JP4734028B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
前記ラジアルカーカスは、前記各ビード部の周りでタイヤ幅方向の内側から外側に向けて半径方向外方に巻き上げた折り返し部を有し、
前記コード補強層は、前記ビードフィラーの幅方向外側であって、前記折り返し部の幅方向外側又は内側に、前記折り返し部に沿って延在し、
前記コード補強層を構成する補強コードが、ポリケトンからなるフィラメント束を複数本撚り合わせたポリケトン繊維コードであって、該ポリケトン繊維コードが下記式(I)及び(II):
σ≧−0.01E+1.2 ・・・(I)
σ≧0.3 ・・・(II)
[式中、σは177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり、Eは、25℃における49N荷重時の弾性率(cN/dtex)である]を満たすことを特徴とする。
(式中、Aは不飽和結合によって重合された不飽和化合物由来の部分であり、各繰り返し単位において同一でも異なっていてもよい)で表される繰り返し単位から実質的になることを特徴とする。
σ≧−0.01E+1.2 ・・・(I)
σ≧0.3 ・・・(II)
(式中、σは177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり、Eは、25℃における49N荷重時の弾性率(cN/dtex)である)を満たすことを要する。
(式中、t及びTは、純度98%以上のヘキサフルオロイソプロパノール及び該ヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間であり;Cは、上記希釈溶液100mL中の溶質の質量(g)である)で定義される極限粘度[η]が1〜20dL/gの範囲にあることが好ましく、2〜10dL/gの範囲にあることが更に好ましく、3〜8の範囲にあることがより一層好ましい。極限粘度が1dL/g未満では、分子量が小さ過ぎて、高強度のポリケトン繊維コードを得ることが難しくなる上、紡糸時、乾燥時及び延伸時に毛羽や糸切れ等の工程上のトラブルが多発することがあり、一方、極限粘度が20dL/gを超えると、ポリマーの合成に時間及びコストがかかる上、ポリマーを均一に溶解させることが難しくなり、紡糸性及び物性に悪影響が出ることがある。
表1に示す構造、弾性率及び熱収縮応力のポリケトン繊維コードを、表1に示す打ち込み数で平行に配列しコーティングゴムで被覆してコード/ゴム複合体を作製し、該コード/ゴム複合体をコード補強層に用いて、図1に示す構造のサイズ245/40R18のランフラットタイヤを試作した。なお、本実施例のランフラットタイヤでは、コード補強層を、コード補強層の上下端が、それぞれ延長線Lから径方向内外に10mmの位置に来るように配置した。また、本実施例で用いたポリケトン繊維コードは、上記式(I)及び(II)を満たし、ほぼ100%が式(III)で表される繰り返し単位からなり、繰り返し単位の97モル%以上が1−オキソトリメチレンであるポリケトンからなる。
コード補強層を、実施例2では図2に示す位置に配置し、参考例では図3に示す位置に配置した以外は実施例1と同様にして、サイズ245/40R18のランフラットタイヤを試作した。
コントロールとして、コード補強層を設けないこと以外は実施例1と同様にして、サイズ245/40R18のランフラットタイヤを試作した。
コード補強層を構成する補強コードとして、表1に示す構造のスチールコードを用いた以外は実施例1と同様にして、サイズ245/40R18のランフラットタイヤを試作した。
コード補強層を構成する補強コードとして、表1に示す構造、弾性率及び熱収縮応力のアラミド繊維コードを用いた以外は実施例1と同様にして、サイズ245/40R18のランフラットタイヤを試作した。
コード補強層を構成する補強コードとして、表1に示す構造、弾性率及び熱収縮応力のポリケトン繊維コードを用いた以外は実施例1と同様にして、サイズ245/40R18のランフラットタイヤを試作した。
なお、比較例4で用いたポリケトン繊維コードは、上記式(I)及び(II)を満たしていないポリケトン繊維コードであって、式(III)で表される繰り返し単位からなり、Aが主としてエチレン基であるポリケトン(プロピレン約6%含有)からなる。
実施例1及び2、参考例、比較例1〜4のタイヤの縦ばね及びランフラット耐久性を下記の方法で評価し、表1に示す結果を得た。
230kPaの内圧を充填した供試タイヤの荷重−撓み曲線を測定し、得られた荷重−撓み曲線上のある荷重における接線の傾きを該荷重に対する縦ばね定数とし、比較例1のタイヤの縦ばね定数の値を100として指数表示した。指数値が大きい程、縦ばね定数が大きいことを示す。
供試タイヤに内圧を充填することなく、荷重5.15kN、速度90km/h、温度38℃の環境下でドラム試験を行い、タイヤが故障に至るまでの走行距離を測定し、比較例1のタイヤの故障に至るまでの走行距離を100として指数表示した。指数値が大きい程、故障に至るまでの走行距離が長く、ランフラット耐久性に優れることを示す。
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 ビードコア
5 ラジアルカーカス
5a ラジアルカーカス本体部
5b ラジアルカーカス折り返し部
6 ビードフィラー
7 サイド補強ゴム層
8 リムフランジ
9 コード補強層
10 ベルト
11A、11B ベルト補強層
A ビード部のリムフランジからの離反点
L Aからタイヤ軸方向と平行に引いた延長線
Claims (3)
- 1対のビード部と、1対のサイドウォール部とを有し、該1対のビード部間にトロイド状に延在する少なくとも1枚のカーカスプライからなるラジアルカーカスと、各ビードコアのタイヤ半径方向外側に配置されたビードフィラーと、該サイドウォール部の該カーカスの内側に配置した1対のサイド補強ゴム層と、該サイド補強ゴム層の幅方向外側に、かつ該ビード部のリムフランジからの離反点からタイヤ軸方向と平行に引いた延長線上の任意の点から半径方向内外に10mmの範囲に配置されているコード補強層を備える空気入りタイヤにおいて、
前記ラジアルカーカスは、前記各ビード部の周りでタイヤ幅方向の内側から外側に向けて半径方向外方に巻き上げた折り返し部を有し、
前記コード補強層は、前記ビードフィラーの幅方向外側であって、前記折り返し部の幅方向外側又は内側に、前記折り返し部に沿って延在し、
前記コード補強層を構成する補強コードが、ポリケトンからなるフィラメント束を複数本撚り合わせたポリケトン繊維コードであって、該ポリケトン繊維コードが下記式(I)及び(II):
σ≧−0.01E+1.2 ・・・(I)
σ≧0.3 ・・・(II)
[式中、σは177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり、Eは、25℃における49N荷重時の弾性率(cN/dtex)である]を満たすことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記一般式(III)中のAがエチレン基であることを特徴とする請求項2記載の空気入りタイヤ。
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