JP2006223214A - 酒粕漬物床及び粕漬物の製造方法 - Google Patents

酒粕漬物床及び粕漬物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 酒粕を有効利用するとともに、食味に優れる粕漬け(特に金糸瓜漬け)を製造するのに有用な漬物床を提供する。
【解決手段】 少なくとも酒粕と、鹹味料(食塩、塩化ナトリウムなど)と、第1の甘味料(カンゾウ抽出物又はその塩、ステビア抽出物、甘茶抽出物、羅漢果抽出物、ソーマチン、モネリン、サッカリン又はその塩、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファム又はその塩から選択された少なくとも一種など)とで漬物床(粕床)を構成する。前記漬物床は、特に、金糸瓜などの野菜類を漬けるのに有用である。前記漬物床において、酒粕100重量部に対して、鹹味料の割合は0.1〜50重量部程度、第1の甘味料の割合は0.001〜100重量部程度であってもよい。前記漬物床は、さらに糖、糖アルコール類などの第2の甘味料、旨味料、防腐剤、保存料、酸化防止剤などを含有してもよい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、野菜類(特に金糸瓜などの果菜類など)、きのこ類、海産物類などの漬物原料(被漬物)を漬け込むための漬物床(酒粕漬物床)、及び粕漬物の製造方法、並びに粕漬物(特に金糸瓜の粕漬け)に関する。
奈良漬け、甲南漬け、わさび漬けなど、従来から種々の原料を粕漬けにした漬物が親しまれている。粕漬けは、酒粕に含まれるアルコールの他、食塩や砂糖などにより、海産物などの腐敗し易い原料でも、長期間の保存が可能になる上、豊かな食味をプラスすることができる。さらに、清酒等の酒類の製造工程で大量に発生する酒粕を有効利用することもできる。
特開平7−298856号公報(特許文献1)には、酒粕(踏み込み粕など)とみりんとを含む調合粕に海苔を漬け込んだ海苔粕漬が開示されている。また、特開平10−117738号公報(特許文献2)には、茹蛸を配合粕に漬込み、所定日数後取り出す蛸の酒粕漬けの製造方法が開示されている。そして、特許文献2では、前記配合粕として、酒粕、砂糖、食塩、及びみりんを混合して用いている。また、一般的な粕漬けの調合粕の配合例として、改訂食品加工技術ハンドブック(非特許文献1)には、奈良漬の配合例(原料野菜と粕床同量配合):酒粕80kg、みりん粕20kg、水飴3kg、砂糖25kg、焼酎5L及びみりん1Lが開示され、わさび漬の配合例:わさび10kg、酒粕10kg、水飴400g、粉末ブドウ糖300g、グルタミン酸ナトリウム50g、アミノ酸粉末旨味料10g、コハク酸ナトリウム10g及び塩200gが開示されている。このように、従来の粕漬けでは、酒粕に添加する甘味成分として、砂糖、みりんなどを用いている。
また、市販されている金糸瓜の粕漬け(音川の錦糸瓜粕漬の製造表示(非特許文献2)、金糸瓜の粕漬「大判漬」製造表示(非特許文献3))では、酒粕、塩、みりん、砂糖、はちみつなどが使用されている。しかし、このような調合粕を用いても、特に金糸瓜(いと瓜)などの漬かりにくい被漬物に効率よく旨みを浸透できない。
なお、特開平9−187245号公報(特許文献3)には、金糸瓜の煮熟物より得た麺状材料を乾燥、調味した金糸瓜を材料とする食品が開示されている。特許文献3には、金糸瓜が、みそ漬、粕漬け等においては、他の瓜に優る風味や、特性がなく、三杯酢などで食す場合にも特に嗜好性に富むものではなく、利用価値が低いことが記載されている。
特開平7−298856号公報(請求項1、段落番号[0012]及び[0016]) 特開平10−117738号公報(請求項1、段落番号[0009]) 特開平9−187245号公報(請求項1、段落番号[0003]) 改訂食品加工技術ハンドブック、昭和57年12月1日改訂、第265頁 (農)音川加工製「音川の錦糸瓜粕漬」の製造表示(原材料の欄) (農)味彩おおやま まんさくグループ、金糸瓜の粕漬「大判漬」の製造表示(原材料の欄)
従って、本発明の目的は、酒粕を有効利用するとともに、被漬物に効率よく旨みを浸透させて、食味に優れる粕漬けを製造するのに有用な漬物床及び漬物の製造方法、並びに漬物を提供することにある。
本発明の他の目的は、金糸瓜を用いても、他の瓜に匹敵するような食味を有する漬物(粕漬け)及びその製造方法、並びに漬物を得るのに有用な漬物床を提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、従来の粕床を金糸瓜に適用しても、金糸瓜に旨みなどが浸透しにくく、食味に優れる粕漬けを得るのが困難であること、金糸瓜のような旨みの浸透し難い被漬物であっても、粕床(調合粕)として、酒粕、鹹味料及び特定の甘味料で構成された漬物床を用いると、効率よく旨み成分を浸透させることができ、食味に優れる漬物(粕漬け)が得られることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の漬物床は、酒粕と、第1の甘味料と、鹹味料とを含む粕漬け用の漬物床(酒粕漬物床)であって、前記第1の甘味料は、カンゾウ抽出物又はその塩、ステビア抽出物、甘茶抽出物、羅漢果抽出物、ソーマチン、モネリン、サッカリン又はその塩、アスパルテーム、スクラロース、及びアセスルファム又はその塩から選択された少なくとも一種である。前記鹹味料は、食塩及び塩化ナトリウムから選択された少なくとも一種であってもよい。前記漬物床は、さらに、旨味料又は旨味成分、防腐剤、保存剤及び酸化防止剤から選択された少なくとも一種を含有してもよい。前記漬物床において、酒粕100重量部に対して、鹹味料の割合は0.1〜50重量部程度、第1の甘味料の割合は0.001〜100重量部程度であってもよい。第1の甘味料の割合は、鹹味料100重量部に対して、0.01〜500重量部程度であってもよい。前記漬物床は、糖類及び糖アルコール類から選択された少なくとも一種の第2の甘味料を含有してもよい。前記漬物床は、金糸瓜を漬けるために使用してもよい。
本発明の漬物の製造方法では、前記漬物床に、被漬物、例えば、野菜類、魚介類、肉類、果実類、きのこ類、及び海藻類から選択された少なくとも一種を漬け込むことにより粕漬物を製造する。少なくとも3ヶ月の期間、常温で、金糸瓜を前記漬物床に漬け込んでもよい。
本発明には、前記製造方法により得られる粕漬物(特に、金糸瓜を漬け込んで得られる粕漬物)も含まれる。
本発明では、酒粕、特定の甘味料及び鹹味料を組み合わせて酒粕漬物床(粕床)を構成するので、被漬物に効率よく旨みを浸透させることができ、食味に優れる粕漬物(粕漬け)を製造できる。また、金糸瓜を用いても、他の瓜に匹敵するような食味を有する粕漬物が得られる。さらに酒粕を有効利用しつつ、被漬物(漬物原料)の保存性も向上することができる。
[漬物床(粕床)]
本発明の漬物床は、少なくとも酒粕と、特定の第1の甘味料と、鹹味料とを含んでいる。
酒粕としては、清酒の醸造においてもろみを絞った後に残る粕(清酒粕)、焼酎製造においてもろみを蒸留した後に残る焼酎粕、みりん粕などが使用できる。これらの酒粕は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。前記酒粕のうち、清酒粕(例えば、大吟醸酒粕などの吟醸酒粕など)などが好ましい。特に、精米歩合が高くなるにつれて、粕漬物の色や風味が増すため、吟醸酒粕(精米歩合60%以下の酒粕)が好ましい。吟醸酒粕としては、例えば、精米歩合55%を超えて60%以下の吟醸酒粕、精米歩合50〜55%程度の中吟醸酒粕、精米歩合50%未満の大吟醸酒粕などを使用してもよい。
なお、酒粕は、通常、50〜70重量%程度の水分を含有する場合が多い。また、酒粕のアルコール度数は、特に制限されず、例えば、1〜8度、好ましくは2〜5度程度である場合が多い。
なお、酒粕は、もろみから分離した酒粕(板粕など)をそのまま使用してもよいが、必要により、乾燥させたり、熟成させたりして用いてもよい。熟成は、慣用の方法、例えば、酒粕に醸造アルコールなどのアルコールを混合して、アルコール発酵条件下で発酵させることにより行うことができる。必要により、酒粕に食塩及び/又は砂糖などの糖類を添加して熟成させてもよい。
酒粕として、踏み込み粕を用いるのが好ましい。踏み込み粕は、もろみ分離後の酒粕を樽などに仕込み、踏み込んだ後、熟成(発酵)させ、粘りや風味を向上させた酒粕である。なお、必要により、踏み込み粕と、もろみから分離した酒粕及び/又は他の熟成粕などとを組合わせて用いてもよい。
鹹味料としては、特に制限されず、塩化ナトリウム、食塩(精製塩、自然塩(岩塩、再生自然塩、自然海塩など)なども含む)、ホエイソルト、塩化カリウム、有機酸塩(リンゴ酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、グルタミン酸カリウムなど)などが使用できる。これらの鹹味料は単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。前記鹹味料のうち、特に食塩及び/又は塩化ナトリウムが好ましい。鹹味料の形態も特に制限されず、例えば、結晶化した食塩(岩塩など)を粉砕することなく用いてもよく、微粒化した食塩(微粒塩など)などを用いてもよい。
鹹味料の割合は、被漬物の種類及び割合、この被漬物に含まれる塩分、甘味料の種類及び割合、漬け込み時期などに応じて適宜選択できる。鹹味料の割合は、酒粕100重量部に対して、例えば、0.1〜50重量部程度の範囲から選択でき、好ましくは1〜50重量部(例えば、2〜40重量部)、さらに好ましくは4〜30重量部(例えば、5〜20重量部)程度であってもよい。
前記第1の甘味料としては、例えば、植物系甘味料[配糖甘味料、例えば、カンゾウ抽出物又はその塩(グリシルリチン又はその塩など)、ステビア抽出物(ステビオサイド、レバウディオサイドなど)、甘茶抽出物(フィロズルチンなど)、羅漢果抽出物(アグラコン、テルペングリコシド配糖体など);蛋白甘味料、例えば、ソーマチン(タウマチン)、モネリンなど]、合成甘味料[サッカリン又はその塩(サッカリンナトリウムなど)、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファム又はその塩(アセスルファムカリウムなど)など]などが使用できる。これらの第1の甘味料は、単独で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。
第1の甘味料は、通常、高い甘味度を有している。第1の甘味料の甘味度は、特に制限されないが、例えば、ショ糖の甘味度の2倍以上(例えば、3倍以上)、好ましくは5倍以上(例えば、5〜5000倍)、さらに好ましくは50倍以上(例えば、50〜4000倍)、通常、100〜3000倍程度であってもよい。例えば、ショ糖の甘味度に対して、各甘味料の甘味度は、グリシルリチン又はその塩100〜300倍、ステビア抽出物200〜350倍、フィロズルシン200〜1000倍、羅漢果抽出物300〜400倍、ソーマチン2000〜3000倍、モネリン800〜3200倍、サッカリン又はサッカリンナトリウム300〜500倍、アスパルテーム150〜200倍、スクラロース約600倍、アセスルファムカリウム200〜250倍である。
前記第1の甘味料のうち、特に、サッカリン又はその塩、アセスルファム又はその塩などの合成甘味料、羅漢果抽出物などの配糖体甘味料、及びソーマチンなどの蛋白甘味料などが好ましい。また、合成甘味料と、配糖体甘味料及び/又は蛋白甘味料とを組み合わせて用いてもよい。
前記第1の甘味料の割合は、甘味度、鹹味料の割合などに応じて、適宜選択できる。第1の甘味料の割合は、酒粕100重量部に対して、例えば、0.001〜100重量部程度の範囲から選択でき、好ましくは0.005〜60重量部(例えば、0.01〜50重量部)、さらに好ましくは0.05〜30重量部(例えば、0.07〜20重量部)程度であってもよい。また、第1の甘味料の割合は、鹹味料100重量部に対して、例えば、0.01〜500重量部、好ましくは0.1〜400重量部(例えば、0.5〜300重量部)、さらに好ましくは0.7〜100重量部(例えば、1〜50重量部)程度である。第1の甘味料と鹹味料とを組み合わせて用いると、甘味が増強される場合がある。
漬物床は、必要により、他の甘味成分(第2の甘味料)を含有してもよい。前記他の甘味成分(第2の甘味料)としては、例えば、糖類[砂糖(ショ糖、黒糖、粗糖、中白糖、上白糖、グラニュー糖、白双糖、氷砂糖、和三盆糖など)、オリゴ糖、麦芽糖、水あめ、蜂蜜、フルクトース、グルコース、乳糖、ブドウ糖、果糖など)、糖アルコール類(マンニトール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、還元パラチノース、マルチトール、ラクチトールなど)などが挙げられる。第2の甘味料の甘味度は、特に制限されず、例えば、前記第1の甘味料に比べて、甘味度が低くてもよい。なお、第2の甘味料の甘味度は、特に制限されず、例えば、ショ糖の甘味度の0.1〜2倍程度(例えば、0.2〜1.8倍程度)、好ましくは0.3〜1.7倍、さらに好ましくは0.5〜1.5倍程度であってもよい。
第2の甘味料の割合は、甘味度、及び第1の甘味料の種類、割合などに応じて、適宜選択でき、酒粕100重量部に対して、例えば、0〜100重量部(例えば、0.01〜80重量部)、好ましくは0.1〜50重量部(例えば、1〜30重量部)、さらに好ましくは5〜20重量部(例えば、5〜15重量部)程度であってもよい。
また、漬物床には、必要により、その他の添加物、例えば、香辛料(からし、わさび、唐辛子、しょうが、にんにく、山椒など)、酸味料(食酢、果汁、クエン酸など)、調味料[醸造調味料(醤油など)、発酵調味料(みそ、麹など)など]、旨味料又は旨味成分[アミノ酸系旨味料(グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸二ナトリウム、グアニル酸二ナトリウム、コハク酸二ナトリウムなどのアミノ酸;タウリンなどのアミノスルホン酸;酵母系旨味料など);エキス系旨味料(かつおエキス、かきエキスなどの魚介エキス系旨味料;ビーフエキスなどの肉類のエキス系旨味料;クマザサエキスなどの植物エキス系旨味料など);旨味成分を含む食品(例えば、乾物など。切削物、切刻物、粉砕物なども含む)、例えば、昆布(粉末、切昆布など)、鰹節、いりこ、するめ、干しエビ、干し貝柱などの乾燥海産物、干し椎茸など]、甘味を有するアミノ酸(グリシン、アラニン、スレオニン、プロリン、セリン、グルタミンなど)、有機酸類(ソルビン酸など);酒類(清酒、みりん、焼酎、中国酒、ビール、洋酒など);酒精;ハーブ;柑橘類の皮;みょうばん;ビタミン類(ビタミンC、ビタミンBなど);酵素類;防腐剤;保存剤(ソルビン酸、ソルビン酸カリウムなどのソルビン酸又はその塩;安息香酸又はその塩など);糊料;酸化防止剤;発色剤;醗酵調整剤;着色料;着香料など]などを含有させてもよい。これらの成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの成分(添加物)のうち、旨味料又は旨味成分、防腐剤、保存剤及び/又は酸化防止剤などを含有してもよい。なお、旨味料又は旨味成分の割合は、特に制限されず、旨味料又は旨味成分の種類などに応じて適宜選択でき、酒粕100重量部に対して、例えば、0.0001〜10重量部、好ましくは0.001〜5重量部程度であってもよい。保存剤の割合は、特に制限されず、酒粕100重量部に対して、例えば、0.00001〜1重量部、好ましくは0.00005〜0.5重量部程度であってもよい。
漬物床に漬込む被漬物(漬物原料)としては、特に制限されず、例えば、野菜類[果菜類(金糸瓜(いと瓜、そうめん瓜、そうめん南瓜などと称される場合がある)、瓜、メロン、ズッキーニ、きゅうりなど)、根菜類(大根、にんじん、ごぼうなど)、葉菜類(からし菜、葉わさびなど)など]、魚介類(貝柱、魚など)、肉類、果実類(青パパイヤなど)、きのこ類(エノキダケ、シメジなど)、海藻類(昆布、若芽、めかぶなど)などが挙げられる。これらの被漬物は、単独で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。
前記被漬物は、予め、下処理、例えば、茹でたり、焼いたり、煮たり、又は揚げたりしたものを用いてもよい。また、塩漬けした被漬物を、必要により塩抜き処理して前記漬物床に漬込んでもよい。また、被漬物は、必要に応じて、皮を剥いて用いてもよく、適当な大きさ、形状にカットして用いてもよい。例えば、金糸瓜の漬物では、硬い皮の部分を5mm程度の厚みで剥いた後、縦及び/又は横半分にカットしてそのまま漬込んでもよく、皮を除去後、適当な幅で輪切りにし、繊維状の果肉を取り出して漬込んでもよい。なお、必要により、金糸瓜のカットに先立って、金糸瓜の長手方向の両端を切り落としてもよい。なお、他の果菜類、根菜類、果実類などでは、金糸瓜の繊維状の形状のように、千切りにして漬込んでもよい。
前記被漬物の漬込み量は、漬物床100重量部に対して、例えば、5〜150重量部、好ましくは10〜120重量部、さらに好ましくは20〜100重量部(例えば、30〜80重量部)程度であってもよい。
[漬物の製造方法]
本発明の粕漬物(粕漬け)は、前記漬物床に、被漬物を漬込むことにより製造できる。漬込みの期間は、漬物床に含まれる鹹味料及び甘味料(第1の甘味料、必要により第2の甘味料)の割合、被漬物の種類、形状、漬込み量、温度などに応じて適宜選択できる。例えば、数日(1日〜10日程度)であってもよく、少なくとも数日(例えば、1日乃至3年程度)、好ましくは1ヶ月以上(例えば、3ヶ月〜2年程度)、さらに好ましくは4ヶ月以上(例えば、6ヶ月以上)であってもよく、通常、少なくとも8ヶ月(8〜9ヶ月以上)漬込む場合が多い。
漬込みは、通常、常温(例えば、0〜25℃程度)で行われる。漬込みの間、漬物床は、旨み成分を被漬物に浸透させつつ、腐敗、かび、虫等の発生を防ぐため、例えば、18℃以下(例えば、16℃以下)、好ましくは10〜16℃(例えば、12〜16℃程度)、さらに好ましくは13〜16℃(例えば、13〜15℃)程度の温度に維持してもよい。
なお、特に金糸瓜については、従来の方法では、旨みの浸透性に劣り、食味に劣る粕漬けしか得られなかった。しかし、本発明では、特定の漬物床を用いて漬け込むので、金糸瓜のような旨みの浸透性に劣る被漬物(野菜など)であっても、旨み成分が効率よく浸透して、従来の粕漬けに比べて、食味に優れた粕漬けを得ることができる。なお、金糸瓜漬けでは、特徴的な形状から、繊維状の漬物が得られるため、再度カットする必要もない。そのため、例えば、大量生産の弁当等に添えるような場合であっても、細かい量設定で、容易に小分けすることも可能である。
本発明は、野菜類、魚介類、肉類、果実類、きのこ類、及び海藻類などの被漬物(漬物原料)を漬込んで粕漬物(粕漬け)を製造するのに有用である。また、清酒等の製造工程で大量に排出される酒粕の有効利用に有用である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
(1)踏み込み粕の調製
吟醸酒の醸造で得られた吟醸酒粕を、仕込み樽に10cm程度の深さになるよう充填し、この酒粕を踏み固めた。踏み込んだ粕の上に、さらに10cm程度の高さの吟醸酒粕を充填し、再度踏み固めた。このような作業を数回繰り返し、仕込み樽を吟醸酒粕で充填した。最後に、仕込み樽の口をビニールシートで覆い、チューブで堅く締め、密封し、約3ヶ月熟成させたところ、ドロドロ状態で発酵した熟成酒粕(踏み込み粕)が得られた。
(2)調合粕(漬物床)の調製
上記(1)の工程で得られた踏み込み粕5kgに対して、食塩400g及びサッカリンナトリウム8gとなるような割合で混合し、漬物床を調製した。
(3)漬込み
金糸瓜の両端を切り落とし、硬い皮の部分を5mm厚程度に剥いて、縦横半分にカットし、種子を取り出した。
カットした金糸瓜を、上記(2)の工程で得られた調合粕に混合し、調合粕の表面をビニールシートで覆い、漬物容器の口をビニールシートとチューブとにより密封して、約13〜16℃の温度で、約6ヶ月間漬込んだ。
漬込み後、金糸瓜は、美しい黄金色を呈し、かつ程よい甘味及び塩味を有するとともに、味に深みもあり、味もまろやかで、酒粕の風味が強く、食味に優れていた。また、金糸瓜の果肉の繊維は、漬込んだ後も、容易にほぐれ、分離しやすかった。
実施例2
食塩及びサッカリンナトリウムの割合を、食塩430g及びサッカリンナトリウム5gとし、約0〜25℃で漬込む以外は実施例1と同様に金糸瓜の粕漬けを製造した。
漬込み後、金糸瓜は、美しい黄金色を呈し、甘みを抑えた後味もよく、酒粕の風味及び食味のいずれにも優れていた。また、果肉の繊維も容易にほぐれ、しゃきしゃきとした歯触りであった。
実施例3
吟醸酒粕に代えて、酒粕を用いる以外は、実施例1と同様に金糸瓜の粕漬けを製造した。
漬込み後、金糸瓜は、濃い琥珀色を呈し、酒粕の風味が強く、味に深みがあり、甘み及び塩味のバランスに優れ、食味に優れていた。また、果肉の繊維も容易にほぐれた。
比較例1〜3
比較例1として、サッカリンナトリウム8gに代えて、砂糖500gを用いる以外は、実施例1と同様に金糸瓜の粕漬けを製造した。得られた金糸瓜の漬物は、甘味及び塩味のバランスが悪く(特に、甘みが不十分であり)、実施例1の漬物に比べて食味に劣っていた。
また、比較例2は、酒粕、砂糖、塩、及びみりんを用いた市販の金糸瓜の粕漬けであり、比較例3は、酒粕、塩、みりん、砂糖、及びはちみつを用いた市販の金糸瓜の粕漬けである。
上記市販の粕漬け(比較例2及び3)を、食感及び食味の点で、上記実施例1及び3と比較した。なお、比較例2及び3の粕漬けの色は、黄色であった。
なお、食味及び食感の試験は、実施例1及び3、並びに比較例2及び3の粕漬けを、6人の被験者に試食させ、個々の評価結果を○△×の3段階に分類した。なお、被験者の評価基準は、以下の通りである。表1に、結果を被験者6人に対する人数比で示す。
(i)食味
○:美味しく、味に深みや甘みある
△:味が薄く、旨味が少ない
×:塩辛く、旨味が少ない
(ii)食感
○:シャリシャリとしており、歯触りがよい
△:柔らかい
×:柔らかく、歯応えがない
Figure 2006223214

Claims (11)

  1. 酒粕と、第1の甘味料と、鹹味料とを含む粕漬け用の漬物床であって、前記第1の甘味料が、カンゾウ抽出物又はその塩、ステビア抽出物、甘茶抽出物、羅漢果抽出物、ソーマチン、モネリン、サッカリン又はその塩、アスパルテーム、スクラロース、及びアセスルファム又はその塩から選択された少なくとも一種である漬物床。
  2. 鹹味料が、食塩及び塩化ナトリウムから選択された少なくとも一種である請求項1記載の漬物床。
  3. さらに、旨味料又は旨味成分、防腐剤、保存剤及び酸化防止剤から選択された少なくとも一種を含有する請求項1記載の漬物床。
  4. 酒粕100重量部に対して、鹹味料の割合が0.1〜50重量部であり、第1の甘味料の割合が0.001〜100重量部である請求項1記載の漬物床。
  5. 第1の甘味料の割合が、鹹味料100重量部に対して、0.01〜500重量部である請求項1記載の漬物床。
  6. さらに、糖類及び糖アルコール類から選択された少なくとも一種の第2の甘味料を含有する請求項1記載の漬物床。
  7. 金糸瓜を漬けるために使用される請求項1記載の漬物床。
  8. 請求項1記載の漬物床に、野菜類、魚介類、肉類、果実類、きのこ類、及び海藻類から選択された少なくとも一種を漬け込む粕漬物の製造方法。
  9. 少なくとも3ヶ月の期間、常温で、金糸瓜を漬物床に漬け込む請求項8記載の製造方法。
  10. 請求項8記載の方法により得られる粕漬物。
  11. 漬物床に金糸瓜を漬け込んで得られる請求項10記載の粕漬物。
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CN103250940A (zh) * 2013-04-16 2013-08-21 蚌埠市金旺食品有限公司 一种葡萄雪梨黑米果酱及其制备方法
CN103250939A (zh) * 2013-04-16 2013-08-21 蚌埠市金旺食品有限公司 一种桑葚甜瓜黄豆果酱及其制备方法
KR20220103843A (ko) * 2021-01-15 2022-07-25 농업회사법인 더불어실버팜 주식회사 비트 수국을 활용한 간장 절임류 제조 방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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