本発明の最良の形態によるパチスロ機1を説明する。
図1は本発明の最良の形態によるパチスロ機1の外観を示す正面図である。
パチスロ機1の本体中央部には、3個のリール2〜4が回転自在に設けられている。各リール2〜4の外周面には複数種類の図柄(以下、シンボルという)から成るシンボル列が描かれている。これらシンボルはパチスロ機1の正面の表示窓5〜7を通してそれぞれ3個ずつ観察される。この表示窓5〜7には、横3本と斜め2本の計5本の入賞ラインが設けられている。また、表示窓5〜7の下方右側には、遊技価値であるメダルが投入される、メダル投入口8が設けられている。
ゲーム開始に先立って、遊技者がメダル投入口8から1枚のメダルを投入したときは、中央の横1本の入賞ラインL1が有効化される。また、2枚投入したときは、これに上下の横2本の入賞ラインL2A,L2Bが加わって横3本の入賞ラインL1,L2A,L2Bが有効化される。また、3枚投入したときは、これに斜め2本の入賞ラインL3A,L3Bが加わって5本の入賞ラインL1,L2A,L2B,L3A,L3Bの全てが有効化される。なお、以降有効化された入賞ラインを有効化入賞ラインという。
また、表示窓5〜7の左方には、遊技動作表示器9〜12、BETランプ13〜15、貯留枚数表示部16、およびスタートランプ17が設けられている。各表示器9〜12およびBETランプ13〜15は状況に応じて点灯制御され、そのときの状況が遊技者に知らされる。貯留枚数表示部16は、3桁の7セグメントLED(発光ダイオード)からなり、機械内部のメダルカウンタに現在クレジットされているメダル数を表示する。スタートランプ17は各リール2〜4が作動可能な時に点滅する。
また、表示窓5〜7の右方には、上部から、ボーナスカウント表示部18、WINランプ19、配当枚数表示部20、およびインサートランプ21が設けられている。ボーナスカウント表示部18は、3桁の7セグメントLEDからなり、ボーナスゲーム作動時に、RBゲームの残り入賞可能回数などをデジタル表示する。WINランプ19は有効化入賞ラインにボーナスの作動に対応するシンボルが揃った時などに点灯する。配当枚数表示部20は、3桁の7セグメントLEDからなり、入賞によるメダル払い出し枚数を表示する。インサートランプ21はメダル投入口8にメダルの投入が受付可能な時に点灯する。
また、表示窓5〜7の直ぐ下方には、液晶表示装置22が設けられている。液晶表示装置22の左側には十字キー23、「○」ボタン24、「×」ボタン25、1貯留メダル投入ボタン26、2貯留メダル投入ボタン27、および3貯留メダル投入ボタン28が設けられている。十字キー23は、上下左右の4方向の操作を検出して、液晶表示装置22に表示される情報項目を選択する際に使用される。「○」ボタン24は十字キー23によって選択された情報項目を決定するボタンであり、「×」ボタン25は十字キー23によって選択された情報項目をキャンセルするボタンである。また、貯留メダル投入ボタン26〜28は、貯留枚数表示部16にメダル数が表示されてクレジットされている際に、メダル投入口8へのメダル投入に代えて1回のゲームに1〜3枚のメダルを賭ける際に使用される。
また、液晶表示装置22の下方には、左側から、貯留メダル精算ボタン29、スタートレバー30、および停止ボタン31〜33が設けられている。貯留メダル精算ボタン29は機械内部にクレジットされているメダルを精算する際に使用される。スタートレバー30が遊技者に操作されることにより各リール2〜4の回転が一斉に開始する。停止ボタン31〜33は、各リール2〜4に対応して配置されており、これら各リール2〜4の回転が一定速度に達したときに操作が有効化され、遊技者の操作に応じて各リール2〜4の回転を停止する。
また、パチスロ機1の正面下部にはメダル受皿37が設けられている。このメダル受皿37はメダル払出口38から払い出されるメダルを貯めるものである。また、パチスロ機1の正面上部には、入賞に対してどれだけのメダルが払い出されるかを示す配当表示部39が設けられており、この配当表示部39の左右には一対のスピーカ96,96が設けられている。
各リール2〜4は図2に示す回転リールユニットとして構成されており、フレーム41にブラケット42を介して取り付けられている。各リール2〜4はリールドラム43の外周にリール帯44が貼られて構成されている。リール帯44の外周面にはシンボル列が描かれている。また、各ブラケット42にはステッピングモータ45が設けられており、各リール2〜4はこれらステッピングモータ45が駆動されて回転する。
各リール2〜4の構造は図3に示される。なお、同図において図2と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。同図(a)に示すように、リール帯44の背後のリールドラム43内部にはランプケース46が設けられており、このランプケース46の3個の各部屋にはそれぞれリールバックランプ47a〜47cが取り付けられている。これらバックランプ47a〜47cは、同図(b)に示すように、異なる複数の色を発光するLED47が基板48に取り付けられて構成されており、基板48はランプケース46の背面に取り付けられている。また、ブラケット42にはホトセンサ49が取り付けられている。このホトセンサ49は、リールドラム43に設けられた遮蔽板50がリールドラム43の回転に伴ってホトセンサ49を通過するのを検出する。
各バックランプ47a〜47cは後述するランプ駆動回路89(図7参照)によって点灯制御される。各バックランプ47a〜47cの点灯により、リール帯44に描かれたシンボルの内、各バックランプ47の前部に位置する3個のシンボルが背後から個別に照らし出され、各表示窓5〜7にそれぞれ3個ずつのシンボルが映し出される。
図4は、左,中,右の各リール2〜4の各リール帯44に表された複数種類のシンボルが、21個配列されたシンボル列を示している。各シンボルには“0”〜“20”のコードナンバーが付され、これらコードナンバーは、データテーブルとして後で説明するプログラムROM65(図6参照)に格納されている。各リール2〜4上には、“赤7”、“青7”、“BAR”、“スイカ”、“リプレイ”、“ベル”および“チェリー”のシンボルで構成されるシンボル列が表されている。各リール2〜4は、シンボル列が図の矢印方向に移動するように回転駆動される。
本実施形態によるパチスロ機1の遊技状態には、「一般遊技状態」、「BB(ビッグ・ボーナス)内部当選状態」、「RB(レギュラー・ボーナス)内部当選状態」、「BB中一般遊技状態」および「RB遊技状態」がある。これら5種類の各遊技状態は、基本的に、内部当選する可能性のある役の種類、および、成立させることが可能なボーナスの種別により区別される。
BBに対応するシンボルの組合せが有効化入賞ライン上に表示されたことを契機として発生し得る、「BB中一般遊技状態」および「RB遊技状態」により構成される遊技状態を総称して、以下「BB遊技状態」という。「BB内部当選状態」および「RB内部当選状態」は、ボーナスに内部当選していまだそのボーナスに対応するシンボル組合せが有効化入賞ラインに表示されていない状態である。これらを総称して、以下「内部当選状態」という。
また、パチスロ機1の遊技状態には、後述する確率抽選処理(図18,S6参照)で内部当選役として「赤7」の小役または「青7」の小役が決定された場合に、これらの小役の入賞を成立させる停止ボタン31〜33の操作順序を液晶表示装置22に表示する単位遊技が複数回行われるスーパータイム遊技状態がある。以下、これを「ST状態」という。なお、単位遊技とは、遊技者のスタートレバー30に対する操作に応じてリール2〜4が回転してから、遊技者の停止ボタン31〜33に対する操作に応じてリール2〜4の回転が停止し、この際に有効化入賞ライン上に揃ったシンボルの組合せに応じたメダルの払い出しが行われるまでか、次回のゲームの開始が許可される(次回のゲームが始まる)前までのことである。「ST状態」の発生条件は、一般遊技状態中に確率抽選処理(図18,S6)で内部当選役として「スイカ」が決定され、スタートコマンド受信処理(図28)のS250でST抽選処理が行われて、図28のS263でSTフラグがONとなることである。「ST状態」の終了条件は、ST抽選処理(図29)のS262でセットされたSTセット回数およびSTゲーム数に対応するST遊技が行われてSTセット回数が“0”となり、スタートコマンド受信処理(図28)のS242でSTフラグがOFFとなることである。
図5は、配当表示部39に表わされる入賞シンボル組合せに対応する払出枚数または作動する遊技状態を示す。
同図に示すように、“チェリー−ANY−ANY”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「チェリー」の小役の入賞が成立し、2枚のメダル払出が行われる。なお、「ANY」はどのシンボルでもよいことを表す。また、“ベル−ベル−ベル”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「ベル」の小役の入賞が成立し、8枚のメダル払出が行われる。また、予め定められた順序で停止ボタン31〜33が操作されて、“ベル−ベル−赤7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「赤7」の小役の入賞が成立し、10枚のメダル払出が行われる。また、予め定められた順序で停止ボタン31〜33が操作されて、“ベル−ベル−青7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「青7」の小役の入賞が成立し、10枚のメダル払出が行われる。また、“スイカ−スイカ−スイカ”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「スイカ」の小役の入賞が成立し、15枚のメダル払出が行われる。また、“リプレイ−リプレイ−リプレイ”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「リプレイ」が成立し、その単位遊技で遊技に賭けられた枚数と同じ枚数のメダルが、次の単位遊技で自動投入される。また、一般遊技状態または内部当選状態において“赤7−赤7−赤7”または“青7−青7−青7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことによりBBが成立し、BB遊技状態が作動する。また、一般遊技状態または内部当選状態において“BAR−BAR−BAR”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことによりRBが成立し、RB遊技状態が作動する。また、BB中一般遊技状態において“ベル−ベル−リプレイ”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、SRBが成立し、RB遊技状態が作動する。
図6および図7は、上述したパチスロ機1の遊技処理動作を制御するメイン制御基板61およびサブ制御基板62に構成された回路構成を示している。
図6に示すメイン制御基板61における制御部はマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)63を主な構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイコン63は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うメインCPU(中央演算処理装置)64と、プログラム記憶手段であるプログラムROM(リード・オンリ・メモリ)65およびバックアップ機能付き制御RAM(ランダム・アクセス・メモリ)66とを含んで構成されている。
メインCPU64には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路67および分周器68と、一定範囲の乱数を発生する乱数発生器69および発生した乱数の1つを特定するサンプリング回路70とが接続されている。さらに、後述する周辺装置(アクチュエータ)との間で信号を授受するI/Oポート(入出力ポート)71が接続されている。
プログラムROM65は、各種テーブルやシーケンスプログラム等を格納するように記憶部が区分されている。また、プログラムROM65内には図示しない入賞シンボル組合せテーブルが格納されている。この入賞シンボル組合せテーブルには、配当表示部39に示される各入賞シンボル組合せのシンボルコードや、「リーチ目」を構成するシンボル組合せのシンボルコード、各入賞を表す入賞判定コード、入賞メダル配当枚数等が記憶されている。ここで、リーチ目とは、一般遊技状態または内部当選状態のときに、遊技者にボーナスの作動に係るシンボルの組合せを表示可能であることを示唆するシンボル組合せである。この入賞シンボル組合せテーブルは、リール2〜4の停止制御時、および全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。さらに、プログラムROM65内には、このパチスロ機1でゲームを実行するためのシーケンスプログラムが格納されている。
マイコン63からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各リール2〜4を回転駆動するステッピングモータ45、各種ランプ(BETランプ13〜15、スタートランプ17、WINランプ19、インサートランプ21)、各種表示部(遊技動作表示器9〜12、貯留枚数表示部16、ボーナスカウント表示部18、配当枚数表示部20)、およびメダルを収納するホッパー72がある。これらはそれぞれモータ駆動回路73、各ランプ駆動回路74、各表示部駆動回路75、およびホッパー駆動回路76によって駆動される。これら駆動回路73〜76は、マイコン63のI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。
また、マイコン63が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、メダル投入口8から投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ8S、スタートレバー30の操作を検出するスタートスイッチ30S、貯留メダル投入ボタン26〜28の操作を検出する貯留メダル投入スイッチ26S〜28S、および貯留メダル精算ボタン29の操作を検出する貯留メダル精算スイッチ29Sがある。スタートレバー30およびスタートスイッチ30Sは、遊技者による開始操作によって単位遊技を開始させる遊技開始手段を構成している。
さらに、上記の入力信号発生手段としては、ホトセンサ49からの出力パルス信号を受けて各リール2〜4の回転位置を検出するリール位置検出回路77がある。ホトセンサ49は各リール2〜4の駆動機構に含まれており、同図では示されていない。
リール位置検出回路77は、リール2〜4の回転が開始された後、ステッピングモータ45の各々に供給される駆動パルスの数を計数し、この計数値を制御RAM66の所定エリアに書き込む。従って、制御RAM66内には、各リール2〜4について、1回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納されている。また、ホトセンサ49は各リール2〜4が1回転する毎にリセットパルスを発生する。このリセットパルスはリール位置検出回路77を介してメインCPU64に与えられ、制御RAM66で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。このクリア処理により、各シンボルの移動表示と各ステッピングモータ45の回転との間に生じるずれが、1回転毎に解消されている。リール2〜4、表示窓5〜7、ステッピングモータ45、モータ駆動回路73、リール位置検出回路77、およびマイコン63は、遊技開始手段によって単位遊技が開始されるとシンボルを複数列に変動表示する図柄表示手段を構成している。
さらに、上記の入力信号発生手段としては、停止ボタン31〜33が押された時に対応するリール2〜4を停止させる信号を発生するリール停止信号回路78、ホッパー72から払い出されるメダル数を計数するメダル検出部72S、および図示しない払出完了信号発生回路がある。これらもI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。払出完了信号発生回路は、メダル検出部72Sから入力した実際に払い出しのあったメダル計数値が、各表示部駆動回路75から入力した計数信号で表される配当枚数データに達した時に、メダル払い出しの完了を検知する信号を発生する。ステッピングモータ45、モータ駆動回路73、リール位置検出回路77、リール停止信号回路78、およびマイコン63は、停止ボタン31〜33の停止操作に基づき、複数のリール2〜4のうちの操作された停止ボタン31〜33に対応するリール2〜4でのシンボルの変動表示を停止する変動表示停止手段を構成している。また、ステッピングモータ45、モータ駆動回路73、リール位置検出回路77、およびマイコン63は、遊技開始手段によって単位遊技が開始されてから所定時間(本実施形態では後述する自動停止タイマの値が“0”になるまでの40秒の期間)内に停止操作が行われないリール2〜4についてのシンボルの変動表示を自動停止する変動表示自動停止手段を構成している。マイコン63、ホッパー72、メダル検出部72s、ホッパー駆動回路76、および払出完了信号発生回路は、変動表示停止手段によって全てのリール2〜4についてのシンボルの変動が停止された際に、リール2〜4によって停止表示されたシンボルの組合せが所定の組合せ(図5に示すBB,RB,または小役に対応するシンボル組合せ)である場合にメダルを付与する遊技価値付与手段を構成している。変動表示自動停止手段は、リール2〜4によって停止表示されたシンボルの組合せが所定の組合せと異なる組合せとなるように、リール2〜4によるシンボルの変動表示を停止する。
また、I/Oポート71にはサブ制御部通信ポート79が接続されており、マイコン63はこのサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62へ信号を送出する。図7に示すサブ制御基板62には、この信号を受信するメイン制御部通信ポート88が設けられている。サブ制御部通信ポート79およびメイン制御部通信ポート88間の通信は、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ向かう一方向についてだけ行われる。本実施形態では、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ送出される信号は、7ビット長でその制御種別が表されるコマンド種別と、最大24ビット長でそのコマンドの内容が表されるパラメータとで構成されている。
サブ制御基板62は、メイン制御基板61からの制御信号に基づき所定の演出を行う。サブ制御基板62における制御部はマイコン81を主な構成要素として構成されている。マイコン81も、メイン制御基板61におけるマイコン63と同様、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うサブCPU82と、プログラム記憶手段であるプログラムROM83およびバックアップ機能付き制御RAM84とを含んで構成されている。サブCPU82にも、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路85および分周器86が接続されており、さらに、上記のメイン制御部通信ポート88や後述するアクチュエータとの間で信号を授受するI/Oポート87が接続されている。
また、マイコン81からの制御信号により動作が制御されるアクチュエータとして、各リール2〜4に内蔵されたリールバックランプ47a〜47cがある。これらバックランプ47a〜47cの点灯は、I/Oポート87に接続されたランプ駆動回路89からの駆動信号によって制御される。
また、マイコン81が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する入力信号発生手段として、前述した十字キー23、「○」ボタン24および「×」ボタン25がある。
また、I/Oポート87には画像制御ワークRAM98、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)90および音源IC91が接続されている。VDP90には、キャラクタ・データが記憶されたキャラクタROM92およびカラーディスプレイ表示用バッファメモリであるビデオRAM93が接続されており、画像制御ワークRAM98も接続されている。VDP90は、マイコン81の制御の下、液晶表示装置22に画像表示を行う。
マイコン81は、所定の条件が成立すると他の単位遊技と比べて遊技者にとって有利な単位遊技が行われる有利状態(本実施形態ではST遊技状態)を作動させる有利状態作動手段を構成している。ここで、所定の条件は、一般遊技状態中に確率抽選処理(図18,S6)で内部当選役として「スイカ」が決定されてスタートコマンド受信処理(図27)のS250でST抽選処理が行われて、図29のS263でSTフラグがONとなることである。液晶表示装置22、マイコン81、VDP90、キャラクタROM92、ビデオRAM93、および画像制御ワークRAM98は、単位遊技の開始から一定時間が経過するまで所定のリール(図34の演出選択処理のS282で実行される当りリール抽選処理において当選したリール)について停止操作が行われない場合、遊技開始手段によって単位遊技が開始されてから所定時間が経過するまでの間、有利状態作動手段によって有利状態が作動させられることを示唆する演出を行う演出手段を構成している。本実施形態では、演出手段は、停止ボタン31〜33の操作による停止操作を行わないことを指示する演出を行う。さらに、演出手段は、遊技開始手段によって単位遊技が開始されてから所定時間が経過するまでの間に、予め定められた時間間隔(本実施形態では、上記所定時間が経過するまでの残り時間が30秒,20秒,10秒,5秒となる毎)で、異なる態様の演出を行う。また、演出手段は、有利状態作動手段によって有利状態であるST状態が作動させられない場合にも、ST状態が作動することを示唆する演出を行う。
また、音源IC91にはサウンド・データが記憶されたサウンドROM94が接続されており、音源IC91は、マイコン81の制御の下、パワーアンプ95を介してスピーカ96,96からサウンドを放音させる。マイコン81は、メイン制御部通信ポート88を介してメイン制御基板61から入力される指示に従い、音源IC91およびパワー・アンプ95を制御し、メダル投入音,スタートレバー操作音,停止ボタン操作音,ボーナスゲーム中の遊技音といった効果音をスピーカ96,96から出力させる。また、メイン制御基板61から取り込んだ遊技状態および当選フラグに基づいて選択した演出態様に基づく出音パターンで、スピーカ96,96から出音させる。
次に、図8を参照して、メイン制御基板61のプログラムROM65に格納される確率抽選テーブルについて説明する。
図8(a)〜(d)は、確率抽選テーブルを概念的に示す図である。
確率抽選テーブルは、後述するメインフローチャートの確率抽選処理(図18,S6)において、内部当選役を抽選する際に用いられる。確率抽選テーブルは、乱数発生器69で発生し、サンプリング回路70で抽出された乱数を各内部当選役に区分けするデータを記憶している。各内部当選役には、0〜16383の数値データの中から所定の数値範囲の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が属する乱数範囲に割り当てられた内部当選役が選択される。つまり、内部当選役は、サンプリングされた1つの乱数値がどの乱数範囲に属するかによって決定され、当たり要求フラグによって表される。「BB」のボーナス当たり要求フラグ、または「RB」の当たり要求フラグは、フラグが立てられた以降の遊技に持ち越され、「BB」または「RB」のシンボル組み合わせが有効化入賞ラインに停止表示されてボーナスが実際に成立すると、ボーナス当たり要求フラグはクリアされる。また、ボーナス当たり要求フラグ以外のフラグは、フラグが立てられた遊技においてのみ有効であり、その遊技終了時にはクリアされて次遊技以降には持ち越されない。また、「赤7」の小役および「青7」の小役の当たり要求フラグが立てられた場合には、停止ボタン33の操作によって停止したシンボルに応じ、何れかの入賞が成立する。
同図(a)は、「一般遊技状態」において用いられる一般遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルでは、「チェリー」の小役には下限値0,上限値49の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が0〜49の範囲に属すると内部当選役として「チェリー」の小役が選択される。「チェリー」の小役の当選確率は50/16384である。「ベル」の小役には下限値50,上限値369の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が50〜369の範囲に属すると内部当選役として「ベル」の小役が選択される。「ベル」の小役の当選確率は320/16384である。「スイカ」の小役には下限値370,上限値519の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が370〜519の範囲に属すると内部当選役として「スイカ」の小役が選択される。「スイカ」の小役の当選確率は150/16384である。「赤7」の小役および「青7」の小役には下限値520,上限値2969の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が520〜2969の範囲に属すると内部当選役として「赤7」の小役および「青7」の小役が選択される。「赤7」の小役および「青7」の小役の当選確率は2450/16384である。「リプレイ」には下限値2970,上限値5214の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が2970〜5214の範囲に属すると内部当選役として「リプレイ」が選択される。「リプレイ」の当選確率は2245/16384である。「BB」には下限値5215,上限値5264の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が5215〜5264の範囲に属すると内部当選役として「BB」が選択される。「BB」の当選確率は50/16384である。「RB」には下限値5265,上限値5314の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が5265〜5314の範囲に属すると内部当選役として「RB」が選択される。「RB」の当選確率は50/16384である。「ハズレ」には下限値5315,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が5315〜16383の範囲に属すると内部当選役として「ハズレ」が選択される。「ハズレ」の当選確率は11069/16384である。
同図(b)は、「内部当選状態」において用いられる内部当選状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、「赤7」の小役、「青7」の小役、および「リプレイ」には、同図(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率も同じ値である。しかし、「ハズレ」には下限値5215,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は11169/16384である。また、「BB」および「RB」には乱数範囲が割り当てられておらず、この内部当選状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「BB」および「RB」は選択されない。
図(c)は、「BB中一般遊技状態」において用いられるBB中一般遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、「赤7」の小役、「青7」の小役、および「リプレイ」には、同図(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率も同じ値である。しかし、「RB」には下限値5215,上限値5264の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は50/16384である。また、「SRB」には下限値5265,上限値16352の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は11088/16384である。また、「ハズレ」には下限値16353,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は31/16384である。また、「BB」には乱数範囲が割り当てられておらず、この内部当選状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「BB」は選択されない。
図(d)は、「RB遊技状態」において用いられるRB遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役には、同図(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率も同じ値である。しかし、「ベル」の小役には下限値50,上限値13782の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は13733/16384である。「スイカ」の小役には下限値13783,上限値13932の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は150/16384である。「赤7」の小役および「青7」の小役には下限値13933,上限値16382の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は2450/16384である。「ハズレ」には16383の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384である。また、「リプレイ」、「BB」および「RB」には乱数範囲が割り当てられておらず、このRB遊技状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「リプレイ」、「BB」および「RB」は選択されない。
図9は、サブ制御基板62で行われる遊技の演出に用いる演出データをセットする際に参照される演出識別子と遊技状態との関係を示す図である。
同図に示すように、「ST状態」の潜伏中、つまり、STフラグがONになっているときには、演出識別子として「演出A」〜「演出D」が対応づけられており、これらの中の何れかの演出識別子が制御RAM84にセットされる。また、「ST状態」の非潜伏中、つまり、STフラグがOFFになっているときには、演出識別子として「演出E」〜「演出H」が対応づけられており、これらの中の何れかの演出識別子が制御RAM84にセットされる。この演出識別子に基づいた演出データが選択されて、後述するように遊技の演出が行われる。
図10は、演出選択テーブルを概念的に示す図である。この演出選択テーブルは、サブ制御基板62のプログラムROM83に格納されており、後述する図34の演出選択処理において「演出A」〜「演出H」の演出識別子を選択する際に用いられる。同図(a),(b)に示す各テーブルには、各演出識別子A〜D,E〜H毎に0〜255の数値データの中から所定の数値範囲の乱数範囲が割り当てられている。サブCPU82で抽出された乱数の属する乱数範囲が割り当てられた演出識別子が当選となる。
同図(a)に示す演出選択テーブルAは、「ST状態」の潜伏中に「演出A」〜「演出D」のうちの何れかの演出識別子を選択する際に用いられる。このテーブルでは、「演出A」には0〜231の乱数範囲が割り当てられており、「演出A」が選択される確率は232/256である。また、「演出B」には232〜238の乱数範囲が割り当てられており、「演出B」が選択される確率は7/256である。また、「演出C」には239〜246の乱数範囲が割り当てられており、「演出C」が選択される確率は8/256である。また、「演出D」には247〜255の乱数範囲が割り当てられており、「演出D」が選択される確率は9/256である。
同図(b)に示す演出選択テーブルBは、「ST状態」の非潜伏中に「演出E」〜「演出H」のうちの何れかの演出識別子を選択する際に用いられる。このテーブルでは、「演出E」には0〜231の乱数範囲が割り当てられており、「演出E」が選択される確率は232/256である。また、「演出F」には232〜238の乱数範囲が割り当てられており、「演出F」が選択される確率は7/256である。また、「演出G」には239〜246の乱数範囲が割り当てられており、「演出G」が選択される確率は8/256である。また、「演出H」には247〜255の乱数範囲が割り当てられており、「演出H」が選択される確率は9/256である。
図11は、サブ制御基板62のプログラムROM82に格納される演出テーブルを概念的に示す図である。
演出テーブルでは、同図に示すように、演出識別子「演出A」〜「演出H」のそれぞれについて、スタートレバー30が操作されてリール2〜4が回転を開始してから、自動停止タイマの値が“0”になるまでの残り35秒,30秒,20秒,10秒,5秒の各時間毎に、「演出1−0」,「演出1−1」,「演出1−2」,「演出1−3」,「演出1−4」,「演出2−0」,「演出2−1」,「演出2−2」,「演出2−3」,および「演出2−4」の演出データの中の何れかが対応づけられている。演出選択テーブル(図10)を用いた抽選によって「演出A」〜「演出H」のうちの何れかの演出識別子が選択されると、この演出テーブルに基づいて、自動停止タイマの値が“0”になるまでの残り35秒,30秒,20秒,10秒,5秒の各時間についての演出データが、選択した演出識別子に応じて制御RAM84にセットされる。
図12〜図15は、上記各演出データが用いられた場合に液晶表示装置22に表示される演出画像の例を示す図である。自動停止タイマの値が“0”になるまでの残り時間が35秒になると、「演出1−0」の演出データに対応する図12(a)、または、「演出2−0」の演出データに対応する図14(a)に示す、キャラクタ「ドンちゃん」と、この「ドンちゃん」の「停止ボタンを操作しないで下さい」という台詞の吹き出しとから構成される画像が、液晶表示装置22に表示される。また、自動停止タイマの値が“0”になるまでの残り時間が30秒,20秒,10秒,5秒になる毎に、図12(b)〜図13(e)に示す「演出1−1」〜「演出1−4」の演出データ、または、図14(b)〜図15(e)に示す「演出2−1」〜「演出2−4」の演出データに対応する、キャラクタ「ドンちゃん」と、この「ドンちゃん」の「ST潜伏確率○○%」という台詞の吹き出しとから構成される画像が、液晶表示装置22に表示される。この台詞に含まれる「○○」には、用いられる演出データ毎に異なる数値が表され、「演出1−1」,「演出1−2」,「演出1−3」,「演出1−4」の場合には、それぞれ「10」,「30」,「50」,「70」が表される。また、「演出2−1」,「演出2−2」,「演出2−3」,「演出2−4」の場合には、それぞれ「90」,「5」,「60」,「20」が表される。
図16は、当りリール選択テーブルを概念的に示す図である。このテーブルは、サブ制御基板62のプログラムROM83に格納されており、後述する図34の演出選択処理において当りリールを選択する際に用いられる。このテーブルでは、左,中,右の各リール2〜4毎に0〜255の数値データの中から所定の数値範囲の乱数範囲が割り当てられており、サブCPU82で抽出された乱数の属する乱数範囲が割り当てられたリールが当選となる。このテーブルでは、左リール2には0〜149の乱数範囲が割り当てられており、当りリールとして左リール2が選択される確率は150/256である。また、中リール3には150〜199の乱数範囲が割り当てられており、当りリールとして中リール3が選択される確率は50/256である。また、右リール4には200〜255の乱数範囲が割り当てられており、当りリールとして右リール4が選択される確率は56/256である。
図17(a)はSTセット回数抽選テーブル、同図(b)はSTゲーム数抽選テーブルを概念的に示す図である。これらのテーブルは、サブ制御基板62のプログラムROM83に格納されており、ST遊技の実行可能回数を抽選する際に参照される。
同図(a)に示されるSTセット回数抽選テーブルは、ST遊技の実行セット回数を抽選するのに用いられ、0〜32767の乱数範囲32768から抽出した乱数により、STセット回数を0〜10回,15回,20回,25回,30回,または100回に振り分ける。同テーブルによれば、STセット回数が0回または1回になる確率は共に0であり、2回になる確率は24663/32768である。また、STセット回数が3回になる確率は7000/32768であり、以下同様にそれぞれのセット回数につき選択確率が振り分けられている。同テーブルを用いた場合に得られるSTセット回数の期待値は2.30回である。
また、同図(b)に示されるSTゲーム数抽選テーブルは、ST遊技1セットあたりのSTゲーム数を抽選するのに用いられ、0〜127の乱数範囲128から抽出した乱数により、1セットあたりのSTゲーム数を10ゲーム,20ゲーム,30ゲーム,50ゲーム,または100ゲームに振り分ける。同テーブルによれば、STゲーム数が10ゲームになる確率は63/128であり、20ゲームになる確率は30/128である。以下同様に、それぞれのSTゲーム数につき選択確率が振り分けられており、同テーブルを用いた場合に得られるSTゲーム数の期待値は22.1ゲームである。
次に、図18に示すメインフローチャートを参照して、メイン制御基板61のメインCPU64の制御動作について説明する。
初めに、メインCPU64は、遊技開始時の初期化処理を行う(図18,S1参照)。具体的には、制御RAM66の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。続いてゲーム終了時の制御RAM66の所定の記憶内容を消去する(S2)。具体的には、前回のゲームに使用された制御RAM66の書き込み可能エリアのデータの消去、制御RAM66の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。
次に、メインCPU64は、メダル投入・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、要求分のメダルの自動投入、または、投入メダルセンサ8Sや貯留メダル投入スイッチ26S〜28Sからの入力に基づき、メダル投入枚数が最大投入枚数に達したと判断すると、メインCPU64は、スタートレバー30の操作に基づくスタートスイッチ30Sからの入力をチェックする。スタートスイッチ30Sからの入力を確認すると、メインCPU64は、乱数発生器69で発生した抽選用の乱数をサンプリング回路70によって抽出する(S4)。続いて、メインCPU64は、遊技状態監視処理を行い(S5)、後述する確率抽選処理を行う(S6)。遊技状態監視処理では、そのときに“オン”となっている作動中フラグに対応した遊技状態がセットされる。
次に、メインCPU64は、S6の確率抽選処理での抽選結果に基づき、今回の単位遊技のリール停止制御処理で用いる停止テーブルを決定する停止テーブル決定処理を行う(S7)。続いて、メインCPU64は、スタートコマンドをメイン制御基板61における制御RAM66の通信データ記憶領域にセットする(S8)。「スタートコマンド」は、S5で識別した遊技状態、S6の確率抽選処理で抽選した当選役等の情報を含むコマンドである。
続いて、メインCPU64は、前回のリール回転開始から4.1秒が経過したか否かを判別する(S9)。この判別が“NO”のときは、4.1秒が経過するまでウエイト処理(S10)が行われる。ウエイト処理では、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理(ここでは、リール2〜4の回転の開始を待機させる処理)が行われる。
前回のリール回転開始から4.1秒が経過すると、メインCPU64は、ゲーム監視用タイマを制御RAM66の所定領域にセットする(S11)。このゲーム監視用タイマは、各単位遊技の時間を監視するタイマであり、遊技者の停止ボタン31〜33の停止操作によらずに自動的にリール2〜4を停止させるための自動停止用のタイマも含んでいる。この自動停止用タイマは、本実施形態では40秒でタイム・アップする。
S11の処理が終了すると、メインCPU64は、全リール2〜4の回転開始を要求し(S12)、全リール2〜4の回転を開始させ、続いて、「リール停止許可コマンド」をメイン制御基板61における制御RAM66の通信データ記憶領域にセットする(S13)。「リール停止許可コマンド」は、停止ボタン31〜33の操作を受け付けるコマンドである。次に、メインCPU64は、後述する停止制御処理を行い(S14)、続いて表示役検索処理を行う(S15)。この表示役検索処理では、有効化入賞ライン上に実際に揃って表示されているシンボルの組合せの種類と、確率抽選処理によって決定された当選役の種類との一致がとられる。そして、この表示役に誤りがあってイリーガルヒットに該当する場合には、配当枚数表示部20および液晶表示装置22にイリーガルエラーが表示される。
次に、メインCPU64は、表示役が正常でイリーガルヒットでない場合に、「表示役コマンド」をメイン制御基板61における制御RAM66の通信データ記憶領域にセットする(S16)。「表示役コマンド」は、有効化入賞ライン上に実際に揃って表示されているシンボルの組合せの種類などを含んだコマンドである。
次に、メインCPU64は、メダル払出処理を行う(S17)。つまり、クレジットで遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得したメダル数分、貯留枚数表示部16に表示される貯留枚数が増加され、また、メダル投入口8へのメダル投入で遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得した枚数のメダルがメダル受皿37へ払い出される。
S17の処理を行った後、メインCPU64は、BB作動中フラグまたはRB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別し(S18)、何れかのフラグが“オン”である場合には、後述する役物等終了チェック処理を行う(S19)。S18の判別結果が何れのフラグも“オン”でない場合、または、S19の処理の後、遊技処理はS2に戻って次の新たな単位遊技が開始される。
次に、図19を参照して、図18,S6で行われる確率抽選処理について説明する。
この確率抽選処理において、まず、メインCPU64は、遊技状態がBB中一般遊技状態であるか否かを判別し(図19,S31参照)、この判別が“YES”である場合には、図8(c)に示すBB中一般遊技状態用確率抽選テーブルに基づいて内部当選役を決定する(S32)。一方、S31の判別が“NO”である場合に、メインCPU64は、遊技状態がRB遊技状態であるか否かを判別し(S33)、この判別が“YES”である場合には、図8(d)に示すRB遊技状態用確率抽選テーブルに基づいて内部当選役を決定する(S34)。
一方、S33の判別が“NO”である場合に、メインCPU64は、遊技状態が内部当選状態であるか否かを判別し(S35)、この判別が“YES”である場合には、図8(b)に示す内部当選状態用確率抽選テーブルに基づいて、内部当選役を決定する(S36)。一方、S35の判別が“NO”である場合には、図8(a)に示す一般遊技状態用確率抽選テーブルに基づいて内部当選役を決定する(S37)。S32,S34,S36,またはS37の処理を行った後、メインCPU64は、内部当選役はBBまたはRBであるかを判別する(S38)。この判別が“YES”である場合には、内部当選役に基づいて、持越役をセットし(S39)、確率抽選処理を終了する。一方、S38の判別が“NO”である場合には、そのまま確率抽選処理を終了する。
次に、図20を参照して、図18,S14で行われる停止制御処理について説明する。
この停止制御処理において、まず、メインCPU64は、リール2〜4の回転が定速になっていずれかの停止ボタン31〜33が操作され、有効なストップスイッチが“オン”されたか否かを判別する(図20,S41参照)。この判別が“NO”である場合には、次に、停止ボタン31〜33が操作されずに自動停止タイマの値が“0”となったか否かを判別する(S42)。この判別が“NO”である場合には、処理はS41に戻り、上述の処理が繰り返される。一方、自動停止タイマの値が“0”になってS42の判別が“YES”である場合には、メインCPU64は、停止制御の対象として、より右側のリール2〜4を抽出し(S43)、続いて、抽出したリール2〜4が第3停止リールであるか否かを判別する(S44)。この判別が“YES”である場合、メインCPU64は、自動停止時にリール2〜4に入賞シンボル組合せを揃わせない後述する自動停止処理を行う(S45)。
有効なストップスイッチが“オン”されてS41の判別が“YES”の場合、または、抽出したリール2〜4が第3停止リールでなくてS44の判別が“NO”の場合、または、S45の処理が行われた後、メインCPU64は、後述する滑りコマ数決定処理を行い(S46)、続いて、リール停止コマンドをメイン制御基板61における制御RAM66の通信データ記憶領域にセットする(S47)。次に、メインCPU64は、滑りコマ数分、停止制御の対象となっているリール2〜4が回転するのを待ち(S48)、リール2〜4の回転停止を要求する(S49)。次に、メインCPU64は、停止要求のあったリールの停止が最後のリールの停止であるか否かを判別し(S50)、この判別が“YES”である場合には、停止制御処理を終了する。一方、判別が“NO”である場合には、処理はS41に戻り、上述の処理が繰り返される。
次に、図21を参照して、図20,S45で行われる自動停止処理について説明する。
この自動停止処理において、まず、メインCPU64は、停止制御の対象のリールは左リール2であるか否かを判別し(図21,S71参照)、この判別が“YES”である場合には、表示役判定データとして「ハズレ」をセットし(S72)、自動停止時には必ず「ハズレ」となるようにする。一方、停止制御の対象のリールが左リール2でなくてS71の判別が“NO”である場合には、中リール3または右リール4にシンボル「チェリー」を停止させても「チェリー」入賞はしないため、メインCPU64は、表示役判定データとして「ハズレ」および「チェリー」をセットする(S73)。S72またはS73の処理の後、メインCPU64は、停止制御対象のリールについてのシンボルの位置を取得し、第3停止リールが停止した場合にリール2〜4に揃う全ての表示役を予想する(S74)。次に、メインCPU64は、予想された結果と、表示役判定データとを比較し(S75)、表示役判定データとしてセットされた役に対応するシンボルを有効化入賞ライン上に停止可能か否かを判別する(S76)。この判別が“NO”である場合には、停止制御の対象のリールについての全てのシンボルをチェックしたか否かを判別する(S77)。この判別が“NO”である場合には、処理はS74に戻り、上述の処理が繰り返される。S76またはS77の判別が“YES”である場合には、メインCPU64は、自動停止フラグを“オン”にし(S78)、自動停止処理を終了する。
次に、図22を参照して、図20,S46で行われる滑りコマ数決定処理について説明する。
この滑りコマ数決定処理において、まず、メインCPU64は、自動停止フラグは“オン”であるか否かを判別し(図22,S81参照)、この判別が“YES”である場合には、停止可能な位置でリール2〜4を止めるために滑りコマ数として“0”を決定する(S83)。一方、判別が“NO”である場合には、図18,S7で決定された停止テーブルに基づいて滑りコマ数を決定する(S82)。S82またはS83の処理が行われた後、滑りコマ数決定処理は終了する。
次に、図23を参照して、図18,S19で行われる役物等終了チェック処理について説明する。
この役物等終了チェック処理において、まず、メインCPU64は、RB作動中フラグは“オン”であるか否かを判別し(図23,S91参照)、この判別が“YES”である場合には、RB遊技数およびRB遊技状態における入賞回数の更新を行う(S92)。次に、メインCPU64は、更新したRB遊技数が12ゲームまたは入賞回数が8回となり、RB遊技状態の終了時か否かを判別する(S93)。この判別が“YES”である場合には、RB作動中フラグをクリア等するRB終了時処理を行う(S94)。S93の判別が“NO”である場合、または、S94の処理を行った後、メインCPU64は、BB作動中フラグは“オン”であるか否かを判別し(S95)、この判別が“NO”である場合には、そのまま役物等終了チェック処理を終了する。
S95の判別が“YES”の場合、または、S91の判別が“NO”の場合に、メインCPU64は、BB遊技状態におけるメダル払出枚数の更新を行い(S96)、続いて、更新したメダル払出枚数が465枚を超えて遊技状態がBB終了時であるか否かを判別する(S97)。この判別が“YES”である場合には、BB作動中フラグをクリア等するBB終了時処理を行い(S98)、役物等終了チェック処理を終了する。S97の判別が“NO”である場合に、メインCPU64は、表示役がRBであるか否かを判別し(S99)、この判別が“NO”である場合には、そのまま役物等終了チェック処理を終了する。一方、判別が“YES”である場合には、RB作動時テーブルに基づいてRB作動時処理を行い(S100)、役物等終了チェック処理を終了する。
次に、図24のフローチャートを参照して、例えば、1.1173ms毎にメイン制御基板61で行われる定期割込処理の概略について説明する。
この定期割込処理において、まず、メインCPU64は、コマンド送信処理を行う(図24,S111参照)。コマンド送信処理は、メイン制御基板61における制御RAM66の通信データ記憶領域にセットされたコマンド情報を、サブ制御基板62へ送信する処理である。次に、メインCPU64は、リール2〜4の回転を制御するリール制御処理を行い(S113)、7SEG駆動処理を行い(S114)、続いて、ランプ駆動処理を行う(S115)。7SEG駆動処理では、貯留枚数表示部16やボーナスカウント表示部18、配当枚数表示部20などを構成する各LEDを表示数値に応じて点灯または消灯する。ランプ駆動処理では、各種ランプ(BETランプ13〜15、スタートランプ17、WINランプ19、インサートランプ21)を、各ランプの点灯または消灯のタイミングに応じて点灯または消灯する。
次に、図25〜図34を参照して、サブ制御基板62のサブCPU82によって制御される遊技処理について説明する。
図25は、サブCPU82によって行われる、リセット割込処理の概略を示すフローチャートである。
このリセット割込処理では、パチスロ機1に電源が投入され、サブCPU82のリセット端子に信号が入力されると、サブCPU82は、制御RAM84や、ビデオRAM93、画像制御ワークRAM98の初期化や、割込を許可する初期化処理を実行する(図25,S211参照)。次に、サブCPU82は、十字キー23や、「○」ボタン24、「×」ボタン25といった操作部からの入力を監視する処理を行い(S212)、その後、メイン制御基板61からのコマンドを処理する後述のコマンド入力処理を行う(S213)。次に、サブCPU82は、制御RAM84に記憶されている演出データに応じて、液晶表示装置22に画像の描画を指令したり、スピーカ96,96に音声の出力を指令したりするコマンド出力処理を行う(S214)。
図26は、図25のS213で実行されるコマンド入力処理の詳細なフローチャートである。このコマンド入力処理では、まず、サブCPU82は、メイン制御基板61からコマンドを受信したか否かを判別し(図26,S221参照)、この判別が“NO”の場合は、そのままコマンド入力処理を終了する。一方、この判別が“YES”の場合は、後述するコマンド対応実行処理を行い(S222)、コマンド入力処理を終了する。
図27は、図26,S222のコマンド対応実行処理の詳細なフローチャートである。このコマンド対応実行処理において、まず、サブCPU82は、メイン制御基板61から受信したコマンドがスタートコマンドであるか否かを判別し(図27,S231参照)、この判別が“YES”の場合は後述するスタートコマンド受信処理を行う(S232)。S231の判別が“NO”の場合は、メイン制御基板61から受信したコマンドはリール停止コマンドであるか否かを判別し(S233)、この判別が“YES”の場合は後述する演出選択処理を行う(S234)。S233の判別が“NO”の場合は、受信した各コマンドに応じた演出データを決定する(S235)。S232,S234,またはS235の処理を行った後、コマンド対応実行処理は終了する。
図28は、図27のコマンド対応実行処理のS232で行われるスタートコマンド受信処理の詳細なフローチャートである。
スタートコマンド受信処理において、まず、STセット回数カウンタが1以上であるか否かが判別される(図28,S241参照)。STセット回数カウンタは、図17(a)に示したSTセット回数抽選テーブルで振り分けられるSTセット回数を計数する。STセット回数が1以上でない場合は、STフラグがOFFされ(S242)、続いて、確率抽選(図18,S6参照)の結果「スイカ」が内部当選しているか否かが判別される(S243)。「スイカ」が内部当選している場合は、次に、現在の遊技状態が一般遊技状態中であるか否かが判別され(S244)、一般遊技状態中である場合は、次に、ST抽選処理が行われ(S250)、続いて、ST発動処理が行われる(S251)。
図29は、上記スタートコマンド受信処理(図28参照)のS250において行われるST抽選処理の詳細を示すフローチャートである。ST抽選処理において、まず、図17(a),(b)に示したSTセット回数抽選テーブルおよびSTゲーム数抽選テーブルが参照されて、STセット回数およびSTゲーム数が抽選される(図29,S261参照)。そして、抽選されたSTセット回数とその1セットあたりのSTゲーム数とが制御RAM84に対で記憶される(S262)。この際、既にSTセット回数とSTゲーム数との対が制御RAM84に記憶されている場合、新たに抽選されたSTセット回数とSTゲーム数との対は、別の領域に記憶される。これら各領域に記憶されたSTセット回数の合計値はSTセット回数カウンタにより計数される。また、現在実行中のセットに割り当てられたSTゲーム数の残りSTゲーム数はSTゲーム数カウンタにより計数される。その後、STフラグがONされる(S263)。
図30は、上記スタートコマンド受信処理(図28参照)のS251において行われるST発動処理の詳細を示すフローチャートである。ST発動処理において、まず、ST発動中か否かが判別される(図30,S271参照)。ST発動中である場合は、ST発動処理は終了する。ST発動中でない場合は、次に、STセット回数カウンタが1以上であるか否かが判別される(S272)。STセット回数カウンタが1以上でない場合は、ST遊技が行われないため、ST発動処理は終了する。一方、STセット回数カウンタが1以上の場合は、続いて、ST遊技を発動させるか否かの抽選がST発動抽選テーブルを参照して行われる(S273)。ST発動抽選テーブルによる当選確率は、スロットマシン1に投入されたメダル総数に対する遊技者に獲得されたメダル総数の割合を示す出球率の設定段階によって異なり、例えば、図31に示すように、出球率の設定段階が設定1の場合は1/20、設定2の場合は1/19、設定3の場合は1/18、設定4の場合は1/17、設定5の場合は1/16、設定6の場合は1/15に設定されている。
次に、上記のST発動抽選で当選したか否かが判別され(図30,S274参照)、当選しなかった場合はST発動処理は終了する。当選した場合は、STゲーム数カウンタが、ST抽選処理(図29参照)のS262で記憶された最も古いSTセット回数に割り当てられたSTゲーム数にセットされ、ST遊技が発動される(S275)。
一方、図28,S241においてSTセット回数が1以上である場合は、次に、現在、ST遊技中であるか否かが判別される(S245)。ST遊技中であるか否かの判別は、図17(b)に示したSTゲーム数抽選テーブルで振り分けられるSTゲーム数の残りゲーム数を計数するSTゲーム数カウンタが、現在1以上であるか否かを判別することによって行われる。STゲーム数カウンタが1以上でない、つまり0の場合は、所定ゲーム数のST遊技が1セット終了したと判別され、STセット回数減算処理が行われる(S246)。図32はこのSTセット回数減算処理の概要を示すフローチャートである。始めに、STセット回数カウンタが1以上であるかが判別され(図32,S291参照)、STセット回数カウンタが1以上であることが認識されると、制御RAM84に記憶されたSTセット回数カウンタの値が1減算される(S292)。
一方、図28,S245において、STゲーム数カウンタが1以上であり、現在ST遊技中であると判別された場合は、次に、後述する押順告知処理が行われ(S247)、続いてSTゲーム数カウンタにセットされた値が1減算される(S248)。
図33は、上記スタートコマンド受信処理のS247において行われる押順告知処理の詳細を示すフローチャートである。この押順告知処理において、まず、STゲーム数カウンタが1以上であるか否かが判別される(図33,S301参照)。STゲーム数カウンタが1以上でない場合は、押し順告知処理は終了する。STゲーム数カウンタが1以上である場合は、次に、内部当選役が赤7小役または青7小役であるか否かが判別される(S302)。内部当選役が赤7小役または青7小役でない場合は押順告知処理は終了する。
内部当選役が赤7小役または青7小役である場合は、停止テーブルの中から内部当選役が赤7小役または青7小役に対応する停止テーブルが選択され、そのテーブルに基づいて、赤7小役または青7小役に対応するシンボル組合せが有効化入賞ライン上に揃う停止ボタン31〜33の押し順を告知する演出データがセットされる(S303)。セットされた演出データは、リセット割込処理(図25)のS214で画像制御ワークRAM98に出力され、VDP90によって液晶表示装置22に停止ボタン31〜33の押し順を告知する画像が表示される。遊技者は、告知に従って停止ボタン31〜33を押してゆくだけで、内部当選役である赤7小役または青7小役の入賞を容易に発生させることが出来る。
図28,S248でSTゲーム数カウンタにセットされた値が1減算されるか、S246のSTセット回数減算処理が終了すると、次に、ハズレに内部当選しているか否かが判別される(S249)。ハズレに内部当選していない場合は、スタートコマンド受信処理は終了する。ハズレに内部当選している場合は、次に、前述したST抽選処理が行われ(S250)、引き続いて、前述したST発動処理が行われる(S251)。S243,S244,またはS249の判別が“NO”の場合、またはS251の処理の後、スタートコマンド受信処理は終了する。
図34は、上記コマンド対応実行処理のS234において行われる演出選択処理の詳細を示すフローチャートである。この演出選択処理において、まず、自動停止タイマの値が“0”になる残り時間は35秒よりも長いか否かが判別され(図34,S281参照)、この判別が“NO”の場合には当りリールが抽選される(S282)。この抽選は、サブCPU82で抽出された乱数が、図16に示す当りリール選択テーブルにおける何れのリールに割り当てられた乱数範囲に属するかを判別することにより行われる。次に、S282の抽選で決定された当りリールに対応する停止ボタン31〜33は操作されたか否かが判別され(S283)、この判別が“NO”の場合には、STフラグがONであるか否かが判別される(S284)。STフラグがONである場合は、演出選択テーブルAを用いた抽選が行われて(S285)、「演出A」〜「演出D」のうちの何れかの演出識別子が選択される。STフラグがONでなくS284の判別が“NO”の場合は、演出選択テーブルBを用いた抽選が行われ(S286)、「演出E」〜「演出H」のうちの何れかの演出識別子が選択される。S285またはS286の処理が行われた後、演出テーブル(図11参照)が参照されて決定された演出識別子に基づき演出データが制御RAM84にセットされる(S287)。S281若しくはS283の判別が“YES”の場合、または、S287の処理が行われると、演出選択処理は終了する。
上述した本実施形態によるパチスロ機1では、上記のように、スタートレバー30が操作されてからの時間を計時する自動停止タイマの値が“0”になる残り時間が35秒よりも短くなると、図16に示す当りリール選択テーブルを用いた抽選で当りリールが決定される(S282)。この当りリールに対応する停止ボタン31〜33が操作されていない場合には、「演出A」〜「演出H」のうちの何れかの演出識別子が抽選によって選択され(S285,S286)、選択された識別子に対応する演出データが制御RAM84の所定領域にセットされる(S287)。セットされた演出データに基づいて、図25に示すリセット割込処理のS214において、液晶表示装置22に描画することを指令するコマンドがVDP90に出力される。これにより、「演出1−0」〜「演出1−4」または「演出2−0」〜「演出2−4」(図12〜図15)に示す画像が、自動停止タイマの値が“0”になるまでの残り35秒,30秒,20秒,10秒,5秒の各時間が経過する毎に、図11に示す順序で液晶表示装置22に表示される。
例えば、自動停止タイマの値が“0”になる残り時間が35秒よりも短くなるまで当りリールに対応する停止ボタン31〜33が操作されていない場合おいて、ST状態の潜伏中では、演出選択処理(図33)で「演出A」の演出識別子が高い確率で選択され(図10(a)参照)、自動停止タイマの値が“0”になるまでの残り時間が35秒になると、演出データ「演出1−0」に対応する図12(a)に示す画像が表示される。そして、自動停止タイマの値が“0”になるまでの残り30秒,20秒,10秒,5秒の各時間が経過する毎に、演出データ「演出1−1」〜「演出1−4」に対応する図12(b)〜図13(d)に示す画像が、この順番で液晶表示装置22に表示される。従って、液晶表示装置22の吹き出し中の表示は「ST潜伏確率10%」,「ST潜伏確率30%」,「ST潜伏確率50%」,「ST潜伏確率70%」と、時間の経過に従ってST潜伏確率が徐々に高くなる表示となる。しかし、ST潜伏中における演出選択処理(図33)で「演出A」と異なる演出識別子が選択されると、自動停止タイマの値が“0”になるまでの残り30秒,20秒,10秒,5秒の各時間が経過する毎に、演出データ「演出1−1」〜「演出1−4」に対応する図12(b)〜図13(e)に示す画像が、ランダムに表示される。
一方、ST状態の非潜伏中では、演出選択処理(図33)で「演出E」の演出識別子が高い確率で選択され、自動停止タイマの値が“0”になるまでの残り時間が35秒になると、演出データ「演出2−0」に対応する図14(a)に示す画像が表示される。そして、自動停止タイマの値が“0”になるまでの残り30秒,20秒,10秒,5秒の各時間が経過する毎に、演出データ「演出2−1」〜「演出2−4」に対応する図14(b)〜図15(e)に示す画像が、この順番で液晶表示装置22に表示される。従って、液晶表示装置22の吹き出し中の表示は「ST潜伏確率90%」,「ST潜伏確率5%」,「ST潜伏確率60%」,「ST潜伏確率20%」とランダムに表示される。しかし、ST非潜伏中に演出選択処理(図33)で「演出G」の演出識別子が選択されると、自動停止タイマの値が“0”になるまでの残り30秒,20秒,10秒,5秒の各時間が経過する毎に、演出データ「演出2−2」,「演出2−4」,「演出2−3」,「演出2−1」に対応する画像が、図14(c),図15(e),図15(d),図14(b)の順番で液晶表示装置22に表示される。従って、液晶表示装置22の吹き出し中の表示は、「ST潜伏確率5%」,「ST潜伏確率20%」,「ST潜伏確率60%」,「ST潜伏確率90%」と、時間の経過に従ってST潜伏確率が徐々に高くなる表示となる。
本実施形態によるパチスロ機1によれば、このように、複数のリール2〜4うちの抽選で決定された所定のリール2〜4について、自動停止タイマの値が“0”になる残り時間が35秒よりも短くなる一定時間が経過するまで対応する停止ボタン31〜33が操作されない場合には、自動停止タイマの値が“0”となってシンボルの変動が自動停止されるまでの間、ST状態が作動させられることを示唆する演出が液晶表示装置22で行われる。このため、遊技者は、複数リール2〜4のうちの抽選で決定された所定のリール2〜4について、単位遊技の開始から一定時間が経過するまで対応する停止ボタン31〜33を操作しないことにより、シンボルの変動が自動停止されるまでの間、液晶表示装置22での演出を確認して、ST状態が作動させられるか否かを判断することができる。また、操作した停止ボタン31〜33に対応するリール2〜4が当たりリールでなく、ST状態が潜伏中であることを示唆する演出が行われることに対して、遊技者に期待感を与えることができる。従って、単位遊技の開始から自動停止タイマの値が“0”になるまでの遊技に面白みを感じさせて、リール2〜4によるシンボルの変動が自動停止されるまでの時間を有効活用させることができる。
また、本実施形態では、ST状態が潜伏していない場合にも液晶表示装置22でST状態の作動を示唆する演出が行われるので、液晶表示装置22での演出が行われても必ずしもST状態が作動するとは限らず、液晶表示装置22による演出を見た遊技者のST状態の作動に対する期待感を高めることができる。
また、本実施形態では、スタートレバー30の操作に基づき単位遊技が開始されてから自動停止タイマの値が“0”になってリール2〜4の回転が自動停止されるまでの間、自動停止タイマの値が“0”になるまでの残り時間が30秒,20秒,10秒,5秒の予め定められた時間間隔で異なる態様の演出が行われる(図12〜図15参照)。このため、遊技者は、液晶表示装置22での演出をみることにより、単位遊技の開始から経過した時間や、シンボルの変動が自動停止するまでの時間を知ることができる。また、単位遊技が開始されてからリール2〜4の回転が自動停止されるまでの間に液晶表示装置22で行われる演出が単調とならず、遊技演出に変化を持たせることもできる。
また、通常は単位遊技が開始されてシンボルの変動表示が行われるとすると直ぐに停止ボタン31〜33の操作を行う遊技者も、停止ボタン31〜33を操作しないことを指示する液晶表示装置22での演出(図12(a),図14(a)参照)を見て、停止ボタン31〜33の操作を行わない場合には、ST状態が作動させられることを示唆する液晶表示装置22での演出を見ることができる。また、停止ボタン31〜33を操作しないことを指示する液晶表示装置22での演出が行われても必ずしもST状態に突入するとは限らないが、液晶表示装置22でのこの演出が行われた場合には、続いてST状態が作動させられることを示唆する演出が行われる。このため、停止ボタン31〜33を操作しないことを指示する演出がST状態への突入を示唆するものともなり、液晶表示装置22での演出に対する遊技者の期待感を向上させることができる。
なお、上記実施の形態では、一般遊技状態中の確率抽選処理(図18,S6)で内部当選役として「スイカ」が決定されて、かつ、スタートコマンド受信処理(図28)のS251のST発動抽選で当選すると、「ST状態」が発生する場合について説明したが、「ST状態」が発生する条件は任意であり、適宜変更して差し支えない。また、上記実施の形態では、有利状態を「ST状態」として説明したが、「BB遊技状態」や「RB遊技状態」等の他の遊技状態を有利状態としてもよい。また、「演出A」〜「演出H」の各演出識別子に対応づけられた演出データの組合せは任意であり、適宜変更して差し支えない。また、上記実施形態では、単位遊技の開始からリール2〜4が自動停止するまでの残り時間が35秒,30秒,20秒,10秒,5秒となる毎に、液晶表示装置22での演出態様を異ならせる場合について説明した。しかし、液晶表示装置22での演出態様を異ならせる時間間隔は、予め定められていれば任意であり、他の時間間隔で演出態様を異ならせてもよい。
また、上記実施形態では図12〜図15に示す画像を液晶表示装置22に表示して、停止ボタン31〜33を操作しないことを指示する演出、および、「ST状態」が潜伏中であること示唆する演出を行った場合について説明したが、液晶表示装置22に表示する画像の態様は任意であり、適宜変更して差し支えない。また、停止ボタン31〜33を操作しないことを指示する演出、および、「ST状態」が潜伏中であること示唆する演出は、液晶表示装置22での表示により行う必要はなく、スピーカ96,96からの放音等によってもよい。
また、上記実施形態では、全ての単位遊技においてST状態が作動することを示唆する演出が液晶表示装置22で行われる場合について説明した。しかし、この液晶表示装置22での演出が所定確率で行われる構成としてもよい。この構成によれば、液晶表示装置22での演出が行われない場合にもST状態が作動することがあり、ST状態が作動するときにも必ずしも液晶表示装置22による演出が行われないことから、ST状態の作動に対する遊技者の期待感を高めることができる。
また、上記実施形態では、全ての単位遊技において停止ボタン31〜33を操作しないことを指示する演出が液晶表示装置22で行われる場合について説明した。しかし、この液晶表示装置22での演出が所定確率で行われる構成としてもよい。この構成によれば、液晶表示装置22での指示演出が行われない場合にも停止ボタン31〜33の操作を行わないことにより、ST状態が潜伏していてST状態が作動させられることを示唆する液晶表示装置22での演出を見ることができることがあり、ST状態が作動することを示唆する演出に対する遊技者の期待感を高めることができる。