JP2006241607A - ステレオコンプレックス成形物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明により、ステレオコンプレックス結晶を形成せしめた耐熱性が向上した成形物を安価かつ容易に、安定した品質で得るための製造方法を提供できる。
【解決手段】
本発明の課題は、L乳酸単位を主体とするポリ乳酸よりなるペレットA、D乳酸単位を主体とするポリ乳酸よりなるペレットB、およびペレットAおよびペレットBの合計に対して0.003〜0.3重量%の界面活性剤Cをブレンドしてペレット混合物を製造し、該ペレット混合物を溶融成形するステレオコンプレックス成形物の製造方法であって、ペレットAとペレットBの混合比(ペレットA:ペレットB)(重量比)が9:1〜1:9であり、かつペレットAとペレットBの安息角の差が5度未満、ペレットAを構成するポリ乳酸とペレットBを構成するポリ乳酸の重量平均分子量の差が2万以下であることを特徴とするステレオコンプレックス成形物の製造方法によって解決される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ステレオコンプレックスにより耐熱性を飛躍的に向上せしめた成形物の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは融点等の熱特性、強度等の力学特性の品質バラツキが小さく、かつ安価に製造することができるステレオコンプレックス成形物の製造方法に関するものである。
近年、地球環境問題に強い関心が寄せられるようになり、地球温暖化問題における原因とされる温室効果ガスについて、その排出量を抑制する動きが活発になってきている。更には、有限な埋蔵資源である石油の枯渇についても、深刻な不足となることが懸念されている。石油を原料とした従来型のポリマーにおいては、その原料が不足すること及び消費・廃棄段階での温室効果ガス発生を抑制することは、当業界において重要な課題となっている。そのような状況の中で、非石油系原料を用いたポリ乳酸が一躍脚光を浴びている。すなわち、ポリ乳酸はその原料である乳酸を農作物から乳酸発酵を経て得られるために、農地を確保できれば枯渇する問題もないうえ、その構成物質の一部である炭素は植物によって大気中の炭酸ガスを固定化したものであり、仮に焼却等の廃棄処分を施しても、大気中の炭酸ガス全体量にほとんど影響を与えないことがわかる。このことから、現在さまざまな用途において活発な技術開発が進められており、いくつかの商品も生まれている。
しかしながら、ポリ乳酸はその分子構造上、分子間力が小さい事から、熱によって容易に変形してしまう問題がある。これを解決する手段として、光学異性体であるL乳酸とD乳酸をそれぞれ別々に重合したポリL乳酸とポリD乳酸を混合・成形することで、ステレオコンプレックス結晶を形成し、耐熱性が向上することが知られている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、該文献に記載された方法では、溶融ブレンドした後に2分間も加熱処理を必要とするため、安価かつ容易に成形物を製造できるものではなかった。
そこで、より実用的にポリL乳酸とポリD乳酸をそれぞれ混合・溶融して成形する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。該文献では、ポリL乳酸とポリD乳酸のペレットを任意の割合で混合させて溶融成形を行うか、または別々に溶融させてから混合・成形を行うことが提案されている。前者の方法では、確かにステレオコンプレックス組成物を得ることは可能であるが、製造工程中にホッパー内で混合したペレットが経時的に分離する現象(脱混和)が発生し、熱特性や力学特性等の品質が安定した成形物を得ることができなかった。また、後者の方法では別々の溶融押出機および混練機等が必要となり、設備費が高いものであった。
このように、ステレオコンプレックス成形物を製造するにあたり、融点等の熱特性や強度等の力学特性の品質を維持したまま安価に提供することは困難であった。
Takasaki,et.al.,Fiber Preprints(Annual Meeting)Japan,Vol.56,No.1(2001). 第67頁 特開2000−17164号公報(第4〜7頁)
本発明は、、融点等の熱特性、強度等の力学特性の品質バラツキが小さいステレオコンプレックス成形物を安価に製造し得る方法を提供することを課題とする。
上記課題はL乳酸単位を主体とする重合体よりなるペレットA、D乳酸単位を主体とする重合体よりなるペレットB、およびペレットAおよびペレットBの合計に対して0.003〜0.3重量%の界面活性剤Cをブレンドしてペレット混合物を製造し、該ペレット混合物を溶融成形するステレオコンプレックス成形物の製造方法であって、ペレットAとペレットBの混合比(ペレットA:ペレットB)(重量比)が9:1〜1:9であり、かつペレットAとペレットBの安息角の差が5度未満、ペレットAを構成する重合体とペレットBを構成する重合体の重量平均分子量の差が2万以下であることを特徴とするステレオコンプレックス成形物の製造方法によって解決される。
本発明により、融点等の熱特性、強度等の力学特性の品質バラツキが小さいステレオコンプレックス成形物を安価に製造することができる。
本発明において用いるペレットAはL乳酸単位を主体とするポリ乳酸よりなるものであり、ペレットBはD乳酸単位を主体とするポリ乳酸よりなるものである。
本発明において、「ペレット」は、ポリマーを粒状に加工したものであり、粒度が5〜50mg/個のものをいう。ペレットの形状はその製造方法により異なるが、ポリマーを重合後に冷却溶媒中で直接カットした球状のものや、ストランドをカットして得られる円柱状のもの、またはシートをカットした立方体状などが挙げられるが、取り扱いのし易さや生産性を考慮した場合には、球状のものが好ましい。なお、ここで球状とは必ずしも真球状である必要はなく、長径/短径が3以下程度の範囲であれば楕円球状等の非真球の形状であってもよく、概ね球状であればよい。
本発明において、L乳酸単位を主体とするポリ乳酸(以下「ポリL乳酸」と記す場合もある)は、光学純度97%以上のL乳酸またはLラクチドを重合して得られるポリ乳酸であり、D乳酸単位を主体とするポリ乳酸(以下「ポリD乳酸」と記す場合もある)は光学純度97%以上のD乳酸またはDラクチドを重合して得られるポリ乳酸である。一般にポリ乳酸は光学純度が低下すると結晶性が低下するために、得られた成形物は概して耐熱性が低下してしまい、実用的な成形物を得られない。このことからポリL乳酸、ポリD乳酸いずれも、乳酸単位の光学純度は98%以上であることが好ましい。
また本発明で用いるポリL乳酸、ポリD乳酸の重量平均分子量はそれぞれ10万以上であることが、耐熱性、成形性の観点から好ましい。重量平均分子量を10万以上とすることで、得られる成形物の結晶性が増大し、耐久性に優れたものを得られるばかりでなく、溶融時の流動性や結晶化特性も好ましい範囲とすることができるのである。このことから重量平均分子量はそれぞれ12万〜40万の範囲であるとより好ましく、12万〜25万の範囲が最も好ましい。本発明において用いるポリL乳酸およびポリD乳酸は、その重量平均分子量の差が2万以下であることが必要であり、ステレオコンプレックス結晶をより効果的に形成せしめる観点から重量平均分子量の差は1.5万以下であることが好ましく、1万以下であることがより好ましい。
本発明で用いられるポリL乳酸、ポリD乳酸は、その重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比である分散度(Mw/Mn)をそれぞれ2.4以下とすることが好ましい。分散度を2.4以下とすることで、より分子量分布の小さい、均一性に優れた成形物を得ることが可能となる。更には、溶融成形において、それぞれのポリマーの分散度が2.4以下であると、ステレオコンプレックス結晶の完全性が高くなり、またその結晶性を高めることができることから、ひいては得られた成形物の耐熱性をより向上させることが可能となるのである。また、この分散度は例えば溶媒により未重合のモノマーやオリゴマーを除去することで高めることが可能である。これらのことから、分散度は2.0以下であるとより好ましく、1.9以下であると最も好ましい。
本発明で用いられるポリL乳酸中、ポリD乳酸中に含まれる未反応のモノマー、オリゴマーの量は、それぞれ0.01〜0.3重量%の範囲であることが好ましい。未反応のモノマー、オリゴマーは溶融成形中にブリードしてきて装置を汚染してしまうが、ごく僅かの量が存在すると、所謂可塑剤として作用し、成形性を向上させることができる。このことからモノマー、オリゴマーの量は0.01〜0.2重量%の範囲であると好ましく、0.01〜0.1重量%の範囲がより好ましい。
本発明においてはポリL乳酸よりなるペレットAと、ポリD乳酸よりなるペレットBを混合する際の混合比は、ペレットAの量をA、ペレットBの量をBとしたときの重量比で、A:B=9:1〜1:9の範囲となるようにブレンドすることが、ステレオコンプレックス結晶形成のため重要である。本発明で用いるペレットAとペレットBをこの範囲で混合する場合、経時における分離現象(脱混和)が発生しにくく、均一に溶融成形できるため、得られた成形物のステレオコンプレックス結晶を十分に形成せしめる事が可能となる。このことからペレットAとペレットBのブレンド比はA:B=8:2〜2:8の範囲であるとより好ましく、A:B=7:3〜3:7の範囲であると最も好ましい。
本発明においては上記ペレットA、ペレットBに加え、界面活性剤Cが添加されることが重要である。界面活性剤Cとしては、界面活性作用を及ぼすものであれば特に限定されず使用が可能であるが、ポリエーテル、ポリエーテルエステルなどの有機界面活性剤が好ましく用いられる。
中でも、長鎖脂肪酸にポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールを反応させて得られるポリエーテルエステル化合物は、それぞれのペレット表面に被膜を形成し易く、表面状態を均一に保つことが可能となるほか、製造設備の清掃などにおいて、容易に洗浄が可能であるなどの点で好ましい。長鎖脂肪酸としては炭素数8〜20の脂肪酸であることが好ましく、具体例としては、ステアリン酸、オレイル酸、マレイン酸などが挙げられる。またポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどが挙げられ、その重量平均分子量は40〜2000の範囲で適宜選択できる。更に該界面活性剤Cは常温または微加熱状態(好ましくは30〜40℃)にて容易に液化できる性状を持つことが表面に被膜を均一に形成させる点で好ましい。このことから、界面活性剤Cの融点は30℃未満であることが好ましい。
上記界面活性剤Cの添加量は、ペレットAとペレットBの混合物(A+B)に対して0.003〜0.3重量%の範囲であると、表面に均一な被膜を形成し、ペレットAとペレットBの表面状態を均一にすることが可能となり、これによってペレット輸送(あらゆる意味での輸送であり、船、トラック、チップ車、送風配管、紡糸ホッパー内全て含む)や乾燥機内で、ペレットAとペレットBの混合比が部位によって変動しない、均一な混合物を提供できる。また、低含有量の界面活性剤Cは溶融成形時に熱分解などを引き起こすことが少なく、ベースポリマーの劣化を抑制できるほか、溶融成形時に発煙などの問題を引き起こすことが少ない。このことから界面活性剤Cの添加量は0.03〜0.2重量%の範囲であるとより好ましい。
本発明で用いるペレットAとペレットBの安息角の差は5°未満であることが重要である。安息角とは、ペレットをステンレス製の平板上に盛り上げ、その転がりが開始される傾きを表し、ペレットの転がり易さを表す指標であるが、本発明においてはペレットを円筒形容器(直径200mmφ、高さ40mm)に容積で50%を充填し、円筒形容器の円心に接続した軸を30rpm一定で回転させた時の、水平面とペレットがなす角度を安息角とする。この安息角の差が5°未満であれば、ペレットAとペレットBの転がり易さがほぼ同一であり、混合ペレットの脱混和を防止し、安定した品質のステレオコンプレックス成形物を提供できるのである。安息角の差は好ましくは4°未満、更に好ましくは3°未満である。ペレットA、Bの安息角の差を上記範囲に制御するには、ペレットAとペレットBの形状を同じにすること、またペレットAとペレットBの粒度を同じにすること、ペレットAとペレットBの粉体量を同じにすることで制御できる。
また、ペレットAおよびペレットBの安息角の絶対値は45°未満であることが、製造工程での取り扱いに優れ、チップホッパーや配管等での詰まりを抑制できることから好ましい。ペレットA、Bの安息角の絶対値を上記範囲内に制御するには、ペレットAおよびペレットBに含まれる粉体量を5〜100mg/100gペレットの範囲とすること、およびペレットAとペレットBの粒度を5〜50mg/個の範囲とすること、また、ペレットの形状は球状であることが安息角の絶対値を下げることが可能となるため好ましい。
ここで、粉体量とは100gのペレットAまたはペレットBを200メッシュのフィルター上で10回揺らして篩いにかけ、フィルターを通過した粉体の量を表したものである。粉体量が5mg/100gペレット以上であれば、ペレットの転がり抵抗が少なく、安息角の絶対値を45°未満とすることが可能となる。また、粉体量が100mg/100gペレット以下であれば、輸送工程や溶融成形機の原料ホッパー内で粉体が堆積することが少ないため好ましい。このことから粉体量は5〜50mg/100gペレットであることがより好ましい。
また、ペレットの粒度はペレット100個の重量を測定し、1個当たりの重量として算出した値であるが、上記範囲とすることで、ペレット同士または原料ホッパー壁面との接触面積が小さくなるため、ペレットが転がりやすくなり、安息角の絶対値を低下させる効果がある。
更に、ペレットAおよびペレットBにそれぞれ、またはペレットAとペレットBの混合物に対して界面活性剤Cを添加することによって、ペレット表面に界面活性剤が付着し、ペレット同士および原料ホッパー壁面での摩擦抵抗が低減され、安息角の絶対値を低下させる効果が得られる。
また、本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲でポリL乳酸、ポリD乳酸、界面活性剤の他に、その他の改質剤、添加剤や他のポリマーを含有せしめることもできる。更に、一般的にポリL乳酸、ポリD乳酸は加水分解によって性能が低下してしまうことから、加水分解抑制剤を含有することも好ましい。加水分解抑制剤とは、ポリ乳酸の末端基であるカルボキシル基を何らかの形で封鎖できるものが好ましく用いられるが、例としてカルボジイミド化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物や有機酸の無水物などが好適に用いられる。
本発明においてステレオコンプレックス成形物は上記ペレットA、ペレットBおよび界面活性剤Cをブレンドしてペレット混合物を製造し、このペレット混合物を溶融成形して製造されるものであるが、ここでいう「ブレンド」するとはペレットAおよびペレットBを溶融してブレンドするものではなく、ペレットとしての形状を保持したまま混合し、混合物とするものである。ペレットA、ペレットBおよび界面活性剤Cのブレンド方法については、これら成分を同時に混合する方法、ペレットAおよびペレットBを予め混合混合しておき、その後界面活性剤Cを混合する方法、ペレットAおよびペレットBの一方または両方に予め界面活性剤Cを混合したのち、両者を混合する方法などが挙げられる。
また、任意の成分である上記改質剤、添加剤や他のポリマー等の添加方法に特に制限はなく、ポリL乳酸および/またはポリD乳酸の重合時に添加しても良いし、先に混練したマスターペレットの形態としても良いし、予めペレットAおよび/またはペレットBに含有せしめておいて、混合に供してもよい。また、直接本発明のペレットA、ペレットB及び界面活性剤Cと直接混合して溶融成形しても良い。
また、本発明で用いるペレットA、ペレットBは、乾燥して用いるのが好ましい。乾燥する時期は、ペレットAおよびペレットBの混合前にそれぞれのペレットを乾燥させる方法、ペレットA及びペレットB、界面活性剤Cを混合後、乾燥させる方法、ペレットA、ペレットBを混合後、これを乾燥させると同時、もしくは乾燥後、界面活性剤Cを添加するなどの方法が挙げられる。なかでもペレットAおよびペレットBを混合し、乾燥させた後、界面活性剤Cを添加し、混合するのが好ましい。このように混合時に乾燥を組み合わせると、界面活性剤Cを効率的にペレットAおよびペレットBに混合することができ、好ましいのである。
乾燥の条件については特に制限はないが、従来公知の真空乾燥装置等を用い、80〜110℃、真空の雰囲気下で行うことが好ましく、4〜10時間の範囲で行うのが好ましい。また、所謂従来公知のタワードライヤーを用いることもできるが、この場合には除湿された窒素気流下において乾燥を行うことが好ましい。
本発明においては、このような方法により、ペレットの形状のみならず表面状態をも極力同一とすることができ、脱混和現象を抑制し、均一な混合状態で溶融成形に供することができるのである。
かくして得られるペレット混合物は、溶融成形により、ステレオコンプレックス結晶を形成させ、成形品とすることができる。本発明で得られるステレオコンプレックス結晶を形成せしめた成形物は特にその形状を限定されないが、例えば繊維、フィルム、射出成形品など、溶融成形を行うあらゆる分野の成形物に好適である。これら成形物の中でも、とくに高い工程安定性が要求される溶融紡糸に好適である。
ステレオコンプレックス率は後述する方法にて求められるが、上記本発明で用いるペレット混合物を用いて溶融成形することにより、通常15%以上のステレオコンプレックス率を達成することが可能であり、耐熱性に優れた成形物が得られる。15%以上のステレオコンプレックス率を持つ成形物は、ポリL乳酸またはポリD乳酸単独の融点170℃近傍に加熱されても寸法変化を起こすことがなくなるのである。また、好ましい態様においてはステレオコンプレックス率は20%以上を達成することが可能であり、より好ましい態様においては35%以上を達成することも可能である。更に、本発明のステレオコンプレックス成形物の製造方法を、特に高い工程安定性を有する溶融紡糸に適用することで、安価かつ品質に優れたステレオコンプレックス繊維を得ることが可能となるため好ましい。溶融紡糸の具体的方法は従来公知のいかなる方法を用いても良いが、ステレオコンプレックス結晶を効率的に形成せしめ、また繊維の配向度を十分に高められることから、高速紡糸工程およびその引き延ばし工程を採用することが好ましい。ここでいう高速紡糸工程とは、具体的に紡糸速度2000〜6000m/分の領域で繊維を製造することを指す。更に、該未延伸糸は紡糸速度2000〜6000m/分の範囲で、下記式(1)を満足する紡糸条件で製造されることが好ましい。
7.34×10−8×V−2.05×10−4×V+0.6≦T≦7.34×10−8×V−2.05×10−4×V+1.2
・・・(1)
V:紡糸速度(m/分)
T:紡糸張力(cN/dtex)
上記した式の左辺については、ある紡糸速度Vにおける最低の紡糸張力を示したものであるが、紡糸張力が該範囲にあることによって未延伸糸の配向度が高まり、ステレオコンプレックス結晶を容易に形成可能な前駆体としての性能を達成するのである。また、右辺は最大の紡糸張力を示したものであるが、この値以下の領域では、糸切れなく安定した紡糸が可能となるのである。なお、本式の誘導は多数の実験結果を基に算出したものである。
上記範囲で製造された未延伸糸は、紡糸時に十分な紡糸張力を受け、溶融状態において十分に配向が進んだものとなる。このことは、後の引き延ばし工程においてステレオコンプレックス結晶を速やかに形成させる点で好ましく、また安定して製造することが可能となる。紡糸張力Tは0.7cN/dtex以上であれば、上述したように未延伸糸の分子配向を十分に進めることが可能となり、また4cN/dtex以下であれば糸切れ無く安定した製造が可能となる。このことから、上記式に加えて、下記式(2)を同時に満足する紡糸条件で未延伸糸を製造することが好ましい。
0.7≦T≦4.0・・・(2)
上記のように紡糸速度、紡糸張力を特定範囲に制御して得られたポリ乳酸未延伸糸は、紡糸線において十分に紡糸張力が与えられ、得られた未延伸糸の配向度が高く、更には本発明の方法によってポリL乳酸とポリD乳酸の分子鎖が均一に混合されている。該未延伸糸を用いて、更に引き延ばし工程、具体的には延伸工程や延伸仮撚工程を施す事で、繊維の配向度および結晶化度を更に高めることが可能となるため、機械的強度や寸法安定性に優れた繊維が得られるばかりでなく、ステレオコンプレックス結晶を十分に形成せしめ、耐熱性に優れた繊維を得ることもできる。延伸工程は、例えば熱ローラー/熱ローラー間で予熱・延伸・熱セットを行う工程でも良いし、冷ローラー/ホットプレート/熱ローラーにて製造しても良いが、ポリ乳酸はその分子構造から分子鎖間の相互作用が弱く、耐摩耗性に劣る場合が多いため、熱ローラー/熱ローラーにて延伸を行うことがより好ましい。延伸工程における予熱温度(例えば第1熱ローラーもしくはホットプレートの温度)は80〜140℃までの温度で適宜選択できる。一般に配向度が低いポリ乳酸未延伸糸は高い予熱温度を受けると繊維が軟化してしまったり、自発伸長現象が発生してローラー上で糸が弛んでしまうことがある。配向度の低いポリ乳酸繊維の予熱温度は一般に100℃が限界である。しかし、本発明で好適に用いられる高速溶融紡糸工程で得られた未延伸糸は、上記したように十分に配向度の高い繊維が得られるため、このように予熱温度の範囲を広く設定することができる。また、熱セット温度(例えば第2熱ローラーの温度)は前記予熱温度よりも高く設定することで、得られる繊維の結晶化を促進し、繊維に寸法安定性とステレオコンプレックス結晶形成による耐熱性を付与できる。このことから熱セット温度は予熱温度以上かつ130〜200℃の範囲に設定することがより好ましい。また、延伸仮撚工程では、所謂アウトドロー工程やインドロー工程など、従来公知の延伸仮撚工程を適宜選択することが可能であるが、インドロー工程であると製造設備を簡略化できるため、安価に繊維を製造することができるため好ましい。また、延伸仮撚工程における施撚体はピン、ベルトやディスクなどを採用することができるが、ベルトもしくはディスクを採用すると、高速での延伸仮撚が可能となるため、単位時間当たりの生産量を高めることができ、これによって繊維を安価に製造可能となることから好ましい。また、延伸仮撚機のヒーターは接触型、非接触型のどちらを採用することも可能であるが、非接触型であると、延伸工程で説明したように、ポリ乳酸の摩耗を防止できることから好ましい。更に該ヒーターの温度は、仮撚糸の機械的強度や寸法安定性、耐熱性を付与する観点から、100〜200℃の範囲で適宜選択することが良い。該温度範囲であれば、延伸仮撚工程で得られる繊維を、糸切れなく安定して製造可能であることと、十分に配向結晶化した機械的強度や寸法安定性、耐熱性に優れたものにできる。また、これら延伸工程や延伸仮撚工程で得られた繊維を用いて布帛を製造することも好ましい。上記方法で得られた繊維からなる布帛は、機械的特性や寸法安定性に優れるばかりでなく、ステレオコンプレックス結晶が十分に形成されているため、アイロン耐熱性にも優れることから、非常に優れた品質となる。
以下に本発明の好ましい実施の態様を示すが、本発明はこれら記載に対して何ら制限を受けるものではない。
A.重量平均分子量および分散度
試料のクロロホルム溶液にTHF(テトロヒドロフラン)を混合し測定溶液とした。これをWaters社製ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)Waters2690を用いて25℃で測定し、ポリスチレン換算で重量平均分子量(Mw)および分布曲線から分散度を求めた。なお、分散度は、分布曲線から決定した数平均分子量(Mn)と上記Mwの値から、Mw/Mnを計算し、分散度とした。
B.安息角
ペレットを円筒形容器(直径200mmφ、高さ40mm)に容積で50%を充填し、円筒形容器の円心に接続した軸を30rpm一定で回転させた時の、水平面とペレットがなす角度を安息角とした。
C.ラクチド量
試料を1±0.001gを精秤し、ジクロロメタン20mlを加えて超音波溶解させる。その後、アセトンを5ml添加し、シクロヘキサンを用いて50ml定容とし、さらに超音波溶解させる。その後上澄み液20μlをGC分析装置に注入し、得られたチャートより、予め求めておいた検量線からラクチド量を求めた。
D.粉体量
100gのペレットAまたはペレットBを200メッシュのフィルター上で10回揺らして篩いにかけ、フィルターを通過した粉体の量を測定して粉体量(mg/100gペレット)とした。
E.ステレオコンプレックス率
理学電機社製4036A2型X線回折装置を用い、以下の条件で赤道線方向の回折強度を測定した。
X線源 : Cu−Kα線(Niフィルター)
出力 : 40kV×20mA
スリット : 2mmφ−1゜−1゜
検出器 : シンチレーションカウンター
計数記録装置 : 理学電機社製RAD−C型
ステップスキャン : 0.05゜ステップ
積算時間 : 2秒
サンプルプレパレーション : 長さ4cm、重量20mgに調整し、コロジオン・
エタノール溶液で固めた。
そして、赤道線においてθ=12.0°付近に観測されるステレオコンプレックス結晶の(100)面に由来するピーク強度(ISC)から下記式によりステレオコンプレックス率を求めた。なお、ISCは、バックグラウンドや非晶による散漫散乱を差し引いた後のX線強度とした。
ステレオコンプレックス率(%)=ISC/ISC ×100(%)
SC :ステレオコンプレックス100%の結晶を生成しているサンプルのピーク強度 (ISC ref)を測定し、そのX線強度をサンプルの結晶化度(χref)で規格化した。ここで、ISC はステレオコンプレックス100%品と0%品から算出した値である、30000cpsとした。
F.変動
下記実施例にて得られた成形物において、紡糸中に1日毎にサンプリングし、そのステレオコンプレックス率の変動を測定した。バラツキの少ないものを◎とし、バラツキの大きいものを×として、4段階で評価を行った。
G.糸切れ
実施例に記載された紡糸方法にて、7日間の紡糸を行い、糸切れが0〜1回のものを◎、2〜3回のものを○、それ以上のものを×として3段階で糸切れレベルを評価した。
実施例1
純度99.8%のL乳酸を出発物質としてビス(2−エチルヘキサノエート)スズ触媒(ラクチド対触媒モル比=10000:1)存在させてチッソ雰囲気下180℃で140分間重合を行った。その後、冷却溶媒中でカットして、重量平均分子量は14万、分散度が1.7、安息角15°、粒度35mg/個、粉体量10mg/100gである球状ペレット(数平均直径3.8mm)を得た。また、ラクチド量を測定したところ0.05重量%であった。同様に、純度99.8%のD乳酸を出発物質としてビス(2−エチルヘキサノエート)スズ触媒(ラクチド対触媒モル比=10000:1)存在させてチッソ雰囲気下180℃で140分間重合を行った。ポリD乳酸の球状ペレットB(重量平均分子量14万、ラクチド量0.06重量%、分散度1.7、安息角15°、粒度35mg/個、粉体量10mg/100g、数平均直径3.8mm)を製造した。。このペレットAとペレットBをA:B=5:5の重量比で混合して混合ペレットを得た。該混合ペレットを真空乾燥機中で80℃、12時間乾燥した後、界面活性剤Cとしてオレイル酸にポリエチレングリコール(繰り返し単位4)を反応させて得られたポリエーテルエステル化合物(重量平均分子量440、ゲル浸透クロマトグラフ法により測定した。)(C−1)を用いて、混合ペレットに対して0.1重量%の割合で添加・混合させ、混合樹脂ペレットを溶融成形機に投入し、溶融温度200℃、紡糸温度210℃、口金0.3mmφ、紡糸速度5000m/分にて品種100dtex−24フィラメントの未延伸糸を得た。このとき、紡糸張力は1.6cN/dtexであった。この未延伸糸を予熱温度100℃、熱セット温度130℃にて延伸倍率1.4倍で延伸し、70dtex−24フィラメントの延伸糸を得た。得られた繊維のステレオコンプレックス率は43%であり、優れた耐熱性を示した。更に、上記製造方法にて1週間連続して紡糸するロングランテストを行った。テスト中1日毎に得られた繊維の一部をサンプルとして取り出し、強伸度特性および収縮特性を評価したが、テスト中に物性値が変動することもなく、品質に優れたステレオコンプレックス成形物を得ることができた。
実施例2
ペレットAとペレットBの混合比率を7:3とした以外は実施例1と同様の方法で延伸糸を得た。得られた延伸糸のステレオコンプレックス率は24%であり、良好な耐熱性を示す成形物が得られた。更に、ロングランテストにおいても安定した品質の繊維を製造することが可能であった。
実施例3
ペレットAとペレットBの混合比率を8:2とした以外は実施例1と同様の方法で延伸糸を得た。得られた延伸糸のステレオコンプレックス率は18%であり、十分な耐熱性を示す成形物が得られた。更に、ロングランテストにおいても安定した品質の繊維を製造することが可能であった。
比較例1
ペレットAとペレットBの混合比率を9.5:0.5とした以外は実施例1と同様にして延伸糸を得た。得られた延伸糸のステレオコンプレックス率は8%であり、耐熱性に劣るものであった。更に、ロングランテストを行ったところペレットAとペレットBが若干脱混和を起こし、経時的に物性値を確認したが、変動が大きく、安定した品質の繊維を得ることができなかった。
Figure 2006241607
実施例4
純度が99.8%のL乳酸を出発物質として、ビス(2−エチルヘキサノエート)スズ触媒(ラクチド対触媒モル比=10000:1)存在させてチッソ雰囲気下180℃で150分間重合を行い、冷却溶媒中でペレタイズを行った、重量平均分子量が15万、分散度1.8、安息角が15°、粒度35mg/個、粉体量10mg/100gの球状ペレット(数平均直径3.8mm)、ラクチド量0.08重量%のポリL乳酸をペレットAとして用いた以外は実施例1と同様の方法で延伸糸を得た。得られた延伸糸のステレオコンプレックス率は38%であり、耐熱性に優れたものであった。更に、ロングランテストを行ったところ安定した品質の繊維を得ることができた。
実施例5
純度が99.8%のL乳酸を出発物質として、ビス(2−エチルヘキサノエート)スズ触媒(ラクチド対触媒モル比=10000:1)存在させてチッソ雰囲気下180℃で160分間重合を行い、冷却溶媒中でペレタイズを行った、重量平均分子量が16万、分散度1.8、安息角が15°、粒度35mg/個、粉体量10mg/100gの球状ペレット(直径3.8mm)、ラクチド量が0.08重量%のポリL乳酸をペレットAとして用いた以外は実施例1と同様の方法で延伸糸を得た。得られた延伸糸のステレオコンプレックス率は24%であり、良好な耐熱性を示す繊維が得られた。更に、ロングランテストを行ったところ安定した品質の繊維を得ることができた。
比較例2
純度が99.8%のL乳酸を出発物質として、ビス(2−エチルヘキサノエート)スズ触媒(ラクチド対触媒モル比=10000:1)存在させてチッソ雰囲気下180℃で190分間重合を行い、冷却溶媒中でペレタイズを行って、ペレットAの重量平均分子量を20万とした以外は実施例1と同様の方法で製造し、延伸糸を得た。ペレットA(安息角15°、粒度35mg/個、粉体量10mg/100g、球状)に含まれるラクチド量は0.1重量%であった。ロングランテストについては、安定した品質の繊維を得ることができたが、得られた延伸糸のステレオコンプレックス率は9%であり、耐熱性に劣っていた。
Figure 2006241607
実施例6
重合後にストランド状態としたポリマーをカッティングして形状を円柱状(直径3mm、長さ2.8mm)として得た、粒度を25mg/個のペレットA(安息角を18°)を用いた以外は実施例1と同様の方法で延伸糸を得た。得られた繊維をDSCにて評価したところ、ステレオコンプレックス率は43%であり、優れた耐熱性を示した。更に、実施例1記載の製造方法にて1週間のロングランテストを行った。テスト中に若干のステレオコンプレックス比率変動が認められたものの、問題なく製糸可能であり、良好な均一性を持つものが得られた。
比較例3
重合後にストランド状態としたポリマーをカッティングして形状を円柱状(直径3mm、長さ4.5mm)とし、粒度が40mg/個のペレットA(安息角を25°)を用いた以外は実施例1と同様の方法で延伸糸を得た。得られた繊維をDSCにて評価したところ、ステレオコンプレックス率は41%であり、優れた耐熱性を示した。更に、実施例1記載の製造方法にて1週間のロングランテストを行ったが、ステレオコンプレックス比率変動が認められ、繊維長手方向において明らかに耐熱性の劣る部分が確認され、品位に劣る繊維しか得ることができなかった。
比較例4
界面活性剤Cを添加しなかった事以外は実施例1と同様の方法で延伸糸を得た。得られた繊維をDSCにて評価したところ、ステレオコンプレックス率は40%であり、優れた耐熱性を示した。更に、実施例1記載の製造方法にて1週間のロングランテストを行ったが、ステレオコンプレックス比率変動が認められ、繊維長手方向において明らかに耐熱性の劣る部分が確認され、品位に劣る繊維しか得ることができなかった。
Figure 2006241607
実施例7
ペレットAとして重量平均分子量を14万、分散度を2.0、安息角15°、ラクチド量0.15重量%のポリマーを用い、同様にペレットBとして重量平均分子量を14万、分散度2.0、安息角15°、ラクチド量0.16重量%のポリマーを用いた以外は実施例1と同様の方法で延伸糸を得た。延伸糸のステレオコンプレックス率は40%であり、優れた耐熱性を示した。更に、実施例1記載の製造方法にて1週間のロングランテストを行ったところ、ステレオコンプレックス率も変動せず、優れた品質の繊維を製造することができたが、製造工程中で脱離した低分子量化合物が製造設備に付着して糸切れが発生した。また分散度の低さから、製糸安定性が若干悪かったが、製造は可能なレベルであった。
Figure 2006241607
実施例8
紡糸速度を4000m/分とし、延伸倍率を1.6倍とした以外は実施例1と同様の方法で繊維を得た。紡糸張力は1.13cN/dtexであり、問題なくステレオコンプレックス結晶を形成した繊維を得るための未延伸糸を得られた。物性値を表5に示すが、優れた耐熱性と品質を有する繊維を得ることができた。
実施例9
紡糸速度を6000m/分とし、延伸倍率を1.3倍とした以外は実施例1と同様の方法で繊維を得た。紡糸張力は2.2cN/dtexであり、問題なくステレオコンプレックス結晶を形成した繊維を得るための未延伸糸を得られた。物性値を表5に示すが、優れた耐熱性と品質を有する繊維を得ることができた。
Figure 2006241607
実施例10
実施例1で得られた未延伸糸を用いて、仮撚温度130℃、加工倍率1.4倍、VR1.35にて、村田機械(株)製マッハクリンパーMACH33H+を用いて仮撚加工糸を得た。該仮撚加工糸のステレオコンプレックス率は40%であり、優れた耐熱性を示した。また、仮撚加工工程でも安定した製造が可能であった。
実施例11
仮撚温度150℃、加工倍率1.45倍、VR1.4とした以外は実施例10と同様の方法で仮撚加工糸を得た、。得られた繊維のステレオコンプレックス率は42%であり、優れた耐熱性を示していた。また、仮撚加工工程も安定しており、問題なく製造可能であった。
Figure 2006241607

Claims (3)

  1. L乳酸単位を主体とするポリ乳酸よりなるペレットA、D乳酸単位を主体とするポリ乳酸よりなるペレットB、およびペレットAおよびペレットBの合計に対して0.003〜0.3重量%の界面活性剤Cをブレンドしてペレット混合物を製造し、該ペレット混合物を溶融成形するステレオコンプレックス成形物の製造方法であって、ペレットAとペレットBの混合比(ペレットA:ペレットB)(重量比)が9:1〜1:9であり、かつペレットAとペレットBの安息角の差が5度未満、ペレットAを構成するポリ乳酸とペレットBを構成するポリ乳酸の重量平均分子量の差が2万以下であることを特徴とするステレオコンプレックス成形物の製造方法。
  2. ペレット混合物を、ペレットAおよびペレットBを混合し、得られる混合物を乾燥させた後、界面活性剤Cと混合して製造することを特徴とする請求項1記載のステレオコンプレックス成形物の製造方法。
  3. 溶融成形が、紡糸速度2000〜6000m/分、かつ、紡糸速度Vと紡糸張力Tが下記式(1)を満足する条件にて溶融紡糸するものであり、溶融紡糸後、紡糸された未延伸糸を用いて、引き延ばし工程を行う段階で熱処理を行って繊維を得ることを特徴とする請求項1記載のステレオコンプレックス成形物の製造方法。
    7.34×10−8×V−2.05×10−4×V+0.6≦T≦7.34×10−8×V−2.05×10−4×V+1.2
    ・・・(1)
    V:紡糸速度(m/分)
    T:紡糸張力(cN/dtex)
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