JP4953639B2 - 高性能空気入りタイヤ - Google Patents
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σ≧−0.01E+1.2 ・・・(式1)
σ>0.4 ・・・・・・・・・・(式2)
(式中、σは177℃の温度での熱収縮応力であり、及びEは25℃の温度での49N時弾性率である。)
を同時に満たす熱収縮特性を有することを特徴とする空気入りタイヤに係るものである。
空気入りタイヤは、カーカス層と、カーカス層のタイヤ半径方向外側のベルト層と、ベルト層のタイヤ半径方向外側及びタイヤ半径方向内側の少なくとも1方の周方向に配列されたベルト補強層とを具える。空気入りタイヤには、乗用車用タイヤが含まれ、高性能タイヤ、特に、レース用タイヤ等の超高性能ラジアルタイヤが含まれる。
カーカス層は、少なくとも1層のカーカスプライからなることができる。カーカスプライは、特に制限されることなく、種々の材質及び形状等からなることができる。
ベルト層はカーカス層のタイヤ半径方向外側に配置される。ベルト層は少なくとも1層のベルトプライからなることができる。ベルト層はベルト層用コードから構成される。ベルト層用コードは、タイヤ幅方向に対して40度から80度の角度を持つように配列される。ベルト層用コードは、スチールコード又は10g/d以上の強度を有する有機繊維コードからなる。
ベルト補強層はベルト層のタイヤ半径方向外側及びタイヤ半径方向内側の少なくとも1方のタイヤ周方向に配列される。ベルト補強層は、ベルト層のショルダー層として、少なくともベルト層の端部に隣接して配列させることができ、また、ベルト層のキャップ層として、ベルト層のタイヤ幅方向の全体にわたって配列させることができる。ベルト補強層はベルト補強層用コードから構成される。ベルト補強層は少なくとも1層のベルト補強プライからなることができる。
ベルト補強層用コードは、1000〜20000の総デシテックス/本の繊度のマルチフィラメント撚りのポリケトン繊維からなる。
ポリケトンは、分子中にCO単位(カルボニル基)と不飽和化合物由来の単位とが配列された交互共重合体、即ち、高分子鎖中で各CO単位の隣に、例えば、エチレン単位等のオレフィン単位が一つずつ位置する構造を持つ物質である。また、ポリケトンは、一酸化炭素と特定の不飽和化合物一種との共重合体であってもよく、一酸化炭素と不飽和化合物二種以上との共重合体であってもよい。
[式中、Aは不飽和結合によって重合された不飽和化合物由来の部分であり、各繰り返し単位において同一でも異なっていてもよい]で表される繰り返し単位から実質的になるポリケトンの繊維でよい。
[式中、t及びTは、純度98%以上のヘキサフルオロイソプロパノール及び該ヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間であり;Cは、上記希釈溶液100mL中の溶質の質量(g)である]で定義される極限粘度[η]が1〜20dL/gの範囲にあることが好ましく、2〜10dL/gの範囲にあることが更に好ましく、3〜8の範囲にあることがより一層好ましい。極限粘度が1dL/g未満では、分子量が小さ過ぎて、高強度のポリケトン繊維コードを得ることが難しくなる上、紡糸時、乾燥時及び延伸時に毛羽や糸切れ等の工程上のトラブルが多発することがあり、一方、極限粘度が20dL/gを超えると、ポリマーの合成に時間及びコストがかかる上、ポリマーを均一に溶解させることが難しくなり、紡糸性及び物性に悪影響が出ることがある。
ベルト補強層用コードは、1000〜20000の総デシテックス/本の繊度のポリケトン繊維コードからなる。総デシテックスが1000未満では、必要な周方向剛性が不足し、期待した耐久性向上効果が得られず、また、20000を超えると、必要以上にコード径が大きくなるため、被覆するためのゴム量が増えることによって、タイヤ重量が増加し、及び接地性、高速性、耐久レベルの悪化を招く。
ベルト補強層用コードは、フィラメントを撚り合わせてなるマルチフィラメント撚りのポリケトン繊維コードからなる。
上記ポリケトン繊維は、次の式1及び2:
σ≧−0.01E+1.2 ・・・(式1)
σ>0.4 ・・・・・・・・・・(式2)
(式中、σは177℃の温度での熱収縮応力であり、及びEは25℃の温度での49N時弾性率である。)
を同時に満たす熱収縮特性を有する。
補強層用コードの構造、撚り数等や、ベルト補強層中のコードの充填率、コードのタイヤ周方向に対する傾斜の角度、ベルト補強層のタイヤ幅方向での幅等は、特に制限されず、種々に設定することができる。代表的に、コード構造は1670d/2であり、撚り数は20×20や30×30等である。
カーカス層、ベルト層及びベルト補強層は、複数本のコードとこれらのコードを被覆する被覆ゴムとからなることができる。被覆ゴムは、例えば、公知の方法に従い、種々のゴム組成物による浸漬、塗布、貼り合わせ等によってコードを予め処理することで得ることができる。
図1は本発明の1例の空気入りタイヤの断面図である。
図1に示すように、空気入りタイヤ1は、一対のビードコア(図1は一方のビードコア2のみ図示する。)と、一方のビードコア2から他方のビードコアに亘ってトロイド状に延びるカーカス層3とを有する。カーカス層3は、図1に示すように、少なくとも1枚のカーカスプライ3Aから構成することができる。
(実施例3〜8、参考例1及び2)
図1に示すような構造のタイヤを、ポリケトン繊維コードから構成するベルト補強層を用いて試作する。ポリケトンは、式(I)で表される繰り返し単位からなり、繰り返し単位の97モル%以上が1-オキソトリメチレンである。
弾性率E:25℃、49N時(49N荷重時)弾性率をEとして用いる。JISのコード引張り試験によるSSカーブの49N時の接線より単位cN/dtexを算出する。
熱収縮応力:177℃時の熱収縮応力をσとして用いる。一般的なDip処理を施した加硫前のポリケトン繊維コードの25cmの長さ固定サンプルを5℃/分の昇温スピードで加熱し、177℃時に発生する応力を測定する。
実施例において、ポリケトン繊維に代えてNy又はアラミド繊維を用いる以外は、実施例と同様にしてタイヤを作製する。比較例1は、Ny、タイヤ構造1、1400/2のコード構造、2800の総デシテックス、30×30の撚り数、37の弾性率、及び0.17の熱収縮応力のものである。比較例2は、タイヤ構造2を採用する以外は、比較例1と同様である。比較例3は、アラミド繊維を用い、160の弾性率及び0.00の熱収縮応力のものである以外は、比較例1と同様である。比較例4は、タイヤ構造2を採用する以外は、比較例3と同様である。
低速時操縦性能:速度60km/h以下での直進安定性、コーナーリング性能を評価する。なお、タイヤサイズはPSR 215/45R17であり、内圧は240kPaである。
高速時操縦性能:速度100km/h以上での直進安定性、コーナーリング性能を評価する。
高速耐久性能:タイヤサイズPSR 215/45R17、内圧240kPa、荷重545kgw、ドラムのスピードをステップ状にアップさせ、故障発生時点での速度で比較する。
2 ビードコア
3 カーカス層
4 ベルト層
5 ベルト補強層
Claims (4)
- カーカス層、前記カーカス層のタイヤ半径方向外側のベルト層及び前記ベルト層のタイヤ半径方向外側及びタイヤ半径方向内側の少なくとも1方のタイヤ周方向に配列されたベルト補強層を具える空気入りタイヤであって、
前記ベルト層がベルト層用コードから構成されており、前記ベルト層用コードがタイヤ幅方向に対して40度から80度の角度を持つように配列されており、前記ベルト層用コードが、スチールコード又は10g/d以上の強度を有する有機繊維コードからなり、前記ベルト補強層がベルト補強層用コードから構成されており、前記ベルト補強層用コードが、1000〜20000の総デシテックス/本の繊度のマルチフィラメント撚りのポリケトンの繊維からなり、前記ポリケトン繊維が、次の式1及び式2:
σ≧−0.01E+1.2 ・・・(式1)
σ>0.4 ・・・・・・・・・・(式2)
(式中、σは177℃の温度での熱収縮応力であり、及びEは25℃の温度での49N時弾性率である。)
を同時に満たす熱収縮特性を有することを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記熱収縮特性が可逆性を示し、前記熱収縮特性によって、前記ポリケトン繊維が、高温下で収縮し、室温へ戻すと伸張する、請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記ポリケトン繊維の不飽和化合物由来の部分が、エチレン基である、請求項1〜3のいずれか一項空気入りタイヤ。
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