JPH07299866A - 加工品表面に樹脂スキン層を形成する方法 - Google Patents

加工品表面に樹脂スキン層を形成する方法

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JPH07299866A
JPH07299866A JP9433594A JP9433594A JPH07299866A JP H07299866 A JPH07299866 A JP H07299866A JP 9433594 A JP9433594 A JP 9433594A JP 9433594 A JP9433594 A JP 9433594A JP H07299866 A JPH07299866 A JP H07299866A
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JP
Japan
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resin
skin layer
processed product
resin sheet
sheet
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JP9433594A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiro Sato
光弘 佐藤
Atsushi Furuhira
篤 古平
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Toyo Kagaku Co Ltd
Original Assignee
Toyo Kagaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複雑な形状の加工品表面形状にも対応し、し
かも全面に亘る種々の印刷表示も可能で且つ安価に形成
可能な加工品表面に樹脂スキン層を形成する方法を提供
すること。 【構成】 樹脂スキン層12が設けられるべき被覆予定
面に開口し、この被覆予定面とは反対側の面に至る多数
の微小径通路13を備える加工品11のその被覆予定面
側に、前記通路13を介して負圧を供給し、加熱して柔
軟にされた平坦な樹脂シート14を加工品の被覆予定面
上に位置決めし、この樹脂シート14を加工品被覆予定
面に多数の前記通路13からの負圧により吸着して張り
付けることから構成されることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加工品表面に樹脂スキン
層を形成する方法に関し、更に詳細には例えば樹脂成型
品の表面に樹脂シートを密着させて被覆し、比較的に硬
質のスキン層を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば樹脂成型品は金型などによ
り所望の形状に形成され、その所定表面には必要に応じ
て比較的に硬質の樹脂スキン層が設けられている。この
ような樹脂スキン層を樹脂成型品の表面に形成する主な
理由は樹脂成型品の表面を保護するためである。
【0003】すなわち、樹脂成型品は種々の用途に用い
られているが、例えばその1例としては、製造工場等で
パーツを入れて搬送するトレーとしての用途が挙げられ
る。通常、部品収納用のトレーは、多数の部品を収納し
た状態でコンベヤーに乗せられて搬送され、部品を所定
箇所へ移送したりするのに使用されている。
【0004】このような部品収納用トレーとして使用さ
れる樹脂成型品は、例えば発泡スチロールで形成されて
いるものもあり、その場合、表面は比較的に柔らかく、
これをそのままコンベヤーなどで搬送すると表面が破損
する恐れがあった。そのため、従来ではこのような樹脂
成型品の表面に比較的に硬質の樹脂スキン層を形成し
て、樹脂成型品表面の保護が図られていた。
【0005】樹脂成型品の表面に樹脂スキン層を形成す
る従来の方法は、樹脂スキン層が設けられる樹脂成型品
の表面とほぼ同一の形状の金型を作り、その金型で所定
形状の樹脂スキン層を形成した後、この樹脂スキン層を
樹脂成型品に被せるように装着して取り付けていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
このような樹脂成型品への樹脂スキン層形成方法では、
樹脂スキン層を樹脂成型品の所定面に取り付け可能なよ
うに予め形ち付けておくため樹脂成型品のその所定面即
ち樹脂スキン層形成面形状とほぼ同じ金型を製作しなけ
ればならず、非常にコストがかかると言う問題があっ
た。
【0007】しかも、樹脂成型品にこの所定面形状と全
く同一の形状に形成された樹脂スキン層を被せるとなる
と、樹脂成型品の表面形状及び樹脂スキン層を精度良く
作らなければならない。このようなことは実際上は非常
に大変でコストも掛かることから結局樹脂成型品の用途
までも限定されてしまう。また、このような樹脂スキン
層はその成型の能率性及び容易性等から射出成型で形成
されることが多い。従って、樹脂スキン層の表面に広範
囲に亘って文字図形などの印刷を行うことは非常にコス
トアップとなると言う問題もあった。
【0008】本発明の目的は、かかる従来の問題点を解
決するためになされたもので、複雑な形状の加工品表面
形状にも対応し、しかも全面に亘る種々の印刷表示も可
能で且つ特別な金型を使用することなく安価に形成可能
な加工品表面に樹脂スキン層を形成する方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は加工品表面に樹
脂スキン層を形成する方法であり、前述した技術的課題
を解決するために以下のように構成されている。すなわ
ち、本発明の加工品表面に樹脂スキン層を形成する方法
は、樹脂スキン層12が形成されるべき表面に開口し、
前記被覆予定面とは反対側の面に至る微小径通路13を
備える加工品11のその被覆予定面側に、前記通路13
を介して負圧を供給すること、平坦な樹脂シート14を
加熱して柔軟にし、この柔軟にされた樹脂シート14を
前記加工品11の前記被覆予定面上に位置決めし、前記
樹脂シート14を前記加工品被覆予定面に多数の前記通
路13からの負圧により吸着して張り付け、樹脂スキン
層12とすることから構成されることを特徴とする。以
下、各構成要件について個別に説明する。
【0010】(前提となる加工品の存在)本発明の加工
品表面に樹脂スキン層12を形成する方法において、加
工品11には樹脂スキン層12が形成されるべき表面
(被覆予定面)に開口し、その被覆予定面とは反対側の
面に至る多数の微孔即ち微小径の通路13が予め形成さ
れている。この加工品11は樹脂成型品であることが好
ましいが、これに限定されるものではなく、樹脂スキン
層12を表面に設けて保護層を形成する必要があるあら
ゆる種類の加工品について適用することができる。
【0011】(負圧供給工程)微小径の多数の通路13
が形成された加工品11の被覆予定面とは反対側の面か
ら負圧を供給する。これにより、加工品11の被覆予定
面側の空気は多数の微小径通路13を介して反対側の面
にあけられた出口から吸引される。
【0012】(樹脂シート加熱工程)前述の負圧供給工
程に先だって平坦な1枚の樹脂シート14がヒータ装置
21等により加熱されて柔軟にされる。この時の樹脂シ
ート14の大きさは当然に加工品の被覆予定表面の全面
積に等しいか、又はそれより大きい。この樹脂シート1
4は、加工品11が樹脂成型品であった場合にはこれと
同質の材料のものを使用することが好ましい。すなわ
ち、例えば樹脂成型品がポリスチロールから形成されて
いるものであれば、樹脂シート14もポリスチロールか
ら形成されることが好ましい。これは、相互に張り合わ
せた時に熱融着により接着し得るからである。
【0013】(樹脂シート密着工程)加熱されて柔軟に
なった樹脂シート14は、次いで加工品11の被覆予定
面上に被せるように配置される。その際、加工品11の
被覆予定面に存する多数の微小径通路13からは負圧が
供給されているため、柔軟な樹脂シート14はこの吸引
力によって加工品被覆予定面に吸引されて密着される。
すなわち、加熱により柔軟にされた樹脂シート14は、
加工品11の被覆予定面に強力に吸着され、その結果こ
の加工品11を「型」としてその被覆予定面全体をその
形ち通りに被覆することになる。
【0014】
【作用】本発明における加工品表面に樹脂スキン層を形
成する方法によると、平坦な樹脂シート14を加熱して
柔軟にし、これを加工品11の被覆予定面に真空吸着に
よりその表面形状通りに密着させるようにしたことか
ら、結果的に加工品11を「型」として樹脂シート14
を樹脂スキン層12に形成したことになり、そのため特
別な金型を形成する必要がなく、非常に簡単に且つ安価
に樹脂スキン層12を形成することができる。
【0015】また、このように平坦な樹脂シート14を
加熱して柔軟にし、その上でこれを加工品11に被せる
ように密着するため、平坦な樹脂シート14に予め印刷
を施しておけば、結果的に加工品11の表面に形成され
た樹脂スキン層12全面に印刷がなされていることにな
り、これにより加工品表面に形成された樹脂スキン層1
2に必要な文字図形などを簡単に表示することもでき
る。
【0016】
【実施例】以下、本発明の加工品表面に樹脂スキン層を
形成する方法を図に示される実施例について更に詳細に
説明する。図1には加工品としての樹脂成型品表面に樹
脂スキン層を形成する一工程が示されている。
【0017】加工品11である樹脂成型品は、予め金型
等を用いて従来周知の方法で形成される。この実施例に
おける樹脂成型品は、図2に示されるように発泡スチロ
ールから形成された矩形のトレー本体であり、従って以
下本実施例の説明においてはこの加工品である樹脂成型
品を「樹脂成型トレー本体」と称することにする。
【0018】この樹脂成型トレー本体11の底部外表面
には、このトレー本体11を逆さまにした状態で縦断面
を示す図3から明らかなように浅い凹所11aが形成さ
れていると共に上端周囲縁部には外方へ張り出したフラ
ンジ部11bが形成されている。このような樹脂成型ト
レー本体11の外側表面に樹脂スキン層12が設けら
れ、最終的に図4に示されるような樹脂成型トレー10
として構成される。この樹脂スキン層12を樹脂成型ト
レー本体11の外側表面に設ける方法が以下詳述する本
発明の実施例なのである。
【0019】この樹脂成型トレー本体11には無数の微
小径通路13を形成しておく。これらの微小径通路13
は、当該通路からの負圧の供給によって後述する樹脂シ
ート14を被覆予定面に真空吸着させるために使用され
るもので、従って全ての通路13における一端開口は被
覆予定面に存し、且つその他端開口は被覆予定面とは反
対側の面に存するように形成されている。
【0020】この時、樹脂成型トレー本体11の形状か
らみたこれらの微小径通路13の形成に関して重要なこ
とは、樹脂成型トレー本体11の被覆予定面にL形状部
分がある場合にはその角部に必ず微小径通路13の一端
開口が形成されていることが必要である。このように形
成された樹脂成型トレー本体11は、図1に示されるよ
うに加工品支持台15に乗せられて支持される。この加
工品支持台15は、本実施例の樹脂成型トレー本体11
に適用するように形成されている。
【0021】すなわち、この加工品支持台15は、樹脂
成型トレー本体11を逆さまにした時に内側の凹部内に
入ってその内底を支える山形状の中央支持部15aを備
えている。しかし、この中央支持部15aは、その表面
全面が樹脂成型トレー本体11の凹部内面に接触するも
のではなく、樹脂成型トレー本体の凹部内面に開口した
多数の微小径通路13をできるだけ塞がずに支持し得る
ように部分的に接触する。
【0022】従って、中央支持部15a表面における樹
脂成型トレー本体内面と接触しない部分を「非接触面部
分」と言う用語で表現するとすれば、この非接触面部分
と樹脂成型トレー内面との間には空間部16が形成され
ることになる。この中央支持部15aの周囲には、逆さ
まにされた樹脂成型トレー本体11を当該中央支持部1
5aに被せるように配置する時、そのフランジ部11b
を坦持してこの部分にも支持作用を与える水平な段部1
5bが形成されている。
【0023】この水平な段部15bの下部には更に段部
15cが形成されている。樹脂成型トレー本体11のフ
ランジ部11bを乗せる段部15bの幅は、樹脂成型ト
レー本体11における側壁の厚さにフランジ部11bの
張り出し長さをプラスした寸法と同じか又はそれより短
く形成され、この段部15bの端部はその下部に位置す
る別な段部15cにおける垂直壁面に連接している。
【0024】このことは、図1に示されるように段部1
5bに樹脂成型トレー本体11のフランジ部11bを乗
せた時にこのフランジ部11bの側面と段部15cの垂
直壁面とが同一の垂直面に存在するか又はフランジ部1
1bの側面が段部15cの垂直壁面より突出することを
意味することになる。
【0025】さて、この加工品支持台15には、図1か
ら明らかなように複数の負圧供給通路15dが形成され
ており、大部分の通路15dにおける一端開口は前述し
た非接触面部分に位置している。そして、それらの他端
開口は、この加工品支持台15の底面中央部に集められ
ている。多数の通路15dの内、その幾つかの一端開口
は加工品支持台15における段部15cの隅部に位置し
ている。その理由については後で説明する。
【0026】この加工品支持台15は架台17上に固定
されている。加工品支持台15が固定される架台17表
面の中央部には凹所17aが形成されており、この凹所
17aの領域には加工品支持台15底面中央部に集めら
れた全ての負圧供給通路15dの他端開口が位置してい
る。そして、この凹所17aは架台17に取り付けられ
た接続管18を介して負圧供給源(図示せず)に連通し
ている。この結果、加工品支持台15に乗せられて支持
された樹脂成型トレー本体11における全ての微小径通
路13は負圧供給源に連通することになる。
【0027】この加工品支持台15の上方には、水平に
配置された樹脂シート14の両端をそれぞれ挟持して保
持する2つのシートクランプ装置19、20が上下動可
能に設置されている。このシートクランプ装置19、2
0はそれぞれ樹脂シート14を上下から挟持する一対の
クランプバー19a、19b、20a、20bから構成
されている。
【0028】更に、この加工品支持台15の上方には、
シートクランプ装置19、20間に出入りするように加
熱装置21が水平方向にに移動可能に設置されている。
この加熱装置21は、一対の加熱板21a、21bから
構成され、各加熱板21a、21bはそれぞれシートク
ランプ装置19、20で水平に保持された樹脂シート1
4の上部及び下部に位置するように相互に間隔をあけて
配置されている。
【0029】次に、本実施例における樹脂成型トレー本
体11の表面に樹脂スキン層12を形成する工程を詳細
に説明する。樹脂スキン層12を表面に形成すべき樹脂
成型トレー本体11は公知の成型手段で成型されて準備
される。この樹脂成型トレー19には前述したように多
数の微小径通路13が設けられている。このような樹脂
成型トレー本体11は、樹脂スキン層12を被覆する外
側表面を全体として上側に向けるため逆さまにされて、
加工品支持台15に被せるように載置される。
【0030】その後、平坦な樹脂シート14がその両端
部をシートクランプ装置19、20によって挟持位置決
めされる。この時、この平坦な樹脂シート14の大きさ
は当然に加工品の被覆予定表面の全面積に等しいか、又
はそれより大きい。そして、この樹脂シート14の上下
に加熱装置21の各加熱板21a、21bが移動されて
きて、当該樹脂シート14が加熱される。
【0031】樹脂シート14が加熱されて柔軟になる
と、加熱装置21は元の待機位置(図1で見て正面又は
裏面側)に移動する。そして、シートクランプ装置1
9、20は、図5に示されるように加熱されて柔軟にな
った樹脂シート14を保持したまま下降され、これによ
り樹脂シート14は樹脂成型トレー本体11をその下端
に位置するフランジ部11bを越えてこれを全体的に覆
うことになる。
【0032】次いで、真空ポンプ等の負圧供給源から負
圧が供給され、この負圧は架台17の凹所17aを介し
て加工品支持台15における負圧供給通路15dから樹
脂成型トレー本体11の各微小径通路13に及ぼされ
る。そのため、樹脂成型トレー本体11の外側表面を覆
っている樹脂シート14は、多数の微小径通路13の各
開口からの真空吸引力を受け、これによって樹脂シート
14は図6に示されるように樹脂成型トレー本体11の
外側表面に密着される。
【0033】この時、加工品支持台15の段部15bに
載置された樹脂成型トレー本体11のフランジ部11b
よりも一段下の段部15cには、前述したように多数の
通路15dの内、その幾つかの一端開口が隅部に形成さ
れているため、樹脂シート14は、この段部15cの隅
部に直接吸着させられることになる。これにより、樹脂
シート14は樹脂成型トレー本体11のフランジ部11
b側面にも非常に良好に密着することになる。
【0034】このようにして、樹脂成型トレー本体11
の外側表面に密着された樹脂シート14は加熱された時
に保有する熱により樹脂成型トレー本体11の表面に熱
融着して強固に被覆され、この結果樹脂シート15は樹
脂成型トレー本体11の外側表面に樹脂スキン層12と
して形成されることになる。次いで、樹脂シート15が
熱融着された樹脂成型品トレー本体11は冷却スプレー
又は冷却エアー等により間接的に冷却されて所定の温度
まで下げられる。
【0035】その後、シートクランプ装置19、20に
よる樹脂シート14両端部の挟持が解除され、樹脂成型
トレー本体11は加工品支持台15から取り外される。
そして、樹脂成型トレー本体11の外側表面に設けられ
た樹脂スキン層12のフランジ部11b端縁から突出し
たバリ状部分が切り取られて完全な製品とされる。
【0036】このようにして樹脂成型トレー本体の外側
表面に樹脂スキン層を形成する場合、樹脂成型トレー本
体と樹脂スキン層となる樹脂シートとは同質の材料から
構成されることが望ましい。すなわち、例えば樹脂成型
品がポリスチロールから形成されているものであれば、
樹脂シートもポリスチロールから形成される。これは、
基本的に同質材料から構成された樹脂成型トレー本体と
樹脂シートとは、後者を加熱して前者の表面に密着する
時熱融着を生じるので両者を強固に貼り合わせすること
ができるからである。
【0037】ところで、前述した実施例において、加工
品として発泡スチロールからなる樹脂成型トレー本体の
場合について説明したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、樹脂成型品以外のあらゆる形状の加工品に
対しても可能である。また、樹脂スキン層となる樹脂シ
ートと加工品とは同質材料から構成されることが前述し
た理由から望ましいが、異質の材料から構成されたもの
であってもよい。但し、その場合樹脂シートの密着面又
は加工品の樹脂スキン層形成予定面のいずれか一方又は
両方に接着剤等を塗布しておいてもよい。
【0038】要するに、本発明の加工品表面に樹脂スキ
ン層を形成する方法では、樹脂スキン層となる樹脂シー
トを加熱して柔軟にし、これを加工品に被せた後に当該
加工品に形成した微小径通路から負圧を供給してこの樹
脂シートを真空吸引によって加工品の表面に実質的にこ
の加工品を「型」にしてその表面形状通りに密着させて
被覆し、樹脂スキン層を形成するものである。
【0039】また、前述した実施例のように樹脂成型ト
レー本体11が発泡スチロールで形成されている場合に
はこれに被覆される樹脂シート14を少なくとも約13
0度以上(従ってこの温度以上の耐熱シートを用いる)
で加熱して樹脂成型トレー本体11に前述した手順で被
覆すると、樹脂成型トレー本体11がこの熱で二次発泡
を起し、その表面に比較的に大きな無数の凹凸が形成さ
れる。その結果、樹脂シートで被覆されてなる樹脂成型
トレー10の表面にはこのような比較的に大きな無数の
凹凸形状が形成されることになり、表面装飾的効果を同
時に得ることができる。
【0040】更に、前述した実施例では、図1に示され
るように加工品である樹脂成型トレー本体の外側表面に
樹脂スキン層を形成する場合についてのものであった
が、図7に示されるように内側に樹脂スキン層を設ける
場合についても適用することができることは言うまでも
ない。
【0041】なお、本発明に係る加工品表面に樹脂スキ
ン層を形成する方法において使用される加工品支持台1
5は、図8に示されるような構造のものでもよい。図8
に示される加工品支持台22は中央支持部22aにおけ
る内部に中空室22bを形成し、この中空室22bを中
継部としてここから外表面に多数の負圧供給通路22c
が伸長して形成されている。
【0042】他方、中空室22bは比較的に太いメイン
負圧供給通路22dを介して架台17の凹所17aに連
通している。その他の構成については前述の加工品支持
台15と実質的に同じであるので同一の参照符号を付け
てその説明を省略する。このような構成の加工品支持台
22の使用から示唆されることは、本発明において使用
される加工品支持台として、加熱されて柔軟にされた樹
脂シートを被せる際に加工品を所定位置に保持すると共
に加工品の内側から微小径通路に負圧を供給することが
できるように構成されている限りその形状、構造が問題
とされることはないと言うことである。
【0043】また、図1に示される実施例では、樹脂シ
ート14を加熱する加熱板21が樹脂シート14の上下
に位置する2つの加熱板21a、21bで構成されてい
たが、上部の加熱板だけであってもよい。樹脂シートの
材質によっては加熱すると下方側へ垂れ下がるものもあ
るので、特にこのような場合には下側の加熱板を使用し
ないことが好ましい。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の加工品表
面に樹脂スキン層を形成する方法によれば、樹脂スキン
層を設ける加工品に予め多数の微小径通路を形成し、樹
脂スキン層となる樹脂シートを加熱して柔軟にしてこれ
を加工品に被せた後、当該加工品の微小径通路から負圧
を供給してこの樹脂シートを加工品被覆予定面に真空吸
着することにより実質的にこの加工品を「型」にしてそ
の表面形状通りに密着させて被覆し、これにより樹脂ス
キン層を形成するようにしたことから、樹脂スキン層形
成に特別な金型を形成する必要がないため複雑な加工品
表面形状に対応でき、しかも平坦状態で予め種々の印刷
表示をすることにより樹脂スキン層全面に亘る印刷表示
も可能であるなど加工品表面に樹脂スキン層を形成する
優れた方法を提供することができる。
【0045】また、本発明における加工品表面にスキン
層を形成する方法によれば、加工品と樹脂スキン層とが
同質材料から構成される場合には熱融着により、或いは
同質の材料でない場合には樹脂スキン層となる樹脂シー
トの表面又は加工品表面に接着剤を塗布しておくことに
より強固な両者の固着を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である樹脂成型トレー表面に
樹脂スキン層を形成する一工程の状態を示す断面図であ
る。
【図2】本発明に係る加工品表面に樹脂スキン層を形成
する方法において加工品として例示される発泡スチロー
ル製の樹脂成型トレーの本体を示す斜視図である。
【図3】図2に示される樹脂成型トレー本体を逆さまに
して示す縦断面図である。
【図4】図3に示される樹脂成型トレーの本体外側表面
に樹脂スキン層を形成した状態を示す図3と同様な縦断
面図である。
【図5】本発明の一実施例である樹脂成型トレー表面に
樹脂スキン層を形成する図1の工程に続く状態を示す断
面図である。
【図6】本発明の一実施例である樹脂成型トレー表面に
樹脂スキン層を形成する図5の工程に続く状態を示す断
面図である。
【図7】本発明の加工品表面に樹脂スキン層を形成する
方法により、樹脂成型トレーの本体内側表面に樹脂スキ
ン層を形成した状態を示す断面図である。
【図8】本発明の加工品表面に樹脂スキン層を形成する
方法において使用する加工品支持台の別な構成例を示す
断面図である。
【符号の説明】
10 樹脂成型トレー 11 樹脂成型トレー本体 11a 凹所 11b フランジ部 12 樹脂スキン層 13 微小径通路 14 樹脂シート 15 加工品支持台 15a 中央支持台 15b 段部 15c 段部 16 空間部 17 架台 17a 凹所 18 接続管 19 シートクランプ装置 20 シートクランプ装置 21 加熱装置 21a 上加熱板 21b 下加熱板 22 加工品支持台 22a 中央支持部 22b 中空室 22c メイン負圧供給通路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工品表面に樹脂スキン層を形成する方
    法であって、前記樹脂スキン層が形成されるべき被覆予
    定面に開口し、前記被覆予定面とは反対側の面に至る多
    数の微小径通路を備える加工品のその被覆予定面側に、
    前記通路を介して負圧を供給すること、平坦な樹脂シー
    トを加熱して柔軟にし、この柔軟にされた樹脂シートを
    前記加工品の前記被覆予定面上に位置決めし、前記樹脂
    シートを前記加工品被覆予定面に多数の前記通路からの
    負圧により吸着して張り付け、樹脂スキン層とすること
    から構成されることを特徴とする加工品表面に樹脂スキ
    ン層を形成する方法。
  2. 【請求項2】 前記加工品が耐熱性及び断熱性のある樹
    脂成型品であり、前記樹脂シートが前記樹脂成型品と同
    質の材料から構成され、前記樹脂シートが前記加工品表
    面に密着された際、相互に熱接着されることを特徴とす
    る請求項1に記載の加工品表面に樹脂スキン層を形成す
    る方法。
  3. 【請求項3】 前記樹脂シートの前記加工品表面密着側
    の面に接着剤が塗布され、前記樹脂シートが前記加工品
    表面に密着された際、前記樹脂シートが前記接着剤によ
    り前記加工品表面に接着されることを特徴とする請求項
    1に記載の加工品表面に樹脂スキン層を形成する方法。
JP9433594A 1994-05-06 1994-05-06 加工品表面に樹脂スキン層を形成する方法 Pending JPH07299866A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20030077165A (ko) * 2002-03-25 2003-10-01 엘지전자 주식회사 세탁기 컨트롤 패널의 필름 포밍 장치 및 세탁기의 컨트롤패널 성형방법
KR100562221B1 (ko) * 2004-10-19 2006-03-22 주식회사 효건도어 합성수지시트 진공성형장치
CN104290430A (zh) * 2013-07-19 2015-01-21 珠海格力电器股份有限公司 覆膜件固定机构
CN111923393A (zh) * 2020-08-18 2020-11-13 深圳奔等电脑有限公司 一种手机显示屏覆膜设备

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