JP2009190726A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ビードコア1と、クラウン部12から両サイドウォール部13を経て両ビード部11に延びビードコア1に係留された、ラジアルコード層よりなるカーカスプライ2と、そのクラウン部ラジアル方向外側に配置されたベルト3と、その外側に略タイヤ赤道方向に配置されたベルト補強層4と、その外側に配置されたトレッド5と、を備える空気入りラジアルタイヤ10である。ベルト補強層4を形成する繊維コードが、コード直径0.3mm以上0.7mm以下の、PK繊維を少なくとも90質量%以上含む片撚りコードであって、ディップ処理済みコードとしての最大熱収縮応力が15N/本以下であり、かつ、ベルト補強層4を形成する繊維コードと隣接する繊維コードとの間の間隙が、0.5mm以下である。
【選択図】図1
Description
前記ベルト補強層を形成する繊維コードが、コード直径0.3mm以上0.7mm以下の、ポリケトン繊維を少なくとも90質量%以上含む片撚りコードであって、ディップ処理済みコードとしての最大熱収縮応力が15N/本以下であり、かつ、該ベルト補強層を形成する繊維コードと隣接する繊維コードとの間の間隙が、0.5mm以下であることを特徴とするものである。
乾熱処理時熱収縮率(%)={(Lb−La)/Lb}×100
但し、Lbは熱処理前のコード長、Laは熱処理後のコード長である。
性の良くないパラアラミドなどでは、製造時の張力作用により、ねじりが戻りやすいため、作業性が悪く、従来はナイロンにしか適用されていなかったが、ポリケトン繊維は熱を加えてもセット性が良好であるため、片撚りを適用しても作業性が悪化することはなく、このため片撚りコードの適用が可能となるのである。
図1に、本発明の一例の空気入りラジアルタイヤの片側断面図を示す。図示するように、本発明の空気入りラジアルタイヤ10は、左右一対のビード部11に夫々設けられたビードコア1と、クラウン部12から両サイドウォール部13を経て両ビード部11に延びビードコア1に係留された、ラジアルコード層よりなるカーカスプライ2と、そのクラウン部ラジアル方向外側に配置されたベルト3と、その外側に略タイヤ赤道方向に配置されたベルト補強層4と、そのさらに外側に配置されたトレッド5と、を備えている。
(式中、Tは撚り数(回/100mm)、Dはコードの総繊度(dtex)、ρはコードに使用される繊維素材の密度(g/cm3)である)で定義される撚り係数αが0.1〜0.88の範囲であることが好ましい。PK繊維コードの撚り係数αが0.1未満では、熱収縮応力が十分に確保できず、一方、0.88を超えると、弾性率が十分に確保できず、補強能が小さくなる。
(式中、Aは不飽和結合によって重合された不飽和化合物由来の部分であり、各繰り返し単位において同一であっても異なっていてもよい)で表される繰り返し単位から実質的になるものが好適であり、その中でも、繰り返し単位の97モル%以上が1−オキソトリメチレン[−CH2−CH2−CO−]であるポリケトンが好ましく、99モル%以上が1−オキソトリメチレンであるポリケトンが更に好ましく、100モル%が1−オキソトリメチレンであるポリケトンが最も好ましい。
(上記式中、tおよびTは、純度98%以上のヘキサフルオロイソプロパノールおよび該ヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間であり、cは、上記希釈溶液100mL中の溶質の質量(g)である)で定義される極限粘度[η]が、1〜20dL/gの範囲内にあることが好ましく、3〜8dL/gの範囲内にあることがより一層好ましい。極限粘度が1dL/g未満では、分子量が小さ過ぎて、高強度のポリケトン繊維コードを得ることが難しくなる上、紡糸時、乾燥時および延伸時に毛羽や糸切れ等の工程上のトラブルが多発することがあり、一方、極限粘度が20dL/gを超えると、ポリマーの合成に時間およびコストがかかる上、ポリマーを均一に溶解させることが難しくなり、紡糸性および物性に悪影響が出ることがある。
(PK繊維の調製例)
常法により調製したエチレンと一酸化炭素が完全交互共重合した極限粘度5.3のポリケトンポリマーを、塩化亜鉛65質量%/塩化ナトリウム10質量%を含有する水溶液に添加して、80℃で2時間攪拌溶解し、ポリマー濃度8質量%のドープを得た。
この凝固糸にIRGANOX1098(Ciba Specialty Chemicals社製)、IRGANOX1076(Ciba Specialty Chemicals社製)をそれぞれ0.05質量%ずつ(対ポリケトンポリマー)含浸せしめた後に、該凝固糸を240℃以上にて乾燥後、仕上剤を付与して未延伸糸を得た。なお、この乾燥温度を適宜コントロールすることで熱収縮率の調整が可能である。
オレイン酸ラウリルエステル/ビスオキシエチルビスフェノールA/ポリエーテル(プロピレンオキシド/エチレンオキシド=35/65:分子量20000)/ポリエチレンオキシド10モル付加オレイルエーテル/ポリエチレンオキシド10モル付加ひまし油エーテル/ステアリルスルホン酸ナトリウム/ジオクチルリン酸ナトリウム=30/30/10/5/23/1/1(質量%比)。
タイヤサイズ225/45R17の空気入りラジアルタイヤを、下記の表中に示す仕様に従い試作して、経済性、タイヤ重量および高速耐久性につき評価した。その評価結果を、各供試タイヤに用いたベルト補強層の繊維コードの特性等とともに、下記の表中に示す。
ベルト補強層に用いるコードの乾熱処理時熱収縮率は、ディップ処理後の各コードにつきオーブン中で177℃、30分の乾熱処理を行い、熱処理前後のコード長を、50gの荷重をかけて計測して下式により求めた。
乾熱処理時熱収縮率(%)={(Lb−La)/Lb}×100
(但し、Lbは熱処理前のコード長、Laは熱処理後のコード長である。)
ベルト補強層に用いるコードの最大熱収縮応力は、ディップ処理後、加硫前のベルト補強コードの、25cmの長さ固定サンプルを5℃/分の昇温スピードで加熱して、177℃時にコードに発生する最大応力(単位:N/本)として測定した。
夫々使用したベルト補強層コードの製造コストを比較して、従来例を基準として評価した。
各供試タイヤ1本当たりの重量を測定した。
各供試タイヤをリムサイズ7.5J−17のリムに組み付け、300kPaの内圧を充填した後、JATMA規格のテスト法に準ずるステップスピード法にて、タイヤ故障が発生するまでの速度を測定した。結果は、従来例の故障発生速度を100として指数表示した。指数値が大なるほど、耐久限界速度が高く、高速耐久性に優れることを示す。
2 カーカス
3 ベルト
4 ベルト補強層
5 トレッド
11 ビード部
12 クラウン部
13 サイドウォール部
Claims (6)
- 左右一対のビード部に夫々設けられたビードコアと、クラウン部から両サイドウォール部を経て両ビード部に延び該ビードコアに係留された、ラジアルコード層よりなるカーカスプライと、該カーカスプライのクラウン部ラジアル方向外側に配置されたベルトと、該ベルトの外側に略タイヤ赤道方向に配置されたベルト補強層と、該ベルト補強層の外側に配置されたトレッドと、を備える空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記ベルト補強層を形成する繊維コードが、コード直径0.3mm以上0.7mm以下の、ポリケトン繊維を少なくとも90質量%以上含む片撚りコードであって、ディップ処理済みコードとしての最大熱収縮応力が15N/本以下であり、かつ、該ベルト補強層を形成する繊維コードと隣接する繊維コードとの間の間隙が、0.5mm以下であることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。 - 前記ベルト補強層を形成する繊維コードの、ディップ処理済みコードとしての177℃×30分乾熱処理時熱収縮率が、0.6%以上2%未満である請求項1記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記ベルト補強層を形成する繊維コードの総繊度が、800dtex以上3400dtex以下である請求項1または2記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記ベルト補強層を形成する繊維コードの撚り数が、120回/1m以上480回/1m以下である請求項1〜3のうちいずれか一項記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記ベルト補強層を形成する繊維コードと隣接する繊維コードとの間の間隙が、0.35mm以下である請求項1〜4のうちいずれか一項記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記ベルト補強層を形成する繊維コードと前記ベルトとの間に、厚さ0.2mm以上、幅10mm以上のゴムシートが挿入されている請求項1〜5のうちいずれか一項記載の空気入りラジアルタイヤ。
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JP2011111004A (ja) * | 2009-11-25 | 2011-06-09 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 空気入りラジアルタイヤ |
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