JP2006213886A - テープおよび当該テープを備えたテープカセット - Google Patents

テープおよび当該テープを備えたテープカセット Download PDF

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Abstract

【課題】 テープ自体を折り曲げることなく、剥離シートを簡単かつ迅速に剥がすことのできるテープおよび当該テープを備えたテープカセットを提供する。
【解決手段】 テープカセット1に収納された印字テープ30は、テープ基材32と、粘着剤層33と、剥離シート35とから構成される。テープ基材32の幅方向両端部近傍には、ハーフカット部32a,32aが各々設けられている。一方、剥離シート35の幅方向両端部中央部には、背割れ部35aが設けられている。そして、印字テープ30の一端部の幅方向両側を各々掴んで互いに離間する方向に向かって引っ張る。すると、剥離シート35は、背割れ部35aに沿って切断され、テープ基材32もハーフカット部32a,32aに沿って切断される。これにより、印字テープ30自体を折り曲げることなく、剥離シート35を簡単かつ迅速に剥がすことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明はテープ及び当該テープを備えたテープカセットに関し、詳細には、基材に剥離シートが剥離可能に接着されたテープ及び当該テープを備えたテープカセットに関する。
従来、テーププリンタに使用される印字テープは、長尺状のテープ基材の一面に、粘着剤を介して剥離シートが貼り合わされて構成され、テープカセットの内部に収納されている。この印字テープは、テープカセットから外部に引き出され、テーププリンタのサーマルヘッド等によって印字処理がなされる。そして、印字処理された印字テープは、使用する長さに切断され、テープ出口から外部に送出される。さらに、その外部に送出された印字テープは、テープ基材の印字面の反対面(裏側)に接着された剥離シートを剥離することにより、被貼付物に貼付されて使用に供される。
このような印字テープは、使用者の要望に応じて、幅狭のものから幅広のものまで多数存在する。しかし、それらを収納するためのテープカセットは、そのテープ幅に見合った大きさのものを各々揃えなければならないため、コスト上好ましくなかった。そこで、例えば、印字テープの幅方向の両端部の長さ方向に沿って、テープ基材のみに切れ目が入れられたハーフカットの印字テープが知られている。この印字テープは、テープ基材側に予め切れ目が入れられているので、テープカセットの大きさを変更する必要がない。そして、印字されて外部に送出された印字テープの幅方向の中央部を剥離シートから剥がすことにより、所望幅を有する印字テープを得ることができる。また、これとは別に、テープカセット内の被印刷用テープ(印字テープ)が搬送される搬送経路上に、被印刷用テープの被印刷層(テープ基材)に切れ目を入れるための一対の切断刃を支持するローラを設けたテープ印刷装置も知られている(例えば、特許文献1参照)。
そして、上記したようなハーフカットの印字テープの剥離シートをテープ基材から剥離させる手段として、例えば、印字テープの切れ目部分におけるテープ基材と剥離シートとの境界を認知し、爪先やナイフ刃先等を前記境界に挿入して、剥離シートを捲り上げる方法や、切断面近辺に曲率を与え、その境界における剥離シートの剥離を発生させる方法等が用いられていた。
特開平11−78086号公報
しかしながら、特許文献1に記載のテープ印刷装置から排出されるようなハーフカットの被印刷用テープ(印字テープ)において、被印刷層(テープ基材)と剥離層(剥離シート)との境界を認知する作業は、時には困難を伴い、必ずしも容易にできるものではなかった。また、この被印刷層から剥離層を剥がす際、切断面近辺に曲率を与えると、被印刷用テープの角部や端部が折れ曲がったりして、曲げクセがつく等の問題点があった。さらに、被印刷用テープが折れ曲がってしまうと、その折れ曲がった部分で剥離層が被印刷層から浮いてしまい、浮きや剥がれの原因になる等の問題点もあった。また、被印刷用テープの被印刷層が曲がってしまうと、被貼付物に貼付された時に、被印刷層が浮いてしまい、剥がれやすくなるという問題点もあった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、テープ自体を折り曲げることなく、剥離シートを簡単かつ迅速に剥がすことのできるテープおよび当該テープを備えたテープカセットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係るテープは、基材と、当該基材の一面に粘着剤を介して剥離可能に接着された剥離シートとで構成されたテープであって、前記テープの幅方向の両端部近傍に、前記テープの長手方向に沿って各々設けられ、前記基材のみを切断した一対の基材側切れ目と、前記テープの長手方向に沿って、前記剥離シートのみを切断した剥離シート側切れ目とを備えている。
また、請求項2に係るテープは、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記剥離シート側切れ目は、前記一対の前記基材側切れ目の間の部分に対向して前記剥離シートに形成されている。
また、請求項3に係るテープは、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記基材側切れ目は、前記テープの幅方向の一端部又は他端部から所定幅離間している。
また、請求項4に係るテープでは、請求項1乃至3の何れかに記載の発明の構成に加え、前記テープ基材の幅方向の両側部分が、前記基材側切れ目に沿って、前記剥離シートから各々剥がされている。
また、請求項5に係るテープカセットは、請求項1乃至4の何れかに記載のテープを収納したことを特徴とする。
請求項1に係るテープでは、テープの長さ方向の一端部において、テープの幅方向の両側部分を手で掴み、略同一平面内で互いに離間する方向に引っ張ると、剥離シートは剥離シート側切れ目で切断されて2つに分断される。一方、基材は、一対の基材側切れ目で各々切断されて3つに分断される。このとき、基材の幅方向中央部を除く両側部分と、2つに分断された一対の剥離シートは手で掴まれて固定されているので、基材の幅方向中央部のみを剥離シートから剥がすことができる。これにより、テープ自体を折り曲げることなく、テープの幅方向両側部分を引っ張るだけの簡単な動作だけで剥離シートを迅速かつ簡単に剥がすことができる。
また、請求項2に係るテープでは、請求項1に記載の発明の効果に加え、剥離シート側切れ目は、一対の前記基材側切れ目の間の部分に対向して剥離シートに形成されているので、印字テープの幅方向両側部分を掴んで互いに離間する方向に引っ張ることにより、手で固定された基材の幅方向両側部分を剥離シートに接着した状態で、基材の幅方向中央部から取り除くことができるので、手で固定されない基材の幅方向中央部だけを剥離シートから剥がすことができる。
また、請求項3に係るテープでは、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、基材側切れ目は、テープの幅方向の一端部又は他端部から所定幅離間しているので、テープの幅方向両側部分を掴むことができる面積を有する部分を確実に確保することができる。
また、請求項4に係るテープでは、請求項1乃至3の何れかに記載の発明の効果に加え、テープ基材の幅方向の両側部分が、予め基材側切れ目に沿って、剥離シートからそれぞれ剥がされているので、基材と剥離シートとの境界が認知し易くなる。これにより、剥離シートを基材からさらに剥がし易くすることができる。また、使用者は、実際に使用に供する基材の幅方向中央部分のみを得ることができる。さらに、実際に使用に供しない基材の幅方向両側部分は、剥離シート上にはないので、ゴミの量を減らすことができる。
また、請求項5に係るテープカセットでは、基材から簡単に剥離シートを剥がすことのできる請求項1乃至4の何れかのテープを収納できる。そして、例えば、このテープカセットをテープ印字装置に装着させ、サーマルヘッドやプラテン等の印字機構によってこのテープに印字することにより、剥離シートの剥がし易い印字済みのテープを使用者に提供することができる。
以下、本発明の第1の実施形態であるテープカセット1について、図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態のテープカセット1の斜視図であり、図2は、上ケース3を取り外した下ケース2の平面図であり、図3は、印字テープ30をテープ基材32側から見た平面図であり、図4は、印字テープ30を剥離シート35側から見た平面図であり、図5は、図3に示すA−A線矢視方向断面図であり、図6は、印字テープ30から剥離シート35を剥がす時の動作説明図(テープ基材32側から見た場合)であり、図7は、印字テープ30から剥離シート35を剥がす時の動作説明図(剥離シート35側から見た場合)である。また、図1において、図の右下側をテープカセット1の前側とし、図の左上側をテープカセット1の後側とする。なお、以下の説明で「ハーフカットの印字テープ30」とは、テープ基材32に切れ目が入れられた印字テープ30をいう。
なお、第1の実施形態のテープカセット1は、本発明の特徴であるハーフカットの印字テープ30(図2参照)を内部に備えるものである。そして、後述する印字テープ30は、図3乃至図5に示すように、長尺状のテープ基材32と、該テープ基材32の一面に粘着剤層33を介して、剥離可能に接着された剥離シート35とから一体的に構成され、テープ基材32および剥離シート35の特定の箇所に切れ目が入れられた点に特徴を有するものである。これにより、印字テープ30自体を折り曲げることなく、印字テープ30から剥離シート35を簡単に剥がすことができる。
はじめに、テープカセット1の概略構成について説明する。図1に示すテープカセット1は、テーププリンタ(図示外)に着脱可能に装着され、下ケース2と、該下ケース2の上側に固定される上ケース3とを筐体に備える。
図1に示すように、テープカセット1の上ケース3には、印字テープ30の剥離シート35側を外側に向けて巻回して支持するテープスプール18(図2参照)を回動可能に支持する支持孔4と、テーププリンタのサーマルヘッド(図示外)によって、印字テープ30のテープ基材32上に文字、記号、図形等を印字する際、リボンスプール20(図2参照)からインクリボン19を引き出し、さらに、使用済みのインクリボン19を巻き取るリボン巻取スプール21(図2参照)を支持する支持孔5とが形成されている。また、図2に示すように、下ケース2についても同様に、上ケース3の各支持孔4,5に対向して連続する支持孔4a,5aが各々形成されている。
また、図1に示すように、テープカセット1の前側(図1中右下側)の側面には、テープスプール18(図2参照)から引き出された印字テープ30を、リボンスプール20(図2参照)から引き出されたインクリボン19とともに後述するヘッド装着部9に案内し、開口8aから送出させるアーム部8が設けられている。さらに、このアーム部8の開口8aの近傍には、アーム部8と、該アーム部8に対向する壁部9aとに囲まれて形成され、テーププリンタのサーマルヘッド(図示外)等が装着されるために開口するヘッド装着部9が設けられている。そして、このヘッド装着部9を形成する壁部9aには、テープカセット1の後方に向かって凹状に湾曲し、上下方向に延設された第1嵌合部10が形成されている。また、ヘッド装着部9の左側(図1中左側)の側壁には、その第1嵌合部10と直交する方向(壁部9aに沿った方向)に凹状に湾曲する第2嵌合部11が形成されている。そして、これら各第1嵌合部10、第2嵌合部11は、テーププリンタのサーマルヘッドを支持するヘッドホルダ(図示外)に形成された2つの各突起部(図示外)に嵌合されるものである。これにより、ヘッド装着部9に対するサーマルヘッドの装着を、印字テープ30およびインクリボン19に対して干渉することなく確実に行うことができる。
さらに、図1に示すように、印字テープ30およびインクリボン19の走行方向において、ヘッド装着部9の下流側には、上下方向に貫通する支持孔13が設けられ、該支持孔13の内側には、テープ送りローラ12が回動可能に支持されている。このテープ送りローラ12は、該テープ送りローラ12に対向して配置されるテーププリンタの圧接ローラ(図示外)との協働により、テープスプール18(図2参照)から印字テープ30を引き出すものである。また、テープ送りローラ12の近傍であって、印字テープ30の走行方向の上流側には、上下一対の規制部材14、15が設けられている。これら各規制部材14、15は、サーマルヘッド(図示外)の下流側にて文字等が印字された印字テープ30を幅方向に規制して、テープ排出口24に向かって印字テープ30を案内するものである。また、これら各規制部材14、15の内側には、図2に示すように、ヘッド装着部9を経由して搬送された使用済みのインクリボン19を、印字テープ30から離間させて、リボン巻取スプール21に向かって案内するための案内部25が設けられている。そして、その案内部25に沿って、使用済みのインクリボン19を通過させるための案内孔25aが設けられている。
一方、図1,図2に示すように、テープカセット1の右後縁位置(図1の右上側)には、カセット検出部16が形成されている。このカセット検出部16には、テープカセット1の種類(例えば、印字テープ30の幅、インクリボン19に塗布されたインクの色等により、テープカセット1の種類が特定される)を検出するために、所定のパターンをもって複数個のスイッチ孔16aが穿設されている。このスイッチ孔16aの形成パターンは、各テープカセット1の種類に従って異なるパターンとされている。そして、これら各スイッチ孔16aは、テーププリンタ(図示外)側に配設された複数個の検出スイッチ(図示外)のオン・オフの組合せに基づいて検出されるものである。
次に、テープカセット1の内部構造について説明する。図2に示すように、下ケース2内の後部(図2中上部)左側には、本発明の特徴である印字テープ30を巻回したテープスプール18が、前記支持孔4(図1参照)を介して回動可能に配置されている。また、下ケース2の前部(図2中下部)右側には、インクリボン19を巻回したリボンスプール20が回動可能に配置されている。さらに、テープスプール18とリボンスプール20との挟まれた間には、リボンスプール20からインクリボン19を引き出すとともに、文字等の印字にて使用されたインクリボン19を巻き取るリボン巻取スプール21が、前記支持孔5(図1参照)を介して回動可能に配置されている。そして、案内孔25aを通過して、リボン巻取スプール21に向かって搬送される使用済みのインクリボン19と、テープスプール18に巻回して支持された印字テープ30との間には、インクリボン19と印字テープ30とが互いに接触するのを防止するための分離壁27が起立して設けられている。
次に、テープカセット1内における印字テープ30の搬送経路について説明する。図2に示すように、印字テープ30は、まず、テープ送りローラ12と、図示しないテーププリンタ側の圧接ローラとの協働により、テープスプール18から引き出される。次いで、テープスプール18から引き出された印字テープ30は、アーム部8に向かって搬送され、該アーム部8の開口8aからヘッド装着部9の前側(図2中下側)に向かって送出される。このとき、印字テープ30は、テープ基材32(図5参照)側を壁部9a側に、剥離シート35(図5参照)側をヘッド装着部9の外方に向けた状態で開口8aから送出される。そして、この印字テープ30のテープ基材32側にインクリボン19が重ねられる。次いで、図示しないテーププリンタのサーマルヘッドとプラテンとの間に、印字テープ30が、インクリボン19とともに搬送され、印字テープ30のテープ基材32の印字面に文字等が印字される。その後、印字された印字テープ30は、一対の規制部材14,15(図1,図2参照)によって幅方向の位置が規制され、テープ送りローラ12の回転によって、テープ排出口24から外部に排出される。
次に、テープカセット1内におけるインクリボン19の搬送経路について説明する。図2に示すように、インクリボン19は、リボン巻取スプール21の回転により、インクリボン19の搬送経路を介して、リボンスプール20から引き出される。まず、リボンスプール20から引き出されたインクリボン19は、アーム部8に向かって搬送され、該アーム部8の開口8aからヘッド装着部9の前側(図2中下側)に向かって送出される。このとき、インクリボン19は、印字テープ30のテープ基材32(図5参照)側に重ねられる。さらに、インクリボン19は、サーマルヘッド(図示外)およびプラテン(図示外)によって印字テープ30のテープ基材32側に押圧され、印字テープ30のテープ基材32の印字面に文字等を印字する。その後、使用済みとなったインクリボン19は、印字テープ30から離間して、各規制部材14、15の内方に形成された案内部25の案内孔25aを通過して、リボン巻取スプール21の周囲に巻き取られる。なお、図示しないが、リボン巻取スプール21の下部には、クラッチバネが取り付けられている。このクラッチバネは、リボン巻取スプール21が逆転して巻き取ったインクリボン19が緩んでしまうことを防止するものである。
次に、本発明の特徴である印字テープ30について、図3乃至図5を参照して説明する。図3,図4および図5に示すように、印字テープ30は、長尺状のテープ基材32と、該テープ基材32の一面に塗布形成された粘着剤層33と、該粘着剤層33を介して、テープ基材32の前記一面に剥離可能に接着された長尺状の剥離シート35とから構成されている。そして、テープ基材32において、粘着剤層33が塗布形成される一面とは反対の面が印字される印字面となっている。そして、剥離シート35の材質は、紙や樹脂フィルムである。また、図示しないが、剥離シート35の、テープ基材32側に接着される面には、剥離剤としてのシリコン膜が塗工されている。そして、図3,図5に示すように、テープ基材32の幅方向両端部近傍には、その両端部の長さ方向に沿って各々切れ目が入れられたハーフカット部32a,32aが設けられている。このハーフカット部32aは、剥離シート35側までは入れられず、テープ基材32の幅方向両端部から所定の長さだけ離間して設けられている。例えば、本実施形態の印字テープ30では、18mm幅のテープ基材32に対して、幅方向両側を除く中央部の幅が12mm〜14mmとなるように、ハーフカット部32a,32aをテープ基材32に各々設けてている。したがって、ハーフカット部32aは、テープ基材32の幅方向両端部から2〜3mm程度離間させて各々設けられている。なお、図3に示すハーフカット部32aが、「基材側切れ目」に相当する。
一方、図4,図5に示すように、剥離シート35の幅方向中央部には、その剥離シート35の長さ方向に沿って切れ目が入れられた背割れ部35aが設けられている。この背割れ部35aは、ハーフカット部32aと同様の切れ目であり、テープ基材32側までは入れられていない。そして、背割れ部35aは、少なくとも一対のハーフカット部32a,32の間の部分に対向する位置に設ければよく、好ましくは、剥離シート35の幅方向中央部に設けるのがよい。なお、図4に示す背割れ部35aが、「剥離シート側切れ目」に相当する。
次に、上記構成からなる印字テープ30の剥離シート35の剥がし方について図3乃至図7を参照して説明する。まず、図3,図4に示す印字テープ30の長手方向一端部(図3中の左側一端部)であって、テープ基材32の幅方向両側のハーフカット部32a,32aよりも外側の部分に、片方の手で掴むことのできる面積を有する把持部30a,30aを各々設定する。なお、この把持部30a,30aは、図3,図4に示すように、テープ基材32、粘着剤層33,剥離シート35が積層してなる印字テープ30の端部における部分を指している。次いで、これら把持部30a,30aを、テープ基材32側および剥離シート35側から挟むように手で掴んで固定する。次に、把持部30a,30aを掴みながら、印字テープ30を含む略同一平面内で互いに離間する方向に向かって各々引っ張る。すると、図7に示すように、把持部30a,30aで各々掴まれて固定された剥離シート35は、背割れ部35aに沿って徐々に切断され、剥離シート35の長さ方向に沿って徐々に二つに分断される。
一方、図6に示すように、テープ基材32の幅方向両側部分は、把持部30a,30aで各々掴まれた状態で、互いに離間する方向に向かって引っ張られる。すると、テープ基材32は、ハーフカット部32a,32aにおいて切断されて徐々に三つに分断される。このとき、テープ基材32の幅方向両側部分と、2つに分断された一対の剥離シート35とは、一対の把持部30a,30aにおいて手で掴まれて固定されているので、固定されないテープ基材32の幅方向中央部だけが剥離シート35から剥がれる。そして、テープ基材32の幅方向両側部分は、剥離シート35に接着された状態で、テープ基材32の幅方向中央部から各々離れる。このように、把持部30a,30aを互いに離間する方向に引っ張るだけの簡単な動作で、使用に供されるテープ基材32の幅方向中央部を折り曲げることなく、テープ基材32から素早く剥離シート35を剥がすことができる印字テープ30を提供することができる。また、印字テープ30から剥離シート35を剥がす一連の動作において、使用に供されるテープ基材32の幅方向中央部には手が触れないので、テープ基材32の印字面を汚すことがない。
以上説明したように、第1の実施形態のテープカセット1は、印字テープ30を内部に備えるものである。この印字テープ30は、長尺状のテープ基材32と、該テープ基材32の一面に粘着剤層33を介して、剥離可能に接着された剥離シート35とから一体的に構成されるものである。そして、テープ基材32の幅方向両端部近傍には、その両端部の長さ方向に沿って切れ目が入れられたハーフカット部32a,32aが各々設けられている。一方、剥離シート35の幅方向両端部中央部には、その剥離シート35の長さ方向に沿って切れ目が入れられた背割れ部35aが設けられている。さらに、これら切れ目を有する印字テープ30の一端部であって、テープ基材32の幅方向両側のハーフカット部32a,32aよりも外側の部分に、片方の手で掴むことのできる程度の面積を有する把持部30a,30aが設定される。そして、印字テープ30から剥離シート35を剥がす際に、これら把持部30a,30aを掴んで固定し、印字テープ30を含む同一平面内で互いに離間する方向に向かって引っ張る。すると、剥離シート35は、背割れ部35aに沿って徐々に切断されて、長さ方向に沿って二つに分割され、テープ基材32もハーフカット部32a,32aに沿って切断される。これにより、使用に供されるテープ基材32の幅方向中央部だけを剥離シート35から剥がすことができる。こうして、印字テープ30は、印字テープ30自体を折り曲げず、即ち、テープ基材32の幅方向中央部を折り曲げることなく、簡単かつ手早く剥離シート35を剥がすことができる。
次に、第2の実施形態のテープカセットについて、図8及び図9を参照して説明する。図8は、第2の実施形態の印字テープ300の横断面図であり、図9は、印字テープ300から剥離シート35を剥がす時の動作説明図(テープ基材320側から見た場合)である。この第2の実施形態のテープカセットは、第1の実施形態の印字テープ30を変形した印字テープ300を備える。そして、この印字テープ300は、図5に示す印字テープ30におけるテープ基材32の部分のみが異なり、この印字テープ300を備えるテープカセットの構造は、上記実施形態と同じである。よって、ここでは、印字テープ300の構造を中心に説明し、その他については、上記説明を援用するものとする。そして、印字テープ30と構造が同じ部分については、第1の実施形態で使用した符号と同じものを付すものとする。また、以下の説明では、第1の実施形態の印字テープ30の構造と比較するために、図5又は図6を用いて説明する。
印字テープ300について説明する。図8に示すように、印字テープ300は、図5に示す長尺状のテープ基材32の幅方向両側部分を、ハーフカット部32a,32a(図5参照)に沿って切断したテープ基材320と、該テープ基材320の一面に塗布形成された粘着剤層33と、該粘着剤層33を介して、テープ基材320の前記一面に剥離可能に接着された長尺状の剥離シート35とから構成されている。また、第1の実施形態と同様に、剥離シート35の幅方向両端部中央部には、その剥離シート35の長さ方向に沿って切れ目が入れられた背割れ部35aが設けられている。
次に、上記構成からなる印字テープ300の剥離シート35の剥がし方について、図9を参照して説明する。まず、図9に示す印字テープ300の長手方向一端部(図9中の左側一端部)であって、テープ基材320の幅方向両端部よりも外側の剥離シート35の各部分に、片方の手で掴むことのできる面積を有する把持部30a,30aを各々設定する。次いで、これら把持部30a,30aを掴んで固定し、把持部30a,30aを掴みながら、印字テープ300を含む略同一平面内で互いに離間する方向に向かって各々引っ張る。すると、把持部30a,30aで各々掴まれて固定された剥離シート35は、背割れ部35aに沿って徐々に切断され、剥離シート35の長さ方向に沿って徐々に二つに分断される。一方、テープ基材320は、粘着剤層33(図8参照)を介して、剥離シート35から徐々に剥がれるため、使用者は実際に使用に供する印字済みのテープ基材320のみを得ることができる。
このように、第2の実施形態の印字テープ300では、図5に示すテープ基材32の幅方向両側部分が、ハーフカット部32a,32a(図5参照)に沿って、剥離シート35上から予め剥がされているので、テープ基材320と剥離シート35との境界が認知し易い。これにより、剥離シート35をテープ基材320から剥がし易くすることができる。また、テープ基材320は、実際に使用に供しないテープ基材32(図5、図6参照)の幅方向両側部分は、剥離シート35上にはないので、ゴミの量を減らすことができる。
なお、本発明のテープおよび当該テープを備えたテープカセットは、上記第1及び第2の実施形態に限らず、種々の変更が可能である。
例えば、第1及び第2の実施形態では、幅が18mmの印字テープ30が使用されているが、これに限らず18mm幅より長くても短くてもよく、種々の幅を持つ各種テープでも適用できる。さらに、第1の実施形態において、ハーフカット部32a,32aを設ける位置についても、使用者の希望するテープ幅となるように適宜調整するのがよい。好ましくは、印字テープ30の幅方向両端部を手で掴めるだけの把持部30a,30aを設定するだけの面積は最低限確保するのがよい。
第1の実施形態のテープカセット1の斜視図である。 上ケース3を取り外した下ケース2の平面図である。 印字テープ30をテープ基材32側から見た平面図である。 印字テープ30を剥離シート35側から見た平面図である。 図3に示すA−A線矢視方向断面図である。 印字テープ30から剥離シート35を剥がす時の動作説明図(テープ基材32側から見た場合)である。 印字テープ30から剥離シート35を剥がす時の動作説明図(剥離シート35側から見た場合)である。 第2の実施形態の印字テープ300の横断面図である。 印字テープ300から剥離シート35を剥がす時の動作説明図(テープ基材320側から見た場合)である。
符号の説明
1 テープカセット
30 印字テープ
32 テープ基材
32a ハーフカット部
33 粘着剤層
35 剥離シート
35a 背割れ部
300 印字テープ
320 テープ基材

Claims (5)

  1. 基材と、当該基材の一面に粘着剤を介して剥離可能に接着された剥離シートとで構成されたテープであって、
    前記テープの幅方向の両端部近傍に、前記テープの長手方向に沿って各々設けられ、前記基材のみを切断した一対の基材側切れ目と、
    前記テープの長手方向に沿って、前記剥離シートのみを切断した剥離シート側切れ目と
    を備えていることを特徴とするテープ。
  2. 前記剥離シート側切れ目は、前記一対の前記基材側切れ目の間の部分に対向して前記剥離シートに形成されていることを特徴とする請求項1に記載のテープ。
  3. 前記基材側切れ目は、前記テープの幅方向の一端部又は他端部から所定幅離間していることを特徴とする請求項1又は2に記載のテープ。
  4. 前記テープ基材の幅方向の両側部分が、前記基材側切れ目に沿って、前記剥離シートから各々剥がされていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のテープ。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載のテープを収納したことを特徴とするテープカセット。




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