JP2010170434A - ソレノイドの電流制御装置とソレノイドの電流制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】常時電流が流れているソレノイドについてもオフセットを検出できるソレノイドの電流制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ソレノイドを流れる電流値を検知してソレノイドの電流制御回路にフィードバックする第一の電流モニタ回路と、第一の電流モニタ回路と並列に設けられ、ソレノイドを流れる電流値を検知してソレノイドの電流制御回路にフィードバックする第二の電流モニタ回路とを備え、第一の電流モニタ回路がソレノイドを流れる電流値を検知する場合に、第二の電流モニタ回路がオフセットのキャリブレーションをし、第二の電流モニタ回路がソレノイドを流れる電流値を検知する場合に、第一の電流モニタ回路がオフセットのキャリブレーションをするソレノイドの電流制御装置とする。
【選択図】図1
【解決手段】ソレノイドを流れる電流値を検知してソレノイドの電流制御回路にフィードバックする第一の電流モニタ回路と、第一の電流モニタ回路と並列に設けられ、ソレノイドを流れる電流値を検知してソレノイドの電流制御回路にフィードバックする第二の電流モニタ回路とを備え、第一の電流モニタ回路がソレノイドを流れる電流値を検知する場合に、第二の電流モニタ回路がオフセットのキャリブレーションをし、第二の電流モニタ回路がソレノイドを流れる電流値を検知する場合に、第一の電流モニタ回路がオフセットのキャリブレーションをするソレノイドの電流制御装置とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、オフセットを補正するソレノイドの電流制御装置とソレノイドの電流制御方法とに関する。
リニアソレノイド等の誘導性負荷に流れる電流をフィードバック制御する技術は、種々のものが知られている。例えば下記特許文献1には、新たな回路を追加せずに誘導性負荷の電流制御精度を向上させる技術が提案されている。特許文献1によれば、PWM信号のデューティー比がゼロ%である場合に、オフセットを検出して補正することとなる。
また、下記特許文献2には、コイルを有する電流駆動源を高精度に駆動制御する半導体集積回路が提案されている。特許文献2によれば、コイルに電流が流れないようにした状態において、電流検出回路のオフセットを検出し、検出したオフセット相当分を補正することとなる。
上述したいずれの方法を用いてもソレノイドに電流が流れていない場合にのみ、例えばデューティー比がゼロ%の場合にのみ、電流検出回路のオフセットを検出することが可能である。従来、電源オンとなった後、常時電流が流れているソレノイドについては、オフセットを検出して補正することができなかった。
例えば、ソレノイドの電流制御中に電流指示値と現実の検出電流値との偏差を利用してフィードバック制御をするソレノイドの電流制御装置において、オフセットキャンセルの為に電流検出回路の入力端子をショートしたと仮定する。電流検出回路の入力端子をショートすれば、ソレノイドを流れる現実の電流値がゼロであると検出されることになり、電流制御装置の電流指示値と現実の検出電流値との偏差が増大する。
このため、電流制御装置は、現実の検出電流値を電流指示値に近づけるように、PWMデューティを大きくして電流を過剰に増大する処理をすることになる。このような状態においては、ソレノイドの正確な通電制御を期待することはできない。
この発明は上述の問題点に鑑み為されたものであり、常時電流が流れているソレノイドについても、オフセットを検出して補正することができるソレノイドの電流制御装置等を提供することを目的とする。
この発明にかかるソレノイドの電流制御装置は、ソレノイドを流れる電流値を検知してソレノイドの電流制御回路にフィードバックする第一の電流モニタ回路と、第一の電流モニタ回路と並列に設けられ、ソレノイドを流れる電流値を検知してソレノイドの電流制御回路にフィードバックする第二の電流モニタ回路とを備え、第一の電流モニタ回路がソレノイドを流れる電流値を検知する場合に、第二の電流モニタ回路がオフセットのキャリブレーションをし、第二の電流モニタ回路がソレノイドを流れる電流値を検知する場合に、第一の電流モニタ回路がオフセットのキャリブレーションをすることを特徴とする。
また、この発明にかかるソレノイドの電流制御装置は、好ましくはソレノイドが、車両に搭載される液圧ブレーキユニットの液圧制御弁であってもよい。
また、この発明にかかるソレノイドの電流制御方法は、ソレノイドを流れる電流値を検知してソレノイドの電流制御回路にフィードバックする第一の電流モニタ回路と、第一の電流モニタ回路と並列に設けられ、ソレノイドを流れる電流値を検知してソレノイドの電流制御回路にフィードバックする第二の電流モニタ回路と、を備えるソレノイドの電流制御装置であって、第一の電流モニタ回路がソレノイドを流れる電流値を検知する場合に、第二の電流モニタ回路がオフセットのキャリブレーションをする工程と、第二の電流モニタ回路がソレノイドを流れる電流値を検知する場合に、第一の電流モニタ回路がオフセットのキャリブレーションをする工程とを有することを特徴とする。
また、この発明にかかるソレノイドの電流制御方法は、好ましくはソレノイドが、車両に搭載される液圧ブレーキユニットの液圧制御弁であってもよい。
この発明により、常時電流が流れているソレノイドについても、オフセットを検出できるソレノイドの電流制御装置等を提供できる。
実施形態で説明するソレノイドの電流制御装置は、リニアソレノイドをフィードバックによりPWM制御する電流制御装置であって、ソレノイドの電流を検出する電流検出回路を二つ備える。また、二つの電流検出回路は、交互に切替えてソレノイドの電流を検出可能なように、並列に接続されている。
そして、二つの電流検出回路のうちの一方の電流検出回路がオフセット量を検出している間に、他方の電流検出回路がソレノイドのフィードバック制御をする。これにより、ソレノイドに電流を流して電流制御中であったとしても、電流検出回路のオフセットのキャリブレーションをする事が可能なソレノイドの電流制御装置とできる。
図1は、実施形態にかかるソレノイドの電流制御装置1000を説明する構成概念図である。ソレノイドの電流制御装置1000は、ソレノイド1850の電流を制御する制御回路1200と、制御回路1200の指示に基づいてPWM制御信号を生成するPWM信号生成部1300とを備える。また、ソレノイドの電流制御装置1000は、PWM信号生成部1300が生成したPWM制御信号に基づいて所望のパルスを生成する第一スイッチ1800と、電源1400とを備える。第一スイッチ1800は、例えばMOSFETを用いてもよい。また、以下の説明において電源1400は、所望の+Vccであるものとする。
また、ソレノイドの電流制御装置1000は、第一スイッチ1800がオフの時にグランドからソレノイド1850に電流を還流させる還流ダイオード1950を備える。また、ソレノイドの電流制御装置1000は、電流値を電圧として検出する為の第二スイッチ1900を備える。第二スイッチ1900は、ソレノイド1850の電流を検出する場合には、常にオンとされる。
また、ソレノイド1850には第一電流モニタ回路1700と第二電流モニタ回路1600とが並列に接続される。また、ソレノイドの電流制御装置1000は、第一電流モニタ回路1700と第二電流モニタ回路1600とのいずれか一方でソレノイド1850の電流値を検出可能なように、第一電流モニタ回路1700と第二電流モニタ回路1600とを接続切替えする為のスイッチ群1650を備える。図1においては、スイッチ群1650が、SW1,SW2,SW3,SW4から構成される例を示すものとする。
また、ソレノイドの電流制御装置1000は、第一電流モニタ回路1700または第二電流モニタ回路1600で検出されたオフセット量を補正する補正回路1500を備える。第一電流モニタ回路1700と第二電流モニタ回路1600とで電圧値として検出されたソレノイド1850の電流値は、制御回路1200にフィードバックされる。
すなわちソレノイドの電流制御装置1000は、不図示の液圧ブレーキユニットを制御するブレーキECU1100が備えるCPU1150からの指示値(目標値とも称する)に基づいて、ソレノイド1850の電流をフィードバック制御する。
ソレノイド1850は、典型的には不図示の液圧ブレーキユニットの液圧制御に用いられる電磁制御弁である。電磁制御弁は、非通電状態で閉弁状態となり通電量に対応して開弁される常閉型電磁制御弁と、非通電状態で開弁状態となり通電量の増大に対応して次第に閉弁される常開型電磁制御弁等が知られている。
CPU1150からの指示値は、例えば目標とする制御電圧値で付与されてもよい。また、CPU1150からの指示値は、制御回路1200に入力される。制御回路1200には、切替えにより第一電流モニタ回路1700または第二電流モニタ回路1600いずれかからのフィードバックがディジタル電圧値で入力される。
これにより、制御回路1200は、目標とする制御電圧値と、フィードバックされた検出電圧値と、の偏差がゼロとなるように例えばPI制御等の制御演算処理をする。この場合に、制御回路1200は、例えば比例成分と積分成分とを勘案した制御演算処理をしてもよい。
PWM信号生成部1300は、制御回路1200からの指示に基づいて、デューティー比を適宜変更したPWM制御信号を第一スイッチ1800に付与する。また、第一電流モニタ回路1700と第二電流モニタ回路1600とは、各々電流を検出する為の不図示のアンプやA/Dコンバータを有している。
第一電流モニタ回路1700と第二電流モニタ回路1600とが備える不図示のアンプやA/Dコンバータは、各素子ごとの製造ばらつきがゲイン倍等されて出力されたり、各素子ごとに温度特性が微妙に異なる。このため、ソレノイドの電流制御装置1000は、定期的に第一電流モニタ回路1700と第二電流モニタ回路1600とのオフセット量を各々検出し、各々オフセットキャンセルすることが好ましい。
ソレノイドの電流制御装置1000は、第一電流モニタ回路1700及び第二電流モニタ回路1600と、補正回路1500と、制御回路1200と、の間に設けられたスイッチ群1650の切替え制御により、交互にオフセットを検出して補正する。これにより、典型的にはECBブレーキのブレーキ制御に与える影響を低減させて、より高精度な電流検出が可能になる。なお、スイッチ群1650の切替えは、制御回路1200が制御することとしてもよい。
次に、スイッチ群1650の切替え制御シーケンスとソレノイドの電流制御装置1000の動作とについて説明する。図2は、スイッチ群1650の切替えタイミングチャートを例示する模式図である。
図2において、期間T1では、制御回路1200がSW1とSW3とをオンとし、SW2とSW4とをオフとする。期間T1では、第二電流モニタ回路1600は、ソレノイド1850の電流検出とそのフィードバックとをしない。そして、第二電流モニタ回路1600は、期間T1において、例えば入出力端子を短絡する等によりオフセット量を検出し、補正回路1500により検出したオフセット量がキャンセルされるように補正(キャリブレーションとも称する)をする。一方、第一電流モニタ回路1700は、期間T1において、ソレノイド1850の電流検出をすると共に、検出した電流値を制御回路1200へとフィードバック処理をする。
また、期間T2では、制御回路1200がSW1とSW3とをオフとし、SW2とSW4とをオンとする。期間T2では、第一電流モニタ回路1700は、ソレノイド1850の電流検出とそのフィードバックとをしない。そして、第一電流モニタ回路1700は、期間T2において、例えば入出力端子を短絡する等によりオフセット量を検出し、補正回路1500により検出したオフセット量がキャンセルされるように補正(キャリブレーションとも称する)をする。一方、第二電流モニタ回路1600は、期間T2において、ソレノイド1850の電流検出をすると共に、検出した電流値を制御回路1200へとフィードバック処理をする。
ソレノイドの電流制御装置1000は、期間T1と期間T2とを交互に繰り返すスイッチ制御動作をする。すなわち、ソレノイドの電流制御装置1000は、図2の期間T3においては期間T1と同じスイッチ制御をし、図2の期間T4においては期間T2と同じスイッチ制御をする。
換言すれば、SW1がオンでSW2がオフの場合には、第一電流モニタ回路1700が、ソレノイド1850の電流を第二スイッチ1900で電圧変換して検出する。また、第一電流モニタ回路1700は、検出したソレノイド1850の電流を制御回路1200へとフィードバックする。制御回路1200は、CPU1150からの指示値と、第一電流モニタ回路1700からフィードバックされた検出値と、の偏差を演算処理して、PWM信号生成部1300にPWM制御信号を生成させる。PWM信号生成部1300は、生成したPWM制御信号により第一スイッチ1800を駆動する。これにより、ソレノイド1850を流れる電流は、所望の電流値に制御される。
また、上述と同じタイミングにおいて、SW3がオンでSW4がオフの場合には、第二電流モニタ回路1600は、ソレノイド1850の電流検出とそのフィードバックとをしない。第二電流モニタ回路1600は、例えば入出力端子を短絡する等によりオフセット量を検出し、補正回路1500により検出したオフセット量がキャンセルされるように補正(キャリブレーションとも称する)をする。
この処理により、ソレノイドの電流制御装置1000は、ソレノイド1850の電流駆動状態下において常に電流モニタ値をオフセット補正する事が可能となる。このため、より正確なオフセット補正が可能となるだけでなく、いかなるタイミングでブレーキ制御が開始されたとしても、遅滞なく制動追従することが可能な液圧ブレーキユニット等を実現できる。
図3は、ソレノイドの電流制御装置1000の動作処理を概念的に説明するフロー図である。そこで、図3に示す各ステップに従いソレノイドの電流制御装置1000の動作処理について以下に説明する。
(ステップS31)
ソレノイドの電流制御装置1000は、ソレノイド1850に通電する電源1400がオンであるか否かを判断する。ソレノイド1850に通電する電源1400がオンであれば、ステップS32へと進む。また、ソレノイド1850に通電する電源1400がオンでなければ、ステップS31で待機する。なお、電源1400がオンである典型例は、ソレノイド1850が電磁制御弁であって車両のイグニッション(IG)がオンにされた場合となる。
ソレノイドの電流制御装置1000は、ソレノイド1850に通電する電源1400がオンであるか否かを判断する。ソレノイド1850に通電する電源1400がオンであれば、ステップS32へと進む。また、ソレノイド1850に通電する電源1400がオンでなければ、ステップS31で待機する。なお、電源1400がオンである典型例は、ソレノイド1850が電磁制御弁であって車両のイグニッション(IG)がオンにされた場合となる。
(ステップS32)
ソレノイドの電流制御装置1000は、ソレノイド1850に通電されているか否かを判断する。ソレノイド1850に通電されている場合には、ステップS33へと進む。また、ソレノイド1850に通電されていない場合には、ステップS37へと進む。
ソレノイド1850がイグニションがオンされた後に常時通電される電磁制御弁である場合には、ソレノイドの電流制御装置1000は、このステップS32をスルーしてステップS33へと進むこととしてもよい。
ソレノイドの電流制御装置1000は、ソレノイド1850に通電されているか否かを判断する。ソレノイド1850に通電されている場合には、ステップS33へと進む。また、ソレノイド1850に通電されていない場合には、ステップS37へと進む。
ソレノイド1850がイグニションがオンされた後に常時通電される電磁制御弁である場合には、ソレノイドの電流制御装置1000は、このステップS32をスルーしてステップS33へと進むこととしてもよい。
(ステップS33)
ソレノイドの電流制御装置1000は、ソレノイド1850を通電制御する為に第一電流モニタ回路1700を使用しているか否かを判断する。ソレノイド1850を通電制御する為に第一電流モニタ回路1700を使用している場合には、ステップS34へと進む。また、第一電流モニタ回路1700を使用していない場合には、ステップS36へと進む。
ソレノイドの電流制御装置1000は、ソレノイド1850を通電制御する為に第一電流モニタ回路1700を使用しているか否かを判断する。ソレノイド1850を通電制御する為に第一電流モニタ回路1700を使用している場合には、ステップS34へと進む。また、第一電流モニタ回路1700を使用していない場合には、ステップS36へと進む。
(ステップS34)
ソレノイドの電流制御装置1000は、第二電流モニタ回路1600のオフセット量を検出してキャリブレーションをする。この場合に、第二電流モニタ回路1600は、ソレノイド1850の通電制御に用いられていないので、入出力端子を短絡してオフセット量を検出しても、ソレノイド1850の通電制御が中断されることがない。従って、例えばソレノイド1850が、液圧ブレーキユニットの増減圧に用いられる電磁制御弁である場合においても、常に車両の制動動作に的確に対応可能な液圧ブレーキユニット及び、その電磁制御弁の電流制御装置1000とできる。
ソレノイドの電流制御装置1000は、第二電流モニタ回路1600のオフセット量を検出してキャリブレーションをする。この場合に、第二電流モニタ回路1600は、ソレノイド1850の通電制御に用いられていないので、入出力端子を短絡してオフセット量を検出しても、ソレノイド1850の通電制御が中断されることがない。従って、例えばソレノイド1850が、液圧ブレーキユニットの増減圧に用いられる電磁制御弁である場合においても、常に車両の制動動作に的確に対応可能な液圧ブレーキユニット及び、その電磁制御弁の電流制御装置1000とできる。
(ステップS35)
ソレノイドの電流制御装置1000は、ソレノイド1850に通電する電源1400がオフであるか否かを判断する。ソレノイド1850に通電する電源1400がオフであれば、このフロー処理を終了する。また、ソレノイド1850に通電する電源1400がオフでなければ、ステップS32へと戻る。なお、電源1400がオフである典型例は、ソレノイド1850が電磁制御弁であって車両のイグニッション(IG)がオフにされた場合となる。
ソレノイドの電流制御装置1000は、ソレノイド1850に通電する電源1400がオフであるか否かを判断する。ソレノイド1850に通電する電源1400がオフであれば、このフロー処理を終了する。また、ソレノイド1850に通電する電源1400がオフでなければ、ステップS32へと戻る。なお、電源1400がオフである典型例は、ソレノイド1850が電磁制御弁であって車両のイグニッション(IG)がオフにされた場合となる。
(ステップS36)
ソレノイドの電流制御装置1000は、第一電流モニタ回路1700のオフセット量を検出してキャリブレーションをする。この場合に、第一電流モニタ回路1700は、ソレノイド1850の通電制御に用いられていないので、入出力端子を短絡してオフセット量を検出しても、ソレノイド1850の通電制御が中断されることがない。従って、例えばソレノイド1850が、液圧ブレーキユニットの増減圧に用いられる電磁制御弁である場合においても、常に車両の制動動作に的確に対応可能な液圧ブレーキユニット及び、その電磁制御弁の電流制御装置1000とできる。
ソレノイドの電流制御装置1000は、第一電流モニタ回路1700のオフセット量を検出してキャリブレーションをする。この場合に、第一電流モニタ回路1700は、ソレノイド1850の通電制御に用いられていないので、入出力端子を短絡してオフセット量を検出しても、ソレノイド1850の通電制御が中断されることがない。従って、例えばソレノイド1850が、液圧ブレーキユニットの増減圧に用いられる電磁制御弁である場合においても、常に車両の制動動作に的確に対応可能な液圧ブレーキユニット及び、その電磁制御弁の電流制御装置1000とできる。
(ステップS37)
ソレノイドの電流制御装置1000は、第一電流モニタ回路1700または第二電流モニタ回路1600のオフセット量を検出してキャリブレーションをしてもよい。
電磁制御弁のオフセット量は、バッテリ電圧の変動や環境温度の変動等の影響を受けて、環境状態等により常に変動する。このため、車両が走行中であってもイグニッションがオンとされた後に、所望の周期で常時オフセット量を検出して補正をすることがより正確な通電制御、すなわちより正確な液圧制御に基づく車両制動制御をする観点からは好ましい。
ソレノイドの電流制御装置1000は、第一電流モニタ回路1700または第二電流モニタ回路1600のオフセット量を検出してキャリブレーションをしてもよい。
電磁制御弁のオフセット量は、バッテリ電圧の変動や環境温度の変動等の影響を受けて、環境状態等により常に変動する。このため、車両が走行中であってもイグニッションがオンとされた後に、所望の周期で常時オフセット量を検出して補正をすることがより正確な通電制御、すなわちより正確な液圧制御に基づく車両制動制御をする観点からは好ましい。
なお、電流検出回路のオフセットの補正方法自体については、既に周知の技術であるものと考えられるが、念の為に以下に例示する。例えば、図4に示すように、リニアソレノイド1850(2)に流れる電流を制御するソレノイドの電流制御装置1000(2)は、リニアソレノイド1850(2)への通電経路においてリニアソレノイド1850(2)に対し直列に接続されたスイッチング素子(Tr)1800(2)を備える。なお、ソレノイドの電流制御装置1000(2)は、説明の簡便のため電流モニタ回路1700(2)を一つ備える構成として以下説明するが、ソレノイドの電流制御装置1000で説明したように二個以上の複数備えてもよいものとする。
また、ソレノイドの電流制御装置1000(2)は、リニアソレノイド1850(2)への通電経路においてリニアソレノイド1850(2)及びスイッチング素子1800(2)に対し直列に接続された電流検出抵抗(R)1900(2)を備える。
また、ソレノイドの電流制御装置1000(2)は、電流検出抵抗1900(2)の高圧側の端子電圧VHを入力し、その入力電圧VHよりも所定の一定電圧Vsだけ高い電圧(VHs=VH+Vs)を出力する第一レベルシフト回路1020と、電流検出抵抗1900(2)の低圧側の端子電圧VLを入力し、その入力電圧VLよりも一定電圧Vsだけ高い電圧(VLs=VL+Vs)を出力する第二レベルシフト回路1030とを備える。
また、ソレノイドの電流制御装置1000(2)は、第一レベルシフト回路1020と第二レベルシフト回路1030との各出力VHs,VLsを、マルチプレクサ(MPX)1040を介して択一的に取り込み、その取り込んだ電圧をデジタル値に変換(A/D変換)するA/D変換器1050を備える。
また、ソレノイドの電流制御装置1000(2)は、制御CPU1200(2)と、制御CPU1200(2)からの指示値に応じたデューティ比のPWM(パルス幅変調)信号を、スイッチング素子1800(2)へ駆動信号(PWM制御信号)として出力するPWM信号出力部1300(2)とを備える。
また、ソレノイドの電流制御装置1000(2)は、第一レベルシフト回路1020と第二レベルシフト回路1030との入力側を制御CPU1200(2)からの指令に応じて直結するスイッチ1080を備える。スイッチ1080の接点を電流検出抵抗1900(2)の高圧側P1から低圧側P2に切り替えれば、第一レベルシフト回路1020と第二レベルシフト回路1030との入力端子が直結される。
ソレノイドの電流制御装置1000(2)において、電流検出抵抗1900(2)の低圧側の端子は、ソレノイドの電流制御装置1000(2)のパワー系接地端子(即ち、リニアソレノイド1850(2)の電流が流れる接地端子)Gに接続されており、A/D変換器1050や制御CPU1200(2)等の信号系半導体回路の接地端子は、ソレノイドの電流制御装置1000(2)の制御系接地端子(信号系接地端子)G1に接続されている。
パワー系接地端子Gと制御系接地端子G1とは、各々ソレノイドの電流制御装置1000(2)の外部に配設された別々のグランド線を介してバッテリ(図示省略)のマイナス端子に接続されている。
上述したソレノイドの電流制御装置1000(2)において、通常動作時には、スイッチ1080の接点が電流検出抵抗1900(2)の高圧側P1に接続されており、第一レベルシフト回路1020と第二レベルシフト回路1030との入力端子が直結されない状態である。
また、制御CPU1200(2)は、一定周期毎に、第一レベルシフト回路1020の出力VHsと第二レベルシフト回路1030の出力VLsとをA/D変換器1050に順次A/D変換させる。そして、制御CPU1200(2)は、VHsのA/D変換値とVLsのA/D変換値との差分(=VHs−VLsであり、典型的には=VH−VL)をリニアソレノイド1850(2)に流れる電流値として検出する。また、制御CPU1200(2)は、検出した電流値が、制御CPU1200(2)に指示される目標値に一致するようにPWM信号のデューティ比を計算し、その計算したデューティ比を示す指示値をPWM信号出力部1300(2)へと出力する。
また、PWM信号出力部1300(2)は、制御CPU1200(2)からの指示値に対応したデューティ比のPWM制御信号をスイッチング素子1800(2)に出力する。これにより、スイッチング素子1800(2)がデューティ駆動されて、リニアソレノイド1850(2)に流れる電流が目標値と一致するように制御される。
第一レベルシフト回路1020と第二レベルシフト回路1030とを設けている理由は、制御系接地端子G1(A/D変換器1050の接地端子)の電圧VG1がパワー系接地端子Gの電圧VGより大きくなった場合(VG1>VG)でも、A/D変換器1050に正の電圧(VG1以上の電圧)が入力されるようにして、電流検出抵抗1900(2)の高圧側の端子電圧VHと低圧側の端子電圧VLとの差分(=VH−VL)を確実に検出できるようにするためである。
また、第一レベルシフト回路1020と第二レベルシフト回路1030とを設けている他の理由は、A/D変換器1050には、0V付近の入力電圧では正確なA/D変換値を出さない性質(いわゆる0点誤差)があり、その0点誤差の影響を回避するためである。
なお、第一レベルシフト回路1020と第二レベルシフト回路1030とを設けると、第一レベルシフト回路1020と第二レベルシフト回路1030との出力特性差により、電流制御精度が低下するという懸念が生じる。第一レベルシフト回路1020と第二レベルシフト回路1030とにおけるレベルシフト電圧Vsが完全同一であれば理想的ではある。
しかし、第一レベルシフト回路1020と第二レベルシフト回路1030とのレベルシフト電圧Vsに相違があると、第一レベルシフト回路1020の出力VHsのA/D変換値と、第二レベルシフト回路1030の出力VLsのA/D変換値との差分(=VHs−VLs)が、電流検出抵抗1900(2)の高圧側の端子電圧VHと低圧側の端子電圧VLとの差分(=VH−VL)に一致しなくなり、リニアソレノイド1850(2)を現実に流れる電流値を正確に検出することができなくなる畏れがある。
そこで、ソレノイドの電流制御装置1000(2)は、制御CPU1200(2)が、電流フィードバック制御を行わない場合、すなわちリニアソレノイド1850(2)の実電流値を検出しない場合に、スイッチ1080が第一レベルシフト回路1020と第二レベルシフト回路1030との入力端子を直結させる。
また、その状態で、ソレノイドの電流制御装置1000(2)は、第一レベルシフト回路1020の出力VHsと第二レベルシフト回路1030との出力VLsとを各々A/D変換器1050にA/D変換させて、第一レベルシフト回路1020の出力VHsと第二レベルシフト回路1030とのA/D変換値の差分を、両レベルシフト回路1020,1030の出力特性差を表すオフセット値Vofとして算出するものとする。
また、制御CPU1200(2)は、電流フィードバック制御を実施する通常動作時には、第一レベルシフト回路1020の出力VHsのA/D変換値と、第二レベルシフト回路1030の出力VLsのA/D変換値と、の差分(=VHs−VLs)から、オフセット値Vofを減算して、電流検出値に相当する差分(=VHs−VLs)を補正する。このオフセット補正により、第一レベルシフト回路1020と第二レベルシフト回路1030との出力特性差の影響をキャンセルする。以上が、典型的なオフセットの補正方法の説明である。
実施形態で説明したソレノイドの電流制御装置は、電源オン後常時通電されるソレノイドである場合においても、常にオフセットが補正された電流検出回路でフィードバック制御することが可能となる。これにより、例えば温度やバッテリ電圧等の影響に起因して増大するオフセットを補正して、電磁制御弁を典型例とするソレノイドの正確な電流制御が可能な電流制御装置とできる。
また、実施形態で説明したソレノイドの電流制御装置は、電流検出回路を二個以上の複数個数備えてもよく、各々切替え可能に接続されるものとする。これにより、いずれかの電流検出回路がオフセット量を検出している間に、他の電流検出回路がソレノイドの電流値フィードバック制御を継続できるので、ソレノイドの通電制御が中断されることがない。
本発明のソレノイドの電流制御装置等は、上述した実施形態での説明に限定されるものではなく、自明な範囲で構成を適宜変更して用いることができ、また自明な範囲でその動作及び処理を適宜変更して用いることとできる。
1000・・ソレノイドの電流制御装置、1100・・ブレーキECU、1150・・CPU、1200・・制御回路、1300・・PWM信号生成部、1400・・電源、1500・・補正回路、1600・・第二電流モニタ回路、1650・・スイッチ群、1700・・第一電流モニタ回路、1800・・第一スイッチ、1850・・ソレノイド、1900・・第二スイッチ、1950・・還流ダイオード。
Claims (4)
- ソレノイドを流れる電流値を検知して前記ソレノイドの電流制御回路にフィードバックする第一の電流モニタ回路と、
前記第一の電流モニタ回路と並列に設けられ、前記ソレノイドを流れる電流値を検知して前記ソレノイドの前記電流制御回路にフィードバックする第二の電流モニタ回路と、を備え、
前記第一の電流モニタ回路が前記ソレノイドを流れる電流値を検知する場合に、前記第二の電流モニタ回路がオフセットのキャリブレーションをし、
前記第二の電流モニタ回路が前記ソレノイドを流れる電流値を検知する場合に、前記第一の電流モニタ回路がオフセットのキャリブレーションをする
ことを特徴とするソレノイドの電流制御装置。 - 請求項1に記載のソレノイドの電流制御装置において、
前記ソレノイドは、車両に搭載される液圧ブレーキユニットの液圧制御弁である
ことを特徴とするソレノイドの電流制御装置。 - ソレノイドを流れる電流値を検知して前記ソレノイドの電流制御回路にフィードバックする第一の電流モニタ回路と、
前記第一の電流モニタ回路と並列に設けられ、前記ソレノイドを流れる電流値を検知して前記ソレノイドの前記電流制御回路にフィードバックする第二の電流モニタ回路と、を備える電流制御装置において、
前記第一の電流モニタ回路が前記ソレノイドを流れる電流値を検知する場合に、前記第二の電流モニタ回路がオフセットのキャリブレーションをする工程と、
前記第二の電流モニタ回路が前記ソレノイドを流れる電流値を検知する場合に、前記第一の電流モニタ回路がオフセットのキャリブレーションをする工程と、
を有することを特徴とするソレノイドの電流制御方法。 - 請求項3に記載のソレノイドの電流制御方法において、
前記ソレノイドは、車両に搭載される液圧ブレーキユニットの液圧制御弁である
ことを特徴とするソレノイドの電流制御方法。
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JP2009013624A JP2010170434A (ja) | 2009-01-23 | 2009-01-23 | ソレノイドの電流制御装置とソレノイドの電流制御方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11761991B2 (en) | 2021-03-30 | 2023-09-19 | Seiko Epson Corporation | Current detection circuit, circuit device, and solenoid control device |
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2009
- 2009-01-23 JP JP2009013624A patent/JP2010170434A/ja active Pending
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