JP3704015B2 - ポリケトン繊維およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた力学特性と熱寸法安定性、安定な熱収縮応力を有するポリケトン繊維および該ポリケトン繊維からなるパッケージおよびその製造方法に関する。さらに詳しくは、高強度・高弾性率の優れた力学特性を有し、かつ、極めて優れた熱収縮特性、熱寸法安定性を有するポリケトン繊維、および、巻き量が多くても容易に巻き取り機から取り外せ、巻き姿が良好で解じょしやすいポリケトン繊維パッケージおよびその製造方法に関する。本発明のポリケトン繊維は衣料用途や産業用資材用途など幅広く適用可能であり、特に優れた力学特性が要求され加工時や使用時に熱を受けやすい産業用資材用途、特にベルトやタイヤコード等の補強用繊維材料として有用である。また、本発明のポリケトン繊維を巻き付けたパッケージは巻きしまりが小さく巻き姿が良好であるため、多量の繊維を巻き付けることが可能となり、より生産性よく効率的に製品を提供することが可能となる。
【0002】
【従来の技術】
近年、一酸化炭素とエチレン、プロペンのようなオレフィンとをパラジウムやニッケルを触媒として重合させることにより、一酸化炭素とオレフィンが実質完全に交互共重合した脂肪族ポリケトンポリマーが得られることが見いだされ(工業材料、12月号、第5ページ、1997年)、以後ポリケトンポリマーの繊維化の検討が行われている。
ポリケトン繊維は、従来のポリオレフィン繊維に比べて融点が高く、また高強度・高弾性率の繊維が得られることが知られており、この優れた物性を活かして産業用資材、土木用資材、生活資材、衣料用途など幅広い用途への展開が検討されている。中でも高強度、高弾性率の優れた機械的特性と高融点の熱的特性を活かして産業用資材用途、特にタイヤコード用途への展開が期待されている。
【0003】
これまで高強度、高弾性率のポリケトン繊維については、いくつかの技術が開示されており、例えば、特開平1−124617号公報、Polym.Prepr.(Am.Chem.Soc.,Div.Polym.Chem.),36,1,291−292、Prog.Polym.Sci.,Vol.22,8,1547−1605(1997)、では溶融紡糸を行う方法が、また、特開平2−112413号公報、特表平4−505344号公報、特開平2−112413号公報、特開平4−228613号公報、特表平7−508317号公報、特表平8−507328号公報、米国特許5955019号明細書、WO9918143号公開パンフレットでは溶剤を用いて湿式紡糸を行う方法が開示されている。
【0004】
これらの文献では、溶融紡糸や湿式紡糸によって得られたポリケトン未延伸糸を加熱下で高度に延伸することで高強度・高弾性率のポリケトン繊維を得る技術が開示されているが、このような高度な延伸を受けたポリケトン繊維は高強度・高弾性率であるものの繊維が強い歪みを残しており、熱収縮応力が高く加工時や使用時に熱を受けた際に繊維が強く収縮するため、加工時に製品が歪んだり使用時に製品の形態が損なわれる問題があった。また、これらのポリケトン繊維を巻き付けたパッケージは、パッケージ状に巻き取られた状態で繊維に残った余熱により繊維が収縮する問題、いわゆる巻きしまりの問題が起こりやすく、巻き量が多くなると巻き取り機からの取り外しが困難となり、また、パッケージ形態が不良となり輸送時や取り扱い時に形態が崩れたり、解じょがスムースに出来なくなるという問題があった。
【0005】
このため、パッケージあたりの巻き取り量を多くすることが出来ず、特に、総繊度の大きな繊維が要求される産業用資材用途では製品として十分な量を巻き取ったパッケージを得ることが出来なかった。
ポリケトン繊維を製造する際の延伸倍率を低くすれば熱収縮応力の低い繊維が得られるようになるが、このような低倍率の延伸を受けた繊維では十分な強度・弾性率を有する繊維を得ることが出来ないという問題があった。
以上のように、これまで高強度、高弾性率の優れた力学特性および優れた熱収縮特性、熱寸法安定性を有し、衣料用途や産業用繊維、特にホースやベルト、タイヤコード等の補強用繊維材料に適したポリケトン繊維およびそのパッケージおよびそれらの製造方法については一切知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、高強度・高弾性率のポリケトン繊維において、熱収縮特性に優れ、巻き取り時や加工時、製品として使用時に激しい収縮を起こさないポリケトン繊維、および、多量のポリケトン繊維を安定に巻き付けることが可能なポリケトン繊維パッケージを提供することにある。具体的には、強度が7cN/dtex以上、弾性率が100cN/dtex以上の優れた力学特性を有するとともに、最大熱収縮応力が0.01〜0.7cN/dtexと小さい特性を兼ね備えたポリケトン繊維、および、0.5kg以上のポリケトン繊維を巻き付けても巻き取り機から容易に取り外すことが可能であり、巻き取り形態が良好で解じょしやすいポリケトン繊維パッケージを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を達成するために、ポリケトン繊維の製造条件について鋭意検討した結果、ポリケトン繊維を高度に熱延伸した後に特定の条件の温度・張力下で処理することがその対策となる可能性を見いだし、さらに検討した結果、本発明に達した。
すなわち、本発明はオレフィンと一酸化炭素とを共重合してなるポリケトンポリマーを溶剤に溶解して繊維状とした後に溶剤を除去乾燥し熱延伸するか、または、ポリケトンポリマーを溶融し繊維状とした後に熱延伸を行うポリケトン繊維の紡糸方法において、トータル延伸倍率10倍以上で熱延伸して得られた延伸糸を100〜280℃に加熱し、かつ、加熱時に延伸糸にかかる張力が0.001〜1cN/dtexの範囲で熱処理する工程を含むことを特徴とするポリケトン繊維の製造方法である。
【0008】
本発明に用いるポリケトンポリマーは、オレフィンと一酸化炭素との共重合ポリマーである。強度・弾性率などの機械的特性、耐熱性の観点からエチレンと一酸化炭素が結合した1−オキソトリメチレンを主たる繰り返し単位とするポリマーが好ましい。尚、1−オキソトリメチレンとは−CH2 CH2 C(=O)−の化学式で示される基である。繰り返し単位中の1−オキソトリメチレンの割合は、多ければ多いほど高融点、高力学物性の繊維が得られるため97重量%以上であることが好ましく、特に100重量%が1−オキソトリメチレンであることが好ましい。
【0009】
オレフィンと一酸化炭素とが結合した繰り返し単位同士は、部分的にケトン基同士、オレフィン同士が結合していてもよいが、90重量%以上がオレフィンと一酸化炭素が交互に配列したポリケトンポリマーであることが望ましい。耐光性、耐熱性、高温時の物性の低下の観点からオレフィンと一酸化炭素が交互に配列した部分の含有率は多ければ多いほどよく、好ましくは97重量%以上、最も好ましくは100重量%である。
また、必要に応じて、プロペン、ブテン、ヘキセン、シクロヘキセン、ペンテン、シクロペンテン、オクテン、ノネン等のエチレン以外のオレフィンやメチルメタクリレート、酢酸ビニル、アクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、スチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、ビニルピロリドン、塩化ビニル等の不飽和炭化水素を有する化合物を共重合してもよい。
【0010】
ポリケトンポリマーの重合度としては、本発明の実施例に記載した方法で測定される極限粘度が1〜20であることが望まれる。極限粘度が1未満では分子量が低すぎて高強度のポリケトン繊維を得ることが困難となるばかりか、凝固糸の物性(強度・伸度)が低くなるため紡糸時や乾燥時、延伸時に毛羽や糸切れ等の工程上のトラブルが多発する。一方、極限粘度が20を超えるとポリマーの重合に時間、コストがかかるばかりか、均一な溶解が困難となり紡糸性や繊維物性にも悪影響が出る。このため、本発明に用いるポリケトンポリマーの極限粘度としては、好ましくは1〜20、より好ましくは2〜10、特に好ましくは3〜8であることが望ましい。
【0011】
本発明のポリケトン繊維は、結晶化度が50〜90%、結晶配向度が90%以上の結晶構造を有することが必要である。結晶化度が50%未満の場合、繊維の構造形成が不十分であり十分な強度が得られないばかりか熱時の収縮特性、寸法安定性も不安定となる。このため、結晶化度としては好ましくは50〜90%、より好ましくは60〜85%であることが望ましい。また、結晶配向度は90%未満の場合、分子鎖の配向が不十分で十分な弾性率を有する繊維が得られないため、結晶配向度としては好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上であることが望ましい。
【0012】
また、本発明のポリケトン繊維は、引っ張り強度が7cN/dtex以上、引っ張り弾性率が100cN/dtex以上であることが必要である。引っ張り強度は高いほど、強度の要求される分野での使用が可能となったり、使用する繊維の重量を少なくすることが出来るようになるため、好ましくは7cN/dtex以上、より好ましくは10cN/dtex以上、特に好ましくは15cN/dtex以上であることが望ましい。また、引っ張り弾性率は高いほど同一荷重下での寸法変化が小さく形態安定性に優れることから、好ましくは100cN/dtex以上、より好ましくは200cN/dtex以上、特に好ましくは300cN/dtex以上であることが望ましい。
【0013】
さらに、本発明のポリケトン繊維は最大熱収縮応力が0.01〜0.7cN/dtexの範囲であることが必要である。熱収縮応力は高すぎると巻き取り時に巻きしまりが起こり巻き取り機からパッケージを抜き取ることが困難となったり、加工時や使用時に熱を受けた際に収縮して製品形態に歪みが生じたり、場合によっては変形によって製品性能が著しく低下する問題が起こる。これらの理由により最大熱収縮応力は、0.7cN/dtex以下であることが重要である。引っ張り弾性率が100〜200cN/dtexであるポリケトン繊維や総繊度が1000dtex以上の太繊度のマルチフィラメントの場合においては、最大熱収縮応力が0.6cN/dtex以下であることが好ましい。
一方、最大熱収縮応力が0.01cN/dtex未満の場合、加工時に熱セットによる形態固定を行うことが出来ず、製品に成形した際に緩みが発生しやすくなるという問題がある。このため、最大熱収縮応力としては好ましくは0.01〜0.7cN/dtex、より好ましくは0.02〜0.5cN/dtex、特に好ましくは0.03〜0.3cN/dtexの範囲にあることが望ましい。
【0014】
また、最大熱収縮応力を示す温度である最大熱収縮温度は100〜250℃の範囲であることが望ましい。最大熱収縮温度が100℃未満の場合、パッケージに巻き取る際や製品を通常の条件で使用する際でも比較的高い収縮応力が発生してしまい、巻きしまりや製品の歪み等の問題が起こりやすくなる。また、最大収縮温度が250℃を超える場合、加工温度付近での熱応力の温度依存性が高く、安定した加工が困難となる。このため、最大熱収縮温度としては好ましくは100〜250℃、より好ましくは150〜240℃であることが望ましい。
【0015】
また、本発明のポリケトン繊維は熱収縮応力が低いばかりでなく、熱に対する寸法安定性にも優れる。熱収縮率が高いと加工時や使用時の製品の寸法変化が大きくなり製品品位や品質の低下が起こる。一方、熱収縮率が0%未満(伸長する)場合にも同様の問題が発生するため、熱寸法安定性の望ましい特性としては、150℃における熱収縮率が0〜2%、より好ましくは0〜1.5%、特に好ましくは0〜1%であることが望ましい。
さらに本発明者らは、上述のような優れた熱収縮応力、熱収縮率を有するポリケトン繊維は、100〜150℃の温度領域において高い弾性率を維持しながら、なおかつ、弾性率の温度変化が小さいという特性を併せ持つようになることを見いだした。従来、1−オキソトリメチレンを主成分とするポリケトンポリマーを塩化亜鉛等の溶剤に溶解した後に湿式紡糸を行い、さらに高度に熱延伸した繊維は動的粘弾性測定において100℃付近に貯蔵弾性率の極小を有するようになる(特願平11−77220号公報)。この弾性率が極小値を有するという特性は150℃以上の高温領域での加工、使用では問題にならないが、100℃付近の温度領域で使用する場合には弾性率の変化に伴う寸法変化が起こり問題となる。これらの繊維の弾性率変化量として具体的には、特願平11−77220号公報に記載の方法により測定された90〜120℃の範囲における貯蔵弾性率の最大値Emax と最小値Emin の変化率ΔEが10%を超え、場合によっては15%を超える大きな変化を示す。ここで、貯蔵弾性率の変化率ΔEは下式により算出される値である。
ΔE=(Emax −Emin )/Emin ×100(%)
これに対して、本発明のポリケトン繊維においては貯蔵弾性率の極小値の落ち込みが小さい、あるいは、極小値が現れず弾性率のほとんど変化しない繊維が得られるようになる。貯蔵弾性率の変化率ΔEは性能、形態の安定性の観点から小さければ小さいほどよく、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下、特に好ましくは5%以下であることが望ましい。
また、ポリケトン繊維の単糸繊度および単糸数については使用条件、用途によって変化するため特に制限はなく、短繊維、長繊維のいずれでもよい。単糸繊度としては、好ましくは0.01〜100dtex、単糸数1〜10000f、総繊度30〜100000dtexの範囲であり、より好ましい範囲としては、単糸繊度0.1〜10dtex、単糸数10〜5000、総繊度100〜10000である。マルチフィラメントの場合には必要に応じて撚糸されていても良い。撚り数は単糸繊度、総繊度、用途等に応じて変化するため一概には定義できないが、通常は繊維長さ1mあたりに2〜1000回程度である。
また、ポリケトン繊維中には目的に応じて、油剤、酸化防止剤、クエンチング剤、ラジカル捕捉剤、重金属不活性化剤、ゲル化抑制剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、顔料等の添加剤、他のポリマー等を含んでいてもよい。
【0016】
このような熱収縮特性、熱寸法安定性を有するポリケトン繊維は、巻き取った際の寸法変化や収縮が起こりにくいため、該ポリケトン繊維を巻き付けたパッケージは巻きしまりの小さく、パッケージ形態が良好かつ安定で解じょのしやすいものが得られる。パッケージの形態としては特に制限はなく、チーズ状、パーン状、コーン状等従来公知の形態で巻き取ることが出来る。パッケージの巻き取り量としては特に制限はないが、作業効率、製造コストおよび運搬性、加工時の取り扱い性の点から好ましくは0.5〜30kg、より好ましくは2〜25kg、特に好ましくは5〜20kgであることが望ましい。巻き付け量が2kg以上の多量のポリケトン繊維をパッケージ形態とする際には、取り扱い性の観点からチーズ状パッケージとすることが望ましいが、その場合バルジ率が20%以下であることが重要である。ここで、バルジとは図1に示すように巻きしまりによってパッケージに糸の収縮力による締め付けが強く作用した際に起こるチーズ上面の膨らみである。バルジ率とは図1に示す最内層の巻き幅Aに対する中層の最大膨らみ部の巻き幅Bの割合を示すものであり、以下の式で表される。
【0017】
バルジ率 = {(B−A)/A}×100 (%)
バルジ率は、巻きしまりの程度を示すパラメーターとなる。チーズ状パッケージのバルジ率が20%を超えるものは、巻きしまりが大きく巻き取り機からはずれなくなる場合が多い他、解じょ張力のムラによる糸切れ、毛羽等が起こりやすい。バルジ率としては、より好ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下、最も好ましくは0%である。
【0018】
以下、本発明においてポリケトン繊維およびポリケトン繊維パッケージを製造する方法を例示するが、これらの方法によって本発明のポリケトン繊維およびポリケトン繊維パッケージは何ら限定されるものではない。
上述したポリケトンポリマーを用いてポリケトン未延伸糸の紡糸が行われるが、未延伸糸の製造方法については特に制限はなく、従来公知の溶融紡糸方法、湿式紡糸方法をそのままあるいは必要に応じて改良して用いることが出来る。例えば、溶融紡糸方法を採用する場合には、共重合により融点を240℃以下にしたポリケトンポリマーに、必要に応じて公知のゲル化抑制剤や熱安定剤を配合した後に融点+5℃〜融点+30℃の温度にてポリマーを溶融した後に、紡糸口金より吐出して巻き取り速度10〜3000m/分、好ましくは100〜1500m/分の速度にて未延伸糸を曳き取る。
【0019】
湿式紡糸法についてもその方法に特に制限はないが、溶剤の安全性、取り扱い性の観点からハロゲン化亜鉛塩溶液を溶剤とする湿式紡糸方法が好適に用いられる。ハロゲン化亜鉛を溶剤とする湿式紡糸法としては、例えば、ハロゲン化亜鉛を15〜80重量%含有する溶液にポリケトンポリマーを2〜30重量%溶解してドープとし、温度50〜130℃にて紡糸口金より凝固浴に吐出し、ドープを糸状物とし、得られた糸状物を必要に応じて洗浄して溶剤を除去した後に速度0.01〜100m/分にて曳きとることでポリケトン凝固糸が得られる。さらに引き続きこの凝固糸を加熱乾燥することでポリケトン未延伸糸を得ることが出来る。
上述のような溶融紡糸法や湿式紡糸法で曳き取られた未延伸糸は、一旦巻き取り機に巻き取った後に、あるいは、巻き取ることなく引き続き連続して延伸工程に供される。
【0020】
ポリケトン繊維の延伸法としては、糸をガラス転移温度よりも高い温度に加熱して引き伸ばす熱延伸法が好適に用いられ、一段あるいは二段以上の多段にて延伸する。加熱延伸方法としては、加熱したロール上やプレート上、あるいは加熱気体中を走行させる方法や、走行糸にレーザーやマイクロ波、遠赤外線を照射する方法等従来公知の装置、方法をそのままあるいは改良して採用することが出来る。伝熱効率、糸温度の均一性の観点から加熱ロール、加熱プレート上での延伸が好ましく、ロールとプレートを併用した延伸法であってもよい。また、ロールやプレートの周囲を密閉し、密閉空間内に加熱気体を充填するとより温度が均一な延伸が可能となり好ましい。好ましい延伸温度範囲としては、110〜融点、さらに好ましくは、融点−50℃〜融点−5℃の範囲である。また、多段延伸を行う場合には延伸段数とともに延伸温度が徐々に高くなっていく昇温延伸が好ましい。具体的な昇温延伸の条件としては例えば、1段目に220〜250℃、2段目に250〜260℃、3段目に260〜265℃、4段目に265℃〜融点というように延伸の状況に応じて適宜選択することが出来る。延伸倍率は好ましくはトータルで5倍以上、より好ましくは10倍以上、特に好ましくは15倍以上の倍率まで延伸することが望ましい。
【0021】
しかしながらこのように高い倍率、特に10倍以上の倍率まで引き伸ばされたポリケトン延伸糸は非常に高い残留応力を有しており、巻き取った際にはパッケージの巻きしまりを起こしたり、加工時や使用時に熱を受けた際に強い収縮応力を発生する。本発明者らは、このような高度の延伸を受けたポリケトン繊維を、特定の条件で処理することにより巻きしまりや熱収縮応力の発生を抑制出来るようになることを見いだした。すなわち、ポリケトン延伸糸を100〜280℃に加熱し、かつ、加熱下の張力が0.001〜1cN/dtexとなる範囲で熱処理した場合に、上述の巻き締まりや熱収縮応力の問題を解決出来ることを見いだした。
【0022】
延伸糸を加熱する温度としては、100〜280℃の範囲であることが好ましい。100℃未満の場合、ポリケトン繊維の内部歪みを十分に緩和することが出来ず、パッケージおよび製品糸の収縮応力の抑制が不十分となる。また、温度が280℃を超えると糸の融着が起こったり、強度低下が起こるなどして、高品質の延伸糸を円滑に得ることが困難となる。このため、加熱温度としては好ましくは100〜280℃、より好ましくは120〜270℃、特に好ましくは150〜250℃であることが望ましい。
【0023】
さらに、延伸糸を加熱する際には加熱時の張力が0.001〜1cN/dtexになるようにして処理することが重要である。熱処理時の張力が0.001cN/dtex未満の場合、処理時に糸のたるみが発生する問題、糸の品質がばらつく問題、パッケージのフォームが不良になる等の問題が生じることがある。一方、熱処理時の張力が1cN/dtexを超える場合、熱処理時に新たな残留応力が繊維内部に発生し巻き締まりや熱収縮応力が十分に抑制出来ない。このため、熱処理時の張力としては0.001〜1cN/dtexの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.005〜0.5cN/dtex、特に好ましくは0.01〜0.3cN/dtexの範囲で処理することが望ましい。
【0024】
延伸糸を加熱する方法としては特に限定はされず、ロールやプレート等の加熱固体やシリコーンやエチレングリコール等の加熱液体、加熱空気や窒素等の加熱気体、遠赤外線や炭酸ガスレーザー等の従来公知の加熱方法をそのまま、あるいは組み合わせて用いることが出来る。加熱処理は、一旦延伸糸を巻き取ってパッケージにした後に加熱処理するバッチ処理方式で行っても、また、延伸終了後引き続き連続して加熱処理を行う連続処理方式で行ってもよく、生産性や多量巻きのパッケージが採れるという点で連続処理方式が好適に用いられる。タイヤコード用繊維等の太繊度のマルチフィラメントを多量に処理する場合には、伝熱効率や各単糸の温度の均一性の観点からホットロール上やホットプレート上等の固体表面上に繊維を走行せしめて加熱する方法が効率的であり、特にホットロール上での熱処理は接触抵抗が小さく繊維表面の擦過がないため好適に用いられる。
【0025】
ホットロール上で熱処理する場合には、熱処理後の繊維長/熱処理前の繊維長が0.8〜1.0とした場合に熱収縮応力の小さいポリケトン繊維を得ることが出来る。この熱処理前後の繊維長の比は熱処理を行う延伸糸の延伸履歴や熱処理温度によって若干異なるが、0.8より小さいと緩みが発生して均質な繊維をえることが出来なくなるため好ましくは0.85以上、より好ましくは0.9以上であることが望ましい。また、比率が1.0を超えると十分に熱収縮応力を抑制することが出来なくなるため、好ましくは0.99以下、より好ましくは0.98以下であることが望ましい。
ロール上で均一かつスムースに繊維を熱処理するためには、ロール上である程度自由にポリケトン繊維が伸縮出来ることが好ましく、ロール表面を梨地等の摩擦抵抗の小さい材質に加工してもよい。また、ロール表面全面を梨地にするのではなく、繊維の入り側を鏡面等の摩擦抵抗の大きい材質に、繊維の出側(巻き取り機側)を梨地等の摩擦抵抗の小さい材質にしてロール上でのポリケトン繊維の伸縮率を制御してもよい。
【0026】
このような方法により延伸時に受けた歪みを熱緩和されたポリケトン繊維を、速度規制ロールを介して、あるいは直接巻き取り機にて巻き取ってパッケージとする。巻き取りの際の張力は、高すぎるとポリケトン繊維の弾性歪みによる巻きしまりが発生する。また、巻き取り張力が低すぎるとパッケージの巻き取り形態の崩れが発生しやすくなるため、好ましくは0.001〜0.8cN/dtex、より好ましくは0.01〜0.3cN/dtexの範囲で巻き取ることが望ましい。また、パッケージの形態については特に制限はなく、チーズ状、コーン状、ケーク状、パーン状等どのような形態であってもよい。総繊度が300dtex以上のような太繊度のフィラメントを巻き取る場合には、コーン状、チーズ状、パーン状のパッケージ形態が好適に用いられる。
【0027】
また、本発明のポリケトン繊維は短繊維として用いてもよく、上述の延伸・熱処理方法にて得られた本発明のポリケトンフィラメントを糸長方向にカットすることで得られる。短繊維の長さについては特に制限はなく、使用環境、使用目的に応じて任意の長さにカットすればよいが、通常は短繊維の平均長で0.1〜100mmの長さのものが好適に用いられる。なお、本発明において短繊維の平均長Lは、1本の短繊維の長て方向(繊維軸方向)の長さを繊維長Liとして、任意に選ばれた100本の短繊維の平均の長さとして次の式で算出される。このような短繊維は、コンクリートなどの補強材料として、あるいは紡績糸として編み物やロープなどの用途に有用である。
【0028】
【式1】
【0029】
以上のようにして得れらたポリケトン繊維は、そのまま、あるいは必要に応じて撚糸、仮撚り、嵩高加工、捲縮加工、捲回加工などの加工を施した加工糸として、さらには織物や編み物、あるいは不織布に加工した繊維製品として用いることが出来る。
本発明のポリケトン繊維を撚糸した撚糸物(撚糸コード)は、本発明のポリケトン繊維と同様に優れた熱収縮特性を示し、加工や使用時に熱を受ける用途、例えばタイヤ、ベルト、ホース等の補強材料用途において極めて有用である。撚糸の種類、方法、合撚本数については特に制限はなく、本発明のポリケトン繊維の撚り糸の種類としては例えば、片撚り糸、もろ撚り糸、ピッコもろ撚り糸、強撚糸などが挙げられる。合撚する本数も特に制限はなく1本撚り、2本撚り、3本撚り、4本撚り、5本撚りのいずれでもよく6本以上の合撚であってもよい。
【0030】
また、撚糸数についても単糸繊度や総繊度によって変化するため特に制限はなく、加工条件、使用環境に応じて任意に撚糸数を選定すればよい。例えば、単糸繊度が0.01〜10dtex、総繊度が30〜100000dtexであるポリケトンマルチフィラメントからなる撚糸コードの場合には、下式で表される撚り係数Kが1000〜30000の範囲で撚糸されたものが好適に用いられる。
K=Y×D0.5 (T/m・dtex0.5 )
ここで、Yは1mあたりの撚り数(T/m)、Dはポリケトンマルチフィラメントの総繊度(dtex)である。
【0031】
撚り係数Kが上述の範囲内にあるポリケトン撚糸コードの最大熱収縮応力は0.01〜0.6cN/dtexであることが望ましい。最大熱収縮応力が0.01cN/dtex未満の場合、成形後のセット時や使用時に熱を受けた際に成型品にゆるみやたるみが生じる問題が起こることがある。一方、ポリケトン撚糸コードの最大熱収縮応力が0.6cN/dtexを超える場合、この後の加工時や使用時に強い収縮力によって成型品に歪みが生じる問題が起こることがある。このため、ポリケトン撚糸コードの最大熱収縮応力としては、好ましくは0.01〜0.6cN/dtex、より好ましくは0.02〜0.5cN/dtex、さらに好ましくは0.03〜0.3cN/dtexであることが望ましい。
【0032】
このようなポリケトン撚糸コードに濃度10〜30重量%のレゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL)液を付着させ、少なくとも100℃の熱をかけて固着させることで熱特性に優れるポリケトン処理コードを得ることが出来る。
本発明のポリケトン繊維処理コードは最大熱収縮応力が0.01〜0.2cN/dtexであることが必要である。最大熱収縮応力が0.01cN/dtex未満の場合、熱セット時や使用時に成型品にたるみが生じる問題が起こる場合がある。一方、最大熱収縮応力が0.2cN/dtexを超えると、ゴム加硫時や使用時に収縮が起こり成型品に歪みが生じる問題が起こる場合がある。以上の理由から、ポリケトン処理コードの最大熱収縮応力としては、好ましくは0.01〜0.2cN/dtex、より好ましくは0.02〜0.18cN/dtex、さらに好ましくは0.03〜0.15cN/dtexであることが望ましい。RFL樹脂の付着量は、繊維重量に対して2〜7重量%が好ましい。RFL液の組成は特に限定されず、従来公知の範囲の組成のものをそのまま、あるいは手を加えて使用することが出来る。RFL液の好ましい組成としては、レゾルシンを0.1〜10重量%、ホルマリンを0.1〜10重量%、ラテックスを1〜28重量%であり、より好ましい組成としてはレゾルシン0.5〜3重量%、ホルマリン0.5〜3重量%、ラテックス10〜25重量%が望ましい。また、RFL液の乾燥温度としては好ましくは120〜250℃、より好ましくは140〜200℃であり、少なくとも10秒、好ましくは20〜120秒間乾燥熱処理することが望ましい。また、乾燥後のRFL付着コードは、引き続き定長熱処理または緩和熱処理を行うことが望ましい。熱処理条件としては、処理温度は好ましくはポリケトン撚糸コードの最大熱収縮温度±50℃、より好ましくは最大熱収縮温度±10℃、最も好ましくは最大熱収縮温度±5℃であり、熱処理時間は好ましくは10〜300秒、より好ましくは30〜120秒が望ましい。また、熱処理の際にはコードを定長にまたは緩和維持することが望ましい。
【0033】
以上のような特性を具備するポリケトン繊維、ポリケトン繊維コードは、そのままあるいは繊維製品に加工され、衣料用、産業用、生活資材等の幅広い用途に適用可能である。なお、本発明において繊維製品とは、本発明のポリケトン繊維のみから構成される糸、中空糸、多孔糸、綿、紐、編物、織物、不織布およびこれらを使用した衣類、医療用器具、生活資材、タイヤコード、ベルト、コンクリート補強材料等はもちろんのこと、該ポリケトン繊維を少なくとも一部に使用した繊維製品が含まれる。該繊維製品においては、ナイロン6、ナイロン6・6等のポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、アラミド繊維、羊毛、ポリアクリロニトリル繊維、木綿、ビスコースレーヨン等のセルロース繊維などの従来公知の繊維と複合して用いてもよい。また、同一種の繊維であっても熱的・機械的特性の異なる繊維、あるいは繊度やフィラメント数の異なる繊維、または長繊維や短繊維、紡績糸などを複合して用いてもよい。
【0034】
特に本発明のポリケトン繊維はタイヤコードやホース、ベルト等のゴム補強材料、コンクリート補強材料、フィルターやハウスラップ等の不織布、さらにはエアバッグやシート等の織物、漁網などの編み物、釣り糸、縫い糸、ロープなどの産業用資材や婦人用衣料、スポーツ用衣料、ユニフォーム、作業衣などの衣料用繊維、生活用資材などに幅広く使用することが可能となる。
【0035】
【実施例】
本発明を、下記の実施例などにより更に詳しく説明するがそれらは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例の説明中に用いられる各測定値の測定方法は次の通りである。
(1)極限粘度
極限粘度[η]は次の定義式に基づいて求められる値である。
定義式中のt及びTは、純度98%以上のヘキサフルオロイソプロパノール及び該ヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間である。また、Cは上記100ml中のグラム単位による溶質重量値である。
【0036】
(2)繊度、引っ張り強度、引っ張り伸度、引っ張り弾性率
JIS−L−1013に準じて測定した。引っ張り弾性率は伸度0.1%における荷重と伸度0.2%における荷重から算出した初期弾性率の値を採用した。また、撚糸コードの繊度については、コード10mあたりの重量W(g)を計量し、W×1000をコードの繊度とした。
(3)最大熱収縮応力、最大熱収縮温度
(株)東洋精機製作所製CORD−TESTER(Goodrich Type)を用いて、下記の条件で一定変位下における繊維およびコードの熱収縮力特性を測定した。
計測された温度−収縮力カーブから最大の収縮力Fmax (cN)および最大の収縮力を示す温度Tmax (℃)を読みとり、Fmax を試料の繊度(dtex)で除して最大収縮応力σmax (cN/dtex)を求めた。
【0037】
(4)乾熱収縮率
オーブン中で150℃、30分の乾熱処理を行い、前後の繊維長を、1/30(cN/dtex)の荷重をかけて計測して下式により求めた。
乾熱収縮率=(Lb −La )/Lb×100 (%)
ただし、Lb は熱処理前の繊維長、La は熱処理後の繊維長である。
(5)結晶化度
パーキンエルマー社製示差熱測定装置Pyrislを用いて下記条件で測定を行った。
測定温度 : 30℃→300℃
昇温速度 : 20℃/分
雰囲気 : 窒素、流量=200ml/分
得られる吸発熱曲線において、200℃〜300℃の範囲で得られる最大の吸熱ピークの面積から計算される熱量ΔH(J/g)より下記式により算出した。
結晶化度 = ΔH/225 × 100 (%)
【0038】
(6)結晶配向度
株式会社リガク製イメージングプレートX線回折装置RINT2000を用いて下記の条件で繊維の回折像を取り込んだ。
X線源 : CuKα線
出力 : 40KV 152mA
カメラ長 : 94.5mm
測定時間 : 3分
得られた画像の2θ=21°付近に観察される(110)面を円周方向にスキャンして得られる強度分布の半値幅Hから次の式により算出した。
結晶配向度=(180−H)/180×100 (%)
(7)貯蔵弾性率の変化率(ΔE)
繊維30mmの両端をたるみがないように結んだものを試料とし、動的粘弾性測定装置(RheoVibronDDV−01FP:ORIENTEC(株)社製)にて以下の条件で測定した。
周波数 : 110Hz
測定温度 : 20℃→260℃
昇温速度 : 5℃/分
測定インターバル:1回/℃
振幅 : 16μm
単一波形
プリロード加重:0.1cN/dtex
測定により得られた90〜120℃における貯蔵弾性率の最大値をEmax 、90〜120℃における貯蔵弾性率の最小値をEmin として、下式により貯蔵弾性率の変化率ΔEを算出した。
ΔE=(Emax −Emin )/Emin ×100(%)
【0039】
【実施例1】
常法により調製したエチレンと一酸化炭素とが完全交互共重合した極限粘度5.3のポリケトンポリマーを、塩化亜鉛65重量%/塩化ナトリウム10重量%含有する水溶液に添加し、80℃で2時間攪拌溶解しポリマー濃度8重量%のドープを得た。このドープを80℃に加温し、20μm焼結フィルターでろ過した後に、80℃に保温した紡口径0.10mmφ、50ホールの紡口より10mmのエアーギャップを通した後に5重量%の塩化亜鉛を含有する18℃の水中に吐出量2.5cc/分の速度で押し出し、速度3.2m/分で曳きながら凝固糸条とした。
【0040】
引き続き凝固糸条を濃度2重量%、温度25℃の硫酸水溶液で洗浄し、さらに30℃の水で洗浄した後に、速度3.2m/分で凝固糸を巻き取った。この凝固糸にIRGANOX1098(Ciba Specialty Chemicals社製:商品名)、IRGANOX1076(Ciba SpecialtyChemicals社製:商品名)をそれぞれ0.05重量%ずつ(対ポリケトンポリマー)配合した後に、該凝固糸を240℃にて乾燥後、仕上げ剤を付与して未延伸糸を得た。仕上げ剤は以下の組成のものを用いた。
オレイン酸ラウリルエステル/ビスオキシエチルビスフェノールA/ポリエーテル(プロピレンオキシド/エチレンオキシド=35/65:分子量20000)/ポリエチレンオキシド10モル付加オレイルエーテル/ポリエチレンオキシド10モル付加ひまし油エーテル/ステアリルスルホン酸ナトリウム/ジオクチルリン酸ナトリウム=30/30/10/5/23/1/1(重量%比)。
【0041】
得られた未延伸糸を1段目を240℃で、引き続き258℃で2段目、268℃で3段目、272℃で4段目の4段延伸を行いトータル延伸倍率17倍の延伸を行いポリケトン延伸糸を得た。
引き続き、該延伸糸を200℃のホットプレートにて張力0.03cN/dtexとなるように熱処理後巻き取り機にて巻き取った。この熱処理糸は、強度15.2cN/dtex、伸度4.6%、弾性率339cN/dtexと高い物性を有しており、かつ乾熱収縮率が0.3%、最大熱収縮応力が0.42cN/dtexと優れた熱収縮特性を具備していた。またこの繊維のΔEは4.9%であった。
本発明の実施例のポリケトン繊維および撚糸コードの繊維特性および熱処理条件を下記の実施例2〜実施例22の結果と併せて表1にまとめて示す。
【0042】
【実施例2】
実施例1において得られた延伸糸を、150℃のホットプレートにて張力0.04cN/dtexとなるように熱処理を行った。
【実施例3】
実施例1において得られた延伸糸を、250℃のホットプレートにて張力0.03cN/dtexとなるように熱処理を行った。
【実施例4】
実施例1において得られた延伸糸を、270℃に加熱した空気を充填した円筒中を走行させて張力0.01cN/dtexとなるように熱処理を行った。
【0043】
【実施例5】
実施例1において得られた延伸糸を、200℃のホットプレートにて張力0.1cN/dtexとなるように熱処理を行った。
【実施例6】
実施例1において得られた延伸糸を、200℃のホットプレートにて張力0.35cN/dtexとなるように熱処理を行った。
【実施例7】
実施例1において得られた延伸糸を、200℃のホットプレートにて張力0.009cN/dtexとなるように熱処理を行った。
【0044】
【実施例8】
実施例1において得られた延伸糸を巻き取ることなく、引き続き220℃に加熱した直径200mmの2組のネルソンロールに巻き付け10ラップさせた後に巻き取った。ネルソンロール表面は全面梨地加工したものを用いた。加熱ロール出口の糸速度を加熱ロール出口の糸速度で除した値(熱緩和倍率)は0.96倍であった。
【実施例9】
ネルソンロールの加熱温度を180℃とする以外は実施例8と同様にして熱処理を行った。加熱ロール出口の糸速度を加熱ロール出口の糸速度で除した値(熱緩和倍率)は0.98倍であった。
【0045】
【実施例10】
実施例1において得られたドープを用い、紡口径0.10mm、L/D=1、250ホールの紡口より12.5cc/分の速度で押し出し、凝固させた。凝固糸を引き続き濃度2重量%の硫酸水溶液で洗浄し、さらに30℃の水で洗浄した後、巻き取り速度2.5m/分で巻き取り、さらに得られた糸状物を200℃にて乾燥して未延伸糸を得た。
この未延伸糸を240℃で1段目の延伸を行った後に、引き続き260℃で2段目、270℃で3段目の延伸を行いトータルで15倍の延伸を行い、延伸糸を得た。
この延伸糸を熱処理張力を0.07cN/dtexとする以外は実施例1と同様にして熱処理を行った。
【0046】
【実施例11】
常法により、1−オキソ−3−メチルトリメチレンユニット3重量%、1−オキソトリメチレンユニットを97重量%からなるエチレン/プロピレン/一酸化炭素ターポリマー(極限粘度4.9)を調製した。このポリケトンポリマーを、塩化亜鉛65重量%/塩化ナトリウム10重量%含有する水溶液に添加し、80℃で2時間攪拌溶解しポリマー濃度10重量%のドープを得た。このドープを用いて、実施例1と同様にして紡糸行い凝固糸を得た。
この凝固糸を乾燥温度200℃、延伸温度を200℃、220℃、230℃の3段でトータル延伸倍率13倍の熱延伸を行い延伸糸を得た。
該延伸糸を熱処理温度を180℃、熱処理張力を0.03cN/dtexとする以外は実施例1と同様にして熱処理を行い巻き取った。
【0047】
【実施例12】
常法により、1−オキソ−3−メチルトリメチレンユニット6重量%、1−オキソトリメチレンユニットを94重量%からなるエチレン/プロピレン/一酸化炭素ターポリマー(極限粘度1.1)を調製した。このポリケトンポリマーにカルシウムヒドロキシアパタイト粉末を0.5重量%添加し紡糸温度235℃にて溶融し、0.25mmφ、50ホールの紡糸口金から吐出した。吐出後、紡糸口金から100mmの位置から0.4m/分の温度15℃の冷風で冷却固化し、実施例1で用いた仕上げ剤を付与した後、400m/分の速度にて巻き取り未延伸糸を得た。
この未延伸糸を1段目200℃、2段目215℃、3段目220℃の温度でトータルで10倍の熱延伸を行い延伸糸を得た。
該延伸糸を熱処理温度を160℃、熱処理時の張力を0.05cN/dtexとする以外は実施例1と同様にして熱処理を行った。
【0048】
【実施例13】
常法により調製したエチレンと一酸化炭素が完全交互共重合した極限粘度2.8のポリケトンポリマーを、塩化亜鉛65重量%/塩化ナトリウム10重量%含有する水溶液に添加し、80℃で2時間攪拌溶解しポリマー濃度18重量%のドープを得た。このドープを実施例1と同様の温度、処方で紡糸、乾燥、延伸を行った。
この延伸糸を熱処理温度を190℃、熱処理時の張力0.02cN/dtexとする以外は実施例1と同様の処方で熱処理し、巻き取った。
【0049】
【実施例14】
常法により調製したエチレンと一酸化炭素が完全交互共重合した極限粘度9.8のポリケトンポリマーを、塩化亜鉛65重量%/塩化ナトリウム10重量%含有する水溶液に添加し、80℃で2時間攪拌溶解しポリマー濃度5.5重量%のドープを得た。このドープを実施例1と同様の温度、処方で紡糸、乾燥し、トータル15倍の延伸を行った。
この延伸糸を熱処理温度を220℃、熱処理時の張力0.04cN/dtexとする以外は実施例1と同様の処方で熱処理し、巻き取った。
【実施例15】
実施例1において溶剤に塩化亜鉛40重量%/塩化カルシウム30重量%含有する水溶液を用いる他は同様の紡糸条件で紡糸、乾燥、延伸、熱処理を行った。
【0050】
【実施例16】
実施例1と同様の処方で得られた乾燥糸を19本合糸し、実施例1で用いた仕上げ剤を付与した後に、1段目を240℃で、引き続き258℃で2段目、268℃で3段目、272℃で4段目の多段延伸を行いトータル延伸倍率16.6倍の延伸を行い延伸糸を得た。
得られた延伸糸を引き続き、熱処理温度を200℃、熱処理時の張力0.05cN/dtexとして実施例1と同様の処方で熱処理し、チーズ状パッケージ形態で巻き取り、巻き取り重量1.5kgのチーズ状パッケージを得た。巻きしまりは起こらず、容易に巻き取り機より取り外せ、このパッケージのバルジ率は0.7%と良好であり、巻き取り姿も良好で、パッケージからの糸の解じょも容易に出来た。
【0051】
【実施例17】
チーズ状パッケージの巻き取り量を3kgとする以外は実施例16と同様の処方で紡糸、乾燥、延伸、熱処理、巻き取りを行った。パッケージの巻きしまりは小さく、容易に巻き取り機から取り外すことが出来た。このパッケージのバルジ率は3.2%と良好であり、巻き取り姿も良好で、パッケージからの糸の解じょも容易に出来た。
【実施例18】
延伸後の熱処理時の温度を230℃、熱処理張力を0.02cN/dtexとし、チーズ状パッケージの巻き取り量を6kgとする以外は実施例16と同様の処方で紡糸、乾燥、延伸、熱処理、巻き取りを行った。パッケージの巻きしまりは小さく、容易に巻き取り機から取り外すことが出来た。このパッケージのバルジ率は2.8%と良好であり、巻き取り姿も良好で、パッケージからの糸の解じょも容易に出来た。
【0052】
【実施例19】
実施例1で得られたポリケトン熱処理糸を双糸し、撚り数1800回/mで下撚り(Z撚り)および上撚り(S撚り)を行い、撚糸コードとした。この撚糸コードは撚り係数21300であり、安定した熱収縮特性を有していた。
【実施例20】
実施例16で得たポリケトン熱処理糸を双糸し、撚り数390回/mで下撚りおよび上撚りを行い、撚り係数20100の撚糸コードを得た。この撚糸コードは優れた熱収縮特性を有していた。
【実施例21】
撚り数を250回/mとする以外は実施例20と同様にして下撚りおよび上撚りを行い、撚り係数12900の撚糸コードを得た。
【0053】
【実施例22】
撚り数を100回/mとする以外は実施例20と同様にして下撚りおよび上撚りを行い、撚り係数5200の撚糸コードを得た。
【実施例23】
実施例20で得られた撚糸コードを、レゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL)接着剤に浸漬し160℃で60秒定長熱処理後、引き続き218℃で1分定長乾燥、さらに218℃で1分間の定長熱セットを行い処理コードを得た。撚糸コードの工程通過性は良好で、定長熱処理時の張力は極めて安定しており、得られた処理コードは均質で、乾熱収縮率は0.3%、最大熱収縮応力は0.11cN/dtexと加熱下でも良好な形態安定性、寸法安定性を有していた。
【0054】
【実施例24】
実施例16で得られたポリケトンマルチフィラメントをステープラーにて平均糸長35mmの短繊維からなるスライバーとした。この短繊維を撚り係数60(メートル番手)にて単糸に精紡し紡績糸とした。この紡績糸は加熱下での形態・寸法安定性に優れていた。
【比較例1】
実施例1で得られた熱処理前の4段延伸糸は強度15.4cN/dtex、弾性率331cN/dtexと繊維物性は優れていたが、乾熱収縮率は2.9%、最大熱収縮応力は0.79cN/dtexと熱安定性が不十分であった。またこの繊維のΔEは14.9%であった。
比較例に用いたポリケトン繊維および撚糸コードの特性および熱処理条件を下記の比較例2〜比較例14と併せて表2にまとめて示す。
【0055】
【比較例2】
実施例1で得られた未延伸糸は、乾熱収縮率1.1%、最大熱収縮応力が0.03cN/dtexと熱収縮特性に優れていたが強度・弾性率の繊維物性は全く不十分であった。
【比較例3】
実施例1において、未延伸糸を240℃で6倍の1段延伸を行った延伸糸は、最大熱収縮応力は0.45cN/dtexと良好であったが、結晶配向度が93.6%と延伸配向が不十分であり、強度、弾性率、乾熱収縮率等の繊維物性は不十分であった。
【0056】
【比較例4】
実施例1において、未延伸糸を1段目240℃、2段目255℃、3段目265℃でトータル延伸倍率が12倍の3段延伸を行った。この延伸糸は、強度、弾性率等の繊維物性は良好であったが、乾熱収縮率、最大熱収縮応力が大きく不十分な特性であった。
【比較例5】
実施例10で得られた熱処理前の3段延伸糸は、強度、弾性率等の繊維物性は良好であったが、乾熱収縮率、最大熱収縮応力が大きく不十分な特性であった。
【0057】
【比較例6】
実施例11で得られた熱処理前の3段延伸糸は、強度、弾性率等の繊維物性はまずまずであったが、乾熱収縮率、最大熱収縮応力が大きく不十分な特性であった。
【0058】
【比較例7】
実施例1において、延伸後の熱処理条件を処理温度80℃、熱処理時の張力0.05cN/dtexとして巻き取る以外は同様にして熱処理糸を得た。この熱処理糸は熱緩和が不十分で、乾熱収縮率が2.8%、最大熱収縮応力が0.77cN/dtexと大きく不十分な特性であった。
【比較例8】
実施例1において、延伸後の熱処理温度を285℃とする以外は同様の条件で熱処理を行った。ホットプレート上でポリケトン繊維の融着が起こり安定して繊維を巻き取ることが出来なかった。
【0059】
【比較例9】
実施例1において、延伸後の熱処理条件を熱処理温度200℃、熱処理時の張力を1.2cN/dtexとする以外は同様にして熱処理を行った。得られた繊維は乾熱収縮率、最大熱収縮応力ともに高く不十分な熱特性であった。
【比較例10】
実施例8において加熱ネルソンロールでの後ろに非加熱ロールを配置し、非加熱ロールの回転速度を加熱ネルソンロールの速度の1.05倍として、熱処理糸を曳きとった後に巻き取り機にて巻き取った。得られた繊維は乾熱収縮率、最大熱収縮応力ともに高く不十分な熱特性であった。
【0060】
【比較例11】
実施例16において、延伸後の熱処理を全く行わない以外は同様にしてチーズ状パッケージとして巻き取った。巻き取り量が0.5kg以上になった頃よりバルジが大きくなり、さらに巻き取りを続けたが途中で巻きフォームが崩れ巻き取り不能となった。この時点でパッケージには1.8kgの繊維が巻き付けられており、バルジ率は22%であった。このパッケージは巻きしまりが強く、巻き糸を切り取らなければ巻き取り機からパッケージを抜き取ることが出来なかった。
【0061】
【比較例12】
比較例5の非熱処理延伸糸を延伸後連続して巻き取り、巻き付け量が0.8kgのチーズ状パッケージを得た。このパッケージは巻きしまりが強く、巻き糸を切り取らなければ巻き取り機からパッケージを抜き取ることが出来なかった。このパッケージのバルジ率は10.4%であり巻き取り形態は不良であった。また、このパッケージからの糸の解じょ性も不良で、解じょ時にパッケージ端面での糸落ちや糸の絡みが頻発した。
【比較例13】
比較例11で得た延伸糸を用いて、実施例19と同様の処方で双糸し、撚り数390回/mで下撚りおよび上撚りを行い、撚り係数20100の撚糸コードを得た。この撚糸コードは熱収縮応力0.62cN/dtexと高く熱時の形態安定性が不良であった。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【発明の効果】
本発明のポリケトン繊維は高強度・高弾性率の優れた力学物性を有するのみでなく、熱収縮応力および乾熱収縮率が低く、極めて優れた加熱下での寸法安定性、形態安定性を有している。加工時や使用時に高い物理的負荷と加熱環境に曝される用途、例えばタイヤコードやベルト、ホース等のゴム補強材料やFRPやコンクリート補強材料等の産業用資材用途に極めて有用である。さらに、本発明のポリケトン繊維を巻き付けたパッケージは、繊維の収縮による歪みが生じにくく、巻きしまりやパッケージ形態の不良、解じょ性の不良といった問題がなく、従来のポリケトン繊維では得ることのできなかった多量の繊維を巻き付けたパッケージが得られるようになった。これにより、巻き取り工程・作業や輸送、加工工程の効率化が図られ、より安定かつ効率的にポリケトン繊維およびその繊維製品を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】チーズ状パッケージの断面図である。紙管左側がバルジのない正常なパッケージの断面図であり、紙管右側がバルジがあるパッケージの断面図である。
Claims (12)
- オレフィンと一酸化炭素とを共重合してなるポリケトンポリマーを溶剤に溶解して繊維状とした後に溶剤を除去乾燥し熱延伸するか、または、ポリケトンポリマーを溶融し繊維状とした後に熱延伸を行うポリケトン繊維の紡糸方法において、トータル延伸倍率10倍以上で熱延伸して得られた延伸糸を100〜280℃に加熱し、かつ、加熱時に延伸糸にかかる張力が0.001〜1cN/dtexの範囲で熱処理する工程を含むことを特徴とするポリケトン繊維の製造方法。
- 加熱時にポリケトン延伸糸にかかる張力が0.005〜0.5cN/dtexであることを特徴とする請求項1に記載のポリケトン繊維の製造方法。
- ポリケトン延伸糸を熱処理後の繊維長/熱処理前の繊維長が0.8〜1.0倍となるように100〜280℃に加熱したロール上を走行せしめた後に、引き続き巻き取り機にて巻き取る工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のポリケトン繊維の製造方法。
- オレフィンと一酸化炭素とを共重合してなるポリケトンポリマーからなり、最大熱収縮応力が0.01〜0.7cN/dtexであることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載された製造方法で得られたポリケトン繊維。
- 150℃における乾熱収縮率が0〜2%であることを特徴とする請求項4に記載のポリケトン繊維。
- 周波数110Hzにおける動的粘弾性測定において測定された90〜120℃の範囲における貯蔵弾性率の最大値をEmax 、貯蔵弾性率の最小値をEmin として、下式により算出される貯蔵弾性率の変化率ΔEが10%以下であることを特徴とする請求項4または5に記載のポリケトン繊維。
ΔE=(Emax −Emin )/Emin ×100(%) - 請求項4〜6のいずれかに記載のポリケトン繊維が0.5〜30kgの範囲で巻き付けられていることを特徴とするチーズ状パッケージ。
- バルジ率が0%以上20%以下であることを特徴とする請求項7に記載のチーズ状パッケージ。
- 請求項4〜6のいずれかに記載のポリケトン繊維からなる短繊維であって、平均繊維長が0.1〜100mmであることを特徴とするポリケトン短繊維。
- 請求項4〜6および9のいずれかに記載のポリケトン繊維からなる撚糸コードであって、下式1で表される撚り係数Kが1000〜30000の範囲で撚糸されている撚糸コードであり、該コードの最大熱収縮応力が0.01〜0.6cN/dt
exであることを特徴とするポリケトン撚糸コード。
K=Y×D0.5 ・・・(式1)
ここで、Yは1mあたりの撚り数(T/m)、Dはポリケトン繊維の繊度(dtex)である。 - ポリケトン撚糸コードがレゾルシン−ホルマリン−ラテックス樹脂により処理された処理コードであることを特徴とする請求項10に記載のポリケトン繊維コード。
- 請求項4〜7、10および11のいずれかに記載のポリケトン繊維およびポリケトン撚糸コードを少なくとも一部に使用していることを特徴とする繊維製品。
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