JP2003146011A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
空気入りラジアルタイヤInfo
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Abstract
の改善を可能にした空気入りラジアルタイヤを提供す
る。 【解決手段】 左右一対のビード部3,3間にスチール
コードを用いた少なくとも1層のスチールカーカス層4
を装架し、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側
に複数層のベルト層6a,6bを埋設した空気入りラジ
アルタイヤにおいて、ベルト層6bに下記(1)式で表
される構造を有するポリオレフィンケトンのフィラメン
トからなる繊維コードを用いる。 −(CH2 −CH2 −CO)n−(R−CO)m− ・
・・(1) ここで、1.05≧(n+m)/n≧1.00、Rは炭
素数が3以上のアルキレン基である。
Description
トンの繊維コードをベルト層に用いた空気入りラジアル
タイヤに関し、更に詳しくは、スチールコードをカーカ
ス層に用いた場合の不都合を解消するようにした空気入
りラジアルタイヤに関する。
カス層に用いた空気入りラジアルタイヤが上市されてい
る。このような空気入りラジアルタイヤは、その性能面
において特に転がり抵抗が小さいという利点がある。し
かしながら、上記タイヤはカーカス層を構成するスチー
ルコードに起因して重量増加を伴うばかりでなく、剛性
の増加が大きくなるため乗り心地の悪化が懸念される。
ッド部に埋設するベルト層にスチールコードの替わりに
アラミド繊維のような有機繊維コードを使用することが
考えられる。しかるに、空気入りラジアルタイヤにおい
て、トレッド部は走行時の変形が大きいため、アラミド
繊維ではゴムに対する接着性が不十分であり、実用上好
ましいものではなかった。
ヤ重量を低減しつつ、耐久性と乗り心地の改善を可能に
した空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
の本発明の空気入りラジアルタイヤは、左右一対のビー
ド部間にスチールコードを用いた少なくとも1層のスチ
ールカーカス層を装架し、トレッド部における前記カー
カス層の外周側に複数層のベルト層を埋設した空気入り
ラジアルタイヤにおいて、少なくとも1層のベルト層に
下記(1)式で表される構造を有するポリオレフィンケ
トンのフィラメントからなる繊維コードを用いたことを
特徴とするものである。
素数が3以上のアルキレン基である。
ス層を備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、特定の
条件を満足するポリオレフィンケトンの繊維コードから
なるベルト層を用することにより、タイヤ重量の低減し
つつ、耐久性と乗り心地を改善することができる。
分な改善効果を得るために、ベルト層の外周側に、前記
(1)式で表される構造を有するポリオレフィンケトン
のフィラメントからなる少なくとも1本の繊維コードを
引き揃えてゴム被覆したリボン材をタイヤ周方向に対し
て実質的に0°で連続的に巻回してなるベルトカバー層
を配置することが好ましい。
の図面を参照して詳細に説明する。
ラジアルタイヤを示し、1はトレッド部、2はサイドウ
ォール部、3はビード部である。左右一対のビード部
3,3間には少なくとも1層のカーカス層4が装架さ
れ、そのカーカス層4の端部がビードコア5の廻りにタ
イヤ内側から外側に折り返されている。このカーカス層
4は複数本のスチールコードをタイヤ径方向に延長する
ように引き揃えたものである。カーカス層4に用いるス
チールコードは、1×Nの撚り構造を有するものである
ことが好ましい。上記スチールコードは素線径が0.1
0〜0.25mmで、炭素含有量が0.9〜1.1重量
%であると良い。
側には2層のベルト層6a,6bが埋設されている。タ
イヤ内側に位置するベルト層6aは複数本のスチールコ
ードを引き揃えたものであり、タイヤ外側に位置するベ
ルト層6bは複数本のポリオレフィンケトンの繊維コー
ドを引き揃えたものである。これらベルト層6a,6b
はコードがタイヤ周方向に対して傾斜し、かつ層間でコ
ードが互いに交差するように配置されている。
層をポリオレフィンケトンの繊維コードから構成すれば
良く、全てのベルト層にポリオレフィンケトンの繊維コ
ードを用いたり、必要に応じてベルト層の総数を増やす
ことも可能である。いずれの場合も、従来から使用され
ているベルト層のスチールコードをゴムに対する接着性
が優れているポリオレフィンケトンの繊維コードに置き
換えることで、スチールカーカス層を有するタイヤの軽
量化と乗り心地の改善が可能になる。
レフィンケトンの繊維コードをタイヤ周方向に配向して
なるベルトカバー層7が配置されている。このベルトカ
バー層7は少なくとも1本の繊維コードを引き揃えてゴ
ム被覆してなるリボン材をタイヤ周方向に対して実質的
に0°で連続的に巻回したジョイントレス構造とするこ
とが望ましい。また、ベルトカバー層7は、ベルト層6
a,6bを全幅にわたって覆うフルカバーと、ベルト層
6a,6bの両端部だけを覆うエッジカバーとから構成
すると良い。
は、特開平1−124617号公報、特開平2−112
413号公報、米国特許第5194210号公報、特開
平9−324377号公報、特開2001−11500
7号公報、特開2001−131825号公報などで開
示された溶融紡糸や湿式紡糸によって得ることができる
が、下記(1)式で表される構造を有するポリオレフィ
ンケトン繊維を用いることが必要である。
素数が3以上のアルキレン基である。
外のアルキレンユニット)が増えると、タイヤの走行成
長が大きくなり、耐久性が低下する。これは、紡糸繊維
の結晶構造がmユニットの増加により変化し、分子鎖間
の二次結合力が低下するためと考えられる。また、該繊
維の強度が低くなると撚りコードとした時に更に強度が
低下するので、タイヤの破壊強度を確保するためにコー
ドの使用量を多くする必要があり、軽量で経済性の高い
タイヤの提供が困難となる。ここでより好ましくはm=
0である実質的にエチレンと一酸化炭素だけからなる交
互共重合ポリマーを用いるのが良い。このような繊維を
製造するには湿式紡糸を用いるのが好適である。
としては、引張り強度が8.83cN/dtex以上で、
1.99cN/dtex時の伸び率が3.5%以下である繊
維コードを用いることが好ましい。引張り強度が8.8
3cN/dtex未満であると繊維コードの打ち込み本数を
増加させたり、コードの太さを太くする必要がある。と
ころが、打ち込み数が多過ぎるとコード間のゴムが実質
的に存在しない状態となり、ベルト層(或いは、ベルト
カバー層)と周りのゴムと間での接着破壊が生じ易くな
り耐久性が低下する。一方、コードが太くなるとベルト
層(或いは、ベルトカバー層)が厚くなり軽量性の確保
が困難となる。また、1.99cN/dtex時の伸び率が
3.5%を超えるとベルト層の剛性確保が難しく操縦安
定性に不利を招くことになる。
は、K=T√(D/1.111)で表される撚り係数K
が1000〜3500の範囲であることが好ましい。こ
こでKは撚り係数、Tはコードの上撚り数(回/10c
m)、Dはコードの総デシテックス数である。撚り係数
Kが1000未満であると耐疲労性の確保が困難となる
ばかりでなく、破断伸びが低下して耐外傷性が悪化す
る。撚り係数Kが3500を超えるとモジュラスの低下
が大きく操縦安定性の確保が困難となる。
041とし、図1のタイヤ構造を有する空気入りラジア
ルタイヤにおいて、カーカス層にスチールコードを使用
する一方で、ベルト層及びベルトカバー層を構成するコ
ードの種類を表1のように種々異ならせた実施例1〜3
及び比較例1〜4の空気入りラジアルタイヤをそれぞれ
製作した。なお、ポリオレフィンケトンの繊維コードに
は、以下のものを使用した。
(n+m)/n=1.07 撚り係数1500、強度9.27cN/dtex、1.99
cN/dtex時の伸び率2.9% POK繊維2:ポリオレフィンケトン (n+m)/n
=1.00 撚り係数3500、強度10.68cN/dtex、1.9
9cN/dtex時の伸び率3.5% POK繊維3:ポリオレフィンケトン (n+m)/n
=1.00 撚り係数1500、強度12.71cN/dtex、1.9
9cN/dtex時の伸び率1.6% これら試験タイヤについて、下記の方法により、乗り心
地及び耐水圧強度を評価し、またベルト層間剥離面を観
察し、その結果を表1に示した。
グ相対評価)を5名のドライバーにより行った。評価結
果は、基準タイヤ(比較例4)との相対比較にて、以下
の判定基準をもとに5点法で採点し、最高点と最低点を
除いた3名の平均点で表した。
荷し、その水圧を増大させてタイヤが破壊したときの圧
力を測定した。評価結果は、基準タイヤ(比較例4)を
100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど
耐水圧強度が大きいことを意味する。
リムに装着し、内圧300kPaとして、周上3か所に
高さ10cmの突起を設けたドラム上を速度50km/
hで3000km走行させた後、タイヤからベルト層を
取り出し、これらベルト層に対して層間剥離試験を行
い、その剥離面の状態を観察した。評価結果は、剥離面
がゴム破壊である場合もしくは突起乗り越し部分と非乗
り越し部分との差が認められない場合を「OK」で示
し、コード部分が露出している場合もしくは突起乗り越
し部分のコード露出が非乗り越し部分に比べて増加して
いる場合を「NG」で示した。
3はスチールベルト層を使用した比較例1に比べて乗り
心地に優れ、しかも耐水圧強度やベルト層間剥離面観察
については比較例4に比べて良好な結果が得られ、耐久
性も優れていた。一方、ベルト層にポリオレフィンケト
ン以外の有機繊維コードを用いた比較例2,3は、耐水
圧強度やベルト層間剥離面観察の結果が不十分であっ
た。
右一対のビード部間にスチールコードを用いた少なくと
も1層のスチールカーカス層を装架し、トレッド部にお
けるカーカス層の外周側に複数層のベルト層を埋設した
空気入りラジアルタイヤにおいて、少なくとも1層のベ
ルト層に特定の条件を満足するポリオレフィンケトンの
繊維コードを用いたから、タイヤ重量を低減しつつ、耐
久性と乗り心地を改善することができる。
イヤを示す半断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 左右一対のビード部間にスチールコード
を用いた少なくとも1層のスチールカーカス層を装架
し、トレッド部における前記カーカス層の外周側に複数
層のベルト層を埋設した空気入りラジアルタイヤにおい
て、少なくとも1層のベルト層に下記(1)式で表され
る構造を有するポリオレフィンケトンのフィラメントか
らなる繊維コードを用いた空気入りラジアルタイヤ。 −(CH2 −CH2 −CO)n−(R−CO)m− ・・・(1) ここで、1.05≧(n+m)/n≧1.00、 Rは炭素数が3以上のアルキレン基である。 - 【請求項2】 前記ベルト層の外周側に、前記(1)式
で表される構造を有するポリオレフィンケトンのフィラ
メントからなる少なくとも1本の繊維コードを引き揃え
てゴム被覆したリボン材をタイヤ周方向に対して実質的
に0°で連続的に巻回してなるベルトカバー層を配置し
た請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006224949A (ja) * | 2005-01-21 | 2006-08-31 | Bridgestone Corp | 重荷重用空気入りラジアルタイヤ |
JP2006224948A (ja) * | 2005-01-24 | 2006-08-31 | Bridgestone Corp | 高性能空気入りタイヤ |
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JP2008030506A (ja) * | 2006-07-26 | 2008-02-14 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 空気入りタイヤ |
JP2008074300A (ja) * | 2006-09-22 | 2008-04-03 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 空気入りラジアルタイヤ |
JP2015214285A (ja) * | 2014-05-12 | 2015-12-03 | 横浜ゴム株式会社 | 更生タイヤ |
-
2001
- 2001-11-12 JP JP2001345862A patent/JP4499968B2/ja not_active Expired - Fee Related
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