JP2006240639A - 容器端面処理装置、容器製造方法および端面処理済容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】容器基材V10のシート積層面V11に熱可塑性シートV21が積層されて当該シートV21が容器基材V10の端部V15から外側の位置で切断された端面処理前容器V20を収容する際、容器基材の端部V15および当該端部の周囲にあるシートV22を浮かせた状態で収容し、容器基材の端部V15の周囲にあるシートV22を加熱軟化させながら気体の流れにより当該容器基材の端部V15におけるシート積層面V11とは反対側の面V12に同加熱軟化したシートV22を巻き込ませて積層接着させる。
【選択図】図8
Description
さらに、特許文献2に開示されたように、熱可塑性プラスチックシートを積層した板紙を絞り加工成形し、形成されるフランジ付き紙トレーの紙端面が露出した部分をインサート射出成形法により熱可塑性樹脂で被覆することも行われている。
トリミングの際に基材フランジ部より外側で樹脂フィルムのみを切断する場合、樹脂フィルムのみが基材フランジ部よりも外方に突出するため、樹脂フィルムが基材フランジ部から剥がれたり、周囲に引っ掛かりやすいのでダンボール箱内への出し入れ等の作業がし難かったり、見た目が良好でなかったりしていた。例えば、消費者が汁をすする場合に、飲みにくかったり、消費者に不快感を与えることがあった。また、フランジ部の裏面側に樹脂フィルムが被覆されていないため、フランジ部の裏面に液が浸透してしまい、容器の強度が低下したり、容器が汚れて消費者に不快感を与えることがあった。
特許文献2記載の技術では、別途紙端面をインサート射出成形法により被覆する工程を設ける必要があり、端面を被覆する処理に時間がかかり、製造コストが高くなっていた。
熱可塑性シートを加熱軟化させながら気体の流れによりシート非積層面に巻き込ませて積層接着させるだけで容器基材の端面が熱可塑性シートにて被覆されるので、迅速な処理にて容器基材に熱可塑性シートを積層した容器の端面を保護することができる。また、熱可塑性シートをシート非積層面に巻き込ませるので、容器基材の端面から熱可塑性シートをはみ出させないようにさせて外観をより良好にさせることが可能になる。
上記気体には、空気、窒素ガス、各種不活性ガス、等が含まれる。
上記熱風生成機構は、例えば、風を生成する送風機構と、この送風機構にて生じる空気の流れを加熱するヒータ等の加熱機構とを用いて構成することができる。
むろん、ヒータ等の加熱機構にて熱可塑性シートを輻射加熱し、加熱軟化した熱可塑性シートに送風機構からの風を当ててシート非積層面に巻き込ませてもよい。
ここで、吸気機構による吸気量と上記周囲の熱可塑性シートに当てる熱風の送風量とは様々な設定が可能であるが、より確実に熱風による周囲の加熱を防ぐため同吸気量を同送風量以上またはより大としてもよい。
上記吸気機構や上記送風機構は、ブロワでも、より風量の少ないファンでもよい。
また、上記風力被覆機構は、上記収容部に収容された端面処理前容器における上記周囲の熱可塑性シートに対して上記シート積層面とは反対側から吸気する吸気機構と、この吸気機構にて生じる空気の流れを加熱して上記周囲の熱可塑性シートを加熱軟化させるヒータ等の加熱機構とを用いて構成することもできる。
通気性容器基材としては、パルプモールド、紙、でんぷん、でんぷん発泡体を組成とする生分解性素材、多孔性金属、等を用いることができる。
請求項2にかかる発明では、簡易な構成にて、容器基材に熱可塑性シートを積層した容器の端面を熱可塑性シートで迅速に保護することができる。
請求項3にかかる発明では、熱風導入路内に熱風のバッファ構造が形成されるので、熱風の流れが均一になり、端面処理前容器のシート非積層面に対してより均質に加熱軟化した熱可塑性シートを巻き込ませて積層接着させることが可能となる。
請求項4にかかる発明では、より確実に容器の端面を熱可塑性シートで保護することができ、熱風による周囲の温度上昇を防止することが可能となる。
請求項5にかかる発明では、熱風導出路内に吸気される熱風のバッファ構造が形成されるので、熱風の流れが均一になり、端面処理前容器のシート非積層面に対してより均質に加熱軟化した熱可塑性シートを巻き込ませて積層接着させることが可能となる。
請求項6にかかる発明では、端面処理前容器のシート非積層面に熱可塑性シートを巻き込ませる際に端面処理前容器における周囲の熱可塑性シートに当てる風の量を少なくさせることが可能となる。
請求項8にかかる発明では、さらに確実に容器端面を熱可塑性シートで保護することができる。
請求項9にかかる発明では、容器基材周囲の熱可塑性シートが加熱溶融されることを防止することができるので、さらに確実に容器基材の端部を熱可塑性シートで被覆することができ、さらに確実に容器端面を保護することができる。
請求項11にかかる発明では、迅速な処理にて容器基材に熱可塑性シートを積層した容器の端面を保護した端面処理済容器を製造することができ、かつ、容器基材の端面から熱可塑性シートをはみ出させないようにさせて外観をより良好にさせた新規の端面処理済容器を得ることが可能になる。
請求項12にかかる発明では、複雑な形状の容器基材に熱可塑性シートを積層した容器を容易に得ることが可能となる。
請求項13にかかる発明では、容器基材の端面から熱可塑性シートをはみ出させないようにさせて外観をより良好にさせた新規の端面処理済容器を提供することができる。
(1)端面処理前容器の説明:
(2)端面処理前容器の作製方法:
(3)容器端面処理装置の構成:
(4)容器端面処理装置および端面処理済容器製造方法の作用、効果:
(5)変形例:
図1は容器基材V10と端面処理前容器V20とを示す斜視図であり、図2は図1のA1−A1の位置から見て示す垂直断面図である。本容器基材V10は、上部に開口部V13cが形成された凹部V13と、この凹部の周囲に形成された略同一平面(正立状態で略水平面)を有するフランジ部V14とを備え、角部が丸くなった椀状に形成されている。本容器基材V10の凹部V13は、正立状態で略水平となる底部V13aと、この底部の周囲において下部から上部に向かって外側へわずかに傾斜しながら延出した側壁部V13bとから構成されている。これにより、容器基材V10の凹部V13の上方から別の容器基材V10を挿入することができ、容器基材V10は積み重ね可能となっている。側壁部V13bの上端からは、外側に略水平となるように階段状に二段階折り曲げられたフランジ部V14が周囲に向かって延出している。
容器基材V10の凹部側表面(正立状態で上面)は、熱可塑性シートV21が積層されるシート積層面V11とされている。図示のシート積層面V11は、底部V13aの上側面、側壁部V13bの内側面、およびフランジ部V14の上側面となる。一方、容器基材V10におけるシート積層面V11とは反対側の面(正立状態で下面)は、端部V15を除いて熱可塑性シートが積層されないシート非積層面V12とされている。図示のシート非積層面V12は、底部V13aの下側面、および側壁部V13bの外側面となる。
そして、容器基材のシート積層面V11に熱可塑性シートV21が積層され、当該熱可塑性シートが同容器基材V10の端部V15から外側の位置で切断されると、容器製品を製造するための端面処理前容器V20とされる。
通気性容器基材としては、空気を透過させることが可能な素材で形成された容器基材であればよく、パルプモールド成形によって形成された紙製の容器基材、リサイクル法では紙の分類に当てはまらない葦やケナフ等の一年草のパルプで形成された容器基材、でんぷんまたはでんぷん発泡体を含む通気性の生分解性素材、多孔質のセラミックを素材とする多孔質セラミックの容器基材、多孔質の金属を素材とする多孔質金属の容器基材、等を用いることができる。また、少なくとも一部にて空気を透過させることができればよいため、底部のみ通気性素材で形成して側壁部とフランジ部とを無発泡の合成樹脂シート等の非通気性素材で形成したり、側壁部のみ通気性素材で形成して底部とフランジ部とを非通気性素材で形成したりしてもよい。本実施形態では、容器基材V10としてパルプモールド成形によって製造された紙製の容器基材を用いるものとするが、一枚の紙製ブランクシートを折って組み立てられた容器基材等を用いてもよい。
本実施形態では、端面処理前容器V20として、通気性容器基材の凹部側表面のみに加熱軟化した熱可塑性樹脂シートが差圧成形により積層接着されて当該熱可塑性樹脂シートがフランジ部V14の端部V15から外側の位置でトリミングされて形成された容器を用いるものとする。ここで、差圧成形は、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、のいずれでもよい。
また、ガスバリア性を持たせるために、内部にポリ塩化ビニリデン(PVDC),エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA),エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)に代表されるガスバリア性ポリマーをガスバリア層としてインサートした熱可塑性シートを用いてもよい。
上記端面処理前容器は、例えば図3に示す熱可塑性シート積層装置70を用いて連続して形成することができる。この装置70は、概略、成形された容器基材V10を供給する容器供給機71と、ロール状に巻かれた熱可塑性シートS1を巻き出すロールシート巻出機72と、巻き出されたシートS1を加熱軟化させる加熱機73と、シートS1を移送させる移送機74と、図4に示す成形機80と、トリミングを行うトリミング機90と、シートS1のスクラップを巻き取るスクラップ巻取機76と、シートS1が凹部側表面に積層されてトリミングされた端面処理前容器を取り出す端面処理前容器取出機77とを備えている。
熱可塑性シートS1は、移送機74のローラにはさみ込まれながら順次必要量がロールシート巻出機72から巻き出され、移送機74にて加熱機73に移送され、同加熱機73内の上面に設置されているヒータ73aにより輻射加熱されて加熱軟化される。加熱軟化されたシートS1は、移送機74にてさらに成形機80に移送され、容器基材V10の開口部に配置される。成形機80には容器供給機71が接続されており、容器基材V10が成形機80に順次搬入される。
容器供給機71では、容器戴置パレットがパレットインデックスモータにて所定の載置位置に位置決めされると、この容器戴置パレットに作業者が容器基材V10を載置する。すると、容器戴置パレットはコンベアによって成形機80側端に搬送され、パレットスライダーにて位置決めされながらストッパによって固定される。このとき、搬送ローダが動作し、容器戴置パレットに載置された容器基材V10を吸引して成形機80に搬入するので、同容器基材は成形用雌型86に設置される。
上ヒータ82は、通電されると熱を放出してプラグ88を加熱し、収容面86aに近づけられて容器基材の側壁部V13bに積層したシートS1を輻射加熱する。下ヒータ85は、通電されると熱を放出し、収容面86aの外縁部を反対側から加熱する。
上クランプ83は、容器基材のフランジ部V14を囲む形状に形成され、両テーブル81,84が近接したときに下面が加熱軟化したシートS1に当接する。下クランプ87は、両テーブル81,84が近接したときに上クランプ83の下面との間で加熱軟化したシートS1を挟持する。
その後、プラグ88に真空を供給して上方に退避させ、両テーブル81,84を上下方向に離反させて、シートS1が積層された容器基材V10をシートS1に付着させたままトリミング機90に移送させる。
なお、容器基材の端面V16より外側で残す熱可塑性シートV22の長さは、容器基材のフランジ部V14の長さより短くても長くてもよい。
図7は本実施形態の容器端面処理装置10の構成を模式的に示す側面図であり、図8は本装置10の要部を示す垂直断面図である。図9は、収容部22を分解して示す分解斜視図である。本装置10は、端面処理前容器V20を収容する際、容器基材の端部V15および当該端部の周囲にある熱可塑性シートV22を浮かせた状態で収容する収容部22と、この収容部に収容された端面処理前容器V20における容器基材の端部V15の周囲にあるシートV22を加熱軟化させながら気体の流れにより当該容器基材の端部V15におけるシート積層面V11とは反対側のシート非積層面V12に同加熱軟化したシートV22を巻き込ませて積層接着させる風力被覆機構(送風被覆機構)31〜38とを備える。また、収容部22を往復動させるコンベア21、このコンベアの駆動を制御する図示しないコンベア制御回路、端面処理前容器を供給するための所定の供給位置L1にある収容部22に端面処理前容器V20を供給する端面処理前容器供給機24、端面処理済容器を取り出すための所定の取出位置L3にある収容部22から端面処理済容器V30を取り出す容器取出機26、等も備えている。
上記風力被覆機構としては、熱風を生成する熱風生成機構31,32,34と、加熱軟化したシートV22を巻き込ませた熱風をシート積層面V11とは反対のシート非積層面V12側から吸気する吸気機構36〜38を備える。そして、生成した熱風を送風ダクト33からシートV22に対してシート積層面V11側から当てて加熱軟化させながら、当該熱風の流れにより容器基材の端部V15におけるシート非積層面V12に同加熱軟化したシートV22を巻き込ませて積層接着させる。
容器取出機26も、熱可塑性シート積層装置70にて一度に形成される容器数と同じ16個の吸引部27が設けられており、端面処理済容器V30の底部上面を同吸引部27で吸引保持して同容器V30を容器端面処理装置10の取出位置L3から外部へ搬出可能となっている。吸引部27は、図示しない真空ポンプに接続され、水平方向の所定範囲内と垂直方向の所定範囲内で往復駆動可能な第二の移送機構にも接続されている。そして、吸引部27を取出位置L3にある端面処理済容器V30上に配置させて下降させ、吸引部27に真空圧を作用させた後、吸引部27を上昇させ、容器端面処理装置10の外部に移送させると、本装置10から端面処理済容器V30を取り出すことができる。
本実施形態では、プレートの開口22a1から気体を流入させ、連結部材22cの開口22c1を通して支持部材の開口部22b5から流出させることにしている。
ここで、両ブロワ31,36の単位時間当たりの空気流量(単位:m3/hr)は、様々な設定が可能である。両ブロワ31,36の空気流量を同じにすると、送風ダクト33から吹き出された熱風がほぼ吸気ダクト37に吸い込まれるので、熱風の漏れによる周囲の加熱を防ぐことができる。また、吸気用ブロワ36の吸気量(m3/hr)を送風用ブロワ31の送風量(m3/hr)より多くすると、熱風の漏れが少なくなってより確実に周囲の加熱を防ぐことができる。
図10に示す従来のトリミング装置のように、トリミングの際に熱可塑性樹脂フィルムS1を積層接着させた容器基材v2のフランジ部ごと切刃1で切断する場合、容器基材の端面v6が露出してしまう。すると、樹脂フィルムv3で覆われていない端面v6に液が浸透してしまい、容器v1の強度が低下したり、容器v1が汚れたりすることがあった。
トリミングの際にフランジ部より外側で樹脂フィルムS1のみを切断する場合、図11上段に示す容器v11のように、樹脂フィルムv13のみが容器基材v12のフランジ部よりも外方に突出するため、樹脂フィルムv13が容器基材v12のフランジ部から剥がれたり、周囲に引っ掛かったり、見た目が良好でなかったりしていた。また、端面v16からフランジ部の裏面側にかけて樹脂フィルムが被覆されていないため、フランジ部の裏面に液が浸透してしまい、容器の強度が低下したり、容器が汚れたりしていた。
図11中段に示す容器v21のように、容器基材v22の両面にプラスチックフィルムv23,v24を積層して端面v26を保護すると、この処理に時間がかかってしまう。また、プラスチックフィルムv23,v24のみが容器基材v22のフランジ部よりも外方に突出してしまう。
図11下段に示す容器v31のように、容器基材v32の両面に熱可塑性樹脂フィルムv33,v34を積層し、容器基材v32の端面v36をインサート射出成形法により熱可塑性樹脂v35で被覆すると、この処理に時間がかかってしまう。
本発明では、容器基材の端部の周囲にある熱可塑性シートを加熱軟化させながら気体の流れにより当該容器基材の端部におけるシート非積層面に巻き込ませて積層接着させるので、上述した問題点が解決される。
まず、コンベア制御回路にてコンベア21を駆動して収容部22を供給位置L1からダクト33,37間の所定の通風位置(L2とする)に移動させる(タイミングt1〜t2)。この段階では、送風ダクト33から熱風は送られておらず、吸気ダクト37から吸気もされていない。
その後、弁制御回路にて流通制御弁31a,36aを遮断状態から空気の流れを許可する状態に切り替える(タイミングt3)。流通制御弁31aを遮断状態から送風状態に切り替えるタイミングと、流通制御弁36aを遮断状態から吸気状態に切り替えるタイミングとは、異なっていてもよい。また、タイミングt3は、タイミングt2と同時あるいはタイミングt2より若干早くてもよい。
以上の作用により、熱風の流れにより熱可塑性シートを加熱軟化させながらシート非積層面に巻き込ませて積層接着させるだけで容器基材の端面が熱可塑性シートにて被覆されるので、迅速な処理にて容器基材に熱可塑性シートを積層した容器の端面V16が迅速な処理にて保護される。また、熱可塑性シートがシート非積層面に折り返されるので、容器基材の端面V16から熱可塑性シートがはみ出さず、外観をより良好になる。
本発明は、様々な変形例が考えられる。
風力被覆機構としては、吸気機構36〜38を用いず、熱風を吹き付ける機構31〜35のみから構成してもよい。
また、図14に示すように、周囲の熱可塑性シートV22を輻射加熱して加熱軟化させるヒータ(加熱機構)39と、吸気機構36〜38とを用いて、風力被覆機構を構成してもよい。吸気機構36〜38にてシートV22近傍の空気をシート非積層面V12から引き込むと、収容部22を通過する空気の流れは容器基材の端部におけるシート非積層面V12に加熱軟化したシートV22を巻き込ませる流れとなる。これにより、収容部22から浮いた容器基材の端部V15におけるシート非積層面V12に対して空気の流れにより加熱軟化したシートV22が巻き込まれて積層接着する。
むろん、上記ヒータ39と、送風用ブロワ31とを備え、ヒータ39にて加熱軟化した熱可塑性シートV22に風を当ててシート非積層面V12に巻き込ませるように風力被覆機構を構成してもよい。
なお、ブロワの代わりに、より空気流量の少ないファン等を用いてもよい。
また、空気の代わりに、窒素ガス、各種不活性ガス、等を用いてもよい。
ここで、操作部材52を電動で回転させる電動モータ等の回転機構を設けてもよい。すると、操作部材52を回す操作を行うことなく容器基材の端部とプレートとの間隔を調整することができるので、利便性を向上させることができる。
なお、間隔L11を変更する際には、プレート22aのみを移動させて間隔L11を変更させる構成としてもよいし、支持部材22bのみを移動させて間隔L11を変更させる構成としてもよいし、プレートと支持部材の両方を移動させて間隔L11を変更させる構成としてもよい。
本変形例のプレート22aにおける容器基材の端部V15のシート非積層面V12に巻き込まれたシートV22に押し当てられる押し当て面(上面)には、フッ素樹脂層が形成されている。これにより、加熱軟化した熱可塑性シートがプレートの押し当て面に付着しないので、より確実に容器基材の端部を熱可塑性シートで被覆することができ、より確実に容器端面を保護することができる。
まず、タイミングt1〜t3にて収容部22を所定の通風位置L2にさせ、送風ダクト33から収容部22に熱風を送るとともに吸気ダクト37から吸気する。すると、熱風が送風ダクトの開口33aからプレートの開口22a1を通るので、収容部22に対して浮いた状態とされた周囲のシートV22が加熱軟化し、熱風の流れにより容器基材の端部V15におけるシート非積層面V12に同加熱軟化したシートV22が巻き込まれて積層接着する。
その後、ポンプ制御回路45の制御にて空気ポンプ44からシリンダ43に真空圧を作用させ、シリンダ43を所定の下降位置まで下降させる(タイミングt11)。そして、タイミングt4〜t8にて流通制御弁31a,36aを遮断状態に戻し(タイミングt4)、収容部22を所定の取出位置L3に移動させ、形成された端面処理済容器V30を取り出し、収容部22を所定の供給位置L1に戻す。これにより、一連の工程が終了し、容器基材の端部V15におけるシート非積層面V12に加熱軟化した熱可塑性シートを巻き込ませてプレートを押し当てながら積層接着させた端面処理済容器V30が製造される。
なお、タイミングt11,t12は、タイミングt4と同時あるいはタイミングt4より後にすることもできる。
なお、プレート22a内に熱電対を設け、この熱電対に電流を流してプレート22aから熱を奪うことによりプレート22aを冷却する冷却機構を構成してもよい。
また、容器基材収容部95とノックアウト機構97とが、本変形例における収容部を構成する。すなわち、ノックアウト機構97を上昇させると、容器基材の端部V15および当該端部の周囲にあるシートV22を浮かせた状態で端面処理前容器V20を容器基材収容部95にて収容することができる。
本変形例のトリミング機90は、切断前の熱可塑性シートS1がシート積層面V11に積層された容器基材V10が収容部に収容された状態で容器基材の端部V15から外側の位置にて当該シートS1を切断して端面処理前容器V20を形成する切断機構を構成する。
容器基材に熱可塑性シートを積層した容器をトリミングした場所で容器基材周囲の熱可塑性シートがシート非積層面に巻き込まれて積層接着されるので、端面処理済容器の単位時間当たりの製造量を増やすことができる。従って、端面処理済容器の製造効率を向上させることが可能となる。
本変形例では、収容部22に収容された各端面処理前容器V20における周囲の熱可塑性シートV22に対して、シート積層面V11(上面)側から送風ダクト33でバッファプレート111の複数の開口111aを通過させた熱風を当てて当該周囲の熱可塑性シートV22を加熱軟化させながら当該熱風の流れにより容器基材V10の端部V15におけるシート非積層面V12(下面)に同加熱軟化した熱可塑性シートV22を巻き込ませて積層接着させる。
本変形例では、収容部22に収容された各端面処理前容器V20における周囲の熱可塑性シートV22を加熱軟化させながら巻き込ませた熱風を吸気ダクト37内でバッファプレート112の複数の開口112aを通過させて吸気機構36〜38にて吸気する。
本変形例では、モータ122cにて支持部材122bを回転させることにより、風当て位置変更機構122にて風を当てる周囲の熱可塑性シートV22の位置を変更することができる。そして、風を当てる周囲の熱可塑性シートV22の位置を変更しながら、収容部22に収容された端面処理前容器V20における容器基材V10の端部の周囲にある加熱軟化した熱可塑性シートV22を順次部分風当て機構122によるノズル121cからの風により当該容器基材V10の端部におけるシート非積層面V12(下面)に巻き込ませて積層接着させる。
風当て位置変更機構は、端面処理前容器の形状に応じて適宜決定すればよく、図示のように端面処理前容器を回転させる回転機構でもよいし、四角形等の多角形の辺に沿って端面処理前容器を平行移動させるスライド機構でもよいし、円形等の楕円の周に沿って上記部分風当て機構を移動させる周回機構でもよいし、四角形等の多角形の辺に沿って上記部分風当て機構を平行移動させる機構でもよい。
21…コンベア
22…収容部
22a…プレート
22b…支持部材
22c…連結部材
24…端面処理前容器供給機
25…吸引部
26…容器取出機
27…吸引部
31…送風用ブロワ(送風機構)
32,39…ヒータ(加熱機構)
33…送風ダクト(熱風導入路)
34,35,38…空気通路
36…吸気用ブロワ
37…吸気ダクト(熱風導出路)
42〜45…押し当て機構
46…冷却通路
51,52…間隔調整機構
61…熱風通路
70…熱可塑性シート積層装置
80…成形機
90…トリミング機
95…容器基材収容部
97…ノックアウト機構
111…第一のバッファプレート
112…第二のバッファプレート
121…部分風当て機構
122…風当て位置変更機構
S1,V21…熱可塑性シート
V10…容器基材
V11…シート積層面
V12…シート非積層面
V13…凹部
V14…フランジ部
V15…容器基材の端部
V16…容器基材の端面
V20…端面処理前容器
V22…周囲の熱可塑性シート
V30…端面処理済容器
Claims (13)
- 容器基材のシート積層面に熱可塑性シートが積層されて当該熱可塑性シートが同容器基材の端部から外側の位置で切断された端面処理前容器を収容する際、同容器基材の端部および当該端部の周囲にある熱可塑性シートを浮かせた状態で収容する収容部と、
この収容部に収容された端面処理前容器における上記容器基材の端部の周囲にある熱可塑性シートを加熱軟化させながら気体の流れにより当該容器基材の端部における上記シート積層面とは反対側の面に同加熱軟化した熱可塑性シートを巻き込ませて積層接着させる風力被覆機構とを具備することを特徴とする容器端面処理装置。 - 上記風力被覆機構は、熱風を生成する熱風生成機構を備え、上記収容部に収容された端面処理前容器における上記周囲の熱可塑性シートに対して上記シート積層面側から同生成した熱風を当てて当該周囲の熱可塑性シートを加熱軟化させながら当該熱風の流れにより上記容器基材の端部における上記シート積層面とは反対側の面に同加熱軟化した熱可塑性シートを巻き込ませて積層接着させることを特徴とする請求項1に記載の容器端面処理装置。
- 上記収容部は、上記端面処理前容器を複数収容可能であり、
上記風力被覆機構は、上記シート積層面側で上記生成した熱風を上記収容部に収容された複数の端面処理前容器における上記周囲の熱可塑性シートへ導く熱風導入路と、この熱風導入路内で同収容部に収容された各端面処理前容器の位置に合わせて同熱風を通過させるためにそれぞれ形成された開口を有するバッファプレートとを備え、同収容部に収容された各端面処理前容器における上記周囲の熱可塑性シートに対して上記シート積層面側から同熱風導入路内で同バッファプレートの複数の開口を通過させた熱風を当てて当該周囲の熱可塑性シートを加熱軟化させながら当該熱風の流れにより上記容器基材の端部における上記シート積層面とは反対側の面に同加熱軟化した熱可塑性シートを巻き込ませて積層接着させることを特徴とする請求項2に記載の容器端面処理装置。 - 上記風力被覆機構は、上記加熱軟化した熱可塑性シートを巻き込ませた熱風を上記シート積層面とは反対側から吸気する吸気機構を備えることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の容器端面処理装置。
- 上記収容部は、上記端面処理前容器を複数収容可能であり、
上記風力被覆機構は、上記吸気機構にて上記加熱軟化した熱可塑性シートを巻き込ませた熱風を上記シート積層面とは反対側から吸気する際に同熱風を導く熱風導出路内で上記収容部に収容された各端面処理前容器の位置に合わせて同熱風を通過させるためにそれぞれ形成された開口を有する第二のバッファプレートを備え、同収容部に収容された各端面処理前容器における上記周囲の熱可塑性シートを加熱軟化させながら巻き込ませた熱風を同熱風導出路内で同第二のバッファプレートの複数の開口を通過させて上記吸気機構にて吸気することを特徴とする請求項4に記載の容器端面処理装置。 - 上記風力被覆機構は、上記収容部に収容された端面処理前容器における上記周囲の熱可塑性シートの一部にのみ上記気体の風を当てる部分風当て機構と、この部分風当て機構にて風が当てられる同周囲の熱可塑性シートの位置を変更させる風当て位置変更機構とを備え、この風当て位置変更機構にて風を当てる同周囲の熱可塑性シートの位置を変更しながら同収容部に収容された端面処理前容器における上記容器基材の端部の周囲にある加熱軟化した熱可塑性シートを順次同部分風当て機構による風により当該容器基材の端部における上記シート積層面とは反対側の面に巻き込ませて積層接着させることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の容器端面処理装置。
- 上記収容部は、上記端面処理前容器における上記容器基材側を挿入するための開口が形成されるとともに上記容器基材の端部の形状に合わせたプレートと、このプレートに形成された開口に挿入された上記容器基材を支持して上記容器基材の端部および上記周囲の熱可塑性シートを浮かせた状態で上記端面処理前容器を収容させる支持部材とを備え、
上記風力被覆機構は、上記容器基材の端部における上記シート積層面とは反対側の面に巻き込まれた上記加熱軟化した熱可塑性シートに上記プレートを押し当てて当該熱可塑性シートを同容器基材の端部に積層接着させる押し当て機構を備えることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の容器端面処理装置。 - 上記プレートと上記支持部材の少なくとも一方を移動させて上記支持部材に支持された上記端面処理前容器における上記容器基材の端部と上記プレートとの間隔を変更可能な間隔調整機構をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の容器端面処理装置。
- 上記風力被覆機構は、上記プレートを冷却する冷却機構を備えることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の容器端面処理装置。
- 切断前の上記熱可塑性シートが上記シート積層面に積層された上記容器基材が上記収容部に収容された状態で上記容器基材の端部から外側の位置にて当該熱可塑性シートを切断して上記端面処理前容器を形成する切断機構をさらに備え、
上記風力被覆機構は、上記収容部にて形成された上記端面処理前容器における上記容器基材の端部の周囲にある熱可塑性シートを加熱軟化させながら気体の流れにより当該容器基材の端部における上記シート積層面とは反対側の面に同加熱軟化した熱可塑性シートを巻き込ませて積層接着させることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の容器端面処理装置。 - 容器基材のシート積層面に熱可塑性シートが積層されて当該熱可塑性シートが同容器基材の端部から外側の位置で切断された端面処理前容器を所定の収容部に収容する際、同容器基材の端部および当該端部の周囲にある熱可塑性シートを浮かせた状態で収容し、
上記収容部に収容された端面処理前容器における上記容器基材の端部の周囲にある熱可塑性シートを加熱軟化させながら気体の流れにより当該容器基材の端部における上記シート積層面とは反対側の面に同加熱軟化した熱可塑性シートを巻き込ませて積層接着させて端面処理済容器を製造することを特徴とする容器製造方法。 - 上記容器基材は、凹部が形成されるとともに当該凹部の周囲にフランジ部が形成されて少なくとも一部に通気性を有する通気性容器基材であり、
上記シート積層面は、上記通気性容器基材の凹部側表面であり、
上記端面処理前容器は、上記通気性容器基材の上記凹部側表面のみに加熱軟化した上記熱可塑性シートが差圧成形により積層接着されて当該熱可塑性シートが上記フランジ部の端部から外側の位置でトリミングされて形成された容器とされていることを特徴とする請求項11に記載の容器製造方法。 - 容器基材のシート積層面に熱可塑性シートが積層されて当該熱可塑性シートが同容器基材の端部から外側の位置で切断された端面処理前容器を所定の収容部に収容する際、同容器基材の端部および当該端部の周囲にある熱可塑性シートを浮かせた状態で収容し、
上記収容部に収容された端面処理前容器における上記容器基材の端部の周囲にある熱可塑性シートを加熱軟化させながら気体の流れにより当該容器基材の端部における上記シート積層面とは反対側の面に同加熱軟化した熱可塑性シートを巻き込ませて積層接着させて得られる端面処理済容器。
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