JP2006226248A - 電装品保護装置 - Google Patents

Abstract

【課題】カバーの取り付けおよび取り外しの作業性が良く、ガタツキの少ない圧縮機の電装品保護装置を提供する
【解決手段】挿入部１３０と係止孔１４５を設けた係止部１４０とを対向形成したブラケット１２０と、挿入部１３０の先端部１３７が挟持される挟持部１６０と係止孔１４５に係止される爪部１７０とを形成したカバー１５０とを備え、挿入部１３０は挿入方向に対し突出代の異なる複数の突出部１３５から形成することにより、１つの爪部１７０にてカバー１５０をブラケット１２０にしっかりと固定できるともに、取り外しの際にカバー１５０の歪みが小さく割れ難くなるので、カバーの取り付けおよび取り外しの作業性が良く、かつ割れにくく信頼性の高い圧縮機の電装品保護装置を提供することができる。
【選択図】図４

Description

本発明は、冷凍冷蔵装置等に使用される密閉型電動圧縮機の電装品保護装置に関するものである。

従来、この種の電装品保護装置はワンタッチ挿入の作業にて固定できるものがある（例えば特許文献１参照）。

以下、図面を参照しながら上記従来の電装品保護装置を説明する。

図７は特許文献１に記載された従来の電装品保護装置の分解斜視図、図８は電装品保護装置の取り付け状態の拡大側面図である。

図７および図８において、電動圧縮要素（図示せず）を収納した電動圧縮機本体１０には、上記電動圧縮要素に電気を供給するガラスターミナル１５が取り付けられている。ガラスターミナル１５には上記電動圧縮要素を保護または始動させる電装品１９ａ、１９ｂが接続される。

冷間圧延鋼板や熱間圧延鋼板などの鉄板の折曲成形によって形成されたブラケット２０がガラスターミナル１５を囲むように電動圧縮機本体１０に固着され、ブラケット２０には電装品１９ａ、１９ｂをカバーするカバー５０が係着される。ブラケット２０はガラスターミナル１５を挟んで対向する折曲形成された左右２辺に係止孔４５を有している。

カバー５０はポリプロピレンやポリカーボネート等の合成樹脂材料により射出成形され、ブラケット２０に設けた係止孔４５に対応する位置の内壁面には、係止孔４５に係合するテーパ状の爪部７０を形成している。

以上のように構成された電装品保護装置について、以下その動作を説明する。

ガラスターミナル１５に電装品１９が挿入固定される。この電装品１９を覆うためのカバー５０をブラケット２０に挿入する際に、テーパ状の爪部７０が係止孔４５を設けたブラケット２０の左右２辺に当たると、カバー５０の爪部７０が設けられている左右２つの壁面がブラケット２０の左右２辺に対して外側へ歪み、テーパ状の爪部７０がブラケット２０の係止孔４５に係止され、カバー５０はワンタッチでブラケット２０に固定される。
特開平２−３３４７８号公報

しかしながら、上記従来の構成では、カバー５０をブラケット２０から取り外す際には、カバー５０の爪部７０が設けられている左右２つの壁面を、ブラケット２０の左右２辺に対して各々外側へ歪ませて、爪部７０をブラケット２０の係止孔４５から外す必要があるため、合成樹脂材料により成形されたカバー５０の歪みが大きくなることで、割れてしまうことがあった。

本発明は、上記従来の課題を解決するもので、カバーの取り付けおよび取り外しの作業性が良く、かつ割れにくく信頼性の高い圧縮機の電装品保護装置を提供することを目的とする。

上記従来の課題を解決するために、本発明の圧縮機の電装品保護装置は、挿入部と係止孔を設けた係止部とを対向形成したブラケットと、挿入部の先端部が挟持される挟持部および係止孔に係止される爪部とを形成したカバーとを備え、挿入部は挿入方向に対し突出代の異なる複数の突出部から形成されたもので、カバーをブラケットへ固定した際には、挿入部の平面全体が狭持され、ブラケットに対して、爪部を支点としたカバーの動きを抑制することができ、また、カバーをブラケットから取り外す際には、１つの爪部を係止孔から外すのみであり、爪部を設けたカバーの壁面のみを歪ませるだけで取り外すことができるという作用を有する。

本発明の圧縮機の電装品保護装置は爪部を設けたカバーの壁面のみを歪ませるのでカバーの取り付けおよび取り外しの作業性が良く、かつ割れにくく信頼性の高い圧縮機の電装品保護装置を提供することができる。

請求項１に記載の発明は、圧縮機本体に固定され、挿入部と係止孔を設けた係止部とを対向形成したブラケットと、樹脂からなり、前記挿入部の先端部が挟持される挟持部と前記係止孔に係止される爪部とを形成したカバーとを備え、前記挿入部は挿入方向に対し突出代の異なる複数の突出部から形成されたもので、前記カバーを前記ブラケットへ固定した際には、前記挿入部の平面全体が狭持され、前記ブラケットに対して、前記爪部を支点とした前記カバーの動きを抑制することができ、また、前記カバーを前記ブラケットから取り外す際には、１つの前記爪部を前記係止孔から外すのみであり、前記爪部を設けた前記カバーの壁面のみを歪ませるだけで取り外すことができるため、１つの前記爪部にて前記カバーを前記ブラケットにしっかりと固定できるともに、取り外しの際に前記カバーの歪みが小さく割れ難くなるので、カバーの取り付けおよび取り外しの作業性が良く、かつ割れにくく信頼性の高い圧縮機の電装品保護装置を提供することができる。

請求項２に記載の発明は、請求項１の発明に前記挿入部を前記ブラケットの上側に設けることにより、前記ブラケットの同じ平面上の複数箇所を前記カバーの狭持部が挟持して、前記挿入部の平面全体を前記カバーで均一に被うため、前記カバーの上方より水が流れ落ちてきた際には、前記カバー内への浸水を防止することができ、さらに圧縮機の信頼性を高めることができる。

請求項３に記載の発明は、請求項１から２の発明に最も突出代の大きい前記突出部の先端が前記係止部の先端より突出しているもので、前記カバーを前記ブラケットに挿入する際には、最も突出代の大きい前記突出部のみ前記挟持部に挿入させれば、挿入過程において、残る前記突出部および前記係止部が挿入されるため、さらに前記カバーを前記ブラケットに挿入する際の取り付け作業性が向上する。

請求項４に記載の発明は、請求項１から３の発明に前記突出部の前記先端部に面取り部を設けるもので、前記面取り部により前記先端部が細くなるとともに、挿入過程におけるガイドとなるため、前記カバーを前記ブラケットに挿入する際には、前記挟持部へ挿入する際の位置決めが楽になり、さらに取り付け作業性が向上する。

請求項５に記載の発明は、請求項１から４の発明に突出代の小さい前記突出部を前記係止部の対向位置に配置するとともに、前記突出部の幅を前記係止部の幅より大きくしたもので、前記ブラケットを成形する際の順送金型において、前記ブラケットを平面状に展開した時には、突出代の小さい前記突出部に前記係止部を組み合わせた材料取りが可能となるため、不要となる半端材料を減らすことができるので、さらにコストを安くすることができる。

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。

（実施の形態１）
図１は、本発明の実施の形態における電装品保護装置の分解斜視図、図２は、同実施の形態におけるブラケットの斜視図、図３は、同実施の形態におけるカバーの斜視図、図４は、同実施の形態における電装品保護装置の要部断面図、図５は、同実施の形態における電装品保護装置の取り付け状態の拡大断面図、図６は、同実施の形態におけるブラケットの順送金型における展開図である。

図１から図６において、電動圧縮要素（図示せず）を収納した電動圧縮機本体１１０には、上記電動圧縮要素に電気を供給するガラスターミナル１１５が取り付けられている。ガラスターミナル１１５には上記電動圧縮要素を保護または始動させる電装品１１９ａ、１１９ｂが接続される。

冷間圧延鋼板や熱間圧延鋼板などの鉄板の折曲成形によって形成されたブラケット１２０がガラスターミナル１１５を囲むように電動圧縮機本体１１０に固着され、ブラケット１２０には電装品１１９ａ、１１９ｂをカバーするカバー１５０が係着される。

次に電装品保護装置の詳細について説明する。

ブラケット１２０は上側には挿入部１３０が折曲形成され、下側にはガラスターミナル１１５を挟んで対向する位置に係止部１４０が折曲成形によって形成される。挿入部１３０は突出代の大きい一対の突出部１３５ａが両側に形成され、その間に突出代の小さい突出部１３５ｂが同一平面上に形成されている。突出部１３５ａの先端部１３７ａの角には各々、Ｒ形状もしくは鈍角形状による面取り部１３８が設けてある。係止部１４０にはプレスの打ち抜きにより加工された係止孔１４５を設けている。

係止部１４０の突出代は、突出代の大きい突出部１３５ａの突出代より小さく、また突出代の小さい突出部１３５ｂより大きくしてある。また、係止部１４０は突出代の小さい突出部１３５ｂとガラスターミナル１１５を挟んで対向する位置に形成されるとともに、突出代の小さい突出部１３５ｂの幅より狭くしてある。

カバー１５０はポリプロピレンやポリカーボネート等の合成樹脂材料により射出成形され、内壁面上部の、突出代の大きい一対の突出部１３５ａにそれぞれ対応する位置に、略Ｕ字形状をなす一対の挟持部１６０ａを設けており、また挟持部１６０ａの間には同じく突出代の小さい突出部１３５ｂに対応する位置に、略Ｕ字形状をなす一対の挟持部１６０ｂを設けている。挟持部１６０は突出部１３５が挿入されるよう、断面形状が略Ｕ字形状をなすとともに開口部に向けて隙間が広がるよう、抜き勾配を付けている。

突出部１３５が挿入された際の先端部１３７に対応する位置の高さ方向の寸法は突出部１３５の厚さ寸法と略同一としている。挟持部１６０の開口部は面取りが形成されている。内壁面下部の、係止孔１４５に対応する位置には、係止孔１４５に係止するテーパ状の爪部１７０を形成している。

以上のように構成された電装品保護装置について、以下その組立動作を説明する。

まずガラスターミナル１１５に電装品１１９ｂを挿入固定し、カバー１５０に電装品１１９ａを挿入した後、カバー１５０をブラケット１２０に挿入する。

この際、まず、カバー１５０に設けた略Ｕ字形状の複数の挟持部１６０ａが、ブラケット１２０に設けた挿入方向に対し突出代の異なる複数の突起部１３５ａを各々挟み込む。挟持部１６０ａが挿入部１３０に対して水平移動しながら挿入されていき、挿入部１３０に対向形成された係止部１４０にカバー１５０のテーパ状の爪部１７０が当たると、カバー１５０の爪部１７０を設けている側壁が、係止部１４０に対して外側へ歪み、更に挿入されることで挟持部１６０ｂが突起部１３５ｂを挟み込み、テーパ状の爪部１７０がブラケット１２０の係止孔１４５に係止される。

この係止された際には、突起部１３５の先端部１３７と挟持部１６０が挟持されている箇所において、先端部１３７と挟持部１６０との隙間が微小となる。この微小隙間における挟持は、挿入部１３０の平面上において、挿入方向に対して位置の異なる複数の箇所に存在している。従って、略Ｕ字形状の複数の挟持部１６０が射出成形のために抜き勾配を持っていても、各々の先端部１３７と挟持部１６０においては微小隙間による挟持箇所があり、挿入部１３０の平面上において、挿入方向に対して位置の異なる複数の箇所に存在していることで、挿入部１３０の平面全体が微小隙間にて狭持されることと同じ嵌め合わせ環境を得ることができるので、ブラケット１２０に対して、爪部１７０を支点としたカバー１５０のがたつきを抑制することができる。

次に、カバー１５０をブラケット１２０から取り外す際には、１つの爪部１７０を係止孔１４５から外すだけでよく、爪部１７０を設けたカバー１５０の壁面のみが歪むことで取り外すことができる。

よって、取り外しの際にカバー１５０が大きく歪むことで生ずる割れを無くすことができ、かつ取り付けたときのがたつきが無く、しっかりと固定できるともに、取り付けおよび取り外しの作業性が良好である。

また、本実施の形態においては、ブラケット１２０の挿入部１３０をブラケット１２０の上側に設けており、挿入部１３０の平面全体をカバー１５０で均一に被うことができるため、カバー１５０の上方より水が流れ落ちてきた際には、カバー１５０内への浸水を防止することができる。

また、本実施の形態においては、最も突出代の大きい突出部１３５ａの先端が、係止部１４０の先端より突出しており、カバー１５０をブラケット１２０に挿入する際には、最も突出代の大きい突出部１３５ａのみを挟持部１６０ａに挿入させれば、後の挿入過程において、残る突出部１３５および係止部１４０が突出代の大きい順に自然に挿入される。よって、カバー１５０をブラケット１２０に挿入する際の取り付け作業が容易に、そして正確に行われる。

また、本実施の形態においては、最も突出代の大きい突出部１３５ａの先端部１３７ａの角に面取り部１３８を設けており、面取り部１３８により先端部１３７ａが細くなるとともに、挿入過程におけるガイドとなる。よって、カバー１５０をブラケット１２０に挿入する際は、突出部１３５ａを挟持部１６０ａへ挿入するための位置決めが楽になり、更に取り付け作業性が向上する。

また、本実施の形態においては、突出代の小さい突出部１３５ｂを係止部１４０の対向位置に配置するとともに、突出部１３５ｂの幅を係止部１４０の幅より大きくしているので、図６に示すようにブラケット１２０を平面状に展開した時には、突出代の小さい突出部１３５ｂに係止部１４０を組み合わせた材料取りを可能にできる。よって、例えば順送金型を用いてブラケット１２０を成形する際には、不要となる半端材料を減らすことができるので、コストを安くすることができる。

以上のように、本発明にかかる電装品保護装置は、カバーの取り付けおよび取り外しの作業性が良く、かつ割れにくく信頼性の高い圧縮機の電装品保護装置を提供することができるので、冷蔵庫、エアーコンディショナー、冷凍冷蔵装置等のあらゆる圧縮機の電装品保護装置に適用できる。

本発明の実施の形態における電装品保護装置の分解斜視図 同実施の形態におけるブラケットの斜視図 同実施の形態におけるカバーの斜視図 同実施の形態における電装品保護装置の要部断面図 同実施の形態における電装品保護装置の取り付け状態の拡大断面図 同実施の形態におけるブラケットの順送金型における展開図 従来の電装品保護装置の分解斜視図 従来の電装品保護装置の取り付け状態の拡大側面図

符号の説明

１１０ 電動圧縮機本体
１１５ ガラスターミナル
１１９ａ、１１９ｂ 電装品
１２０ ブラケット
１３０ 挿入部
１３５、１３５ａ、１３５ｂ 突出部
１３７、１３７ａ、１３７ｂ 先端部
１３８ 面取り部
１４０ 係止部
１４５ 係止孔
１５０ カバー
１６０、１６０ａ、１６０ｂ 挟持部
１７０ 爪部

Claims (5)

1. 圧縮機本体に固定され、挿入部と係止孔を設けた係止部とを対向形成したブラケットと、樹脂からなり、前記挿入部の先端部が挟持される挟持部と前記係止孔に係止される爪部とを形成したカバーとを備え、前記挿入部は挿入方向に対し突出代の異なる複数の突出部から形成された電装品保護装置。
2. 挿入部をブラケットの上側に設けた請求項１に記載の電装品保護装置。
3. 最も突出代の大きい突出部の先端が係止部の先端より突出している請求項１に記載の電装品保護装置。
4. 突出部の先端部に面取り部を設けた請求項１に記載の電装品保護装置。
5. 突出代の小さい突出部を係止部の対向位置に配置するとともに、前記突出部の幅を前記係止部の幅より大きくした請求項１に記載の電装品保護装置。

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