JP4817948B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、空気入りタイヤ(以下単に「タイヤ」とも称する)に関し、詳しくは、高強度および高弾性率を有するポリケトン繊維を含むコードをカーカス層、ベルト層またはベルト保護層の補強コードとして適用したタイヤであっても、タイヤの製造時の加熱や伸縮の際における当該補強コードの乱れが少なく、優れたユニフォミティを示す空気入りタイヤに関する。
従来の有機繊維材料に代わり得る材料として、一酸化炭素とエチレン、プロペンのようなオレフィンとをパラジウムやニッケルを触媒として重合させることにより、一酸化炭素とオレフィンが実質完全に交互共重合した脂肪族ポリケトンが得られることが見いだされ(非特許文献1)、今日、かかるポリケトンを繊維化する研究が行われている。
また、ポリケトン繊維は、従来のポリオレフィン繊維に比べて融点が高く、また高強度および高弾性率を有することが知られており、この優れた物性を活かして産業資材用途、特にタイヤやベルト、ホース等のゴム補強材料として展開が期待されており、かかる観点からも、これまでポリケトン繊維については種々の技術が提案されている。
例えば、特許文献1〜9には、高強度および高弾性率を有するポリケトン繊維に関する技術が夫々開示されている。
一方、特許文献10には、有機熱収縮性繊維コードをカーカスに用いる場合の下撚り数と上撚り数、及び上撚り係数についての技術が開示されている。
その他にも、特許文献11には、ポリケトン繊維を用いて対原糸強力利用率の高い撚糸コードを得る試みが開示されている。また、特許文献12には、有機繊維コードの原糸として特定のポリケトン繊維を用い、更に、コードの下撚りと上撚りのバランスを特定の範囲に規定することで、有機繊維コードの強度と耐疲労性とを高度にバランスさせることができることが報告されている。更にまた、特許文献13には、タイヤのカーカスコードとして、有機繊維原糸に所定の撚り係数の下撚りをかけ、次いで逆方向の上撚りをかけた双撚り糸を使用することが報告されている。
特開平1−124617号公報 特開平2−112413号公報 特表平4−505344号公報 特開平4−228613号公報 特表平7−508317号公報 特表平8−507328号公報 米国特許第5955019号明細書 国際公開99/18143号パンフレット 国際公開第00/09611号パンフレット等 特開2003−252005号公報 特開2004−244742号公報 特開2004−308024号公報 特許第3118152号公報 工業材料(12月号、第5頁、1997年)
しかしながら、上記の先行技術に開示されているポリケトン繊維コードをタイヤ補強用コードとして用いた場合、下記の問題が生じ得ることが判明した。
即ち、高強度および高弾性率を有するポリケトン繊維からなるコードは、ポリケトン繊維の熱収縮等によるコードの伸び縮みの際に、ねじれトルクが発生し、このねじれトルクがトリートやタイヤ性状に悪影響を及ぼすことが判明した。
先行技術には、かかる問題に関する記載や示唆する記載はなく、ましてやこれらの問題を解決する手段、即ち、高強度および高弾性率を有するポリケトン繊維を含むコードをタイヤの各補強コードとして用い、かつ、ユニフォミティに優れた空気入りタイヤを得ることに関しては全く記載されていない。
そこで本発明の目的は、高強度および高弾性率を有するポリケトン繊維を含むコードをカーカス層、ベルト層またはベルト保護層の補強コードとして適用した空気入りタイヤのユニフォミティを高めることにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、高強度および高弾性率を有するポリケトン繊維を含むコードをカーカス層、ベルト層またはベルト保護層において夫々所定の条件を満たすようにして適用することにより上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の空気入りタイヤは、トレッド部と、その両端からタイヤ半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部と、該サイドウォール部の内方端に位置する一対のビード部とを備え、該ビード部に埋設された一対のビードコア間にトロイド状に延在する少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス層と、該カーカスのクラウン部径方向外側に配置され、少なくとも1枚のベルトプライからなるベルト層とを有する空気入りタイヤにおいて、
前記カーカス層の少なくとも1枚のカーカスプライが、ポリケトン繊維を少なくとも50質量%以上含む繊維原糸に、下記式(I)で定義される下撚り係数N1で下撚りをかけた後、該下撚り糸複数本を引き揃えて下撚りと逆方向に、下記式(II)で定義される上撚り係数N2で上撚りをかけた撚糸よりなり、前記下撚り係数N1と前記上撚り係数N2とが下記式(III)を満たし、かつ上撚り係数N2が下記式(IV)を満たし、さらに最大熱収縮応力が0.1〜1.8cN/dtexの範囲内にあるコードにより補強されていることを特徴とするものである。
N1=n1×√(0.125×D1/ρ)×10-3 ・・・ (I)
N2=n2×√(0.125×D2/ρ)×10-3 ・・・ (II)
0.81 < N2/N1 ≦ √(D2/D1) ・・・ (III)
0.6 ≦ N2 ≦ 1 ・・・ (IV)
(上記式中、n1は下撚り数(回/10cm)、n2は上撚り数(回/10cm)、D1は下撚り糸の表示デシテックス数、D2はトータル表示デシテックス数、ρは上記ポリケトン繊維の比重(g/cm3)である)
本発明の他の空気入りタイヤは、トレッド部と、その両端からタイヤ半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部と、該サイドウォール部の内方端に位置する一対のビード部とを備え、該ビード部に埋設された一対のビードコア間にトロイド状に延在する少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス層と、該カーカスのクラウン部径方向外側に配置され、少なくとも1枚のベルトプライからなるベルト層とを有する空気入りタイヤにおいて、
前記ベルト層の少なくとも1枚のベルトプライが、ポリケトン繊維を少なくとも50質量%以上含む繊維原糸に、下記式(I)で定義される下撚り係数N1で下撚りをかけた後、該下撚り糸複数本を引き揃えて下撚りと逆方向に、下記式(II)で定義される上撚り係数N2で上撚りをかけた撚糸よりなり、前記下撚り係数N1と前記上撚り係数N2とが下記式(V)を満たし、かつ上撚り係数N2が下記式(VI)を満たし、さらに最大熱収縮応力が0.1〜1.8cN/dtexの範囲内にあるコードにより補強されていることを特徴とするものである。
N1=n1×√(0.125×D1/ρ)×10-3 ・・・ (I)
N2=n2×√(0.125×D2/ρ)×10-3 ・・・ (II)
0.45 < N2/N1 ≦ √(D2/D1) ・・・ (V)
0.13 ≦ N2 ≦ 0.9 ・・・ (VI)
(上記式中、n1は下撚り数(回/10cm)、n2は上撚り数(回/10cm)、D1は下撚り糸の表示デシテックス数、D2はトータル表示デシテックス数、ρは上記ポリケトン繊維の比重(g/cm3)である)
本発明のさらに他の空気入りタイヤは、トレッド部と、その両端からタイヤ半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部と、該サイドウォール部の内方端に位置する一対のビード部とを備え、該ビード部に埋設された一対のビードコア間にトロイド状に延在する少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス層と、該カーカスのクラウン部径方向外側に配置され、少なくとも1枚のベルトプライからなるベルト層と、該ベルト層のタイヤ半径方向外側に配置された少なくとも1枚のベルト保護層とを有する空気入りタイヤにおいて、
前記ベルト保護層が、ポリケトン繊維を少なくとも50質量%以上含む繊維原糸に、下記式(I)で定義される下撚り係数N1で下撚りをかけた後、該下撚り糸複数本を引き揃えて下撚りと逆方向に、下記式(II)で定義される上撚り係数N2で上撚りをかけた撚糸よりなり、前記下撚り係数N1と前記上撚り係数N2とが下記式(V)を満たし、かつ上撚り係数N2が下記式(VI)を満たし、さらに最大熱収縮応力が0.1〜1.8cN/dtexの範囲内にあるコードにより補強されていることを特徴とするものである。
N1=n1×√(0.125×D1/ρ)×10-3 ・・・ (I)
N2=n2×√(0.125×D2/ρ)×10-3 ・・・ (II)
0.45< N2/N1 ≦ √(D2/D1) ・・・ (V)
0.13 ≦ N2 ≦ 0.9 ・・・ (VI)
(上記式中、n1は下撚り数(回/10cm)、n2は上撚り数(回/10cm)、D1は下撚り糸の表示デシテックス数、D2はトータル表示デシテックス数、ρは上記ポリケトン繊維の比重(g/cm3)である)
本発明のタイヤにおいては、前記ポリケトン繊維として、引っ張り強度が10cN/dtex以上、弾性率が200cN/dtex以上、150℃×30分乾熱処理時熱収縮率が1%〜5%の範囲にあるものを用いることが好ましい。
また、本発明においては、ベルトプライまたはベルト保護層については、前記コードの下撚り係数N1と上撚り係数N2との比(N2/N1)が下記式(VII)を満たし、かつ上撚り係数N2が下記式(VIII)を満たすことが好ましい。
0.81< N2/N1 < 1.4 ・・・ (VII)
0.36 ≦ N2 ≦ 0.84 ・・・ (VIII)
本発明によれば、高強度および高弾性率を有するポリケトン繊維を含むコードをカーカス層、ベルト層またはベルト保護層の補強コードとして適用しても、タイヤの製造時の加熱や伸縮の際における当該補強コードの乱れが少なく、優れたユニフォミティを示す空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明の具体的実施の形態について詳細に説明する。
(本第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤの一例の概略断面図を示す。図示する本発明のタイヤ10は、トレッド部1と、その両端からタイヤ半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部2と、その内方端に位置する一対のビード部3とを備え、少なくとも1枚のカーカスプライ(図示例では1枚)からなるカーカス層5をビード部3に埋設された一対のビードコア4間にトロイド状に延在させて有する。ここで、符号8はビードフィラーである。また、タイヤ10は、カーカス層5のクラウン部径方向外側に配置され、少なくとも1枚のベルトプライ(図示例では2枚)からなるベルト層6と、該ベルト層6のタイヤ半径方向外側に配置された少なくとも1枚(図示例では1枚)のベルト保護層7とを有する。
本実施形態において、図示するタイヤ10におけるカーカス層5のカーカスプライは、ポリケトン繊維を少なくとも50質量%以上含む繊維原糸を使用し、前記式(I)および式(II)で定義される下撚り係数N1と上撚り係数N2とが前記式(III)を満たし、かつ上撚り係数N2が前記式(IV)を満たし、さらに最大熱収縮応力が0.1〜1.8cN/dtexの範囲内にあるコード(以下「カーカスプライコード」と称する)により補強されていることが肝要である。これにより、かかるタイヤのユニフォミティを高めることができる。
なお、図示するタイヤにおいてはベルト保護層7が配置されているが、本実施形態ではベルト保護層7は必要に応じて適宜配置すればよく、なくともよい。
カーカス層5のカーカスプライコードは、ポリケトン繊維を少なくとも50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは100質量%含むことが望ましい。50質量%未満だと、タイヤとしての強度、耐熱性、ゴムとの接着性のいずれかの性能が不十分となる。
また、カーカスプライコードの最大熱収縮応力は、0.1〜1.8cN/dtex、好ましくは0.4〜1.6cN/dtex、より好ましくは0.6〜1.4cN/dtexの範囲にあることが望ましい。最大熱収縮応力が0.1cN/dtex未満の場合には、タイヤ製造時の加熱による引き揃え効率が著しく低下し、タイヤとしての強度が不十分となる。一方、最大熱収縮応力が1.8cN/dtexを超える場合には、タイヤ製造時の加熱によりコードが著しく収縮するため、出来上がりのタイヤ形状が悪化する懸念がある。
さらに、カーカスプライコードに含まれるポリケトン繊維として、引っ張り強度は、好ましくは10cN/dtex以上、より好ましくは15cN/dtex以上である。この引っ張り強度が10cN/dtex未満の場合、タイヤとしての強度が不十分となる。
さらにまた、カーカスプライコードに含まれるポリケトン繊維として、弾性率は、好ましくは200cN/dtex以上、より好ましくは250cN/dtex以上である。この弾性率が200cN/dtex未満の場合、タイヤとしての形状保持性が不十分となる。
さらにまた、カーカスプライコードに含まれるポリケトン繊維として、150℃×30分乾熱処理時熱収縮率が、好ましくは1%〜5%の範囲、より好ましくは2%〜4%の範囲である。150℃×30分乾熱処理時熱収縮率が1%未満の場合には、タイヤ製造時の加熱による引き揃え効率が著しく低下し、タイヤとしての強度が不十分となる。一方、150℃×30分乾熱処理時熱収縮率が5%を超える場合には、タイヤ製造時の加熱によりコードが著しく収縮するため、出来上がりのタイヤ形状が悪化する懸念がある。
次に、カーカスプライコードの下撚り係数N1と上撚り係数N2の比率N2/N1が0.81より大きく、 √(D2/D1)以下、好ましくは0.9より大きく、1.4未満であることが望ましい。この比率が0.81以下の場合には、下撚りによる発生する捻りトルクが過大となり、コード性状が極めて不安定となる。一方、√(D2/D1)の値よりも大きい場合には、下撚りによる発生する捻りトルクが大きくなり、やはりコード性状が不安定となる。
また、カーカスプライコードの上撚り係数N2が0.6以上1以下、好ましくは 0.68以上0.90以下が望ましい。この値が0.6未満の場合にはカーカスプライコードに要求される耐疲労性が低下し、結果としてタイヤ耐久性が低下するという問題が生じる。一方、1より大きい場合にはコード性状が極めて不安定となるため、やはり耐疲労性が低下する。
なお、カーカスプライコードと略直交するかたちでタイヤ内部に緯糸コードを適宜配置することができ、かかる緯糸コードとしては既知の有機繊維コード、例えば、ナイロン、エステル、レーヨン、ポリノジック、リヨセル、ビニロン等の繊維コードを適宜採用することができる。また、そのコード間距離は、好ましくは5〜50mm、より好ましくは20〜35mmである。この距離が5mm未満の場合には、簾織物の生産性が悪くなる。一方、50mmを超える場合には、簾織物の性状が悪くなる。
(本第2実施形態)
本第2実施形態においては、図示するタイヤ10におけるベルト層6の少なくとも1枚のベルトプライは、ポリケトン繊維を少なくとも50質量%以上含む繊維原糸を使用し、前記式(I)および式(II)で定義される下撚り係数N1と上撚り係数N2とが前記式(V)を満たし、かつ上撚り係数N2が前記式(VI)を満たし、さらに最大熱収縮応力が0.1〜1.8cN/dtexの範囲内にあるコード(以下「ベルトプライコード」と称する)により補強されていることが肝要である。これにより、かかるタイヤのユニフォミティを高めることができる。
なお、第2実施形態においてもベルト保護層7は必要に応じて適宜配置すればよく、なくともよい。
ベルト層6のベルトプライコードは、ポリケトン繊維を少なくとも50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは100質量%含むことが望ましい。50質量%未満であると、タイヤとしての強度、耐熱性、ゴムとの接着性のいずれかの性能が不十分となる。
また、ベルトプライコードの最大熱収縮応力は、0.1〜1.8cN/dtex、好ましくは0.4〜1.6cN/dtex、より好ましくは0.6〜1.4cN/dtexの範囲にあることが望ましい。最大熱収縮応力が0.1cN/dtex未満の場合には、タイヤ製造時の加熱による引き揃え効率が著しく低下し、タイヤとしての強度が不十分となる。一方、最大熱収縮応力が1.8cN/dtexを超える場合には、タイヤ製造時の加熱によりコードが著しく収縮するため、出来上がりのタイヤ形状が悪化する懸念がある。
さらに、ベルトプライコードに含まれるポリケトン繊維として、引っ張り強度は、好ましくは10cN/dtex以上、より好ましくは15cN/dtex以上である。この引っ張り強度が10cN/dtex未満の場合、タイヤとしての強度が不十分となる。
さらにまた、ベルトプライコードに含まれるポリケトン繊維として、弾性率は、好ましくは200cN/dtex以上、より好ましくは250cN/dtex以上である。この弾性率が200cN/dtex未満の場合、タイヤとしての形状保持性が不十分となる。
さらにまた、ベルトプライコードに含まれるポリケトン繊維として、150℃×30分乾熱処理時熱収縮率は、好ましくは1%〜5%の範囲、より好ましくは2%〜4%の範囲である。150℃×30分乾熱処理時熱収縮率が1%未満の場合には、タイヤ製造時の加熱による引き揃え効率が著しく低下し、タイヤとしての強度が不十分となる。一方、150℃×30分乾熱処理時熱収縮率が5%を超える場合には、タイヤ製造時の加熱によりコードが著しく収縮するため、出来上がりのタイヤ形状が悪化する懸念がある。
次に、ベルトプライコードの下撚り係数N1と上撚り係数N2の比率N2/N1が0.45より大きく、 √(D2/D1)以下、好ましくは0.81より大きく、1.4未満であることが望ましい。この比率が0.45以下の場合には、下撚りによる発生する捻りトルクが過大となり、コード性状が極めて不安定となる。一方、√(D2/D1)の値よりも大きい場合には、下撚りによる発生する捻りトルクが大きくなり、やはりコード性状が不安定となる。
また、ベルトプライコードの上撚り係数N2が0.13以上0.9以下、好ましくは 0.36以上0.84以下が望ましい。この値が0.13未満の場合にはベルトプライコードに要求される耐疲労性が低下し、結果としてタイヤ耐久性が低下するという問題が生じる。一方、0.9より大きい場合にはコード性状が極めて不安定となるため、やはり耐疲労性が低下する。
なお、ベルトプライコードと略直交するかたちでタイヤ内部に緯糸コードを適宜配置することができ、かかる緯糸コードとしては既知の有機繊維コード、例えば、ナイロン、エステル、レーヨン、ポリノジック、リヨセル、ビニロン等の繊維コードを適宜採用することができる。また、そのコード間距離は、好ましくは5〜50mm、より好ましくは20〜35mmである。この距離が5mm未満の場合には、簾織物の生産性が悪くなる。一方、50mmを超える場合には、簾織物の性状が悪くなる。
(本第3実施形態)
本第3実施形態においては、ベルト保護層7が必須の場合である。ベルト保護層7は、ベルト層6の上側に配置されるコード/ゴム保護層であり、ベルト部の剛性を向上させることによって、高速時の耐久性や操縦安定性を向上させ、ロードノイズを低減するなど、タイヤ性能のコントロール手法として使用される。図示する例では1層であるが、2層以上設けてもよく、また、ベルト端にのみ配置してもよい。
本第3実施形態においては、図示するタイヤ10におけるベルト保護層7が、前記式(I)および式(II)で定義される下撚り係数N1と上撚り係数N2とが前記式(V)を満たし、かつ上撚り係数N2が前記式(VI)を満たし、さらに最大熱収縮応力が0.1〜1.8cN/dtexの範囲内にあるコード(以下「ベルト保護層コード」と略記する)により補強されていることが肝要である。これにより、かかるタイヤのユニフォミティを高めることができる。
ベルト保護層コードは、ポリケトン繊維を少なくとも50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは100質量%含むことが望ましい。50質量%未満であると、タイヤとしての強度、耐熱性、ゴムとの接着性のいずれかの性能が不十分となる。
また、ベルト保護層コードの最大熱収縮応力は、0.1〜1.8cN/dtex、好ましくは0.4〜1.6cN/dtex、より好ましくは0.6〜1.4cN/dtexの範囲にあることが望ましい。最大熱収縮応力が0.1cN/dtex未満の場合には、タイヤ製造時の加熱による引き揃え効率が著しく低下し、ベルト保護層としての機能が不十分となる。一方、最大熱収縮応力が1.8cN/dtexを超える場合には、タイヤ製造時の加熱によりコードが著しく収縮するため、出来上がりのタイヤ形状が悪化する懸念がある。
さらに、ベルト保護層コードに含まれるポリケトン繊維として、引っ張り強度は、好ましくは10cN/dtex以上、より好ましくは15cN/dtex以上である。この引っ張り強度が10cN/dtex未満の場合、タイヤとしての強度が不十分となる。
さらにまた、ベルト保護層コードに含まれるポリケトン繊維として、弾性率は、好ましくは200cN/dtex以上、より好ましくは250cN/dtex以上である。この弾性率が200cN/dtex未満の場合、タイヤとしての形状保持性が不十分となる。
さらにまた、ベルト保護層コードに含まれるポリケトン繊維として、150℃×30分乾熱処理時熱収縮率は、好ましくは1%〜5%の範囲、より好ましくは2%〜4%の範囲である。150℃×30分乾熱処理時熱収縮率が1%未満の場合には、タイヤ製造時の加熱による引き揃え効率が著しく低下し、タイヤとしての強度が不十分となる。一方、150℃×30分乾熱処理時熱収縮率が5%を超える場合には、タイヤ製造時の加熱によりコードが著しく収縮するため、出来上がりのタイヤ形状が悪化する懸念がある。
次に、ベルト保護層コードの下撚り係数N1と上撚り係数N2の比率N2/N1が0.45より大きく、√(D2/D1)以下、好ましくは0.81より大きく、1.4未満であることが望ましい。この比率が0.45以下の場合には、下撚りによる発生する捻りトルクが過大となり、コード性状が極めて不安定となる。一方、√(D2/D1)の値よりも大きい場合には、下撚りによる発生する捻りトルクが大きくなり、やはりコード性状が不安定となる。
また、ベルト保護層コードの上撚り係数N2が0.13以上0.9以下、好ましくは 0.36以上0.84以下が望ましい。この値が0.13未満の場合にはベルト保護層コードに要求される耐疲労性が低下し、結果としてタイヤ耐久性が低下するという問題が生じる。一方、0.9より大きい場合にはコード性状が極めて不安定となるため、やはり耐疲労性が低下する。
なお、ベルト保護層コードと略直交するかたちでタイヤ内部に緯糸コードを適宜配置することができ、かかる緯糸コードとしては既知の有機繊維コード、例えば、ナイロン、エステル、レーヨン、ポリノジック、リヨセル、ビニロン等の繊維コードを適宜採用することができる。また、そのコード間距離は、好ましくは5〜50mm、より好ましくは20〜35mmである。この距離が5mm未満の場合には、簾織物の生産性が悪くなる。一方、50mmを超える場合には、簾織物の性状が悪くなる。
本発明においては、上記本第1〜3実施形態の他、これら実施形態を適宜組み合わせたタイヤも含まれるのは勿論である。
次に、本発明に使用し得る、ポリケトン繊維(以下「PK繊維」と略記する)について詳述する。
本発明において、PK繊維を少なくとも50質量%以上含む繊維原糸の、PK繊維以外の繊維としては、ナイロン、エステル、レーヨン、ポリノジック、リヨセル、ビニロン等を挙げることができ、特に制限されるべきものではない。
なお、本発明におけるPK繊維の乾熱収縮率は、オーブン中で150℃、30分の乾熱処理を行ない、熱処理前後の繊維長を、1/30(cN/dtex)の荷重をかけて計測して下式により求められる値である。
乾熱収縮率(%)=(Lb−La)/Lb×100
但し、Lbは熱処理前の繊維長、Laは熱処理後の繊維長である。また、PK繊維における引張強度および引張弾性率は、JIS−L−1013に準じて測定することにより得られる値であり、引張弾性率は伸度0.1%における荷重と伸度0.2%における荷重から算出した初期弾性率の値である。
PK繊維を用いた本発明に係るコードは、具体的には、以下に詳述するコードが好適である。即ち、コード1本あたりの総デシテックスが3000〜17000デシテックスであるマルチフィラメント撚りのPK繊維である。1本あたりの総デシテックスが3000〜17000デシテックスの範囲内であるコードであれば、高剛性で、かつ、有機繊維のメリットであるスチールコード対比の軽量化が達成できる。総デシテックスが3000デシテックス未満では補強コードとして十分な高剛性を得ることができず、一方、17000デシテックスを超えると、プライのゲージが厚くなってしまい、タイヤ質量増加となってしまう。
また、本発明に係るコードの最大熱収縮応力は、一般的なディップ処理を施した加硫前のコードの、25cmの長さ固定サンプルを5℃/分の昇温スピードで加熱して、177℃時にコードに発生する最大応力(単位:cN/dtex)である。
PK繊維の原料のポリケトンとしては、下記一般式(IX)、
Figure 0004817948
(式中、Aは不飽和結合によって重合された不飽和化合物由来の部分であり、各繰り返し単位において同一であっても異なっていてもよい)で表される繰り返し単位から実質的になるものが好適であり、その中でも、繰り返し単位の97モル%以上が1−オキソトリメチレン[−CH2−CH2−CO−]であるポリケトンが好ましく、99モル%以上が1−オキソトリメチレンであるポリケトンが更に好ましく、100モル%が1−オキソトリメチレンであるポリケトンが最も好ましい。
かかるポリケトンは、部分的にケトン基同士、不飽和化合物由来の部分同士が結合していてもよいが、不飽和化合物由来の部分とケトン基とが交互に配列している部分の割合が90質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることが更に好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
また、上記式(IX)において、Aを形成する不飽和化合物としては、エチレンが最も好ましいが、プロピレン、ブテン、ペンテン、シクロペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、スチレン、アセチレン、アレン等のエチレン以外の不飽和炭化水素や、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ビニルアセテート、アクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、ウンデセン酸、ウンデセノール、6−クロロヘキセン、N−ビニルピロリドン、スルニルホスホン酸のジエチルエステル、スチレンスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、ビニルピロリドンおよび塩化ビニル等の不飽和結合を含む化合物等であってもよい。
さらに、上記ポリケトンの重合度としては、下記式(X)、
Figure 0004817948
(上記式中、tおよびTは、純度98%以上のヘキサフルオロイソプロパノールおよび該ヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間であり、cは、上記希釈溶液100mL中の溶質の質量(g)である)で定義される極限粘度[η]が、1〜20dL/gの範囲内にあることが好ましく、3〜8dL/gの範囲内にあることがより一層好ましい。極限粘度が1dL/g未満では、分子量が小さ過ぎて、高強度のポリケトン繊維コードを得ることが難しくなる上、紡糸時、乾燥時および延伸時に毛羽や糸切れ等の工程上のトラブルが多発することがあり、一方、極限粘度が20dL/gを超えると、ポリマーの合成に時間およびコストがかかる上、ポリマーを均一に溶解させることが難しくなり、紡糸性および物性に悪影響が出ることがある。
さらにまた、PK繊維は、結晶化度が50〜90%、結晶配向度が95%以上の結晶構造を有することが好ましい。結晶化度が50%未満の場合、繊維の構造形成が不十分であって十分な強度が得られないばかりか加熱時の収縮特性や寸法安定性も不安定となるおそれがある。このため、結晶化度としては50〜90%が好ましく、より好ましくは60〜85%である。
上記ポリケトンの繊維化方法としては、(1)未延伸糸の紡糸を行った後、多段熱延伸を行い、該多段熱延伸の最終延伸工程で特定の温度および倍率で延伸する方法や、(2)未延伸糸の紡糸を行った後、熱延伸を行い、該熱延伸終了後の繊維に高い張力をかけたまま急冷却する方法が好ましい。上記(1)または(2)の方法でポリケトンの繊維化を行うことで、上記ポリケトン繊維コードの作製に好適な所望のフィラメントを得ることができる。
ここで、上記ポリケトンの未延伸糸の紡糸方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができ、具体的には、特開平2−112413号、特開平4−228613号、特表平4−505344号に記載されているようなヘキサフルオロイソプロパノールやm−クレゾール等の有機溶剤を用いる湿式紡糸法、国際公開第99/18143号、国際公開第00/09611号、特開2001−164422号、特開2004−218189号、特開2004−285221号に記載されているような亜鉛塩、カルシウム塩、チオシアン酸塩、鉄塩等の水溶液を用いる湿式紡糸法が挙げられ、これらの中でも、上記塩の水溶液を用いる湿式紡糸法が好ましい。
例えば、有機溶剤を用いる湿式紡糸法では、ポリケトンポリマーをヘキサフルオロイソプロパノールやm−クレゾール等に0.25〜20質量%の濃度で溶解させ、紡糸ノズルより押し出して繊維化し、次いでトルエン、エタノール、イソプロパノール、n−ヘキサン、イソオクタン、アセトン、メチルエチルケトン等の非溶剤浴中で溶剤を除去、洗浄してポリケトンの未延伸糸を得ることができる。
一方、水溶液を用いる湿式紡糸法では、例えば、亜鉛塩、カルシウム塩、チオシアン酸塩、鉄塩等の水溶液に、ポリケトンポリマーを2〜30質量%の濃度で溶解させ、50〜130℃で紡糸ノズルから凝固浴に押し出してゲル紡糸を行い、さらに脱塩、乾燥等してポリケトンの未延伸を得ることができる。ここで、ポリケトンポリマーを溶解させる水溶液には、ハロゲン化亜鉛と、ハロゲン化アルカリ金属塩またはハロゲン化アルカリ土類金属塩とを混合して用いることが好ましく、凝固浴には、水、金属塩の水溶液、アセトン、メタノール等の有機溶媒等を用いることができる。
また、得られた未延伸糸の延伸法としては、未延伸糸を該未延伸糸のガラス転移温度よりも高い温度に加熱して引き伸ばす熱延伸法が好ましく、さらに、かかる未延伸糸の延伸は、上記(2)の方法では一段で行ってもよいが、多段で行うことが好ましい。熱延伸の方法としては、特に制限はなく、例えば、加熱ロール上や加熱プレート上に糸を走行させる方法等を採用することができる。ここで、熱延伸温度は、110℃〜(ポリケトンの融点)の範囲内が好ましく、総延伸倍率は、好適には10倍以上とする。
上記(1)の方法でポリケトンの繊維化を行う場合、上記多段熱延伸の最終延伸工程における温度は、110℃〜(最終延伸工程の一段前の延伸工程の延伸温度−3℃)の範囲が好ましく、また、多段熱延伸の最終延伸工程における延伸倍率は、1.01〜1.5倍の範囲が好ましい。一方、上記(2)の方法でポリケトンの繊維化を行う場合、熱延伸終了後の繊維にかける張力は、0.5〜4cN/dtexの範囲が好ましく、また、急冷却における冷却速度は、30℃/秒以上であることが好ましく、更に、急冷却における冷却終了温度は、50℃以下であることが好ましい。熱延伸されたポリケトン繊維の急冷却方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができ、具体的には、ロールを用いた冷却方法が好ましい。なお、こうして得られるポリケトン繊維は、弾性歪みの残留は大きいため、通常、緩和熱処理を施し、熱延伸後の繊維長よりも繊維長を短くすることが好ましい。ここで、緩和熱処理の温度は、50〜100℃の範囲が好ましく、また、緩和倍率は、0.980〜0.999倍の範囲が好ましい。
また、PK繊維コードの高い熱収縮特性を最も効果的に活用するには、加工時の処理温度や使用時の成型品の温度が、最大熱収縮応力を示す温度(最大熱収縮温度)と近い温度であることが望ましい。具体的には、必要に応じて行われる接着剤処理におけるRFL処理温度や加硫温度等の加工温度が100〜250℃であること、また、繰り返し使用や高速回転によってタイヤ材料が発熱した際の温度は100〜200℃にもなることなどから、最大熱収縮温度は、好ましくは100〜250℃の範囲内、より好ましくは150〜240℃範囲内である。
本発明に係るコードを被覆するコーティングゴムは、このコードを被覆し得る限り、種々の形状とすることができる。代表的には、被膜、シート等である。また、ベルト保護層7であればリボン状とすることができる。さらに、コーティングゴムは、既知のゴム組成物を適宜採用することができ、特に制限されるべきものではない。
本発明に係るコードは、ゴム組成物を用いて、浸漬、塗布、貼り合わせ等の公知の方法に従って被覆される。
以下、本発明を実施例に基づき説明する。なお、以下、「%」は[質量%]を意味するものとする。
(PK繊維の調製例)
常法により調製したエチレンと一酸化炭素が完全交互共重合した極限粘度5.3のポリケトンポリマーを、塩化亜鉛65質量%/塩化ナトリウム10質量%含有する水溶液に添加し、80℃で2時間攪拌溶解し、ポリマー濃度8質量%のドープを得た。
このドープを80℃に加温し、20μm焼結フィルターでろ過した後に、80℃に保温した紡口径0.10mmφ、50ホールの紡口より10mmのエアーギャップを通した後に5質量%の塩化亜鉛を含有する18℃の水中に吐出量2.5cc/分の速度で押出し、速度3.2m/分で引きながら凝固糸条とした。
引き続き凝固糸条を濃度2質量%、温度25℃の硫酸水溶液で洗浄し、さらに30℃の水で洗浄した後に、速度3.2m/分で凝固糸を巻取った。この凝固糸にIRGANOX1098(Ciba Specialty Chemicals社製)、IRGANOX1076(Ciba Specialty Chemicals社製)をそれぞれ0.05質量%ずつ(対ポリケトンポリマー)含浸せしめた後に、該凝固糸を240℃にて乾燥後、仕上剤を付与して未延伸糸を得た。
仕上剤は以下の組成のものを用いた。
オレイン酸ラウリルエステル/ビスオキシエチルビスフェノールA/ポリエーテル(プロピレンオキシド/エチレンオキシド=35/65:分子量20000)/ポリエチレンオキシド10モル付加オレイルエーテル/ポリエチレンオキシド10モル付加ひまし油エーテル/ステアリルスルホン酸ナトリウム/ジオクチルリン酸ナトリウム=30/30/10/5/23/1/1(質量%比)。
得られた未延伸糸を1段目を240℃で、引き続き258℃で2段目、268℃で3段目、272℃で4段目の延伸を行った後に、引き続き5段目に200℃で1.08倍(延伸張力1.8cN/dtex)の5段延伸を行い、巻取機にて巻取った。未延伸糸から5段延伸糸までの全延伸倍率は17.1倍であった。この繊維原糸は強度15.6cN/dtex、伸度4.2%、弾性率347cN/dtexと高物性を有していた。また、150℃×30分乾熱処理時熱収縮率4.3%、最大熱収縮応力0.92cN/dtexと高い熱収縮特性を具備していた。このようにして得られたPK繊維コード(以下単に「PK」とも略記する)を以下の実施例等で使用した。
(実施例1−1〜1−6、比較例1−1〜1−4、従来例1−1)
下記の表1,2に示すコード物性を有する1枚カーカスプライ構造の各供試タイヤ(サイズ:225/45R17)を試作し、水圧破壊による強度テスト及びユニフォミティ測定機によるユニフォミティ測定を実施した。評価は、ユニフォミティが良好な場合を○、不良の場合を×とした。また、耐久性評価として、実地走行後引き上げたタイヤから解剖したコードの強力の新品からの低下率を比較した。評価は従来例を100として指数で表示した。数値が大なる程、結果が良好である。
得られた結果を下記の表1,2に示す。
Figure 0004817948
Figure 0004817948
(実施例2−1〜2−9、比較例2−1〜2−4、従来例2−1)
2枚のベルトプライからなるベルト層(第1ベルトプライ:スチールコード、第2ベルトプライ:下記の表3,4に示すコード物性を有する第2ベルトコード)で構成し、さらに1層のベルト保護層で補強した供試タイヤ(サイズ:225/45R17)を試作し、水圧破壊による強度テスト及びユニフォミティ測定機によるユニフォミティ測定を実施した。評価は、ユニフォミティが良好な場合を○、不良の場合を×とした。また、耐久性評価として、実地走行後引き上げたタイヤから解剖したコードの強力の新品からの低下率を比較した。評価は従来例を100として指数で表示した。数値が大なる程、結果が良好である。
得られた結果を下記の表3,4に示す。
Figure 0004817948
Figure 0004817948
(実施例3−1〜3−9、比較例3−1〜3−4、従来例3−1)
下記の表5,6に示すコード物性を有するベルト保護層で補強した供試タイヤ(サイズ:225/45R17)を試作し、水圧破壊による強度テスト及びユニフォミティ測定機によるユニフォミティ測定を実施した。評価は、ユニフォミティが良好な場合を○、不良の場合を×とした。また、耐久性評価として、実地走行後引き上げたタイヤから解剖したコードの強力の新品からの低下率を比較した。評価は従来例を100として指数で表示した。数値が大なる程、結果が良好である。
得られた結果を下記の表5,6に示す。
Figure 0004817948
Figure 0004817948
本発明の一実施の形態に係る空気入りタイヤの幅方向断面図である。
符号の説明
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 ビードコア
5 カーカス層
6 ベルト層
7 ベルト保護層
8 ビードフィラー
10 空気入りタイヤ

Claims (5)

  1. トレッド部と、その両端からタイヤ半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部と、該サイドウォール部の内方端に位置する一対のビード部とを備え、該ビード部に埋設された一対のビードコア間にトロイド状に延在する少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス層と、該カーカスのクラウン部径方向外側に配置され、少なくとも1枚のベルトプライからなるベルト層とを有する空気入りタイヤにおいて、
    前記カーカス層の少なくとも1枚のカーカスプライが、ポリケトン繊維を少なくとも50質量%以上含む繊維原糸に、下記式(I)で定義される下撚り係数N1で下撚りをかけた後、該下撚り糸複数本を引き揃えて下撚りと逆方向に、下記式(II)で定義される上撚り係数N2で上撚りをかけた撚糸よりなり、前記下撚り係数N1と前記上撚り係数N2とが下記式(III)を満たし、かつ上撚り係数N2が下記式(IV)を満たし、さらに最大熱収縮応力が0.1〜1.8cN/dtexの範囲内にあるコードにより補強されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
    N1=n1×√(0.125×D1/ρ)×10-3 ・・・ (I)
    N2=n2×√(0.125×D2/ρ)×10-3 ・・・ (II)
    0.81 < N2/N1 ≦ √(D2/D1) ・・・ (III)
    0.6 ≦ N2 ≦ 1 ・・・ (IV)
    (上記式中、n1は下撚り数(回/10cm)、n2は上撚り数(回/10cm)、D1は下撚り糸の表示デシテックス数、D2はトータル表示デシテックス数、ρは上記ポリケトン繊維の比重(g/cm3)である)
  2. トレッド部と、その両端からタイヤ半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部と、該サイドウォール部の内方端に位置する一対のビード部とを備え、該ビード部に埋設された一対のビードコア間にトロイド状に延在する少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス層と、該カーカスのクラウン部径方向外側に配置され、少なくとも1枚のベルトプライからなるベルト層とを有する空気入りタイヤにおいて、
    前記ベルト層の少なくとも1枚のベルトプライが、ポリケトン繊維を少なくとも50質量%以上含む繊維原糸に、下記式(I)で定義される下撚り係数N1で下撚りをかけた後、該下撚り糸複数本を引き揃えて下撚りと逆方向に、下記式(II)で定義される上撚り係数N2で上撚りをかけた撚糸よりなり、前記下撚り係数N1と前記上撚り係数N2とが下記式(V)を満たし、かつ上撚り係数N2が下記式(VI)を満たし、さらに最大熱収縮応力が0.1〜1.8cN/dtexの範囲内にあるコードにより補強されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
    N1=n1×√(0.125×D1/ρ)×10-3 ・・・ (I)
    N2=n2×√(0.125×D2/ρ)×10-3 ・・・ (II)
    0.45 < N2/N1 ≦ √(D2/D1) ・・・ (V)
    0.13 ≦ N2 ≦ 0.9 ・・・ (VI)
    (上記式中、n1は下撚り数(回/10cm)、n2は上撚り数(回/10cm)、D1は下撚り糸の表示デシテックス数、D2はトータル表示デシテックス数、ρは上記ポリケトン繊維の比重(g/cm3)である)
  3. トレッド部と、その両端からタイヤ半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部と、該サイドウォール部の内方端に位置する一対のビード部とを備え、該ビード部に埋設された一対のビードコア間にトロイド状に延在する少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカス層と、該カーカスのクラウン部径方向外側に配置され、少なくとも1枚のベルトプライからなるベルト層と、該ベルト層のタイヤ半径方向外側に配置された少なくとも1枚のベルト保護層とを有する空気入りタイヤにおいて、
    前記ベルト保護層が、ポリケトン繊維を少なくとも50質量%以上含む繊維原糸に、下記式(I)で定義される下撚り係数N1で下撚りをかけた後、該下撚り糸複数本を引き揃えて下撚りと逆方向に、下記式(II)で定義される上撚り係数N2で上撚りをかけた撚糸よりなり、前記下撚り係数N1と前記上撚り係数N2とが下記式(V)を満たし、かつ上撚り係数N2が下記式(VI)を満たし、さらに最大熱収縮応力が0.1〜1.8cN/dtexの範囲内にあるコードにより補強されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
    N1=n1×√(0.125×D1/ρ)×10-3 ・・・ (I)
    N2=n2×√(0.125×D2/ρ)×10-3 ・・・ (II)
    0.45< N2/N1 ≦ √(D2/D1) ・・・ (V)
    0.13 ≦ N2 ≦ 0.9 ・・・ (VI)
    (上記式中、n1は下撚り数(回/10cm)、n2は上撚り数(回/10cm)、D1は下撚り糸の表示デシテックス数、D2はトータル表示デシテックス数、ρは上記ポリケトン繊維の比重(g/cm3)である)
  4. 前記ポリケトン繊維として、引っ張り強度が10cN/dtex以上、弾性率が200cN/dtex以上、150℃×30分乾熱処理時熱収縮率が1%〜5%の範囲にあるものを用いる請求項1〜3のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記コードの下撚り係数N1と上撚り係数N2との比(N2/N1)が下記式(VII)を満たし、かつ上撚り係数N2が下記式(VIII)を満たす請求頁2または3記載の空気入りタイヤ。
    0.81< N2/N1 < 1.4 ・・・ (VII)
    0.36 ≦ N2 ≦ 0.84 ・・・ (VIII)
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