複素弾性率Eb1*を35〜60Mpaとした下のエーペックスゴム部8Aと、その半径方向外方に隣接しかつ複素弾性率Eb2*を、充填ゴム12の前記複素弾性率Ea*より大かつ下のエーペックスゴム部8Aの前記複素弾性率Eb*より小とした上のエーペックスゴム部8Bとの2層構造をなすものを例示しており、特に本例では、前記下のエーペックスゴム部8AのビードベースラインBLからの半径方向高さh01をビードエーペックスゴム8の全高さh0の40〜60%の範囲とし、乗り心地性と操縦安定性との両立を図っている。
次に、本願の第2発明のタイヤを説明する。
この第2発明のタイヤでは、前記第1発明のタイヤがビード補強層15における補強コード30のコード角度曲線Y=f(X)を特定しているのに対して、補強コード30のコード配列密度曲線D=g(X)を特定している。
この第2発明のタイヤでは、前記第1発明のタイヤがビード補強層15における補強コード30のコード角度曲線Y=f(X)を特定しているのに対して、補強コード30のコード配列密度曲線D=g(X)を特定している。
詳しくは、前記内方端位置A自体の補強のためには、この内方端位置Aにおいて補強コードのコード配列密度Dを大きく密な配列とすることが必要であり、又前記カーカスプライ6Aの倒れ込みの抑制のためには、前記外片15o及び内片15iにおいて、コード配列密度Dを大きく密な配列とすることが必要である。しかし、ビード補強層15の全域に亘って密な配列とした場合には、ビードコア廻りでのU字の折り返しが難しくなり、作業性を低下させる或いは作業を困難にさせるという問題がある。
そこで本願第2発明では、図7に示すように、ビード補強層15の前記外片15oの先端Qoから内片15iの先端Qiに至り、前記コード配列密度Dを少なくとも3つの変曲点Rを有して増減を繰り返して変化させたコード配列としている。
前記図7は、前記外片15oの先端Qoから内片15iの先端Qi側への向きのビード補強層15に沿ったラジアル方向の長さをX、該長さXの位置における前記補強コード30のコード配列密度をDとしたときのコード配列密度曲線D=g(X)を示す。なお同図には、コード配列密度Dとして、コードと直角方向の巾50mm当たりに配されるコードの本数に換算して表記している。
そしてビード補強層15は、具体的には図7に示すように、このコード配列密度曲線g(X)において、
<1>
前記コード配列密度Dが最大値Dmax となる最も密な第2の変曲点R2と、その両側の第1、第3の変曲点R1、R3との少なくとも3つの変曲点Rを有し;
<2> 前記先端Qoから第1の変曲点R1までの間では、コード配列密度曲線g(X)の微分係数g’(X)が負;
<3> 前記第1,第2の変曲点R1,R2間では、微分係数g’(X)が正;
<4> 前記第2,第3の変曲点R2,R3間では、微分係数g’(X)が負;
<5> 前記第2の変曲点R2が、前記コア底点Q2と前記コア内方端対抗点Q3との間に位置すること;
を特徴としている。
<1>
前記コード配列密度Dが最大値Dmax となる最も密な第2の変曲点R2と、その両側の第1、第3の変曲点R1、R3との少なくとも3つの変曲点Rを有し;
<2> 前記先端Qoから第1の変曲点R1までの間では、コード配列密度曲線g(X)の微分係数g’(X)が負;
<3> 前記第1,第2の変曲点R1,R2間では、微分係数g’(X)が正;
<4> 前記第2,第3の変曲点R2,R3間では、微分係数g’(X)が負;
<5> 前記第2の変曲点R2が、前記コア底点Q2と前記コア内方端対抗点Q3との間に位置すること;
を特徴としている。
このようなコード配列密度曲線g(X)は、前記<1>〜<4>の特徴により、略W字状の曲線を描くこととなる。即ち、コード配列密度Dは、前記先端Qoと第1の変曲点R1との間では該先端Qoに向かって増大し、又第3の変曲点R3と先端Qiとの間では該先端Qiに向かって増大する。これは、前記外片15o及び内片15iにおいてコード配列が密に設定されるなど高い補強効果を確保しうることを意味し、前記カーカスプライ6Aの倒れ込みの抑制効果を高く発揮できる。
しかも、コード配列密度曲線g(X)では、コード配列密度Dが最大値Dmax となる第2の変曲点R2を、コア底点Q2とコア内方端対抗点Q3との間、好ましくはコア内方端対抗点Q3側に偏位して位置させているため、前記内方端位置Aを強固に補強でき、前記カーカスプライ6Aの倒れ込みの抑制と相俟って、前記内方端位置Aでの損傷を効果的に抑えることが可能となる。
他方、コード配列密度曲線g(X)では、第1、第3の変曲点R1,R3においてコード配列密度Dが小(粗)となるため、ビード補強層15のビードコア廻りでの折り返しが容易となり、作業性や生産性を維持することができる。このようにビード補強層15は、第1発明の場合と同様、ビードワインド構造に適合し、折り返しの作業性等を維持しながら、より少ないスチール量で、ビードワインド構造に特有の前記内方端位置Aでの損傷を効果的に抑えることが可能となる。
なお第1発明と同じ理由で、前記第1の変曲点R1は、前記コア外方端対抗点Q1よりもタイヤ半径方向内方に、特に前記コア底点Q2の近傍に位置することが好ましい。又前記第3の変曲点R3は、前記コア内方端対抗点Q3よりもタイヤ半径方向外方に、特にコア巾Wの10〜50%の距離Xaをコア内方端対抗点Q3から隔てて位置することが好ましい。
又ビード補強層15では、前述の作用効果をより高く発揮させるために、
<6> 前記先端Qoにおけるコード配列密度Doを19〜25本/50mmとし、かつ前記第1の変曲点R1におけるコード配列密度D1との差D1−Doを3本/50mm以上とすること;
<7> 前記先端Qiにおけるコード配列密度Diを22〜28本/50mmとし、かつ前記第3の変曲点R3におけるコード配列密度D3との差D3−Diを5本/50mm以上とすること;
<8> 前記コード配列密度Dの最大値Dmax を22〜28本/50mmとすること;
が好ましい。
<6> 前記先端Qoにおけるコード配列密度Doを19〜25本/50mmとし、かつ前記第1の変曲点R1におけるコード配列密度D1との差D1−Doを3本/50mm以上とすること;
<7> 前記先端Qiにおけるコード配列密度Diを22〜28本/50mmとし、かつ前記第3の変曲点R3におけるコード配列密度D3との差D3−Diを5本/50mm以上とすること;
<8> 前記コード配列密度Dの最大値Dmax を22〜28本/50mmとすること;
が好ましい。
これは、前記コード配列密度Do、Di、Dmax がそれぞれ19本/50mm未満、22本/50mm未満、22本/50mm未満になると、内方端位置Aでの損傷抑制効果が不十分なものとなるからであり、逆にコード配列密度Do、Di、Dmax がそれぞれ25本/50mmより大、28本/50mmより大、28本/50mmより大になると、前記折り返しの作業性を損ねる結果を招く。前記コード配列密度の差D1−Do、及び差D3−Diがそれぞれ3本/50mm未満、及び5本/50mm未満では、折り返しの作業性の維持と内方端位置Aでの損傷抑制との両立が困難となる。なお、前記差D1−Do、及び差D3−Diの上限は、15本/50mm以下が好ましく、これを超えると、補強コード30の型付けが過大となってコード自体の強度が低下する。
なお前記第2発明のタイヤでは、第1発明における前記コード角度曲線Y=f(X)以外の第1発明に記載の構造を適宜採用することができる。又重荷重用タイヤでは、第1、2発明の特徴を重複して兼ね備えることが、ビード耐久性のためにより好ましい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1の構造をなしかつ表1の仕様に基づく第1発明に係わる重荷重用タイヤ(11R22.5)、表2の仕様に基づく第2発明に係わる重荷重用タイヤ(11R22.5)をそれぞれ試作するとともに、各試供タイヤのビード耐久性を測定し互いに比較した。なお表に記載以外の仕様は互いに同仕様としている。
なお従来例は、図8に示す如く、カーカスのプライ折返し部をビードエーペックスゴムの外側面に沿って巻き上げた構造をなし、プライ折返し部のビードベースラインからの高さh2を65mmとしている。
(1)ビード耐久性;
〈i〉 一般ビード耐久性:
ドラム試験機を用い、タイヤをリム(7.50×22.5)、内圧(700kPa)、縦荷重(27.25kN×3)の条件下にて、速度30km/hで走行させ、ビード部に損傷が発生するまでの走行時間を、従来例を100とした指数で示した。値が大なほど耐久性に優れている。
〈ii〉 熱ビード耐久性:
前記と同様のビード耐久性テストを、リムを130℃に加熱した状態で実施し、ビード部に損傷が発生するまでの走行時間を、従来例を100とした指数で示した。値が大なほど耐久性に優れている。なお熱ビード耐久性では、ビードコアのタイヤ軸方向内端位置でのコードルースを起点として損傷が発生している。
〈i〉 一般ビード耐久性:
ドラム試験機を用い、タイヤをリム(7.50×22.5)、内圧(700kPa)、縦荷重(27.25kN×3)の条件下にて、速度30km/hで走行させ、ビード部に損傷が発生するまでの走行時間を、従来例を100とした指数で示した。値が大なほど耐久性に優れている。
〈ii〉 熱ビード耐久性:
前記と同様のビード耐久性テストを、リムを130℃に加熱した状態で実施し、ビード部に損傷が発生するまでの走行時間を、従来例を100とした指数で示した。値が大なほど耐久性に優れている。なお熱ビード耐久性では、ビードコアのタイヤ軸方向内端位置でのコードルースを起点として損傷が発生している。
表の如く、実施例品は、一般ビード耐久性および熱ビード耐久性の双方が向上していることが確認できる。
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6A カーカスプライ
6a プライ本体部
6b プライ折返し部
10 主部
11 巻上げ部
15 ビード補強層
15A 曲線状部
15i 内片
15o 外片
30 補強コード
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6A カーカスプライ
6a プライ本体部
6b プライ折返し部
10 主部
11 巻上げ部
15 ビード補強層
15A 曲線状部
15i 内片
15o 外片
30 補強コード
Claims (12)
- トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るプライ本体部に、前記ビードコアの廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部を一連に設けたカーカスプライを具え、かつ前記プライ折返し部が、前記ビードコアのタイヤ軸方向内側面、半径方向下面及びタイヤ軸方向外側面に沿って折れ曲がる主部と、該主部に連なり前記ビードコアの半径方向上面に接して又はこの半径方向上面から90°より小な角度で離間して前記プライ本体部に向かってのびる巻上げ部とからなる重荷重用タイヤであって、
前記ビード部は、前記プライ折返し部の主部に沿いその半径方向内方を通る曲線状部と、この曲線状部のタイヤ軸方向外側で前記主部と離れて半径方向外方に向かってタイヤ軸方向外側に傾斜する外片と、前記曲線状部のタイヤ軸方向内側で前記プライ本体部のタイヤ軸方向内側面に沿ってのびる内片とを具え、かつ補強コードを配列してなるビード補強層を具えるとともに、
前記ビード補強層の前記外片の先端Qoから前記内片の先端Qiへの向きのビード補強層に沿った長さをX、該長さXの位置における前記補強コードのタイヤ周方向に対するコード角度をYとしたときのコード角度曲線Y=f(X)において、
前記コード角度曲線f(X)は、前記コード角度Yが最小値Ymin となる第2の変曲点P2と、その両側の第1、第3の変曲点P1、P3との少なくとも3つの変曲点Pを有し、かつ前記先端Qoから第1の変曲点P1までの間では、コード角度曲線f(X)の微分係数f’(X)を正、前記第1,第2の変曲点P1,P2間では微分係数f’(X)を負、前記第2,第3の変曲点P2,P3間では微分係数f’(X)を正とするとともに、
前記第2の変曲点P2を、前記ビードコアの重心点Gを通り前記半径方向下面に直交する線がビード補強層と交わるコア底点と、前記ビードコアのタイヤ軸方向内方端を通り前記半径方向下面と平行な線がビード補強層と交わるコア内方端対抗点との間に位置したことを特徴とする重荷重用タイヤ。 - 前記第1の変曲点P1は、前記ビードコアのタイヤ軸方向外方端を通り前記半径方向下面と平行な線がビード補強層と交わるコア外方端対抗点よりもタイヤ半径方向内方に位置し、かつ前記第3の変曲点P3は、前記コア内方端対抗点よりもタイヤ半径方向外方に位置することを特徴とする請求項1記載の重荷重用タイヤ。
- 前記第1の変曲点P1は、前記コア底点の近傍に位置することを特徴とする請求項1又は2記載の重荷重用タイヤ。
- 前記第3の変曲点P3は、前記コア内方端対抗点からの距離Xaを前記ビードコアのコア巾Wの10〜50%としたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の重荷重用タイヤ。
- 前記外片の先端Qoにおけるコード角度Yoは、25〜35°かつ前記第1の変曲点P1におけるコード角度Y1との差Y1−Yoを10°以上とし、
かつ前記内片の先端Qiにおけるコード角度Yiは、20〜35°かつ前記第3の変曲点P3におけるコード角度Y3との差Y3−Yiを10°以上とし、
しかも前記コード角度Yの最小値Ymin を20〜30°としたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の重荷重用タイヤ。 - トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るプライ本体部に、前記ビードコアの廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部を一連に設けたカーカスプライを具え、かつ前記プライ折返し部が、前記ビードコアのタイヤ軸方向内側面、半径方向下面及びタイヤ軸方向外側面に沿って折れ曲がる主部と、該主部に連なり前記ビードコアの半径方向上面に接して又はこの半径方向上面から90°より小な角度で離間して前記プライ本体部に向かってのびる巻上げ部とからなる重荷重用タイヤであって、
前記ビード部は、前記プライ折返し部の主部に沿いその半径方向内方を通る曲線状部と、この曲線状部のタイヤ軸方向外側で前記主部と離れて半径方向外方に向かってタイヤ軸方向外側に傾斜する外片と、前記曲線状部のタイヤ軸方向内側で前記プライ本体部のタイヤ軸方向内側面に沿ってのびる内片とを具え、かつ補強コードを配列してなるビード補強層を具えるとともに、
前記ビード補強層の前記外片の先端Qoから内片の先端Qiへの向きのビード補強層に沿った長さをX、該長さXの位置における前記補強コードのコード配列密度をDとしたときのコード配列密度曲線D=g(X)において、
前記コード配列密度曲線g(X)は、前記コード配列密度Dが最大値Dmax となる第2の変曲点R2と、その両側の第1、第3の変曲点R1、R3との少なくとも3つの変曲点Rを有し、かつ前記先端Qoから第1の変曲点R1までの間では、コード配列密度曲線g(X)の微分係数g’(X)を負、前記第1,第2の変曲点R1,R2間では微分係数g’(X)を正、前記第2,第3の変曲点R2,R3間では微分係数g’(X)を負とするとともに、
前記第2の変曲点P2を、前記ビードコアの重心点Gを通り前記半径方向下面に直交する線がビード補強層と交わるコア底点と、前記ビードコアのタイヤ軸方向内方端を通り前記半径方向下面と平行な線がビード補強層と交わるコア内方端対抗点との間に位置したことを特徴とする重荷重用タイヤ。 - 前記第1の変曲点P1は、前記ビードコアのタイヤ軸方向外方端を通り前記半径方向下面と平行な線がビード補強層と交わるコア外方端対抗点よりもタイヤ半径方向内方に位置し、かつ前記第3の変曲点P3は、前記コア内方端対抗点よりもタイヤ半径方向外方に位置することを特徴とする請求項6記載の重荷重用タイヤ。
- 前記第1の変曲点P1は、前記コア底点の近傍に位置することを特徴とする請求項6又は7記載の重荷重用タイヤ。
- 前記第3の変曲点P3は、前記コア内方端対抗点からの距離Xaを前記ビードコアのコア巾Wの10〜50%としたことを特徴とする請求項6〜8の何れかに記載の重荷重用タイヤ。
- 前記外片の先端Qoにおけるコード配列密度Doは19〜25本/50mmかつ前記第1の変曲点R1におけるコード配列密度D1との差D1−Doを3本/50mm以上とし、
かつ前記内片の先端Qiにおけるコード配列密度Diは、22〜28本/50mmかつ前記第3の変曲点R3におけるコード配列密度D3との差D3−Diを5本/50mm以上とし、
しかも前記コード配列密度Dの最大値Dmax を22〜28本/50mmとしたことを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載の重荷重用タイヤ。 - 前記内片のビードベースラインからの半径方向高さHiは15〜50mm、かつ前記外片のビードベースラインからの半径方向高さHoは15〜40mmとしたことを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の重荷重用タイヤ。
- 前記巻上げ部の先端は、前記ビードコアの半径方向上面からの距離Laを5〜12mmとするとともに、前記プライ本体部からの距離Lbを1〜5mmとしたことを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の重荷重用タイヤ。
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