JP2017013521A - 航空機用更生空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

航空機用更生空気入りラジアルタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】航空機用更生空気入りラジアルタイヤにおいて、台タイヤと更生ゴムとの界面での剥離抗の低下が改良された航空機用更生空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】トレッドセンター部が少なくともタイヤ半径方向内側からラジアルカーカス層2、ベルト層3、更生界面を有するクッションゴム層4、有機繊維コード5Aのゴム引き層よりなる少なくとも一層の保護層5、及びトレッドゴム層6を有する航空機用更生空気入りラジアルタイヤにおいて、該クッションゴム層と該保護層との間に、硫黄濃度が0.5〜1.0質量%であり、かつ、該クッションゴム層の硫黄以外の配合組成に対して、その変動幅が10質量%以内の配合組成からなるゴムシートを設置してなる、航空機用更生空気入りラジアルタイヤである。
【選択図】図1

Description

本発明は、航空機用更生空気入りラジアルタイヤ関するもので、より詳しくは、剥離抗力を改良した航空機用更生空気入りラジアルタイヤに関するものである。
航空機用のラジアルタイヤは、高内圧、高荷重条件下で使用されるため、高内圧や高速回転中の遠心力作用によりトレッド面の径方向への迫り出しが大きくなり、これに伴ってトレッドゴムがタイヤ周方向に引き伸ばされた状態になる。特に、離着陸時に滑走路上の石や金属片のような鈍い又は鋭利な異物の上を通過する際、トレッドの異物に対する抵抗力が弱くなり、踏みつけた異物によりトレッドゴムにカット傷が生じ、該異物がトレッド内部に容易に侵入してタイヤの損傷をもたらす問題がある。特に、ベルト保護層にアラミドコードを使用している従来の航空機用ラジアルタイヤにおいては、離着陸等の高速高荷重走行時に高い遠心力等により上記損傷部を起点としたトレッド剥がれ(所謂ピールオフ)が生ずる恐れがある(例えば、特許文献1参照)。
一般に、アラミドコードのような芳香族ポリアミド繊維コードは優れた耐カット性を有するため、タイヤを異物等の衝撃から守るベルト保護層(最外層)に使用されることが多い。しかし、高温時のコードとゴム間の接着性はナイロンコードやポリオレフィン繊維コードよりも低いレベルにあるため、損傷を受けた後の高速回転(高温)時に、ベルト保護層とトレッドとの間でピールオフが生じ易い。
また、一般に更生して使用される航空機用タイヤの寿命の長期化を実現するためには、台タイヤと更生ゴムとの界面での剥離抗力を向上させる必要がある。
特許文献2には、航空機用空気入りバイアスタイヤにおいて、クッションゴム層中の硫黄濃度を制御することにより、更生された後でも高い耐久性を有する航空機用空気入りバイアスタイヤについて開示されている。
特開平3−16806号公報 特開2008−189238号公報
本発明の課題は、航空機用更生空気入りラジアルタイヤにおいて、台タイヤと更生ゴムとの界面での剥離抗の低下がより改良された航空機用更生空気入りラジアルタイヤを提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、航空機用更生空気入りラジアルタイヤにおいて、クッションゴム層と保護層との間に、特定のゴムシートを設置することにより、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[5]に関する。
[1]トレッドセンター部が少なくともタイヤ半径方向内側からラジアルカーカス層、ベルト層、更生界面を有するクッションゴム層、有機繊維コードのゴム引き層よりなる少なくとも一層の保護層、及びトレッドゴム層を有する航空機用更生空気入りラジアルタイヤにおいて、該クッションゴム層と該保護層との間に、硫黄濃度が0.5〜1.0質量%であり、かつ、該クッションゴム層の硫黄以外の配合組成に対して、その変動幅が10質量%以内の配合組成からなるゴムシートを設置してなる、航空機用更生空気入りラジアルタイヤ。
[2]前記クッションゴム層のタイヤ半径方向の外側の全ての面が更生界面である、上記[1]に記載の航空機用空気入りラジアルタイヤ。
[3]前記更生界面が、クッションゴム層の表面を1〜5mm削り取ることによってなるものである、上記[1]又は[2]に記載の航空機用更生空気入りラジアルタイヤ。
[4]前記ゴムシートの厚みが、0.5mm以上である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の航空機用更生空気入りラジアルタイヤ。
[5]前記ベルト層のタイヤ半径方向の外側の面と前記更生界面との距離が、1.2〜3.3mmである、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の航空機用更生空気入りラジアルタイヤ。
本発明によれば、クッションゴム層への歪が集中するのを回避することができ、台タイヤと更生ゴムとの界面での剥離抗力の低下が改良された航空機用更生空気入りラジアルタイヤを得ることができる。
本発明のタイヤのトレッドセンター部の一例の断面図である。 図1に示すタイヤのタイヤ赤道面に対し略0°の角度でらせん状に巻回した有機繊維コードのゴム引き層からなる保護層の一例の平面図である。 図1に示すタイヤからトレッドゴム、保護層及びクッションゴム層の一部を除去して形成した台タイヤのトレッドセンター部の一例の断面図である。 図3に示す台タイヤのクッションゴム層の更生界面にゴムシートを設置して形成した台タイヤのトレッドセンター部の一例の断面図である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の航空機用更生空気入りラジアルタイヤは、トレッドセンター部が少なくともタイヤ半径方向内側からラジアルカーカス層、ベルト層、更生界面を有するクッションゴム層、有機繊維コードのゴム引き層よりなる少なくとも一層の保護層、及びトレッドゴム層を有する航空機用更生空気入りラジアルタイヤにおいて、該クッションゴム層と該保護層との間に、硫黄濃度が0.5〜1.0質量%であり、かつ、該クッションゴム層の硫黄以外の配合組成に対して、その変動幅が10質量%以内の配合組成からなるゴムシートを設置してなるものである。以下、本発明の航空機用更生空気入りラジアルタイヤについて説明する。
なお、本明細書において、好ましいとされている規定は任意に採用することができ、好ましいもの同士の組み合わせはより好ましいと言える。
以下に、図を参照して本発明の航空機用更生空気入りラジアルタイヤ(以下、タイヤと略記することがある。)を詳細に説明する。図1は、本発明のタイヤのトレッドセンター部の一例の断面図であり、図3は、図1に示すタイヤからトレッドゴム層6、保護層5及びクッションゴム層4の表面を削り取り、更生界面とした台タイヤのトレッドセンター部の一例の断面図である。図4は、図3に示す台タイヤの更生界面に更生ゴム層8となるゴムシートを設置して形成された台タイヤのトレッドセンター部の一例の断面図である。また、図2は、図1に示すタイヤのタイヤ赤道面Pに対し略0°の角度でらせん状に巻回した有機繊維コードのゴム引き層からなる保護層の一例の平面図である。
図1に示すタイヤ(新品タイヤ)は、トレッドセンター部がタイヤ半径方向内側からインナーライナー層1、ラジアルカーカス層2、ベルト層3、クッションゴム層4、保護層5及びトレッドゴム層6を有する。上記ベルト層3は、複数のコード3Aをベルトゴム3Bで被覆してなるベルト層の少なくとも一層以上からなる。また、上記保護層5は、有機繊維コード5Aをコーティングゴム5Bで被覆してなる。図示例のタイヤにおいて、保護層5は、1本又は複数本の有機繊維コード5Aをコーティングゴム5Bで被覆してなるゴムリボン7を、図2に示すように、タイヤ赤道面Pに対して略0°の角度でらせん状に巻回してなるが、本発明のタイヤの保護層は、これに限られるものではない。例えば、保護層は、タイヤ周方向に波状に延びる複数本のコードを互いに平行に並べてコーティングゴム5Bで被覆してもよい。更に、上記ラジアルカーカス層2は、一枚以上のカーカスプライ層から構成され、各カーカスプライ層は、複数のコード2Aをコーティングゴム2Bで被覆してなる。なお、図示例のタイヤのベルト層、保護層5及びカーカスプライ層は、それぞれ二層であるが、本発明のタイヤのベルト層3、保護層5及びカーカスプライの層数は、これに限られるものではない。
一般に、航空機用タイヤは、加硫ゴムを主とする台タイヤに未加硫ゴムを主とする更生ゴムを貼り付けた更生タイヤとして更生される。そのため、更生タイヤの台タイヤのゴム部分は繰り返し加硫されることとなり、クッションゴム層4の更生界面(バフ面)と更生ゴム層との剥離抗力が低下するが、その原因としては、架橋反応を起こすのに必要なゴム中の硫黄成分が未加硫ゴムから加硫ゴム(更生台タイヤ側)へ移行するためであると考えられている。
本発明の航空機用更生空気入りラジアルタイヤでは、トレッドゴム層の少なくとも一部分、トレッドゴム層6と保護層5の少なくとも一部分、トレッドゴム層6、保護層5、及びクッションゴム層4の少なくとも一部分が欠損した箇所を更生することにより、航空機用更生空気入りラジアルタイヤとする。この更生に当たっては、更生前の空気入りラジアルタイヤの前記欠損箇所におけるクッションゴム層4のタイヤ半径方向の外側の少なくとも一部の面をバフ加工することにより、削り取り、更生界面とする。バフ加工することにより更生界面とする際には、クッションゴム層のタイヤ半径方向の外側の全ての面を更生界面とすることが望ましい。全ての面を更生界面とすることにより、トレッドゴム層及び保護層も全て新しいものとすることができる。バフ加工することにより削り取る厚みは、1mm以上とすることが望ましく、好ましくは、1〜5mmの範囲内で削り取ることが望ましい。1mm以上削り取ることにより、硫黄成分の多いクッションゴム層4の表面部分をなくすことができ、更生後のタイヤの台タイヤと更生ゴムとの界面での剥離抗力の低下を改善することができる。
前記クッションゴム層4のタイヤ半径方向の外側の少なくとも一部の面をバフ加工することにより、削り取った更生界面には、ゴムシートを設置することにより本発明の航空機用更生空気入りラジアルタイヤを得ることができる。更生界面に設置されるゴムシートは、硫黄濃度が0.5〜1.0質量%であり、かつ、該クッションゴム層の硫黄以外の配合組成に対して、その変動幅が10質量%以内の配合組成からなるゴムシートが設置される。ゴムシート中の硫黄分濃度を上記範囲内とすることにより、更生後のタイヤの台タイヤと更生ゴムとの界面での剥離抗力の低下を改善することができる。また、クッションゴム層の硫黄以外の配合組成と設置されるゴムシートの配合組成は、その配合組成の変動幅を10質量%以内とすることが必要である。その配合組成の変動幅が10質量%を超えると、配合組成の相違が大きくなることから、更生後のタイヤの台タイヤと更生ゴムとの界面での剥離抗力が低下する恐れがあり好ましくない。その配合組成の変動幅は、好ましくは5質量%以内とすることが望ましい。そして、硫黄以外のクッションゴム層の配合組成とゴムシートの配合組成を同じ配合組成とすることが最も好ましい。設置されるゴムシートの厚みは、0.5mm以上、好ましくは0.5〜5mmとすることが好ましい。なお、更生回数を複数回行う場合は、更生するタイヤからトレッドゴム層及び保護層を除去し、その表面をバフ加工することにより同様に削り取り、更生界面とする。その後、同様にして保護層及びトレッドゴム層を貼り付けて、本発明の航空機用更生空気入りラジアルタイヤとすることができる。
クッションゴム層4を構成する成分の配合組成は、特に限定されるものではないが、天然ゴム等のジエン系ゴムにカーボンブラック、ステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、加硫促進剤、硫黄を配合してなるものを挙げることができる。更生界面に設置されるゴムシートは、前述したとおり、前記クッションゴム層の硫黄以外の配合組成に対して、その変動幅を10質量%以内とした配合組成からなるゴムシートが使用される。硫黄の配合組成については、更生界面に設置されるゴムシート中の硫黄分濃度も、クッションゴム層4に使用された硫黄分濃度と同じ濃度とすることが好ましい。
本発明の航空機用更生空気入りラジアルタイヤでは、前記ベルト層3のタイヤ半径方向の外側の面と前記更生界面との距離を1.2〜3.3mm、より好ましくは、1.5〜3.0mmとすることが好ましい。このような距離とすることにより、硫黄高濃度部分を十分に除き、更生タイヤの接着性を改善することができる。
前記保護層は、有機繊維コードのゴム引き層よりなる少なくとも一層を有するものであるが、該保護層を構成する有機繊維コードとしては、ポリケトン繊維コード、アラミド繊維コード、ナイロン繊維コード、ポリエステル繊維コード等の有機繊維コードを挙げることができるが、ポリケトン繊維コードを用いることにより、タイヤの耐カット性及び高温接着性を改善できることから、ポリケトン繊維コードを用いることが好ましい。
前記ポリケトン繊維コードとしては、下記式(IV)
Figure 2017013521

[式中、Aは不飽和結合によって重合された不飽和化合物由来の部分で、各繰り返し単位において同一でも異なってもよい]で表される繰り返し単位から実質的になるポリケトン繊維コードを用いることができる。また、該ポリケトンの中でも、繰り返し単位の97モル%以上が1−オキソトリメチレン[−CH−CH−CO−]であるポリケトンが好ましく、99モル%以上が1−オキソトリメチレンであるポリケトンが更に好ましく、100モル%が1−オキソトリメチレンであるポリケトンが最も好ましい。
上記ポリケトン繊維コードの原料のポリケトンは、部分的にケトン基同士、不飽和化合物由来の部分同士が結合していてもよいが、不飽和化合物由来の部分とケトン基が交互に配列している部分の割合が90質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることが更に好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
また、上記式(IV)において、Aを形成する不飽和化合物としては、エチレンが最も好ましいが、プロピレン,ブテン,ペンテン,シクロペンテン,ヘキセン,シクロヘキセン,ヘプテン,オクテン,ノネン,デセン,ドデセン,スチレン,アセチレン,アレン等のエチレン以外の不飽和炭化水素や、メチルアクリレート,メチルメタクリレート,ビニルアセテート,アクリルアミド,ヒドロキシエチルメタクリレート,ウンデセン酸,ウンデセノール,6-クロロヘキセン,N-ビニルピロリドン,スルニルホスホン酸のジエチルエステル,スチレンスルホン酸ナトリウム,アリルスルホン酸ナトリウム,ビニルピロリドン及び塩化ビニル等の不飽和結合を含む化合物等であってもよい。
更に、上記ポリケトンの重合度としては、下記式:
Figure 2017013521

[式中、t及びTは、純度98%以上のヘキサフルオロイソプロパノール及び該ヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間であり;mは、上記希釈溶液100mL中の溶質の質量(g)である]で定義される極限粘度[η]が1〜20dL/gの範囲にあることが好ましく、2〜10dL/gの範囲にあることが更に好ましく、3〜8dL/gの範囲にあることがより一層好ましい。極限粘度が1dL/g未満では、分子量が小さ過ぎて、高強度のポリケトン繊維コードを得ることが難しくなる上、紡糸時、乾燥時及び延伸時に毛羽や糸切れ等の工程上のトラブルが多発することがあり、一方、極限粘度が20dL/gを超えると、ポリマーの合成に時間及びコストがかかる上、ポリマーを均一に溶解させることが難しくなり、紡糸性及び物性に悪影響が出ることがある。
上記ポリケトンの繊維化方法としては、(1)未延伸糸の紡糸を行った後、多段熱延伸を行い、該多段熱延伸の最終延伸工程で特定の温度及び倍率で延伸する方法や、(2)未延伸糸の紡糸を行った後、熱延伸を行い、該熱延伸終了後の繊維に高い張力をかけたまま急冷却する方法が好ましい。上記(1)又は(2)の方法でポリケトンの繊維化を行うことで、上記ポリケトン繊維コードの作製に好適な所望のフィラメントを得ることができる。
ここで、上記ポリケトンの未延伸糸の紡糸方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができ、具体的には、特開平2−112413号、特開平4−228613号、特表平4−505344号に記載のようなヘキサフルオロイソプロパノールやm-クレゾール等の有機溶剤を用いる湿式紡糸法、国際公開第99/18143号、国際公開第00/09611号、特開2001−164422号、特開2004−218189号、特開2004−285221号に記載のような亜鉛塩、カルシウム塩、チオシアン酸塩、鉄塩等の水溶液を用いる湿式紡糸法が挙げられ、これらの中でも、上記塩の水溶液を用いる湿式紡糸法が好ましい。
上記ポリケトン繊維を用いて保護層用コードを形成する場合、該コードは、引張破断強度が5.0cN/dtex以上、初期弾性率が21cN/dtex以上、3%伸長時応力が1.0cN/dtex以上であることが好ましい。引張破断強度、初期弾性率及び3%伸長時応力が上記範囲内にあると、アラミドコード使用時と同等の耐カット性を発揮することができる。しかし、引張破断強度が上記範囲を下回ると、保護層としての強度が不足し、アラミドコードと同等の耐カット性を実現することが困難になる。また、初期弾性率及び3%伸長時応力が上記範囲を下回ると、保護層としての剛性が不足し、異物に対する抵抗力が弱まり、その結果、アラミドコードと同等の耐カット性を実現することが困難になると同時に、トレッドの耐カット性が劣化することになる。
なお、更生前の空気入りラジアルタイヤは、前記欠損箇所をバフ加工することにより、削り取り、更生界面とするが、前記欠損箇所をバフ加工する際には、欠損箇所のみをバフ加工し、クッションゴム層の更生界面に、前記ゴムシートを配置して更正タイヤとしてもよいし、その欠損箇所に前記ゴムシートを配置して、さらにその上に保護層、トレッドゴム層を配置して更正タイヤとしてもよいし、あるいは、更生前の空気入りラジアルタイヤのクッションゴム層より表面側の保護層及びトレッドゴム層を全て取り去り、クッションゴム層の表面をその全周にわたってバフ加工し、クッションゴム層の更生界面に全周にわたって前記ゴムシートを配置して、さらにその上に保護層、トレッドゴム層を配置して更正タイヤとしてもよい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。各種物性評価方法は以下の方法により行った。
表1に示す配合処方に従ってクッションゴム用のゴム組成物A及びBを調製した。また、表2に示す配合処方に従って保護層のゴムを得るためのゴム組成物Xを調製した。
Figure 2017013521
Figure 2017013521
*1 N-(1,3-ジメチルブチル)-N-フェニル-p-フェニレンジアミン
*2 N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
比較例1及び3
表3に示す組み合わせで、クッションゴム用ゴム組成物及び保護層のゴム組成物を用い、更に、ポリケトン繊維コードを保護層に用いて、クッションゴムのタイヤ半径方向外側に保護層及び更生ゴム(トレッドゴム)を貼り付け加硫して、図1に示す構造でタイヤサイズ:H44.5X16.5−21/28PR(50×20R22)の航空機用空気入りラジアルタイヤ(新品タイヤ、更生回数0回)を作製した。また、図3に示すように、新品タイヤからトレッドゴム層、保護層及びクッションゴム層の一部を除去し、バフ掛けした後、保護層及びトレッドゴム層を貼り付けて加硫して図1と同様の構造の航空機用更生空気入りラジアルタイヤを作成した。同様に更生を行い更生回数1〜5回の更生タイヤをそれぞれ準備した。上述のようにして準備した新品タイヤに対し、下記の方法により、剥離抗力を測定した。結果を表3に示す。
比較例2及び実施例1
表3に示す組み合わせで、クッションゴム用ゴム組成物及び保護層のゴム組成物を用い、更に、ポリケトン繊維コードを保護層に用いて、クッションゴムのタイヤ半径方向外側に保護層及び更生ゴム(トレッドゴム)を貼り付け加硫して、図1に示す構造でタイヤサイズ:H44.5X16.5−21/28PR(50×20R22)の航空機用空気入りラジアルタイヤ(新品タイヤ、更生回数0回)を作製した。また、図3に示すように、新品タイヤからトレッドゴム、保護層及びクッションゴム層の一部を除去し、バフ掛けした。バフ掛けは、比較例1及び3より、1mm深く削ってバフ掛けを行い、更生界面とした。そのクッションゴム層の更生界面の上に厚さ1mmの更生用ゴムシート(補正用シート)を貼り付け、次いで、比較例1及び3と同様にして、保護層及びトレッドゴム層を貼り付けて加硫して図1と同様の構造の航空機用更生空気入りラジアルタイヤを作成した。同様に更生を行い更生回数1〜5回の更生タイヤをそれぞれ準備した。上述のようにして準備した新品タイヤに対し、下記の方法により、剥離抗力を測定した。結果を表3に示す。
<剥離抗力(指数)>
各航空機タイヤを試験ドラムに装着し、更生1回目の更生面剥離抗力[更生面(トレッド部)が剥離するまでの抗力(摩擦抵抗)]を“100”として、更生2〜5回目の生面剥離抗力を指数化した。なお、数値が大きいほど、更生面剥離抗力に優れている。
Figure 2017013521
上記比較例1及び3は、更生用ゴムシート(補正用シート)を用いないで、更生した例であるが、更生5回目の剥離抗力(指数)が50程度と大きく低下していることが示されている。比較例2は、更生する際に、更生用ゴムシート(補正用シート)を用いた例であるが、用いた更生用ゴムシート(補正用シート)の硫黄分濃度が1.31質量%と高いため、更生回数を進めると、剥離抗力が低下し、更生5回目では、51まで低下していることが示されている。これに対して、実施例1では、更生回数を進めても剥離抗力が大きく低下せず、更生5回目でも、66を維持していることが示されている。
1 インナーライナー層
2 ラジアルカーカス層
2A コード
2B コーティングゴム
3 ベルト層
3A コード
3B ベルトゴム
4 クッションゴム層
5 保護層
5A 有機繊維コード
5B コーティングゴム
6 トレッドゴム層
7 ゴムリボン
8 更生ゴム層
P タイヤ赤道面
S 更生界面
本発明の航空機用更生空気入りラジアルタイヤは、更生回数を重ねても、台タイヤと更生ゴムとの界面での剥離抗力の低下が少ないので、航空機用更生空気入りラジアルタイヤとして、有用である。

Claims (5)

  1. トレッドセンター部が少なくともタイヤ半径方向内側からラジアルカーカス層、ベルト層、更生界面を有するクッションゴム層、有機繊維コードのゴム引き層よりなる少なくとも一層の保護層、及びトレッドゴム層を有する航空機用更生空気入りラジアルタイヤにおいて、該クッションゴム層と該保護層との間に、硫黄濃度が0.5〜1.0質量%であり、かつ、該クッションゴム層の硫黄以外の配合組成に対して、その変動幅が10質量%以内の配合組成からなるゴムシートを設置してなる、航空機用更生空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記クッションゴム層のタイヤ半径方向の外側の全ての面が更生界面である、請求項1に記載の航空機用更生空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記更生界面が、クッションゴム層の表面を1〜5mm削り取ることによってなるものである、請求項1又は2に記載の航空機用更生空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記ゴムシートの厚みが、0.5mm以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の航空機用更生空気入りラジアルタイヤ。
  5. 前記ベルト層のタイヤ半径方向の外側の面と前記更生界面との距離が、1.2〜3.3mmである、請求項1〜4のいずれかに記載の航空機用更生空気入りラジアルタイヤ。
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