JP2010168710A - ポリケトン繊維及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は均質性の高いポリケトン繊維及びその製造方法に関する。更に詳しくは、延伸工程における延伸斑を低減することにより糸長方向の繊維断面積斑が極めて少なく、その結果、紡糸収率、並びに撚糸、織り、編み、仮撚加工、嵩高加工及びパルプ化等の加工工程の安定性を高度に向上させることが可能なポリケトン繊維及びその製造方法に関する。
一酸化炭素とエチレン、プロピレン等のオレフィンとの交互共重合体であるポリケトン繊維は、高強度、高弾性率、高温での寸法安定性、接着性、耐クリープ特性といった優れた特性を有することが公知である(例えば特許文献1〜4)。これらの特性を生かして、タイヤコード、ベルト等の補強繊維、ロープ、コンクリート補強用繊維といった産業資材用繊維への応用が進められている。
ポリケトン繊維は湿式紡糸で製造できる。湿式紡糸においては、ポリマー溶液を調製して紡口から凝固浴中に吐出した後、ポリマーを凝固、固化させて繊維状物を形成し、更に繊維状物から溶剤を洗浄除去し、好ましくは乾燥を経て未延伸糸を形成する。その後、該未延伸糸を延伸した後、得られた繊維を巻き取る。この延伸工程は、ポリケトン繊維が上記の高度な物性を発現させるために極めて重要な工程であり、繊維軸方向にポリマー分子やポリマー分子が集まったフィブリルを配向させるために、ポリマーの融点近傍の温度にて10〜20倍程度に延伸する超延伸工程である。
例えばポリケトン繊維の延伸を100〜500m/分の延伸速度で実施する場合、良好な繊維物性を発現させ、かつ延伸を安定的に行うために延伸長は30〜150mにも及ぶ。このような長い延伸長の延伸工程においては、均一延伸が行われなければ、繊維断面積の斑が起こり延伸工程や加工工程での毛羽や糸切れ、織物や編物の品質低下の原因となる。このような好ましくない場合には、繊維の繊度変動値であるU%は5%を越える値となってしまう。しかしながら、これまでに工業化レベルでの延伸工程における均一性の向上検討はなされていないのが現状である。本発明の目的は、紡糸収率、並びに例えば撚糸、織り、編み、仮撚加工、嵩高加工及びパルプ化等の加工工程の安定性が良好な、均質性の高いポリケトン繊維及びその製造方法の提供にある。
すなわち本発明は以下の通りである。
(1)繰り返し単位の90モル%以上が下記式(1):
で表されるポリケトンから構成され、イブネステスターを用いて測定される繊度変動値であるU%が、5%以下であることを特徴とするポリケトン繊維。
(2)交絡処理されたマルチフィラメントである、上記(1)に記載のポリケトン繊維。
(3)下端に100gの荷重を掛けた状態で上下に張った試料長100cmのマルチフィラメントであるポリケトン繊維の上端近傍の測定始点で6gのフックをマルチフィラメントの内部に入れ該フックを下降速度1cm/秒で下降させ、該測定始点からフックが停止した点までの距離から、下記式:
CF値=100/D
{式中、Dは、測定始点からフックが停止した点までの距離(単位:cm)である。}
に従って算出されるCF値が、0.5〜200である、上記(2)に記載のポリケトン繊維。
CF値=100/D
{式中、Dは、測定始点からフックが停止した点までの距離(単位:cm)である。}
に従って算出されるCF値が、0.5〜200である、上記(2)に記載のポリケトン繊維。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリケトン繊維を製造する方法であって、
ポリケトンが溶剤に溶解されてなるポリケトン溶液を凝固浴中に吐出して繊維状物を形成した後、該繊維状物から該溶剤を除去して未延伸糸を形成する工程と、
該未延伸糸を、ヒーターを用いて加熱しながら7倍以上に延伸する工程と
を含み、該延伸を、下記式:
−10≦(T2−T1)≦10
70≦(T3−T1)≦150
{式中、T1は被延伸糸の融点(単位:℃)、T2は融点T1℃の被延伸糸近傍の雰囲気温度(単位:℃)、そしてT3は融点T1℃の被延伸糸を加熱しているヒーターの表面温度(単位:℃)である。}
を満足する温度条件下で行う、ポリケトン繊維の製造方法。
ポリケトンが溶剤に溶解されてなるポリケトン溶液を凝固浴中に吐出して繊維状物を形成した後、該繊維状物から該溶剤を除去して未延伸糸を形成する工程と、
該未延伸糸を、ヒーターを用いて加熱しながら7倍以上に延伸する工程と
を含み、該延伸を、下記式:
−10≦(T2−T1)≦10
70≦(T3−T1)≦150
{式中、T1は被延伸糸の融点(単位:℃)、T2は融点T1℃の被延伸糸近傍の雰囲気温度(単位:℃)、そしてT3は融点T1℃の被延伸糸を加熱しているヒーターの表面温度(単位:℃)である。}
を満足する温度条件下で行う、ポリケトン繊維の製造方法。
(5)上記延伸において、下記式:
−20≦(T5−T4)≦20
{式中、T4は延伸ゾーン入口近傍における被延伸糸の融点(単位:℃)であり、T5は加熱気体の温度(単位:℃)である。}
を満足する温度条件下で、加熱気体を延伸ゾーンの入口及び/又は出口から延伸ゾーン内に導入する、上記(4)に記載のポリケトン繊維の製造方法。
−20≦(T5−T4)≦20
{式中、T4は延伸ゾーン入口近傍における被延伸糸の融点(単位:℃)であり、T5は加熱気体の温度(単位:℃)である。}
を満足する温度条件下で、加熱気体を延伸ゾーンの入口及び/又は出口から延伸ゾーン内に導入する、上記(4)に記載のポリケトン繊維の製造方法。
本発明によれば、糸長方向の繊維断面積斑が極めて少なく、その結果、紡糸収率、並びに例えば撚糸、織り、編み、仮撚加工、嵩高加工及びパルプ化等の加工工程の安定性が良好なポリケトン繊維を提供することができる。
<ポリケトン繊維>
本発明は、繰り返し単位の90モル%以上が式(1):
で表されるポリケトンから構成され、イブネステスターを用いて測定される繊度変動値であるU%が5%以下であるポリケトン繊維を提供する。本発明のポリケトン繊維は、特に延伸工程における延伸斑を低減することにより糸長方向の繊維断面積斑が抑えられ、小さい繊度変動値を有するものであり、紡糸収率、並びに例えば撚糸、織り、編み、仮撚加工、嵩高加工及びパルプ化等の加工工程の安定性が良好である。
本発明は、繰り返し単位の90モル%以上が式(1):
本発明のポリケトン繊維は、繰り返し単位の90モル%以上が上記式(1)で表されるポリケトンから構成される。上記式(1)で表される繰り返し単位を90モル%有することによって、高強度及び高弾性率が達成可能であり、高温での安定性が優れるという利点も得られる。高強度及び高弾性率が達成可能で、高温での安定性が優れるという観点で、本発明のポリケトン繊維における上記式(1)で表される繰り返し単位の含有率は97モル%以上であることが好ましく、98モル%以上であることがより好ましく、99モル%以上であることがより好ましく、最も好ましくは100モル%である。
本発明のポリケトン繊維は、10モル%以下、好ましくは3モル%以下、更に好ましくは2モル%以下、更に好ましくは1モル%以下の範囲で上記式(1)以外の繰り返し単位を有してもよい。上記式(1)以外の繰り返し単位としては、例えば下記式(2):
{式中、Rはエチレン基以外の炭素数1〜30の2価の有機基である。}
で表される繰り返し単位が挙げられる。
で表される繰り返し単位が挙げられる。
上記式(2)中のRとしては、例えばプロピレン基、ブチレン基、1−フェニルエチレン基等が例示される。これらの基の水素原子の一部または全部が、ハロゲン原子、エステル基、アミド基、水酸基、エーテル基等で置換されていてもよい。ポリケトン中にRが2種以上混在していてもよく、例えば、プロピレン基と1−フェニルエチレン基が混在していてもよい。
本発明のポリケトン繊維は、必要に応じて、酸化防止剤、ラジカル抑制剤、他のポリマー、艶消し剤、紫外線吸収剤、難燃剤、金属石鹸等の添加剤を含んでいてもよい。
本発明のポリケトン繊維においては、U%が5%以下であることが必要である。U%とは、イブネステスターを用いて測定される繊度変動値である。U%が5%以下であることにより、紡糸収率が良好であるという効果、並びに毛羽や糸切れが起きにくいため例えば撚糸、織り、編み、仮撚加工、嵩高加工及びパルプ化等の加工工程の安定性が良好であるという効果が得られる。U%が5%を越えると上記効果を得ることができない。U%は、4%以下であることが好ましく、3.7%以下であることがより好ましい。U%は、より詳細には、測定器:イブネステスター(例えば、計測器工業(株)model KET−80C)、測定速度:50m/分、測定モード:1/2イナート、感度:±25%の条件で測定される値である。
本発明のポリケトン繊維の総繊度は、均質な繊維を容易に形成できるという観点から、通常100〜20000dtex、より好ましくは400〜10000dtexであり、単糸繊度は、均質な繊維を容易に形成できるという観点から、好ましくは0.5〜10dtex、より好ましくは0.5〜2dtexである。
本発明のポリケトン繊維が多数のフィラメントから構成されている場合(すなわちマルチフィラメントである場合)には、チーズ状パッケージからの解除時及び各種加工時の取り扱い性向上及び毛羽抑制、並びに撚糸強力保持率の向上の観点で、交絡処理を施すことが好ましい。交絡の程度は、交絡度、より具体的にはCF値で表すことができる。CF値とは、下端に100gの荷重を掛けた状態で上下に張った試料長100cmのポリケトン繊維の上端近傍の測定始点で6gのフックをマルチフィラメントの内部に入れ該フックを下降速度1cm/秒で下降させ、上記測定始点から、フックが停止した点までの距離を計測したときに、下記式:
CF値=100/D
{式中、Dは、測定始点からフックが停止した点までの距離(単位:cm)である。}
に従って算出される値である。CF値は、典型的には、10回の測定の平均値として与えられる。上記CF値は、ポリケトン繊維の単位長さ(すなわち100cm)当たりの交絡数を表し、交絡数が増えるとCF値は大きくなる。CF値は、0.5〜200であることが好ましい。CF値が0.5未満である場合交絡の効果が小さくなり、200を越えると交絡の段階で毛羽が発生しやすくなる。CF値は、特に好ましくは1〜30である。
CF値=100/D
{式中、Dは、測定始点からフックが停止した点までの距離(単位:cm)である。}
に従って算出される値である。CF値は、典型的には、10回の測定の平均値として与えられる。上記CF値は、ポリケトン繊維の単位長さ(すなわち100cm)当たりの交絡数を表し、交絡数が増えるとCF値は大きくなる。CF値は、0.5〜200であることが好ましい。CF値が0.5未満である場合交絡の効果が小さくなり、200を越えると交絡の段階で毛羽が発生しやすくなる。CF値は、特に好ましくは1〜30である。
本発明のポリケトン繊維は、延伸工程に入る前にリン酸、リン酸エステル、ホスホン酸、ホスホン酸エステル等が繊維の表面あるいは内部へあらかじめ添加されたものであることが好ましい。これにより製造時の熱分解が抑制され、延伸が均一化されてポリケトン繊維の均質性がより向上するという利点が得られる。この場合、ポリケトン繊維中のリン元素量が5〜1000ppmであることが好ましい。ポリケトン繊維中のリン元素量は、熱分解の抑制効果を良好に得る観点から5ppm以上が好ましく、繊維の熱黄変を抑制する観点から1000ppm以下が好ましい。ポリケトン繊維中のリン元素量は、より好ましくは20〜500ppmである。なお、上記リン元素量は、プラズマ発光分析(ICP)等、公知の分析方法によって測定される値である。
本発明のポリケトン繊維の引っ張り強度としては、加工安定性の観点、及び例えば産業資材、とりわけタイヤコード、ベルト、ホース、ロープ等の強度が必要な用途における良好な性能発現の観点から、5cN/dtex以上が好ましく、10cN/dtex以上がより好ましく、12cN/dtex以上が更に好ましい。引っ張り強度の上限は特に限定されないが、取り扱い性の観点から、例えば50cN/dtex以下が好ましく、45cN/dtex以下がより好ましく、40cN/dtex以下が更に好ましい。
本発明のポリケトン繊維の伸度としては、加工のしやすさの観点から、3%以上が好ましく、4%以上がより好ましく、4.5%以上が更に好ましい。また上記伸度は、撚糸物の使用時の物性安定性の観点から、20%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、10%以下が更に好ましい。
本発明のポリケトン繊維の弾性率としては、加工安定性の観点、及び例えば産業資材、とりわけ、タイヤコード、ベルト、ホース、ロープ等の剛性が必要な用途における良好な性能発現の観点から、150cN/dtex以上が好ましく、250cN/dtex以上がより好ましく、300cN/dtex以上が更に好ましい。弾性率の上限は特に限定されないが、耐疲労性及び取り扱い性の観点から、例えば1500cN/dtex以下が好ましく、1200cN/dtex以下がより好ましく、1000cN/dtex以下が更に好ましい。
なお上記引っ張り強度、伸度及び弾性率は、それぞれJIS−L−1013に準拠して測定される値である。
また、本発明のポリケトン繊維は、加工段階での工程安定性を高めるために、繊維表面に仕上げ剤が付着したものであることが好ましい。仕上げ剤としては、例えば、脂肪族エステル、ポリエーテル、鉱物油、リン酸エステル塩、シリコーン等の公知のものを適宜混合して使用できる。仕上げ剤の含有量は、繊維質量の0.2〜7質量%であることが好ましい。上記含有量は、工程安定性の向上効果を良好に得る観点から0.2質量%以上が好ましく、取り扱い性の観点から7質量%以下が好ましい。
<ポリケトン繊維の製造方法>
本発明は、上述したポリケトン繊維を製造するための方法も提供する。本発明のポリケトン繊維の良好な均質性は、延伸工程における加熱方法、温度、延伸倍率等を制御することで実現できる。具体的には、本発明は、ポリケトンが溶剤に溶解されてなるポリケトン溶液を凝固浴中に吐出して繊維状物を形成した後、該繊維状物から該溶剤を除去して未延伸糸を形成する工程と、該未延伸糸を、ヒーターを用いて加熱しながら7倍以上に延伸する工程とを含み、該延伸を、下記式:
−10≦(T2−T1)≦10
70≦(T3−T1)≦150
{式中、T1は被延伸糸の融点(単位:℃)、T2は融点T1℃の被延伸糸近傍の雰囲気温度(単位:℃)、そしてT3は融点T1℃の被延伸糸を加熱しているヒーターの表面温度(単位:℃)である。}を満足する温度条件下で行う、ポリケトン繊維の製造方法を提供する。特に、延伸されるポリケトン繊維の融点よりも大幅に高い表面温度を与えるヒーターと熱風とを併用することが好ましく、本発明は、上記延伸において、下記式:
−20≦(T5−T4)≦20
{式中、T4は延伸ゾーン入口近傍における被延伸糸の融点(単位:℃)であり、T5は加熱気体の温度(単位:℃)である。}
を満足する温度条件下で、加熱気体を熱風として延伸ゾーンの入口及び/又は出口から延伸ゾーン内に導入するポリケトン繊維の製造方法をも提供する。
本発明は、上述したポリケトン繊維を製造するための方法も提供する。本発明のポリケトン繊維の良好な均質性は、延伸工程における加熱方法、温度、延伸倍率等を制御することで実現できる。具体的には、本発明は、ポリケトンが溶剤に溶解されてなるポリケトン溶液を凝固浴中に吐出して繊維状物を形成した後、該繊維状物から該溶剤を除去して未延伸糸を形成する工程と、該未延伸糸を、ヒーターを用いて加熱しながら7倍以上に延伸する工程とを含み、該延伸を、下記式:
−10≦(T2−T1)≦10
70≦(T3−T1)≦150
{式中、T1は被延伸糸の融点(単位:℃)、T2は融点T1℃の被延伸糸近傍の雰囲気温度(単位:℃)、そしてT3は融点T1℃の被延伸糸を加熱しているヒーターの表面温度(単位:℃)である。}を満足する温度条件下で行う、ポリケトン繊維の製造方法を提供する。特に、延伸されるポリケトン繊維の融点よりも大幅に高い表面温度を与えるヒーターと熱風とを併用することが好ましく、本発明は、上記延伸において、下記式:
−20≦(T5−T4)≦20
{式中、T4は延伸ゾーン入口近傍における被延伸糸の融点(単位:℃)であり、T5は加熱気体の温度(単位:℃)である。}
を満足する温度条件下で、加熱気体を熱風として延伸ゾーンの入口及び/又は出口から延伸ゾーン内に導入するポリケトン繊維の製造方法をも提供する。
本発明のポリケトン繊維は、ポリケトン溶液を用いて公知の湿式紡糸法にて製造できる。ポリケトン溶液の溶剤としては、例えば、亜鉛、カルシウム、リチウム、チオシアン酸等のハロゲン化塩、及び必要に応じてこれら以外の水溶性無機塩を含む水溶液を使用でき、これにポリケトンポリマーを5〜11質量%程度溶解させてポリマー溶液を調製できる。ポリケトンポリマーの極限粘度としては、例えば1〜10dl/gが好ましく、2〜7dl/gがより好ましい。次いで、ポリケトン溶液を水または上記溶剤の希釈液に吐出させ、一旦繊維状物化した後、水洗を繰り返して溶剤を除去し、150〜250℃で乾燥させて未延伸糸を得た後、7倍以上に延伸することでポリケトン繊維を製造できる。未延伸糸を得る工程の詳細は、本発明者がこれまでに公開してきた、国際公開第99/18143号パンフレット、国際公開第02/068738号パンフレット、国際公開第2004/020707号パンフレット等の技術をそのまま適用できる。
本発明のポリケトン繊維を得るためには、延伸工程を以下のように制御することが好ましい。延伸工程は未延伸糸を加熱しながら伸張させる工程である。延伸工程では、繊維が延伸されるにつれて結晶化と結晶サイズの増大化とが進行するため、繊維の融点は通常延伸倍率が高くなるにつれて徐々に高くなる。そこで、繊維の融点に応じた延伸温度を付与することが必要となる。よって、延伸工程としては多段延伸が好ましい。多段延伸においては、それぞれの段について、予熱後、ヒーターを備えた長い延伸ゾーンで繊維を加熱する。本発明のポリケトン繊維の製造方法において、延伸工程としては4段延伸が好ましい。
加熱設備として、予熱には、繊維の昇温速度の速さの観点からロール加熱が好ましい。一方、延伸ゾーンの加熱にはヒーター表面温度を高くして放射加熱を利用することが好ましく、特にシーズヒーターを使用することが好ましい。一般に加熱方法としては、放射、伝熱伝導、対流があるが、単に加熱領域に繊維を通すだけでは伝熱対流加熱のみの効果しか得られず、瞬時に繊維全体を均一に加熱することは難しく、延伸の斑を起こしやすい。本発明においては、延伸を、下記式:
−10≦(T2−T1)≦10
70≦(T3−T1)≦150
{式中、T1は被延伸糸の融点(単位:℃)、T2は融点T1℃の被延伸糸近傍の雰囲気温度(単位:℃)、そしてT3は融点T1℃の被延伸糸を加熱しているヒーターの表面温度(単位:℃)である。}を満足する温度条件下で行うことが好ましい。すなわち、延伸工程を通じて、延伸ゾーンのヒーター表面温度が、延伸の進行に従って融点が変化する被延伸糸(すなわち延伸されるポリケトン繊維)の融点よりも、例えば70〜150℃、より好ましくは80〜120℃高くなるように維持し、かつ被延伸糸近傍の雰囲気温度と被延伸糸の融点との差が−10℃〜10℃となるように維持することが好ましい。これにより、ヒーター表面からの熱放射が効率的に起こり放射加熱が可能となるため、延伸の斑を低減できる。
−10≦(T2−T1)≦10
70≦(T3−T1)≦150
{式中、T1は被延伸糸の融点(単位:℃)、T2は融点T1℃の被延伸糸近傍の雰囲気温度(単位:℃)、そしてT3は融点T1℃の被延伸糸を加熱しているヒーターの表面温度(単位:℃)である。}を満足する温度条件下で行うことが好ましい。すなわち、延伸工程を通じて、延伸ゾーンのヒーター表面温度が、延伸の進行に従って融点が変化する被延伸糸(すなわち延伸されるポリケトン繊維)の融点よりも、例えば70〜150℃、より好ましくは80〜120℃高くなるように維持し、かつ被延伸糸近傍の雰囲気温度と被延伸糸の融点との差が−10℃〜10℃となるように維持することが好ましい。これにより、ヒーター表面からの熱放射が効率的に起こり放射加熱が可能となるため、延伸の斑を低減できる。
被延伸糸近傍の温度は、例えば、DSC(示差走査型熱分析装置)測定(例えばパーキンエルマ製のDSC−2を用い、窒素中、昇温速度20℃/分で測定する。)における繊維の融点開始温度として特定でき、ヒーター表面から被延伸糸までの距離を設定することによって制御できる。なお上記融点開始温度とは、DSCプロファイルにおいて、融解ピークの立ち上がりの温度である。
各延伸段の具体的な延伸条件として、湿式紡糸によるポリケトン繊維の製造における一般的な延伸速度である100〜500m/分を採用し、予熱部分をロール、延伸ゾーンをヒーターによってそれぞれ加熱する場合について以下に例示するが、下記の条件は延伸速度に応じて適宜変更することが可能である。
一段目の延伸倍率としては、5〜8倍延伸が物性発現、延伸の均一性の観点で好ましい。繊維近傍の温度は、予熱部分が130〜200℃、延伸ゾーンが220〜250℃であることが好ましい。この場合、ヒーター表面温度としては300〜500℃が好ましい。また延伸長としては、7〜30mが好ましい。
二段目の延伸倍率としては、1.2〜1.8倍延伸が物性発現、延伸の均一性の観点で好ましい。繊維近傍の温度としては、予熱部分が210〜230℃、延伸ゾーンが230〜270℃であることが好ましい。この場合、ヒーター表面温度としては300〜500℃が好ましい。また延伸長としては、10〜35mが好ましい。
三段目の延伸倍率としては、1.1〜1.5倍延伸が物性発現、延伸の均一性の観点で好ましい。繊維近傍の温度としては、予熱部分が240〜260℃、延伸ゾーンが240〜280℃であることが好ましい。この場合、ヒーター表面温度としては300〜500℃が好ましい。また延伸長としては、15〜45mが好ましい。
四段目の延伸倍率としては、1.1〜1.5倍延伸が物性発現、延伸の均一性の観点で好ましい。繊維近傍の温度としては、予熱部分が240〜260℃、延伸ゾーンが250〜285℃であることが好ましい。この場合、ヒーター表面温度としては300〜500℃が好ましい。また延伸長としては、20〜70mが好ましい。
本発明の製造方法においては、熱風を延伸ゾーンへ導入することが好ましい。延伸速度が速くなると繊維が延伸ゾーンの外から随伴流を持ち込んで繊維表面の温度が部分的に低下し、繊維表面の温度斑が起こる。そこで、各段の延伸ゾーンの入口及び/又は出口から延伸ゾーン内に加熱気体を導入させることが好ましい。加熱気体としては例えば加熱空気を用いることができる。加熱気体の導入方向は、繊維の走行方向に対して同方向及び逆方法のいずれでもよい。加熱気体の温度は、例えば250℃〜290℃の範囲とすることができ、特に、延伸ゾーン内の入口部位(入口近傍)における被延伸糸の融点との差が−20〜+20℃であることが好ましい。加熱気体の風速としては、0.5〜5m/秒が好ましく、0.7〜4m/秒がより好ましい。
以上のようにして延伸されたポリケトン繊維は、通常は仕上げ剤を付与された後、例えばチーズ状パッケージ、パーン状パッケージ、コーン状パッケージ、かせ状等に巻き取られる。交絡を施す場合は、繊維製造工程において仕上げ剤を付与した後に交絡処理を行うことが好ましい。交絡の方法としては、公知の方法をそのまま使用でき、例えばエアー交絡等により実施できる。
以上のようにして得られた本発明のポリケトン繊維は、必要に応じて撚糸、仮撚、嵩高加工、捲縮加工、捲回加工等を施し、織物、編物、不織布等を含む種々の繊維製品に使用できるが、例えばタイヤコード、ベルト等の補強繊維、ロープ、コンクリート補強用繊維といった産業資材用繊維として特に好適に使用できる。
本発明を以下の実施例等により更に詳しく説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。実施例の説明中に用いられる各測定値の測定方法は、次の通りである。
(1)繊維の引っ張り強度、伸度及び弾性率の測定
JIS−L−1013に準じて測定した。
JIS−L−1013に準じて測定した。
(2)U%の測定
計測器工業(株)model KET−80Cを用い、測定速度:50m/分、測定モード:1/2イナート、感度±25%で測定した。
計測器工業(株)model KET−80Cを用い、測定速度:50m/分、測定モード:1/2イナート、感度±25%で測定した。
(3)交絡度(CF値)の測定
下端に100gの荷重を掛けた状態で上下に張った試料長100cmのマルチフィラメントであるポリケトン繊維の上端近傍の測定始点で6gのフックをマルチフィラメントの内部に入れ、該フックを下降速度1cm/秒で下降させ、該測定始点からフックが停止した点までの距離から、下記式:
CF値=100/D
{式中、Dは、測定始点からフックが停止した点までの距離(単位:cm)である。}
に従って、繊維長さ100cm当たりの交絡数であるCF値を算出し、測定回数10回の平均値を採用した。
下端に100gの荷重を掛けた状態で上下に張った試料長100cmのマルチフィラメントであるポリケトン繊維の上端近傍の測定始点で6gのフックをマルチフィラメントの内部に入れ、該フックを下降速度1cm/秒で下降させ、該測定始点からフックが停止した点までの距離から、下記式:
CF値=100/D
{式中、Dは、測定始点からフックが停止した点までの距離(単位:cm)である。}
に従って、繊維長さ100cm当たりの交絡数であるCF値を算出し、測定回数10回の平均値を採用した。
(4)リン元素量の測定
高周波プラズマ発光分光分析機(機種:IRIS−AP、サーモジャーレルアッシュ社製)を用いて測定した。
高周波プラズマ発光分光分析機(機種:IRIS−AP、サーモジャーレルアッシュ社製)を用いて測定した。
(5)撚糸強力保持率の測定
得られた繊維に下撚り及び上撚り390T/mを掛けてコードを作製し、撚糸強力保持率(%)=(撚糸後のコード強度)/(撚糸前の原糸強度)×100(%)の式に従って測定した。
得られた繊維に下撚り及び上撚り390T/mを掛けてコードを作製し、撚糸強力保持率(%)=(撚糸後のコード強度)/(撚糸前の原糸強度)×100(%)の式に従って測定した。
[実施例1]
極限粘度5.0dl/gのエチレン/一酸化炭素の交互共重合ポリマー(ポリ(1−オキソトリメチレン))8質量%を、塩化亜鉛22質量%、塩化カルシウム40質量%の水溶液であるポリマー溶剤に溶解させて調製したポリケトン溶液を、80℃で、直径0.2mmのノズル1200個穴からエアギャップ長10mmを経て、ポリマー溶剤の塩比率は変えずに塩濃度10%とした凝固浴に20m/分で吐出させ凝固させ、繊維状物を得た。次いで0.5%塩酸水浴にて繊維状物を通し、塩化亜鉛及び塩化カルシウムを完全に除去した後、ジオクチルリン酸モノカリウム塩の2質量%水溶液を繊維状物表面に付着させ220℃のロールで乾燥させて未延伸糸を得た。未延伸糸は巻き取ることなく4段延伸を行った。各段共、ロールにより予熱し、シーズヒーターを上下に備えた延伸ゾーンを直線上に4つつなげて延伸工程を行った。各段の延伸ゾーンの入口には空気孔を設け、そこから延伸ゾーン内に加熱空気を繊維(すなわち被延伸糸)の走行方向と同方向で導入した。各段の延伸条件は以下の通りである。
極限粘度5.0dl/gのエチレン/一酸化炭素の交互共重合ポリマー(ポリ(1−オキソトリメチレン))8質量%を、塩化亜鉛22質量%、塩化カルシウム40質量%の水溶液であるポリマー溶剤に溶解させて調製したポリケトン溶液を、80℃で、直径0.2mmのノズル1200個穴からエアギャップ長10mmを経て、ポリマー溶剤の塩比率は変えずに塩濃度10%とした凝固浴に20m/分で吐出させ凝固させ、繊維状物を得た。次いで0.5%塩酸水浴にて繊維状物を通し、塩化亜鉛及び塩化カルシウムを完全に除去した後、ジオクチルリン酸モノカリウム塩の2質量%水溶液を繊維状物表面に付着させ220℃のロールで乾燥させて未延伸糸を得た。未延伸糸は巻き取ることなく4段延伸を行った。各段共、ロールにより予熱し、シーズヒーターを上下に備えた延伸ゾーンを直線上に4つつなげて延伸工程を行った。各段の延伸ゾーンの入口には空気孔を設け、そこから延伸ゾーン内に加熱空気を繊維(すなわち被延伸糸)の走行方向と同方向で導入した。各段の延伸条件は以下の通りである。
一段目:
予熱ロール温度190℃、延伸ゾーン長さ10m、シーズヒーター表面温度:350℃、延伸ゾーン中の繊維周辺温度:245℃、加熱空気温度:245℃、繊維融点:245℃、加熱空気速度:1m/秒、延伸倍率:6.2倍
二段目:
予熱ロール温度225℃、延伸ゾーン長さ15m、シーズヒーター表面温度:350℃、延伸ゾーン中の繊維周辺温度:260℃、加熱空気温度:260℃、繊維融点:260℃、加熱空気速度:1m/秒、延伸倍率:1.5倍
三段目:
予熱ロール温度250℃、延伸ゾーン長さ22m、シーズヒーター表面温度:350℃、延伸ゾーン中の繊維周辺温度:274℃、加熱空気温度:274℃、繊維融点:270℃、加熱空気速度:1m/秒、延伸倍率:1.3倍
四段目:
予熱ロール温度260℃、延伸ゾーン長さ38m、シーズヒーター表面温度:350℃、延伸ゾーン中の繊維周辺温度:274℃、加熱空気温度:274℃、繊維融点:270℃、加熱空気速度:1m/秒、延伸倍率:1.25倍
予熱ロール温度190℃、延伸ゾーン長さ10m、シーズヒーター表面温度:350℃、延伸ゾーン中の繊維周辺温度:245℃、加熱空気温度:245℃、繊維融点:245℃、加熱空気速度:1m/秒、延伸倍率:6.2倍
二段目:
予熱ロール温度225℃、延伸ゾーン長さ15m、シーズヒーター表面温度:350℃、延伸ゾーン中の繊維周辺温度:260℃、加熱空気温度:260℃、繊維融点:260℃、加熱空気速度:1m/秒、延伸倍率:1.5倍
三段目:
予熱ロール温度250℃、延伸ゾーン長さ22m、シーズヒーター表面温度:350℃、延伸ゾーン中の繊維周辺温度:274℃、加熱空気温度:274℃、繊維融点:270℃、加熱空気速度:1m/秒、延伸倍率:1.3倍
四段目:
予熱ロール温度260℃、延伸ゾーン長さ38m、シーズヒーター表面温度:350℃、延伸ゾーン中の繊維周辺温度:274℃、加熱空気温度:274℃、繊維融点:270℃、加熱空気速度:1m/秒、延伸倍率:1.25倍
上記の方法によって得られたポリケトン繊維に、繊維中の含有量が0.8質量%となるように、仕上げ剤としてオレイン酸ラウリル60質量%、ポリオキシエチレン10モル付加オレイルエーテル20質量%、プロピレンオキシド/エチレンオキシド質量比25/75で分子量10000のポリエーテル20質量%の混合物を付着させた後、交絡処理することなく巻き取った。得られたポリケトン繊維(1670dtex/1200f)のU%は3.5%、引っ張り強度は16cN/dtex、伸度は6%、弾性率は330cN/dtexであった。ポリケトン繊維中のリン元素量は350ppmであった。
[比較例1]
シーズヒーターの代わりに、熱媒加熱ヒーターによる延伸ゾーンを用いた以外は実施例1と同様にしてポリケトン繊維を作製した。熱媒加熱槽ヒーターの表面温度は延伸ゾーン中の繊維周辺温度と実質同じ温度とした。得られたポリケトン繊維(1670dtex/1200f)のU%は5.2%、引っ張り強度は15.2cN/dtex、伸度は5.8%、弾性率は328cN/dtex、ポリケトン繊維中のリン元素量は350ppmであった。
シーズヒーターの代わりに、熱媒加熱ヒーターによる延伸ゾーンを用いた以外は実施例1と同様にしてポリケトン繊維を作製した。熱媒加熱槽ヒーターの表面温度は延伸ゾーン中の繊維周辺温度と実質同じ温度とした。得られたポリケトン繊維(1670dtex/1200f)のU%は5.2%、引っ張り強度は15.2cN/dtex、伸度は5.8%、弾性率は328cN/dtex、ポリケトン繊維中のリン元素量は350ppmであった。
[実施例2〜4]
仕上げ剤を付与した後、ヘバライン社のインターレーサー(TG−2 TopAir HN321A/CO41)を用いて、張力250gで空気圧力を変えて交絡処理を行った他は実施例1と同様にしてポリケトン繊維を作製した。空気圧力は、実施例2において1kg/cm2、実施例3において3kg/cm2、実施例4において4kg/cm2とした。得られた繊維に下撚り及び上撚り390T/mを掛けてタイヤコードを作製し、CF値、撚糸前後での強力変化(撚糸強力保持率)、及びU%を求めた。結果を表1に示す。
仕上げ剤を付与した後、ヘバライン社のインターレーサー(TG−2 TopAir HN321A/CO41)を用いて、張力250gで空気圧力を変えて交絡処理を行った他は実施例1と同様にしてポリケトン繊維を作製した。空気圧力は、実施例2において1kg/cm2、実施例3において3kg/cm2、実施例4において4kg/cm2とした。得られた繊維に下撚り及び上撚り390T/mを掛けてタイヤコードを作製し、CF値、撚糸前後での強力変化(撚糸強力保持率)、及びU%を求めた。結果を表1に示す。
交絡処理を行った実施例2〜4では、実施例1と比べて、撚糸強力保持率がより高く、U%の値がより低く、そして撚糸形態がより良好であった。
[実施例5]
リン酸エステルの付与を行わない以外は実施例1と同様にしてポリケトン繊維を作製した。得られたポリケトン繊維(1670dtex/1200f)のU%は4.2%、引っ張り強度は14.8cN/dtex、伸度は6.1%、弾性率は329cN/dtexであった。
リン酸エステルの付与を行わない以外は実施例1と同様にしてポリケトン繊維を作製した。得られたポリケトン繊維(1670dtex/1200f)のU%は4.2%、引っ張り強度は14.8cN/dtex、伸度は6.1%、弾性率は329cN/dtexであった。
本発明のポリケトン繊維は種々の繊維製品に利用でき、中でも例えばタイヤコード、ロープ、ベルト、耐震補強材等の複合材料に特に有用である。
Claims (5)
- 交絡処理されたマルチフィラメントである、請求項1に記載のポリケトン繊維。
- 下端に100gの荷重を掛けた状態で上下に張った試料長100cmのマルチフィラメントであるポリケトン繊維の上端近傍の測定始点で6gのフックをマルチフィラメントの内部に入れ、該フックを下降速度1cm/秒で下降させ、前記測定始点からフックが停止した点までの距離から、下記式:
CF値=100/D
{式中、Dは、測定始点からフックが停止した点までの距離(単位:cm)である。}
に従って算出されるCF値が、0.5〜200である、請求項2に記載のポリケトン繊維。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のポリケトン繊維を製造する方法であって、
ポリケトンが溶剤に溶解されてなるポリケトン溶液を凝固浴中に吐出して繊維状物を形成した後、該繊維状物から前記溶剤を除去して未延伸糸を形成する工程と、
前記未延伸糸を、ヒーターを用いて加熱しながら7倍以上に延伸する工程と
を含み、前記延伸を、下記式:
−10≦(T2−T1)≦10
70≦(T3−T1)≦150
{式中、T1は被延伸糸の融点(単位:℃)、T2は融点T1℃の被延伸糸近傍の雰囲気温度(単位:℃)、そしてT3は融点T1℃の被延伸糸を加熱しているヒーターの表面温度(単位:℃)である。}
を満足する温度条件下で行う、ポリケトン繊維の製造方法。 - 前記延伸において、下記式:
−20≦(T5−T4)≦20
{式中、T4は延伸ゾーン入口近傍における被延伸糸の融点(単位:℃)であり、T5は加熱気体の温度(単位:℃)である。}
を満足する温度条件下で、加熱気体を延伸ゾーンの入口及び/又は出口から延伸ゾーン内に導入する、請求項4に記載のポリケトン繊維の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2009014680A JP2010168710A (ja) | 2009-01-26 | 2009-01-26 | ポリケトン繊維及びその製造方法 |
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KR101611576B1 (ko) * | 2014-11-14 | 2016-04-26 | 주식회사 효성 | 폴리케톤 멀티필라멘트 |
WO2016060512A3 (ko) * | 2014-10-17 | 2016-06-09 | (주) 효성 | 폴리케톤 멀티필라멘트를 포함하는 산업용 제품 및 이의 제조방법 |
-
2009
- 2009-01-26 JP JP2009014680A patent/JP2010168710A/ja active Pending
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