JP2008157304A - 誘導負荷電流制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ソレノイドバルブ等の誘導負荷に流れる電流を低コストで、かつ精度良く計測及び制御する。
【解決手段】電源14とグランド17との間に、電源14側から順に、誘導負荷10、スイッチ手段15、及び電流計測手段16を直列に接続し、誘導負荷10の誘起電圧による還流電流を流すためのダイオード19を、誘導負荷10とスイッチ手段15の間と、電源14と誘導負荷10の間とを接続する回路に挿入することにより、差動増幅器18の出力にノイズやオフセット誤差が生じることを回避し、また、FETゲート端子の駆動に特別な回路を必要とすることなく比較的安価なNch−FETをスイッチ手段15として用いることを可能とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば車両用の可変動弁機構の油圧をコントロールするためのソレノイドバルブに流れる電流を精度よく計測及び制御するための装置に関する。
車両に用いる装置、例えば可変動弁機構(VTC)やブレーキ装置等、に用いるソレノイドバルブを駆動するための電源回路として、電流計測用センサ、電流計測用センサの両端子電圧を増幅する作動増幅器、スイッチ手段(FET等)、スイッチ手段をPWM(Pulse Width Modulation)制御した際にソレノイドバルブのコイルで発生するコイル誘導起電圧による還流電流を流すためのダイオードを構成要素とするものが知られている。そして、このような電源回路では、ダイオードを流れる還流電流によりソレノイドバルブを流れる電流を平滑化し、電流計測用センサで計測された電流計測値と電流目標値とを比較して、両者が一致するようにスイッチ手段をPWM制御することでソレノイドバルブ電流をフィードバック制御している。
ところで、電流計測用センサとして比較的安価なシャント抵抗を用い、シャント抵抗の両端子電圧を差動増幅器で増幅する場合を考えると、回路構成として以下のようなものが考えられる。
第1の回路構成として、電源側からソレノイドバルブ、シャント抵抗、スイッチ手段の順に接続し、還流電流を流すためのダイオードをシャント抵抗の下端から電源に向けて接続するものが考えられる。このように接続すると、シャント抵抗の両端子間の電圧は略一定になるが、前記コイルの誘導起電圧の発生により、各端子電圧はスイッチ手段のPWMキャリア周波数に同期して大きく脈動する。これにより、差動増幅器の出力電圧にはノイズが発生し易くなるという問題がある。なお、上記のように構成した場合には、スイッチ手段として比較的安価なNch−FETを用いることができ、FETゲート端子の駆動にも特別な回路は必要ない。
第2の回路構成として、電源側とGNDとの間に、電源側からシャント抵抗、ソレノイドバルブ、スイッチ手段の順に接続し、還流電流を流すためのダイオードをソレノイドバルブ下端がら電源側に向けて接続するものが考えられる。このように接続すると、シャント抵抗の一端が安定した電源電圧に繋がれているので、他端の電圧は電流値に比例した分のみ変化する。したがって、差動増幅器の出力電圧のノイズを抑制することができる。しかし、シャント抵抗の一端が電源に繋がる、すなわち差動増幅器の一入力端子が電源に繋がるので、基準となるバイアス電圧を得るためにオペレーションアンプ(OPアンプ)の周辺抵抗に電流を常時流すことになる。このため、OPアンプ出力にはオフセット誤差が発生し易く、出力精度を確保するためには高精度の回路素子が必要となり、コスト増加を招くという問題がある。
これらの問題を解決するための回路構成として、電源側からスイッチ手段、ソレノイドバルブ、シャント抵抗の順に接続し、還流電流を流すためのダイオードをGNDからソレノイドバルブ上端に向けて接続する回路構成が特許文献1に開示されている。この回路構成によると、シャント抵抗の一端が安定したGNDに繋がっているため、上述したノイズやオフセット誤差の問題は解消できる。
特開平06−81938号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている回路構成において、スイッチ手段として比較的安価なNch−FETを使用するためには、ゲート電圧駆動用の昇圧回路を設ける必要がある。また、前記昇圧回路を用いないのであれば、スイッチ手段にはオン抵抗が大きく比較的高価なPch−FETを利用する必要がある。すなわち、昇圧回路を用いる場合、Pch−FETを用いる場合のいずれもコストが増大するという問題がある。また、オン抵抗が大きくなると、効率低下や最大電流の低下を招くという問題もある。
そこで、本発明では、ソレノイドバルブ等の誘導負荷に流れる電流を低コストで、かつ精度良く計測及び制御することを目的とする。
本発明の誘導負荷電流制御装置は、電源とグランドとの間に、前記電源側から順に、誘導負荷、スイッチ手段及び電流計測手段を直列に接続し、前記誘導負荷の誘起電圧による還流電流を流すためのダイオードを、前記誘導負荷とスイッチ手段の間と、前記電源と前記誘導負荷の間とを接続する回路に挿入した。
本発明によれば、電流計測手段の一端が安定したGNDに繋がっているので、電流計測手段の出力には、前述したノイズやオフセット誤差の問題は生じず、また、スイッチ手段として比較的安価なNch−FETを使用でき、FETゲート端子の駆動に特別な回路は必要ない。したがって、低コストかつ精度良く電流計測及び制御を行うことができる。
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の第1実施形態を適用するバルブタイミング制御装置のシステム図である。1は可変動弁機構(VTC)、7はオイルポンプ、8はオイルパン、9はVTC変換角位置決めコントローラ、10はソレノイドバルブである。
VTC変換角位置決めコントローラ9は、クランク角センサ11及びカム軸位置センサ12の検出値に基づいて後述するVTC1の変換角を計測するとともに、水温センサ13の検出値や運転者のアクセル開度等に応じて目標変換角を算出し、目標変換角に応じた電流指令値をソレノイドバルブ10に出力し、変換角を制御する。
オイルポンプ7はオイルパン8内のオイルを汲み上げてソレノイドバルブ10に供給し、ソレノイドバルブ10はVTC変換角位置決めコントローラ9からの電流指令値に基づいて、VTC1に供給する油圧の調節、油路の切替えを行う。
VTC1は、エンジンのカム軸3の一端にカム軸3と一体回転可能に固定された複数のベーン4と、カム軸3と同軸かつカム軸3に対して周方向に回転可能に取り付けたカム軸駆動用スプロケット2とで構成される。カム軸駆動用スプロケット2は内部に油圧室が設けられ、この油圧室はベーン4によって進角室5と遅角室6とに区切られている。また、カム軸駆動用スプロケット2には図示しないタイミングチェーンが掛けまわされ、このタイミングチェーンを介して図示しないクランクシャフトと同期回転する。ここで、カム軸駆動用スプロケット2の回転方向は図中時計回りとする。そして、カム軸駆動用スプロケット2が回転すると、カム軸3はカム軸駆動用スプロケット2に対して相対位相角(以下、変換角という)をもって回転する。なお、上記のVTC機構1は吸気側又は排気側のいずれか一方又は両方に備える。
上記のような構成において、進角室5又は遅角室6のいずれに油圧を供給するかにより進角側又は遅角側の何れの方向の変換角にするかを制御し、供給する油圧の大きさにより変換角の大きさを制御する。例えば、遅角室6に油圧を供給すると、ベーン4はカム軸駆動用スプロケット2に対して反時計回りに相対回転するので、バルブ開閉時期は相対的に遅角する。これとは反対に進角室5に油圧を供給すると、ベーン4はカム軸駆動用スプロケット2に対して時計回りに相対回転するので、バルブ開閉時期は相対的に進角する。進角量又は遅角量、すなわち変換角の大きさは、進角室5又は遅角室6に供給する油圧の大きさを調節することにより制御する。例えば、供給する油圧を高くするほど進角量又は遅角量は大きくなり、供給する油圧を低くするほど進角量又は遅角量は小さくなる。
次に、VTC1の変換角の位置決め制御について説明する。
図2は、VTC1の実際の変換角(実変換角)θnowを目標変換角θcomに追従させるためのVTC変換角位置決めコントローラ9の制御ブロック図である。なお、目標変換角θcomは図しない別の制御ブロックにて、一般的な可変バルブタイミング制御と同様にエンジン回転数や運転者のアクセル操作量等に基づいてマップ検索等により算出する。
上記制御ブロックは、水温センサ13の検出値(以下、水温という)やエンジン回転数等から変換角速度の飽和要素の制限値である上限値ωlimHと下限値ωlimLを推定する角速度制限値算出部B101と、水温及びエンジン回転数等から時定数T1を推定する時定数算出部B102と、電流指令値(F/F項)Icomffと変換角規範応答θrefを演算するF/F補償部B103と、クランク角センサ11及びカム軸位置センサ12の検出値から実変換角θnowを算出する変換角算出部B104と、変換角規範応答θrefと実変換角θnowから電流指令値(F/B項)Icomfbを算出するF/B補償部B105、から構成される。制御対象であるソレノイドバルブ10に出力する電流指令値Icomは電流指令値(F/F項)Icomffと電流指令値(F/B項)Icomfbの和である。
図3は、ソレノイドバルブ10に流れる電流を電流指令値Icomに一致させる電流制御系の構成図である。バッテリ電源14とGND17の間に、バッテリ電源14側からソレノイドバルブ10、スイッチ手段としてのFET15、電流計測手段としてのシャント抵抗16の順に接続する。そして、ソレノイドバルブ10の両端子間には、FET15をPWM制御した際に発生するコイル誘導起電圧による還流電流を流すためのダイオード19をバッテリ電源14側に向けて接続し、シャント抵抗16の両端子間には、シャント抵抗16の両端子間電圧を増幅するための差動増幅器18を接続する。さらに、FET15をPWM制御するPWM制御部20と、PWM制御のデューティ(ON時間比率)を出力する電流フィードバック制御部22と、シャント抵抗16の両端電圧を平滑するローパスフィルタ21と、ソレノイドバルブ電流Iaを推定するソレノイドバルブ電流推定部23と、を備える。
PWM制御部20は電流フィードバック制御部22からのデューティに基づいてFET15の制御を行う。ソレノイドバルブ電流推定部23は、電流計測値Ibとデューティに基づいてソレノイドバルブ電流Iaを推定する。なお、ソレノイドバルブ電流Iaの推定方法については後述する。電流フィードバック制御部22は、ソレノイドバルブ電流Iaを電流指令値Icomに一致させるようフィードバック制御を行い、デューティを決定する。
次に、VTC1の変換角を設定するためにVTC変換角位置決めコントローラ9が行う制御ルーチンについて、図4のフローチャートを参照して説明する。
ステップS1では、クランク角センサ11により検出されるエンジン回転数、水温センサ13により検出される水温を読み込み、角速度制限値算出部B101及び時定数算出部B102に入力する。
ステップS2では、変化角算出部B104にて、クランク角センサ11及びカム軸位置センサ12のそれぞれの検出値に基づいて実際の変換角(実変換角)を算出する。
ステップS3では、角速度制限値算出部B101にて、変換角速度の飽和要素の制限値である上限値ωlimH、下限値ωlimLを、ステップS1で読み込んだエンジン回転数及び水温に基づいて推定する。推定には、エンジン回転数及び水温を入力として変換角速度の飽和要素の制限値を出力とする3次元マップを用いる。例えば、上限値ωlimHを推定する場合には、図5に示すような変換角速度をエンジン回転数及び水温に割り付けた3次元マップを用いる。図5からわかるように、上限値ωlimHはエンジン回転数が高くなるほど大きくなる傾向があり、また、水温が常温域(5〜50度)から外れると小さくなる傾向がある。
ステップS4では、時定数算出部B102にて、制御対象の過渡特性である時定数T1をエンジン回転数及び水温から推定し可変調整する。推定には、エンジン回転数及び水温を入力として時定数T1を出力とする3次元マップを用いる。
ステップS5では、F/F補償器B103にて、電流指令値(F/F項)Icomffと変換角規範応答θrefを算出する。ここで、F/F補償部B103での処理について図6を参照して説明する。
F/F補償部B103は、モデルマッチング型制御部GMM(s)と制御対象モデルで構成され、制御対象モデルは電流の飽和を表した入力飽和要素B202と電流から位置までの線形特性を表した伝達関数GP(s)とで構成している。
B203の伝達関数GP(s)は式(1)で表される。ここで、sはラプラス演算子、KPは電流から変換角速度へのゲイン、T1はステップS4の処理においてエンジン回転数と水温とから推定した時定数である。
入力飽和要素B202はVTC1の電流の上限値及び下限値を制限する。上限値及び下限値は、ステップS3で算出した変換角速度の飽和要素の制限値である上限値ωlimH、下限値ωlimLを、式(2)を用いて電流制限値として換算した値である。
入力飽和要素の処理は以下のとおりである。
I1≦IlimLの場合は、 Icomff=Ilim
limL≦I1≦IlimHの場合は、Icomff=I1
limH≦I1の場合は、 Icomff=IlimH
F/F補償部B103内のF/B制御部であるモデルマッチング型制御部GMM(s)B201は、目標変換角から制御対象モデルの出力である変換角規範応答θrefまでの線形特性が所望の応答特性である規範モデル伝達特性Gref(s)となるように設計する。規範モデル伝達特性Gref(s)は式(3)に示すように2次振動系で設定する。
モデルマッチング型制御部GMM(s)は式(4)で表される。T1はステップS4の処理においてエンジン回転数及び水温から推定した時定数であり、可変調整される。
ステップS6ではF/B補償部B105にて、電流指令値(F/B項)Icomfbを算出するための演算を行う。F/B補償部B105はPID制御で構成されており、ステップS2で算出した実変換角θnowとステップS5で算出した変換角規範応答θrefとの偏差に対してPID制御の演算を行うことで、F/B補償部出力Icomfbを求める。
ステップS7では、電流指令値(F/F項)Icomffと電流指令値(F/B項)Icomfbの和を電流指令値Icomとして求める。
ステップS8では、ソレノイドバルブ電流推定部23にて、一周期前に演算されたデューティと電流計測値Ibとからソレノイドバルブ電流Iaを推定する。具体的には、予め作成しておいたデューティと電流比率Ib/Iaとの関係式及び一周期前に演算されたデューティから電流比率Ib/Iaを算出し、これに上下限値の処理を施し、さらにローパスフィルタ21と同じ遅れ特性をデジタルフィルタで施す。ここで電流比率Ib/Iaに対してローパスフィルタ21と同じ遅れ特性を施すのは、電流比率Ib/Iaの位相を、ローパスフィルタ21によって位相が遅れた電流計測値Ibと同位相にするためである。このように電流比率Ib/Iaと電流計測値Ibの位相を揃えることにより、電流指令値Icomが変化する過渡状態であっても、ソレノイドバルブ電流Iaを精度良く推定することができる。
こうして得られた電流比率Ib/IaをA/Dコンバータ(図示せず)で取り込んだ電流計測値Ibで除算してソレノイドバルブ電流Iaを算出する。
上記のデューティと電流比率Ib/Iaとの関係式は、次のように求まる。図3に示したような回路構成では、電流計測値IbにはFET15がON時の誘導負荷電流Iaが含まれるが、OFF時にダイオード19を流れる還流電流Icは含まれないので、電流比率Ib/Iaはデューティで決まる。すなわち、図5のA線で示すようにデューティが大きくなるほど電流計測値Ibは誘導負荷電流Iaに対して大きくなる関係となり、式(5)のように表される。なお、aは定数であるが、通常はa=1である。
式(5)から明らかなように、バッテリ電源14の電圧やソレノイドバルブ10の抵抗(誘導負荷抵抗)には関係がないので、バッテリ電源14の電圧の変動や負荷抵抗の温度特性や製造バラツキ等には影響されない。すなわち、ソレノイドバルブ10に流れる電流を精度良く計測することができる。
ステップS9では、電流フィードバック制御部22にて、ステップS7で算出した電流指令値Icomにソレノイドバルブ電流Iaが一致するようにフィードバック演算を行い、PWM制御のデューティを決定する。なお、ここでは単純なPID制御とする。
以上のように、本実施形態によれば次のような効果が得られる。
バッテリ電源14とGND17との間に、バッテリ電源14側から順に、ソレノイドバルブ10、FET15及びシャント抵抗16を直列に接続し、ソレノイドバルブ10の誘起電圧による還流電流を流すためのダイオード19をソレノイドバルブ10とFET15の間からバッテリ電源14とソレノイドバルブ10の間に向けて接続した回路構成とするので、差動増幅器18の出力にはノイズやオフセット誤差といった問題は生じず、また、スイッチ手段として比較的安価なNch−FETを用いることができ、FETゲート端子の駆動にも特別な回路を必要としないので、電流計測及び制御用の回路を低コストで実現することができる。
上述した回路構成において、デューティを用いて式(5)から電流比率Ib/Iaを算出し、電流計測値Ibを電流比率Ib/Iaで除算することでソレノイドバルブ電流Iaを推定するので、バッテリ電源14の電圧変動やソレノイドバルブ10の温度特性、製造バラツキの影響を受けずに、精度良く電流を計測及び制御することができる。
電流比率Ib/Iaに、ローパスフィルタ21の遅れ特性と略同等の遅れ補償を施すので、電流値が変化する過渡状態であっても精度良くソレノイドバルブ電流Iaを推定し、制御することができる。
第2実施形態について説明する。
本字実施形態の制御及び回路構成は、基本的に第1実施形態と同様であり、ソレノイドバルブ電流推定部23の演算で用いる電流比率Ib/Iaとデューティとの関係式のみが異なる。
一般に、FET15等のスイッチ手段は、ON時の遅れ特性とOFF時の遅れ特性に差異がある場合が多い。この差異はデューティとは無関係に電流比率Ib/Iaに影響を与えるものである。そこで、電流比率Ib/Iaとデューティとの関係式として式(6)を用いる。
この関係は図5のB線のように表される。なお、bは定数であり、上記遅れ特性の差異が与える影響に相当する。ON時の方がOFF時に比べて応答が早い場合にはb>0となり、逆の場合にはb<0となる。
以上により本実施形態では、第1実施形態と同様の効果に加え、さらに、ソレノイドバルブ電流Iaを推定する際に、FET15の遅れ特性の差異を考慮した式(6)をもちいるので、より精度良くソレノイドバルブ電流Iaを推定することができるという効果が得られる。
第3実施形態について説明する。
本実施形態は制御及び回路構成は、基本的に第2実施形態と同様であるが、ソレノイドバルブ電流推定部23での処理に異なる点がある。
シャント抵抗16により計測した電流計測値Ibは、差動増幅器18やA/Dコンバータ(図示せず)を介してソレノイドバルブ電流推定部23に取り込まれる。この際に、電流計測値Ibにオフセット誤差が僅かでも生じると、電流比率Ib/Iaとデューティの関係は式(7)のようになる。なお、cは定数であり、定数cの正負は電流計測値Ibのオフセット誤差の正負と同じである。
式(7)の右辺第3項はデューティが小さいときほど顕著に大きくなる。これを図5に表すと、デューティが小さくなるにつれてB線から乖離するC線のようになる。すなわち、デューティに基づいて算出した電流比率Ib/Iaは、小さくなるほどデューティに対する感度が鈍くなる。
そこで、式(7)から求めた電流比率Ib/Iaに下限制限を設ける。下限値としては、例えば、C線がB線から乖離し始める辺りの電流比率Ib/Ia(図5中のα)を設定する。
これにより、デューティと電流比率Ib/Iaとの関係は図5中の破線のように表すことができる。なお、下限値は上記のαに限られるわけではなく、ソレノイドバルブ電流Iaに対する要求計測誤差や、オフセット誤差等の条件に応じて設定すればよい。
以上により、本実施形態では第1、第2実施形態と同様の効果に加え、さらに電流比率Ib/Iaを所定の下限値に下限制限するので、オフセット誤差による電流値計測精度及び制御精度の低下を防止できるという効果が得られる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
本実施形態を適用するバルブタイミング制御装置のシステム構成図である。 VTC変換角位置決めコントローラの制御ブロック図である。 本実施形態の回路構成を表す図である。 VTC変換角位置決めコントローラの制御動作フローチャートである。 変換角速度の制限値マップの一例としての上限値マップである。 F/F補償部の制御ブロック図である。 計測電流とソレノイドバルブ電流(誘導負荷電流)の関係を表す図である。
符号の説明
1 可変動弁機構(VTC)
2 カム軸駆動用スプロケット
3 カム軸
4 ベーン
5 進角室
6 遅角室
7 オイルポンプ
8 オイルパン
9 VTC変換角位置決めコントローラ
10 ソレノイドバルブ
11 クランク角センサ
12 カム軸位置センサ
13 水温センサ
14 バッテリ電源
15 FET
16 シャント抵抗
20 PWM制御部
21 ローパスフィルタ
22 電流フィードバック制御部
23 ソレノイドバルブ電流推定部

Claims (5)

  1. 電源とグランドとの間に、前記電源側から順に、誘導負荷、スイッチ手段及び電流計測手段を直列に接続し、
    前記誘導負荷の誘起電圧による還流電流を流すためのダイオードを、前記誘導負荷とスイッチ手段の間と、前記電源と前記誘導負荷の間とを接続する回路に挿入したことを特徴とする誘導負荷電流制御装置。
  2. 前記スイッチ手段をPWM制御するPWM制御手段と、
    電流計測値を平滑する電流平滑手段と、
    誘導負荷電流値を推定する誘導負荷電流推定手段と、
    前記誘導負荷電流推定値を電流指令値に一致させるために前記PWM制御のデューティを調整する電流フィードバック制御手段と、
    を備え、
    前記誘導負荷電流推定手段は、前記電流計測値と前記誘導負荷電流値との関係を前記デューティを用いて表すDuty指標値を算出し、前記Duty指標値と平滑された前記電流計測値とに基づいて前記誘導負荷電流推定値を算出することを特徴とする請求項1に記載の誘導負荷電流制御装置。
  3. 前記Duty指標値は前記電流計測値と前記誘導負荷電流値との比であり、
    前記誘導負荷電流推定手段は平滑された前記電流計測値を前記Duty指標値で除算又は乗算することで前記誘導負荷電流推定値を算出することを特徴とする請求項2に記載の誘導負荷電流制御装置。
  4. 前記誘導負荷電流推定手段は、前記Duty指標値を所定の下限値に下限制限又は上限値に上限制限することを特徴とする請求項3に記載の誘導負荷電流制御装置。
  5. 前記誘導負荷電流推定手段は、前記Duty指標値に、前記電流平滑手段の遅れ特性と略同等の遅れ補償を施すことを特徴とする請求項2から4のいずれか一つに記載の誘導負荷電流制御装置。
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