JP2006252416A - 誘導性負荷制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 誘導性負荷の電流を広範囲に精度良く制御可能で、しかも安価な誘導性負荷制御装置を提供する。
【解決手段】 ソレノイドの通電経路に設けられた駆動用トランジスタと、ソレノイドの通電経路に設けられた電流検出用抵抗と、その抵抗の両端電圧を増幅して出力する増幅回路とを備え、ソレノイドに流れている電流(負荷電流)を上記増幅回路の出力電圧から算出して、その算出した負荷電流が目標電流となるように上記トランジスタの駆動信号のデューティ比を制御する、電流フィードバック制御を行う装置において、目標電流が、増幅回路の出力電圧と負荷電流とが比例しない電流範囲に入った場合には(S120又はS130:NO)、負荷電流を目標電流にするためのデューティ比を、負荷電流の検出値に依らず、フィードバック制御実施時に記憶しておいた負荷電流とデューティ比との関係に基づいて設定するオープン制御を実施する(S150)。
【選択図】 図5

Description

本発明は、ソレノイドなどの誘導性負荷に流れる電流を目標値に制御する誘導性負荷制御装置に関するものである。
従来より、この種の誘導性負荷制御装置として、例えば自動車の変速機制御装置があり、その装置では、油圧経路に設けられた電磁弁のソレノイドに流す電流を制御してその電磁弁の開度を調整することにより、上記油圧経路の変速用油圧を制御している。
そして、この種の誘導性負荷制御装置は、誘導性負荷の通電経路に設けられ、駆動信号によりオン/オフされることにより誘導性負荷に電流を流すスイッチング素子(駆動用トランジスタ)と、誘導性負荷に流れる電流(以下、負荷電流という)を検出する電流検出手段とを備え、その電流検出手段により検出される負荷電流が、各種条件に基づいて設定される目標電流となるように、上記スイッチング素子の駆動信号のデューティ比を制御するようになっている。つまり、誘導性負荷に流れる電流をフィードバック制御している(例えば、特許文献1,2参照)。
また、この種の誘導性負荷制御装置において、電流検出手段としては、誘導性負荷の通電経路に直列に設けられた電流検出用抵抗と、その電流検出用抵抗の両端に生じる電圧を増幅して出力するオペアンプからなる増幅回路とを備えた構成が一般的である。つまり、増幅回路の出力電圧が負荷電流に比例していることを前提として、その増幅回路の出力電圧から実際の負荷電流を検出するのである。
特開平11−327602号公報 特公平7−116974号公報
ところで、上記の電流検出手段においては、図9(a)に示すように、負荷電流がある電流値ILよりも小さい小電流域と、ある電流値IH(>IL)よりも大きい大電流域とにおいて、増幅回路の出力電圧(詳しくは、増幅回路を成すオペアンプの出力電圧)Vampが負荷電流に比例しなくなる。
これは、主に増幅回路を成すオペアンプの特性によるものである。つまり、小電流域については、オペアンプの出力電圧Vampがグランド電位付近(例えば0.7V以下)になると、内部の出力トランジスタが電流を吸い込みにくくなって、出力電圧Vampがそれ以上は下がらなくなるからであり、大電流域については、オペアンプの入力電圧が、そのオペアンプの電源電圧に近づくと(例えば、1.5V以内になると)、オペアンプの入力端子に接続された入力用の内部トランジスタが飽和し、その結果、出力電圧Vampが低く目(頭打ち状態)になってしまうからである。
そして、この種の誘導性負荷制御装置において、仮に、増幅回路の出力電圧Vampと負荷電流とに比例関係が成立しなくなる上記小電流域と大電流域とにおいても電流のフィードバック制御を実施したとすると、負荷電流の検出精度が著しく悪化するため、図9(b)に示すように、小電流域では、実電流(実際の負荷電流)が目標電流よりも小さくなってしまい、大電流域では、実電流が目標電流よりも大きくなってしまう。
このため、従来の誘導性負荷制御装置では、増幅回路の出力電圧Vampと負荷電流とが比例する電流範囲だけを負荷電流の制御範囲とするように構成され、その結果、電流の制御可能範囲が狭くなっていた。尚、この改善策として、例えば、増幅回路のオペアンプとして、出力が入力に比例しなくなる入力の範囲が狭い高性能なオペアンプを使用することが考えられるが、そのようなオペアンプは概して高価であり、しかも、電流の制御可能範囲を十分に拡大することはできない。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、誘導性負荷に流れる電流を広範囲に精度良く制御可能で、しかも安価な誘導性負荷制御装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するためになされた請求項1の誘導性負荷制御装置では、駆動信号によりオン/オフされることで誘導性負荷に電流を流すスイッチング素子が、その誘導性負荷の通電経路に設けられており、電流検出手段が、その誘導性負荷に流れる電流(負荷電流)を検出する。
そして、目標電流設定手段が、負荷電流の制御目標値である目標電流を設定し、電流フィードバック制御手段が、電流検出手段により検出される負荷電流が目標電流設定手段により設定された目標電流となるように、スイッチング素子の駆動信号のデューティ比を制御する。
ここで特に、請求項1の誘導性負荷制御装置では、目標電流設定手段により設定された目標電流が、電流検出手段による負荷電流の検出精度が悪化する特定の電流範囲(以下、検出精度悪化電流範囲という)に入っているか否かを、判定手段が判定する。
そして、その判定手段により目標電流が前記検出精度悪化電流範囲に入っていると判定された場合には、オープン制御手段が、電流フィードバック制御手段に代わって作動して、負荷電流を目標電流にするための駆動信号のデューティ比を、電流検出手段の検出結果に依らず設定する。
つまり、請求項1の誘導性負荷制御装置では、目標電流が検出精度悪化電流範囲に入っている場合には、駆動信号のデューティ比を電流検出手段の検出結果に応じて設定するフィードバック制御を実施せずに、駆動信号のデューティ比を電流検出手段の検出結果に依らず設定するオープン制御を実施するようになっている。
このような誘導性負荷制御装置によれば、フィードバック制御では負荷電流が目標電流からずれてしまうこととなる検出精度悪化電流範囲についても、負荷電流を目標電流に近づけることができる。しかも、電流検出手段を構成する素子として、検出精度悪化電流範囲が狭くなるような高価な素子を使用する必要がなく、また、当該装置における回路構成を従来の構成から特に変える必要もない。よって、この誘導性負荷制御装置によれば、誘導性負荷に流れる電流を広範囲に精度良く制御可能で、しかもコスト増加を招くことなく安価に構成することができる。
ところで、電流検出手段は、一般に、誘導性負荷の通電経路に直列に設けられた電流検出用抵抗と、その電流検出用抵抗の両端に生じる電圧を増幅して出力するオペアンプからなる増幅回路とを有すると共に、その増幅回路の出力電圧から負荷電流の値を検出するように構成される。そして、この場合、判定手段が目標電流について判定する検出精度悪化電流範囲(特定の電流範囲)は、請求項2に記載のように、第1の電流値よりも小さい第1の電流範囲と、その第1の電流値よりも大きい第2の電流値よりも大きい第2の電流範囲との、両方又は一方とすることができる。
つまり、図9(a)を用いて述べたように、この種の電流検出用抵抗と増幅回路とを有した電流検出手段では、負荷電流がある電流値ILよりも小さい小電流域と、ある電流値IH(>IL)よりも大きい大電流域とにおいて、増幅回路の出力電圧が負荷電流に比例しなくなり、その増幅回路の出力電圧から負荷電流を正確に検出することができなくなるからであり、その小電流域と大電流域との両方又は一方を、判定手段が目標電流について判定する検出精度悪化電流範囲として設定すれば、負荷電流の制御範囲を従来装置よりも拡大することができるからである。
そして、このことから、検出精度悪化電流範囲となる上記第1の電流範囲と第2の電流範囲は、請求項3に記載のように、増幅回路の出力電圧と負荷電流とに比例関係が成立しなくなる電流範囲に設定するのが好ましいと言える。オープン制御を実施する電流範囲を最小限にすることができるからである。
次に、請求項4の誘導性負荷制御装置では、請求項1〜3の誘導性負荷制御装置において、電流フィードバック制御手段が作動している場合に、電流検出手段により検出された負荷電流の値と、その負荷電流値が検出された際の駆動信号のデューティ比の値とを、対応付けて記憶する電流対デューティ比関係記憶手段が備えられている。
そして、オープン制御手段は、負荷電流を目標電流にするための駆動信号のデューティ比を、電流対デューティ比関係記憶手段による記憶値(即ち、電流対デューティ比関係記憶手段により記憶された負荷電流の値とデューティ比の値)に基づいて設定するように構成されている。
このような誘導性負荷制御装置によれば、オープン制御を実施する際の制御精度を向上させることができる。
つまり、オープン制御手段が駆動信号のデューティ比を設定する手法としては、例えば、予め、検出精度悪化電流範囲における複数通りの負荷電流値と、その各負荷電流値をそれぞれ実現するための駆動信号のデューティ比とを、デューティ比設定用データマップとしてメモリに記憶しておき、オープン制御手段は、そのデューティ比設定用データマップに目標電流を当てはめることで、負荷電流を目標電流にするための駆動信号のデューティ比を設定する、といった手法が考えられる。但し、このような固定のデータマップを用いる手法では、誘導性負荷やスイッチング素子といった素子の実際の特性ばらつきをデューティ比に反映させることができない。
これに対して、請求項4の誘導性負荷制御装置によれば、フィードバック制御時(フィードバック制御手段が作動している時)に記憶した実際の負荷電流値とデューティ比との関係を使用して、オープン制御時(オープン制御手段が作動する時)のデューティ比(負荷電流を目標電流にするためのデューティ比)を設定することとなるため、誘導性負荷やスイッチング素子といった素子の実際の特性ばらつきをデューティ比に反映させることができ、オープン制御時における負荷電流の制御精度を向上させることができるのである。
次に、請求項5の誘導性負荷制御装置では、請求項4の誘導性負荷制御装置において、電流対デューティ比関係記憶手段は、電流検出手段により検出された負荷電流の値と、その負荷電流値が検出された際の駆動信号のデューティ比の値とを、対応付けて2組以上記憶するように構成されている。
このため、オープン制御手段は、負荷電流を目標電流にするための駆動信号のデューティ比を、電流対デューティ比関係記憶手段により記憶された2つ以上の負荷電流の値と、その各負荷電流値にそれぞれ対応する各デューティ比の値とに基づいて設定することができる。
例えば、オープン制御手段は、具体的には、電流対デューティ比関係記憶手段によって記憶された2組以上の負荷電流値とデューティ比から、負荷電流値とデューティ比との関係式を求め、その関係式に目標電流を代入することにより、目標電流に対応するデューティ比を算出して、その算出したデューティ比を、負荷電流を目標電流にするためのデューティ比として設定するように構成することができる。また、負荷電流とデューティ比との対応関係を示すデータマップを予め複数通り記憶しておき、オープン制御手段は、その複数通りのデータマップのうち、電流対デューティ比関係記憶手段によって記憶された2組以上の負荷電流値とデューティ比との対応関係に最も近い対応関係を示すデータマップを選択して、その選択したデータマップに目標電流を当てはめることにより、負荷電流を目標電流にするためのデューティ比を設定するように構成することもできる。
よって、このような請求項5の誘導性負荷制御装置によれば、オープン制御手段は、負荷電流を目標電流にするためのデューティ比を、より精度良く設定することができ、延いては、オープン制御時における負荷電流の制御精度を一層向上させることができる。
次に、請求項6の誘導性負荷制御装置では、請求項4,5の誘導性負荷制御装置において、電流対デューティ比関係記憶手段は、記憶値(即ち、電流検出手段により検出された負荷電流の値と、その負荷電流値が検出された際の駆動信号のデューティ比の値)を更新していくように構成されている。
このような請求項6の誘導性負荷制御装置によれば、オープン制御を実施する際(オープン制御手段が作動する際)には、フィードバック制御からオープン制御へ移行する直前に記憶された実際の負荷電流値とデューティ比との関係を使用して、負荷電流を目標電流にするためのデューティ比を設定することができるようになるため、オープン制御時における負荷電流の制御精度を更に向上させることができる。
例えば、誘導性負荷は通電により発熱して抵抗値が変化するため、負荷電流とデューティ比との関係は、それまでの通電状態(過去の通電電流及び通電時間)によって変わってくるが、請求項6の誘導性負荷制御装置によれば、フィードバック制御からオープン制御へ移行した場合に、出来るだけ最近の負荷電流値とデューティ比との関係を使用して、負荷電流を目標電流にするためのデューティ比を設定することができるため、それまでの通電状態をデューティ比の設定に反映させることができ、電流制御精度を向上させることができるのである。
次に、請求項7の誘導性負荷制御装置では、請求項4〜6の誘導性負荷制御装置において、オープン制御手段は、負荷電流を目標電流にするための駆動信号のデューティ比を、電流対デューティ比関係記憶手段による記憶値に基づいて算出するデューティ比算出手段を備えると共に、誘導性負荷に印加される電源電圧を検出して、前記デューティ比算出手段により算出されたデューティ比を、前記検出した電源電圧の値に応じて補正し、その補正後のデューティ比を、駆動信号の実際のデューティ比として設定するように構成されている。
このような誘導性負荷制御装置によれば、オープン制御時におけるデューティ比の設定に電源電圧を反映させることができ、オープン制御時における負荷電流の制御精度を向上させることができる。つまり、駆動信号のデューティ比が同じでも、電源電圧が変われば、実際の負荷電流に違いが生じるが、そのような電源電圧の変動による影響を抑制することができる。
次に、請求項8の誘導性負荷制御装置では、請求項1〜7の誘導性負荷制御装置において、オープン制御手段は、スイッチング素子へ出力する駆動信号のデューティ比を、前記設定したデューティ比へと徐々に近づけていくように構成されている。
このような誘導性負荷制御装置によれば、目標電流が変わってフィードバック制御からオープン制御へ移行した時や、オープン制御の実施中に目標電流が変わった時に、負荷電流が急変してしまうのを防止することができ、延いては、誘導性負荷によって作動される作動対象に状態の急変が現れてしまうことを防止することができる。
また、請求項9に示すように、目標値が所定の範囲にある場合には、オープン制御手段により制御されるようにすることが好ましい。
以下に、本発明が適用された実施形態の誘導性負荷制御装置について説明する。尚、本実施形態の誘導性負荷制御装置は、本発明を自動車の自動変速機制御装置に適用したものである。そして、この装置では、自動変速機の油圧経路に設けられた電磁弁のソレノイドFに流す電流を制御して、その電磁弁の開弁量を調整することにより、上記油圧経路における変速用油圧を自動車の運転状態に応じた目標油圧に制御する。
まず図1に示すように、本実施形態の誘導性負荷制御装置は、誘導性負荷としてのソレノイドFの通電制御を行うマイコン1と、電源電圧としてのバッテリ電圧VBとソレノイドFとの間の通電経路(つまり、ソレノイドFよりも上流側の通電経路)に直列に設けられたスイッチング素子としてのトランジスタTr1と、ソレノイドFと接地電位(グランドライン=0V)との間の通電経路(つまり、ソレノイドFよりも下流側の通電経路)に直列に設けられた電流検出用抵抗R1と、マイコン1からの駆動信号V1に応じてトランジスタTr1をオン/オフさせる駆動回路3と、電流検出用抵抗R1の両端に生じる電圧(電位差)を差動増幅して出力する増幅回路5と、増幅回路5の出力電圧Vampから高周波の信号成分を除去してマイコン1内のADコンバータ7に入力させる抵抗9及びコンデンサ11からなるフィルタ回路(積分回路)13と、トランジスタTr1がオフされた時にソレノイドFへ消弧電流(ソレノイドFに蓄えられたエネルギーを放出するフライバック電流)を流すための還流用ダイオードD1とを備えている。
また、増幅回路5は、電流検出用抵抗R1のソレノイドF側の電圧V2が抵抗15を介して非反転入力端子(+端子)に入力され、電流検出用抵抗R1の接地電位側の電圧(即ち、接地電位の電圧)V0が抵抗16を介して反転入力端子(−端子)に入力されるオペアンプ17と、一定電圧Vcc(例えば5V)とオペアンプ17の非反転入力端子との間に接続された抵抗18と、オペアンプ17の非反転入力端子と接地電位との間に接続された抵抗19と、一定電圧Vccとオペアンプ17の反転入力端子との間に接続された抵抗20と、オペアンプ17の反転入力端子と出力端子との間に接続された帰還用の抵抗21と、オペアンプ17の出力端子と接地電位との間に接続された抵抗22とから構成されている。そして、この増幅回路5では、電流検出用抵抗R1の両端に生じる電圧を増幅した電圧がオペアンプ17から出力され、そのオペアンプ17の出力電圧が当該増幅回路5の出力電圧Vampとなっている。
このような構成の誘導性負荷制御装置では、図2に示すように、マイコン1からの駆動信号V1がハイレベルの時に、トランジスタTr1がオンし、バッテリ電圧VBからトランジスタTr1を介してソレノイドFに電流Itが流れる。そして、駆動信号V1がローレベルになってトランジスタTr1がオフすると、ソレノイドFにはダイオードD1を介して消弧電流Idが流れる。よって、ソレノイドFに流れる電流(負荷電流)Ifの波形は、トランジスタTr1のオン時に流れる電流Itと、トランジスタTr1のオフ時に流れる消弧電流Idとをつなげた脈動波形となる。
また、その負荷電流Ifに比例した電圧が電流検出用抵抗R1の両端に生じることとなり、その両端の電圧(=V2−V0)を差動増幅した電圧Vampが、増幅回路5から出力されて、フィルタ回路13に入力される。尚、本実施形態では、電流検出用抵抗R1の下流側の電圧V0が接地電位であるため、増幅回路5の出力電圧Vampは、電流検出用抵抗R1の上流側の電圧V2を増幅した電圧となる。
そして、フィルタ回路13からは、増幅回路5の出力電圧Vampの脈動を抑制した電圧V3が出力されることとなり、その電圧V3がマイコン1内のADコンバータ7に負荷電流を表す電流信号として入力される。
そこで、マイコン1は、上記電流信号の電圧(即ち、フィルタ回路13の出力電圧)V3をADコンバータ7によりAD変換して検出すると共に、その検出した電圧値から負荷電流の値を算出し、更に、このように算出される負荷電流の値が、目標油圧に対応した目標電流となるように、トランジスタTr1の駆動信号V1のデューティ比(即ち、駆動信号の1周期におけるハイレベル時間の割合)を制御する。
尚、図2において、「Iave」は負荷電流の平均レベルを示しており、「Vave」は電圧V3の平均レベルを示している。
また、マイコン1が電流信号の電圧V3から負荷電流を算出する手順は、以下の通りである。
まず、当該誘導性負荷制御装置の製造時において、図3における斜めの実線に示すように、負荷電流(横軸のI)と電圧V3(縦軸のV)との実際の関係が測定されると共に、その測定結果から、電圧V3を負荷電流Ifに換算するための換算式(以下、負荷電流算出用計算式)が求められ、更に、その負荷電流算出用計算式がマイコン1内の不揮発性メモリ(図示省略)に記憶される。
具体的には、当該誘導性負荷制御装置の製造時において、ソレノイドFには、少なくとも2通りの電流(図3の例では0.5Aと2A)が流され、その各電流がソレノイドFに流された場合の各電圧V3(図3の例では0.7Vと4.5V)が測定される。そして、その各測定結果から、負荷電流算出用計算式が求められる。例えば、図3の例において、負荷電流算出用計算式は、下記の式1のようになる。
If=0.395×V3+0.224…式1
そして、マイコン1は、このようにして製造時に記憶された不揮発性メモリ内の負荷電流算出用計算式に、電圧V3の検出値(AD変換値)を代入することで負荷電流の値を算出する。尚、図3における一点鎖線は、増幅回路5のゲインが設計上のセンタ値で、且つ、増幅回路5のオフセットが0である場合(即ち、理想状態の場合)の特性を示している。
以上が誘導性負荷制御装置で実施される負荷電流のフィードバック制御の主な内容であるが、図9を用いて既述したように、負荷電流がある電流値ILよりも小さい小電流域と、ある電流値IH(>IL)よりも大きい大電流域との各々においては、増幅回路5の出力電圧(オペアンプ17の出力電圧)Vampが負荷電流に比例しなくなり、その増幅回路5の出力電圧Vampから負荷電流を正確に検出することができなくなる。よって、増幅回路5の出力電圧Vampと負荷電流とに比例関係が成立しなくなる電流域においても負荷電流のフィードバック制御を実施したとすると、実際の負荷電流が目標電流から大きくずれてしまう。
このため、本実施形態の誘導性負荷制御装置では、目標電流が、増幅回路5の出力電圧Vampと負荷電流とに比例関係が成立しなくなる電流範囲に入っている場合には、フィードバック制御を実施せずに、トランジスタTr1の駆動信号のデューティ比を、負荷電流の検出結果に依らずに設定するオープン制御を実施するようになっている。
尚、本実施形態において、負荷電流をフィードバック制御する電流範囲は、図4(a)に示すように、第1の電流値Iaから第2の電流値Ibまでの電流範囲Rであり、負荷電流をオープン制御する電流範囲は、第1の電流値Iaよりも小さい第1の電流範囲と、第2の電流値Ibよりも大きい第2の電流範囲との、両方である。また、上記第1の電流値Iaは、増幅回路5の出力電圧Vampと負荷電流とに比例関係が成立すると設計上考えられる負荷電流の下限値であり、上記第2の電流値Ibは、増幅回路5の出力電圧Vampと負荷電流とに比例関係が成立すると設計上考えられる負荷電流の上限値である。そして、以下の説明では、上記第1の電流値Iaのことを、フィードバック制御可能下限電流値と言い、上記第2の電流値Ibのことを、フィードバック制御可能上限電流値と言う。また、本実施形態では、上記第1の電流範囲と第2の電流範囲との両方が、検出精度悪化電流範囲に相当している。
そこで次に、マイコン1が負荷電流を目標電流に制御するために実行する処理について、図5〜図7のフローチャートを用い詳細に説明する。
まず図5は、図示しない目標油圧設定処理によって目標油圧が変更される毎に実行されるメイン処理を表すフローチャートである。尚、目標油圧設定処理では、予め設定された自動変速機の変速パターンや、車速センサ及びアクセル開度センサなどの各種センサからの信号に基づき検出される自動車の運転状態に応じて、目標油圧を設定するようになっている。
そして、マイコン1が図5のメイン処理を開始すると、まずS110にて、油圧とソレノイドFの負荷電流との対応関係を示すデータマップ(油圧と電流の対応データマップ)から、目標油圧に対応する電流を算出し、その算出した電流をソレノイドFに流すべき目標電流として設定する。尚、このS110で参照する油圧と電流の対応データマップは、マイコン1内の不揮発性メモリに予め格納されている。
次にS120にて、上記S110で設定した目標電流がフィードバック制御可能上限電流値(第2の電流値)Ib以下であるか否かを判定し、「目標電流≦Ib」であると判定した場合には、S130に進み、上記S110で設定した目標電流がフィードバック制御可能下限電流値(第1の電流値)Ia以上であるか否かを判定する。
そして、このS130にて「目標電流≧Ia」であると判定した場合(即ち、目標電流がIaからIbまでの電流範囲R内である場合)には、次のS140にて、図6に示すフィードバック制御処理を実行する。
また、上記S120にて「目標電流≦Ib」ではないと判定した場合(即ち、目標電流がIbよりも大きい場合)、或いは、上記S130にて「目標電流≧Ia」ではないと判定した場合(即ち、目標電流がIaよりも小さい場合)には、S150に移行して、図7に示すオープン制御処理を実行する。
次に、マイコン1が上記S140でフィードバック制御処理を開始すると、図6に示すように、まずS210にて、ADコンバータ7にフィルタ回路13からの電流信号をAD変換させ、その電流信号のAD変換値(以下、電流信号AD値という)をADコンバータ7から読み込む。
そして、次のS220にて、上記S210で読み込んだ電流信号AD値を前述した負荷電流算出用計算式に代入して、実際の負荷電流の値(以下、実電流値という)を算出する。尚、このS220では、上記S210で今回読み込んだ電流信号AD値に代えて、複数回分の電流信号AD値を平均化した値や複数回分の電流信号AD値に対して所謂なまし処理を実施した値を用いて、実電流値を算出するようにしても良い。
次にS230にて、上記S220で算出した実電流値が現在の目標電流値と一致しているか否かを判定し、実電流値が目標電流値と一致していると判定した場合には、続くS240にて、駆動回路3へ出力する駆動信号V1のデューティ比(以下、出力デューティ比という)を、現在の出力デューティ比(以下、現出力デューティ比という)と同じ値に設定する。つまり、この場合には、新たな出力デューティ比(新出力デューティ比)を、それまでの値と同じ値に設定することとなり、結局、出力デューティ比を変えないこととなる。
尚、マイコン1には、周知のPWM信号出力機能が備えられており、その機能に該当するPWM信号出力用ポートから駆動信号V1が出力される。つまり、マイコン1では、周期設定用レジスタに周期Tsをセットすると共に、オン時間設定用レジスタにハイレベル時間Tonをセットすると、周期Ts毎にハイレベル時間Tonだけハイレベルとなる信号が、PWM信号出力用ポートから出力されることとなり、本実施形態では、そのPWM信号出力用ポートからの信号が、駆動信号V1として駆動回路3へ出力されるようになっている。そして、出力デューティ比を設定するということは、上記各レジスタに周期Tsとハイレベル時間Tonとをそれぞれセットするということであり、「Ton/Ts」が出力デューティ比である。また、本実施形態において、周期設定用レジスタにセットされる周期Tsは一定である。そして、オン時間設定用レジスタへのハイレベル時間Tonのセット(即ち更新)は、駆動信号V1がローからハイになるタイミングで、図示しない割り込み処理により行われる。
次にS250にて、上記S230で目標電流値と一致していると判定した実電流値と、その実電流値の際の出力デューティ比とを、図4(b)の如く対応付けて最新のものからN組(Nは2以上の整数)記憶した「電流と出力デューティ比の対応テーブル」を更新する。つまり、上記S220で今回算出した現在の実電流値と現在の出力デューティ比とを、「電流と出力デューティ比の対応テーブル」に、最も古いデータに代えて記憶する。尚、この「電流と出力デューティ比の対応テーブル」は、マイコン1に備えられたRAMなどのメモリにおける特定の記憶領域に設けられている。
次にS260にて、前述の目標油圧設定処理によって目標油圧が変更されたか否かを判定し、目標油圧が変更されていなければS210へ戻るが、目標油圧が変更されたと判定した場合には、当該フィードバック制御処理を抜ける。すると、図5のメイン処理が再びS110から実行されることとなる。
一方、上記S230にて、実電流値が目標電流値と一致していないと判定した場合には、S270に移行して、実電流値が目標電流値よりも小さいか否かを判定する。
そして、実電流値が目標電流値よりも小さいと判定した場合には、S280に進んで、負荷電流を増やすために、出力デューティ比を、現出力デューティ比よりも一定単位量(具体的には、出力デューティ比を変化させることが可能な最小分解能)だけ大きい値に設定し、その後、上記S260へ進む。
また、上記S270にて、実電流値が目標電流値よりも小さくない(即ち、目標電流値よりも大きい)と判定した場合には、S290に移行して、負荷電流を減らすために、出力デューティ比を、現出力デューティ比よりも一定単位量だけ小さい値に設定し、その後、上記S260へ進む。
一方、マイコン1が上記S150でオープン制御処理を開始すると、図7に示すように、まずS310にて、フィードバック制御処理(図6)のS250で常時更新されていた「電流と出力デューティ比の対応テーブル」に基づいて、負荷電流を目標電流にするための出力デューティ比の仮の値(以下、仮出力デューティ比という)を算出する。
具体的には、「電流と出力デューティ比の対応テーブル」に記憶されているN組のデータ(実電流値と出力デューティ比)から、線形補間演算により、現在の目標電流に対応する出力デューティ比を算出し、その算出した値を仮出力デューティ比とする。また例えば、「電流と出力デューティ比の対応テーブル」に記憶されている最新の2組のデータだけを用いるようにしても良い。つまり、その2組のデータを結んだ直線上(詳しくは、図4(b)の如く横軸と縦軸を電流と出力デューティ比にしたグラフを想定した場合に、最新の2組のデータを結んだ直線の延長線上であり、図4(b)において点線の斜め線で例示されている部分)にて、現在の目標電流に対応する出力デューティ比を、仮出力デューティ比として算出するようにしても良い。
次にS320にて、バッテリ電圧VBを検出すると共に、上記S310で算出した仮出力デューティ比を、バッテリ電圧VBに応じて、その電圧値が大きいほど小さくなるように(逆に、電圧値が小さいほど大きくなるように)補正し、その補正した仮出力デューティ比を、実際の出力デューティ比の目標値(以下、目標デューティ比という)とする。
そして、続くS330にて、現出力デューティ比が上記S320で算出した目標デューティ比と一致しているか否かを判定し、一致していると判定した場合には、続くS340にて、出力デューティ比を現出力デューティ比と同じ値に設定し、その後、S380へ移行する。つまり、この場合には、新たな出力デューティ比(新出力デューティ比)を、それまでの値と同じ値に設定することとなり、結局、出力デューティ比を変えないこととなる。
また、上記S330にて、現出力デューティ比が目標デューティ比と一致していないと判定した場合には、S350に移行して、現出力デューティ比が目標デューティ比よりも小さいか否かを判定する。
そして、現出力デューティ比が目標デューティ比よりも小さいと判定した場合には、S360に進んで、出力デューティ比を、現出力デューティ比よりも前述の一定単位量だけ大きい値に設定し、その後、上記S380へ移行する。
また、上記S350にて、現出力デューティ比が目標デューティ比よりも小さくない(即ち、目標デューティ比よりも大きい)と判定した場合には、S370に移行して、出力デューティ比を、現出力デューティ比よりも上記一定単位量だけ小さい値に設定し、その後、S380へ進む。
そして、S380では、前述の目標油圧設定処理によって目標油圧が変更されたか否かを判定し、目標油圧が変更されていなければS330へ戻る。つまり、S330〜S370の処理では、実際に出力する駆動信号V1のデューティ比を、目標電流に応じて設定した目標デューティ比へと徐々に近づけていくようにしている。
また、上記S380にて、目標油圧が変更されたと判定した場合には、当該オープン制御処理を抜ける。すると、図5のメイン処理が再びS110から実行されることとなる。
尚、本実施形態では、図5におけるS110の処理が目標電流設定手段に相当し、電流検出用抵抗R1と増幅回路5とフィルタ回路13と図6におけるS210及びS220の処理とが電流検出手段に相当し、図6のS230,S240,S260〜S290の処理が電流フィードバック制御手段に相当し、図5におけるS120及びS130の処理が判定手段に相当している。そして、図7の処理がオープン制御手段に相当し、その図7中のS310の処理がデューティ比算出手段に相当している。また、図6におけるS250の処理と「電流と出力デューティ比の対応テーブル」とが電流対デューティ比関係記憶手段に相当している。
以上のように本実施形態の誘導性負荷制御装置では、目標電流が、増幅回路5の出力電圧Vampと負荷電流とに比例関係が成立する電流範囲Rに入っている場合には(S120及びS130:YES)、負荷電流のフィードバック制御を実施するが(S140)、目標電流が電流範囲R内ではなく、増幅回路5の出力電圧Vampと負荷電流とに比例関係が成立しなくなる小電流側の第1の電流範囲と、大電流側の第2の電流範囲との、何れかに入っている場合には(S120又はS130:NO)、負荷電流を目標電流にするための出力デューティ比を電流信号に依らずに設定するオープン制御を実施するようになっている(S150)。
このため、フィードバック制御では負荷電流が目標電流からずれてしまうこととなる第1の電流範囲と第2の電流範囲についても、負荷電流を目標電流に近づけることができる。しかも、電流検出回路の一部を成す増幅回路5を構成する素子(主にオペアンプ17)として、その増幅回路5の出力電圧Vampと負荷電流とに比例関係が成立しなくなる電流範囲が狭くなるような高価な素子を使用する必要がなく、また、当該装置における回路構成を従来の構成から変える必要もない。
特に、本実施形態では、フィードバック制御を実施している場合に、実電流値が目標電流値に一致したと判定すると(S230:YES)、その都度、「電流と出力デューティ比の対応テーブル」を更新し(S250)、オープン制御では、その「電流と出力デューティ比の対応テーブル」に基づいて、負荷電流を目標電流にするための出力デューティ比を設定するようにしている(S310,S320)。
このため、オープン制御時の電流制御精度を向上させることができる。
つまり、フィードバック制御時に記憶した実電流値と出力デューティ比との関係を使用して、オープン制御時の出力デューティ比を設定することとなるため、ソレノイドFやトランジスタTr1といった素子の実際の特性ばらつきを、デューティ比に反映させることができるからである。しかも、本実施形態では、フィードバック制御時に「電流と出力デューティ比の対応テーブル」を常に更新することとなるため、フィードバック制御からオープン制御へ移行した場合に、出来るだけ最近の実電流値と出力デューティ比との関係を使用して、負荷電流を目標電流にするための出力デューティ比を設定することができる。よって、それまでのソレノイドFの通電状態をデューティ比の設定に反映させることができ、電流制御精度を一層向上させることができる。
更に、本実施形態においてオープン制御時には、「電流と出力デューティ比の対応テーブル」に基づいて算出した出力デューティ比(仮出力デューティ比)を、バッテリ電圧VBに応じて補正して、最終的な出力デューティ比(上記実施形態では、目標デューティ比)を設定するようにしているため、オープン制御時における負荷電流の制御精度をより一層向上させることができる。
つまり、出力デューティ比が同じでも、電源電圧としてのバッテリ電圧VBが変われば、実際の負荷電流に違いが生じるが、そのようなバッテリ電圧VBの変動による影響を抑制することができるからである。また、フィードバック制御からオープン制御へ移行した際に、負荷電流が目標電流の変更幅以上に変動してしまうことを防ぐ効果も期待できる。
そして更に、本実施形態において、オープン制御処理(図7)では、S330〜S370の処理により、実際に出力する駆動信号V1のデューティ比を、目標電流に応じて設定した目標デューティ比へと徐々に近づけていくようにしている。
このため、目標電流が変わってフィードバック制御からオープン制御へ移行した時や、オープン制御の実施中に目標電流が変わった時に、負荷電流が急変してしまうのを防止することができ、延いては、変速用油圧の急変による変速ショックの発生を防ぐことができる。
ところで、例えば、本実施形態のようにオープン制御を実施するのではなく、目標電流がある電流値よりも小さい電流範囲に入っている場合の制御精度を向上させるために、増幅回路5のゲインを大きく設定するか、或いは増幅回路5の出力に正のオフセットを持たせる手法が考えられるが、この手法では、電流が大きい側の制御範囲が狭くなってしまう。
また、例えば、本実施形態のようにオープン制御を実施するのではなく、目標電流がある電流値よりも大きい電流範囲に入っている場合の制御精度を向上させるために、増幅回路5のゲインを小さく設定する手法が考えられるが、この手法では、電流が小さい側の制御精度を更に悪化させてしまう上に、制御分解能も悪化してしまう。つまり、増幅回路5のゲインは、通常、制御分解能を小さくするために(負荷電流を細かく制御できるように)、可能な限り大きい値に設定したいのであるが、それに反してしまい、ゲインを小さく設定することによるデメリットの方が大きくなってしまう。
また更に、例えば、上記2つの手法のメリットをねらって、増幅回路5のゲインを目標電流に応じて切り替える手法も考えられるが、回路構成の複雑化とコスト増加を招く上に、ゲインを小さくした場合の制御分解能の悪化は防止できない。
これに対して、本実施形態の誘導性負荷制御装置によれば、ソレノイドFに流れる電流を広範囲に精度良く制御可能であり、しかもコスト増加を招くことなく安価に構成することができるのである。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、上記実施形態では、電流検出用抵抗R1がソレノイドFよりも下流側に設けられていたが、本発明は、図8に示すように、電流検出用抵抗R1がソレノイドFよりも上流側に設けられた誘導性負荷制御装置についても同様に適用することができる。尚、図8の構成では、電流検出用抵抗R1に発生する電圧が、トランジスタTr1のオン中とオフ中とで大きく異なることとなるが、増幅回路5の出力電圧Vamp自体は、図1の装置構成の場合と同様となる。
一方、上記実施形態において、負荷電流のオープン制御は、目標電流が第1の電流範囲と第2の電流範囲との何れか一方に入った場合にのみ実施するように構成しても良い。
また、上記実施形態では、目標電流値がフィードバック制御が良好に行える電流範囲Rに目標値が入るかどうかにより、制御を分けるようにしているが、他の要因により制御を分けるようにしても良い。すなわち、様々な要因により、所定の電流範囲を設定し、制御を分けるようにしても良い。
実施形態の誘導性負荷制御装置を表す構成図である。 図1の誘導性負荷制御装置の動作を表すタイムチャートである。 マイコンへ入力される電圧から負荷電流を算出する手順を説明するための説明図である。 負荷電流をフィードバック制御する電流範囲とオープン制御する電流範囲、及び「電流と出力デューティ比の対応テーブル」を説明する説明図である。 メイン処理を表すフローチャートである。 フィードバック制御処理を表すフローチャートである。 オープン制御処理を表すフローチャートである。 変形例の誘導性負荷制御装置を表す構成図である。 従来技術の問題を説明する説明図である。
符号の説明
1…マイコン、3…駆動回路、5…増幅回路、7…ADコンバータ、9,15,16,18〜22…抵抗、11…コンデンサ、13…フィルタ回路、17…オペアンプ、D1…ダイオード、F…ソレノイド(誘導性負荷)、R1…電流検出用抵抗、Tr1…トランジスタ

Claims (9)

  1. 誘導性負荷の通電経路に設けられ、駆動信号によりオン/オフされることで前記誘導性負荷に電流を流すスイッチング素子と、
    前記誘導性負荷に流れる電流(以下、負荷電流という)を検出する電流検出手段と、
    前記負荷電流の制御目標値である目標電流を設定する目標電流設定手段と、
    前記電流検出手段により検出される負荷電流が前記目標電流設定手段により設定された目標電流となるように、前記スイッチング素子の駆動信号のデューティ比を制御する電流フィードバック制御手段と、
    を備えた誘導性負荷制御装置において、
    前記目標電流設定手段により設定された目標電流が、前記電流検出手段による負荷電流の検出精度が悪化する特定の電流範囲に入っているか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記目標電流が前記特定の電流範囲に入っていると判定された場合に、前記電流フィードバック制御手段に代わって作動し、前記負荷電流を前記目標電流にするための前記駆動信号のデューティ比を、前記電流検出手段の検出結果に依らず設定するオープン制御手段と、
    を備えていることを特徴とする誘導性負荷制御装置。
  2. 請求項1に記載の誘導性負荷制御装置において、
    前記電流検出手段は、
    前記通電経路に直列に設けられた電流検出用抵抗と、その電流検出用抵抗の両端に生じる電圧を増幅して出力するオペアンプからなる増幅回路とを有すると共に、前記増幅回路の出力電圧から前記負荷電流の値を検出するように構成されており、
    前記特定の電流範囲は、
    第1の電流値よりも小さい第1の電流範囲と、前記第1の電流値よりも大きい第2の電流値よりも大きい第2の電流範囲との、両方又は一方であること、
    を特徴とする誘導性負荷制御装置。
  3. 請求項2に記載の誘導性負荷制御装置において、
    前記第1の電流範囲と前記第2の電流範囲は、前記増幅回路の出力電圧と前記負荷電流とに比例関係が成立しなくなる電流範囲であること、
    を特徴とする誘導性負荷制御装置。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の誘導性負荷制御装置において、
    前記電流フィードバック制御手段が作動している場合に、前記電流検出手段により検出された負荷電流の値と、その負荷電流値が検出された際の前記駆動信号のデューティ比の値とを、対応付けて記憶する電流対デューティ比関係記憶手段を備え、
    前記オープン制御手段は、
    前記負荷電流を前記目標電流にするための前記駆動信号のデューティ比を、前記電流対デューティ比関係記憶手段による記憶値に基づいて設定すること、
    を特徴とする誘導性負荷制御装置。
  5. 請求項4に記載の誘導性負荷制御装置において、
    前記電流対デューティ比関係記憶手段は、
    前記電流検出手段により検出された負荷電流の値と、その負荷電流値が検出された際の前記駆動信号のデューティ比の値とを、対応付けて2組以上記憶するように構成されていること、
    を特徴とする誘導性負荷制御装置。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の誘導性負荷制御装置において、
    前記電流対デューティ比関係記憶手段は、記憶値を更新していくように構成されていること、
    を特徴とする誘導性負荷制御装置。
  7. 請求項4ないし請求項6の何れか1項に記載の誘導性負荷制御装置において、
    前記オープン制御手段は、
    前記負荷電流を前記目標電流にするための前記駆動信号のデューティ比を、前記電流対デューティ比関係記憶手段による記憶値に基づいて算出するデューティ比算出手段を備えると共に、前記誘導性負荷に印加される電源電圧を検出して、前記デューティ比算出手段により算出されたデューティ比を、前記検出した電源電圧の値に応じて補正し、その補正後のデューティ比を、前記駆動信号の実際のデューティ比として設定すること、
    を特徴とする誘導性負荷制御装置。
  8. 請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載の誘導性負荷制御装置において、
    前記オープン制御手段は、
    前記スイッチング素子へ出力する駆動信号のデューティ比を、前記設定したデューティ比へと徐々に近づけていくように構成されていること、
    を特徴とする誘導性負荷制御装置。
  9. 誘導性負荷の通電経路に設けられ、駆動信号によりオン/オフされることで前記誘導性負荷に電流を流すスイッチング素子と、
    前記誘導性負荷に流れる電流(以下、負荷電流という)を検出する電流検出手段と、
    前記負荷電流の制御目標値である目標電流を設定する目標電流設定手段と、
    前記電流検出手段により検出される負荷電流が前記目標電流設定手段により設定された目標電流となるように、前記スイッチング素子の駆動信号のデューティ比を制御する電流フィードバック制御手段と、
    を備えた誘導性負荷制御装置において、
    前記目標電流設定手段により設定された目標電流が、所定の電流範囲に入っているか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記目標電流が前記所定の電流範囲に入っていると判定された場合に、前記電流フィードバック制御手段に代わって作動し、前記負荷電流を前記目標電流にするための前記駆動信号のデューティ比を、前記電流検出手段の検出結果に依らず設定するオープン制御手段と、
    を備えていることを特徴とする誘導性負荷制御装置。
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