JP2006241226A - 多孔性単分散粒子およびその製造方法 - Google Patents

多孔性単分散粒子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ミクロンオーダーの多孔質粒子であって、多孔性であり、また、粒径分布が狭く、単分散になるものを提供すること。
【解決手段】ポリメタクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチルを共重合成分として70質量%以上含むアクリル系樹脂粒子をシード粒子とし、これをメタクリル酸メチルを70質量%以上とジビニルベンゼンを3〜8質量%含むモノマー混合物および油溶性重合開始剤を含む膨潤液で、前記シード粒子との質量比で20〜80倍に膨潤させた後、重合させることにより得られる多孔性単分散粒子。
【選択図】図1

Description

本発明は、多孔性単分散粒子およびその製造方法に関し、更に詳細には、ほぼ球状であり、表面積が大きく、粒径の揃った多孔性単分散粒子およびその製造方法に関する。
これまで、サブミクロンオーダーの種々の形状の粒子、例えば、ダルマ状、いいだこ状、金平糖状、中空状の異形粒子については、乳化重合での相分離を利用した作製法が知られている(非特許文献1)。
一方、ミクロンオーダーの微孔を有する多孔質粒子の製造方法については、重合体シード粒子に架橋性単量体と開始剤を吸収させ、重合して得られる方法(特許文献1)や、高分子微粒子に架橋性単量体からなる混合物を加え、油溶性開始剤の存在下に、その開始剤の分解温度に速やかに加温して重合させる方法(特許文献2)等が知られている。
しかしながら、これまで知られているミクロンオーダーの多孔質粒子は、多孔度が低く、また、粒径分布が広く、単分散にならないものであり実用的ではなかった。
すなわち、顔料や薬剤用の担体、あるいは各種吸着剤や分析用カラム等に用いるためには、多孔度が高く、その分散が狭いことが求められていた。
特開2000−191818号公報 特開昭61−225254号公報 M. Okubo et. al., Colloid Polym. Sci., 274:433-438(1996).
本発明は、上記のような現状に鑑みてなされたものであり、ミクロンオーダーの粒径を有し、多孔性であり、また、粒径分布が狭く、単分散の多孔質粒子を提供することをその課題とするものである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、シード粒子としてメタクリル酸メチルを特定量含むアクリル系樹脂粒子を用い、これをモノマー混合物および重合開始剤を含む膨潤液で膨潤させた後、重合させれば、ミクロンオーダーの粒径を有しながらその粒径分布が狭い多孔性単分散粒子が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明はポリメタクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチルを共重合成分として70質量%以上含むアクリル系樹脂粒子をシード粒子とし、これをメタクリル酸メチルを70質量%以上とジビニルベンゼンを3〜8質量%含むモノマー混合物および油溶性重合開始剤を含む膨潤液で、前記シード粒子との質量比で20〜80倍に膨潤させた後、重合させることにより得られる多孔性単分散粒子である。
また、本発明はポリメタクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチルを共重合成分として70質量%以上含むアクリル系樹脂粒子をシード粒子とし、これをメタクリル酸メチルを70質量%以上とジビニルベンゼンを3〜8質量%含むモノマー混合物および油溶性重合開始剤を含む膨潤液で、前記シード粒子との質量比で20〜80倍に膨潤させた後、重合させることを特徴とする多孔性単分散粒子の製造方法である。
本発明の多孔性単分散粒子は、球状で多孔性であり、また、粒径分布が狭く、単分散のものである。
従って、本発明の多孔性単分散粒子は、各種顔料、薬剤等を含有せしめることができる担体として用いることができ、更に、多孔性であることから各種吸着剤やカラム等にも好適に利用できるものである。
本発明の多孔性単分散粒子のシード粒子(以下、単に「シード粒子」ということがある)は、ポリメタクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチルを共重合成分として70質量%(以下、単に「%」で示す)以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上含むアクリル系樹脂粒子である。このシード粒子は常法により製造することができ、例えば、ポリメタクリル酸メチル等の粒径の小さい基本粒子を、メタクリル酸メチル等の膨潤モノマーで膨潤させた後、重合させることにより得ることができる。この膨潤・重合は複数回行うこともある。また、シード粒子は前記方法で製造する他に、乳化重合法、ソープフリー重合法、分散重合法等の重合方法により直接製造することもできる。なお、シード粒子を製造する際に用いる膨潤モノマーには前記メタクリル酸メチルの他に共重合成分として、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリーブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレン等を含んでいても良い。なお、このシード粒子が(メタ)アクリル酸アルキルエステルを30%以上、スチレンを5%以上含むと多孔性単分散粒子が得られないことがあるため好ましくない。
これらシード粒子の形状としては、球形であることが好ましい。また、このシード粒子の平均粒径としては0.5μm〜4.5μmが好ましく、特に1.3μm〜3.5μmが好ましい。また、シード粒子の平均分子量は特に制限されないが、15万〜30万が好ましく、特に18万〜27万が好ましい。この平均分子量が15万より小さいと多孔質になりにくいことがあり、30万より大きいと開孔が一極に偏ることがあり、歪な粒子になることがある。なお、平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定された標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
上記シード粒子は、メタアクリル酸メチルを70質量%以上とジビニルベンゼンを3〜8質量%含むモノマー混合物および油溶性重合開始剤を含む膨潤液で膨潤させる。
上記膨潤液に含まれるモノマー混合物はメタアクリル酸メチルを70%以上、好ましくは、80%以上、更に好ましくは90%以上含むものである。また、モノマー混合物はジビニルベンゼンを3〜8%、好ましくは3〜6%含むものである。このジビニルベンゼンは架橋剤として作用するものであり、これが3%より少ないと多孔にならないことがあり、8%よりも多いと多孔質の孔の開きが一極に集中することがあるため好ましくない。
上記モノマー混合物には、シード粒子の場合と同様に前記メタクリル酸メチルの他に、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリーブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレン等のモノマーを含んでいても良い。なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーはモノマー混合物中に27%以下、好ましくは17%以下、更に好ましくは7%以下である。これらのモノマーが27%を超えると、多孔質にならないことがあり好ましくない。また、スチレンモノマーは5%以上含むと多孔性単分散粒子が得られないことがあり好ましくない。
また、上記膨潤液に含まれる油溶性重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系重合開始剤等を利用することができる。この油溶性重合開始剤は、モノマー混合物100重量部に対し、0.2〜4重量部程度、特に1〜2重量部程度が好ましい。
この膨潤液によりシード粒子を膨潤させるためには、一定温度で一定時間の膨潤時間を設けることが好ましく、その好適な範囲は、室温〜50℃で0.5〜3時間である。シード粒子はこの膨潤液により質量比で20〜80倍程度に膨潤させることが好ましい。
また、上記膨潤液には水および乳化剤を添加して、ホモジナイザー等で予め乳化させておくことが好ましい。更に、これら膨潤液には重合禁止剤等を添加しても良い。
上記のようにして膨潤液で膨潤させたシード粒子は、次いで重合反応に付される。この重合反応は常法により行うことができる。
また、重合の際には、分散安定剤としてポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、ヒドロキシプロピルセルロース等を添加しても良い。
更に、重合後には、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコールの水溶液、水等で洗浄、ろ過等の精製を行っても良い。
斯くして得られる本発明の多孔性単分散粒子は、その形状がほぼ球状であり、表面だけでなく内部まで通じる孔を有する多孔性のものである。また、この多孔性単分散粒子は、粒径分布が狭く、単分散である。
この多孔性単分散粒子の平均粒径は、2〜15μm程度、好ましくは5〜10μm程度である。また、粒径の分散性(ばらつき)を示すCV値は、通常15%未満、好ましくは10%未満の範囲にある。更に、その比表面積は、0.7〜10m/g程度である。本発明の多孔性単分散粒子の比表面積は、同程度の粒径を有する真球状粒子の比表面積と比較すると2〜10倍程度高い値を有する。
本発明の多孔性単分散粒子は、上記のような性質を有するため、例えば、各種機能性物質の担体、クロマトグラフィー用充填剤、各種吸着剤等として使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
製 造 例 1
シード粒子Aの作製(1段目):
1Lのセパラブルフラスコに、膨潤モノマーとしてメタクリル酸メチル84重量部、ベンゾイルパーオキサイドを1.3重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.7重量部、および水200mlを入れ、ホモジナイザーで乳化させた。これに0.4μmのPMMAシード粒子(MP−1100:綜研化学(株)製)を15.4重量部加え、80rpmで撹拌しながら、50℃で40分膨潤させた。これを更に撹拌しながら、75℃で1.5時間重合し、シード粒子Aを作製した。得られたシード粒子についてSEM観察を行ったところ、その平均粒径は0.75μmで、単分散(CV値:2.1%)であった。
製 造 例 2
シード粒子Bの作製(2段目):
膨潤モノマーとしてメタクリル酸メチルを82.1重量部、シード粒子Aを17.9重量部用いた以外は、製造例1と同様にしてシード粒子Bを作製した。得られたシード粒子についてSEM観察を行ったところ、その平均粒径は1.3μmで、単分散(CV値:2.0%)、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法、カラム:HXL−H、G7000HXL、GMHXL−L、G2500HXL(以上、商品名、東ソー(株)製)、検出器:示差屈折計)により測定した重量平均分子量(Mw)は、22万であった。
製 造 例 3
シード粒子Cの作製(2段目):
膨潤モノマーとしてメタクリル酸メチルを88.1重量部、シード粒子Aを11.9重量部用いた以外は、製造例1と同様にしてシード粒子C作製した。得られたシード粒子についてSEM観察を行ったところ、その平均粒径は1.5μmで、単分散(CV値:2.1%)、Mw=23.2万であった。
製 造 例 4
シード粒子Dの作製(3段目):
膨潤モノマーとしてメタクリル酸メチルを90.7重量部、シード粒子Bを9.3重量部用いた以外は、製造例1と同様にしてシード粒子Dを作製した。得られたシード粒子についてSEM観察を行ったところ、その平均粒径は2.9μmで、単分散(CV値:2.2%)、Mw=22万であった。
製 造 例 5
シード粒子Eの作製(3段目):
膨潤モノマーとしてメタクリル酸メチルを60.7重量部、メタクリル酸エチルを30重量部用い、シード粒子Bを9.3重量部用いた以外は、製造例1と同様にしてシード粒子Eを作製した。得られたシード粒子についてSEM観察を行ったところ、その平均粒径は2.9μmで、単分散(CV値:2.4%)、Mw=21.5万であった。
製 造 例 6
シード粒子Fの作製(3段目):
膨潤モノマーとしてメタクリル酸メチルを60.7重量部およびメタクリル酸イソブチルを30重量部用い、シード粒子Bを9.3重量部用いた以外は、製造例1と同様にしてシード粒子Fを作製した。得られたシード粒子についてSEM観察を行ったところ、その平均粒径は2.9μmで、単分散(CV値:2.4%)、Mw=20万であった。
製 造 例 7
シード粒子Gの作製(3段目):
膨潤モノマーとしてメタクリル酸メチルを81.6重量部およびメタクリル酸ラウリルを9.1重量部用い、シード粒子Bを9.3重量部用いた以外は、製造例1と同様にしてシード粒子Gを作製した。得られたシード粒子についてSEM観察を行ったところ、その平均粒径は2.9μmで、単分散(CV値:2.3%)、Mw=22万であった。
製 造 例 8
シード粒子Hの作製(3段目):
膨潤モノマーとしてメタクリル酸メチルエステルを85.6重量部およびスチレンを5.1重量部用い、シード粒子Bを9.3重量部用いた以外は、製造例1と同様にしてシード粒子Hを作製した。得られたシード粒子についてSEM観察を行ったところ、その平均粒径は2.9μmで、単分散(CV値:2.0%)、Mw=23.5万であった。
製 造 例 9
シード粒子Iの作製(3段目):
膨潤モノマーとしてメタクリル酸エチルを90.7重量部、シード粒子Bを9.3重量部用いた以外は、製造例1と同様にしてシード粒子Iを作製した。得られたシード粒子についてSEM観察を行ったところ、その平均粒径は2.9μmで、単分散(CV値:2.4%)、Mw=22.9万であった。
製 造 例 10
シード粒子Jの作製(3段目):
膨潤モノマーとしてメタクリル酸イソブチルを90.7重量部用い、シード粒子Bを9.3重量部用いた以外は、製造例1と同様にしてシード粒子Jを作製した。得られたシード粒子についてSEM観察を行ったところ、その平均粒径は2.9μmで、単分散(CV値:2.7%)、Mw=21.5万であった。
製 造 例 11
シード粒子Kの作製(3段目):
膨潤モノマーとしてスチレンを90.7重量部用い、シード粒子Bを9.3重量部用いた以外は、製造例1と同様にしてシード粒子Kを作製した。得られたシード粒子についてSEM観察を行ったところ、その平均粒径は2.9μmで、単分散(CV値:2.1%)、Mw=20万であった。
製 造 例 12
シード粒子Lの作製(3段目):
膨潤モノマーとしてメタクリル酸メチルエステルを40.8重量部およびスチレンを49.9重量部用い、シード粒子Bを9.3重量部用いた以外は、製造例1と同様にしてシード粒子Lを作製した。得られたシード粒子についてSEM観察を行ったところ、その平均粒径は2.9μmで、単分散(CV値:2.1%)、Mw=20.5万であった。
製 造 例 13
シード粒子Mの作製(2段目):
膨潤モノマーとしてメタクリル酸メチルを88.1重量部、ノルマルドデシルメルカプタン(NDM)を0.1重量部用い、シード粒子Aを11.9重量部用いた以外は、製造例1と同様にしてシード粒子M作製した。得られたシード粒子についてSEM観察を行ったところ、その平均粒径は1.5μmで、単分散(CV値:2.1%)、Mw=11.3万であった。
製 造 例 14
シード粒子Nの作製(2段目):
膨潤モノマーとしてメタクリル酸メチルを88.1重量部、ベンゾイルパーオキサイドを0.7重量部用い、シード粒子Aを11.9重量部用いた以外は、製造例1と同様にしてシード粒子N作製した。得られたシード粒子についてSEM観察を行ったところ、その平均粒径は1.5μmで、単分散(CV値:2.3%)、Mw=26.1万であった。
製 造 例 15
シード粒子Oの作製(3段目):
膨潤モノマーとしてメタクリル酸メチルを90.7重量部、ベンゾイルパーオキサイドを0.5重量部用い、シード粒子Bを9.3重量部用いた以外は、製造例1と同様にしてシード粒子Oを作製した。得られたシード粒子についてSEM観察を行ったところ、その平均粒径は2.9μmで、単分散(CV値:2.2%)、Mw=30万であった。
製 造 例 16
シード粒子Pの作製(3段目):
膨潤モノマーとしてメタクリル酸メチルを90.7重量部、ベンゾイルパーオキサイドを3.1重量部用い、シード粒子Bを9.3重量部用いた以外は、製造例1と同様にしてシード粒子Pを作製した。得られたシード粒子についてSEM観察を行ったところ、その平均粒径は2.9μmで、単分散(CV値:2.3%)、Mw=20.5万であった。
製 造 例 17
シード粒子Qの作製(3段目):
膨潤モノマーとしてメタクリル酸メチルを90.7重量部、ノルマルドデシルメルカプタン(NDM)を0.05重量部用い、シード粒子Bを9.3重量部用いた以外は、製造例1と同様にしてシード粒子Qを作製した。得られたシード粒子についてSEM観察を行ったところ、その平均粒径は2.9μmで、単分散(CV値:2.1%)、Mw=18.7万であった。
製 造 例 18
シード粒子Rの作製(3段目):
膨潤モノマーとしてメタクリル酸メチルを90.7重量部、ノルマルドデシルメルカプタン(NDM)を0.2重量部用い、シード粒子Bを9.3重量部用いた以外は、製造例1と同様にしてシード粒子Rを作製した。得られたシード粒子についてSEM観察を行ったところ、その平均粒径は2.9μmで、単分散(CV値:2.1%)、Mw=12.8万であった。
実 施 例 1
セパラブルフラスコに、メタクリル酸メチル95重量部とジビニルベンゼン5重量部とを含むモノマー混合物、ベンゾイルパーオキサイド1.3重量部、乳化剤(TP−BN−2070M:テイカ製)0.7重量部および水200重量部を入れ、ホモジナイザーで乳化させた。これに製造例4で作製したシード粒子D(平均分子量22万、平均粒径2.9μmのポリメタクリル酸メチル)を2.5重量部を加え、攪拌しながら、50℃で40分間膨潤させた。これに、ポリビニルアルコール0.5重量部を加え、引き続き攪拌することにより40倍に膨潤させた。膨潤後、更にポリビニルアルコールを1.5重量部加え、引続き攪拌しながら75℃で1.5時間重合し、多孔性単分散粒子を作製した。重合終了後、重合液をろ過し、更にイソプロピルアルコール水溶液、水の順序で2回ずつ洗浄とろ過を行い、単量体と乳化剤を除去し、粒子を得た。
上記で得られた粒子についてSEM観察を行い、粒径を測定したところ10μmであった(図1)。また、粒子の形状をSEM像から評価した。その結果、粒子の形状は球形で多孔状であった。更に、粒子の分散性をCV値により評価した。CV値はSEM写真により2000個の粒子の粒径を測定し、その変動係数により算出した。その結果、CV値は2.5%であり、単分散であった。また更に、粒子の比表面積をMacsorb 1208型(マウンテック製)で測定した結果、比表面積は2.1m/gであった。これらの結果から本実施例で得られた粒子は多孔性単分散粒子であった。
実 施 例 2
樹脂粒子として製造例16で作製したシード粒子P(平均分子量20.5万、平均粒径2.9μmのポリメタクリル酸メチル)を用いる以外は実施例1と同様に多孔性単分散粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.7%で単分散、形状は球形、多孔状、平均粒径は10μm、比表面積は2.4m/gであった。
実 施 例 3
樹脂粒子として製造例4で製造したシード粒子D(平均分子量22万、平均粒径2.9μmのポリメタクリル酸メチル)を用い、モノマー混合物としてメタクリル酸メチル90重量部、スチレンモノマー5重量部、ジビニルベンゼン5重量部の混合物を用いる以外は実施例1と同様に多孔性単分散粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.7%で単分散、形状は球形、多孔状、平均粒径は10μm、比表面積は2.5m/gであった。
実 施 例 4
樹脂粒子として製造例4で製造したシード粒子D(平均分子量22万、平均粒径2.9μmのポリメタクリル酸メチル)を用い、モノマー混合物としてメタクリル酸メチル93重量部、スチレン2重量部、ジビニルベンゼン5重量部の混合物を用いる以外は実施例1と同様に多孔性単分散粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.6%で単分散、形状は球形、多孔状、平均粒径は10μm、比表面積は2.3m/gであった。
実 施 例 5
樹脂粒子として製造例4で製造したシード粒子D(平均分子量22万、平均粒径2.9μmのポリメタクリル酸メチル)を用い、モノマー混合物としてメタクリル酸メチル70重量部、メタクリル酸イソブチル25重量部、ジビニルベンゼン5重量部の混合物を用いる以外は実施例1と同様に多孔性単分散粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.8%で単分散、形状は球形、多孔状、平均粒径は10μm、比表面積は1.8m/gであった。
実 施 例 6
樹脂粒子として製造例4で製造したシード粒子D(平均分子量22万、平均粒径2.9μmのポリメタクリル酸メチル)を用い、モノマー混合物としてメタクリル酸メチル90重量部、メタクリル酸ラウリル5重量部、ジビニルベンゼン5重量部の混合物を用いる以外は実施例1と同様に多孔性単分散粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.6%で単分散、形状は球形、多孔状、平均粒径は10μm、比表面積は1.8m/gであった。
実 施 例 7
樹脂粒子として製造例4で製造したシード粒子D(平均分子量22万、平均粒径2.9μmのポリメタクリル酸メチル)を用い、モノマー混合物としてメタクリル酸メチル85重量部、メタクリル酸エチル10重量部、ジビニルベンゼン5重量部の混合物を用いる以外は実施例1と同様に多孔性単分散粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.6%で単分散、形状は球形、多孔状、平均粒径は10μm、比表面積は2.1m/gであった。
実 施 例 8
樹脂粒子として製造例5で製造したシード粒子E(メタクリル酸メチル70質量%およびメタクリル酸エチル30質量%の共重合成分を含み、平均分子量21.5万、平均粒径2.9μmのもの)を用いる以外は実施例1と同様に多孔性単分散粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.3%で単分散、形状は球形、多孔状、平均粒径は10μm、比表面積は2.0m/gであった。
実 施 例 9
樹脂粒子として製造例6で製造したシード粒子F(メタクリル酸メチル70質量%およびメタクリル酸イソブチル30質量%の共重合成分を含み、平均分子量20万、平均粒径2.9μmのもの)を用いる以外は実施例1と同様に多孔性単分散粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.8%で単分散、形状は球形、多孔状、平均粒径は10μm、比表面積は1.8m/gであった。
実 施 例 10
樹脂粒子として製造例7で製造したシード粒子G(メタクリル酸メチル91質量%およびメタクリル酸ラウリル9質量%の共重合成分を含み、平均分子量22万、平均粒径2.9μmのもの)を用いる以外は実施例1と同様に多孔性単分散粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.4%で単分散、形状は球形、多孔状、平均粒径は10μm、比表面積は1.8m/gであった。
実 施 例 11
樹脂粒子として製造例8で製造したシード粒子H(メタクリル酸メチル95質量%およびスチレン5質量%の共重合成分を含み、平均分子量23.5万、平均粒径2.9μmのものを用いる以外は実施例1と同様に多孔性単分散粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.8%で単分散、形状は球形、多孔状、平均粒径は10μm、比表面積は2.1m/gであった。
実 施 例 12
樹脂粒子として製造例3で製造したシード粒子C(平均分子量23.2万、平均粒径1.5μmのポリメタクリル酸メチル)を用い、モノマー混合物としてメタクリル酸メチル96重量部、ジビニルベンゼン4重量部の混合物を用い、膨潤倍率を35倍とする以外は実施例1と同様に多孔性単分散粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.8%で単分散、形状は球形、多孔状、平均粒径は5μm、比表面積は1.9m/gであった。
実 施 例 13
樹脂粒子として製造例14で製造したシード粒子N(平均分子量26.1万、平均粒径1.5μmのポリメタクリル酸メチル)を用い、モノマー混合物としてメタクリル酸メチル96重量部、ジビニルベンゼン4重量部の混合物を用い、膨潤倍率を35倍とする以外は実施例1と同様に多孔性単分散粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.6%で単分散、形状は球形、多孔状、平均粒径は5μm、比表面積は1.8m/gであった。
実 施 例 14
樹脂粒子として製造例4で製造したシード粒子D(平均分子量22万、平均粒径2.9μmのポリメタクリル酸メチル)を用い、モノマー混合物としてメタクリル酸メチル97重量部、ジビニルベンゼン3重量部の混合物を用いる以外は実施例1と同様に多孔性単分散粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.6%で単分散、形状は球形、多孔状、平均粒径は10μm、比表面積は2.3m/gであった。
実 施 例 15
樹脂粒子として製造例4で製造したシード粒子D(平均分子量22万、平均粒径2.9μmのポリメタクリル酸メチル)を用い、モノマー混合物としてメタクリル酸メチル92重量部、ジビニルベンゼン8重量部の混合物を用いる以外は実施例1と同様に多孔性単分散粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.9%で単分散、形状は球形、多孔状、平均粒径は10μm、比表面積は2.2m/gであった。
実 施 例 16
樹脂粒子として製造例2で製造したシード粒子B(平均分子量22万、平均粒径1.3μmのポリメタクリル酸メチル)を用い、モノマー混合物としてメタクリル酸メチル97重量部、ジビニルベンゼン3重量部の混合物を用い、膨潤倍率を27倍とする以外は実施例1と同様に多孔性単分散粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.2%で単分散、形状は球形、多孔状、平均粒径は4μm、比表面積は2.5m/gであった。
実 施 例 17
樹脂粒子として製造例4で製造したシード粒子D(平均分子量22万、平均粒径2.9μmのポリメタクリル酸メチル)を用い、膨潤倍率を80倍とする以外は実施例1と同様に多孔性単分散粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は3.0%で単分散、形状は球形、多孔状、平均粒径は12.5μm、比表面積は1.6m/gであった。
実 施 例 18
樹脂粒子として製造例17で製造したシード粒子Q(平均分子量18.7万、平均粒径2.9μmのポリメタクリル酸メチル)を用いる以外は実施例1と同様に多孔性単分散粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.7%で単分散、形状は球形、多孔状、平均粒径は10μm、比表面積は1.8m/gであった。
実 施 例 19
樹脂粒子として製造例4で製造したシード粒子D(平均分子量22万、平均粒径2.9μmのポリメタクリル酸メチル)を用い、モノマー混合物としてメタクリル酸メチル85重量部、スチレン10重量部、ジビニルベンゼン5重量部の混合物を用いる以外は実施例1と同様に多孔性単分散粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.6%で単分散、形状は球形、一部多孔状、平均粒径は10μm、比表面積は0.9m/gであった。
実 施 例 20
樹脂粒子として製造例18で製造したシード粒子R(平均分子量12.8万、平均粒径2.9μmのポリメタクリル酸メチル)を用いる以外は実施例1と同様に多孔性単分散粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.4%で単分散、形状は球形、一部多孔状、平均粒径は10μm、比表面積は0.7m/gであった。
実 施 例 21
樹脂粒子として製造例13で製造したシード粒子M(平均分子量11.3万、平均粒径1.5μmのポリメタクリル酸メチル)を用い、モノマー混合物としてメタクリル酸メチル96重量部、ジビニルベンゼン4重量部の混合物を用い、膨潤倍率を35倍とする以外は実施例1と同様に多孔性単分散粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.6%で単分散、形状は球形、一部多孔状、平均粒径は5μm、比表面積は1.1m/gであった。
実 施 例 22
樹脂粒子として製造例15で製造したシード粒子O(平均分子量30万、平均粒径2.9μmのポリメタクリル酸メチル)を用いる以外は実施例1と同様に多孔性単分散粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.9%で単分散、形状は球形、一部多孔状、平均粒径は10μm、比表面積は0.9m/gであった。
比 較 例 1
樹脂粒子として製造例4で製造したシード粒子D(平均分子量22万、平均粒径2.9μmのポリメタクリル酸メチル)を用い、モノマー混合物としてメタクリル酸メチル99重量部、ジビニルベンゼン1重量部の混合物を用いる以外は実施例1と同様に粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.8%で単分散、形状は異形、非多孔状、平均粒径は10μm、比表面積は0.6m/gであった。
比 較 例 2
樹脂粒子として製造例4で製造したシード粒子D(平均分子量22万、平均粒径2.9μmのポリメタクリル酸メチル)を用い、モノマー混合物としてメタクリル酸メチル90重量部、ジビニルベンゼン10重量部の混合物を用いる以外は実施例1と同様に粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は7.2%で単分散、形状は球形、一極開孔状、平均粒径は10μm、比表面積は0.8m/gであった。
比 較 例 3
樹脂粒子として製造例4で製造したシード粒子D(平均分子量22万、平均粒径2.9μmのポリメタクリル酸メチル)を用い、モノマー混合物としてメタクリル酸メチル80重量部、ジビニルベンゼン20重量部の混合物を用いる以外は実施例1と同様に粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は27%で多分散、形状は球形、一極開孔状、平均粒径は10μm、比表面積は0.8m/gであった。
比 較 例 4
樹脂粒子として製造例4で製造したシード粒子D(平均分子量22万、平均粒径2.9μmのポリメタクリル酸メチル)を用い、モノマー混合物としてスチレン95重量部、ジビニルベンゼン5重量部の混合物を用いる以外は実施例1と同様に粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.6%で単分散、形状は球形、非多孔状、平均粒径は10μm、比表面積は0.6m/gであった。
比 較 例 5
樹脂粒子として製造例11で製造したシード粒子K(メタクリル酸メチル9質量%およびスチレン91質量%の共重合成分を含み、平均分子量20万、平均粒径2.9μmのもの)を用いる以外は実施例1と同様に粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.9%で単分散、形状は球形、非多孔状、平均粒径は10μm、比表面積は0.6m/gであった。
比 較 例 6
樹脂粒子として製造例9で製造したシード粒子I(メタクリル酸メチル9質量%およびメタクリル酸エチル91質量%の共重合成分を含み、平均分子量22.9万、平均粒径2.9μmのもの)を用いる以外は実施例1と同様に粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.2%で単分散、形状は異形、非多孔状、平均粒径は10μm、比表面積は0.7m/gであった。
比 較 例 7
樹脂粒子として製造例10で製造したシード粒子J(メタクリル酸メチル9質量%およびメタクリル酸イソブチル91質量%の共重合成分を含み、平均分子量21.5万、平均粒径2.9μmのもの)を用いる以外は実施例1と同様に粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は3.0%で単分散、形状は異形、非多孔状、平均粒径は10μm、比表面積は0.7m/gであった。
比 較 例 8
樹脂粒子として製造例4で製造したシード粒子D(平均分子量22万、平均粒径2.9μmのポリメタクリル酸メチル)を用い、モノマー混合物としてメタクリル酸メチル50重量部、メタクリル酸イソブチル45重量部、ジビニルベンゼン5重量部の混合物を用いる以外は実施例1と同様に粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.9%で単分散、形状は異形、非多孔状、平均粒径は10μm、比表面積は0.9m/gであった。
比 較 例 9
樹脂粒子として製造例12で製造したシード粒子L(メタクリル酸メチル50質量%およびメタクリル酸ブチル50質量%の共重合成分を含み、平均分子量20.5万、平均粒径2.9μmのもの)を用いる以外は実施例1と同様に粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.2%で単分散、形状は球形、非多孔状、平均粒径は10μm、比表面積は1.2m/gであった。
比 較 例 10
樹脂粒子として製造例4で製造したシード粒子D(平均分子量22万、平均粒径2.9μmのポリメタクリル酸メチル)を用い、膨潤倍率を10倍とする以外は実施例1と同様に粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は2.5%で単分散、形状は球形、非多孔状、平均粒径は6.2μm、比表面積は1.3m/gであった。
比 較 例 11
樹脂粒子として製造例4で製造したシード粒子D(平均分子量22万、平均粒径2.9μmのポリメタクリル酸メチル)を用い、膨潤倍率を100倍とする以外は実施例1と同様に粒子を製造した。得られた粒子について実施例1と同様に評価した結果、CV値は16%で多分散、形状は球形、多孔状、平均粒径は13.5μmであった。
本発明の多孔性単分散粒子は、内部まで通じる孔を有する多孔性の球状粒子であり、しかも粒径分布が狭く、単分散のものである。従って、このものはその性質を利用して顔料や薬剤担体、吸着剤、カラム等に用いることができる。
実施例1で作製した多孔性単分散粒子についてのSEM像である。 以 上

Claims (3)

  1. ポリメタクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチルを共重合成分として70質量%以上含むアクリル系樹脂粒子をシード粒子とし、これをメタクリル酸メチルを70質量%以上とジビニルベンゼンを3〜8質量%含むモノマー混合物および油溶性重合開始剤を含む膨潤液で、前記シード粒子との質量比で20〜80倍に膨潤させた後、重合させることにより得られる多孔性単分散粒子。
  2. 平均粒径が、2〜15μmである請求項第1項記載の多孔性単分散粒子。
  3. ポリメタクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチルを共重合成分として70質量%以上含むアクリル系樹脂粒子をシード粒子とし、これをメタクリル酸メチルを70質量%以上とジビニルベンゼンを3〜8質量%含むモノマー混合物および油溶性重合開始剤を含む膨潤液で、前記シード粒子との質量比で20〜80倍に膨潤させた後、重合させることを特徴とする多孔性単分散粒子の製造方法。
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