JPH0452206B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は緩衝包装材の製造方法に関し、被包
装物をコンパクトに、且つ簡易に包装できる緩衝
包装材を能率的に製造する方法を提供しようとし
ている。

従来、小型ラジオやカセツトテープレコーダそ
の他の電気製品と、これに付属するヘツドフオン
やバツテリー等の部品の包装については、主物品
及び付属部品等を個別に発泡シートにくるんだ
り、紙箱等で包装した上で、トレイ状の緩衝材内
等に収納し、更にこれを化粧箱等の外装ケースに
入れて包装していた。

その為、包装に非常な手間がかかると共に、包
装材料のコストもかかり、しかも収納効率の上か
らも無駄や空間が生じ易く改善が望まれていた。

また、予め各物品の外形状に沿う収納凹部を陥
入形成した非発泡樹脂シート成形品を用い、各凹
部毎に物品を収納することも行なわれているが、
複雑な形状の凹部を有するシート成形品の製造が
面倒であると共に、物品の上面等に対する緩衝保
護は充分でなく、また複数の各凹部間に一定の間
隔を設ける必要があるため、収納効率の点でも問
題があつた。しかも上記シート成形品の場合、何
らかの外装ケースや外装箱を要する点でも不便な
ものであつた。

そこで本願出願人は上記従来の欠点及び不便を
解消できる緩衝包装材として第１図〜第４図に例
示するものを開発した。

即ち、本願出願人の開発した緩衝包装材の一例
として、ヘツドフオンＨ付きの小型カセツトプレ
ーヤーＣ、付属スピーカーＳ，Ｓ及びバツテリー
Ｂを一式収納する緩衝包装材１について説明する
に、該緩衝包装材１は、発泡ポリスチレンシート
等の合成樹脂シートを、上記収納物品を位置決め
すると共にそれらの緩衝部となる膨出部１１，２
１，３１，４１を形成したシート成形体２と、こ
のシート成形体２の凹部側（第１図においては裏
面側）に接合された平板状の板紙３とからなる。
上記シート成形体２と板紙３とは、シート成形体
２の平坦部分のみで接合されており、シート成形
体２のうちで膨出部１１，２１，３１，４１にお
いては、シート成形体２と板紙３との間に緩衝用
の空〓が形成されている。またシート成形体２は
主体片１０，２０、側片３０，４０及びカバー片
５０の五つの部分に折曲溝６０にて区分されてお
り、これを板紙３と接合して緩衝包装材１として
使用するときは、各収納物品を第３図に示すよう
に所定位置に収納した後、折曲溝６０にて直角に
折曲して第４図に示すように角枠状に組み立て
る。

さて、この発明においては、上述の如き緩衝包
装材を能率的に製造する方法を提供することを目
的としており、その特徴は、合成樹脂シートに対
し、収納物品を位置決めすると共にそれらの緩衝
部となる、上記収納物品の外形に対応した膨出部
を、真空成形型を用いた真空成形法にて形成して
シート成形体となし、真空成形型内のシート成形
体の凹部側に平板状の板紙を供給し、上記シート
成形体と板紙とをホツトメルト型接着剤を介在さ
せて重ね合わせ、上記合成樹脂シートをシート成
形体となすべく加熱するときの余熱を利用して押
圧接合すると共に、押圧接合されたシート成形体
と板紙とを所定位置で折曲して角枠状に組み立て
るための折曲溝を、真空成形型の上面に形成され
た突起により、上記押圧接合と同時に形成する点
にある。

次にこの発明に係る緩衝包装材の製造方法をそ
の模式的説明図に基づいて詳しく説明する。

第５図〜第８図はこの発明方法の実施に使用す
る装置を製造過程の緩衝包装材と共に示す模式的
説明図である。

図中、１００は加熱手段であり、順次送給され
る合成樹脂シートＰを真空成形のために軟化させ
るものである。即ち、上記加熱手段１００は、そ
の入口に近い側に配置されてある原反架台（図示
せず）に支架された合成樹脂シートの原反Ｏを順
次送給して平板状とした合成樹脂シートＰを、連
続加熱して軟化させるものである。

上記加熱手段１００の出口に近い側には、上下
に対設された押圧接合型３００及び真空成形型２
００並びにそれらへの合成樹脂シートＰの供給口
に近い適宜個所に位置させたストツパー４００が
配置されている。そして上記真空成形型２００の
後続部（被加工物の進行方向側を指し、以下同様
とする。）には、表装材として好適な平板状であ
つて前記合成樹脂シートＰに接合すべき板紙３を
真空成形型２００の上方へ１枚ずつ供給するため
の供給手段５００が配置されている。

上記真空成形型２００においては、被成形物
を、前述した、収納物品を位置決めすると共にそ
れらの緩衝部となる膨出部の形状に膨出成形する
ための凹部２０１が適宜個所に形成され、その各
凹部２０１の底に通じている導管２０２は一個所
にまとめられて排気管２０３へ通じている。また
その排気管２０３は真空ポンプ（図示せず）へと
接続されている。このような真空成形型２００の
上には、軟化した合成樹脂シートＰが送給され、
真空ポンプにて各凹部２０１の空気を導管２０２
及び排気管２０３にて導いて吸引し、その吸引力
によつて合成樹脂シートＰを所定形状に膨出成形
してシート成形体２を形成するようになつてい
る。

押圧接合型３００は、上下移動可能なようにプ
レスのラム（図示せず）に取り付けられており、
上記シート成形体２と前記板紙３とを重ね合わせ
た状態にて上記押圧接合型３００を下方へ移動さ
せ、前記真空成形型２００との間で押圧すること
によつてシート成形体２と板紙３とを接合すると
共に、押圧接合された上記シート成形体２と板紙
３とを所定位置で折曲して角枠状に組み立てるた
めの折曲溝６０を、真空成形型２００の上面に形
成された突起２０４により、上記押圧接合と同時
に形成するようになつている。

ストツパー４００は真空成形型２００内にて膨
出成形されたシート成形体２の上方へ前記供給手
段５００によつて板紙３を供給するに際し、その
板紙３の最先端の位置決めを行なうためのもので
ある。

また上記真空成形型２００の上方へ供給する板
紙３がストツクされた部分の後続部には、上下対
設された切断刃７１０，７２０が配置されてお
り、これらの間へ板紙３が接合されたシート成形
体２が送り込まれ、所定位置まで送給された状態
にて切断刃７１０，７２０が上下に相対移動する
ことによつて上記シート成形体２が所定個所にて
切断されて個々の緩衝包装体１が得られるように
なつている。

更に上記切断刃７１０，７２０の後続部には、
コンベア６００が配置されており、該コンベア６
００は、上記緩衝包装体１を搬送するのに用いら
れる。

次に上述の如く構成された装置を用いて緩衝包
装材１を製造する場合について順を追つて説明す
る。

先ず、第５図に示すように合成樹脂シートの原
反Ｏを順次繰り広げて平板状の合成樹脂シートＰ
となし、該合成樹脂シートＰが加熱手段１００内
を通過するようにこれを矢符方向へ送給して真空
成形が可能なように軟化させる。

軟化された合成樹脂シートＰは、真空成形型２
００の上方の所定位置まで送給され、その状態に
て一旦停止させられる。そして真空ポンプにて凹
部２０１の空気を吸引し、その吸引力によつて合
成樹脂シートＰを所定形状に膨出成形してシート
成形体２を形成する。そして供給手段５００を用
い、予めホツトメルト型接着剤を裏面に塗布した
板紙３を、真空成形型２００にて膨出成形された
上記シート成形体２の上方へ、白抜矢符に示す如
く送給してストツパー４００にて位置決めする
（第６図参照）。

然る後に押圧接合型３００を下方へ移動させる
ことにより、所定形状に成形されたシート成形体
２と板紙３とをホツトメルト型接着剤を介在させ
た状態にて押圧して両者を接合すると共に、真空
成形型２００の上面に形成された突起２０４によ
り、押圧接合されたシート成形体２と板紙３とを
所定位置で折曲して角枠状に組み立てるための折
曲溝６０を形成する（第７図参照）。この場合、
シート成形体２は真空成形を行なうために加熱さ
れたときの余熱が残留しているので、その余熱の
効果にてホツトメルト型接着剤をホツトメルトさ
せることができ、別個に加熱手段を設ける必要が
ない。

更に真空成形型２００及び押圧接合型３００を
相互に離隔するように後退させることにより、上
述のように板紙３が接合されたシート成形体２を
両型から離脱させ、切断刃７１０，７２０間へ送
り込み、所定位置まで送給させた後に切断刃７１
０，７２０を上下に相対移動させ、上記シート成
形体２を所定個所にて切断して緩衝包装体１を製
造する（第８図参照）。

これらの工程は繰り返して順次製造される緩衝
包装材１はコンベア６００上へ移され、該コンベ
ア６００にて製品置場（図示せず）へ搬送され
る。

上述した方法によつて緩衝包装材１を製造する
場合には、シート成形体２を真空成形する工程と
該シート成形体２及び板紙３を押圧接合する工程
と上記シート成形体２を所定位置で折曲して角枠
状に組み立てるための折曲溝６０を形成する工程
とを同一個所にて行なうことができ、極めて能率
的な緩衝包装材１の製造方法が実現できる。

なお、前記合成樹脂シートＰとしては、ポリス
チレン等の発泡シートが先ず考えられるが、透明
な非発泡シートを用いてもよい。透明な非発泡シ
ートを用いる場合は、例えばそれを真空成形型２
００を用いて真空成形して膨出部２１′を形成し
たシート成形体２′となし、上記真空成形型２０
０内のシート成形体２′の上方へ窓部３１′が予め
形成されている板紙３′を供給し、シート成形体
２′と板紙３′とを接着剤を介在させて重ね合わせ
た後、両者を押圧接合することによつて第９図に
示す如く緩衝包装材１′を製造し、これを第１０
図に示す如く組み立てることによつて窓部３１′
を通して中味の視認可能なものを得ることができ
る。

また、第５図〜第８図においては、板紙３を製
品１個分に相当する大きさに予め裁断しておき、
これを真空成形型２００の上方へ１枚ずつ供給す
ることとしたが、連続的な板紙を巻反状にしてお
き、これを順次繰り広げて真空成形型２００の上
方へ連続供給することも可能である。

更に第５図〜第８図においては、ホツトメルト
型接着剤をホツトメルトさせるのに合成樹脂シー
トＰを加熱するときの余熱を利用することとした
が、これでは不十分である場合に別の熱源を配し
て加熱することとしてもよい。なお、上記接着剤
は板紙３側に塗布することとしているが、これを
合成樹脂シートＰ側に塗布することも可能であ
る。

また第５図〜第８図においては、板紙３が接合
されたシート成形体２を所定個所にて切断するの
に切断刃７１０，７２０を用いることとしたが、
真空成形体されたシート成形体２を板紙３と押圧
接合する押圧接合型３００に切断刃を取り付けて
切断用型を兼ねさせることとすれば、前記切断刃
７１０，７２０による工程を省略でき、より効率
的な緩衝包装材１の製造方法が可能となる。

更に第５図〜第８図においては、ヘツドフオン
Ｈ付き小型カセツトプレーヤーＣ、付属スピーカ
ーＳ，Ｓ及びバツテリーＢを一式収納するものを
例にとつたが、上記以外の目的に用いる種々の緩
衝包装材にもこの発明に係る方法が適用できるの
はいうまでもない。

また真空成形型２００と押圧接合型３００との
上下の配置は逆にしてもこの発明方法が実施可能
であることはいうまでもない。

以上詳述したようにこの発明方法によれば、合
成樹脂シートに対して各種被包装物を収納する上
で好適な、収納物品の外形に対応した膨出部を真
空成形してシート成形体となし、真空成形型内の
シート成形体の凹部側に表装材として好適な平板
状の板紙を供給してこれを押圧接合すると共に、
上記シート成形体を所定位置で折曲して角枠状に
組み立てるための折曲溝を形成することにより、
シート成形体の膨出部と板紙との間に緩衝性良好
な空間を存在させた積層タイプの緩衝包装材とな
し、これを所定個所にて切断することにより、被
包装物をコンパクトに、且つ簡易に包装できる
個々の緩衝包装材を能率的に製造することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の実施態様を例示するものであ
り、第１図はこの発明に係る緩衝包装材の組立て
前の状態を示す斜視図、第２図は上記緩衝包装材
の正面図、第３図は上記緩衝包装材に収納物品を
収納した状態を示す平面図、第４図は上記緩衝包
装材を組み立てた状態を示す斜視図、第５図〜第
８図はこの発明方法の実施に使用する装置を製造
過程の緩衝包装材と共に示す模式的説明図、第９
図はこの発明に係る他の緩衝包装材の組立て前の
状態を示す正面図、第１０図は上記緩衝包装材を
組み立てた状態を示す斜視図である。 １，１′……緩衝包装材、２，２′……シート成
形体、３，３′……板紙、１１，２１，３１，４
１……膨出部、３１′……窓部、１００……加熱
手段、２００……真空成形型、３００……押圧接
合型、４００……ストツパー、５００……供給手
段、６００……コンベア、Ｏ……原反、Ｐ……合
成樹脂シート。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 合成樹脂シートに対し、収納物品を位置決め
   すると共にそれらの緩衝部となる、上記収納物品
   の外形に対応した膨出部を、真空成形型を用いた
   真空成形法にて形成してシート成形体となし、真
   空成形型内のシート成形体の凹部側に平板状の板
   紙を供給し、上記シート成形体と板紙とをホツト
   メルト型接着剤を介在させて重ね合わせ、上記合
   成樹脂シートをシート成形体となすべく加熱する
   ときの余熱を利用して押圧接合すると共に、押圧
   接合されたシート成形体と板紙とを所定位置で折
   曲して角枠状に組み立てるための折曲溝を、真空
   成形型の上面に形成された突起により、上記押圧
   接合と同時に形成することを特徴とする緩衝包装
   材の製造方法。 ２ ホツトメルト型接着剤はシート成形体となる
   合成樹脂シート側に塗布する上記特許請求の範囲
   第１項記載の緩衝包装材の製造方法。 ３ ホツトメルト型接着剤は板紙側に塗布する上
   記特許請求の範囲第１項記載の緩衝包装材の製造
   方法。