JP2006100509A - 電気負荷の電流制御装置 - Google Patents

電気負荷の電流制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006100509A
JP2006100509A JP2004283720A JP2004283720A JP2006100509A JP 2006100509 A JP2006100509 A JP 2006100509A JP 2004283720 A JP2004283720 A JP 2004283720A JP 2004283720 A JP2004283720 A JP 2004283720A JP 2006100509 A JP2006100509 A JP 2006100509A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
current
circuit
power supply
microprocessor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004283720A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4335107B2 (ja
Inventor
Hiroyoshi Nishizaki
広義 西崎
Takeshi Fujiwara
雄 藤原
Shuichi Matsumoto
修一 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2004283720A priority Critical patent/JP4335107B2/ja
Publication of JP2006100509A publication Critical patent/JP2006100509A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4335107B2 publication Critical patent/JP4335107B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Voltage And Current In General (AREA)
  • Control Of Linear Motors (AREA)

Abstract

【課題】電気負荷や配線の短絡事故に対する安全性と制御精度の向上を両立させた電気負荷の電流制御装置を得る。
【解決手段】マイクロプロセッサ111A、負荷電流を制御する開閉素子121、電流検出抵抗126、目標電流設定回路130、比較偏差積分回路140、差動増幅回路部150を備え、開閉素子121は、負荷短絡発生時に過電流検出回路170の作用で遮断され、過渡的には電流検出抵抗126で電流制限する。電流検出抵抗126の両端電圧は、差動増幅回路部150により負荷電流に比例した監視電圧Efとなる。
比較偏差積分回路140は、目標電流設定回路130からの推定監視電圧Esと監視電圧Efとの電圧偏差積分値の増大に応じて開閉素子121の通電率を増加させる。
マイクロプロセッサ111Aは校正定数を算出し、運転時に所望の目標負荷電流Isに応じた目標電圧を生成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、たとえば車載電子制御装置において使用される誘導性電気負荷の電流制御装置に関し、特に、負荷短絡などによる装置の焼損を防止するとともに電流制御精度を向上した電気負荷の電流制御装置に関するものである。
従来の電気負荷の電流制御装置においては、駆動電源と電気負荷との間に接続された開閉素子の開閉通電率を制御して、通電すべき目標負荷電流と電流検出抵抗による検出電流とが一致する関係に制御する装置として、様々な形態のものがあげられる。
この種の電気負荷の電流制御装置は、たとえば広範囲な可変一定電流が要求されるリニアソレノイドの電流制御や、急速開弁後に一定の低電流で開弁保持を行う燃料噴射用電磁弁の電流制御などの用途がある。
これらの電気負荷の電流制御装置の一例としては、マイクロプロセッサが目標電流指令を生成するとともに、自らが検出電流との偏差に応じた開閉駆動指令を生成する内部帰還制御方式のものがある(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。
また、従来装置の他の例として、マイクロプロセッサは、単に目標電流指令を生成するのみでマイクロプロセッサの外部に設けられた偏差積分回路によって目標負荷電流と検出電流との偏差に応じて開閉駆動指令を生成する外部帰還制御方式のものがある(たとえば、特許文献3参照)。
特許文献3に記載された外部帰還制御方式の装置は、マイクロプロセッサの制御負担が軽減される反面で、ハードウエア構成が複雑となる形式のものとなっている。
一方、電流検出抵抗の接続位置についても様々な態様のものがあるが、たとえば特許文献1および特許文献3に記載の従来装置は、開閉素子、電気負荷および電流検出抵抗の順で正の電源端子に接続される電源線と、負の電源端子に接続される接地線との間に、給電回路が構成されるようになっている。
この場合、電気負荷に対する配線として、開閉素子に接続される正相配線と電流検出抵抗に接続される負相配線との2つの配線が必要になり、異常形態としては、以下の5つのモードを想定する必要がある。
第1のモードは、電気負荷自体が内部で短絡する負荷短絡事故か、または、正相配線と負相配線との間が短絡する正負線間短絡事故である。この場合、電流検出抵抗によって過大電流を検出して開閉素子を遮断するようにすれば、焼損事故は回避される。しかも、開閉素子が遮断されるまでの過渡的な時間においては、開閉素子に対する過大電流も電流検出抵抗の抵抗値によって制限されるので、開閉素子に与えるストレスを軽減することができる。
第2のモードは、正相配線と電源線との間が短絡された同相天絡事故である。この場合は、開閉素子に対する通電指令が行われていないか、通電率が小さいにも関わらず最大電流の検出が行われることになるので、異常状態を検出して警報表示を行うことはできるが、電流遮断を行うことはできない状態である。
ただし、過大な負荷電流が流れるわけではないので、直ちに焼損事故に至る可能性は少ない状態である。
第3のモードは、正相配線と接地線との間が短絡された異相地絡事故である。この場合には、開閉素子に対する通電指令が行われているにも関わらず検出電流が異常低下することによって異常検出は可能であるが、異常検出によって速やかに開閉素子を遮断したとしても、開閉素子には異常な過大電流が流れているので、開閉素子事態の内部短絡が発生し、続いて、開閉素子が焼損開路する可能性が高い異常モードとなっている。
これは、電流検出抵抗が、電流制限機能を発揮することができない状態になっているためである。
第4のモードは、負相配線と接地線との間が短絡された同相地絡事故である。この場合には、開閉素子に対する通電指令が行われているにも関わらず検出電流が異常低下することによって異常検出は可能であり、異常検出によって開閉素子を遮断することができる。
第5のモードは、負相配線と電源線との間が短絡された異相天絡事故である。この場合には、開閉素子に対する通電指令が行われていないか、または、通電率が小さいにも関わらず最大電流の検出が行われることになるので、異常状態を検出して警報表示を行うことはできるが、電流遮断を行うことはできないので、電流検出抵抗の焼損事故や断線事故が発生するような異常モードとなっている。
要するに、特許文献1や特許文献3に示された給電回路は、開閉素子および電流検出抵抗が、電気負荷を挟んで離れた位置に接続されており、異相天絡事故や異相地絡事故が発生すると、保護が困難となって焼損事故となる可能性が極めて高い構成となっている。
一方、特許文献2による給電回路は、開閉素子と電気負荷との中間位置に電流検出抵抗が接続され、電気負荷に対する専用配線は正相配線のみとなっており、この場合、異常形態は、以下の2つのモードとなる。
第1のモードは、電気負荷自体が内部で短絡する負荷短絡事故か、または、正相配線と接地線とが短絡する異相地絡事故である。この場合には、電流検出抵抗によって過大電流を検出して開閉素子を遮断するようにすれば、焼損事故は回避される。しかも、開閉素子が遮断されるまでの過渡的な時間においては、開閉素子に対する過大電流も、電流検出抵抗の抵抗値によって制限されるので、開閉素子に与えるストレスを軽減することができるようになっている。
第2のモードは、正相配線と電源線との間とが短絡された同相天絡事故である。この場合には、開閉素子に対する通電指令が行われているにも関わらず検出電流が異常低下することによって、異常検出が行われることになるので、異常状態を検出して警報表示を行うことはできるが、電流遮断を行うことはできない状態である。
ただし、過大な負荷電流が流れるわけではないので、直ちに焼損事故に至る可能性は少ない状態である。
したがって、過電流保護の観点では、特許文献2のように開閉素子と電流検出抵抗とを直結接続するのが理想的であるが、その反面で、後述するように、電流検出精度が大幅に低下する問題と、電気負荷に並列接続された転流ダイオードによって電流検出用差動増幅器に負電圧が印加されて、差動増幅器が誤動作する問題とが存在する。
特許文献1の場合は、電流検出抵抗が接地線側に接続されているので、比較的高精度の電流検出を実現することができる。しかし、電流検出抵抗の抵抗値の固体バラツキ変動や、電流値がゼロ状態にあるときの増幅器やAD変換器のオフセット誤差が存在するので、大小2点の電流を通電した場合の検出値と、外部の校正用計器で測定した値とを対比して、電流比例係数およびオフセット誤差を校正定数として保存しておき、実働運転のときには、保存された校正定数を用いて高精度な電流検出を行うようになっている。
また、従来装置の他の例として、内部帰還制御方式において、電流検出抵抗が開閉素子と電気負荷との間に接続された形式となっていて、特許文献1と類似の校正処理が行われるものも提案されている(たとえば、特許文献4参照)。
この場合、使用温度環境を変更した状態での校正定数も保存しており、実働運転に当たっては、実働温度環境に応じて適切な校正定数を活用するようになっている。
したがって、特許文献4の場合は、特許文献1のものに比べると、より高度な校正が行われているが、実態としては、電流検出誤差の発生要因に基づいた校正手段にはなっていないので、駆動電源電圧の変動と開閉素子の通電デューティに応じて変化する誤差成分とが残されている。
さらに、従来装置の他の例として、外部帰還制御方式において、電流検出抵抗が開閉素子と電気負荷との間に接続された形式となっていて、転流ダイオードによる負電圧の印加を相殺するための補償電圧源が使用された装置も提案されている(たとえば、特許文献5参照)。
一方、異常発生時の過電流検出回路に関して言えば、特許文献2に記載の図1においては、電流検出回路の出力電圧をマイクロプロセッサのAD変換器に入力し、AD変換値が過大であれば、負荷短絡または正相配線の地絡事故と見なすように構成され、特許文献2に記載の図3においては、電流検出回路の出力電圧を基準電圧と比較することによって、過大電流を検出するようになっている。
このように、電流検出回路の出力電圧によって過大電流を検出する方式の場合には、たとえば、電流検出信号の値が0[V]から5[V]に変化する場合に、5[V]付近の値で異常検出が行われて、不用意に異常検出が行われないようにするためには、正常信号電圧が非常に低い電圧範囲となるので、AD変換器のデジタル変換精度が低下する問題がある。
なお、特許文献2に記載の図6のように、過電流検出用の抵抗、差動増幅器、比較判定回路およびラッチ回路を設けることは、割高な構成であり、特に、発熱部品である電流検出抵抗が2個必要となるので小型化や節電の観点で望ましくない。
特開平10−225179号公報(図2、要約) 特開2000−114039号公報(図1、図6、要約、段落0003) 特開平5−217737号公報(図1、要約) 特開2003−111487号公報(図1、要約) 特開平10−39939号公報(図1、要約)
従来の電気負荷の電流制御装置では、たとえば特許文献1または特許文献3においては、電気負荷の異相天絡または異相地絡事故に対する保護対策が困難になるという課題があった。
また、特許文献2、特許文献4または特許文献5においては、短絡事故に対する保護が容易になるものの、電源電圧や開閉素子の通電デューティに依存する電流検出誤差が大きく影響するという課題があった。
また、特許文献1または特許文献4においては、電流検出精度を向上させるための校正手段が開示されているものの、その校正手段は、電源電圧や開閉素子の通電デューティに依存する電流検出誤差を補正することができないという課題があった。
さらに、特許文献2または特許文献3においては、過大電流検出手段が開示されているものの、いずれの場合も正常電流の検出電圧が低電圧領域となるので、AD変換器のデジタル変換精度が低下するという課題があった。
この発明は、開閉素子と電気負荷との間に電流検出抵抗が接続されることによって短絡事故に対する保護対策が容易な給電回路形式の電流制御装置において、電流検出精度の低下を改善するための効果的な校正手段を提供することのできる電気負荷の電流制御装置を得ることを目的とする。
また、この発明は、短絡事故に対する保護対策として使用される過電流検出回路の影響を受けないようにして、AD変換器のデジタル変換精度の低下を防止することが可能なように構成された電気負荷の電流制御装置を提供することを目的とする。
さらに、この発明は、電流検出抵抗が外部配線で短絡されるような正相天絡事故に対して異常状態を検出警報する精度を向上した電気負荷の電流制御装置を提供することを目的とする。
この発明による電気負荷の電流制御装置は、駆動電源と電気負荷との間に直列に挿入された開閉素子および電流検出抵抗を含み、駆動電源から開閉素子および電流検出抵抗を介して電気負荷に給電するための給電回路と、電流検出抵抗を介して検出される負荷電流が電気負荷に通電すべき目標負荷電流Isと一致するように開閉素子のON/OFF比率を制御する電流制御部とを備えた電気負荷の電流制御装置であって、電流制御部は、マイクロプロセッサと、差動増幅回路部と、検出誤差校正手段と、換算設定手段と、帰還制御手段とを有し、マイクロプロセッサは、不揮発プログラムメモリと、不揮発データメモリと、演算処理用のRAMメモリと、多チャンネルAD変換器とを含み、差動増幅回路部は、電流検出抵抗の両端電圧の差分電圧を増幅し、負荷電流にほぼ比例した監視電圧Efを生成してマイクロプロセッサに入力し、検出誤差校正手段は、製品出荷調整時に計測される監視電圧Efの電流比例係数、誤差成分の電圧比例係数およびオフセット成分を、校正定数として不揮発データメモリに保存し、換算設定手段は、校正定数に基づいて目標負荷電流Isに対応した推定監視電圧Esを算出設定し、帰還制御手段は、推定監視電圧Esを電流制御部による電流制御の制御目標値とし、監視電圧Efを帰還値として、開閉素子の通電を制御し、少なくとも検出誤差校正手段および換算設定手段は、不揮発プログラムメモリに格納された制御プログラムに基づいて、マイクロプロセッサにより実行されるものである。
この発明によれば、開閉素子と電流検出抵抗とが隣接接続されているので、電気負荷に対する専用配線を削減することができるうえ、配線や電気負荷の短絡異常に対して電流検出抵抗による限流機能によって焼損防止対策が容易となる給電回路構成のものにおいて、電流検出精度の悪化を補って高精度な電流制御を行うことができる。
しかも、検出誤差の要因別に検出誤差が校正されるので、様々な運転環境における電流制御装置の運転中において校正定数を的確に活用し、高精度な電流制御が行うことができる。
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1に係る電気負荷の電流制御装置について詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に係る電気負荷の電流制御装置の全体構成を示す回路図である。
図1において、電流制御装置100Aには、電源端子104P、接地端子104Nおよび出力端子108が設けられている。
電流制御装置100Aの電源端子104Pには、駆動電源101、ヒューズ102、電源スイッチ103によって構成された駆動電源回路が接続されている。また、接地端子104Nはグランドに接続されている。
また、電流制御装置100Aの出力端子108には、誘導性の電気負荷107が接続されており、電気負荷107とグランドとの間には、必要に応じて校正用のデジタル電流計901dが接続される。
さらに、駆動電源回路の両端間には、必要に応じて校正用のデジタル電圧計902dが接続される。
デジタル電流計901dにより検出された外部負荷電流Imおよびデジタル電圧計902dにより検出された外部駆動電源電圧Vbは、外部ツール900に入力される。
電流制御装置100Aは、電源端子104Pに接続された安定化制御電源ユニット(以下、単に「制御電源」という)110と、制御電源110から給電されるマイクロプロセッサ111と、比較偏差積分回路140(後述する)の出力信号に応動する開閉回路部120と、マイクロプロセッサ111Aにより制御される目標電流設定回路130と、目標電流設定回路130に接続された比較偏差積分回路140と、開閉回路部120に接続された差動増幅回路部150と、差動増幅回路部150に接続された平滑回路160および過電流検出回路170と、差動増幅回路部150の入力側に設けられた電流検出抵抗126および転流ダイオード127と、出力端子108とグランドとの間に挿入された分圧抵抗191a、192aからなる平均電圧測定回路と、平均電圧測定回路により検出される監視平均電圧Vaをマイクロプロセッサ111Aに入力するための直列抵抗193および平滑用コンデンサ194と、を備えている。
マイクロプロセッサ111Aには、外部機器として、異常報知手段を構成する警報表示器109と、電気負荷群106と、デジタル信号を生成するスイッチ入力群105dと、アナログ信号を生成するアナログ入力群105aと、校正操作用の外部ツール900とが接続されている。
電流制御装置100Aにおいて、制御電源110と、マイクロプロセッサ111Aと、マイクロプロセッサ111Aを中心とする開閉回路部120、目標電流設定回路130、比較偏差積分回路140、差動増幅回路部150、平滑回路160および過電流検出回路170などの回路要素は、密閉筐体(図示せず)に収納されている。
マイクロプロセッサ111Aは、演算処理用のRAMメモリ112と、不揮発プログラムメモリ(FMEM)113Aと、データメモリ114Aと、多チャンネルAD変換器115と、シリアル通信用インタフェース回路(SIF)116とにより構成されている。
また、マイクロプロセッサ111Aは、出力ポートOUTと、デジタル入力ポートDINおよびアナログ入力ポートAINと、パルス幅変調制御信号PWMおよび異常報知信号DSPを生成するための出力ポートとを有する。
駆動電源101、ヒューズ102および電源スイッチ103により構成された駆動電源回路は、電流制御装置100Aの電源端子104Pと接地端子104Nとの間に接続されている。
また、センサスイッチや操作スイッチなどを含むスイッチ入力群105dは、コネクタおよび入力インタフェース回路(図示せず)を介して、マイクロプロセッサ111Aのデジタル入力ポートDINに接続されている。
同様に、各種アナログセンサを含むアナログ入力群105aは、コネクタおよび入力インタフェース回路を介して、マイクロプロセッサ111Aのアナログ入力ポートAINに接続され、アクチェータや表示機器などを含む電気負荷群106は、コネクタおよび出力インタフェース回路(図示せず)を介して、マイクロプロセッサ111Aの出力ポートOUTに接続されている。
電気負荷群106の中の1つに含まれる電気負荷107は、電流制御を必要とする負荷(たとえば、リニアソレノイドなど)であり、出力端子108から給電される。
また、電気負荷群106の中の1つに含まれる警報表示器(異常報知手段)109は、マイクロプロセッサ111Aの異常報知信号DSPからの指令信号により駆動されるようになっている。
なお、電流制御装置100Aの製品出荷前の校正運転に際しては、SIF116を介して外部ツール900がマイクロプロセッサ111Aに接続されるとともに、電気負荷107に直列接続されたデジタル電流計901dの出力信号(外部負荷電流Im)と、デジタル電圧計902dの出力信号(電源端子104Pに印加された駆動電源101の外部駆動電源電圧Vb)とが、外部ツール900を介してマイクロプロセッサ111Aに供給され、RAMメモリ112に転送されるようになっている。
電流制御装置100A内の制御電源110は、外部駆動電源電圧Vb(たとえば、DC10[V]〜16[V])から、安定化された制御電源電圧Vcc(たとえば、DC5[V])を生成して、電流制御装置100A内の各部に給電するようになっている。
マイクロプロセッサ111A内において、演算処理用のRAMメモリ112、FMEM113A、データメモリ114A、多チャンネルAD変換器115、および、SIF116は、相互に協働するように構成されている。
FMEM113Aは、たとえば、電気的に一括消去して書込みおよび読出しが可能な不揮発フラッシュメモリなどにより構成されている。
また、データメモリ114Aは、1バイト単位で電気的に書込みおよび読出しが可能な不揮発EEPROMなどにより構成されている。
さらに、電流制御装置100A内において、開閉回路部120は、開閉素子121(たとえば、PNP接合形トランジスタ)と、開閉素子121のベース回路に接続された駆動抵抗122およびNPN形のトランジスタ123からなる直列回路と、開閉素子121のベース・エミッタ端子間に接続された安定抵抗124と、トランジスタ123のベース・エミッタ端子間に接続された安定抵抗125とにより構成されている。
開閉素子121の一端は、電源端子104Pに接続され、開閉素子121の他端は、抵抗値がR1の電流検出抵抗126を介して出力端子108に接続され、これにより、電気負荷107に対する給電が行われるようになっている。
転流ダイオード127は、電流検出抵抗126および誘導性の電気負荷107を含む直列回路に対して並列接続され、且つ、開閉素子121が開路(OFF)したときに電気負荷107の減衰電流が還流する極性となるように接続されている。
一方、目標電流設定回路130は、平滑抵抗131および平滑コンデンサ132からなる平滑回路を構成しており、マイクロプロセッサ111Aから生成されるパルス幅変調制御信号PWMを平滑し、制御電源電圧Vccおよびパルスデューティαを用いて、目標電圧(平均出力電圧)αVccを得るようになっている。
ただし、目標電圧αVcc(=推定監視電圧Es)を決定するパルスデューティαは、パルス幅変調制御信号PWMが論理レベル「H」となって、出力電圧として制御電源電圧Vccを発生している期間と、パルス周期との比率である。
なお、目標電流設定回路130は、DA変換器に代わるアナログ変換手段として用いられており、マイクロプロセッサ111Aからのパルス列出力(1点)によって、アナログ値としての目標電圧αVccが得られるように構成されている。したがって、パルスデューティαと開閉素子121の通電率(通電デューティ)γとは、直接的には一致するものではない。
比較偏差積分回路140は、比較回路141と、比較回路141の入力抵抗142および143と、比較回路141の出力端子および反転入力端子(−)間に挿入された積分コンデンサ144と、比較回路141の出力端子に接続されたヒステリシス回路145とにより構成されている。
比較偏差積分回路140内において、目標電圧αVcc(=Es)は、入力抵抗142を介して比較回路141の非反転入力端子(+)に印加され、監視電圧Ef(後述する)は、入力抵抗143を介して比較回路141の反転入力端子に印加され、積分コンデンサ144は、目標電圧Esと監視電圧Efとの電圧偏差(=Es−Ef)値に対する積分電圧を出力するように構成されている。
ヒステリシス回路145は、比較回路141の出力電圧がたとえば3Vを超過したときに、出力論理レベルが「H」となってトランジスタ123を通電駆動し、比較回路141の出力電圧がたとえば2.5[V]以下に低下したときに、出力論理レベルが「L」に復帰してトランジスタ123を不導通にする。
これにより、正帰還比較回路を構成するヒステリシス回路145によって、開閉回路部120内の開閉素子121を確実にON/OFF駆動するようになっている。
なお、ヒステリシス回路145に代えて、後述する(図7参照)ように、鋸歯状波発生回路146および比較回路147を設け、マイクロプロセッサ111Aからのパルス幅変調制御信号PWMのパルス周期と同期した鋸歯状波発生回路146の出力電圧と、比較回路141の出力電圧とを比較し、この比較結果により開閉回路部120内のトランジスタ123を通電制御することも可能である。
この場合、開閉回路部120内の開閉素子121の開閉周期は、マイクロプロセッサ111Aからのパルス幅変調制御信号PWMのパルス周期と一致する。
また、図1において、電流制御装置100A内の差動増幅回路部150は、外部駆動電源電圧Vbにより動作する差動増幅器151と、抵抗値がR2の入力抵抗152と、抵抗値がR3の入力抵抗153と、抵抗値がR4の分圧抵抗154と、抵抗値がR5の負帰還抵抗155と、抵抗値がR6のバイアス抵抗156と、抵抗値がR7のバイアス抵抗157と、バイアス補正回路を構成するバイアス電源158とにより構成されている。
差動増幅回路部150内において、入力抵抗152、分圧抵抗154、バイアス抵抗156の各抵抗値R2、R4、R6と、入力抵抗153、負帰還抵抗155、バイアス抵抗157の各抵抗値R3、R5、R7との関係は、設計理論値として、以下のように表される。
R2=R3
R4=R5
R6=R7
入力抵抗152は、電流検出抵抗126の正側端子(対地電位=V1)と、差動増幅器151の非反転入力端子(+)との間に接続されている。
入力抵抗153は、電流検出抵抗126の負側端子(対地電位=V2)と、差動増幅器151の反転入力端子(−)(対地電位=E2)との間に接続されている。
分圧抵抗154は、差動増幅器151の非反転入力端子(+)(対地電位=E2)と、接地端子104N(クランド)との間に接続されている。
負帰還抵抗155は、差動増幅器151の出力端子(対地電位=E0)と反転入力端子(−)との間に接続されている。
バイアス抵抗156は、差動増幅器151の非反転入力端子(+)と、バイアス電源158との間に接続されている。
バイアス抵抗157は、差動増幅器151の反転入力端子(−)と、バイアス電源158との間に接続されている。
バイアス電源158は、電源端子104Pの入力電圧(=外部駆動電源電圧Vb)によって動作する基準電圧発生回路により構成され、対地電位がV0のバイアス電圧を生成する。
また、電流制御装置100A内の平滑回路160は、直列抵抗161と、直列抵抗161の一端とグランドとの間に挿入されたコンデンサ162および並列抵抗163と、直列抵抗161の一端と制御電源電圧Vccとの間に挿入された電圧制限ダイオード164とにより構成されている。
平滑回路160内において、直列抵抗161は、差動増幅器151の出力端子と、マイクロプロセッサ111Aの電圧監視入力端子(監視電圧Efが入力される)との間に接続されている。
コンデンサ162は、マイクロプロセッサ111Aの電圧監視入力端子とグランドとの間に接続され、並列抵抗163は、コンデンサ162に対して並列接続されている。
電圧制限ダイオード164は、マイクロプロセッサ111Aの電圧監視入力端子と、制御電源110による制御電源電圧Vccの電源ラインとの間に接続されている。
一方、電流制御装置100A内の過電圧検出回路170は、比較回路171と、出力抵抗172と、入力抵抗173と、分圧抵抗174と、電圧制限ダイオード175とにより構成されている。
出力抵抗172は、比較回路171の出力端子と、マイクロプロセッサ111Aの割込入力端子INTとの間に接続されている。
入力抵抗173は、差動増幅器151の出力端子と、比較回路171の反転入力端子(−)との間に接続されている。
分圧抵抗174は、比較回路171の反転入力端子(−)とグランドとの間に接続されている。
電圧制限ダイオード175は、マイクロプロセッサ111Aの割込入力端子INTと、制御電源110による制御電源電圧Vccの電源ラインとの間に接続されている。
なお、差動増幅器151の出力電圧E0は、マイクロプロセッサ111Aに入力される監視電圧Efの前段部電圧となっており、前段部電圧E0を、直列抵抗161および並列抵抗163で分圧した電圧が監視電圧Efとなる。
また、前段部電圧E0を入力抵抗173および分圧抵抗174で分圧した分圧電圧Ecは、比較回路171の反転入力端子(−)に印加されるようになっている。
過電圧検出回路170内の比較回路171は、差動増幅回路部150内の差動増幅器151と同様に、外部駆動電源電圧Vbにより動作し、比較回路171の非反転入力端子(+)は、制御電源電圧Vccの電源ラインに接続されている。
後述するとおり、前段部電圧E0は、通常は電気負荷107に流れる負荷電流の大きさによって、E0=0[V]〜Vcc(たとえば、Vcc=5[V])の範囲内で変化する。
しかし、短絡事故などの異常発生時には、E0=Vb(=10[V]〜16[V])まで上昇する可能性がある。
したがって、異常発生時におけるマイクロプロセッサ111Aの入力端子への印加電圧を、制御電源電圧Vcc以下のレベルに制限するため、平滑回路160および過電流検出回路170内には、それぞれ、電圧制限ダイオード164、175が接続されている。
ただし、比較回路171の電源電圧として制御電源電圧Vccを使用し、且つ、比較回路171の非反転入力端子(+)への印加電圧を制御電源電圧Vccよりも若干低い電圧(たとえば、DC4[V]程度)に設定すれば、過電流検出回路170内の電圧制限ダイオード175は不要となる。
出力端子108に接続された分圧抵抗191a、192aは、互いに直列接続されて平均電圧測定回路を構成しており、分圧抵抗192aの両端電圧は、監視平均電圧Vaとして、直列抵抗193を介してマイクロプロセッサ111Aに入力される。
マイクロプロセッサ111Aの入力端子には、前述のように、平滑用コンデンサ194が接続されている。
次に、図1のように構成された電流制御装置100Aによる具体的な動作について説明する。
いま、開閉素子121のON時間をτon、OFF時間をτoff、開閉周期をτとすると、通電デューティγは、以下の式(1)で示される。
γ=τon/τ (τ=τon+τoff) ・・・・・(1)
一方、電気負荷107の温度変化に対応した最小抵抗値Rminと最大抵抗値Rmaxとの間で、規格基準抵抗値Rc(=Rmin〜Rmax)を定め、外部駆動電源電圧Vbの変動範囲を最小値Vminと最大値Vmaxとしたときに、規格基準電流Irを、次式によって定義する。
Ir=Vmin/Rc
こうして、各抵抗値Rmin、Rc、Rmax、Vmin、Vmaxなどの固定定数は、不揮発プログラムメモリ113Aまたは不揮発データメモリ114A内に、あらかじめ格納保存されるようになっている。
この場合、もしも電気負荷107の目標負荷電流がIsであって、電気負荷107の抵抗値が規格基準抵抗値Rcに一致していれば、駆動電源電圧がVbであるときの通電デューティ(推定値)γ0は、以下の式(2)で示される。
γ0=(Is/Ir)×(Vmin/Vb)
Ir=Vmin/Rc ・・・(2)
ただし、電流検出抵抗126の抵抗値R1は、R1<<Rminで表され、無視できる程度の小さい値となっている。
また、このときに電気負荷107に印加されている監視平均電圧の概略推定値Vaaは、以下の式(3)により算出される。
Vaa=γ0×Vb
=Vmin×(Is/Ir)
=Is×Rc ・・・(3)
ただし、式(3)において、規格基準抵抗値Rcは、前述のように、Rc=Rmin〜Rmaxの範囲内の値である。
次に、差動増幅器151に関連した特性を明確にすると、非反転入力端子(+)に流入しようとする電流の総和は、ほぼゼロとなることから、以下の式(4)が成立する。
(V1−E1)/R2+(0−E1)/R4+(V0−E1)/R6=0
∴V1/R2+V0/R6=E1/R246 ・・・(4)
ただし、式(4)において、R246は、次式で表される。
R246=1/(1/R2+1/R4+1/R6)
同様に、差動増幅器151の反転入力端子(−)に流入しようとする電流の総和は、ほぼゼロとなることから、以下の式(5)が成立する。
(V2−E2)/R3+(E0−E2)/R5+(V0−E2)/R7=0
∴V2/R3+E0/R5+V0/R7=E2/R357 ・・・(5)
ただし、式(5)において、R357は、次式で表される。
R357=1/(1/R3+1/R5+1/R7)
差動増幅器151において、非反転入力端子(+)の電位E1と、反転入力端子(−)の電位E2とが、ほぼ等しくなるので、式(4)、(5)から、以下の式(6)のように出力電位E0が算出される。
R246×(V1/R2+V0/R6)=R357×(V2/R3+E0/R5+V0/R7)
∴(R246/R2)×V1−(R357/R3)×V2+[(R246/R6)−(R357/R7)]×V0=(R357/R5)×E0 ・・・・・・(6)
ここで、電流検出抵抗126に流れる負荷電流をImとすれば、以下の式(7)が成立する。
V2=V1−Im×R1 ・・・(7)
したがって、出力電圧E0は、式(6)、(7)を用いて、以下の式(8)により算出される。
E0=Kd×V1+Ki×Im+K0 ・・・(8)
ただし、式(8)において、各係数Kd、Ki、K0は、それぞれ、次式のように表される。
Kd=(R246/R2−R357/R3)×(R5/R357)
=(R246/R357)×(R5/R2)−(R5/R3)
Ki=R1×(R357/R3)×(R5/R357)
=R1×(R5/R3)
K0=[(R246/R6)−(R357/R7)]×(R5/R357)×V0
=[(R246/R357)×(R5/R6)−(R5/R7)]×V0
なお、R2≒R3、R4≒R5、R6≒R7であることから、R246≒R357となり、本来は、Kd≒0、K0≒0となる。
ただし、微小負荷電流状態において、差動増幅器151の出力電圧が負の値にならないように、一部の抵抗値は、意図的に不一致にした設計が行われている。
このように、意図的な不平衡回路を構成するときには、たとえば、分圧抵抗154にその誤差比率に見合った微小な抵抗値を有する抵抗を直列接続しておけばよい。
次に、並列抵抗163の抵抗値R163および直列抵抗161の抵抗値R161により分圧される監視電圧Ef(平均値)を算出する。
ここで、期間τonでは、V1=Vbであり、期間τoffでは、V1=−Vdとなるので、監視電圧Ef(平均値)は、以下の式(9)により算出される。なお、Vdは転流ダイオード127の電圧降下である。
Ef=[∫E0dt/τ]×[R163/(R163+R161)]
=[(Kd×Vb+Ki×Im+K0)×τon/τ+(−Kd×Vd+Ki×Im+K0)×τoff/τ]×[R163/(R163+R161)]
∴Ef=A×(Vb+Vd)×γ+B×Im+C ・・・・・・(9)
ただし、式(9)において、各校正定数A、B、Cは、次式のように表される。
A=Kd×[R163/(R163+R161)]
B=Ki×[R163/(R163+R161)]
C=K0×[R163/(R163+R161)]
さらに、分圧抵抗191a、192aの抵抗値を、それぞれ、R191、R192として、監視平均電圧Vaを算出すると、期間τonでは、V1=Vbであり、期間τoffでは、V1=−Vdとなるので、監視平均電圧Vaは、以下の式(10)により算出される。
Va=[Vb×τon/τ−Vd×τoff/τ]×G
=[(Vb+Vd)×γ−Vd]×G
≒(Vb+Vd)×γ×G ・・・(10)
ただし、式(10)において、係数Gは、次式のように表される。
G=R192/(R191+R192)
式(9)、(10)から、監視電圧Efは、以下の式(11)によっても表現することができる。
Ef=D×Va+B×Im+C ・・・(11)
ただし、式(11)において、校正定数Dは、次式のように表される。
D=A/G=Kd×[R163/(R163+R161)]×(R191+R192)/R192
なお、式(9)、(11)内の校正定数A〜Dのうち、校正定数A、Dは、監視電圧Efの誤差成分のうちの電圧比例係数となる。また、校正定数Bは、電流比例係数となり、校正定数Cは、誤差のオフセット成分となる。
次に、図2のフローチャートを参照しながら、図1に示したこの発明の実施の形態1による校正運転用の具体的な動作について説明する。
図2はマイクロプロセッサ111A内の検出誤差校正手段238の処理ルーチンを示している。
図2において、ステップ202、203は、検出誤差校正手段238内の第1のデータ取得手段206を構成する。
同様に、ステップ212〜215は、第2のデータ取得手段216を構成し、ステップ222〜224は、第3のデータ取得手段226を構成し、ステップ232〜235は、校正係数演算手段236を構成する。
校正係数演算手段236において、ステップ232は平均電圧校正手段に対応し、ステップ234は電圧比例係数演算手段に対応し、ステップ235は電流比例係数演算手段に対応する。
また、ステップ237は転送保存手段に対応する。
一方、ステップ201aは、駆動電源101の接続後に、外部ツール900によって第1の校正指令を発生する処理であり、検出誤差校正手段238内の判定ステップ201bに関連する。
同様に、ステップ211aは、電気負荷107の接続を開放した後に、外部ツール900によって第2の校正指令を発生する処理であり、判定ステップ211bに関連する。
また、ステップ221aは、電気負荷107の再接続後に、外部ツール900によって第3の校正指令を発生する処理であり、判定ステップ221bに関連する。
さらに、ステップ231aは、外部ツール900によって第4の校正指令を発生して、演算・転送の開始を指令する処理であり、判定ステップ231bに関連する。
図2において、まず、マイクロプロセッサ111Aは、校正運転を開始し(ステップ200)、外部ツール900から発信された第1の校正指令を受信したか否かを判定する(ステップ201b)。
ステップ201bにおいて、第1の校正指令を受信していない(すなわち、NO)と判定されれば、ステップ201bを繰り返し実行し、第1の校正指令を受信するまで待機状態を保持する。
なお、第1の校正指令を生成する際には、電流制御装置100Aに対して、事前に所定の駆動電源101が接続される(ステップ201a)。
ステップ201bにおいて、第1の校正指令を受信した(すなわち、YES)と判定されれば、第1のデータ取得手段206に進み、パルス幅変調制御信号PWMのパルスデューティαを0%に設定する(ステップ202)。
また、このときの監視電圧Efを誤差電圧Ef0として、所定アドレスのメモリ、たとえばRAMメモリ112内のデータレジスタD10に転送する(ステップ203)。
次に、外部ツール900から発信された第2の校正指令を受信したか否かを判定し(ステップ211b)、第2の校正指令を受信していない(すなわち、NO)と判定されれば、ステップ211bを繰り返し実行し、第2の校正指令を受信するまで待機状態を保持する。
なお、第2の校正指令を生成する際には、電流制御装置100Aに対して事前に所定の駆動電源101を接続した状態で、電気負荷107への接続回路が開放される(ステップ211a)。
ステップ211bにおいて、第2の校正指令を受信した(すなわち、YES)と判定されれば、第2のデータ取得手段216に進み、パルス幅変調制御信号PWMのパルスデューティαを100%に設定する(ステップ212)。
続いて、このときの監視電圧Efの値を誤差電圧Ef1として、所定アドレスのメモリ、たとえばRAMメモリ112内のデータレジスタD20に転送し(ステップ213)、このときの監視平均電圧Vaの値をデータレジスタD21に転送する(ステップ214)。
また、校正用のデジタル電圧計902dから外部ツール900を介して入力された外部駆動電源電圧Vbの値をデータレジスタD22に転送する(ステップ215)。
次に、外部ツール900から発信された第3の校正指令を受信したか否かを判定し(ステップ221b)、第3の校正指令を受信していない(すなわち、NO)と判定されれば、ステップ221bを繰り返し実行し、第3の校正指令を受信するまで待機状態を保持する。
なお、第3の校正指令を生成する際には、電流制御装置100Aに対して事前に所定の駆動電源101を接続した状態で、電気負荷107が接続される(ステップ221a)。
ステップ221bにおいて、第3の校正指令を受信した(すなわち、YES)と判定されれば、第3のデータ取得手段226に進み、パルス幅変調制御信号PWMのパルスデューティαを100%に設定する(ステップ222)。
続いて、このときの監視電圧Efの値を測定電圧Ef2として、所定アドレスのメモリ、たとえばRAMメモリ112内のデータレジスタD30に転送する(ステップ223)。
また、校正用のデジタル電流計901dから外部ツール900を介して入力された外部負荷電流Imの値をデータレジスタD33に転送する(ステップ224)。
次に、外部ツール900から発信された第4の校正指令を受信したか否かを判定し(ステップ231b)、第4の校正指令を受信していない(すなわち、NO)と判定されれば、ステップ231bを繰り返し実行し、第4の校正指令を受信するまで待機状態を保持する。
なお、第4の校正指令を生成する際には、ステップ201a、211a、221aにより第1〜第3の校正指令の生成が完了しているか否かの確認が行われる(ステップ231a)。
ステップ231bにおいて、第4の校正指令を受信した(すなわち、YES)と判定されれば、校正係数演算手段236に進み、ステップ214、215で転送記憶されたデータレジスタの値から、次式のように平均電圧校正係数Kaを算出し、これをデータレジスタD41に転送して書込む(ステップ232:平均電圧校正手段)。
Ka=Vb/Va
=D22/D21→D41
続いて、ステップ203で転送保存された誤差電圧Ef0の値を、オフセット成分CとしてデータレジスタD42に転送して書込む(ステップ233)。
また、ステップ213、203、214で転送記憶されたデータレジスタの値から、次式のように、監視電圧Efの誤差成分の電圧比例係数Dを算出し、これをデータレジスタD43に転送して書込む(ステップ234:電圧比例係数演算手段)。
D=(Ef1−Ef0)/Va
=(D20−D10)/D21→D43
続いて、ステップ223、213、224で転送記憶されたデータレジスタの値から、次式のように監視電圧Efの電流比例係数Bを算出し、これをデータレジスタD44に転送して書込む(ステップ235:電流比例係数演算手段)。
B=(Ef2−Ef1)/Im
=(D30−D20)/D33→D44
最後に、校正係数演算手段236(ステップ232〜235)で算出された各校正定数Ka、C、D、Bを不揮発データメモリ114Aに転送して保存し(ステップ237:転送保存手段)、転送確認照合(図示せず)を実行したうえで、検出誤差校正手段238による校正運転(図2)を終了する(ステップ240)。
次に、図3のフローチャートを参照しながら、図1に示したこの発明の実施の形態1による通常制御(PWM制御)ルーチンの具体的な処理動作について説明する。
図3において、ステップ303〜306は、マイクロプロセッサ111A内の初期設定手段307を構成し、ステップ311〜313は、換算設定手段314を構成し、ステップ323、324は、異常電流状態検出手段326を構成する。
また、初期設定手段307内のステップ304は仮換算推定手段に対応し、後段の判定ステップ323、324は過大電流状態検出手段および過小電流状態検出手段に対応し、最終のステップ325は出力停止・報知手段に対応する。
過大電流状態検出手段(ステップ323)および過小電流状態検出手段(ステップ324)は、異常電流状態検出手段326を構成しており、監視電圧Efと監視平均電圧Vaとの相対関係が許容変動幅を超えて変動したときに、負荷電流の過大または過小を示す警報用の異常電流状態判定信号を生成して、ステップ325に移行するようになっている。
なお、図3においては、ステップ323、324によって過大電流状態または過小電流状態が検出されると、いずれの場合も、ステップ325により出力停止および異常報知が行われるようになっている。
しかし、ステップ325を「出力停止処理ステップ」と「異常報知処理ステップ」とに分割して(図示せず)、図3内のステップ325と同一位置に「異常報知処理ステップ」を設けるとともに、ステップ323でYESと判定されたときのみに「出力停止処理ステップ」を実行することにより、過小電流状態の検出時には「出力停止処理」を実行しないように構成することも可能である。
まず、マイクロプロセッサ111Aは、実行すべき多数の制御フローの中の1つとして、目標負荷電流Isの設定値を生成するために、パルス幅変調制御信号PWMに関する動作を開始する(ステップ300)。
続いて、他の制御フロー(図示せず)で決定された目標負荷電流Isの値を読出し(ステップ301)、フラグ(図示せず)の動作状態を参照して、以下の制御フローの実行が運転開始後の初回動作であるか否かを判定する(ステップ302)。
ステップ302において、初回動作ではない(すなわち、NO)と判定されれば、ステップ310(後述する)に移行し、初回動作である(すなわち、YES)と判定されれば、初期設定手段307内の処理ステップ303に移行する。
ステップ303においては、ステップ301で読出設定された目標負荷電流Isの値と、不揮発プログラムメモリ113Aまたは不揮発データメモリ114Aにあらかじめ格納されている固定定数としての規格基準抵抗値Rc(=Rmin〜Rmax)とを用いて、前述の式(3)から監視平均電圧Vaの概略推定値Vaa(=Is×Rc)を算出する。
続いて、目標負荷電流Isに対応した推定監視電圧Esを、仮換算推定により算出する(ステップ304)。
このとき、前述の式(11)内の外部負荷電流Imに代えて、ステップ301で設定された目標負荷電流Isが流れたと仮定したときの監視電圧Efの値を、推定監視電圧Esとして、以下の式により算出する。
Es=D×Vaa+B×Is+C
この式において、定数D、B、Cは、不揮発データメモリ114Aに既に校正定数として格納されているデータが読出されて使用される。
また、監視平均電圧Vaの概略推定値Vaaとしては、ステップ303で算出された監視平均電圧の概略推定値Vaaの値が使用される。
次に、パルス幅変調制御信号PWMの出力電圧が論理レベル「H」となって制御電源電圧Vccとなっている期間と、推定監視電圧Esのパルス周期との比率を、以下の式のようにパルスデューティαとして算出する(ステップ305)。
α=Es/Vcc
ここで使用される推定監視電圧Esは、ステップ304で算出された値であり、制御電源電圧Vccの値は、不揮発プログラムメモリ113Aまたは不揮発データメモリ114Aにあらかじめ格納されている固定定数が読出されて使用される。
続いて、ステップ305で算出されたパルスデューティαの値に所定倍率Nを乗算し、その整数値分をRAMメモリ112の特定アドレスのメモリとしてのデータレジスタD1に格納するとともに、「N−D1」の値をデータレジスタD2に格納する(ステップ306)。
ここで、所定倍率Nの値は、たとえば、N=1000に設定される。
次に、マイクロプロセッサ111Aに入力されている監視平均電圧Vaの値を読出して(ステップ310)、換算設定手段314の処理に進み、目標負荷電流Isに対応した推定監視電圧Esを算出する(ステップ311)。
このとき、前述の式(11)における外部負荷電流Imに代えて、ステップ301で設定された目標負荷電流Isが流れたと仮定したときの監視電圧Efの値を、推定監視電圧Esとして、以下の式により算出する。
Es=D×Va+B×Is+C
この式において、定数D、B、Cは校正定数として不揮発データメモリ114Aに格納されているデータが読出されて使用される。
また、監視平均電圧Vaとしては、ステップ310で読み出された実際の監視平均電圧Vaの値が使用される。
続いて、上記ステップ305、306と同様に、パルスデューティαを算出し(ステップ312)、パルスデューティαに基づく各データ値をデータレジスタD1、D2に書き込む(ステップ313)。
このとき、パルスデューティαの算出に使用される推定監視電圧Esの値は、ステップ310で読み出された監視平均電圧Vaの値によって変化するようになっている。
上記ステップ311〜313で構成される換算設定手段314は、目標負荷電流Isに対応した監視電圧Efの推定監視電圧Esを目標電圧として設定し、目標電圧に対応したパルスデューティαのパルス幅変調制御信号PWMを生成するために寄与する。
次に、監視平均電圧Vaと、平均電圧校正係数Kaと、電気負荷107の最大抵抗値Rmaxとを用いて、以下の式のように、負荷電流の最小値Iminを算出する(ステップ320)。
Imin=Ka×Va/Rmax
ここで、平均電圧校正係数Kaおよび最大抵抗値Rmaxは、不揮発データメモリ114Aまたは不揮発プログラムメモリ113Aに格納されている値が使用され、監視平均電圧Vaは、ステップ310で読み出された監視平均電圧Vaの現在値である。
また、「Ka×Va」の値は、電気負荷107に実際に印加されている平均電圧の値に相当する。
続いて、監視平均電圧Vaと、平均電圧校正係数Kaと、電気負荷107の最小抵抗値Rminとを用いて、以下の式のように、負荷電流の最大値Imaxを算出する(ステップ321)。
Imax=Ka×Va/Rmin
ここで、平均電圧校正係数Kaおよび最小抵抗値Rminは、不揮発データメモリ114Aまたは不揮発プログラムメモリ113Aに格納されている値、監視平均電圧Vaは、ステップ310で読み出された監視平均電圧Vaの現在値であり、「Ka×Va」の値は、電気負荷107に実際に印加されている平均電圧の値に相当する。
次に、現在の監視電圧Efの値から、前述の式(11)に基づいて外部負荷電流Imを算出し(ステップ322)、外部負荷電流Imの値がステップ321で算出された最大電流Imaxよりも大きいか否かを判定する(ステップ323:過大電流状態検出手段)。
ステップ323において、Im≦Imax(すなわち、NO)と判定されれば、過大電流状態ではないと見なし、続いて、外部負荷電流Imの値がステップ320で算出された最小電流Iminよりも小さいか否かを判定する(ステップ324:過小電流状態検出手段)。
ステップ324において、Im≧Imin(すなわち、NO)と判定されれば、過小電流状態ではないので、正常状態と見なして、PWM制御ルーチン(図3)の動作を終了する(ステップ330)。
一方、ステップ323において、Im>Imax(すなわち、YES:過大電流状態)と判定された場合、または、ステップ324において、Im<Imin(すなわち、YES:過小電流状態)と判定された場合には、異常状態であると見なして、警報用の異常報知信号を出力し(ステップ325:出力停止・報知手段)、PWM制御ルーチン(図3)の動作を終了する(ステップ330)。
なお、ステップ325においては、パルスデューティαを決定するためのデータレジスタD1の値を「0」にクリアして、マイクロプロセッサ111Aからのパルス幅変調制御信号PWMの出力を停止させるとともに、異常報知信号DSPを生成して、警報表示器109を作動させる。
また、動作終了ステップ330は、待機処理となっており、マイクロプロセッサ111Aが他の制御フローを実行した後に、再度動作開始ステップ300が活性化されて、ステップ300〜330の制御フローが繰り返し実行されるようになっている。
次に、図3のPWM制御フローに関連する全体的な概要について説明する。
まず、換算設定手段314で設定される目標電圧(=推定監視電圧Es)は、目標負荷電流Isが実際に流れたと仮定したときの監視電圧Efに相当する値である。
したがって、本来は、マイクロプロセッサ111Aの外部において、目標負荷電流Isと実際に流れる外部負荷電流Imとが一致するように、比較偏差積分回路140による負帰還制御が実行されている。
しかし、監視電圧Efには、外部負荷電流Imに比例した主成分のみならず、電気負荷107に印加される監視平均電圧Vaに比例した誤差成分が含まれている。
電気負荷107の抵抗値は、環境温度や負荷自体の温度上昇によっても変化するので、所定の外部負荷電流Imを得るための監視平均電圧Vaも変化し、したがって、監視電圧Efの誤差成分も変化することになる。
換算設定手段314は、電気負荷107の抵抗値変動にともなって変化する監視平均電圧Vaの値をフィードバックして、目標電圧に反映させている。
したがって、比較偏差積分回路140による負帰還制御を1次帰還制御とすれば、換算設定手段314は、2次帰還制御を行うことになる。
初期設定手段307は、まだ監視平均電圧Vaが測定されていない運転開始時において、規格基準電流Irと目標負荷電流Isとを対比することにより、監視平均電圧の概略推定値Vaaを推定したうえで、仮の目標電圧を設定する手段を構成している。
一方、過大電流状態検出手段(判定ステップ323)により過大電流状態が判定される場合は、電気負荷107の正負の口出線間の短絡(負荷短絡)、巻線間の層間短絡、出力端子108に接続された正相配線と接地端子104Nに接続された接地線との短絡、または、車体や大地などに対する地絡事故などが原因となって発生する。
このような事故に対しては、過電流検出回路170も動作するので、2重系の異常検出が行われていることになる。
たとえば、負荷短絡によって電流検出抵抗126に過大電流が流れると、通常は0[V]〜Vcc(たとえば、Vcc=5[V])の範囲にある差動増幅器151の出力電圧E0が、外部駆動電源電圧Vb(たとえば、Vb=10[V]〜16[V])まで急増する。
したがって、過電流検出回路170内の比較回路171は、出力電圧E0の急増を検出して、異常警報信号を生成する。
このとき、監視電圧Efは、電圧制限ダイオード164により、制御電源電圧Vcc以上の値にならないように制限されているので、外部負荷電流Imが過大になったことを検出することはできない。
しかしながら、負荷短絡が発生した場合には、監視平均電圧Vaが低下することによって、ステップ321で算出される最大電流Imaxの値が急減するので、ステップ323において、過大電流状態であることを判定することができる。
一方、過小電流状態検出手段(ステップ324)により過小電流状態が判定される場合は、電気負荷107や配線の断線事故の場合と、正相配線の天絡事故の場合とがあげられる。
特に、正相配線の天絡事故において、出力端子108と電源端子104Pとが完全短絡した場合には、電流検出抵抗126に流れる電流が0[A]になり、目標負荷電流Isと実際の負荷電流との間に乖離が発生するので、異常検出を簡単に行うことができる。
同様に、断線事故が発生した場合も、電流検出抵抗126に流れる電流は0[A]になり、目標負荷電流Isと実際の負荷電流との間に乖離が発生するので、異常検出を簡単に行うことができる。
しかし、出力端子108から電気負荷107に至るまでの正相配線の遠隔位置と、電源端子104Pから駆動電源101に至るまでの電源配線の遠隔位置との間で、天絡事故が発生した場合には、配線抵抗値R0と電流検出抵抗126の抵抗値R1とによる並列回路が構成されるので、電流検出抵抗126に流れる電流は、R0/(R0+R1)の比率で減少することになる。
このような天絡事故の場合には、単に目標負荷電流Isと実際の負荷電流とを比較するのみでは、以下のように、異常状態の検出が不可能な状態が発生する。
たとえば、抵抗値R0による天絡事故が発生している状態で、開閉素子121を完全導通させたときに、目標負荷電流Isが、電流検出抵抗126への分流電流Ix以下の値であれば、制御目標値と実測値とを一致させる帰還制御が可能であり、目標値と実測値との間で乖離が発生することはなく、したがって、異常検出するこができないことになる。
しかし、判定ステップ323、324における比較基準は、電気負荷107に実際に印加されている現在の監視平均電圧Vaを監視して得られる値に基づいている。
すなわち、ステップ320、321において、電気負荷107の最大抵抗値Rmaxおよび最小抵抗値Rminから算出される最小電流値Iminおよび最大電流値Imaxを推定し、ステップ323、324において、これらの電流値が電流検出抵抗126に流れているか否かを判定しているので、高精度に異常判定を行うことができる。
なお、ステップ323、324では、外部負荷電流Imと最大外部負荷電流Imaxおよび最小外部負荷電流Iminとを比較したが、ステップ321、320で算出された最大外部負荷電流Imaxおよび最小外部負荷電流Iminを、差動増幅回路部150の出力電圧に換算して、最大監視電圧Emaxおよび最小監視電圧Eminに変換し、監視電圧Efと最大監視電圧Emaxおよび最小監視電圧Eminとを比較してもよい。
要は、監視電圧Efと監視平均電圧Vaとの相対関係が異常に乖離していないことを判定すればよく、いずれの場合も同等の判定結果を得ることができる。
次に、図4のフローチャートを参照しながら、図1に示したこの発明の実施の形態1による割込制御(定時割込)ルーチンの具体的な処理動作について説明する。
図4において、ステップ406は出力停止・報知手段に対応する。
また、ステップ410〜414からなる動作ステップ415は、出力フラグFoがセット(ステップ423)されてからリセット(ステップ413)されるまで実行され、この実行期間は、ステップ422で設定されたデータレジスタD1の値に依存し、パルス幅変調制御信号PWMの論理レベルが「H」となっている期間に相当する。
一方、ステップ420〜424からなる動作ステップ425は、出力フラグFoがリセット(ステップ413)されてからセット(ステップ423)されるまで実行され、この実行期間は、ステップ412で設定されたデータレジスタD2の値に依存し、パルス幅変調制御信号PWMの論理レベルが「L」となっている期間に相当する。
まず、マイクロプロセッサ111Aは、ほぼ一定時間間隔で活性化される定時割込動作を開始(ステップ400)して、過電流検出回路170による割込入力端子INTへの入力動作をチェックし、異常報知信号の警報入力が有るか否かを判定する(ステップ401)。
ステップ401において、過電流検出回路170から割込入力端子INTへの警報入力が有り(すなわち、YES)と判定されれば、出力停止・報知手段による異常報知処理(ステップ406)に移行する。
ステップ406においては、パルス幅変調制御信号PWMの論理を「L」に設定し、出力フラグFoを「0」にリセットするとともに、異常報知信号DSPを生成して警報表示器109を作動させる。
続いて、図4の割込ルーチンを終了し、割込開始した時点における元の制御ステップに復帰する(ステップ408)。
一方、ステップ401において、割込入力端子INTへの警報入力が無い(すなわち、NO)と判定されれば、続いて、今回の処理がマイクロプロセッサ111Aの運転開始後の初回動作であるか否かを判定する(ステップ402)。
ステップ402において、初回動作でない(すなわち、NO)と判定されれば、後述するフラグ判定処理(ステップ407)に移行する。
一方、初回動作である(すなわち、YES)と判定されれば、パルス幅変調制御信号PWMの論理レベルを「L」に設定し(ステップ403)、割込回数計数用の減算カウンタ(レジスタ)D0の現在値の内容を「1」に設定し(ステップ404)、さらに、出力フラグFoを「1(ON)」にセットする(ステップ405)。
次に、出力フラグFoを参照し、ステップ405(または、後述するステップ423)の処理が既に実行されたか否か、すなわち、出力フラグFoが「1」にセットされているか否かを判定する(ステップ407)。
ステップ407において、Fo=1(すなわち、YES)と判定されれば、減算カウンタ(レジスタ)D0の現在値をデクリメント(1カウント分だけ減算)する(ステップ410)。
続いて、減算カウンタ(レジスタ)D0の現在値が、依然として「0」を超過しているか否かを判定し(ステップ411)、D0>0(すなわち、YES)と判定されれば、割込復帰処理(ステップ408)に移行する。
また、減算カウンタ(レジスタ)D0の現在値が「0」となり、ステップ411において、D0≦0(すなわち、NO)と判定されれば、前述(図3参照)のステップ306(または、ステップ313)で設定されたデータレジスタD2の値(パルス幅変調制御信号PWMのOFF幅)を、レジスタD0に転送する(ステップ412)。
続いて、ステップ405(または、ステップ423)でセットされた出力フラグFoを「0」にリセットし(ステップ413)、さらに、パルス幅変調制御信号PWMの論理レベルを「L」に設定して(ステップ414)、割込復帰処理(ステップ408)に移行する。
一方、出力フラグFoがリセットされていて、ステップ407において、Fo=0(すなわち、NO)と判定されれば、割込回数計数用の減算カウンタ(レジスタ)D0の現在値をデクリメント(1カウント分だけ減算)する(ステップ420)。
続いて、レジスタD0の現在値が依然として「0」を超過しているか否かを判定し(ステップ421)、D0>0(すなわち、YES)と判定されれば割込復帰処理(ステップ408)に移行し、D0≦0(すなわち、NO)と判定されれば、データレジスタD1の値(パルス幅変調制御信号PWMのON幅)を、レジスタD0に転送する(ステップ422)。
また、ステップ413でリセットされていた出力フラグFoを「1」にセットし(ステップ423)、さらに、パルス幅変調制御信号PWMの論理レベルを「H」に設定して(ステップ424)、割込復帰処理(ステップ408)に移行する。
以上の説明から明らかなように、この発明の実施の形態1による電流制御装置100A(図1参照)は、給電回路(開閉素子121を含む開閉回路部120と、電流検出抵抗126とを有する)と、給電回路を制御するためのマイクロプロセッサ111Aを有する電流制御部とを備え、駆動電源101から給電回路を介して電気負荷107に給電するとともに、電気負荷107に通電すべき目標負荷電流Isと、電流検出抵抗126により検出される負荷電流とが一致するように、給電回路内の開閉素子121のON/OFF比率を制御するようになっている。
また、電流制御装置100A内の電流制御部は、マイクロプロセッサ111Aに加えて、目標電流設定回路130と、比較偏差積分回路(帰還制御手段)140と、電流検出用の差動増幅回路部150と、平滑回路160とを備えている。
また、マイクロプロセッサ111Aは、不揮発プログラムメモリ113Aと、不揮発データメモリ114Aと、演算処理用のRAMメモリ112と、多チャンネルAD変換器115とを備えている。
マイクロプロセッサ111Aは、通常のPWM制御時の換算設定手段314(図3参照)を構成するとともに、外部ツール900、デジタル電流計901dおよびデジタル電圧計902dと関連して、校正運転時の検出誤差校正手段238(図2参照)を構成している。
差動増幅回路部150は、開閉素子121と電気負荷107との間に接続された電流検出抵抗126の両端電圧の差分電圧を差動増幅器151により増幅し、電気負荷107に通電される負荷電流にほぼ比例した監視電圧Efを生成してマイクロプロセッサ111Aに入力する。
検出誤差校正手段238は、製品の出荷調整時点で実行され、差動増幅回路部150による監視電圧Efの電流比例係数B、誤差成分の電圧比例係数Dおよびオフセット成分Cを計測し、これらを校正定数として不揮発データメモリ114Aに保存する。
換算設定手段314は、目標負荷電流Isに対して校正定数D、B、Cに基づく演算を施すことにより、目標負荷電流Isに対応した推定監視電圧Esを算出設定する。
比較偏差積分回路(帰還制御手段)140は、目標負荷電流Isに対応した推定監視電圧Esを制御目標値とし、監視電圧Efを帰還値として開閉素子121の通電を制御する。
なお、少なくとも検出誤差校正手段238および換算設定手段314は、不揮発プログラムメモリ113Aに格納された制御プログラムに基づいて、マイクロプロセッサ111Aによって実行される。
また、図1に示すように、給電回路は、転流ダイオード127を含み、差動増幅回路部150は、バイアス補正回路158を含む。
転流ダイオード127は、電気負荷107と開閉素子121との間に接続された電流検出抵抗126と、電気負荷107とからなる直列回路に対して並列接続されており、開閉素子121が開路したときに、電気負荷107のインダクタンスによる持続減衰電流が還流する極性となるように配置されている。
バイアス補正回路158は、差動増幅器151の第1および第2の入力端子に対して、ほぼ均等な正のバイアス電圧を印加し、開閉素子121が開路しているときに、転流ダイオード127の電圧降下によって印加される負電圧を相殺し、差動増幅器151に負電圧入力が印加されないようにしている。
これにより、電流検出抵抗126が接地端子側に設けられていないことに起因して発生する負電圧入力を相殺することができ、差動増幅器151や多チャンネルAD変換器115が正負の電圧を扱う必要がないようにすることができる。
また、電流制御装置100Aは、平均電圧測定回路(分圧抵抗191a、192a)を備え、平均電圧測定回路は、電気負荷107の両端電圧を、分圧回路(分圧抵抗191a、192a)と多チャンネルAD変換器115とを介して、マイクロプロセッサ111Aに入力するための監視平均電圧Vaを得るようになっている。
また、図2に示すように、検出誤差校正手段238は、第1、第2および第3のデータ取得手段206、216、226と、校正係数演算手段236と、転送保存手段237とを含む。
第1のデータ取得手段206は、電流制御装置100Aに対して所定の外部駆動電源電圧Vbを印加し、第1の校正指令が入力されたときに作用して、開閉素子121を完全開路した状態で差動増幅回路部150から生成される監視電圧Efを、誤差電圧Ef0としてRAMメモリ112に書込み記憶させる。
第2のデータ取得手段216は、電気負荷107に対する接続配線を切断した状態で第2の校正指令が入力されたときに作用して、開閉素子121を完全導通させた状態で差動増幅回路部150から生成される監視電圧Efを、誤差電圧Ef1としてRAMメモリ112に書込み記憶させるとともに、監視平均電圧VaをRAMメモリ112に書込み記憶させる。
第3のデータ取得手段226は、電気負荷107に対する給電回路を接続した状態で第3の校正指令が入力されたときに作用して、開閉素子121を完全導通させた状態で差動増幅回路部150から生成される監視電圧Efを、測定電圧Ef2としてRAMメモリ112に書込み記憶させるとともに、外部で測定された外部負荷電流Imを取り込んでRAMメモリ112に書込み記憶させる。
校正係数演算手段236は、差動増幅回路部150による監視電圧(平均値)Efと、監視平均電圧Vaと、外部負荷電流Imとの関係が、以下の関係を満たすようにする。
Ef=D×Va+B×Im+C
ここで、オフセット成分Cは、第1のデータ取得手段206により記憶された誤差電圧Ef0と一致しており、誤差成分の電圧比例係数Dは、第1および第2のデータ取得手段206、216により得られたデータから、以下のように算出される。
D=(Ef1−Ef0)/Va
また、電流比例係数Bは、第2および第3のデータ取得手段216、226により得られたデータから、以下のように算出される。
B=(Ef2−Ef1)/Im
転送保存手段(ステップ237)は、校正係数演算手段236による演算結果である電圧比例係数D、電流比例係数Bおよびオフセット成分Cの各値を校正定数として不揮発データメモリ114Aに転送保存する。
これにより、要因別の校正定数D、B、Cを手順良く効率的に算出して保存することができるので、量産製品に対する生産ライン中で手軽な自動化設備を付加することにより、校正操作を実行することができる。
検出誤差校正手段238内の校正係数演算手段236は、平均電圧校正手段(ステップ232)を含み、平均電圧校正手段232は、第2または第3のデータ取得手段216、226で取得された外部駆動電源電圧Vbを取り込んでRAMメモリ112に書込み記憶させ、転送保存手段237は、開閉素子121が完全導通しているときの監視平均電圧Vaと外部駆動電源電圧Vbとの間の平均電圧校正係数Ka(=Vb/Va)を算出して不揮発データメモリ114Aに転送保存する。
これにより、電流制御装置100Aの運転中において、開閉素子121が完全導通している状態で、監視平均電圧Vaの値から外部駆動電源電圧Vbの値を正確に算出することができ、外部駆動電源電圧Vbの算出値を他の目的に有効に利用することができる。
また、電流制御装置100Aは、校正操作用外部ツール900とマイクロプロセッサ111Aとの間を接続するSIF(シリアル通信用インタフェース回路)116を備えている。
これにより、校正運転における校正指令、駆動電源101の電圧情報および負荷電流情報は、高精度な校正用測定器(デジタル電流計901d、デジタル電圧計902d)による測定値(デジタルデータ)として、外部ツール900からSIF116を介してマイクロプロセッサ111Aに入力されるので、そのままRAMメモリ112に転送記憶することができる。
また、電流制御装置100Aは、目標電流設定回路130および比較偏差積分回路140を備え、マイクロプロセッサ111A内の不揮発プログラムメモリ113Aは、目標値の換算設定手段314(図3参照)を含む。
目標電流設定回路130は、制御電源110からの制御電源電圧Vccに応動するデジタル/アナログ変換回路により構成されており、マイクロプロセッサ111Aから生成されるパルス幅変調制御信号PWMを平滑化して、安定化された制御電源110による一定の制御電源電圧Vccとパルスデューティαとの積に比例した平均出力電圧αVccを得る。
比較偏差積分回路140は、目標電流設定回路130の平均出力電圧αVccを目標電圧とし、差動増幅回路部150から生成される監視電圧Efを帰還電圧として、両者の偏差積分値に基づき開閉素子121をON/OFF制御する帰還制御手段を構成している。
換算設定手段314は、目標負荷電流Isから、以下の式のように推定監視電圧Esを算出する。
Es=D×Va+B×Is+C
また、換算設定手段314は、推定監視電圧Esの値と平均出力電圧αVccの値とが一致するように、以下の式により、パルス幅変調制御信号PWMのパルスデューティαを決定する。
α=Es/Vcc
これにより、マイクロプロセッサ111Aは、外部負荷電流Imと目標負荷電流Isとが一致するのに適した目標電圧を生成し、実際の負荷電流は、外部回路によって帰還制御される。
なお、マイクロプロセッサ111Aは、目標電圧の生成に際しては監視電圧Efから算出された校正定数を適用しているが、運転中の帰還制御に際しては、監視電圧Efに依存した電流制御を適用せずに、監視平均電圧Vaを監視して電流検出の誤差成分を補正するのみなので、マイクロプロセッサ111Aの制御負担が軽減され、しかも高精度の電流制御を実現することができる。
また、不揮発プログラムメモリ113Aは、初期設定手段307を構成するプログラムを含み、初期設定手段307は、最小電源電圧Vminと基準負荷電流Irと目標負荷電流Isとの関係から、以下の式により算出された監視平均電圧Vaの概略推定値Vaaを適用する。
Vaa=Vmin×(Is/Ir)
また、初期設定手段307は、以下の式のように、パルス幅変調制御信号のパルスデューティαの初期値αiを決定する。
αi=(D×Vaa+B×Is+C)/Vcc
なお、基準負荷電流Irは、電気負荷107の抵抗値変動範囲Rmin〜Rmaxの範囲内で、規格基準抵抗値Rcを定め、以下の式により算出される。
Ir=Vmin/Rc
これにより、運転開始に際して、速やかに目標負荷電流Isに到達することができる。
また、電流制御装置100Aは、比較偏差積分回路(帰還制御手段)140、差動増幅回路部150および換算設定手段314(図3参照)に加えて、制御電源110と、過電流検出回路170と、出力停止・異常報知手段(警報表示器109、ステップ325、406)とを備えている。
制御電源110は、駆動電源101から給電されて、外部駆動電源電圧Vbよりも低い電圧値の安定化された制御電源電圧Vccを生成してマイクロプロセッサ111Aに給電する。
差動増幅回路部150は、外部駆動電源電圧Vbの印加により動作して、開閉素子121と電気負荷107との間に接続された電流検出抵抗126の両端電圧の差分電圧を増幅する差動増幅器151を含み、電気負荷107に通電される負荷電流にほぼ比例した監視電圧Efを生成してマイクロプロセッサ111Aに入力する。
換算設定手段314は、所定の目標負荷電流Isが電流検出抵抗126に流れたと仮定したときに、差動増幅回路部150から生成される監視電圧Esを算出設定する。
比較偏差積分回路(帰還制御手段)140は、マイクロプロセッサ111Aからのパルス幅変調制御信号PWMに応じた推定監視電圧Esを目標値とし、監視電圧Efを帰還値として、開閉素子121の通電デューティγを制御する。
過電流検出回路170は、差動増幅回路部150から得られた監視電圧Efの前段部電圧E0の値が所定値(≧制御電源電圧Vcc)を超過したときに、過電流判定信号を生成してマイクロプロセッサ111A(割込入力端子INT)に警報入力する。
また、平滑回路160は、電圧制限ダイオード164を含み、マイクロプロセッサ111Aに入力される監視電圧Efを制御電源電圧Vcc以下のレベルに制限する。
出力停止・異常報知手段(警報表示器109、ステップ325、406)は、過電流判定信号の生成に応答して、マイクロプロセッサ111Aからのパルス幅変調制御信号PWMの出力を停止させるとともに、異常停止状態であることを警報表示器109に警報表示させる。
給電回路内の開閉素子121は、負荷短絡が発生すると、過電流検出回路170の作用で遮断されるが、過渡的には電流検出抵抗126により電流制限される。
また、開閉素子121および電流検出抵抗126は、互いに隣接接続されているので、電気負荷107に対する専用配線を削減することができる。
さらに、配線や電気負荷107の短絡異常に対して電流検出抵抗126の限流機能により焼損防止対策が容易な給電回路構成において、電気負荷107自体の短絡事故や正相配線の地絡事故を、マイクロプロセッサ111Aの外部で速やかに検出して、開閉素子121や電流検出抵抗126の焼損を防止することができる。また、正常運転時の監視電圧Efを、制御電源電圧Vccの範囲内で十分大きな値に設定して、制御精度の低下を防止することができる。
また、過電流検出回路170から生成される警報信号(過電流判定信号)は、マイクロプロセッサ111Aの割込入力端子INTに印加されており、これにより、過電流判定信号の生成に即応して出力停止手段(ステップ406)が作用するようになっている。
したがって、異常発生に即応して、速やかにマイクロプロセッサ111Aからのパルス幅変調制御信号PWMを停止させることができる。
また、電流制御装置100Aは、比較偏差積分回路(帰還制御手段)140、差動増幅回路部150および換算設定手段314(図3参照)に加えて、平均電圧測定回路(分圧抵抗191a、192a)と、過大電流状態検出手段(ステップ323)および過小電流状態検出手段(ステップ324)の少なくとも一方を含む異常電流状態検出手段326と、出力停止・異常報知手段(警報表示器109、ステップ325)とを備えている。
平均電圧測定回路は、電気負荷107の両端電圧を、分圧抵抗191a、192aおよび多チャンネルAD変換器115により監視平均電圧Vaとしてマイクロプロセッサ111Aに入力する。
過大電流状態検出手段(ステップ323)は、監視電圧Efと監視平均電圧Vaとの相対関係が許容変動幅を超えて変動し、監視電圧Ef(負荷電流)が過大であると判定されたときに、警報用の異常電流状態判定信号を生成する。
同様に、過小電流状態検出手段(ステップ324)は、監視電圧Efと監視平均電圧Vaとの相対関係が許容変動幅を超えて変動し、監視電圧Ef(負荷電流)が過小であると判定されたときに、警報用の異常電流状態判定信号を生成する。
出力停止・異常報知手段(警報表示器109、ステップ325)は、過大電流状態検出手段(ステップ323)または過小電流状態検出手段(ステップ324)からの異常電流状態判定信号に応答して、少なくとも過大電流状態においてマイクロプロセッサ111Aからのパルス幅変調制御信号PWMを停止させるとともに、異常停止状態であることを警報表示する。
また、少なくとも、換算設定手段314、異常電流状態検出手段326(過大電流状態検出手段、過小電流状態検出手段の少なくとも一方)および出力停止手段(ステップ325)は、不揮発プログラムメモリ113Aに格納されている制御プログラムに基づいて、マイクロプロセッサ111Aによって実行される。
また、給電回路内の開閉素子121および電流検出抵抗126は、互いに隣接接続されているので、電気負荷107に対する専用配線を削減することができる。
さらに、配線や電気負荷107の短絡異常に対して電流検出抵抗126の限流機能により焼損防止対策が容易な給電回路構成において、電気負荷107の短絡または断線や、負荷配線の短絡、天絡、地絡または断線などの事故を、マイクロプロセッサ111Aにより正確に検出して、開閉素子121や電流検出抵抗126の焼損を確実に防止することができる。
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1(図1参照)では、分圧抵抗191a、192aから検出された監視平均電圧Vaをマイクロプロセッサ111Aに入力したが、図5のように、異常電流状態検出回路190(比較回路196、197)に入力される測定平均電圧Eaを監視平均電圧Vaとしてマイクロプロセッサ111Bに入力してもよい。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態2について、図1との相違点を中心にして説明する。
図5はこの発明の実施の形態2に係る電気負荷の電流制御装置の全体構成を示す回路図であり、前述(図1)と同様の構成については、前述と同一符号を付して、または符号の後に「B」を付して詳述を省略する。
図5において、電流制御装置100Bは、前述と同様に、制御電源110から給電されるマイクロプロセッサ111Bを中心として、開閉回路部120、目標電流設定回路130、比較偏差積分回路140、差動増幅回路部150、平滑回路160、過電流検出回路170などによって構成されており、密閉筐体(図示せず)に収納されている。
この場合、前述(図1参照)のデジタル電流計901dおよびデジタル電圧計902dに代えて、校正用のアナログ電流計901aおよびアナログ電圧計902aが設けられている。
また、電流制御装置100Bに接続される外部機器としては、外部ツール900が省略されている点を除けば、前述(図1参照)と同様である。
すなわち、電流制御装置100Bには、電源端子104P、接地端子104N、出力端子108が設けられており、また、外部機器として、駆動電源101、ヒューズ102、電源スイッチ103、スイッチ入力群105d、アナログ入力群105a、電気負荷群106、電気負荷107および警報表示器(異常報知手段)109が接続されている。
電流制御装置100B内において、制御電源110から制御電源電圧Vccが給電されるマイクロプロセッサ111Bは、前述と同様に、演算処理用のRAMメモリ112と、不揮発プログラムメモリ113Bと、不揮発データメモリ114Bと、多チャンネルAD変換器115とにより協働するように構成されている。
この場合、マイクロプロセッサ111Bは、処理プログラムの一部が変更されており、不揮発プログラムメモリ113Bおよび不揮発データメモリ114Bの内容が変更されている。
また、マイクロプロセッサ111Bは、前述のSIF116が省略されており、前述の割込入力端子INTに代えて、入力端子DEMを備えている。
なお、製品出荷前の校正運転に際しては、スイッチ入力群105dの中の所定番号の入力スイッチから、マイクロプロセッサ111Bに対して、デジタル入力ポートDINを介して校正指令が供給される。
これにより、電気負荷107に直列接続された校正用のアナログ電流計901aの出力信号(外部負荷電流Im)と、駆動電源101に接続された校正用のアナログ電圧計902aの出力信号(電源端子104Pに印加される外部駆動電源電圧Vb)とは、アナログ入力群105aの中の所定番号の入力端子からマイクロプロセッサ111Bに供給され、RAMメモリ112に転送されるようになっている。
また、電流制御装置100Bは、追加構成として、比較偏差積分回路140の出力側に挿入された駆動抵抗128と、セット入力Sおよびリセット入力Rを有するフリップフロップ回路からなる異常発生記憶回路181と、リセット入力Rに接続された初期化コンデンサ182と、セット入力Sに接続された駆動抵抗183と、駆動抵抗128と開閉回路部120との接続点にコレクタ端子が接続されたエミッタ接地のトランジスタ184と、駆動抵抗183とトランジスタ184のベース端子との接続点とグランドとの間に接続された安定抵抗185とを備えている。
さらに、電流制御装置100Bは、平滑回路160とグランドとの間に直列に挿入されて監視電圧Efを分圧する分圧抵抗195a、195b、195cと、各分圧電圧と測定平均電圧Ea(監視平均電圧Vaに対応)とを比較する比較回路196、197と、比較回路196、197の出力信号と過電流検出回路170の出力信号との論理積をとるナンド回路(論理積否定出力素子)198とを備えている。
比較回路196、197は、異常電流状態検出回路190を構成しており、一方の比較回路196は、過大電流状態検出回路を構成し、他方の比較回路197は、過小電流状態検出回路を構成している。
また、論理積否定出力素子198の出力信号は、マイクロプロセッサ111Bの入力端子DEMに入力されるとともに、異常発生記憶回路181のセット入力Sにも入力されている。
なお、論理積否定出力素子198は、マイクロプロセッサ111B内の構成要素に含めることもできる。
また、図5においては、異常電流状態検出回路190として、比較回路196、197(過大電流状態検出回路、過小電流状態検出回路)の両方を含む場合を示しているが、異常電流状態検出回路190は、比較回路196、197の少なくとも一方を含んでいればよい。
また、マイクロプロセッサ111Bは、少なくとも、比較回路196により過大電流状態が判定された場合の異常電流状態判定信号(過大電流状態判定信号)に応答して、出力停止・報知手段(図6内のステップ625)を有効化するようになっている。
一方、差動増幅器151の出力電圧E0は、前述と同様に、マイクロプロセッサ111Bに入力される監視電圧Efの前段部電圧となっており、図1に参照されるように、平滑回路160内の直列抵抗161および並列抵抗163で前段部電圧E0を分圧した電圧が監視電圧Efとなる。また、過電流検出回路170内において、入力抵抗173および分圧抵抗174による前段部電圧E0の分圧電圧Ecが比較回路171の反転入力に印加される。比較回路171は、差動増幅器151と同様に、外部駆動電源電圧Vbにより動作し、その非反転入力は、制御電源電圧Vccの電源ラインに接続されている。
さらに、前述のように、前段部電圧E0は、通常は電気負荷107に流れる負荷電流の大きさによって、0[V]〜Vcc(Vcc=5[V])の間で変化するが、短絡事故などの異常発生時には、Vb(=10[V]〜16[V])まで上昇するので、論理積否定出力素子198の入力端子に印加される電圧を制御電源電圧Vcc以下に制限するために、過電流検出回路170内には、電圧制限ダイオード175(図1参照)が接続されている。
ただし、過電流検出回路170内の比較回路171(図1参照)の電源電圧として制御電源電圧Vccを使用し、且つ、比較回路171の非反転入力端子の電圧を制御電源電圧Vccよりも若干低い電圧(たとえば、DC4[V]程度)に設定すれば、電圧制限ダイオード175を省略することができる。
図5において、過電流検出回路170の出力端子は、論理積否定出力素子198の第1の入力端子に接続されている。
分圧抵抗195a、195b、195cは、互いに直列接続されて、監視電圧Efを第1および第2の電圧に分圧しており、分圧抵抗195aと分圧抵抗195bとの接続点での第1の分圧電圧と、分圧抵抗195bと分圧抵抗195cとの接続点での第2の分圧電圧との大小関係は、第1の分圧電圧>第2の分圧電圧となっている。
過大電流状態検出回路を構成する比較回路196において、非反転入力端子(+)には、監視平均電圧Vaに相当する測定平均電圧Eaが印加され、反転入力端子(−)には、監視電圧Efの第2の分圧電圧が印加され、出力端子は、論理積否定出力素子198の第3の入力端子に接続されている。
また、過小電流状態検出回路を構成する比較回路197において、反転入力端子(−)には、監視平均電圧Vaに相当する測定平均電圧Eaが印加され、非反転入力端子(+)には、監視電圧Efの第1の分圧電圧(>第2の分圧電圧)が印加され、出力端子は、論理積否定出力素子198の第2の入力端子に接続されている。
一方、異常発生記憶回路181に接続された初期化コンデンサ182は、電源投入時に異常発生記憶回路181をリセットしておくように、リセット入力Rと制御電源110の出力端子(制御電源電圧Vcc)との間に接続されている。
論理積否定出力素子198の出力信号は、マイクロプロセッサ111Bの入力端子DEMに警報用の異常電流状態判定信号として印加されるとともに、異常発生記憶回路181のセット入力Sに印加されている。
これにより、論理積否定出力素子198は、3つの入力信号のうちの少なくとも1つが論理レベル「L」になると、論理レベル「H」の出力信号を生成し、マイクロプロセッサ111Bに対して警報入力を行うとともに、異常発生記憶回路181をセットするようになっている。
異常発生記憶回路181からのセット出力信号は、駆動抵抗183を介してトランジスタ184のベース端子に印加される。
安定抵抗185は、グランドを介して、トランジスタ184のベース端子とエミッタ端子との間に接続されている。
開閉回路部120は、比較偏差積分回路140から駆動抵抗128を介して通電制御される。
トランジスタ184のコレクタ端子(出力端子)は、開閉回路部120内のトランジスタ123(図1参照)のベース端子とエミッタ端子との間に接続されている。
これにより、異常発生記憶回路181が論理積否定出力素子198の出力信号により異常状態を記憶したときには、トランジスタ184が導通することによって、開閉回路部120内のトランジスタ123および開閉素子121(図1参照)が不導通になるよう構成されている。
次に、図6のフローチャートを参照しながら、図5に示したこの発明の実施の形態2による通常のPWM制御ルーチンの具体的な処理動作について説明する。
なお、この発明の実施の形態2による検出誤差校正処理は、前述(図2参照)と同じ要領で実行されるが、校正指令、および、校正用のアナログ電圧計902aやアナログ電流計901aからの測定信号は、スイッチ入力群105dおよびアナログ入力群105aの一部の入力信号として、マイクロプロセッサ111Bに供給されるようになっている。
図6において、各ステップ(または、手段)600〜614、625および630については、前述(図3参照)の各ステップ(または、手段)300〜314、325および330と同様なので詳述を省略する。
この場合、PWM制御を開始し(ステップ600)、読出処理(ステップ601)および初回動作判定処理(ステップ602)を実行し、初期設定手段607および換算設定手段614の処理(ステップ603〜613)が終了すると、入力端子DEMに対して警報信号が有るか否かを判定する(ステップ624)。
ステップ624において、入力端子DEMに警報入力が有り(すなわち、YES)と判定されれば、異常報知信号の出力処理(ステップ625)に移行し、警報入力が無い(すなわち、NO)と判定されれば、図6の処理ルーチンの終了ステップ630に移行する。
ステップ625においては、前述と同様に、データレジスタD1の内容を「0」にクリアするとともに、異常報知信号DSPを生成して警報表示器(異常報知手段)109を作動させる。
ステップ606、613、625により、データレジスタD1、D2の内容が設定されると、前述(図4参照)と同様に、パルス幅変調制御信号PWMが生成される。
ただし、この発明の実施の形態2においては、割込入力端子INTが使用されていないので、図4内の判定ステップ401および異常報知出力ステップ406が除外されたものとして動作が実行される。
図5の回路構成において、過電流検出回路170は、過電流異常が発生したときに、前述(図1参照)の割込入力端子INTに警報入力するのでなく、代わりに、論理積否定出力素子198、異常発生記憶回路181およびトランジスタ184を介して、開閉回路部120内の開閉素子121(図1参照)を即時に不導通にする。
また、過電流検出回路170の出力信号(過電流状態を示す)は、論理積否定出力素子198を介してマイクロプロセッサ111Bの入力端子DEMに入力される。
これにより、パルス幅変調制御信号PWMの出力が停止され、警報表示器109が異常報知手段として駆動される。
ここで、過大電流状態検出回路を構成する比較回路196の動作は、前述(図3)のステップ323に相当しており、過小電流状態検出回路を構成する比較回路197の動作は、前述(図3)のステップ324に相当している。
ただし、前述の実施の形態1では、各ステップ323、324の処理がマイクロプロセッサ111A(図1参照)のソフトウエアに依存しているのに対し、実施の形態2では、ハードウエア(回路)に依存している。
したがって、各比較回路196、197により過大電流状態や過小電流状態が検出されると、異常電流状態判定信号は、論理積否定出力素子198および異常発生記憶回路181を介して、開閉素子121を不導通にする。また、同時に、異常電流状態判定信号は、入力端子DEMを介してマイクロプロセッサ111Bに入力され、パルス幅変調制御信号PWMの出力を停止させるとともに、警報表示器(異常報知手段)109を駆動する。
なお、監視電圧Efの値は、負荷電流として規格基準電流(基準負荷電流)Irが流れたと仮定したときに、ほぼ制御電源電圧Vcc(=5[V])となるように、電流検出抵抗126の抵抗値と差動増幅回路部150の増幅率とが設計されている。
一方、監視平均電圧Vaの値は、開閉素子121が完全導通して、外部駆動電源電圧Vbが最大値Vmax(=16[V])となったときに、ほぼ制御電源電圧Vcc(=5[V])となるように設計されている。
規格基準電流Irは、外部駆動電源電圧Vbが最小値Vmin(=10[V])であるときの電流値であるから、通常の運転状態では監視平均電圧Vaは、5×(10/16)(=3.15)[V]のレベル以下の値となっている。したがって、外部負荷電流Imが0[A]〜Irに変化すると、監視平均電圧Vaは、0[V]〜3.15[V]に変化することになる。
これに対して、監視電圧Efは、外部負荷電流Imが0[A]〜Irに変化すると、0[V]〜5[V]に変化することになるので、分圧抵抗195a、195b、195cによる第1の分圧電圧は、たとえば0[V]〜3.8[V]に設定され、第2の分圧電圧は、たとえば0[V]〜2.5[V]に設定されており、通常は、比較回路196、197の出力信号は論理レベル「H」となっている。
しかし、異常発生によって、監視電圧Efと監視平均電圧Vaとの相対関係が許容変動幅を超えて変化すると、比較回路196または比較回路197の出力信号が論理レベル「L」となり、異常状態を検出することができる。
以上のように、この発明の実施の形態2による電流制御装置100B(図5参照)は、不揮発プログラムメモリ113Bと、不揮発データメモリ114Bと、演算処理用のRAMメモリ112と、多チャンネルAD変換器115とを有するマイクロプロセッサ111Bと、駆動電源101から給電されて外部駆動電源電圧Vbよりも低い電圧値の安定化された制御電源電圧Vccを生成してマイクロプロセッサ111Bに給電する制御電源110と、差動増幅回路部150と、換算設定手段614(図6参照)と、比較偏差積分回路(帰還制御手段)140と、過電流検出回路170と、出力停止手段625(図6参照)と、異常報知手段109とを備えている。
差動増幅回路部150は、電気負荷107の外部駆動電源電圧Vbが電源電圧として印加されて動作し、開閉素子121と電気負荷107との間に接続された電流検出抵抗126の両端電圧の差分電圧を増幅する差動増幅器151を有し、電気負荷107に通電される負荷電流にほぼ比例した監視電圧Efを生成してマイクロプロセッサ111Bに入力する。
換算設定手段614(図6参照)は、所定の目標負荷電流Isが電流検出抵抗126に流れたと仮定したときに、差動増幅回路部150から生成される監視電圧Esを算出設定する。
比較偏差積分回路(帰還制御手段)140は、マイクロプロセッサ111Bからのパルス幅変調制御信号PWMに応じた推定監視電圧Esを目標値とし、監視電圧Efを帰還値として、開閉素子121(図1参照)の通電デューティを制御する。
過電流検出回路170は、差動増幅回路部150によって得られた監視電圧Efの前段部電圧E0の値が制御電源電圧Vcc以上の所定値を超過したときに、過電流判定信号を生成してマイクロプロセッサ111Bに警報入力する。
このとき、電圧制限ダイオード164(図1参照)は、マイクロプロセッサ111Bに入力される監視電圧Efを制御電源電圧Vccレベルに制限する。
出力停止手段(ステップ625)および異常報知手段(警報表示器109)は、過電流判定信号の生成に応答して、マイクロプロセッサ111Bからのパルス幅変調制御信号PWMの出力を停止させるとともに、異常停止状態であることを警報表示する。
また、給電回路内の開閉素子121および電流検出抵抗126は、互いに隣接接続されているので、電気負荷107に対する専用配線を削減することができる。
また、配線や電気負荷107の短絡異常に対して電流検出抵抗126の限流機能により焼損防止対策が容易な給電回路構成において、負荷配線や電気負荷107の短絡事故を、マイクロプロセッサ111Bの外部で速やかに検出して、開閉素子121や電流検出抵抗126の焼損を防止するとともに、正常運転時の監視電圧Efを制御電源電圧Vccの範囲内で十分大きな値に設定して、制御精度の低下を回避することができる。
また、過電流検出回路170には、マイクロプロセッサ111Bの入力端子DEMに接続される警報信号入力回路(論理積否定出力素子198)と、異常発生記憶回路181とが付加されており、異常発生記憶回路181は、過電流判定信号によりセットされて開閉素子121の導通を停止させるとともに、電源投入時にリセットされるようになっている。
したがって、異常(過電流)発生に即応して、マイクロプロセッサ111Bに依存せずに、速やかに開閉素子121を開路することができる。
また、入力端子DEMからマイクロプロセッサ111Bにも警報信号(過電流判定信号)が供給されるので、マイクロプロセッサ111Bは、開閉素子121に対するパルス幅変調制御信号PWMの出力を停止させることができ、2重に安全を図ることができる。
また、電流制御装置100Bは、平均電圧測定回路と、異常電流状態検出回路190(過大電流状態検出回路196および過小電流状態検出回路197の少なくとも一方)とを備え、平均電圧測定回路は、電気負荷107の両端電圧に比例した測定平均電圧Eaを得るようになっている。
過大電流状態検出回路(比較回路)196は、監視電圧Efと測定平均電圧Eaとの相対関係が許容変動幅を超えて変動し、監視電圧Efが過大であるときに、異常(過大)電流状態判定信号(警報信号)を生成して、マイクロプロセッサ111Bの入力端子DEMに供給する。
過小電流状態検出回路(比較回路)197は、監視電圧Efと監視平均電圧Vaとの相対関係が許容変動幅を超えて変動し、監視電圧Efが過小であるときに、異常(過小)電流状態判定信号(警報信号)を生成して、マイクロプロセッサ111Bの入力端子DEMに供給する。
出力停止手段(ステップ625)および異常報知手段(警報表示器109)は、過大電流状態検出回路196または過小電流状態検出回路197からの異常電流状態判定信号に応答して、マイクロプロセッサ111Bからのパルス幅変調制御信号PWMの出力を停止させるとともに、異常停止状態であることを警報表示する。
また、電気負荷107の断線または短絡や、負荷配線の短絡、天絡、地絡または断線を、マイクロプロセッサ111Bの外部で検出して、マイクロプロセッサ111Bの負担を軽減して、開閉素子121や電流検出抵抗126の焼損を防止することができる。
さらに、過大電流状態検出回路196または過小電流状態検出回路197には、マイクロプロセッサ111Bの入力端子DEMに接続される警報信号入力回路(論理積否定出力素子198)と、異常発生記憶回路181とが付加されており、異常発生記憶回路181は、警報信号の生成によってセットされて開閉素子121の導通を停止させるとともに、電源投入時にリセットされるようになっている。
したがって、異常電流状態判定信号の発生に即応して、マイクロプロセッサ111Bに依存せずに、速やかに開閉素子121(図1参照)を開路することができる。
また、入力端子DEMを介してマイクロプロセッサ111Bにも警報信号が供給されているので、マイクロプロセッサ111Bは、開閉素子121に対するパルス幅変調制御信号PWMの出力を停止させることができ、2重に安全を図ることができる。
実施の形態3.
なお、上記実施の形態2(図5参照)では、測定平均電圧Eaを監視平均電圧Vaとしてマイクロプロセッサ111Bに入力したが、図7のように、電源電圧測定回路(分圧抵抗191b、192b)から検出される電源監視電圧Vfをマイクロプロセッサ111Cに入力してもよい。
図7はこの発明の実施の形態3に係る電気負荷の電流制御装置の全体構成を示す回路図であり、前述(図1、図5参照)と同様の構成については、前述と同一符号を付して、または符号の後に「C」を付して詳述を省略する。
図7において、電流制御装置100Cは、前述と同様に、制御電源110から給電されるマイクロプロセッサ111Cを中心として、開閉回路部120、目標電流設定回路130、比較偏差積分回路140C、差動増幅回路部150および平滑回路160などの各種回路部によって構成され、密閉筐体(図示せず)に収納されている。
また、電流制御装置100Cには、前述と同様に、電源端子104P、接地端子104N、出力端子108が設けられており、また、外部機器として、駆動電源101、ヒューズ102、電源スイッチ103、スイッチ入力群105d、アナログ入力群105a、電気負荷群106、電気負荷107および警報表示器(異常報知手段)109などが接続されている。
なお、製品出荷前の校正運転に際しては、スイッチ入力群105dの中の所定番号の入力端子から校正指令が供給され、電気負荷107に直列接続された校正用のアナログ電流計901aの出力信号と、電源端子104Pに印加された駆動電源101の外部駆動電源電圧Vbを測定する校正用のアナログ電圧計902aの出力信号とは、アナログ入力群105aの中の所定番号の入力端子からマイクロプロセッサ111Cに供給され、後述するようにRAMメモリ112に転送されるようになっている。
電流制御装置100Cの内部の構成として、制御電源110から制御電源電圧Vccが給電されるマイクロプロセッサ111Cは、演算処理用のRAMメモリ112と、不揮発プログラムメモリ113Cと、不揮発データメモリ114Cと、多チャンネルAD変換器115とにより協働するように構成されている。
なお、この場合、不揮発データメモリ114Cは、ブロック単位で一括消去が可能な不揮発プログラムメモリ113Cの一部の領域が利用されており、後述するように校正定数を格納する。
開閉回路部120、目標電流設定回路130、差動増幅回路部150は、前述と同様に構成されているが、差動増幅回路部150に関連する転流ダイオード127は、電気負荷107に対して並列接続されており、電流検出抵抗126は、転流ダイオード127の外部に接続されている。
したがって、平滑回路160内のコンデンサ162(図1参照)は、前述よりも大きい静電容量に設定されている。
比較偏差積分回路140Cは、前述(図1)のヒステリシス回路145に代えて、鋸歯状波発生回路146と比較回路147とが用いられている。
鋸歯状波発生回路146は、マイクロプロセッサ111Cからのパルス幅変調制御信号PWMのパルス周期と同期して三角波を生成する。
また、比較偏差積分回路140C内の比較回路147は、鋸歯状波発生回路146から生成される三角波の電圧が比較積分部141〜144の出力電圧よりも低い期間においては、出力論理を「H」レベルにして、駆動抵抗128およびトランジスタ123を介して、開閉素子121を導通させるように構成されている。
平均電圧測定回路を構成する分圧抵抗191a、192aは、前述と同様に、互いに直列接続されて、出力端子108に接続されており、分圧抵抗192aの両端電圧は、直列抵抗193を介して平滑コンデンサ194に印加され、測定平均電圧Eaが得られるようになっている。
この場合、測定平均電圧Eaが監視平均電圧Vaとしてマイクロプロセッサ111Cに入力されることはない。
一方、マイクロプロセッサ111Cの入力ポート側には、分圧抵抗191b、192bからなる分圧回路が設けられている。
電源電圧測定回路を構成する分圧抵抗191b、192bは、互いに直列接続されて開閉素子121の入力端子(駆動電源101の出力端子)に接続されており、分圧抵抗192bの両端電圧は、電源監視電圧Vfとしてマイクロプロセッサ111Cに入力されている。
分圧抵抗195a、195b、195cは、前述と同様に、互いに直列接続されて監視電圧Efの電圧を第1および第2の電圧(第1の電圧>第2の電圧)に分圧している。
また、過大電流状態検出回路となる比較回路196において、非反転入力(+)には、測定平均電圧Eaが印加され、反転入力(−)には、監視電圧Efから分圧された第2の電圧が印加され、出力端子は、論理積否定出力素子198Cの第2入力端子に接続されている。
同様に、過小電流状態検出回路となる比較回路197において、反転入力(−)には、測定平均電圧Eaが印加され、非反転入力(+)には、監視電圧Efから分圧された第1の電圧が印加され、出力端子は、論理積否定出力素子198Cの第1入力端子に接続されている。
論理積否定出力素子198Cは、2つの入力端子のうちの少なくとも一方の論理レベルが「L」になると、出力論理レベルが「H」となる。
論理積否定出力素子198Cの出力端子は、マイクロプロセッサ111Cの割込入力端子INTに接続され、過大電流状態または過小電流状態を示す異常電流状態判定信号を、警報信号としてマイクロプロセッサ111Cに入力するようになっている。
次に、図8のフローチャートを参照しながら、図7に示したこの発明の実施の形態3による校正運転用の具体的な動作について説明する。
図8において、ステップ800〜840は、前述(図2)のステップ200〜240にそれぞれ対応した処理である。
ただし、校正係数演算手段836内のステップ832、834で求められる係数Kv、Aが前述(係数Ka、D)と異なる。
まず、マイクロプロセッサ111Cの校正運転を開始し(ステップ800)、スイッチ入力群105dの1つとして入力された第1の校正指令を受信したか否かを判定し(ステップ801b)、受信した(すなわち、YES)と判定されれば、ステップ802に移行し、未受信である(すなわち、NO)と判定されれば、ステップ801bに復帰して第1の校正指令を受信するまで待機する。
なお、第1の校正指令を生成する際には、事前に電流制御装置100Cに所定の駆動電源101を接続しておく(ステップ801a)。
ステップ802においては、パルス幅変調制御信号PWMのパルスデューティαを0%に設定する。
続いて、このときの監視電圧Efの値である誤差電圧Ef0を、たとえばRAMメモリ112内の所定アドレスのメモリであるデータレジスタD10に転送する(ステップ803)。
ステップ802、803は、第1のデータ取得手段806を構成している。
ステップ803に続いて、スイッチ入力群105dの1つとして入力された第2の校正指令を受信したか否かを判定し(ステップ811b)、受信した(すなわち、TES)と判定されれば、ステップ812に移行し、未受信である(すなわち、NO)と判定されれば、ステップ811bに復帰して第2の校正指令を受信するまで待機する。
なお、第2の校正指令を生成する際には、事前に電流制御装置100Cに所定の駆動電源101を接続した状態で電気負荷107への接続回路を開放しておく(ステップ811a)。
ステップ812においては、パルス幅変調制御信号PWMのパルスデューティαを100%に設定する。
続いて、このときの監視電圧Efの値である誤差電圧Ef1を、たとえばRAMメモリ112内の所定アドレスのメモリであるデータレジスタD20に転送する(ステップ813)。
また、このときの電源監視電圧Vfの値をデータレジスタD21に転送し(ステップ814)、アナログ入力群105aの1つとしてアナログ電圧計902aから入力された外部駆動電源電圧Vbの値をデータレジスタD22に転送する(ステップ815)。
ステップ812〜815は、第2のデータ取得手段816を構成している。
ステップ815に続いて、スイッチ入力群105dの1つとして入力された第3の校正指令を受信したか否かを判定し(ステップ821b)、受信した(すなわち、YES)と判定されれば、ステップ822に移行し、未受信である(すなわち、NO)と判定されれば、ステップ821bに復帰して第3の校正指令を受信するまで待機する。
なお、第3の校正指令を生成する際には、事前に電流制御装置100Cに所定の駆動電源101を接続した状態で電気負荷107を接続しておく(ステップ821a)。
ステップ822においては、パルス幅変調制御信号PWMのパルスデューティαを100%に設定する。
続いて、このときの監視電圧Efの値である測定電圧Ef2を、たとえばRAMメモリ112内の所定アドレスのメモリであるデータレジスタD30に転送し(ステップ823)、アナログ入力群105aの1つとしてアナログ電流計901aから入力された外部負荷電流Imの値をデータレジスタD33に転送する(ステップ824)。
ステップ822〜824は、第3のデータ取得手段826を構成している。
ステップ824に続いて、スイッチ入力群105dの1つとして入力された第4の校正指令を受信したか否かを判定し(ステップ831b)、受信した(すなわち、YES)と判定されれば、ステップ832に移行し、未受信である(すなわち、NO)と判定されれば、ステップ831bに復帰して第4の校正指令を受信するまで待機する。
なお、第4の校正指令を生成する際には、第1〜第3の校正指令の生成が完了しているか否かの確認を行う(ステップ831a)。
ステップ832においては、ステップ814、815で転送記憶したデータレジスタの値から、電源電圧校正係数Kvを以下の式のように算出し、これをデータレジスタD41に転送書込みする。
Kv=Vb/Vf
=D22/D21→D41
続いて、ステップ803で転送保存された誤差電圧Ef0の値を、オフセット成分CとしてデータレジスタD42に転送書込みする(ステップ833)。
また、ステップ813、803、815で転送記憶したデータレジスタの値から、監視電圧Efの誤差成分の電圧比例係数Aを以下の式のように算出し、これをデータレジスタD43に転送書込みする(ステップ834)。
A=(Ef1−Ef0)/(Vb+Vd)
=(D20−D10)/(D22+1)→D43
続いて、ステップ823、813、824で転送記憶したデータレジスタの値から、監視電圧Efの電流比例係数Bを以下の式のように算出し、これをデータレジスタD44に転送書込みする(ステップ835)。
B=(Ef2−Ef1)/Im
=(D30−D20)/D33→D44
なお、ステップ832は電源電圧校正手段を構成しており、ステップ834は電圧比例係数演算手段を構成しており、ステップ835は電流比例係数演算手段を構成している。
また、ステップ832〜835は、校正係数演算手段となるステップ836を構成している。
最後に、ステップ835に続いて、ステップ832〜ステップ835で算出された各校正定数を、不揮発データメモリ114Cに転送して保存し(ステップ837)、転送確認照合(図示せず)を実行したうえで、図8の校正運転を終了する(ステップ840)。
ステップ837は、転送保存手段を構成している。
さらに、上記ステップ801bからステップ837に至る一連の処理ステップは、検出誤差校正手段838を構成している。
次に、図9のフローチャートを参照しながら、図7に示したこの発明の実施の形態3による通常のPWM制御ルーチンの具体的な処理動作について説明する。
図9において、ステップ910、911、914〜917、920は、前述(図3、図6参照)のステップ300(600)、301(601)、311〜314(611〜614)、330(630)にそれぞれ対応する。
まず、マイクロプロセッサ111Cは、実行すべき多数の制御フローの中の1つとして、目標負荷電流Isの設定値を出力するためのPWM(パルス幅変調)制御に関する動作を開始する(ステップ910)。
続いて、他の制御フロー中(図示せず)で決定された目標負荷電流Isの値を読出し(ステップ911)、また、電源監視電圧Vfを読出し(ステップ912)、以下の式のように、通電デューティ(推定通電率)γ0を推定演算する(ステップ913)。
γ0=(Vmin/Vb)×(Is/Ir)
ただし、上記式において、外部駆動電源電圧Vb、基準負荷電流Irは、電源監視電圧Vf、校正係数Kv、外部駆動電源電圧Vbの最小値Vmin、規格基準抵抗値Rcを用いて、それぞれ以下の式で表される。
Vb=Kv×Vf
Ir=Vmin/Rc
なお、外部駆動電源電圧Vbの最小値Vminや規格基準抵抗値Rcの値は、あらかじめ不揮発プログラムメモリ113Cに格納されている値である。
また、目標負荷電流Isは、ステップ911で読み出された値であり、電源監視電圧Vfは、ステップ912で読み出された値であり、電源電圧校正係数Kvは、図8内のステップ832で算出された値となっている。
次に、ステップ913に続いて、目標負荷電流Isに対応した推定監視電圧Esを算出する(ステップ914)。
ステップ914においては、前述の式(9)における外部負荷電流Imに代えて、ステップ911で設定された目標負荷電流Isが流れたと仮定したときの監視電圧Efの値を、推定監視電圧Esとして算出する。
また、以下の式で示す校正定数A、B、Cとしては、不揮発データメモリ114Cに格納されているデータ値(校正定数)が読出されて使用される。
Es=A×(Vb+Vd)×γ0+B×Is+C
ただし、上記式において、外部駆動電源電圧Vb、転流ダイオード127の電圧降下Vdは、それぞれ以下の式で表される。
Vb=Kv×Vf
Vd≒1[V]
続いて、パルス幅変調制御信号PWMの出力電圧が論理レベル「H」(制御電源電圧Vcc)となっている期間と、パルス幅変調制御信号PWMのパルス周期との比率であるパルスデューティαを、推定監視電圧Esおよび制御電源電圧Vccを用いて、以下の式のように算出する(ステップ915)。
α=Es/Vcc
上記式で使用される推定監視電圧Esは、ステップ914で算出された値である。
また、制御電源電圧Vccの値は、不揮発プログラムメモリ113Cまたは不揮発データメモリ114Cにあらかじめ格納されている固定定数が読出されて使用されるようになっている。
最後に、ステップ915で算出されたパルスデューティαの値に所定倍率Nを乗算し、その整数値分をRAMメモリ112の特定アドレスのメモリであるデータレジスタD1に格納するとともに、N−D1の値をデータレジスタD2に格納し(ステップ916)、図9のPWM制御ルーチンを終了する(ステップ920)。
ステップ916で用いられる所定倍率Nの値は、前述と同様に、たとえば、N=1000に設定される。
また、ステップ913は、通電率推定手段を構成しており、ステップ914〜916は、換算設定手段917を構成している。
なお、パルス幅変調制御信号PWMの発生手段となる割込制御ルーチンについては、前述(図4参照)と同様なので、ここでは省略する。
以上のように、この発明の実施の形態3においては、前述の実施の形態1、2と異なる第1の相違点として、マイクロプロセッサ111Cに対して監視平均電圧Vaが入力されず、その代わりに、電源監視電圧Vfが入力されていることがあげられる。
本来は、実施の形態1、2のように監視平均電圧Vaを入力する方が望ましいが、その場合、1つの電気負荷107の電流制御のために、マイクロプロセッサ111Cの2点のアナログ入力ポートが占有されることになる。
しかし、この発明の実施の形態3のように電源監視電圧Vfを入力する場合には、電流制御が行われる電気負荷が複数存在する場合に共用可能な入力信号とすることができる。
ただし、監視平均電圧Vaがマイクロプロセッサ111Cに入力されていないことにともなって、図9内のステップ913(通電率推定手段)が必要となる。
また、この発明の実施の形態3における実施の形態1、2との第2の相違点は、過電流検出回路170が使用されておらず、過大電流状態検出回路(比較回路)196と、過小電流状態検出回路(比較回路)197とによる異常判定が行われて、マイクロプロセッサ111Cの割込入力端子INTに異常発生を示す警報信号を入力することである。
なお、上記実施の形態1〜3において、差動増幅回路部150が正確に負荷電流を検出している限りは、電源電圧の変動や負荷抵抗の変動があっても、目標負荷電流Isと実際の外部負荷電流Imとは一致するように帰還制御されているが、実際には、差動増幅回路部150において電流検出誤差が発生する。
この電流検出誤差は、超高精度抵抗を使用して、差動増幅器151の反転入力回路と非反転入力回路とを完全対称回路に設計し、また、電流検出抵抗126として理論値とおりの高精度抵抗を使用すれば無視できるようになるが、このような対策は、極めて割高な回路部品を使用することとなって高価な製品となる問題がある。
しかし、安価な回路部品を使用しても、前述の実施の形態1、2のように、監視平均電圧Vaを帰還して電流検出の誤差成分を補正するように構成すれば、電源電圧の変動や負荷抵抗の変動があっても、目標負荷電流Isと実際の外部負荷電流Imとを一致させることができる。
ただし、この発明の実施の形態3においては、電流検出の誤差成分の中で、電源電圧そのものの変動要素は補正されているが、負荷抵抗の変動にともなう平均電圧の変動は補正されていないことになる。
また、図2や図8で示した検出誤差校正手段238、838において、もし電流制御装置100A、100Cが電気負荷107の低電流領域のみで電流制御を行う用途であった場合には、第2または第3の校正指令に基づいて開閉素子121(図1参照)を完全導通させたときに、過大電流が流れることになるが、この場合には、複数の電気負荷を直列接続して校正運転を行えば支障は生じない。
また、校正運転設備として高精度な駆動電源101を使用し、あらかじめ定められた駆動電源電圧を正確に生成するように構成すれば、校正用の電圧計を設置しなくてもよく、電流制御装置100A、100C内に供給される駆動電源電圧をあらかじめ定まっている所定値にすることができる。
同様に、負荷電流についても、あらかじめ定められた所定値となるように構成すれば、校正用の電流計を不要とすることができる。
また、差動増幅回路部150内の差動増幅器151や、マイクロプロセッサ111C内の多チャンネルAD変換器115が正負の電圧を扱うことが可能な場合には、差動増幅回路部150内のバイアス補正回路158を不要とすることができる。
さらに、開閉素子121として、接合形トランジスタを用いたが、これに代えて、電界効果形トランジスタを使用することもできる。
以上の説明から明らかなとおり、この発明の実施の形態3による電流制御装置100C(図7参照)は、不揮発プログラムメモリ113Cと、不揮発データメモリ114Cと、演算処理用のRAMメモリ112と、多チャンネルAD変換器115とを備えたマイクロプロセッサ111Cと、差動増幅回路部150と、検出誤差校正手段838(図8参照)と、換算設定手段917(図9参照)と、比較偏差積分回路(帰還制御手段)140Cとを備えている。
差動増幅回路部150は、開閉素子121と電気負荷107との間に接続された電流検出抵抗126の両端電圧の差分電圧を差動増幅器151によって増幅し、電気負荷107に通電される負荷電流にほぼ比例した監視電圧Efを生成してマイクロプロセッサ111Cに入力する。
検出誤差校正手段838(図8参照)は、製品の出荷調整時点で実行され、差動増幅回路部150による監視電圧Efの電流比例係数Bと、誤差成分の電圧比例係数Aと、オフセット成分Cとを計測して、校正定数として不揮発データメモリ114Cに保存する。
換算設定手段917(図9参照)は、目標負荷電流Isに対し、校正定数に基づいて推定監視電圧Esを算出設定する。
比較偏差積分回路(帰還制御手段)140Cは、目標負荷電流Isに対応した推定監視電圧Esを制御目標値とし、監視電圧Efを帰還値として、開閉素子121の通電を制御する。
少なくとも、検出誤差校正手段838および換算設定手段917は、不揮発プログラムメモリ114Cに格納された制御プログラムに基づき、マイクロプロセッサ111Cによって実行されるようになっている。
電気負荷107に対する給電回路は、転流ダイオード127を備えており、差動増幅回路部150は、バイアス補正回路158を備えている。
転流ダイオード127は、電気負荷107に対して並列接続され、開閉素子121が開路したときに、電気負荷107のインダクタンスによる持続減衰電流が還流する極性となるように接続されている。
差動増幅回路部150内のバイアス補正回路158は、差動増幅器151の第1および第2の入力に対して、ほぼ均等な正のバイアス電圧を印加し、開閉素子121が開路しているときに、転流ダイオード127の電圧降下によって印加される負電圧を相殺し、差動増幅器151に負電圧入力が印加されないようにする。
これにより、電流検出抵抗126が接地端子104N側に設けられていないことに起因して発生する負電圧入力を相殺して、差動増幅器151や多チャンネルAD変換器115が正負の電圧を扱う必要がないようにすることができる。
また、電流制御装置100Cは、分圧回路(分圧抵抗191b、192b)からなる電源電圧測定回路を備えており、検出誤差校正手段838(図8参照)は、第1、第2および第3のデータ取得手段806、816、826と、校正係数演算手段836と、転送保存手段(ステップ837)とを備えている。
電源電圧測定回路(分圧抵抗191b、192b)は、開閉素子121の入力電圧を分圧して電源監視電圧Vfとし、多チャンネルAD変換器115を介してマイクロプロセッサ111Cに入力する。
第1のデータ取得手段806は、電流制御装置100Cに対して所定の外部駆動電源電圧Vbを印加し、第1の校正指令が入力されたときに作用して、開閉素子121を完全開路した状態で差動増幅回路部150から生成される監視電圧Efを、誤差電圧Ef0としてRAMメモリ112に書込み記憶させる。
第2のデータ取得手段816は、給電回路から電気負荷107に至る配線を切断した状態で第2の校正指令が入力されたときに作用して、開閉素子121を完全導通させた状態で差動増幅回路部150から生成される監視電圧Efを、誤差電圧Ef1としてRAMメモリ112に書込み記憶させるとともに、外部で測定された外部駆動電源電圧Vbの値と電源監視電圧Vfの値とをRAMメモリ112に書込み記憶させる。
第3のデータ取得手段826は、給電回路から電気負荷107に至る配線を接続した状態で第3の校正指令が入力されたときに作用して、開閉素子121を完全導通させた状態で差動増幅回路部150から生成される監視電圧Efを、測定電圧Ef2としてRAMメモリ112に書込み記憶させるとともに、外部で測定された外部負荷電流Imを取り込んでRAMメモリ112に書込み記憶させる。
校正係数演算手段836は、電源電圧校正係数Kv、オフセット成分C、誤差成分の電圧比例係数A、電流比例係数Bを、以下のように求める。
まず、転流ダイオード127の電圧降下をVd(≒1V)とし、開閉素子の通電デューティをγとしたときに、差動増幅回路部150による監視電圧(平均値)Efと外部駆動電源電圧Vbと外部負荷電流Imとの関係は、以下の式で表される。
Ef=A×(Vb+Vd)×γ+B×Im+C
ここで、オフセット成分Cは、第1のデータ取得手段806で記憶された誤差電圧Ef0に一致している。また、誤差成分の電圧比例係数Aは、第1および第2のデータ取得手段806、816で得られたデータから、以下の式により算出される。
A=(Ef1−Ef0)/(Vb+Vd)
また、電流比例係数Bは、第2および第3のデータ取得手段816、826で得られたデータから、以下の式により算出される。
B=(Ef2−Ef1)/Im
さらに、電源電圧校正係数Kvは、外部駆動電源電圧Vbと電源監視電圧Vfとの比から、以下の式により算出される。
Kv=Vb/Vf
転送保存手段(ステップ837)は、校正係数演算手段836による演算結果(電圧比例係数A、電流比例係数B、オフセット成分C、電源電圧校正係数Kv)の値を校正定数として不揮発データメモリ114Cに転送保存する。
これにより、要因別の校正定数を手順良く且つ効率的に算出して保存することができるので、量産製品に対する生産ライン中で手軽な自動化設備を付加することによって、校正操作を行うことができる。
また、電流制御装置100Cは、スイッチ入力群105dおよびアナログ入力群105aと、マイクロプロセッサ111Cとの間をバス接続する入力インタフェース回路(図示せず)を備えており、校正運転における校正指令は、スイッチ入力群105dの中の所定番号のスイッチ入力として、デジタル入力ポートDINからマイクロプロセッサ111Cに入力される。
同様に、駆動電源101の電圧情報、電気負荷107の負荷電流情報は、アナログ入力群105aの中の所定番号のアナログ入力として、アナログ入力ポートAINからマイクロプロセッサ111Cに入力され、RAMメモリ112に転送記憶される。
これにより、電流制御装置100Cが備えている通常機能をそのまま活用して、校正指令や計測情報を入力することができるので、校正操作設備を安価に構成することができる。
また、電流制御装置100Cは、目標電流設定回路130と比較偏差積分回路140Cとを備えている。
また、不揮発プログラムメモリ113Cは、図9に示すように、通電率推定手段(ステップ913)と目標値の換算設定手段917とを備えている。
目標電流設定回路130は、デジタル/アナログ変換回路を構成しており、マイクロプロセッサ111Cから生成されるパルス幅変調制御信号PWMを平滑化して、安定化された制御電源110による一定の制御電源電圧Vccとパルスデューティαとの積に比例した平均出力電圧αVcc(推定監視電圧Es)を得る。
比較偏差積分回路140Cは、帰還制御手段を構成しており、目標電流設定回路130の平均出力電圧αVccを目標電圧とし、差動増幅回路部150から生成される監視電圧Efを帰還電圧として、これらの偏差積分値によって開閉素子121をON/OFF制御する。
通電率推定手段(ステップ913)は、外部駆動電源電圧Vbと最小電源電圧Vminと基準負荷電流Irと目標負荷電流Isとの関係から、開閉素子121の通電デューティの推定値γ0を、以下の式のように算出する。
γ0=(Vmin/Vb)×(Is/Ir)
換算設定手段917は、まず、目標負荷電流Isから、以下の式により、推定監視電圧Esを算出する。
Es=A×(Vb+Vd)×γ0+B×Is+C
続いて、推定監視電圧Esおよび平均出力電圧αVccの各値が一致するように、パルス幅変調制御信号PWMのパルスデューティαを、以下の式のように決定する。
α=Es/Vcc
一方、外部駆動電源電圧Vbは、電源監視電圧Vfおよび電源電圧校正係数Kvから、以下の式により算出される。
Vb=Kv×Vf
また、基準負荷電流Irは、電気負荷107の抵抗値変動範囲Rmin〜Rmax内で規格基準抵抗値Rcを定め、以下の式により算出される。
Ir=Vmin/Rc
したがって、マイクロプロセッサ111Cは、外部負荷電流Imと目標負荷電流Isとが一致するのに適した目標電圧を生成する。これにより、実際の外部負荷電流Imは、マイクロプロセッサ111Cの外部で帰還制御されるようになっている。
なお、マイクロプロセッサ111Cは、目標電圧の生成に際しては、監視電圧Efを用いて算出された校正定数を用いるが、運転中の帰還制御に際しては、監視電圧Efに依存した電流制御を実行せずに、電源監視電圧Vfによって電流検出の誤差成分を補正するのみである。
したがって、マイクロプロセッサ111Cの制御負担が軽減され、しかも高精度な電流制御を実現することができる。
なお、電源監視電圧Vfは、他の目的にも使用可能な情報であり、たとえば複数の電気負荷に対する電流制御を行うときには、電源監視電圧Vfを共用することができる。
また、電流制御装置100Cは、不揮発プログラムメモリ113Cと、不揮発データメモリ114Cと、RAMメモリ112と、多チャンネルAD変換器115とを有するマイクロプロセッサ111Cと、差動増幅回路部150と、換算設定手段917(図9参照)と、比較偏差積分回路(帰還制御手段)140Cと、平均電圧測定回路(分圧抵抗191a、192a)と、過大電流状態検出回路(比較回路196)および過小電流状態検出回路(比較回路197)の少なくとも一方と、出力停止手段(ステップ406:図4参照)と、警報表示器(異常報知手段)109とを備えている。
換算設定手段917は、所定の目標負荷電流Isが電流検出抵抗126に流れたと仮定したときに、差動増幅回路部150から生成される監視電圧Esを算出設定する。
比較偏差積分回路(帰還制御手段)140Cは、マイクロプロセッサ111Cからのパルス幅変調制御信号PWMに応じた推定監視電圧Esを目標値とし、監視電圧Efを帰還値として、開閉素子121の通電デューティγを制御する。
平均電圧測定回路(分圧抵抗191a、192a)は、電気負荷107の両端電圧に比例した測定平均電圧Eaを得る。
過大電流状態検出回路(比較回路196)は、監視電圧Efと測定平均電圧Eaとの相対関係が許容変動幅を超えて変動し、監視電圧Efが過大であるときに、過大電流状態を示す異常判定信号を生成し、マイクロプロセッサ111Cの割込入力端子INTに対して警報信号として供給する。
過小電流状態検出回路(比較回路197)は、監視電圧Efと監視平均電圧Vaとの相対関係が許容変動幅を超えて変動し、監視電圧Efが過小であるときに、過小電流状態を示す異常判定信号を生成し、マイクロプロセッサ111Cの割込入力端子INTに対して警報信号として供給する。
出力停止手段(ステップ406)および異常報知手段109は、過大電流状態検出回路196または過小電流状態検出回路197からの異常判定信号に応答して、マイクロプロセッサ111Cからのパルス幅変調制御信号PWMの出力を停止させるとともに、異常停止状態であることを警報表示する。
なお、開閉素子121と電流検出抵抗126とが隣接接続されているので、電気負荷107に対する専用配線を削減し、しかも配線や電気負荷107の短絡異常に対して電流検出抵抗126の限流機能により焼損防止対策が容易となる給電回路構成において、電気負荷107の断線または短絡や、負荷配線の短絡、天絡、地絡または断線を、マイクロプロセッサ111Cの外部で検出することができ、マイクロプロセッサ111Cの負担を軽減しつつ、開閉素子121や電流検出抵抗126の焼損を防止することができる。
また、過大電流状態検出回路196または過小電流状態検出回路197による警報信号は、マイクロプロセッサ111Cの割込入力端子INTに印加されているので、異常判定信号の生成に即応して出力停止手段(ステップ406)が作用する。
したがって、異常発生に即応して、速やかにマイクロプロセッサ111Cからのパルス幅変調制御信号PWMの出力を停止させることができる。
この発明の実施の形態1に係る電気負荷の電流制御装置の全体構成を示す回路図である。 この発明の実施の形態1による校正運転用の動作手順を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1による通常制御ルーチンの動作手順を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1による割込制御ルーチンの動作手順を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係る電気負荷の電流制御装置の全体構成を示す回路図である。 この発明の実施の形態2による通常制御ルーチンの動作手順を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3に係る電気負荷の電流制御装置の全体構成を示す回路図である。 この発明の実施の形態3による校正運転用の動作手順を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3による通常制御ルーチンの動作手順を示すフローチャートである。
符号の説明
100A、100B、100C 電流制御装置、101 駆動電源、105a アナログ入力群、105d スイッチ入力群、107 電気負荷、109 警報表示器(異常報知手段)、110 制御電源(安定化制御電源ユニット)、111A、111B、111C マイクロプロセッサ、112 RAMメモリ、113A、113B、113C 不揮発プログラムメモリ(FMEM)、114A、114B、114C 不揮発データメモリ(EEPROM)、115 多チャンネルAD変換器、116 SIF(シリアル通信用インタフェース回路)、120 開閉回路部、121 開閉素子、127 転流ダイオード、130 目標電流設定回路(平滑回路)、126 電流検出抵抗、140、140C 比較偏差積分回路(帰還制御手段)、150 差動増幅回路部、151 差動増幅器、158 バイアス電源(バイアス補正回路)、164 電圧制限ダイオード、170 過電流検出回路、181 異常発生記憶回路、190 異常電流状態検出回路、191a、192a 分圧抵抗(平均電圧測定回路)、191b、192b 分圧抵抗(電源電圧測定回路)、196 比較回路(過大電流状態検出回路)、197 比較回路(過小電流状態検出回路)、206 第1のデータ取得手段、216 第2のデータ取得手段、226 第3のデータ取得手段、232 平均電圧校正手段、234 電圧比例係数演算手段、235 電流比例係数演算手段、236 校正係数演算手段、237 転送保存手段、238 検出誤差校正手段、307 初期設定手段、314 換算設定手段、323 過大電流状態検出手段、324 過小電流状態検出手段、325 出力停止・報知手段、326 異常電流状態検出手段、406、625 出力停止・報知手段、607 初期設定手段、614、917 換算設定手段、806 第1のデータ取得手段、816 第2のデータ取得手段、826 第3のデータ取得手段、832 電源電圧校正手段、834 電圧比例係数演算手段、835 電流比例係数演算手段、836 校正係数演算手段、837 転送保存手段、838 検出誤差校正手段、900 外部ツール、901a アナログ電流計、902a アナログ電圧計、901d デジタル電流計、902d デジタル電圧計、913 通電率推定手段、A、B、D 電圧比例係数、C オフセット成分、DEM 入力端子、E0 監視電圧の前段部電圧、Ea 測定平均電圧、Ef 監視電圧、Ef0 第1の誤差電圧、Ef1 第2の誤差電圧、Ef2 測定電圧、Es 推定監視電圧、Im 外部負荷電流、INT 割込入力端子、Ka 平均電圧校正係数、Kv 電源電圧校正係数、PWM パルス幅変調制御信号、Va 監視平均電圧、Vb 外部駆動電源電圧、Vf 電源監視電圧、Vcc 制御電源電圧、α パルスデューティ、γ 通電デューティ、γ0 通電デューティの推定値。

Claims (17)

  1. 駆動電源と電気負荷との間に直列に挿入された開閉素子および電流検出抵抗を含み、前記駆動電源から前記開閉素子および前記電流検出抵抗を介して前記電気負荷に給電するための給電回路と、
    前記電流検出抵抗を介して検出される負荷電流が前記電気負荷に通電すべき目標負荷電流Isと一致するように前記開閉素子のON/OFF比率を制御する電流制御部と
    を備えた電気負荷の電流制御装置であって、
    前記電流制御部は、マイクロプロセッサと、差動増幅回路部と、検出誤差校正手段と、換算設定手段と、帰還制御手段とを有し、
    前記マイクロプロセッサは、不揮発プログラムメモリと、不揮発データメモリと、演算処理用のRAMメモリと、多チャンネルAD変換器とを含み、
    前記差動増幅回路部は、前記電流検出抵抗の両端電圧の差分電圧を増幅し、前記負荷電流にほぼ比例した監視電圧Efを生成して前記マイクロプロセッサに入力し、
    前記検出誤差校正手段は、製品出荷調整時に計測される前記監視電圧Efの電流比例係数、誤差成分の電圧比例係数およびオフセット成分を、校正定数として前記不揮発データメモリに保存し、
    前記換算設定手段は、前記校正定数に基づいて前記目標負荷電流Isに対応した推定監視電圧Esを算出設定し、
    前記帰還制御手段は、前記推定監視電圧Esを前記電流制御部による電流制御の制御目標値とし、前記監視電圧Efを帰還値として、前記開閉素子の通電を制御し、
    少なくとも前記検出誤差校正手段および前記換算設定手段は、前記不揮発プログラムメモリに格納された制御プログラムに基づいて、前記マイクロプロセッサにより実行されることを特徴とする電気負荷の電流制御装置。
  2. 前記給電回路は、転流ダイオードを含み、
    前記差動増幅回路部は、バイアス補正回路を含み、
    前記転流ダイオードは、前記開閉素子が開路したときに前記電気負荷のインダクタンスによる持続減衰電流が還流する極性となるように、前記電気負荷に並列接続され、
    前記バイアス補正回路は、前記差動増幅器の第1および第2の入力に対してほぼ均等な正のバイアス電圧を印加し、前記開閉素子が開路しているときに、前記転流ダイオードの電圧降下により印加される負電圧を相殺して、前記差動増幅器への負電圧入力の印加を禁止することを特徴とする請求項1に記載の電気負荷の電流制御装置。
  3. 前記電流制御部は、平均電圧測定回路を含み、
    前記検出誤差校正手段は、第1、第2および第3のデータ取得手段と、前記第1、第2および第3のデータ取得手段で得られたデータから校正係数を演算する校正係数演算手段と、前記校正係数を前記校正定数として転送保存する転送保存手段とを含み、
    前記平均電圧測定回路は、前記電気負荷の両端電圧を分圧する分圧回路と、前記分圧回路による分圧電圧をAD変換するAD変換器とを含み、前記分圧回路および前記AD変換器を介して測定される監視平均電圧Vaを前記マイクロプロセッサに入力し、
    前記第1のデータ取得手段は、前記電流制御部に対して所定の駆動電源電圧を印加して、第1の校正指令が入力されたときに作用して、前記開閉素子を完全開路した状態で前記差動増幅回路部から生成される監視電圧を第1の誤差電圧Ef0として前記RAMメモリに書込み記憶させ、
    前記第2のデータ取得手段は、前記給電回路から前記電気負荷に至る配線を切断した状態で第2の校正指令が入力されたときに作用して、前記開閉素子を完全導通させた状態で前記差動増幅回路部から生成される監視電圧を第2の誤差電圧Ef1として前記RAMメモリに書込み記憶させるとともに、前記監視平均電圧Vaを前記RAMメモリに書込み記憶させ、
    前記第3のデータ取得手段は、前記給電回路から前記電気負荷に至る配線を接続した状態で第3の校正指令が入力されたときに作用して、前記開閉素子を完全導通させた状態で前記差動増幅回路部から生成される監視電圧を測定電圧Ef2として前記RAMメモリに書込み記憶させるとともに、外部で測定された外部負荷電流Imを取り込んで前記RAMメモリに書込み記憶させ、
    前記校正係数演算手段は、前記差動増幅回路部による監視電圧Efと、前記監視平均電圧Vaと、前記外部負荷電流Imとの関係が、
    Ef=D×Va+B×Im+C
    となるように、電流比例係数B、オフセット成分Cおよび電圧比例係数Dを設定し、
    前記オフセット成分Cは、前記第1のデータ取得手段で記憶された前記第1の誤差電圧Ef0と一致し、
    誤差成分の前記電圧比例係数Dは、前記第1および第2のデータ取得手段で得られたデータから、
    D=(Ef1−Ef0)/Va
    として算出され、
    前記電流比例係数Bは、前記第2および第3のデータ取得手段で得られたデータから、
    B=(Ef2−Ef1)/Im
    として算出され、
    前記転送保存手段は、前記校正係数演算手段の演算結果である電圧比例係数D、電流比例係数Bおよびオフセット成分Cの各値を、前記校正定数として前記不揮発データメモリに転送保存することを特徴とする請求項2に記載の電気負荷の電流制御装置。
  4. 前記検出誤差校正手段は、平均電圧校正手段を含み、
    前記平均電圧校正手段は、前記第2または第3のデータ取得手段の中で実行され、外部で測定された外部駆動電源電圧Vbを取り込んで前記RAMメモリに書込み記憶させるとともに、前記開閉素子が完全導通しているときの監視平均電圧Vaと外部駆動電源電圧Vbとの間の平均電圧校正係数Ka=Vb/Vaを算出し、
    前記転送保存手段は、前記平均電圧校正係数Kaを前記不揮発データメモリに転送保存することを特徴とする請求項3に記載の電気負荷の電流制御装置。
  5. 前記電流制御部は、電源電圧測定回路を含み、
    前記検出誤差校正手段は、前記第1、第2および第3のデータ取得手段と、前記第1、第2および第3のデータ取得手段で得られたデータから校正係数を演算する校正係数演算手段と、前記校正係数を前記校正定数として転送保存する転送保存手段とを含み、
    前記電源電圧測定回路は、前記開閉素子の入力電圧を分圧する分圧回路と、前記分圧回路による分圧電圧をAD変換するAD変換器とを含み、前記分圧回路および前記AD変換器を介して測定される電源監視電圧Vfを前記マイクロプロセッサに入力し、
    前記第1のデータ取得手段は、前記電流制御部に対して所定の駆動電源電圧を印加し、第1の校正指令が入力されたときに作用して、前記開閉素子を完全開路した状態で前記差動増幅回路部から生成される監視電圧を第1の誤差電圧Ef0として前記RAMメモリに書込み記憶させ、
    前記第2のデータ取得手段は、前記給電回路から前記電気負荷に至る配線を切断した状態で第2の校正指令が入力されたときに作用して、前記開閉素子を完全導通させた状態で前記差動増幅回路部から生成される監視電圧を第2の誤差電圧Ef1として前記RAMメモリに書込み記憶させるとともに、外部で測定された外部駆動電源電圧Vbの値と前記電源監視電圧Vfの値とを前記RAMメモリに書込み記憶させ、
    前記第3のデータ取得手段は、前記給電回路から前記電気負荷に至る配線を接続した状態で第3の校正指令が入力されたときに作用して、前記開閉素子を完全導通させた状態で前記差動増幅回路部から生成される監視電圧を測定電圧Ef2として前記RAMメモリに書込み記憶させるとともに、外部で測定された外部負荷電流Imを取り込んで前記RAMメモリに書込み記憶させ、
    前記校正係数演算手段は、前記転流ダイオードの電圧降下をVd≒1[V]とし、開閉素子の通電デューティをγとしたときに、前記差動増幅回路部による監視電圧Efと、外部駆動電源電圧Vbと、外部負荷電流Imとの関係が、
    Ef≒A×(Vb+Vd)×γ+B×Im+C
    となるように電圧比例係数A、電流比例係数Bおよびオフセット成分Cを設定し、
    前記オフセット成分Cは、前記第1のデータ取得手段で記憶された前記第1の誤差電圧Ef0と一致し、
    誤差成分の前記電圧比例係数Aは、前記第1および第2のデータ取得手段で得られたデータから、
    A=(Ef1−Ef0)/(Vb+Vd)
    として算出され、
    電流比例係数Bは、前記第2および第3のデータ取得手段で得られたデータから、
    B=(Ef2−Ef1)/Im
    として算出され、
    電源電圧校正係数Kvは、
    Kv=Vb/Vf
    として算出され、
    前記転送保存手段は、前記校正係数演算手段の演算結果である前記電圧比例係数A、前記電流比例係数B、前記オフセット成分Cおよび前記電源電圧校正係数Kvの各値を、前記校正定数として前記不揮発データメモリに転送保存することを特徴とする請求項2に記載の電気負荷の電流制御装置。
  6. 前記電流制御部は、前記マイクロプロセッサと校正操作用の外部ツールとの間を接続するシリアル通信用インタフェース回路を含み、
    校正運転時に、前記外部ツールから前記シリアル通信用インタフェース回路を介して入力される校正指令、前記駆動電源に関する電圧情報および前記電気負荷に関する電流情報が、前記RAMメモリに転送記憶されることを特徴とする請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載の電気負荷の電流制御装置。
  7. 前記電流制御部は、前記マイクロプロセッサとスイッチ入力群およびアナログ入力群との間をバス接続する入力インタフェース回路を含み、
    校正運転時において、
    前記第1、第2および第3の校正指令の少なくとも1つは、前記スイッチ入力群の中の所定番号のスイッチ入力として前記RAMメモリに転送記憶され、
    前記駆動電源に関する電圧情報および前記電気負荷に関する電流情報は、前記アナログ入力群の中の所定番号のアナログ入力として入力されて、前記RAMメモリに転送記憶されることを特徴とする請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載の電気負荷の電流制御装置。
  8. 前記電流制御部は、目標電流設定回路および比較偏差積分回路を含み、
    前記不揮発プログラムメモリは、前記制御目標値の換算設定手段を含み、
    前記目標電流設定回路は、前記マイクロプロセッサから生成されるパルス幅変調制御信号を平滑化して、安定化された制御電源による一定の制御電源電圧Vccとパルスデューティαとの積に比例した平均出力電圧αVccを得るデジタル/アナログ変換回路により構成され、
    前記比較偏差積分回路は、前記目標電流設定回路の平均出力電圧αVccを目標電圧とし、前記差動増幅回路部から生成される監視電圧Efを帰還電圧として、前記目標電圧と前記帰還電圧との偏差積分値に基づいて前記開閉素子をON/OFF制御する帰還制御手段により構成され、
    前記換算設定手段は、前記目標負荷電流Isに対応した前記推定監視電圧Esとして、
    Es=D×Va+B×Is+C
    を算出するとともに、前記推定監視電圧Esの値と前記平均出力電圧αVccの値とが一致するように、前記パルス幅変調制御信号のパルスデューティαとして、
    α=Es/Vcc
    を決定することを特徴とする請求項3に記載の電気負荷の電流制御装置。
  9. 前記不揮発プログラムメモリは、初期設定手段となるプログラムを含み、
    前記初期設定手段は、最小電源電圧Vmin、基準負荷電流Irおよび目標負荷電流Isの関係から、前記監視平均電圧Vaの概略推定値Vaaとして、
    Vaa=Vmin×(Is/Ir)
    により算出された値を適用し、前記パルス幅変調制御信号のパルスデューティの初期値αiとして、
    αi=(D×Vaa+B×Is+C)/Vcc
    を決定し、
    前記基準負荷電流Irは、前記電気負荷の抵抗値変動範囲Rmin〜Rmaxの範囲内で規格基準抵抗値Rcを定め、
    Ir=Vmin/Rc
    として算出されることを特徴とする請求項8に記載の電気負荷の電流制御装置。
  10. 前記電流制御部は、目標電流設定回路および比較偏差積分回路を含み、
    前記不揮発プログラムメモリは、通電率推定手段と、前記制御目標値の換算設定手段とを含み、
    前記目標電流設定回路は、前記マイクロプロセッサから生成されるパルス幅変調制御信号を平滑化して、安定化された制御電源による一定の制御電源電圧Vccとパルスデューティαとの積に比例した平均出力電圧αVccを得るデジタル/アナログ変換回路により構成され、
    前記比較偏差積分回路は、前記目標電流設定回路の平均出力電圧αVccを目標電圧とし、前記差動増幅回路部から生成される監視電圧Efを帰還電圧として、前記目標電圧と前記帰還電圧との偏差積分値に基づいて前記開閉素子をON/OFF制御する帰還制御手段により構成され、
    前記通電率推定手段は、前記外部駆動電源電圧Vb、最小電源電圧Vmin、基準負荷電流Irおよび前記目標負荷電流Isの関係から、前記開閉素子の通電デューティの推定値γ0として、
    γ0=(Vmin/Vb)×(Is/Ir)
    を算出し、
    前記換算設定手段は、前記目標負荷電流Isに対応した前記推定監視電圧Esとして、
    Es=A×(Vb+Vd)×γ0+B×Is+C
    を算出するとともに、前記推定監視電圧Esの値と前記平均出力電圧αVccの値とが一致するように、前記パルス幅変調制御信号のパルスデューティαとして、
    α=Es/Vcc
    を決定し、
    前記外部駆動電源電圧Vbは、前記電源監視電圧Vfおよび前記電源電圧校正係数Kvに基づいて、
    Vb=Kv×Vf
    により算出され、
    前記基準負荷電流Irは、前記電気負荷の抵抗値変動範囲Rmin〜Rmaxの範囲内で規格基準抵抗値Rcを定め、
    Ir=Vmin/Rc
    として算出されることを特徴とする請求項5に記載の電気負荷の電流制御装置。
  11. 駆動電源と電気負荷との間に直列に挿入された開閉素子および電流検出抵抗を含み、前記駆動電源から前記開閉素子および前記電流検出抵抗を介して前記電気負荷に給電するための給電回路と、
    前記電流検出抵抗を介して検出される負荷電流が前記電気負荷に通電すべき目標負荷電流Isと一致するように前記開閉素子のON/OFF比率を制御する電流制御部と
    を備えた電気負荷の電流制御装置であって、
    前記電流制御部は、マイクロプロセッサと、制御電源と、差動増幅回路部と、換算設定手段と、帰還制御手段と、過電流検出回路と、電圧制限ダイオードと、出力停止手段と、異常報知手段とを有し、
    前記マイクロプロセッサは、不揮発プログラムメモリと、不揮発データメモリと、演算処理用のRAMメモリと、多チャンネルAD変換器とを含み、
    前記制御電源は、前記駆動電源から給電され、外部駆動電源電圧Vbよりも低い電圧値の安定化された制御電源電圧Vccを生成して前記マイクロプロセッサに給電し、
    前記差動増幅回路部は、前記外部駆動電源電圧Vbの印加により動作して前記電流検出抵抗の両端電圧の差分電圧を増幅し、前記負荷電流にほぼ比例した監視電圧Efを生成して前記マイクロプロセッサに入力し、
    前記換算設定手段は、所定の目標負荷電流Isが前記電流検出抵抗に流れたと仮定したときに、前記差動増幅回路部から生成される監視電圧を推定監視電圧Esとして算出設定し、
    前記帰還制御手段は、前記マイクロプロセッサから生成されるパルス幅変調制御信号に応じた前記推定監視電圧Esを、前記電流制御部による電流制御の制御目標値とし、前記監視電圧Efを帰還値として、前記開閉素子の通電デューティを制御し、
    前記過電流検出回路は、前記監視電圧Efの前段部電圧E0の値が制御電源電圧Vcc以上の所定値を超過したときに、前記負荷電流の過大を示す警報用の過電流判定信号を生成して前記マイクロプロセッサに入力し、
    前記電圧制限ダイオードは、前記過電流検出回路に接続されて、前記マイクロプロセッサに入力される前記監視電圧Efを前記制御電源電圧Vccのレベルに制限し、
    前記出力停止手段および前記異常報知手段は、前記過電流判定信号に応答して、前記パルス幅変調制御信号の生成を停止させるとともに、異常停止状態であることを警報表示することを特徴とする電気負荷の電流制御装置。
  12. 前記過電流判定信号は、前記マイクロプロセッサの割込入力端子に接続され、
    前記出力停止手段は、前記過電流判定信号の生成に即応して、前記パルス幅変調制御信号の生成を停止させることを特徴とする請求項11に記載の電気負荷の電流制御装置。
  13. 前記過電流検出回路は、前記マイクロプロセッサの入力端子に接続された警報信号入力回路および異常発生記憶回路を含み、
    前記異常発生記憶回路は、前記過電流判定信号によりセットされて前記開閉素子の導通を停止させるとともに、電源投入時にリセットされることを特徴とする請求項11に記載の電気負荷の電流制御装置。
  14. 駆動電源と電気負荷との間に直列に挿入された開閉素子および電流検出抵抗を含み、前記駆動電源から前記開閉素子および前記電流検出抵抗を介して前記電気負荷に給電するための給電回路と、
    前記電流検出抵抗を介して検出される負荷電流が前記電気負荷に通電すべき目標負荷電流Isと一致するように前記開閉素子のON/OFF比率を制御する電流制御部と
    を備えた電気負荷の電流制御装置であって、
    前記電流制御部は、マイクロプロセッサと、差動増幅回路部と、換算設定手段と、帰還制御手段と、平均電圧測定回路と、異常電流状態検出手段と、出力停止手段と、異常報知手段とを有し、
    前記マイクロプロセッサは、不揮発プログラムメモリと、不揮発データメモリと、演算処理用のRAMメモリと、多チャンネルAD変換器とを含み、
    前記差動増幅回路部は、前記電流検出抵抗の両端電圧の差分電圧を増幅し、前記負荷電流にほぼ比例した監視電圧Efを生成して前記マイクロプロセッサに入力し、
    前記換算設定手段は、所定の目標負荷電流Isが前記電流検出抵抗に流れたと仮定したときに、前記差動増幅回路部から生成される監視電圧Esを算出設定し、
    前記帰還制御手段は、前記マイクロプロセッサから生成されるパルス幅変調制御信号に応じた前記推定監視電圧Esを、前記電流制御部による電流制御の制御目標値とし、前記監視電圧Efを帰還値として前記開閉素子の通電デューティを制御し、
    前記平均電圧測定回路は、前記電気負荷の両端電圧を、分圧回路およびAD変換器により監視平均電圧Vaとして前記マイクロプロセッサに入力し、
    前記異常電流状態検出手段は、前記監視電圧Efと前記監視平均電圧Vaとの相対関係が許容変動幅を超えて変動したときに、前記負荷電流の過大または過小を示す警報用の異常電流状態判定信号を生成して前記マイクロプロセッサに入力し、
    前記出力停止手段および前記異常報知手段は、前記異常電流状態判定信号に応答して、少なくとも過大電流状態において前記パルス幅変調制御信号の生成を停止させるとともに、異常停止状態であることを警報表示し、
    少なくとも前記換算設定手段、前記異常電流状態検出手段および前記出力停止手段は、前記不揮発プログラムメモリに格納された制御プログラムに基づいて、前記マイクロプロセッサにより実行されることを特徴とする電気負荷の電流制御装置。
  15. 駆動電源と電気負荷との間に直列に挿入された開閉素子および電流検出抵抗を含み、前記駆動電源から前記開閉素子および前記電流検出抵抗を介して前記電気負荷に給電するための給電回路と、
    前記電流検出抵抗を介して検出される負荷電流が前記電気負荷に通電すべき目標負荷電流Isと一致するように前記開閉素子のON/OFF比率を制御する電流制御部と
    を備えた電気負荷の電流制御装置であって、
    前記電流制御部は、マイクロプロセッサと、差動増幅回路部と、換算設定手段と、帰還制御手段と、平均電圧測定回路と、異常電流状態検出回路と、出力停止手段と、異常報知手段とを有し、
    前記マイクロプロセッサは、不揮発プログラムメモリと、不揮発データメモリと、演算処理用のRAMメモリと、多チャンネルAD変換器とを含み、
    前記差動増幅回路部は、前記電流検出抵抗の両端電圧の差分電圧を増幅し、前記負荷電流にほぼ比例した監視電圧Efを生成して前記マイクロプロセッサに入力し、
    前記換算設定手段は、所定の目標負荷電流Isが前記電流検出抵抗に流れたと仮定したときに、前記差動増幅回路部から生成される監視電圧Esを算出設定し、
    前記帰還制御手段は、前記マイクロプロセッサから生成されるパルス幅変調制御信号に応じた前記推定監視電圧Esを、前記電流制御部による電流制御の制御目標値とし、前記監視電圧Efを帰還値として、前記開閉素子の通電デューティを制御し、
    前記平均電圧測定回路は、前記電気負荷の両端電圧に比例した測定平均電圧Eaを測定し、
    前記異常電流状態検出回路は、前記監視電圧Efと前記測定平均電圧Eaとの相対関係が許容変動幅を超えて変動したときに、前記負荷電流の過大または過小を示す警報用の異常電流状態判定信号を生成して前記マイクロプロセッサに入力する比較回路を含み、
    前記出力停止手段および前記異常報知手段は、前記異常電流状態判定信号に応答して、少なくとも過大電流状態において前記パルス幅変調制御信号の生成を停止させるとともに、前記異常電流状態判定信号に応答して、異常停止状態であることを警報表示することを特徴とする電気負荷の電流制御装置。
  16. 前記異常電流状態判定信号は、前記マイクロプロセッサの割込入力端子に入力され、
    前記出力停止手段は、前記異常電流状態判定信号の生成に即応して、少なくとも過大電流状態において前記パルス幅変調制御信号の生成を停止させることを特徴とする請求項15に記載の電気負荷の電流制御装置。
  17. 前記異常電流状態検出回路は、前記マイクロプロセッサの入力端子に接続された警報信号入力回路および異常発生記憶回路を含み、
    前記異常発生記憶回路は、前記異常電流状態判定信号によりセットされて前記開閉素子の導通を停止させるとともに、電源投入時にリセットされることを特徴とする請求項15に記載の電気負荷の電流制御装置。
JP2004283720A 2004-09-29 2004-09-29 電気負荷の電流制御装置 Active JP4335107B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004283720A JP4335107B2 (ja) 2004-09-29 2004-09-29 電気負荷の電流制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004283720A JP4335107B2 (ja) 2004-09-29 2004-09-29 電気負荷の電流制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006100509A true JP2006100509A (ja) 2006-04-13
JP4335107B2 JP4335107B2 (ja) 2009-09-30

Family

ID=36240036

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004283720A Active JP4335107B2 (ja) 2004-09-29 2004-09-29 電気負荷の電流制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4335107B2 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008157304A (ja) * 2006-12-21 2008-07-10 Nissan Motor Co Ltd 誘導負荷電流制御装置
JP2008198850A (ja) * 2007-02-14 2008-08-28 Hitachi Ltd ソレノイドの電流制御装置及び方法
JP2010226028A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Denso Corp 誘導性負荷駆動装置
JP2011018494A (ja) * 2009-07-08 2011-01-27 Panasonic Corp シートヒータ制御装置
WO2011036056A1 (de) * 2009-09-24 2011-03-31 Robert Bosch Gmbh Elektrische schaltungsanordnung zur schaltung eines elektrischen verbrauchers
JP2011109750A (ja) * 2009-11-13 2011-06-02 Mitsubishi Electric Corp 電気負荷の電流制御装置
DE102010050306A1 (de) 2010-03-25 2011-09-29 Mitsubishi Electric Corporation Stromsteuergerät für eine elektrische Last
JP2015219667A (ja) * 2014-05-16 2015-12-07 株式会社デンソー 電気負荷駆動装置
EP3079161A1 (en) * 2015-04-09 2016-10-12 Renesas Electronics Corporation Semiconductor device, in-vehicle valve system and solenoid driver
US9570978B2 (en) 2013-10-15 2017-02-14 Mitsubishi Electric Corporation Power supply control device for inductive loads
US9601987B2 (en) 2013-12-25 2017-03-21 Denso Corporation Power supply apparatus
JP2018510509A (ja) * 2015-03-18 2018-04-12 オートマティック スイッチ カンパニー ピークホールドドライバによって制御されるソレノイドバルブのドロップアウトの確保
CN116938193A (zh) * 2023-09-18 2023-10-24 上海莫秋环境技术有限公司 一种用于水处理的电磁波生成电路

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008157304A (ja) * 2006-12-21 2008-07-10 Nissan Motor Co Ltd 誘導負荷電流制御装置
JP2008198850A (ja) * 2007-02-14 2008-08-28 Hitachi Ltd ソレノイドの電流制御装置及び方法
JP2010226028A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Denso Corp 誘導性負荷駆動装置
JP2011018494A (ja) * 2009-07-08 2011-01-27 Panasonic Corp シートヒータ制御装置
WO2011036056A1 (de) * 2009-09-24 2011-03-31 Robert Bosch Gmbh Elektrische schaltungsanordnung zur schaltung eines elektrischen verbrauchers
US9030055B2 (en) 2009-09-24 2015-05-12 Robert Bosch Gmbh Electric circuit configuration for switching an electrical load
JP2011109750A (ja) * 2009-11-13 2011-06-02 Mitsubishi Electric Corp 電気負荷の電流制御装置
US8890554B2 (en) 2010-03-25 2014-11-18 Mitsubishi Electric Corporation Current control device for electric load
JP2011205337A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Mitsubishi Electric Corp 電気負荷の電流制御装置
DE102010050306A1 (de) 2010-03-25 2011-09-29 Mitsubishi Electric Corporation Stromsteuergerät für eine elektrische Last
US9570978B2 (en) 2013-10-15 2017-02-14 Mitsubishi Electric Corporation Power supply control device for inductive loads
US9601987B2 (en) 2013-12-25 2017-03-21 Denso Corporation Power supply apparatus
JP2015219667A (ja) * 2014-05-16 2015-12-07 株式会社デンソー 電気負荷駆動装置
JP2018510509A (ja) * 2015-03-18 2018-04-12 オートマティック スイッチ カンパニー ピークホールドドライバによって制御されるソレノイドバルブのドロップアウトの確保
EP3079161A1 (en) * 2015-04-09 2016-10-12 Renesas Electronics Corporation Semiconductor device, in-vehicle valve system and solenoid driver
US10176913B2 (en) 2015-04-09 2019-01-08 Renesas Electronics Corporation Semiconductor device, in-vehicle valve system and solenoid driver
US10910136B2 (en) 2015-04-09 2021-02-02 Renesas Electronics Corporation Semiconductor device, in-vehicle valve system and solenoid driver
CN116938193A (zh) * 2023-09-18 2023-10-24 上海莫秋环境技术有限公司 一种用于水处理的电磁波生成电路
CN116938193B (zh) * 2023-09-18 2023-12-01 上海莫秋环境技术有限公司 一种用于水处理的电磁波生成电路

Also Published As

Publication number Publication date
JP4335107B2 (ja) 2009-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4158176B2 (ja) 電気負荷の電流制御装置
JP4908608B2 (ja) 電気負荷の電流制御装置
JP4335107B2 (ja) 電気負荷の電流制御装置
US11429126B2 (en) Voltage regulator
EP3605118B1 (en) Open current sense detection in multiphase buck voltage regulator
EP3598075B1 (en) Ratiometric sensor output topology and methods
US20080093924A1 (en) Power supply control device for on-vehicle electrical loads
US11899076B2 (en) Device for automatic detection of coupling between electronic devices
CN101676830B (zh) 半导体电路
US9698678B2 (en) Circuitry and method for regulating a current for diagnosing an electromechanical load utilizing multiple current measurements
JP2010122184A (ja) 物理量センサ
JP4916543B2 (ja) 電気負荷の電流制御装置
JP5516350B2 (ja) 負荷駆動回路
CN113253151B (zh) 短路检测电路、短路保护电路及芯片
US20220283200A1 (en) Integrated shunt and magnetic field current sensor
CN113841313B (zh) 用于致动器的电流控制的设备和方法
US20060022527A1 (en) Protective device in a controller
KR101787071B1 (ko) 변속기 솔레노이드 고장진단 장치 및 방법
JP2000241252A (ja) 温度検出回路
US20230318595A1 (en) Semiconductor device
JP6379294B2 (ja) 電気回路装置
JP2022099976A (ja) 負荷駆動装置
CN114762206A (zh) 电压监控电路

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080314

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080909

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081003

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090623

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090624

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120703

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4335107

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120703

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130703

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250