JP2003191321A - 樹脂積層成形体の製造方法 - Google Patents

樹脂積層成形体の製造方法

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JP2003191321A JP2001397654A JP2001397654A JP2003191321A JP 2003191321 A JP2003191321 A JP 2003191321A JP 2001397654 A JP2001397654 A JP 2001397654A JP 2001397654 A JP2001397654 A JP 2001397654A JP 2003191321 A JP2003191321 A JP 2003191321A
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press
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Masanori Hashiba
正典 羽柴
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Araco Co Ltd
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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】熱可塑性樹脂を含有する材料層を複数有し、表
面側の材料層を安定に保持して成形できる樹脂積層体の
製造方法を提供する。 【解決手段】本発明の製造方法は、複数の熱可塑性材料
層3,5を備える積層成形原体16を、表面の軟化状態
を調節してプレス成形する工程を有する。この製造方法
によれば、積層成形原体16の表面を、エアを巻き込ん
だり、成形型の細部に入り込み過ぎたりしにくく、且つ
成形しやすい硬さの軟化状態に調節してプレス成形する
ことができる。したがって、離型性の低下やエア溜りの
生成を抑制して、良好に成形された樹脂積層成形体を製
造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱可塑性の樹脂
積層成形体の製造方法に関し、特に車室内装材に好適な
積層成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両のドアの内側など、車室の内装用ボ
ードには、繊維材料を含有する熱可塑性樹脂材料より成
る基材と基材表面を被覆する表皮とを有する車室内装用
ボードがある。このようなボードは、プレス成形によっ
て製造でき、基材の材料と表皮の材料とを積層してプレ
ス成形することによって、基材と表皮との一体化を成形
と同時に行うことができる。しかし、基材の材料と表皮
の材料とを積層してプレス成形する場合、表皮材料は溶
融状態であることが多く、エアを巻き込んでエア溜りが
発生したり、成形型の細部にまで入り込んで、離型性が
悪化したりすることがある。また、厚み方向に絞り成形
した部分では、表皮材料が削ぎ落とされて、厚み方向に
延びる部分において表面側から基材が見えてしまったり
することがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、熱可塑性
樹脂を含有する材料層を複数有し、表面側の材料層を安
定に保持して成形できる樹脂積層体の製造方法を提供す
ることを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、複数の熱可塑性材料層を備える積層成
形原体を、表面の軟化状態を調節してプレス成形する工
程を有する樹脂積層成形体の製造方法を提供する。本製
造方法によれば、積層成形原体の表面を、エアを巻き込
んだり、成形型の細部に入り込み過ぎたりしにくく、且
つ成形しやすい硬さの軟化状態に調節してプレス成形す
ることができる。したがって、離型性の低下やエア溜り
の生成を抑制して、良好に成形された樹脂積層成形体を
製造することができる。
【0005】なお、本明細書において熱可塑性材料と
は、全体において熱可塑性を備える材料であり、熱可塑
性樹脂材料のみから成る材料に限定されず、熱可塑性樹
脂材料に種々の材料、副資材を含有する材料を含む。す
なわち、副資材自体は熱可塑性ではないが、材料全体と
しては加熱によって流動あるいは溶融する材料も含む。
【0006】また、複数の熱可塑性材料層を備える積層
成形原体全体を少なくとも軟化させ、より低い軟化温度
を有する熱可塑性材料層より成る表面を冷却して、プレ
ス成形する、樹脂積層成形体の製造方法を提供する。こ
の方法によれば、積層成形原体全体を成形可能な軟化状
態に保って、軟化温度がより低い熱可塑性材料層の表面
を冷却して軟化状態を調節することができる。また、よ
り低い温度で軟化する熱可塑性材料層をより硬い軟化状
態に調節することで、厚み方向の絞り成形による削ぎ落
とし(層のちぎれ、分離など)を抑制して、全体におい
て積層状態が良好に保持された樹脂積層成形体を製造す
ることができる。
【0007】また、前記プレス成形工程において、冷却
した積層成形原体の表面に立体意匠を成形する樹脂積層
成形体の製造方法を提供する。この製造方法によれば、
成形原体の表面の軟化状態を、立体意匠の成形に適する
硬さに調節してプレス成形することができる。したがっ
て、離型性の低下を抑制して良好な立体意匠を成形する
ことができる。なお、本発明において立体意匠とは、凹
凸によって成形されるシボ模様や文字、記号、図柄など
の意匠をいう。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明に係る樹脂積層体の製造方法
は、複数の熱可塑性材料層を備える積層成形原体を、表
面の軟化状態を調節してプレス成形することを特徴とす
る。 (積層成形原体)積層成形原体は、2以上の熱可塑性材
料が積層されている成形原体である。成形原体は、典型
的には、板状等の平面状、曲面状、あるいは長軸状に成
形しておくことができるが、形状は特に限定されない。
また、熱可塑性材料の積層方向は、典型的には、プレス
成形の押圧方向であるが、他の種々の方向に積層されて
も良い。積層部分は、積層成形原体の一部のみであって
も良い。
【0009】熱可塑性材料は、少なくとも熱可塑性樹脂
材料を含有する。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレ
ンなどのオレフィン系熱可塑性樹脂材料や、ポリ塩化ビ
ニル、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂など
のビニル系熱可塑性樹脂材料やアクリル系熱可塑性樹脂
材料、あるいは、ポリエチレンテレフタレートとポリブ
チレンテレフタレートの共重合体などポリエステル系熱
可塑性樹脂材料、ウレタン系熱可塑性樹脂材料等を用い
ることができる。また、これらの樹脂材料の少なくとも
一種を含む共重合体や他の熱可塑性樹脂材料でも良い。
これらの熱可塑性樹脂材料は、単独で、又は二種以上を
組合わせて用いることができる。オレフィン系熱可塑性
樹脂材料は、本発明の方法に好適である。ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、あるいはこれらの混合物を用いるこ
とが特に好ましい。
【0010】熱可塑性材料には、種々の副資材を含有さ
せることができる。副資材は、熱可塑性樹脂材料と相溶
性を有する公知の種々の材料でも良いし、繊維状、粒子
状など固体状態を保持する材料でも良い。固体状態を保
持する材料としては、例えば、ガラス繊維、化学繊維、
木質系繊維など種々の繊維材料を用いることができる。
また、カーボンブラック、木質系粒子、金属粒子など種
々の粒子材料を用いることができる。なお、熱可塑性材
料は、実質的には繊維材料等の副資材を主成分とし、熱
可塑性樹脂材料を結合剤等として含有する材料であって
も良い。
【0011】熱可塑性材料には、着色材料、補強材料、
離型用材料、抗菌材料など他の種々の添加剤を含有させ
ても良い。特に、使用時に視認される表面を構成する熱
可塑性材料においては、例えば着色材料のように、色、
質感、手触りといった意匠を付加できる種々の材料を添
加することができる。
【0012】積層成形原体は、2以上の熱可塑性材料が
層状に積層一体化されていれば良く、その成形過程や成
形方法は、特に限定されない。例えば、複数の熱可塑性
材料を同時押出し成形することによって各熱可塑性材料
層の成形と積層とを同時に行っても良い。また、少なく
とも一種の熱可塑性材料層を成形後、1以上の他の熱可
塑性材料を順次成形された熱可塑性材料層上に押出し成
形等によって層状に付与して、積層体に成形しても良
い。あるいは、各熱可塑性材料層を、押し出し成形、射
出成形など公知の種々の成形方法で成形後、積み重ねて
一体化しても良い。この一体化は、接着剤等の固着材料
を用いたり、熱可塑性材料を溶融状態にして溶着するこ
とによって行える。積層成形原体は、積層の前後又は積
層中の適当な時期に所定の形状に形成することによって
得られる。
【0013】(表面の軟化状態の調節)積層成形原体
は、プレス成形前に、予め成形可能な柔らかさとなるよ
うに軟化させておく。軟化のためには、公知の種々の加
熱方法を用いることができ、高温のエアを吹き付けた
り、ヒータや加熱ローラを用いたりして加熱することが
できる。積層成形原体の成形において軟化状態や溶融状
態に形成した場合は、連続的にプレス成形に移行するこ
とで、積層成形体の成形のために供給した熱を、プレス
成形のための軟化にも利用することができる。
【0014】本発明においては、積層成形原体の表面の
軟化状態を調節する。表面の軟化状態の調節は、当該表
面を構成する熱可塑性材料の軟化温度に基づいて表面の
温度を調節することで行われる。典型的には、他の部分
を成形に好ましい軟化状態に調節した後、表面の軟化状
態を調節する。表面の熱可塑性材料の軟化温度が他の部
分と比較してより高い場合は、表面を加熱する。また、
表面の熱可塑性材料の軟化温度が他の部分と比較してよ
り低い場合は、表面を冷却する。
【0015】加熱や冷却の方法は種々の方法を選択する
ことができる。迅速に所定の温度まで加熱又は冷却する
と、他の熱可塑性材料層と表面を構成する熱可塑性材料
層との間での熱移動によって、他の熱可塑性材料層の軟
化状態が成形に適さなくなることを防ぐことができ、好
ましい。また、熱可塑性材料層に力が加わり難い温度調
節方法であると、軟化状態の調節によって積層成形原体
が変形することを抑制でき、好ましい。例えば、加熱又
は冷却されたエアを積層成形原体の表面全体に吹き付け
る方法が好ましい。表面の軟化状態の調節は、好ましく
は、冷却により行う。冷却では、表面の柔軟性を低下さ
せて、内部はより柔軟に保持することが容易である。
【0016】なお、加熱時に、積層成形原体の両面が異
なる温度となるように加熱することで、積層成形原体を
成形可能に軟化するのと同時に、表面の軟化状態を調節
しても良い。例えば、一面側からの加熱温度と他面側か
らの加熱温度とを変化させたり、一面側からの加熱時間
と他面側からの加熱時間とを変化させたりして、積層成
形原体の表面の軟化状態の調節と積層成形原体の軟化と
を同時に行うことができる。また、積層成形原体全体を
溶融状態に近い軟化状態まで加熱されている場合は、同
様に、各面に対して冷却温度、冷却時間を変化させるこ
とで各面の表面の軟化状態を調節することができる。
【0017】積層成形原体の表面の軟化状態は、成形形
状、成形方法に合わせて成形に適する硬さを有するよう
に調節される。具体的には、例えば、成形型面に良好に
沿い、且つエアを巻き込むほどの流動性を有しない状態
とされることが好ましい。この状態であると、エア溜り
の発生や離型性の低下を抑制して成形することができ
る。また、厚み方向で絞り成形される形状の成形体を成
形する場合は、絞りによって表面側の熱可塑性材料層が
削ぎ落とされたりちぎれたりして分離されにくい硬さの
軟化状態に調節することが好ましい。また、積層成形原
体の表面にさらに、別の成形原体を重ねてプレス成形す
る場合、積層成形原体の表面を別の成形原体との溶着に
適する軟化状態に調節しておくことができる。
【0018】特に、成形型面にシボ模様等の立体意匠を
付与して積層成形原体の表面に立体意匠を成形する場合
には、立体意匠を成形するための凹凸形状への入り込み
具合が好ましくなるように軟化状態を調節することが好
ましい。すなわち、軟らかすぎると成形型面の細部にま
で入り込んでしまい、離型性が悪化する。硬すぎると、
熱可塑性材料が凹凸面に沿わず、良好な立体意匠を成形
することができない。
【0019】(プレス成形)プレス成形では積層成形原
体全体を所定の形状に成形する。プレス成形は、加圧す
る公知の種々の成形方法を用いることができる。典型的
には雄型と雌型とを所定の圧力で突き合わせる形態とさ
れる。本発明の方法では、常温による冷間プレス成形が
好ましい。
【0020】プレス成形では、積層成形原体の表面に立
体意匠を成形することができる。この場合は、成形型面
に所望の立体意匠を成形できる凹凸状の意匠成形部を備
えるプレス成形型を用いる。意匠成形部は、通常の成形
型面に立体意匠を付与し得る凹凸状部分である。金型で
は、例えば、エッジング等の切削によって意匠成形部を
設けることができる。あるいは、鋳型成形によって成形
型の成形と同時に意匠成形部を成形することもできる。
このような成形型を用いて、通常と同様にプレス成形す
ることにより、積層成形原体の表面に意匠成形部を押付
けて立体意匠を成形することができる。
【0021】この製造方法では、積層成形原体の表面の
軟化状態を調節してからプレス成形するため、異なる軟
化温度を有する材料を積層した成形原体を用いる場合で
も、表面が溶融して成形型面との離型性が低下したり、
エアを巻き込んでエア溜りが発生したりすることを抑制
することができる。軟化温度の異なる熱可塑性材料を積
層して形成した積層成形原体を用いて、表面の成形不良
を低減して樹脂積層成形体を製造することができる。
【0022】また、表面の樹脂の軟化状態を調節して、
適度な硬さを有する柔軟な状態にすることで、積層成形
原体の積層方向、すなわち、厚み方向に絞り成形を良好
に行うことができる。すなわち、より低い温度で軟化す
る材料を表面側に設けた場合でも、表面側の材料が絞り
成形時の応力によって引き千切れたり、成形型に削ぎ落
とされたりして分離することを抑制することができ、成
形体の各部分において層構造を維持させることができ
る。
【0023】さらに、立体意匠を設ける場合は、成形原
体の表面を意匠成形部の凹凸形状に適度に入り込む硬さ
の軟化状態に調節することで、容易に離型して、見栄え
の良い表面を備える樹脂積層成形体を製造することがで
きる。したがって、例えば成形型面と成形原体表面との
間の空気を抜いて真空に形成することができる特殊な
型、例えばポーラス電鋳やポーセラックスによる微細な
孔を備える型を備えない通常の成形型を用いて、立体意
匠の成形と同時にプレス成形することもできる。
【0024】次に、図1に示す樹脂積層成形体である車
室内装用ドアパネル1を製造する方法の一実施形態につ
いて、図2〜5を参照して説明する。ドアパネル1は、
アームレスト及び/又はアームレストや収納用ドアポケ
ットを取り付けるための種々の凹凸形状を備える板状部
材である。本実施形態の樹脂積層成形体の製造方法は、
繊維材料と熱可塑性樹脂材料とを含有する基礎材料に、
この基礎材料を軟化した状態で、熱可塑性樹脂材料を含
有する表皮材料を積層して積層成形原体を形成する工程
と、表皮材料表面を冷却してプレス成形する工程とを備
えることを特徴とする。
【0025】図2に示すように、積層成形原体16は、
ドアパネル1の基材に形成される基礎材料層3と、ドア
パネル1の表皮に形成される表皮材料層5とを有する積
層体である。本実施形態の基礎材料は、木質系繊維材料
と、この繊維材料を結合するための熱可塑性樹脂材料と
を有する。木質系繊維材料は、例えば、ケナフを解繊し
て得られる木質系繊維材料を用いることができる。基礎
材料層3は、マット状に形成された基礎材料原体12に
よって形成されている。繊維材料は、カージング、エア
レイ、フリースなどの操作によって開繊状態を保ったま
まマット状に成形することができる。
【0026】木質系繊維材料のバインダとして用いる熱
可塑性樹脂材料は、オレフィン系熱可塑性樹脂材料が好
ましく、例えば、ポリプロピレンが好ましい。熱可塑性
樹脂材料と木質系繊維材料の混合には、種々の方法を利
用できる。例えば、粉体状、液体状に成形して、マット
状に形成後の木質系繊維材料に、降りかけたり吹き付け
たりして付与しても良い。また、流動性を有する熱可塑
性樹脂材料の浴にマット状木質系繊維材料を浸漬させて
も良い。本実施形態では、熱可塑性樹脂材料を繊維状に
形成して、マット状に成形する前の木質系繊維材料に混
合してからマット状に成形した。そして、所定の長さに
切断することで基礎材料原体12とした。
【0027】表皮材料は、表皮として用いられる公知の
種々の熱可塑性材料又は熱可塑性エラストマーを用いる
ことができる。好ましくは、基礎材料と溶着しやすい材
料とされる。基礎材料がポリプロピレンを含有する本実
施形態では、表皮材料は、ポリエチレンやポリプロピレ
ンなどのポリオレフィン系熱可塑性樹脂材料を含有する
ことが好ましい。本実施形態では、押し出し成形など公
知の方法によってシート状に成形した表皮材料を所定の
長さに切断することで、表皮材料原体14を成形した。
【0028】次に、基礎材料原体12と表皮材料原体1
4とを積層した。図2に示すように、本実施形態では、
基礎材料原体12と表皮材料原体14とを重ねて、ロー
ラプレスで、加熱及び圧縮した。この加熱、圧縮によっ
て表皮材料原体14は基礎材料原体12に溶着されて積
層成形原体16を形成することができる。積層工程で加
熱を行うことにより基礎材料原体12の内部まで良好に
加熱された積層成形原体16を得ることができる。な
お、本方法では、基礎材料原体12を押圧成形して基礎
材料層3の厚みに成形する工程に、積層体の形成工程が
組み込まれている。このため、工程数の増加を低減して
積層成形原体16を形成することができる。
【0029】積層化直後の積層成形原体16は、全体が
溶融状態を含む軟化状態となっている。そこで、より軟
化された状態の表皮材料層5の表面を冷却して軟化状態
を調節した。冷却方法の実施例を図3,4に示す。例え
ば、図4に示すように、プレス用成形型の上型21の成
形面外の部分に冷却用のエアノズル25を設けて、下型
23上に配置した積層成形原体16の表面にエアを吹き
付けて冷却しても良い。また、図3に示すようにプレス
成形用成形型の下型23上又は任意の場所に配置した積
層成形原体16の上方に冷却用のブロア27を配置して
エアを吹き付けて冷却しても良い。ブロア27では、積
層成形原体16の表面により均一に、より多くのエアを
吹き付けることができ、効率が良い。あるいは、積層成
形原体16を移動しつつ冷却しても良い。
【0030】冷却は、基礎材料層3側の温度が低下して
成形し難い軟化状態になることを防ぐために素早く行
う。例えば、約220℃で基礎材料上に溶着された厚さ
0.5mm程度の表皮材料層5のプレス成形に好ましい
軟化温度が120〜150℃である場合、冷却は、約1
0秒以内で完了することが好ましい。この冷却によって
表皮材料層5全体を非溶融状態とし、表皮材料層5の表
面に良好な硬さが付与できる。
【0031】次に、積層成形原体16をプレス成形し
た。プレス成形は公知の種々のプレス成形手段を用いて
行うことができる。積層成形原体16は、全体が軟化状
態とされ、且つ表皮材料層5の表面の軟化状態が調節さ
れている。図5に示すように、プレス成形によって、積
層成形原体16を、所望の形状(立体形状)に成形し
た。プレス成形において表面に立体意匠を付与する場合
は、意匠成形部が設けられた成形型を用いる。成形完了
後、成形体を離型し、適宜バリ取りなどの処理をするこ
とで、図1に示すドアパネル1を得ることができる。ド
アパネル1は、良好に成形された基材を有し、良好に成
形されて表面の見栄えの良い表皮によって基材が被覆さ
れている。
【0032】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
ない。熱可塑性材料層は、表皮材など所定の形状に成形
されたものを用いることもできる。表皮材料は、予め表
皮材に成形されたものを使用しても良い。例えば、シボ
模様や毛羽などを備える表皮材を基礎材料層に積層して
積層成形原体としても良い。また、積層成形原体の表面
にさらに他のシート状の材料を積層してプレス成形して
も良い。この場合、積層成形原体の表面の軟化状態は、
他のシート状の材料と良好に積層一体化される軟化状態
(溶融状態を含む)に調節することが好ましい。また、本
製造方法で製造される樹脂積層成形体は、ドアパネルに
限定されず、種々の自動車内装用パネルや、建築用内装
材等の製造に適用可能である。
【0033】
【発明の効果】本発明では、熱可塑性樹脂を含有する材
料層を複数有し、表面側の材料層を安定に保持して成形
できる樹脂積層体の製造方法を提供することにより、表
面状態が良好な樹脂積層体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる樹脂積層体であ
る車室内装用ボードの斜視図である。
【図2】本発明の製造方法において積層成形原体を形成
する一実施形態を示す模式図である。
【図3】本発明の製造方法において、積層成形原体の表
面の軟化状態を調節する一実施形態を示す断面図であ
る。
【図4】本発明の製造方法において、積層成形原体の表
面の軟化状態を調節する別の実施形態を示す断面図であ
る。
【図5】本発明の製造方法において、積層成形原体をプ
レス成形する一実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ドアパネル 3 基礎材料層 5 表皮材料層 12 基礎材料原体 14 表皮材料原体 16 積層成形原体 21 上型 23 下型 25 エアノズル 27 ブロア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F204 AC03 AD29 AG03 AH26 FA01 FB01 FB13 FB21 FG02 FH06 4F208 AG03 AG05 AG26 AH26 MA05 MB01 MB22 MB29 MC03 MG04 MH06 MH09 MH10 MK08 MK13 MK15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の熱可塑性材料層を備える積層成形原
    体を、表面の軟化状態を調節してプレス成形する工程を
    有する、樹脂積層成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】複数の熱可塑性材料層を備える積層成形原
    体全体を少なくとも軟化させ、より低い軟化温度を有す
    る熱可塑性材料層より成る表面を冷却して、プレス成形
    する、樹脂積層成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】前記プレス成形工程において、冷却した積
    層成形原体の表面に立体意匠を成形する、請求項2に記
    載の樹脂積層成形体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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