JP2006224951A - 航空機用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】 アラミドコードと同等の耐カット性を保持しつつ、ベルト保護層とトレッド間の耐ピールオフ性をさらに向上させた航空機用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【解決手段】 航空機用空気入りラジアルタイヤのベルト保護層を構成する有機繊維コードが下記式(I)および式(II):
σ≧−0.01E+1.2 ・・・(I)
σ≧0.02 ・・・(II)
[式中、σは177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり、Eは25℃における49cN荷重時の弾性率(cN/dtex)である]の条件を満たすポリケトン繊維のコードである。
【選択図】なし

Description

本発明は、航空機用空気入りラジアルタイヤ、特に耐カット性および耐ピールオフ性に優れた航空機用空気入りラジアルタイヤに関するものである。
航空機用ラジアルタイヤは、高い使用内圧、高荷重条件下で使用されるため、高内圧や高速回転中の遠心力作用によりトレッド面の径方向外方への迫り出しが大きくなり、これに伴ってトレッドゴムがタイヤ周方向に引き伸ばされた状態になる。特に、離着陸時に滑走路上の石や金属片のような鈍いまたは鋭利な異物の上を通過する際、トレッドの異物に対する抵抗力が弱くなり、踏みつけた異物によりトレッドゴムにカット傷が生じ、該異物がトレッド内部に容易に侵入してタイヤの損傷をもたらす問題がある。特に、ベルト保護層にアラミドコードを使用している従来の航空機用ラジアルタイヤにおいては、離着陸等の高速走行時に高い遠心力等により上記損傷部を起点としたトレッド剥がれ(所謂ピールオフ)が生ずることがある。
一般に、アラミドコードのような芳香族ポリアミド繊維コードは優れた耐カット性を有するため、タイヤを異物等の衝撃から守るベルト保護層(最外層)に使用されることが多い。しかし、高温時のコードとゴム間の接着性はナイロンコードやポリオレフィン繊維コードよりも低いレベルにあるため、損傷を受けた後の高速回転(高温)時に、ベルト保護層とトレッドとの間でピールオフが生ずるのである。
上述した従来技術の問題点を解消するために、特開2004−306633号公報にポリケトン繊維コードをベルト保護層に用いることが開示されている。この場合、ピールオフの発生を抑制することができるが、未だ満足すべきものではなかった。
特開2004−306633
本発明者は、ポリケトン繊維コードの使用について種々の検討を行った結果、後述する特定の物性を満足するポリケトン繊維コードをベルト保護層に使用することにより、ベルト保護層とトレッド間でピールオフの発生をより確実に抑制することができることを見出した。
本発明は、アラミドコードと同等またはそれ以上の耐カット性を保持しつつ、ベルト保護層とトレッド間の耐ピールオフ性をさらに向上させた航空機用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
本発明に係る航空機用空気入りラジアルタイヤは、一対のビードコアと、該ビードコア間にトロイド状に延在する少なくとも1枚のカーカスプライよりなるラジアルカーカスと、該カーカスのクラウン部外周上に配した少なくとも1枚のベルト層よりなるベルトと、該ベルトの外周上に配し、ほぼ円周方向に平行に配向させた有機繊維コードよりなる少なくとも1枚のベルト保護層とを備えた航空機用空気入りラジアルタイヤにおいて、該ベルト保護層を構成する有機繊維コードが下記式(I)および式(II):
σ≧−0.01E+1.2 ・・・(I)
σ≧0.02 ・・・(II)
[式中、σは177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり、Eは25℃における49cN荷重時の弾性率(cN/dtex)である]の条件を満たすポリケトン繊維のコードであることを特徴とする。
本発明において、上記条件を満足するポリケトン繊維は、下記の一般式(III):
[化1]
Figure 2006224951

(式中のAは不飽和結合によって重合された不飽和化合物由来の部分で、各繰り返し単位において同一でも異なっていてもよい)で表される繰り返し単位から実質的になるポリケトン繊維であることが好ましい。
上記式(III)において、Aはエチレンであることが好ましい。
また、ポリケトン繊維のコードは、5.0cN/dtex以上の引張破断強度を有することが好ましい。
以上説明したように、本発明によれば、特定の物性を満足するポリケトン繊維よりなるコードをベルト保護層に用いることにより、航空機用空気入りラジアルタイヤの耐カット性を従来のアラミドコードを用いた場合と同等またはそれ以上に保持しつつ、耐ピールオフ性を大幅に向上させることができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の航空機用空気入りラジアルタイヤは、一対のビードコアと、該ビードコア間にトロイド状に延在する少なくとも1枚のカーカスプライよりなるラジアルカーカスと、該カーカスのクラウン部外周上に配した少なくとも1枚のベルト層よりなるベルトと、該ベルトの外周上に配し、ほぼ円周方向に平行に配向させた有機繊維コードよりなる少なくとも1枚のベルト保護層とを備え、該ベルト保護層を構成する有機繊維コードが下記式(I)および式(II):
σ≧−0.01E+1.2 ・・・(I)
σ≧0.02 ・・・(II)
[式中、σは177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり、Eは25℃における49cN荷重時の弾性率(cN/dtex)である]の条件を満たすポリケトン繊維のコードである。かかる条件を満足するポリケトン繊維コードは、高温時に高い熱収縮応力を持つため、離着陸等の高速走行(高温)時に遠心力の作用によるトレッド面の径方向外方への迫り出しが大きくならず、高い剛性を発揮してタイヤ耐久性能(特に耐カット性)を保持し、一方滑走路上の異物により損傷を受けた後の高速回転(高温)時でも高い接着性および剛性を発揮してベルト保護層とトレッド間でピールオフの発生をより確実に抑制する。
ここで、ポリケトン繊維のコードの177℃における熱収縮応力σは、一般的なデイップ処理を施した加硫前のポリケトン繊維コードの長さ25cmのサンプルを5℃/分の昇温速度で加熱し、177℃に達した際に測定したコードに発生する応力であり、またポリケトン繊維コードの25℃における49N荷重時の弾性率Eは、JIS−L1073のコード引張り試験による応力−歪曲線の49N時の接線から算出した単位cN/dtexで表される弾性率である。
式(I)および(II)におけるσおよびEは、ポリケトンの種類によっても変わるが、同じポリケトンを使用する場合、コード作成時の撚り数やデイップ処理条件を変えることによりσおよびEの値を変えるものである。
式(I)および(II)における熱収縮応力σが0.02未満の場合、高速走行時の径方向外側への迫り出し抑制効果が不十分で、タイヤ耐久性能が劣化するので、下限値を0.02とする。一方、σが1.5を超えると、加硫時の収縮力が大きくなりすぎ、ベルトコードと接触しやすくなり、タイヤ内部のコード乱れや、ゴムの配置乱れを引き起こし、耐久性の低下を招くおそれがあり、好ましくない。特に、熱収縮応力σは、0.05−1.30が好ましく、0.15−0.90がさらに好ましく、0.4超がより好ましい。
また、弾性率Eは、60以上が好ましい、100以上がより好ましい。Eが60未満の場合、高速走行時の径方向外側への迫り出し抑制効果が不十分となり、好ましくない。
なお、ポリケトン繊維コードの通常走行時と、高速走行時での効果を両立させるためには、該コードの20℃での熱収縮応力と177℃での熱収縮応力との差を0.20cN/dtex以上、好ましくは0.25cN/dtex以上とするのが望ましい。
式(I)および(II)の条件を満足するポリケトン繊維のコードとして、一般式(III):
[化1]
Figure 2006224951

(式中のAは不飽和結合によって重合された不飽和化合物由来の部分で、各繰り返し単位において同一でも異なっていてもよい)で表される繰り返し単位から実質的になるポリケトン繊維のコードを用いる。また、該ポリケトンの中でも、繰り返し単位の97モル%以上が1-オキソトリメチレン[−CH2−CH2−CO−]であるポリケトンが好ましく、99モル%以上が1-オキソトリメチレンであるポリケトンが更に好ましく、100モル%が1-オキソトリメチレンであるポリケトンが最も好ましい。
上記ポリケトン繊維コードの原料のポリケトンは、部分的にケトン基同士、不飽和化合物由来の部分同士が結合していてもよいが、不飽和化合物由来の部分とケトン基が交互に配列している部分の割合が90質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることが更に好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
また、上記式(III)において、Aを形成する不飽和化合物としては、エチレンが最も好ましいが、プロピレン,ブテン,ペンテン,シクロペンテン,ヘキセン,シクロヘキセン,ヘプテン,オクテン,ノネン,デセン,ドデセン,スチレン,アセチレン,アレン等のエチレン以外の不飽和炭化水素や、メチルアクリレート,メチルメタクリレート,ビニルアセテート,アクリルアミド,ヒドロキシエチルメタクリレート,ウンデセン酸,ウンデセノール,6-クロロヘキセン,N-ビニルピロリドン,スルニルホスホン酸のジエチルエステル,スチレンスルホン酸ナトリウム,アリルスルホン酸ナトリウム,ビニルピロリドン及び塩化ビニル等の不飽和結合を含む化合物等であってもよい。
更に、上記ポリケトンの重合度としては、下記式:
Figure 2006224951

(式中、t及びTは、純度98%以上のヘキサフルオロイソプロパノール及び該ヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間であり;Cは、上記希釈溶液100mL中の溶質の質量(g)である)で定義される極限粘度[η]が1〜20dL/gの範囲にあることが好ましく、2〜10dL/gの範囲にあることが更に好ましく、3〜8の範囲にあることがより一層好ましい。極限粘度が1dL/g未満では、分子量が小さ過ぎて、高強度のポリケトン繊維コードを得ることが難しくなる上、紡糸時、乾燥時及び延伸時に毛羽や糸切れ等の工程上のトラブルが多発することがあり、一方、極限粘度が20dL/gを超えると、ポリマーの合成に時間及びコストがかかる上、ポリマーを均一に溶解させることが難しくなり、紡糸性及び物性に悪影響が出ることがある。
上記ポリケトンの繊維化方法としては、(1)未延伸糸の紡糸を行った後、多段熱延伸を行い、該多段熱延伸の最終延伸工程で特定の温度及び倍率で延伸する方法や、(2)未延伸糸の紡糸を行った後、熱延伸を行い、該熱延伸終了後の繊維に高い張力をかけたまま急冷却する方法が好ましい。上記(1)又は(2)の方法でポリケトンの繊維化を行うことで、上記ポリケトン繊維コードの作製に好適な所望のフィラメントを得ることができる。
ここで、上記ポリケトンの未延伸糸の紡糸方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができ、具体的には、特開平2−112413号、特開平4−228613号、特表平4−505344号に記載のようなヘキサフルオロイソプロパノールやm-クレゾール等の有機溶剤を用いる湿式紡糸法、国際公開第99/18143号、国際公開第00/09611号、特開2001−164422号、特開2004−218189号、特開2004−285221号に記載のような亜鉛塩、カルシウム塩、チオシアン酸塩、鉄塩等の水溶液を用いる湿式紡糸法が挙げられ、これらの中でも、上記塩の水溶液を用いる湿式紡糸法が好ましい。
例えば、有機溶剤を用いる湿式紡糸法では、ポリケトンポリマーをヘキサフルオロイソプロパノールやm-クレゾール等に0.25〜20質量%の濃度で溶解させ、紡糸ノズルより押し出して繊維化し、次いでトルエン,エタノール,イソプロパノール,n-ヘキサン,イソオクタン,アセトン,メチルエチルケトン等の非溶剤浴中で溶剤を除去、洗浄してポリケトンの未延伸糸を得ることができる。
一方、水溶液を用いる湿式紡糸法では、例えば、亜鉛塩、カルシウム塩、チオシアン酸塩、鉄塩等の水溶液に、ポリケトンポリマーを2〜30質量%の濃度で溶解させ、50〜130℃で紡糸ノズルから凝固浴に押し出してゲル紡糸を行い、更に脱塩、乾燥等してポリケトンの未延伸糸を得ることができる。ここで、ポリケトンポリマーを溶解させる水溶液には、ハロゲン化亜鉛と、ハロゲン化アルカリ金属塩又はハロゲン化アルカリ土類金属塩とを混合して用いることが好ましく、凝固浴には、水、金属塩の水溶液、アセトン、メタノール等の有機溶媒等を用いることができる。
また、得られた未延伸糸の延伸法としては、未延伸糸を該未延伸糸のガラス転移温度よりも高い温度に加熱して引き伸ばす熱延伸法が好ましく、更に、該未延伸糸の延伸は、上記(2)の方法では一段で行ってもよいが、多段で行うことが好ましい。該熱延伸の方法としては、特に制限はなく、例えば、加熱ロール上や加熱プレート上に糸を走行させる方法等を採用することができる。ここで、熱延伸温度は、110℃〜(ポリケトンの融点)の範囲が好ましく、総延伸倍率は、10倍以上であることが好ましい。
上記(1)の方法でポリケトンの繊維化を行う場合、上記多段熱延伸の最終延伸工程における温度は、110℃〜(最終延伸工程の一段前の延伸工程の延伸温度−3℃)の範囲が好ましく、また、多段熱延伸の最終延伸工程における延伸倍率は、1.01〜1.5倍の範囲が好ましい。一方、上記(2)の方法でポリケトンの繊維化を行う場合、熱延伸終了後の繊維にかける張力は、0.5〜4cN/dtexの範囲が好ましく、また、急冷却における冷却速度は、30℃/秒以上であることが好ましく、更に、急冷却における冷却終了温度は、50℃以下であることが好ましい。ここで、熱延伸されたポリケトン繊維の急冷却方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができ、具体的には、ロールを用いた冷却方法が好ましい。なお、こうして得られるポリケトン繊維は、弾性歪みの残留が大きいため、通常、緩和熱処理を施し、熱延伸後の繊維長よりも繊維長を短くすることが好ましい。ここで、緩和熱処理の温度は、50〜100℃の範囲が好ましく、また、緩和倍率は、0.980〜0.999倍の範囲が好ましい。
本発明に係るポリケトン繊維を用いてベルト保護層用のコードを形成する場合、該コードは5.0cN/dtex以上の引張破断強度を有することが好ましい。ベルト保護層に用いるポリケトン繊維コードが上記範囲の引張破断強度を有すると、アラミドコード使用時と同等またはそれ以上の耐カット性を発揮することができる。しかし、引張破断強度が上記範囲を下回ると、ベルト保護層としての強度が不足し、アラミドコードと同等の耐カット性を実現することが困難になる。
上記範囲内の諸物性を満足するポリケトン繊維コードをベルト保護層に使用することにより、アラミドコードと同等またはそれ以上の耐カット性を保持し、また該ポリケトン繊維コードが高い高温接着性を有するので、ベルト保護層とトレッド間の耐ピールオフ性を著しく向上させることができる。
本発明に係る航空機用空気入りラジアルタイヤにおいては、上述したポリケトン繊維のコードをベルトの径方向外周上でほぼ円周方向に平行に配列して少なくとも1枚のベルト保護層を形成する。この場合、ベルト保護層は、一本のポリケトン繊維コードまたは複数本のポリケトン繊維コードよりなるストリップをベルトの一方側端部またはその近傍から他方側端部またはその近傍までタイヤの幅方向にスパイラル状に巻回することにより形成してもよく、または多数のポリケトン繊維コードを所定間隔で互いに平行に配し、所定の幅を有する帯状体をベルトの外周上に巻回することにより形成してもよい。また、複数枚のベルト保護層を用いる場合、少なくとも一枚を両側端部分のみの中抜き保護層としてもよい。
次に、本発明を実施例につき説明するが、これら実施例によってなんら限定されるものではない。
タイヤサイズ:1270x445R22 32PRを有する実施例1〜4および比較例1〜2の航空機用空気入りラジアルタイヤを作成する。これらタイヤは、表1に示すような物性を有するアラミドコードおよびポリケトン繊維コードをベルト保護層に用いる以外、すべて同一のタイヤ構造を有する。なお、カーカスプライ用に1400dtex//2/2のナイロンコードを、またベルト層用に1400dtex//2/3のナイロンコードを使用し、一方ベルト保護層は、タイヤ周方向に波状に延びる複数本のコードを互いに平行に並べてゴムコーティングした一枚の波状コードプライから構成されており、コード打ち込み数は3.6本/10mmである。
実施例1〜4に用いたポリケトンは、ほぼ100%が式(III)で表される繰り返し単位からなり、繰り返し単位の97モル%以上が1-オキソトリメチレンであるポリケトンで、比較例2に用いたポリケトンは、式(III)で表される繰り返し単位からなり、Aが主としてエチレン基であるポリケトン(プロピレン約6%含有)である。
これらタイヤに対し、後述する方法により耐カット性および耐ピールオフ性を測定し、結果を表1に示す。
耐カット性は、幅40mm,刃先角度30度のカッターを1620kPaの内圧充填下の供試タイヤのトレッドセンター部にその幅方向に向けて規定荷重(24860kg)の5%に相当する力で垂直に押し付けた際に生ずるカット深さを測定することにより評価し、従来例タイヤのカット深さの逆数を100として指数表示する。この場合、数値が大きいほど、耐カット性に優れていることを示す。
耐ピールオフ性は、1620kPaの内圧充填下の供試タイヤのトレッドセンター部にタイヤ幅方向に幅400mm、深さ15mmのカット傷を形成した後、該タイヤをドラム試験機上で規定荷重(24860kg)下トレッド剥がれ(ピールオフ)を生ずるまで走行させることにより評価し、従来例でピールオフが生じた時のドラム速度を100として指数表示する。この場合、数値が大きいほど、耐ピールオフ性に優れていることを示す。
Figure 2006224951
表1の結果から、実施例タイヤ1〜4は、アラミドコードと同等以上の耐カット性を保持しつつ、比較例タイヤ1に比べて耐ピールオフ性が著しく優れていることが分かる。また、比較例タイヤ2は、式(I)の条件を満足しないので、耐カット性が劣り、耐ピールオフ性も実施例タイヤに比べて劣ることが分かる。

Claims (4)

  1. 一対のビードコアと、該ビードコア間にトロイド状に延在する少なくとも1枚のカーカスプライよりなるラジアルカーカスと、該カーカスのクラウン部外周上に配した少なくとも1枚のベルト層よりなるベルトと、該ベルトの外周上に配し、ほぼ円周方向に平行に配向させた有機繊維コードよりなる少なくとも1枚のベルト保護層とを備えた航空機用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ベルト保護層を構成する有機繊維コードが下記式(I)および式(II):
    σ≧−0.01E+1.2 ・・・(I)
    σ≧0.02 ・・・(II)
    [式中、σは177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり、Eは25℃における49cN荷重時の弾性率(cN/dtex)である]の条件を満たすポリケトン繊維のコードであることを特徴とする航空機用空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記ポリケトン繊維は、下記の一般式(III):
    [化1]
    Figure 2006224951

    (式中のAは不飽和結合によって重合された不飽和化合物由来の部分で、各繰り返し単位において同一でも異なっていてもよい)で表される繰り返し単位から実質的になるポリケトン繊維であることを特徴とする請求項1記載の航空機用空気入りラジアルタイヤ。
  3. 式(III)中のAがエチレンであることを特徴とする請求項2記載の航空機用空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記ポリケトン繊維のコードが、5.0cN/dtex以上の引張破断強度を有することを特徴とする請求項1記載の航空機用空気入りラジアルタイヤ。
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